JP2002146341A - オレフィン系樹脂防水シート用液状シール材 - Google Patents
オレフィン系樹脂防水シート用液状シール材Info
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Abstract
ストマーからなる防水シートと強固に接着し、また、耐
候性にも優れる液状シール材を提供することを目的とす
る。 【課題手段】 樹脂成分がオレフィン系共重合体とスチ
レン−オレフィン共重合体から成り、さらには該オレフ
ィン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、低分子量非晶性α
−オレフィン共重合体であることである。
Description
時に防水シート同士を熱風溶接機により溶融接合した際
の接合端部に配置するシール材組成物に関するもので、
オレフィン系の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーか
らなる防水シートの接合端部の水密処理を施すための液
状シール材に関するものである。
材としてポリ塩化ビニル製防水シートが多用されてい
る。防水シートの施工方法は、接着剤や固定用ビスによ
り施工下地面に固定し、防水シート同士を熱融着や接着
剤、または溶剤により接合することにより行う。しかし
ながら、接合した際の端部は接合不良による漏水が起こ
る可能性が高い。そのため、この接合端部に対して更に
水密処理を行うことが多く、その方法としては溶接棒を
接合端部に熱融着する方法や、液状シール材を接合端部
に塗布する方法があり、特に施工性の簡便さから液状シ
ール材を用いる方法が増えてきている。ポリ塩化ビニル
製防水シートの場合、ポリ塩化ビニルの溶剤に対する高
い溶解性のため、防水シートと同質の樹脂組成物を溶剤
に溶解した液状シール材を防水シートに塗布すれば容易
に一体化するため、強固に、また確実に水密処理をする
ことができる。
ゲン素材が忌避される傾向にあり、防水材においても非
塩化ビニル系材料からなる製品の開発が行われている。
この非塩化ビニル系防水材は主に熱可塑性オレフィン系
樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマーなどのオレフ
ィン系樹脂組成物からなる製品が開発されている。
ィン系樹脂は非極性材料であり、また溶剤に対する溶解
性も低い為、接着という観点からは不利な材料であり、
防水シート同士の接合端部の水密処理においても、従来
の塩化ビニル製防水シートのように防水シートと同質の
樹脂組成物を溶剤に溶解した液状シール材を用いる方法
は困難であり、また、強固に接着できる材料も少ない
為、オレフィン系樹脂製防水シートにおいては、液状シ
ール材による防水シート接合端部の水密処理を用いる方
法は困難であった。
ン系熱可塑性エラストマーからなる防水シート用のシー
ル材として特開2000−73045号公報に示される
ようなスチレン−オレフィン−スチレントリブロック共
重合体を主成分とする防水シート用のシール材が開発さ
れた。しかし、スチレン−オレフィン−スチレントリブ
ロック共重合体をシール材の主成分とした場合、スチレ
ンユニットによる光エネルギーの吸収のため耐候性が劣
るという問題がある。
樹脂や熱可塑性エラストマーからなる防水シートと強固
に接着し、また耐候性にも優れるオレフィン系樹脂防水
シート用液状シール材を提供することを目的とする。
により達成される。すなわち、請求項1では、樹脂成分
がオレフィン系共重合体とスチレン−オレフィン共重合
体から成ることを特徴とするオレフィン系樹脂防水シー
ト用液状シール材であり、該オレフィン系共重合体は、
オレフィン材料への親和性、強度、耐候性などに優れ、
液状シール材の樹脂組成物に好適であるが、溶剤に対す
る溶解性に若干劣るため、液状シール材の樹脂含有量を
増やすことができず、溶剤揮散後の液状シール材膜は肉
痩せするため、溶剤に対する溶解性の高いスチレン−オ
レフィン系共重合体をブレンドすることにより液状シー
ル材として樹脂含有量が十分で、溶剤が揮散した後も肉
痩せしない液状シール材が得られた。また、スチレン−
オレフィン系共重合体単独に比べて樹脂成分中のスチレ
ン含有量も低減されているため紫外線劣化などが抑えら
れ、耐候性に優れる液状シール材を得ることができた。
重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、低分子量非晶性α−オレフィ
ン共重合体であることを特徴とするオレフィン系樹脂防
水シート用液状シール材であり、この3種類のオレフィ
ン系共重合体はオレフィン系樹脂の中でも比較的溶剤に
対する溶解性が高く、また、耐候性も優れるため液状シ
ール材として好適である。
て本発明を詳しく説明する。
の水密処理に本発明のオレフィン系樹脂防水シート用液
状シール材を施したものであり、オレフィン系樹脂組成
物からなる防水シート1、2は施工下地面に接着剤や固
定用ビスなど周知の手段により固定し、両シートの接合
端部を熱融着などの方法によって接合し、本発明の液状
シール材3で防水シート2の端部を覆うように、防水シ
ート1から防水シート2にかけて塗布した状態である。
重合体とスチレン−オレフィン共重合体からなり、この
両者を組み合わせることにより、接着力や強度、耐候性
など液状シール材の性能が幅広い範囲で選択することが
できる。
物はオレフィン系共重合体とスチレン−オレフィン共重
合体からなるが、オレフィン共重合体としては、エチレ
ンプロピレンゴムやエチレンブテンゴム等のα−オレフ
ィン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体やエチレン−アクリル
酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共
重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエ
チレン−メタクリル酸エステル共重合体、低分子量非晶
性α−オレフィン共重合体が挙げられ、その中でもオレ
フィン系材料への親和性、溶剤に対する溶解性、耐候性
に優れる点からエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、低分子量非晶性α−オ
レフィン共重合体が好ましい。
ン−アクリル酸エチル共重合体としては、酢酸ビニルも
しくはアクリル酸エチルの含有量が25〜50wt%、
より好ましくは30〜45wt%で、メルトフロート
(MFR→JIS K6760温度190℃、荷重2
1.18N)が2.0〜50.0g/10分の範囲のも
のが好ましく、また、低分子量非晶性α−オレフィン共
重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体やプロ
ピレン−ブテン共重合体などが挙げられるが、耐候性の
観点からエチレン−プロピレン共重合体が好ましく、1
90℃における溶融粘度が400〜8500Pa・s、
より好ましくは1000〜7500Pa・sで、エチレ
ン含有量が高いものが適度な硬度の液状シール材を得る
ことができ好ましい。
合体としては、スチレンとオレフィンのジブロック共重
合体、トリブロック共重合体、ランダム共重合体やグラ
フト共重合体が挙げられるが、溶剤に対する溶解性の観
点からジブロック共重合体、トリブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体が好ましく、樹脂成分を比較的高濃度に
溶解できるため、溶剤揮散後も十分の肉厚を確保した液
状シール材膜を得ることができる。
フィンコモノマーとしてはイソプレンや、ブタジエン、
エチレン-プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共
重合体、エチレン、ブタジエン水素添加物、イソプレン
水素添加物等が挙げられるが、好ましくは二重結合を含
まないものを用いることにより耐候性に優れた液状シー
ル材を得ることができる。
は、スチレン含量が10〜60wt%、より好ましくは
20〜40wt%の共重合体であり、スチレン−オレフ
ィン共重合体のスチレン含量が10wt%以上ならば溶
剤に対する溶解性が確保され、スチレン含量が60wt
%以下ならばオレフィン材料への親和性が発現され、オ
レフィン系樹脂防水シートに対する十分な接着力が確保
されるため液状シール材の樹脂成分として好適に用いる
ことができる。
重合体とスチレン−オレフィン共重合体から成るが、接
着力、強度、耐候性の点からブレンドする割合は、オレ
フィン系共重合体20〜80wt%、より好ましくは3
0〜70wt%とスチレン−オレフィン共重合体80〜
20wt%、より好ましくは70〜30wt%である。
前記の割合で樹脂をブレンドすることにより、各樹脂の
特徴が発現され、それぞれの樹脂単独では足りなかった
液状シール材としての性能を互いに補完でき、接着力、
強度、耐候性等の性能を十分に満たす液状シール材を得
るのに好適である。
−オレフィン共重合樹脂とオレフィン系共重合樹脂を主
成分とする樹脂組成物を溶剤に溶解させたものを用いる
が、液状シール材における樹脂含有量は肉痩せがなく耐
候性や強度が確保され、作業性に適した粘度範囲の液状
シール材を得ることができるという点から15〜60w
t%がよく、作業性と塗布した時のタレ防止などの施工
性の観点から好ましくは25〜40wt%がよい。
優れた溶解性を示す、石油エーテルやトルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化
炭素等を用いることができるが、環境問題や毒性、オレ
フィン系樹脂組成物からなる防水シートに対しての高い
親和性を考慮すると、特にトルエン、キシレン、シクロ
ヘキサンなどの溶剤を用いるのが好ましく、これらの混
合溶媒を用いることも可能である。また、本発明では上
記の良溶媒同士の混合溶媒以外にも著しく溶解性を損な
わない範囲で、上記良溶媒にエチルメチルケトンや、ア
セトン、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を混合し
た溶媒を用いることができ、特に低沸点の貧溶媒を混合
することにより、乾燥速度を調整でき、タレ防止等の作
業性を向上できるなどの利点がある。
物のほかに、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の充填
剤や、接着力向上のため、脂環族や芳香族系石油樹脂な
どの粘着付与剤、軟化剤として、可塑剤やプロセスオイ
ルなどを添加することできる。更に耐候性向上のために
酸化防止剤や、ヒンダードアミン系光安定剤(HAL
S)等の耐光安定剤を添加することが好ましい。
きく影響を与える。添加量としては、樹脂100重量部
に対して0.05〜2.5重量部添加することが好まし
い。HALSを0.05重量部以上添加することにより
液状シール材としての耐候性が確保され、また、2.5
重量部以下にすることにより、耐候性の効果が飽和する
量以上に添加するHALSを節約でき、コスト的に好ま
しい。また、この場合におけるHALSとしては高分子
量タイプのものが好ましく、分子量が1000以上のも
のが好ましい。高分子量タイプのHALSを用いた場
合、ブルーム等による塗布後の液状シール材膜からの損
失が少なく、長期にわたり耐候性を保持する液状シール
材を得ることができる。
げて、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
レフィン系共重合樹脂とスチレン−オレフィン共重合樹
脂、溶剤、その他添加剤を溶解機に投入し、攪拌するこ
とにより組成物を溶剤に溶解し、オレフィン系樹脂防水
シート用液状シール材を得た。
った。 180°剥離強度 引張試験機による180°剥離試験を行った。サンプル
は、オレフィン系樹脂防水シート上に液状シール材をバ
ーコーターで0.6mmの厚さで塗布し、補強材を積層
し、48時間乾燥養生後20℃の環境下で100mm/
minの引張速度で剥離試験を行った。 耐候性試験 促進曝露耐候試験機による耐候試験を行った。63℃、
湿度50%の環境下で紫外線照射強度を60mW/cm
2とし、表面のクラック発生状況を評価した。 作業性 平面部と垂直部のオレフィン系樹脂防水シートに液状シ
ール材の試験施工を行い、塗布のしやすさ、タレの発生
により作業性を評価した。これらの項目の評価基準は、
表1のように定めた。
り、実施例1〜6として表2〜4に示す配合の液状シー
ル材を作製し、性能の評価に用いた。
り、比較例1、2として表5、6に示す配合の液状シー
ル材を作製し、性能の評価に用いた。
耐候性、作業性にバランスの取れた性能の液状シール材
が得られた。一方、表6に示したように比較例は、評価
項目のいずれかが十分な性能を得られておらず、液状シ
ール材としての性能を満足することができなかった。
体とスチレン−オレフィン共重合体から成ることを特徴
とするから、オレフィン系の熱可塑性樹脂や熱可塑性エ
ラストマーからなる防水シートに対し十分な接着性を有
するため、防水シート同士の接合端部の十分な水密処理
ができ、また耐候性にも優れ、長期にわたり防水シート
接合端部からの漏水を防ぐことができる。
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、低分子量非晶性α−オレフィン共重合体であるこ
とを特徴とすることにより、溶剤に対する溶解性が高く
溶剤揮散後のシール材膜の肉痩せがなく充分な肉厚を確
保するものとなり、前記の効果を更に向上させることが
できる。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 オレフィン系樹脂よりなる防水シート同
士の接合端部の水密処理に用いる液状シール材であり、
樹脂成分がオレフィン系共重合体とスチレン−オレフィ
ン共重合体から成ることを特徴とするオレフィン系樹脂
防水シート用液状シール材。 - 【請求項2】 オレフィン系共重合体がエチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、低分子量非晶性α−オレフィン共重合体であること
を特徴とする請求項1記載のオレフィン系樹脂防水シー
ト用液状シール材。
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