JP2002146269A - クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜 - Google Patents

クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜

Info

Publication number
JP2002146269A
JP2002146269A JP2000340795A JP2000340795A JP2002146269A JP 2002146269 A JP2002146269 A JP 2002146269A JP 2000340795 A JP2000340795 A JP 2000340795A JP 2000340795 A JP2000340795 A JP 2000340795A JP 2002146269 A JP2002146269 A JP 2002146269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
group
coating film
ethylenically unsaturated
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000340795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3863718B2 (ja
Inventor
Tatsuya Ishihara
達也 石原
Masahiko Yamanaka
雅彦 山中
Tetsushi Mizuno
哲志 水野
Takashi Moriwake
隆 守分
Hisanori Tanabe
久記 田辺
Goro Nagao
五郎 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000340795A priority Critical patent/JP3863718B2/ja
Priority to EP20010402067 priority patent/EP1178088B1/en
Priority to DE2001623711 priority patent/DE60123711T2/de
Priority to US09/919,531 priority patent/US6635351B2/en
Publication of JP2002146269A publication Critical patent/JP2002146269A/ja
Priority to US10/637,870 priority patent/US7125936B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3863718B2 publication Critical patent/JP3863718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性が良好で、高い架橋密度を有するため
に耐候性、特にノンサンディングリート密着性に優れた
塗膜を提供し得るクリヤー塗料組成物、これらを用いる
塗膜形成方法および積層塗膜を提供する。 【解決手段】(A)カルボキシル基とカルボン酸エステ
ル基とを有するポリマー20〜60質量%、(B)水酸
基とグリシジル基とを含有するポリマー10〜60質量
%、および、(C)水酸基とグリシジル基とラダーシリ
コーンとを含有するポリマー0.1〜25質量%、およ
び(D)ポリエチレンオキサイドまたはポリプロピレン
オキサイド変性ポリシリコン化合物を含有するクリヤー
塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐汚染性およびゴミ、
ブツ等が付着した塗膜を補修してリコートする場合のノ
ンサンディングリコート密着性が良好なクリヤー塗料組
成物、塗膜形成方法および積層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の上塗り塗料として用いられるバ
インダーは、水酸基含有ポリマーとメラミン樹脂硬化剤
とを組み合わせて用いることが一般的である。しかしな
がら、上記メラミン樹脂を硬化剤として用いることによ
り得られる硬化塗膜は一般に耐酸性に劣る。したがっ
て、このような塗膜は近年問題となっている酸性雨によ
り特に劣化され易く、外観上の不具合を生じる。上記メ
ラミン樹脂を硬化剤として用いることにより得られる塗
膜が耐酸性に劣るのはメラミン樹脂中のトリアジン核に
起因すると考えられている。
【0003】このような欠点を解決するために、特開平
2−45577号公報および特開平3−287650号
公報には、メラミン樹脂を使用しない新規な塗料組成物
が記載されている。しかしながら、上記塗料組成物は、
酸基とエポキシ基とを反応させることにより生じるエス
テル結合を架橋点とするので酸性雨に対しての耐性を有
する耐酸性が良好であり、自動車用上塗り塗膜として十
分な耐候性を有するが、自動車を駐車させているとき、
塗膜に鳥の糞が付着し、こびりついて落とし難い問題
や、雨天走行後の塗膜を観察すると泥はねの汚れが付着
し、洗車しても擦らないと落ち難い等の耐汚染性が、実
用上の点で不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
耐汚染性が良好で、高い架橋密度を有するために耐候
性、ノンサンディングリコート密着性に優れた塗膜を提
供し得るクリヤー塗料組成物、これらを用いる塗膜形成
方法および積層塗膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.(A)(a−1)酸無水物基含有エチレン性不飽和
モノマー15〜40質量%と、(a−2)他の共重合可
能なエチレン性不飽和モノマー60〜85質量%とを共
重合させることにより得られる酸無水物基含有ポリマ
ー、および(a−3)1〜12個の炭素原子を含有する
モノアルコールを、酸無水物基と水酸基とがモル比で1
/10〜1/1となる割合の量で反応させることにより
得られるカルボキシル基とカルボン酸エステル基とを有
するポリマー20〜60質量%、(B)(b−1)式
(1)
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、Xは直鎖または分岐のアルキレン基またはヒドロキ
シアルキレン基であり、mは2〜8の整数であり、nは
3〜7の整数であり、qは0〜4の整数である〕で示さ
れる構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
5〜60質量%、(b−2) グリシジル基含有エチレ
ン性不飽和モノマー10〜60質量%、および必要に応
じて (b−3)他の共重合可能なエチレン性不飽和モノ
マー0〜85質量%を共重合することにより得られる、
水酸基とグリシジル基とを含有するポリマー10〜60
質量%、(C)(c−1)式(1)
【0008】
【化5】
【0009】〔式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、Xは直鎖または分岐のアルキレン基またはヒドロキ
シアルキレン基であり、mは2〜8の整数であり、nは
3〜7の整数であり、qは0〜4の整数である〕で示さ
れる構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
5〜60質量%、(c−2) グリシジル基含有エチレ
ン性不飽和モノマー10〜60質量%、(c−3)アク
リロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴ
マー1〜30質量%、および必要に応じて (c−4)他
の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜85質量
%を共重合することにより得られる、水酸基とグリシジ
ル基とラダーシリコーンとを含有するポリマー0.1〜
25質量%、並びに(D)ポリエチレンオキサイドまた
はポリプロピレンオキサイド変性ポリシリコン化合物を
含有するクリヤー塗料組成物。 2.上記(D)ポリエチレンオキサイドまたはポリプロ
ピレンオキサイド変性ポリシリコン化合物を、(A)、
(B)および(C)の合計100固形分質量部あたり
0.02〜1固形分質量部含有する上記のクリヤー塗料
組成物。 3.上記(A)25〜50質量%、上記(B)20〜5
0質量%、および、上記(C)10〜20質量%を含有
する上記のクリヤー塗料組成物。 4.上記(A)、(B)、(C)および(D)に、さら
に(E)(e−1)式(1)
【0010】
【化6】
【0011】〔式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、Xは直鎖または分岐のアルキレン基またはヒドロキ
シアルキレン基であり、mは2〜8の整数であり、nは
3〜7の整数であり、qは0〜4の整数である〕で示さ
れる構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
と、酸無水物基含有化合物とを、水酸基と酸無水物基と
が1/0.9〜1/0.5のモル比となる割合の量で混
合して反応させることにより得られるカルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマーと(e−2)ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート化合物とのモノマー混合物
20〜100質量%、および必要に応じて(e−3)共
重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜80質量%を
共重合させることにより得られる、水酸基とカルボキシ
ル基とを有するポリマー5〜50質量%を含有する上記
のクリヤー塗料組成物。 5.上記(A)25〜50質量%、上記(B)20〜5
0質量%、上記(C)10〜20質量%、および、上記
(E)5〜20質量%を含有する上記のクリヤー塗料組
成物。 6.さらに、(F)(f−1)トリフルオロモノクロロ
オレフィンおよび/またはテトラフルオロオレフィン5
〜60質量%、(f−2)ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル5〜20質量%、(f−3)シクロヘキシルビニ
ルエーテル5〜40質量%、(f−4)アルキルビニル
エーテル5〜20質量%、並びに、(f−5)グリシジ
ル基含有ラジカル重合性モノマーおよび/またはカルボ
キシル基または酸無水物基含有重合性モノマー0〜40
質量%を共重合させることにより得られるフッ素ポリマ
ー2〜50質量%を含有する上記のクリヤー塗料組成
物。 7.上記(F)3〜25質量%を含有する上記のクリヤ
ー塗料組成物。 8.基材に直接または下地塗膜を介して、メタリックベ
ース塗膜またはソリッドベース塗膜を形成し、次いで上
記メタリックベース塗膜またはソリッドベース塗膜を硬
化させずに、その上に上記のクリヤー塗料組成物により
クリヤー塗膜を形成し、上記メタリックベース塗膜また
はソリッドベース塗膜とクリヤー塗膜とを同時に焼付乾
燥する塗膜形成方法。 9.基材に直接または下地塗膜を介して、メタリックベ
ース塗膜またはソリッドベース塗膜が形成され、その上
に上記のクリヤー塗料組成物によりクリヤー塗膜が形成
された積層塗膜。なお、本明細書中ポリマーについての
質量%は、樹脂組成物の固形分総質量に対する値であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。クリヤー塗料組成物 本発明のクリヤー塗料組成物は、上記耐汚染性およびノ
ンサンディングリコート密着性が良好なクリヤー塗料で
ある。上記クリヤー塗料組成物の具体的構成およびその
作用効果について説明する。(A)カルボキシル基とカルボン酸エステル基を有する
ポリマー(ポリマー(A)) 本発明のクリヤー塗料組成物に用いるカルボキシル基と
カルボン酸エステル基とを有するポリマー(A)は、酸
無水物基含有ポリマーとモノアルコール(a−3)とを
反応させることにより得られるハーフエステル基含有ポ
リマーである。
【0013】上記酸無水物基含有ポリマーは、酸無水物
基含有エチレン性不飽和モノマー(a−1)15〜40
質量%、好ましくは15〜30質量%と他の共重合可能
なエチレン性不飽和モノマー(a−2)60〜85質量
%、好ましくは70〜85質量%とを共重合させること
により得られる。上記酸無水物基含有エチレン性不飽和
モノマー(a−1)の量が15質量%未満では硬化性が
不足し、40質量%を超えると得られる塗膜が固くもろ
くなりすぎて耐候性が不足するので好ましくない。
【0014】上記酸無水物基含有エチレン性不飽和モノ
マー(a−1)の例には、無水イタコン酸、無水マレイ
ン酸および無水シトラコン酸等が挙げられる。上記他の
共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a−2)は酸
無水物基に悪影響を与えないものであれば特に限定され
ず、エチレン性不飽和結合を一つ有する炭素数3〜1
5、特に2〜12のモノマーであることが好ましい。
【0015】上記他の共重合可能なエチレン性不飽和モ
ノマー(a−2)の例には、エチレン性不飽和モノマー
として、スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチ
ルスチレン等のスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸エ
ステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸−n,i、およびt−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等)、
(メタ)アクリル酸イソボロニル、シェル社製のVeo
Va−9およびVeoVa−10等が挙げられる。アク
リル酸およびメタクリル酸のようなカルボキシル基を有
するモノマーを用いることもできる。上記他の共重合可
能なエチレン性不飽和モノマーとしてスチレンまたはそ
の誘導体を用いる場合には、5〜40質量%の量で使用
するのが特に好ましい。
【0016】上記酸無水物基含有ポリマーの共重合は、
例えばラジカル重合等の溶液重合のような公知の方法に
より行われ、例えば、重合温度100〜150℃、重合
時間3〜8時間で行うことができる。開始剤としてはア
ゾ系またはパーオキサイド系の開始剤が好適に用いられ
る。連鎖移動剤のような他の添加剤を用いることもでき
る。得られる上記酸無水物基含有ポリマーの数平均分子
量は1500〜8000、特に2000〜5000であ
ることが好ましい。数平均分子量が8000を超えると
ポリマー粘度が高くなるので、高固形分のクリヤー塗料
組成物を調製し難くなる。数平均分子量が1500未満
になるとクリヤー塗料組成物の硬化性が不充分となる。
なお、本発明で用いるポリマーの分子量はGPC法によ
り求めたものである。
【0017】上記酸無水物基含有ポリマーは1分子中に
平均で少なくとも2個、好ましくは2〜15個の酸無水
物基を有する。1分子中に含有される酸無水物基が2個
未満では、クリヤー塗料組成物の硬化性が不充分とな
る。15個を超えると固くもろくなりすぎ、耐候性が不
足する。次いで、得られた上記酸無水物基含有ポリマー
を、酸無水物基と水酸基とがモル比で1/10〜1/
1、好ましくは1/8〜1/1.1、より好ましくは1
/1.5〜1/1.3となる割合の量でモノアルコール
(a−3) と反応させることにより、カルボキシル基と
カルボン酸エステル基とを有するポリマー(A)を調製
する。この割合が1/10を超えると過剰のアルコール
が多すぎて硬化時にワキの原因となり、1/1未満では
未反応の無水物基が残り、貯蔵安定性が悪くなる。
【0018】上記モノアルコール(a−3) は、1〜
12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する低分子
量化合物である。これは加熱時アルコールが揮発し酸無
水物基を再生するのに良好だからである。上記モノアル
コールには、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノー
ル、t−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタ
ノール、アセトール、アリルアルコールおよびプロパル
ギルアルコール等が挙げられる。特に好ましいものはア
セトール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール
およびメタノールである。
【0019】ポリマー(A)の含有量は、樹脂組成物の
固形分総質量に基づいて20〜60質量%である。ポリ
マー(A)の含有量が、20質量%未満では硬化が不十
分となり形成された塗膜の硬度が不足する、また60質
量%を超えると耐水性が低下する。好ましくは、25〜
50質量%である。
【0020】(B)水酸基とエポキシ基を含有するポリ
マー(ポリマー(B)) 本発明のクリヤー塗料組成物に用いる水酸基とエポキシ
基とを有するポリマー(B)は、1分子中にエポキシ基
を平均で好ましくは2〜10個、より好ましくは3〜8
個、および水酸基を平均で好ましくは2〜12個、より
好ましくは4〜10個有する。また、エポキシ当量は、
好ましくは100〜800、より好ましくは200〜6
00であり、ヒドロキシ当量は、好ましくは200〜1
200、より好ましくは400〜1000である。上記
エポキシ当量が上記上限より大きいとクリヤー塗料組成
物の硬化性が不充分となる。また、上記下限より小さい
と硬くなりすぎて塗膜がもろくなるので好ましくない。
上記ヒドロキシ当量が200未満の場合には硬化塗膜の
耐水性が十分でなく、1200を超えると硬化性が充分
でないので好ましくない。上記ポリマー(B)は、例え
ば式(I)
【0021】
【化7】
【0022】〔式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、Xは直鎖又は分岐のアルキレン基又はヒドロキシア
ルキレン基であり、mは2〜8の整数であり、nは3〜
7の整数であり、qは0〜4の整数である〕で示される
構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(b
−1)5〜60質量%、好ましくは15〜30質量%、
エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー(b−2)1
0〜60質量%、好ましくは15〜50質量%、および
必要に応じて他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ー(b−3)0〜85質量%、好ましくは10〜60質
量%、を共重合することにより得ることができる。上記
水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(b−1)が5質
量%未満では硬化性が不足し、60質量%を超えると相
溶性が不足するので反応が充分に進行しないので好まし
くない。上記エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー
(b−2)が10質量%未満では硬化性が不足し、60
質量%を超えると硬くなりすぎて耐候性不足となるので
好ましくない。
【0023】上記ポリマー(B)を調製するために用い
ることができる水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
(b−1)の水酸基含有アルキル鎖は、その鎖長が短す
ぎると架橋点近傍のフレキシビリティーがなくなるため
硬くなりすぎ、長すぎると架橋点間分子量が大きくなり
すぎる傾向にある。したがって、上記水酸基含有アルキ
ル鎖は炭素数4〜20であることが好ましく、4〜10
であることがさらに好ましい。具体的には、(メタ)ア
クリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸
−6−ヒドロキシヘキシルおよびこれらのε−カプロラ
クトンとの反応物、および(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチルのε−カプロラクトンとの反応物のよう
な化合物が挙げられる。または、このような化合物は市
販されており、例えば、ダイセル化学工業社製「プラク
セルFM1」、「プラクセルFA1」等が挙げられる。
または、このような化合物は、(メタ)アクリル酸と大
過剰(例えば1.5倍(モル)以上)のジオール(例え
ば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル)をエステル化することにより調製することができ
る。
【0024】上記エポキシ基含有エチレン性不飽和モノ
マー(b−2) としては、例えば、(メタ)アクリル
酸グリシジルおよび3,4−エポキシシクロヘキサニル
メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記他の
共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b−3)とし
ては、上記酸無水物基含有ポリマー(a−1)を調製す
るために「他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー
(a−2)」として記載の上記モノマーが挙げられる。
上記ポリマー(B)の共重合は、上記ポリマー(A)と
同様の方法で行うことができる。得られるポリマー
(B)は、数平均分子量500〜8000、特に150
0〜5000とすることが好ましい。
【0025】上記ポリマー(B)の含有量は、10〜6
0質量%である。上記ポリマー(B)の含有量が、10
質量%未満では塗膜性能が充分に得られないことがあ
り、60質量%を超えると耐水性が低下する。好ましく
は、20〜50質量%である。
【0026】(C)水酸基とグリシジル基基とラダーシ
リコーンとを含有するポリマー(ポリマー(C)) 本発明のクリヤー塗料組成物に用いる水酸基とエポキシ
基とラダーシリコーンを有するポリマー(C)は、上記
ポリマー(C)の一部に、(メタ)アクリロキシアルキ
ル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーを反応させ
て得られる。上記(c−1)は上記(b−1)と、また
上記(c−2)は上記(b−2)と、上記(c−4)は
上記(a−2)と同じものである。上記(c−3)の
(メタ)アクリロキシアルキル基を含有するラダーシリ
コーンオリゴマーは、側鎖基に(メタ)アクリロキシア
ルキル基を含有し、(メタ)アクリロキシアルキル基以
外の置換基としては炭素数1〜18のアルキル基、置換
アルキル基、フェニル基、置換フェニル基が用いられ
る。また側鎖基に少量のグリシジル基、アミノ基を入れ
てもさしつかえない。
【0027】上記ポリマー(C)の上記(c−1)成分
と上記(c−2)成分、上記(c−3)成分および必要
に応じて用いる上記(c−4)成分との配合量は、(c
−1)成分が5〜60質量%、(c−2)成分が10〜
60質量%、(c−3) が1〜30質量%および(c−
4) 成分が0〜85質量%の比率である。上記(c−
1)成分が、5質量%未満では硬化性が不足し、60質
量%を超えると相溶性が不足するので反応が充分に進行
しないので好ましくない。また上記(c−2)成分が、
10質量%未満では硬化性が不足し、60質量%を超え
ると硬くなりすぎて耐候性不足となるので好ましくな
い。上記(c−3) 成分が、1質量%未満では耐汚染
性が不十分となり、30質量%を超えると反応が不均一
となり、形成された塗膜が白濁する。
【0028】上記ポリマー(C)の共重合は、上記ポリ
マー(A)と同様の方法で行うことができる。得られる
ポリマーは、数平均分子量500〜8000、特に15
00〜5000とすることが好ましい。上記ポリマー
(C)の含有量は、0.1〜20質量%である。ポリマ
ー(C)の含有量が、0.1質量%未満では耐汚染性が
低下し、20質量%を超えると形成された塗膜の表面が
不均一となり、塗膜外観が低下する。好ましくは、10
〜20質量%である。
【0029】(D)ポリエチレンオキサイドまたはポリ
プロピレンオキサイド変性ポリシリコン化合物 本発明のクリヤー塗料組成物に用いる(D)ポリエチレ
ンオキサイドまたはポリプロピレンオキサイド変性ポリ
シリコン化合物としては、ポリエチレンオキサイドまた
はポリプロピレンオキサイドにより変性されたポリジメ
チルシランが挙げられ、さらに、メチル基をフェニル基
またはメチル基よりも炭素鎖が長い、例えば炭素数2〜
8のアルキル基に代えたものも挙げられる。上記(D)
ポリエチレンオキサイドまたはポリプロピレンオキサイ
ド変性ポリシリコン化合物は、(A)、(B)および
(C)の合計100固形分質量部あたり0.02〜1固
形分質量部が好ましく、0.02固形分質量部未満で
は、ノンサンディングリコート密着性が充分に得られな
い恐れがあり、1固形分質量部を超えると外観不良の恐
れがある。よりこのましくは、(A)、(B)および
(C)の合計100固形分質量部あたり0.05〜0.
5固形分質量部である。上記(D)ポリエチレンオキサ
イドまたはポリプロピレンオキサイド変性ポリシリコン
化合物として、「SILWET L−7001」および
「SILWET FZ−2120」(いずれも、日本ユ
ニカー社製)、「BYK341」、「BYK344」、
「BYK306」、「BYK325」、「BYK32
0」、「BYK300」、「BYK302」、「BYK
330」、「BYK333」、「BYK335」および
「BYK370」(いずれも、ビックケミー・ジャパン
社製)」の市販品を用いることができる。
【0030】(E)水酸基とカルボキシル基とを有する
ポリマー(ポリマー(E)) 本発明のクリヤー塗料組成物に、必要に応じて用いるこ
とができる水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー
(E)は、水酸基とカルボキシル基とを有する少なくと
も2種類のエチレン性不飽和モノマーの共重合体であ
る。 (e−1)カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマ
ーと水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの混合物は、
式 (1)
【0031】
【化8】
【0032】〔式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、Xは直鎖又は分岐のアルキレン基又はヒドロキシア
ルキレン基であり、mは2〜8、好ましくは2〜6の整
数であり、nは3〜7、好ましくは3〜5の整数であ
り、qは0〜4、好ましくは0〜2の整数である〕で示
される構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ーと酸無水物基含有化合物とを、ハーフエステル化反応
させることにより得られるカルボキシル基含有エチレン
性不飽和モノマーである。上記モノマーは、上記ポリマ
ー(E)においてカルボキシル基を導入するために用い
られる。 (e−2)水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸
基含有アルキル鎖は、その鎖長が短すぎると架橋点近傍
のフレキシビリティーがなくなるため硬くなりすぎ、長
すぎると架橋点間分子量が大きくなりすぎるので好まし
くない。したがって、水酸基含有アルキル鎖は炭素数4
〜20であることが好ましく、4〜10であることがさ
らに好ましい。具体的には上記(b−1)として上述し
た化合物、調製法を用いることができる。
【0033】上記酸無水物基含有化合物は、室温〜12
0℃、常圧のような通常の反応条件において水酸基と反
応することによりカルボキシ官能性を有する化合物であ
れば特に限定されない。ここでは、炭素数8〜12、特
に8〜10を有する環状(不飽和もしくは飽和)の基を
有する酸無水物基含有化合物を用いるのが、樹脂の相溶
性が良好であるので好ましい。好ましい酸無水物の具体
例としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル
酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸および無水トリメリット酸等が挙げられ
る。
【0034】上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
と酸無水物基含有化合物とのハーフエステル化の反応は
通常の方法に従い、例えば室温〜120℃の温度で行う
ことができる。この際に、未反応の酸無水物基を残存さ
せないために、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ーを過剰の量で用いるのが好ましい。上記他の共重合可
能なエチレン性不飽和モノマー(e−3)は、上記(a
−2)と同じものである。好ましいモノマーは、エチレ
ン性不飽和結合を一つ有する炭素数3〜15、特に2〜
12のモノマーが挙げられる。さらに、水酸基含有エチ
レン性不飽和モノマーおよびカルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和モノマーを用いてもよい。
【0035】また水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
を、ハーフエステル化に必要な量に加えて、共重合時に
必要な量を過剰量として加えて酸無水物基含有化合物と
ハーフエステル化させることにより、カルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマーと水酸基含有エチレン性不
飽和モノマーとのモノマー混合物を得ることができる。
この場合には、一般に、上記水酸基含有エチレン性不飽
和モノマーと上記酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸
無水物基とが1/0.9〜1/0.5のモル比、特に1
/0.8〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合し
て反応させることが好ましい。このモル比が1/0.9
未満では、ハーフエステル化に時間がかかりモノマーが
ゲル化する恐れがあり、また、上記モル比が1/0.5
を超えるとカルボキシル基の量が少なくなりすぎて硬化
性が不足するので好ましくない。
【0036】上記ポリマー(E)は、モノマー(e−
1)と(e−2)との混合物20〜100質量%、好ま
しくは40〜80質量%と他の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマー(e−3) 0〜80質量%、好ましく
は20〜60質量%の比率で用いられる。上記モノマー
混合物の量が、20質量%未満では硬化性が不足するの
で好ましくない。
【0037】上記ポリマー(E)の共重合は、上記ポリ
マー(A)と同様の方法で行うことができる。得られる
ポリマーは、数平均分子量500〜8000、特に15
00〜5000とすることが好ましい。上記ポリマー
(E)の含有量は、5〜50質量%である。ポリマー
(E)の含有量が、5質量%未満では形成された塗膜の
耐擦傷性が不十分となり、また50質量%を超えると形
成された塗膜の硬度が不十分となる。好ましくは、5〜
20質量%である。
【0038】(F)フッ素ポリマー(ポリマー(F)) 本発明のクリヤー塗料組成物に、必要に応じて用いるこ
とができるポリマー(F)は、トリフルオロモノクロロ
オレフィン、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルを
必須構成成分とし、必要に応じてグリシジル基含有重合
性モノマーおよび酸無水物基含有重合性モノマーによる
共重合体である。
【0039】上記ポリマー(F)の数平均分子量は30
00〜10000である。上記共重合体中のトリフルオ
ロモノクロロオレフィン含有量は、通常40〜60モル
%である。上記トリフルオロモノクロロオレフィン含有
量が40モル%未満の場合には、耐候性、撥水性の点か
ら好ましくないばかりでなく製造面で不都合を生ずる。
また、トリフルオロモノクロロオレフィン含有量が60
モル%を超える場合には、製造面で難があるため好まし
くない。次に、上記共重合体中のヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル含有量は、通常3〜15モル%である。上
記ヒドロキシルアルキルビニルエーテル含有量が15モ
ル%を超える場合には、共重合体の溶解性が変化し、ア
ルコール類など特定のものしか溶解しなくなるととも
に、ポットライフを減少させ、塗料の施工性を著しく損
なう。また上記共重合体中のヒドロキシアルキルビニル
エーテルの含有量が3モル%未満の場合には、硬化性が
不充分となり、硬化時間の増加、硬化塗膜の耐溶剤制、
耐汚染性等の低下を招く。
【0040】また、上記共重合体中のシクロヘキシルビ
ニルエーテル含有量は、通常3〜15モル%である。該
シクロヘキシルビニルエーテル含有量が3モル%未満の
場合には、塗膜としたときの硬度が低下し、また15モ
ル%を超える場合には、耐候性が低下し、クラックが生
じやすくなるなど好ましくない。
【0041】上記アルキルビニルエーテルとしては、エ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−
ブチルビニルエーテルなどの炭素数が2〜8、特に好ま
しくは2〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有
するアルキルビニルエーテルが可撓性付与の面から好ま
しいものである。
【0042】上記共重合体中のアルキルビニルエーテル
含有量は、通常3〜15モル%である。上記アルキルビ
ニルエーテル含有量が3モル%未満の場合には、可撓性
が低下し、また15モル%を超える場合には、塗膜硬度
が低下するので好ましくない。上記任意構成成分の中の
グリシジル基含有重合性モノマーとしては、メタクリル
酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジ
ルエーテル等、また酸無水物基含有重合性モノマーとし
ては、上記(a−1)の説明中に示したモノマー等が挙
げられる。上記共重合体中のグリシジル基含有重合性モ
ノマーまたは酸無水物基含有重合性モノマーの含有量
は、通常5〜40モル%である。上記グリシジル基含有
重合性モノマーまたは酸無水物基含有重合性モノマーの
含有量が5モル%未満の場合には、硬化性が十分でな
く、また該含有量が40モル%を超える場合には、塗膜
が硬くなりすぎ、耐候性が悪くなるので好ましくない。
【0043】上記ポリマー(F)の含有量は、2〜50
質量%である。上記ポリマー(F)の含有量が、5質量
%未満では形成された塗膜の耐候性が不十分となり、ま
た20質量%を超えても添加に見合う効果が認められな
い。好ましくは、3〜25質量%である。
【0044】本発明に用いられるクリヤー塗料組成物の
配合は、カルボキシル基とエポキシ基とのモル比が1/
1.2〜1/0.6、好ましくは1/1.0〜1/0.
8となり、かつカルボキシル基とカルボン酸エステル基
に対する水酸基とのモル比が1/1.5〜1/0.5と
なるような量で行うことが好ましい。上記カルボキシル
基とエポキシ基との割合が1/0.6を超えると得られ
る樹脂の硬化性が低下する傾向にあり、逆に1/1.2
未満では塗膜が黄変する傾向にあるので好ましくない。
またカルボキシル基またはカルボン酸エステル基に対す
る水酸基とのモル比が1/0.5を超えると得られる樹
脂の硬化性が低下し、1/1.5未満では水酸基が過剰
となって耐水性が低下する傾向にあるので好ましくな
い。
【0045】上記クリヤー塗料組成物の樹脂分には、例
えば4級アンモニウム塩のような酸とエポキシとのエス
テル化反応に通常用いられる硬化触媒を配合することが
できる。上記触媒の具体例としては、例えばベンジルト
リエチルアンモニウムクロリドもしくはブロミド、テト
ラブチルアンモニウムクロリドもしくはブロミド、サリ
チレートもしくはグリコレート、パラトルエンスルホネ
ート等が挙げられる。これらの触媒は混合して用いても
よい。上記触媒の配合量には特に制限はないが、一般的
にはクリヤー塗料組成物固形分に対し0.1〜2.0質
量%であるのが好ましい。またスズ系の化合物をこれら
と併用してもよい。上記スズ系触媒としては、例えば、
ジメチルスズビス(メチルマレート)、ジメチルスズビ
ス(エチルマレート)、ジメチルスズビス(ブチルマレ
ート)、ジブチルスズビス(ブチルマレート)等が挙げ
られる。上記硬化触媒と上記スズ化合物との質量比は1
/4〜1/0.2であるのが好ましい。
【0046】本発明においては、架橋密度を上げ、耐水
性の向上をはかるために、上記樹脂成分にメラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂および/またはブロックポリイソシ
アネート化合物を加えてもよい。また、塗膜の耐候性を
向上させるために、紫外線吸収剤およびヒンダードアミ
ン光安定剤、酸化防止剤等を加えても良い。さらにレオ
ロジーコントロール剤として架橋樹脂粒子や、外観の調
整のため表面調整剤、また発泡防止のため消泡剤を添加
しても良い。さらにまた、粘度調整等のために希釈剤と
してアルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、およびブタノール等)、ヒドロカー
ボン系、およびエステル系等の溶剤を使用することもで
きる。
【0047】また、本発明の塗料組成物に配合される樹
脂は酸基を官能基として有するので、アミンで中和する
ことにより、水を媒体とする水性樹脂組成物とすること
もできる。
【0048】塗膜形成方法および積層塗膜 本発明の塗膜形成方法は、基材に直接または下地塗膜を
介して、メタリックベース塗膜またはソリッドベース塗
膜を形成し、次いで上記ベース塗膜を硬化させずに、そ
の上に、上記のクリヤー塗料組成物によりクリヤー塗膜
を形成し、上記メタリックベース塗膜またはソリッドベ
ース塗膜とクリヤー塗膜とを同時に焼付乾燥する方法で
ある。
【0049】被塗物が、自動車車体および部品の場合
は、基材にあらかじめ化成処理後、電着塗装等による下
塗り塗装、中塗り塗装等により形成される下地塗膜を形
成しておくのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地の隠
蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保
のために行われるものである。上記中塗り塗装は、常用
の中塗り塗料により形成するが、有機溶剤型、水性また
は粉体塗料として用いることができる。
【0050】上記メタリックベース塗膜が透明性を有し
ている場合、上記メタリックベース塗膜と中塗り塗膜と
の複合色を発現し、意匠性を高めることができる。この
場合、中塗り塗膜は、グレー色系の中塗り塗料またはカ
ラー中塗り塗料等を用いて、中塗り塗膜を形成するもの
である。
【0051】本発明の積層塗膜は、種々の基材に形成で
きるが、具体的な基材として例えば、鉄、アルミニウ
ム、銅またはこれらの合金等の金属類、ガラス、セメン
ト、コンクリート等の無機材料、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料
類、その他木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または
合成材料等を挙げることができる。なお、本明細書中で
は、上記基材に化成処理や下塗り、中塗り塗装等により
形成された下地塗膜を形成されたものを、基材と表現す
る場合がある。
【0052】上記基材に、ベース塗料を塗装してベース
塗膜を形成する。このベース塗膜の形成にはベース塗装
用として一般に使用されている光輝性顔料を含有するメ
タリックベース塗料または着色顔料を含有するソリッド
ベース塗料を使用することができる。ベース塗料用ビヒ
クルとしての架橋性塗膜形成性樹脂、必要に応じて使用
できる架橋剤およびこれらの配合量については、上記ク
リヤー塗料用と同様である。上記ベース塗料は、常用の
上塗りベース塗料により形成するが、有機溶剤型、水性
または粉体塗料として用いることができる。
【0053】また、メタリックベース塗料中には、各種
光輝性顔料を含有する。上記光輝性顔料の例としては、
アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク
顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、干渉マイ
カ顔料、着色マイカ顔料、金属酸化物被覆ガラスフレー
ク、金属めっきガラスフレーク、金属酸化物被覆ガラス
フレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属チ
タンフレーク、グラファイト、ステンレスフレーク、板
状酸化鉄、フタロシアニンフレークおよびホログラム顔
料等を挙げることができる。
【0054】また、メタリックベース塗料であっても、
必要に応じて上記ソリッドベース塗料に使用する着色顔
料を、光輝性顔料と併用することができる。着色顔料と
しては、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、
ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインド
リノン系顔料、金属錯体顔料等の有機顔料類、黄鉛、黄
色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック
等の無機顔料類が挙げられる。上記光輝性顔料および着
色顔料の添加量は、所望の色相を発現するのに合わせて
任意に設定できる。また各種体質顔料等を併用すること
ができる。
【0055】なお、上記光輝性顔料および/または着色
顔料を併用する場合、顔料全体としての総含有量(PW
C)は、50%未満が好ましく、30%未満がより好ま
しい。50%を超えると塗膜外観が低下する。上記ベー
ス塗料には、上記成分の他に、上記クリヤー塗料組成物
に用いる各種添加剤を配合することが可能である。
【0056】上記ベース塗料は、上記基材が下塗り、中
塗り塗料等により下地塗装をした物である場合には、下
地塗膜の上にウェットオンウェット(W/W)法、また
はウェットオンドライ(W/D)法により塗装すること
ができる。W/W法とは下地塗装をした後、風乾等によ
り乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗膜に塗
装する方法であり、これに対して、W/D法とは焼き付
けて硬化後の下地塗膜に塗装する方法である。
【0057】上記ベース塗膜を基材上に形成する方法は
特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等
が好ましく、また、複数回塗装することも可能である。
上記ベース塗膜の乾燥膜厚は、1コートにつき5〜50
μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0058】このようにして形成されたベース塗膜上
に、本発明のクリヤー塗料組成物を使用してクリヤー塗
膜を少なくとも1層形成する。上記クリヤー塗膜の形成
方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコータ
ー法等が好ましい。また、上記クリヤー塗膜の乾燥膜厚
は1コートにつき20〜50μmが好ましく、25〜4
0μmがより好ましい。
【0059】上記クリヤー塗膜の形成は、上記ベース塗
膜を硬化させた後でも、硬化させる前でもよい。硬化さ
せる前の場合には、W/W法により上記ベース塗膜とク
リヤー塗膜を同時に硬化させることとなる。また、上記
クリヤー塗膜を複数回塗装する場合には、最終のクリヤ
ー塗膜を塗装した後で同時に焼き付けてもよく、また各
層毎に焼き付けてもよい。焼き付け温度は、120〜1
60℃が好ましい。以上のような形成方法によって、本
発明の積層塗膜を得ることができる。
【0060】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。合成例1 カルボキシル基とカルボン酸エステル基とを
含有するポリマー(ポリマー(A)) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備
えた3リットルの反応槽に、キシレンを150質量部、
ソルベッソ100(芳香族炭化水素系溶剤、シェル化学
社製)を400質量部仕込み、130℃に昇温した。上
記の容器に、滴下ロートを用い、スチレンモノマーを3
00質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシルを109
質量部、アクリル酸イソブチルを325質量部、アクリ
ル酸を25.7質量部、無水マレイン酸を240質量
部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トを300質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエートを60質量部、及びキシレンを150質
量部からなる溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了
後、30分間にわたり130℃に保持した後、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを10質量部
及びキシレンを20質量部からなる溶液を30分間滴下
した。この滴下終了後、さらに1時間の間、130℃に
て反応を継続させた、不揮発分60%、数平均分子量4
500のカルボキシル基とカルボン酸無水物基を含有す
るポリマー溶液(a−1)を得た。このポリマー溶液
(a−1)1590質量部に、メタノール125質量部
を加え、70℃で23時間反応させ、酸価157(mg
KOH/g)のカルボキシル基とカルボン酸エステル基
とを含有する溶液状のポリマー(A)を得た。このポリ
マー(A)の赤外線吸収スペクトルを測定し、酸無水物
基の吸収(1785cm-1)が消失するのを確認した。
【0061】合成例2 水酸基とグリシジル基とを含有
するポリマー(ポリマー(B)) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備
えた3リットルの反応槽に、キシレンを150質量部、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを
400質量部仕込み、130℃に昇温した。上記の容器
に、滴下ロートを用い、ベオバ−9(シェル化学(株)
製、炭素数9個の分岐構造をもつ合成飽和モノカルボン
酸のビニルエステル)を200質量部、メタクリル酸グ
リシジルを229質量部、アクリル酸4−ヒドロシキブ
チルを231質量部、メタクリル酸シクロヘキシルを3
40質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエートを60質量部、6およびキシレンを150質量
部からなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後3
0分間にわたり130℃に保持した後、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエートを10質量部及びキ
シレンを20質量部からなる溶液を30分間滴下した。
この滴下終了後、さらに1時間の間130℃にて反応を
継続させ、不揮発分60%、数平均分子量4600、エ
ポキシ基当量625、水酸基当量623の水酸基とエポ
キシ基とを含有する溶液状のポリマー(B)を得た。
【0062】合成例3 水酸基とグリシジル基とラダー
シリコーンとを含有するポリマー(ポリマー(C)) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備
えた3リットルの反応槽に、キシレンを50質量部、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを4
00質量部仕込み、130℃に昇温した。上記の容器
に、滴下ロートを用い、ベオバ−9を200質量部、メ
タクリル酸グリシジルを229質量部、アクリル酸4−
ヒドロシキブチルを231質量部、メタクリル酸シクロ
ヘキシルを240質量部、アクリロキシアルキル基を含
有するラダーシリコーンオリゴマー「サンフルーレLS
112」(昭和電工社製)200質量部、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエートを120質量部お
よびキシレンを150質量部からなる溶液を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分間にわたり130℃に保
持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エートを10質量部及びキシレンを20質量部からなる
溶液を30分間滴下した。この滴下終了後、さらに1時
間の間130℃にて反応を継続させ、不揮発分60%、
数平均分子量4700、エポキシ基当量625、水酸基
当量623の水酸基とエポキシ基とラダーシリコーンと
を含有する溶液状のポリマー(C)を得た。
【0063】合成例4 水酸基とカルボキル基とを含有
するポリマー(ポリマー(D)) 温度計、撹拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた2リットルの反応容器にアーコソルブPMA
(協和油化(株)社製)溶媒360質量部、アクリル酸
4−ヒドロキシブチル777質量部、ヘキサヒドロ無水
フタル酸665質量部およびヒドロキノンモノメチルエ
ーテル0.48質量部を仕込み、145℃に昇温し、2
0分間保持した。その後、冷却し、反応容器から取りだ
すことによりカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マー(d−1)を得た。次いで温度計、撹拌機、冷却
管、窒素導入管および滴下ロートを備えた別の3リット
ルの反応容器にキシレン300質量部およびアーコソル
ブPMA溶媒200質量部を仕込み、130℃に昇温し
た。次いで、上記のカルボキシル基含有エチレン性不飽
和モノマー(d−1)の1300質量部とt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキシルヘキサノエート100質
量部とを3時間かけて滴下した。30分間130℃に維
持した後に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート10質量部とキシレン100質量部との混合溶
液を30分かけて滴下した。30分間130℃に維持し
た後に冷却し、容器から取りだし、不揮発分54%、数
平均分子量2000、固形分換算で酸価168および水
酸基価42の、水酸基とカルボキシル基とを有する溶液
状のポリマー(D)を得た。
【0064】合成例5 フッ素ポリマー(ポリマー
(F)) 内容積200ミリリットルのステンレス製撹拌機付きオ
ートクレープに、t−ブタノール116質量部、シクロ
ヘキシルビニルエーテル11.7質量部、エチルビニル
エーテル11.1質量部、ヒドロキシブチルビニルエー
テル7.17質量部、グリシジルビニルエーテル5.7
2質量部、炭酸カルシウム0.69質量部およびアゾビ
スイソブチロニトリル0.06質量部を仕込み、液体窒
素による固化−脱気による溶存空気を除去した。次いで
クロロトリフルオロエチレン36質量部をオートクレー
プに導入し、徐々に昇温し反応させてポリマー(F)を
得た。
【0065】トップクリヤー塗料組成物の調製 表1に示す割合で、各ポリマーと表1に示すシリコン化
合物D1〜D3と硬化触媒としてテトラブチルアンモニ
ウムブロミド、紫外線吸収剤としてチヌビン900(チ
バスペシャリティーケミカルズ社製)、光安定剤として
サノールLS292(三共社製)を溶解し、トップクリ
ヤー塗料組成物1〜5を調製した。ただしトップクリヤ
ー塗料組成物6は、比較例用である。 シリコン化合物D1:SILWET L−7001(日
本ユニカー社製) シリコン化合物D2:BYK341(ビックケミー・ジ
ャパン社製) シリコン化合物D3:BYK344(ビックケミー・ジ
ャパン社製)
【0066】
【表1】
【0067】基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を脱脂後、燐酸亜鉛処理剤(「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成
処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−5
0」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなる
ように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き
付けた後、ポリエステル樹脂/メラミン樹脂系中塗り塗
料を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗
装し、140℃で30分間焼き付けて中塗り塗膜を形成
し基材とした。
【0068】上塗り塗膜 上記基材に対して、水酸基を含むアクリル樹脂とメラミ
ン樹脂系メタリックベース塗料(「スーパーラック M
−180BKLO NO」、日本ペイント社製)によ
り、乾燥膜厚が15μmになるようにスプレー塗装しべ
ース塗膜形成後ウェットオンウェットで、上記で調製
し、表2に示したクリヤー塗料組成物1〜7を乾燥膜厚
が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッテ
ィングし、140℃の温度で30分間、二層の塗膜層を
同時に焼き付けた。得られた積層塗膜の鉛筆硬度、耐温
水性、ノンサンディングリコート密着性および耐汚染性
を以下の評価方法、基準で評価し、結果を表2に示し
た。 鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠し、測定した。 耐温水性:40℃の温水中に10日間浸漬した後、積層
塗膜表面を目視評価した。変化が認められない場合に
「異常なし」とした。 耐汚染性: 卵製のアルブミン3%水溶液を作成し、こ
の溶液の水滴0.2ミリリットルを滴下し、50℃、湿
度30%で1時間接触後、水道水で溶液の水滴を拭き取
り、24時間後の積層塗膜表面を目視評価した。 ◎ 痕跡が観察されない ○ かすかに痕跡が観察される × 明確に痕跡が観察される ノンサンディングリコート密着性:上記で形成したクリ
ヤー塗膜に、サンディングせずに、それぞれで用いたベ
ース塗料とクリヤー塗料組成物を塗装し、塗り重ね塗膜
を焼き付けて形成させ、塗り重ねた塗膜のゴバン目テー
プ試験(1mm目を100個:JIS K 5400に
準拠)を行い、残った桝目を測定した。結果を表2に示
した。
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明のクリヤー塗料組成物の硬化機構
は、まず、加熱によりポリマー(A)中のカルボキシル
基とカルボン酸エステル基とが反応してポリマー(A)
中に酸無水物基が生成し、遊離のモノアルコールが生成
する。生成したモノアルコールは蒸発することにより系
外へ除去される。ポリマー(A)中に生成した酸無水物
基はポリマー(B)およびポリマー(C)、必要に応じ
て加えるポリマー(E)および/またはポリマー(F)
中に含有される水酸基と反応することにより架橋点を形
成し、再度酸基を形成する。この酸基および必要に応じ
て加えるポリマー(E)および/またはポリマー(F)
中に含有されるカルボキシル基は、ポリマー(B)およ
びポリマー(C)、必要に応じて加えるポリマー(E)
中に含有されるグリシジル基とポリマー(A)中に含有
される酸と反応することにより架橋点を形成する。この
ように、3〜5種類のポリマーが相互に反応することに
より硬化が進行する。上記機構によってポリマーが相互
に反応するため、高い架橋密度を得ることが可能とな
る。また本発明によれば、ポリマー(C)中のラダーシ
リコーンオリゴマーに起因する水に対するはじき性が高
くなり、耐汚染性が向上する。したがって、塗膜におけ
る汚染防止につながるクリヤー塗料組成物、塗膜形成方
法および積層塗膜を提供することができるようになっ
た。なお、本発明により得られる塗膜は上記良好な耐汚
染性を有するため自動車、二輪車等の乗物外板、容器外
面、コイルコーティング、家電業界等の分野において好
ましく使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/12 C09D 183/12 201/02 201/02 201/06 201/06 // B05D 7/14 B05D 7/14 S (72)発明者 山中 雅彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 水野 哲志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 守分 隆 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 田辺 久記 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 長尾 五郎 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE10 BB24Z CA47 DA27 DC12 EA43 4J038 CD092 CE052 CG011 CG081 CG082 CG141 CG142 CH172 CJ031 CJ091 DF042 DL122 GA03 GA06 GA07 GA12 JC32 JC39 KA03 KA04 MA08 MA10 NA01 NA03 NA05 NA12 PA07 PA19 PB05 PB07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a−1)酸無水物基含有エチレン
    性不飽和モノマー15〜40質量%、(a−2)他の共
    重合可能なエチレン性不飽和モノマー60〜85質量%
    とを共重合させることにより得られる酸無水物基含有ポ
    リマー、および(a−3)1〜12個の炭素原子を含有
    するモノアルコールを、酸無水物基と水酸基とがモル比
    で1/10〜1/1となる割合の量で反応させることに
    より得られる、カルボキシル基とカルボン酸エステル基
    とを有するポリマー20〜60質量%、(B)(b−
    1)式(1) 【化1】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは直鎖
    または分岐のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン
    基であり、mは2〜8の整数であり、nは3〜7の整数
    であり、qは0〜4の整数である〕で示される構造を有
    する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー5〜60質量
    %、(b−2)グリシジル基含有エチレン性不飽和モノ
    マー10〜60質量%、および必要に応じて(b−3)
    他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜85質
    量%を共重合することにより得られる、水酸基とグリシ
    ジル基とを含有するポリマー10〜60質量%、(C)
    (c−1)式(1) 【化2】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは直鎖
    または分岐のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン
    基であり、mは2〜8の整数であり、nは3〜7の整数
    であり、qは0〜4の整数である〕で示される構造を有
    する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー5〜60質量
    %、(c−2)グリシジル基含有エチレン性不飽和モノ
    マー10〜60質量%、(c−3)アクリロキシアルキ
    ル基を含有するラダーシリコーンオリゴマー1〜30質
    量%、および必要に応じて(c−4)他の共重合可能な
    エチレン性不飽和モノマー0〜85質量%を共重合する
    ことにより得られる、水酸基とグリシジル基とラダーシ
    リコーンとを含有するポリマー0.1〜25質量%、並
    びに、(D)ポリエチレンオキサイドまたはポリプロピ
    レンオキサイド変性ポリシリコン化合物を含有するクリ
    ヤー塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記(D)ポリエチレンオキサイドまたは
    ポリプロピレンオキサイド変性ポリシリコン化合物を、
    (A)、(B)および(C)の合計100固形分質量部
    あたり0.02〜1固形分質量部含有する請求項1記載
    のクリヤー塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記(A)25〜50質量%、前記(B)
    20〜50質量%、および、前記(C)10〜20質量
    %を含有する請求項1または2記載のクリヤー塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】前記(A)、(B)、(C)および(D)
    に、さらに(E)(e−1)式(1) 【化3】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは直鎖
    または分岐のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン
    基であり、mは2〜8の整数であり、nは3〜7の整数
    であり、qは0〜4の整数である〕で示される構造を有
    する水酸基含有エチレン性不飽和モノマーと、酸無水物
    基含有化合物とを、水酸基と酸無水物基とが1/0.9
    〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合して反応さ
    せることにより得られるカルボキシル基含有エチレン性
    不飽和モノマーと(e−2)ヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレート化合物とのモノマー混合物20〜10
    0質量%、および必要に応じて(e−3)共重合可能な
    エチレン性不飽和モノマー0〜80質量%を共重合させ
    ることにより得られる、水酸基とカルボキシル基とを有
    するポリマー5〜50質量%を含有する請求項1から3
    いずれか1項記載のクリヤー塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記(A)25〜50質量%、前記(B)
    20〜50質量%、前記(C)10〜20質量%、およ
    び、前記(E)5〜20質量%を含有する請求項4記載
    のクリヤー塗料組成物。
  6. 【請求項6】さらに、(F)(f−1)トリフルオロモ
    ノクロロオレフィンおよび/またはテトラフルオロオレ
    フィン5〜60質量%、(f−2)ヒドロキシアルキル
    ビニルエーテル5〜20質量%、(f−3)シクロヘキ
    シルビニルエーテル5〜40質量%、(f−4)アルキ
    ルビニルエーテル5〜20質量%、並びに、(f−5)
    グリシジル基含有ラジカル重合性モノマーおよび/また
    はカルボキシル基または酸無水物基含有重合性モノマー
    0〜40質量%を共重合させることにより得られるフッ
    素ポリマー2〜50質量%を含有する請求項1から5い
    ずれか1項記載のクリヤー塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記(F)3〜25質量%を含有する請求
    項6記載のクリヤー塗料組成物。
  8. 【請求項8】基材に直接または下地塗膜を介して、メタ
    リックベース塗膜またはソリッドベース塗膜を形成し、
    次いで前記メタリックベース塗膜またはソリッドベース
    塗膜を硬化させずに、その上に請求項1から7いずれか
    1項記載のクリヤー塗料組成物によりクリヤー塗膜を形
    成し、前記メタリックベース塗膜またはソリッドベース
    塗膜とクリヤー塗膜とを同時に焼付乾燥する塗膜形成方
    法。
  9. 【請求項9】基材に直接または下地塗膜を介して、メタ
    リックベース塗膜またはソリッドベース塗膜が形成さ
    れ、その上に請求項1から7いずれか1項記載のクリヤ
    ー塗料組成物によりクリヤー塗膜が形成された積層塗
    膜。
JP2000340795A 2000-07-31 2000-11-08 クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜 Expired - Fee Related JP3863718B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340795A JP3863718B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜
EP20010402067 EP1178088B1 (en) 2000-07-31 2001-07-31 Clear coating composition, method of forming a coating film and multilayer coating film
DE2001623711 DE60123711T2 (de) 2000-07-31 2001-07-31 Klarlackzusammensetzung, Verfahren zur Herstellung eines Beschichtungsfilms und Mehrschichtüberzug
US09/919,531 US6635351B2 (en) 2000-07-31 2001-07-31 Clear coating composition, method of forming a coating film and multilayer coating film
US10/637,870 US7125936B2 (en) 2000-07-31 2003-08-08 Clear coating composition, method of forming a coating film and multilayer coating film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340795A JP3863718B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002146269A true JP2002146269A (ja) 2002-05-22
JP3863718B2 JP3863718B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=18815654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000340795A Expired - Fee Related JP3863718B2 (ja) 2000-07-31 2000-11-08 クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3863718B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527868A (ja) * 2010-04-20 2013-07-04 ピーピージー・コーテイングス・ユーロプ・ベー・ブイ 自己研磨性、防汚性塗料の結合剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527868A (ja) * 2010-04-20 2013-07-04 ピーピージー・コーテイングス・ユーロプ・ベー・ブイ 自己研磨性、防汚性塗料の結合剤
US9988538B2 (en) 2010-04-20 2018-06-05 Ppg Coatings Europe B.V. Binder for a self polishing antifouling coating

Also Published As

Publication number Publication date
JP3863718B2 (ja) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2863076B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
EP0588560B1 (en) A curable resin composition, a coating composition and a process for forming a coating film
WO2001040329A1 (fr) Composition monomere reactive faiblement modifiee a la lactone, resines de polyol acrylique produites avec ladite composition, compositions de resines durcissables et compositions de revetement
JP3148246B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物
US6635351B2 (en) Clear coating composition, method of forming a coating film and multilayer coating film
JP2001279164A (ja) 塗料組成物
JP3280031B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物
JP5225058B2 (ja) 自動車車体の塗装方法及び塗膜を有する自動車車体
JP3243165B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JP2002146269A (ja) クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜
JP3984083B2 (ja) 低汚染性塗膜の性能回復方法および低汚染性塗膜
JP3249823B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物
JP3645037B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JP3863708B2 (ja) クリヤー塗料組成物、塗膜形成方法および積層塗膜
JP2801504B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JPH11276991A (ja) 積層塗膜形成方法及び塗装物
JPH09509696A (ja) 塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP3207368B2 (ja) 塗膜形成方法
JP2930838B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JPH04114069A (ja) 熱硬化性塗料組成物
JP2000169784A (ja) 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体
JP2001011365A (ja) 塗料用樹脂組成物および塗料
JPH0885774A (ja) クリヤ塗料組成物及び該塗料を用いた多層塗膜形成方法
JPH04252282A (ja) 熱硬化被覆組成物
JPH09296149A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物、及びそれを用いてなる塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees