JP4156242B2 - 両面粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

両面粘着シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面粘着シートに関する。本発明の両面粘着シートは、たとえば、建築時の防水気密施工等において、透湿防水シートを各種の住宅建材等に接着させるための防水気密用両面粘着シート等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
品確法(住宅品質確保促進法)の施行により、住宅の雨漏りを完全に阻止することが要望されている。そのため、建築時の防水気密施工等には種々の防水シートが使われている。また近年、省エネ効果の高い高気密高断熱住宅が要望されており、種々の気密シートも使われている。
【0003】
これら防水気密用粘着シートの粘着剤としてはゴムアスファルト、ブチルゴム、アクリルポリマーをベースにしたものが知られている。なかでもブチルゴム粘着剤は耐久性30年の実績があり、高温低温での接着性も比較的良好である。またブチルゴム粘着剤は、防水機能にも優れており、防水機能の指標になる被着体から剥がした時の破壊モードは凝集破壊を示す。凝集破壊を示さない場合には、被着体と粘着剤の間に隙間が生じ、この隙間に水が浸み込み防水できないおそれがあり好ましくない。これに対し、ゴムアスファルト粘着剤は耐久性が約10年と短く、また高温低温での接着性に乏しい。アクリル粘着剤は近年商品化されているが、被着体から剥がれた時の破壊モードは凝集破壊を示さず、長年にわたる防水機能が十分かは不明である。
【0004】
このようにブチルゴム粘着剤は他の防水気密用粘着剤に比べて、前記特性面で良好である。そのため、従来より防水気密用粘着シートには、ブチルゴムベースの粘着剤が用いられてきた。また前記粘着剤としては固形タイプの粘着剤組成物が用いられきた。固形タイプの粘着剤組成物は、環境汚染の原因となる有機溶剤を用いず、かつ乾燥に多大なエネルギーを必要とする水も使用しない、無溶剤でかつ非水系の粘着剤組成物である。固形タイプの粘着剤組成物は、通常、天然ゴムをはじめとするゴム質ポリマーを主剤とし、これに粘着付与剤を配合し、また通常は炭酸カルシウム微粉末などの充境剤、オイルなどの軟化剤、老化防止剤などを適当な割合で配合し、この配合物を加熱しながらニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどで混練したものであり、常温で固形である。
【0005】
近年では、防水気密用粘着シートには新しい住宅建材のあらゆる被着体に接着すること、また防水気密を長年にわたり維持するために木板や合板、透湿防水シートなど色々な被着体に接着することが望まれており、ブチルゴム粘着剤にも更なる性能向上が求められている。
【0006】
たとえば、固形タイプのブチルゴム粘着剤は、透湿防水シートを接着した場合に、透湿防水シートが膨張して雛が発生し、その雛の部分が水路になり防水性を損なうおそれがあった。その他に、固形タイプのブチルゴム粘着剤は、高温での凝集力が乏しく、経時的に貼り付け位置にズレが生じる場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少なくとも1層がブチルゴムベースの粘着剤を粘着剤層とする両面粘着シートであって、建築時の防水気密施工等において当該粘着シートを介して透湿防水シートと被着体を接着した場合にも、経時的な透湿防水シートの膨張が少ない両面粘着シートを提供することを目的とする。
【0008】
さらには本発明は、経時的な透湿防水シートの膨張を抑えるとともに、色々な建材用被着体に対して接着性能の良好な両面粘着シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく、両面粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤について種々検討した結果、以下の両面粘着シートにより前記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、基材の片側に粘着剤層(A)及び他の片側に粘着剤層(B)を有する両面粘着シートの製造方法であって、
少なくともブチルゴムをベースとする粘着剤を用いて粘着剤層(A)を形成する工程と、
架橋剤を含む粘着剤を架橋処理し、有機溶剤及び水を使用せず、加熱混練して粘着剤層(B)を形成する工程とを含み、
前記両面粘着シートを介して透湿防水シートとアルミ板を、粘着剤層(A)側が透湿防水シート、粘着剤層(B)側がアルミ板となるように貼付し、0℃で5日間放置した後、下記の方法により測定した透湿防水シートの膨張率が0.5%以下であることを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
透湿防水シートの膨張率は、アルミ板(厚み2mm)と透湿防水シート(旭デュポン社製、商品名「タイベック1060B」,厚み0.18mm,幅100mm,長さ100mm)を、粘着剤層(A)側が透湿防水シート、粘着剤層(B)側がアルミ板となるように両面粘着シート(幅50mm、長さ100mm)を介して貼り合わせた後、60℃雰囲気下で5日間放置後に測定した、透湿防水シートの膨張後の長さから下記式により求められる、原寸の長さ100mmに対する伸び率である。
膨張率={((膨張後の長さ)−(原寸の長さ))/(原寸の長さ)}×100(%)。
【0011】
上記本発明の両面粘着シートは、上記試験後の透湿防水シートの膨張率が0.5%以下であり、建築時の防水気密施工等において当該粘着シートを介して透湿防水シートと被着体を接着した場合にも、経時的な透湿防水シートの膨張が小さい。本発明では前記膨張率は小さいほど好ましく、前記膨張率は好ましくは0.4%以下、最も好ましくは0%である。なお前記膨張率は詳しくは実施例に記載の方法により測定される。
【0012】
また本発明は、粘着剤層(A)が、更に、軟化剤を含む粘着剤から構成されており、
前記軟化剤の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
【0013】
ブチルゴムをベースとする固形タイプの粘着剤組成物は、接着性の点から、通常、軟化剤として低分子量のオイル成分が配合されている。当該オイル成分は非極性であり、一方、透湿防水シートの材料もポリエチレンの非極性材料であるため、相溶性がよい。そのため、ブチルゴム粘着剤を粘着剤層とする粘着シートにより透湿防水シートを接着すると、当該粘着剤層中のオイル成分が透湿防水シートに浸入し、その結果、透湿防水シートが膨張すると考えられる。また低分子オイル成分は分子量が他の配合物に比べて小さいために接着面に移行しやすいことも透湿防水シートの膨張原因であると考えられる。上記本発明の両面粘着シートでは、透湿防水シートの接着面となる粘着剤層(A)に含有させる軟化剤として重量平均分子量が1000以上のものを用いることで、軟化剤の透湿防止シートへの浸入、移行を抑えている。したがって、建築時の防水気密施工等において当該粘着シートを介して透湿防水シートと被着体を接着した場合にも、経時的な透湿防水シートの膨張を抑えられる。
【0014】
また前記両面粘着シートは、粘着剤層(B)を構成する粘着剤が、架橋剤を用いて架橋処理されている。
【0015】
両面粘着シートの透湿防水シートの接着面である粘着剤層(A)の反対側の粘着剤層(B)に、架橋処理を施すことで透湿防水シートの膨張をさらに抑制できる。粘着剤層(B)は、建材である木板や合板等の粗面に対する接着面となりうるが、架橋処理することで高温での凝集力を向上させることができ粗面接着も強くすることができる。
【0016】
また前記両面粘着シートは、基材が少なくとも1層のプラスチックフィルムを有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の両面粘着シートの粘着剤層(A)はブチルゴムをベースとする粘着剤により形成されている。ブチルゴムの種類は特に制限されず合成ブチルゴム、再生ブチルゴムのいずれも使用できる。なかでも透湿防水シートの膨張の抑制の点、また耐久性、耐候性の点で合成ブチルゴムが好ましく用いられる。
【0018】
粘着剤層(A)を形成する粘着剤には、ベースとなるブチルゴムに、軟化剤が配合されている。当該軟化剤としては、重量平均分子量1000以上のものを用いる。透湿防水シートの膨張を抑制するためには重量平均分子量2000以上のものが好ましい。なお、軟化剤の重量平均分子量の上限は特に制限されないが、上限10万程度である。軟化剤としては、プロセスオイル、ポリブテン、液状粘着付与剤等があげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。前記軟化剤の配合量は、ブチルゴム100重量部に対して、5〜150重量部程度、好ましくは10〜100重量部である。
【0019】
粘着剤層(A)を形成する粘着剤には、さらに各種粘着付与剤が、通常、配合される。粘着付与剤は、粘着性の付与とともに、熱により軟化させやすくするためのものである。粘着付与剤としてはブチルゴムと相溶する各種の樹脂が好ましく用いられる。たとえば、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂など、またこれらの水添物等があげられる。これら粘着付与剤は1種または2種以上が用いられる。特に透湿防水シートの膨張を抑制するのには、水添テルペン系樹脂が好ましい。粘着付与剤の配合量は、ブチルゴム100重量部に対して、20〜200重量部が好ましく、さらに好ましくは30〜150重量部である。
【0020】
本発明の両面粘着シートの粘着剤層(B)を形成する粘着剤は特に制限されない。粘着剤層(B)は、両面粘着シートを防水気密用両面粘着シートに用いる場合には、住宅建材等への接着面になる。そのため、粘着剤層(B)を形成する粘着剤は、粗面被着体に対する接着性の強い粘着剤組成物が好ましい。
【0021】
粘着剤層(B)を形成する粘着剤としては、従来より使用されている、たとえば、ゴムアスファルト、ブチルゴム、アクリルポリマーをベースとする粘着剤を使用できる。これらのなかでもブチルゴムをベースとする粘着剤が好ましい。
【0022】
粘着剤層(B)に用いるブチルゴムの種類は特に制限されず合成ブチルゴム、再生ブチルゴムのいずれも使用できる。なかでも粘着剤層(A)に用いるブチルゴムとは異なるものが好ましい。具体的には、粗面被着体に対する接着性の点、また耐久性、耐候性の点で再生ブチルゴムが好ましく用いられる。
【0023】
粘着剤層(B)を形成するブチルゴム粘着剤には、軟化剤が配合されている。軟化剤としては、プロセスオイル、ポリブテン、粘着付与性のある液状成分などブチルゴムと相溶する各種のものがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。当該軟化剤の重量平均分子量は特に制限されないが、低分子量の軟化剤は、透湿防水シートへ移行する原因になり、さらに高温での凝集力を大きく低下させる原因にもなる。そのため、粘着剤層(A)に用いるブチルゴム粘着剤と同様に、軟化剤としては、重量平均分子量1000以上、さらには重量平均分子量2000以上のものが好ましい。なお、軟化剤の重量平均分子量の上限は特に制限されないが、上限10万程度である。前記軟化剤の配合量は、ブチルゴム100重量部に対して、5〜150重量部程度、好ましくは10〜100重量部である。
【0024】
粘着剤層(B)を形成するブチルゴム粘着剤には、さらに各種粘着付与剤が通常配合される。粘着付与剤としてはブチルゴムと相溶する各種の樹脂が好ましく、たとえば、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂など、またこれらの水添物等があげられる。これら粘着付与剤は1種または2種以上が用いられる。特に透湿防水シートの膨張を抑制するのには、水添テルペン系樹脂が好ましい。粘着付与剤の配合量は、ブチルゴム100重量部に対して、20〜200重量部が好ましく、さらに好ましくは30〜150重量部である。
【0025】
粘着剤層(B)を形成する粘着剤には、ベースの種類に応じた架橋剤を加えることができる。ブチルゴム粘着剤を架橋処理する架橋剤としては、たとえば、チウラム加硫剤、キノイド加硫剤、キノンジオキシム加硫剤、マレイミド加硫剤等があげられる。これら架橋剤は1種または2種以上が用いられる。具体的にはチウラム加硫剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフイド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジぺンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどがあげられ、キノイド加硫剤としてはポリ−p−ジニトロソベンゼンなどがあげられ、キノンジオキシム加硫剤としてはp−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシムなどがあげられ、マレイミド加硫剤としてはN,N′−m−フェニレンジマレイミド、N,N′−p−フェニレンジマレイミド、N,N′−エチレンジマレイミドなどがあげられる。これらの架橋剤は低温(例えば180℃以下)での架橋が可能であり、架橋速度が速いという共通の特性を有する。これら架橋剤の配合量は、粘着剤層(B)を形成するブチルゴム100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。
【0026】
さらに本発明の前記粘着剤層(A)を形成するブチルゴム粘着剤、前記粘着剤層(B)を形成する粘着剤には、炭酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウムなどの充填剤、老化防止剤、可塑剤などを配合することができる。これの配合量は、ブチルゴム(ベース)100重量部に対し、充填剤が200重量部以下、好ましくは10〜150重量部であり、老化防止剤が5重量部以下、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部である。
【0027】
本発明の粘着剤は固形タイプの粘着剤組成物として調製される。粘着剤組成物の調製法は特に制限されないが、たとえば、ブチルゴム(ベース)、軟化剤および粘着付与剤に上記の添加剤を適宜に加えた後、さらには必要に応じて粗面接着の強い粘着剤組成物とする場合には架橋剤を加えた後、有機溶剤や水を全く使用することなく、加熱混練することにより行う。加熱混練は、加圧ニーダー、バンバリーミキサ−、ミキシングロールなどのバッチ式混練機および2軸混練機などの連続混練機を用いて行うことができる。このように加熱混練された固形タイプの粘着剤組成物は、これを加熱すると容易に軟化して良好な成形性を有している。
【0028】
両面粘着シートの製造は、前記粘着剤組成物を基材上にカレンダーロールや押出し機などで加熱塗工することで、シート状の基材上に上記の粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることにより行う。この製造方式では、環境汚染の原因となる有機溶剤や乾燥に多大なエネルギーを必要とする水を使用しないため、基材上に粘着剤組成物を塗工後に乾燥炉による加熱工程を設ける必要がなく、地球環境にやさしく、省エネルギー化にも大きく寄与させることができる。
【0029】
上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層(A)、(B)の厚さ(糊厚)は、いずれも通常、50〜500μm程度、好ましくは100〜300μmの広い範囲で設定することができる。この範囲内で薄い糊厚としたときでも粘着特性が急激に低下するようなことはない。したがって、糊厚を薄くすることにより必要最低限の粘着剤組成物により粘着剤層を形成することができる。
【0030】
上記基材は特に制限されず、各種の基材を使用できる。たとえば、布類(綿、スフ、化繊、不織布等)、紙類(和紙、クラフト紙等)、プラスチック類(セロハン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アセテート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル等)、金属箔またはこれらのプラスチックラミネート体等などがあげられる。
【0031】
これら基材のなかでも、粘着剤層(A)、(B)が異なる粘着剤組成物により形成される場合には、配合材料、特に軟化剤の移行がないように基材が少なくとも1層のプラスチックフィルムを有することが好ましい。たとえば、不織布等にはプラスチックフィルムをラミネート加工した積層したプラスチックフィルム基材とするのが好ましい。
【0032】
また基材は、粘着剤層との接着力(投錨力)を向上させるために、基材の粘着剤塗布面にコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施したり、プライマー層を塗設するなど、公知の処理を適用してもよい。
【0033】
得られた両面粘着シートの粘着剤層には剥離紙を設けることができる。またロール状に巻回した際、巻き戻しやすくするために、剥離紙を挟んでもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の両面粘着シートは、透湿防水シートを接着した後の透湿防水シートの膨張を抑制でき、透湿防水シートに雛等の発生がなく長年の防水性能も確実に確保できる。さらに、両面の各粘着剤層を構成する粘着剤の組成を異ならせることで、建材等の粗面被着体への低高温での接着性・高温に放置したときの保持性にも優れた両面粘着シートとすることができる。したがって、本発明の両面粘着シートは透湿防水シートへの接着用途で用いることができ、その高い防水性、耐久性、耐候性を活かして住宅用の防水気密用の防水テープ、気密テープなどとして有用である。また住宅以外の建築物用の防水用途に幅広く利用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0036】
実施例1
(粘着剤組成物の調製1)
ブチルゴム(ムーニー粘度ML1+4(100℃)40±5)1000gを120℃に加熱した5リットル加圧ニーダー中に投入し、これに炭酸カルシウム粉2000gを投入して約5分間混練した。ここに、粘着付与剤として石油系樹脂であるエクソン社製「エスコレッツ1202」500gを投入して約10分間混練した。さらに、軟化剤として日本石油化学(株)製「ポリブテンHV300」(重量平均分子量3000)700gと日本石油化学(株)製「テトラックス5T」(重量平均分子量50000)750gを数回に分けて約10分間混練した。その後、ニーダーから取り出して粘着剤組成物(a)を調製した。
【0037】
(粘着剤組成物の調製2)
再生ブチルゴム(ムーニー粘度ML1+4(100℃)44±6)1000gを120℃に加熱した5リットル加圧ニーダー中に投入し、これに炭酸カルシウム粉2000gを投入して約5分間混練した。ここに、粘着付与剤として石油系樹脂であるエクソン社製「エスコレッツ1202」500gを投入して約10分間混練した。さらに、軟化剤として日本石油化学(株)製「ポリブテンHV300」1000gを数回に分けて約10分間混練した。最後に、架橋剤としてキノイド架橋剤である大内新興化学工業(株)製の「バルノックDNB」20gを投入し約5分間混練しながら架橋処理した。その後、ニーダーから取り出して粘着剤組成物(b)を調製した。
【0038】
(両面粘着シートの製造)
基材(厚さ0.025mmのポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、8インチ4本カレンダーロールを用いて、また粘着剤組成物(a)を糊厚が0.15mmとなるように80℃で加熱塗工して粘着剤層(A)を形成した。次いで粘着剤組成物(b)を糊厚が0.2mmとなるように80℃で加熱塗工し、粘着剤層(B)を形成して両面粘着シートを作製した。
【0039】
実施例2
実施例1(両面粘着シートの製造)において、基材を、厚さ0.12mmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした不織布に変えたこと以外は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。
【0040】
実施例3
(粘着剤組成物の調製)
再生ブチルゴム(ムーニー粘度ML1+4(100℃)44±6)1000gを120℃に加熱した5リット加圧ニーダー中に投入し、これに炭酸カルシウム粉1500gを投入して約5分間混練した。ここに、粘着付与剤として石油系樹脂であるエクソン社製「エスコレッツ1202」500gを投入して約10分間混練した。さらに、軟化剤として日本石油化学(株)製「ポリブテンHV300」100gと出光興産(株)製「プロセスオイルPW90」(重量平均分子量500)300gを数回に分けて約10分間混練した。最後に、架橋剤としてキノイド架橋剤である大内新興化学工業(株)製「バルノックDNB」20gを投入し約5分間混練しながら架橋処理した。その後、ニーダーから取り出して粘着剤組成物(c)を調製した。
【0041】
(両面粘着シートの製造)
実施例1において、粘着剤層(B)の形成に、粘着剤組成物(b)の代わりに上記粘着剤組成物(c)を用いたこと以外は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。
【0044】
比較例1
実施例1(両面粘着シートの製造)において、粘着剤層(A)、(B)の形成に、いずれも実施例3の(粘着剤組成物の調製)で得られた粘着剤組成物(c)を用いたこと以外は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。
【0045】
比較例2
実施例3(両面粘着シートの製造)において、基材としてラミネート無しの不織布を用いたこと以外は、実施例3と同様にして両面粘着シートを作製した。
【0046】
上記の実施例1〜および比較例1〜2で得られた両面粘着シートについて、下記の方法により、膨張率、接着力および保持力を測定した。これらの試験結果を表1に示す。
【0047】
<透湿防水シート膨張率>
透湿防水シートの膨張率は以下の如く測定された値である。すなわち、膨張率は、アルミ板(厚み2mm)と透湿防水シート(旭デュポン社製、商品名「タイベック1060B」,厚み0.18mm,幅100mm,長さ100mm)を、粘着剤層(A)側が透湿防水シート、粘着剤層(B)側がアルミ板となるように両面粘着シート(幅50mm、長さ100mm)を介して貼り合わせた後、60℃雰囲気下で5日間放置後に測定した、透湿防水シートの膨張後の長さから下記式により求められる、原寸の長さ100mmに対する伸び率である。
膨張率={((膨張後の長さ)−(原寸の長さ))/(原寸の長さ)}×100(%)。
【0048】
<接着力試験>
幅25mmの両面粘着シートの粘着剤層(A)側を、透湿防水シート(旭デュポン社製、商品名「タイベック1060B」)に貼り合せた後、0℃および60℃において180度の引き剥がし角度、300mm/分の引き剥がし速度で、引き剥がしたときの接着力(N/25mm幅)を測定した。
【0049】
幅25mmの両面粘着シートの粘着剤層(B)側を、木板(ベイツガ材)に貼り合せた後、0℃および60℃において180度の引き剥がし角度、300mm/分の引き剥がし速度で、引き剥がしたときの接着力(N/25mm幅)を測定した。
【0050】
<保持力試験>
25mm×25mmの大きさの両面粘着シートの粘着剤層(B)側をステンレス板に貼り付けて、60℃の雰囲気中で、両面粘着テープの一端に300gの静荷重を垂直にかけ、5分間放置後に両面粘着シートがずれた距離(mm)を測定した。
【0051】
【表1】
Figure 0004156242
上記の表1の結果から、本発明の実施例1〜の両面粘着テープは、透湿防水シート膨張率が小さく、また透湿防水シート側の粘着剤層(A)の低温高温の接着力が優れている。特に実施例1〜3では粘着剤層(B)に架橋処理された粘着剤組成物を用いているため木板に対する低温高温の接着力、ステンレスに対する保持力ともに優れていることがわかる。これに対して、比較例1では粘着剤層(A)の粘着剤組成物に低分子量のプロセスオイルを配合しているため膨張率が大きく、透湿防水シートに雛が入った。また比較例2の両面粘着シートの基材が不適切であったため、基材である不織布にプロセスオイルが移行し、透湿防水シートに織が入り膨張率が大きい。

Claims (1)

  1. 基材の片側に粘着剤層(A)及び他の片側に粘着剤層(B)を有する両面粘着シートの製造方法であって、
    少なくともブチルゴムをベースとする粘着剤を用いて粘着剤層(A)を形成する工程と、
    架橋剤を含む粘着剤を架橋処理し、有機溶剤及び水を使用せず、加熱混練して粘着剤層(B)を形成する工程とを含み、
    前記両面粘着シートを介して透湿防水シートとアルミ板を、粘着剤層(A)側が透湿防水シート、粘着剤層(B)側がアルミ板となるように貼付し、60℃で5日間放置した後、下記の方法により測定した透湿防水シートの膨張率が0.5%以下であることを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
    透湿防水シートの膨張率は、アルミ板(厚み2mm)と透湿防水シート(旭デュポン社製、商品名「タイベック1060B」,厚み0.18mm,幅100mm,長さ100mm)を、粘着剤層(A)側が透湿防水シート、粘着剤層(B)側がアルミ板となるように両面粘着シート(幅50mm、長さ100mm)を介して貼り合わせた後、60℃雰囲気下で5日間放置後に測定した、透湿防水シートの膨張後の長さから下記式により求められる、原寸の長さ100mmに対する伸び率である。
    膨張率={((膨張後の長さ)−(原寸の長さ))/(原寸の長さ)}×100(%)。
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