JP2002146257A - 改良された安定性及び耐光堅牢性を有する染料ベースのインクジェット用インク組成物 - Google Patents
改良された安定性及び耐光堅牢性を有する染料ベースのインクジェット用インク組成物Info
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Abstract
料ベースのインクジェットインク組成物を提供する。 【解決手段】 共有結合的に付着される少なくとも1つ
の水可溶化官能基を有する有効量のアゾメチン染料を含
んで成る水性インクジェットインクを開示する。該水可
溶化官能基は該アゾメチン染料に直接付着させることが
でき及び/又は求電子性カップリング部分を介して該ア
ゾメチン染料に付着させることができる。アゾメチン染
料又は求電子性カップリング部分から水可溶化官能基を
離間するために有機スペーサー基が使用される場合、約
1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキ
ル基が好ましい。好ましいアゾメチン染料はピラゾロン
アゾメチン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン及びそれ
らの組み合わせであり得る。更には、耐光堅牢性及び安
定性を改良するべく、有効量の染料ベースの着色剤及び
本質的に水溶性であるスピロインダン添加剤を含んで成
る水性インクジェットインクが開示される。
Description
及び耐光堅牢性を有する染料ベースのインクジェットイ
ンク組成物に関する。
を含む多種多様なタイプの媒体に非常に高解像度の画像
を転写できるまでに進歩した。1つの特定のタイプの印
刷法では、流体インクの小滴がディジタル信号に応答し
て媒体表面上に配置される。典型的には、流体インク
は、印刷装置と媒体表面とを物理的に接触させることな
く表面上に配置または噴出される。この一般的技法の範
囲内では、インクジェット用インクを印刷表面上に堆積
させる特有の方法は、システムごとに異なる。こうした
方法としては、連続インク堆積法及びドロップ・オン・
デマンドインク堆積法が包含され得る。
は、典型的には、メチルエチルケトン及びエタノールな
どの溶媒をベースとする。本質的には、連続印刷システ
ムは、プリンタノズルにより吐出及び誘導されるインク
滴の流れとして機能する。インク滴は、ノズルに近接し
た静電帯電装置の支援により追加的に誘導される。イン
クが所望の印刷表面上で使用されない場合、後で使用す
るためにインクは再循環される。ドロップ・オン・デマ
ンド印刷システムでは、インクジェットインクは、典型
的には、水及びグリコールをベースとする。これらのシ
ステムを用いる場合、本質的には、吐出されるインク滴
をすべて使用して印刷画像を形成するように、熱又は圧
力波によりインク滴をノズルから噴出させる。
(特に、紙)に画像を記録する一般的な方法になったこ
とにはいくつかの理由がある。これらの理由の中には、
プリンタノイズが低いこと、高速記録や多色記録が可能
なことが含まれる。更に、これらの利点は、消費者にと
って比較的低い価格で得ることができる。しかしなが
ら、インクジェット印刷において大きな改良がなされて
きたとはいえ、この改良に伴い、この分野において、例
えば、より速いスピード、より高い解像度、フルカラー
画像形成、向上した安定性などに関して消費者からの要
望が増大している。新しいインクジェットインクを開発
するにあたり、印刷表面又は基板と関連させてインクを
評価する際に考慮すべきいくつかの伝統的特性が存在す
る。そのような特性としては、表面上の画像のエッジ明
瞭度及び光学濃度、基板上のインクの乾燥時間、基板へ
の接着、インク滴の偏りのなさ、全ドットの存在、乾燥
後における水及び他の溶剤に対するインクの耐性、長期
保存安定性、腐食やノズルの目詰まりのない長期信頼性
が挙げられる。上記の特性リストは価値のある達成目標
を提供するが、上記の特性をすべて満足させるには困難
が伴う。多くの場合、上記の特性のうちの1つを満足さ
せることを目的としてインク成分を組み込むと、満足す
べき他の特性が阻害される可能性がある。従って、イン
クジェットプリンタに使用するためのほとんどの市販の
インクでは、上記の要件のすべてを満足させる上で少な
くとも適切な回答が得られるように妥協が行われてい
る。
料又は顔料のいずれかをベースとするインクである。染
料ベースのインクジェットインクでは、一般に、液体着
色剤が使用され、この着色剤は、通常、水をベースとし
て媒体を特定の色に変化させる。構成上、染料ベースの
インクは、通常、防水性がなく、UV光による影響をよ
り多く受ける傾向がある。この結果、経時により色が変
化したり、退色したりする。最適性能を得るために、こ
のタイプのインクでは、用途に応じて適正な媒体を選択
することが必要な場合が多く、従って、印刷用媒体の選
択性が低下する。これとは逆に、顔料インクでは、典型
的には、固体の着色剤を用いて着色が行われる。多くの
場合、顔料ベースのインクを用いて得られる線の品質及
びプロットの正確さは、染料ベースのインクを用いて得
られるものよりも一般に優れている。顔料インクを用い
た場合、固体粒子が基板の表面に付着する。溶液中の水
を蒸発させてしまえば、粒子は一般に溶解状態には戻ら
ないであろうことから、より防水性である。更に、顔料
インクは、染料ベースのインクよりもUV耐性がかなり
大きい。このことは、識別しうる退色が起こるまでの期
間が長いことを意味する。顔料インクが優れた特性を呈
する分野もいくつかあるが、染料には、より清浄に動作
し、より良好な歩留まりを提供し、より良好な粒子サイ
ズを呈し、更に、濾過がより容易であるという傾向があ
る。従って、染料ベースのインクは、通常の用途におい
てより頻繁に使用され、より色彩的でより高い濃色をも
たらす傾向がある。
ン化銀写真に匹敵できるようにするために、行わなけれ
ばならない1つの重要な改良は、インクジェット用イン
クは、より長期間にわたり露光に対して安定な状態を保
持する能力を向上させなければならないことである。現
時点では、写真は、延長された露光下でかなりの長時間
にわたり、即ち、蛍光灯露光下で約14〜18年間にわ
たり、品質が保たれるであろう。これに対して、最良の
インクジェットプリンタのいくつかは、同じような条件
下で約6〜8年間しか持ちこたえないプリントを生成す
るであろう。特に、染料ベースのインクジェットインク
の場合、変色の現象は、顔料ベースのインクジェットイ
ンクの典型的な場合よりも更に容易に起こる。しかしな
がら、先に述べたように、非常に便利に使用でき、色の
識別性が良好であるという理由で、染料ベースのインク
が好ましいこともある。
間よりもかなり長く、更には60年間まで品質が保たれ
るとの報告がなされている技術が開発された。このよう
に長期間保持されるインクの安定性は、米国特許第5,
242,785号の主題の一つである、非常に安定なマ
ゼンタ染料に基づくものであった。その特許には、非常
に良好な耐光堅牢性(16.5年間に相当する露光の後
で染料の損失が2%)を有する多くの新しい染料及び添
加剤が報告されている。しかしながら、これらの染料は
長期露光下で非常に安定ではあるが、これらの染料は水
溶性ではなく、又、写真媒体中に染料を固定するために
必要な長鎖有機基を含んでいる。そのような構造は、水
をベースとするインクジェットシステムでは使用するこ
とができない。
露光下でより安定であり、及び/又は良好な耐光堅牢性
を呈するように媒体上に印刷するための水性インクジェ
ットインクを提供することは有用であろう。このこと
は、これらのおよび他の重要な性質を改良する水性イン
クジェットインクのための染料及び/又は添加剤を提供
することによって達成することができる。
少なくとも1つの水可溶化官能基を有する有効量のアゾ
メチン染料を含んでなる水性インクジェットインクを開
示するものであって、前記水可溶化官能基は、アゾメチ
ン染料に直接付着されるか、または求電子性カップリン
グ部分を介してアゾメチン染料に付着される。もし有機
スペーサー基(spacer group)が水可溶化官能基をアゾメ
チン染料又は求電子性カップリング部分から離間させる
ために使用されるならば、約1〜10個の炭素原子を有
する直鎖及び分枝鎖のアルキル連結子(linker)又はアル
キルスペーサーが好ましい。好ましいアゾメチン染料と
しては、ピラゾロンアゾメチン、ピラゾロトリアゾール
アゾメチン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。こ
のほか、有効量の染料ベースの着色剤と、様々な染料ベ
ースの着色剤の耐光堅牢性及び安定性を改良するための
本質的に水溶性のスピロインダン(spiroindane)添加剤
とを含んでなる水性インクジェットインクが開示され
る。
前に、本発明が本明細書中に開示されている特定の処理
工程及び材料に限定されるものではないことを理解すべ
きである。なぜなら、そのような処理工程及び材料は、
ある程度、変更を加えることができるからである。ま
た、本明細書中で使用されている用語が特定の実施態様
だけについて説明することを目的として使用されている
ことを理解すべきである。これらの用語は、本発明を限
定することを意図したものではない。なぜなら、本発明
の範囲は、特許請求の範囲に記載のもの及びそれらに相
当するものによってのみ限定されるべきものであるから
である。
用する場合、単数形の名詞には、文脈上明らかに他の解
釈が必要にならない限り、複数形の指示対象も包含され
る。
を付与する基を規定することを意味し、具体的には、ス
ルホン酸、カルボン酸、糖、アミン、ポリエーテル、ホ
スフェート、ホウ酸、及びそれらの組み合わせ、又は他
の類似の親水基が挙げられる。
は、アゾメチン染料の芳香環、あるいは又、アゾメチン
染料の芳香環にカップリングされる連結スペーサー基
に、水可溶化官能基をカップリングすることができる結
合部分を意味する。好適なカップリング部分の代表例
は、アミド結合、アミン結合、スルホンアミド結合、ス
ルホニル結合、及びエステル結合よりなる群から選択さ
れる。
能基をアゾメチン染料に連結させる約1〜10個の炭素
原子を有する、脂肪族の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素
を包含するものと解釈される。スペーサーは、求電子性
カップリング部分を介して水可溶化官能基又はアゾメチ
ン染料の芳香環に連結させることができる。
関して、「可溶性」という用語は、水ベースインク中に
おいて機能性となる程度にまで可溶化された任意の構造
を包含する。
る少なくとも1つの水可溶化官能基を有する有効量のア
ゾメチン染料を含んでなる水性インクジェットインクが
開示される。水可溶化官能基は、アゾメチン染料に直接
付着させることができ、及び/又は求電子性カップリン
グ部分を介して付着させることができる。有機スペーサ
ーを用いてアゾメチン染料又は求電子性カップリング部
分から水可溶化官能基を離間させる場合、約1〜10個
の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖のアルキルスペーサ
ーが好ましい。アゾメチン染料は好ましくは約0.1〜
10重量%の量でインクジェットインク中に存在する
が、任意の有効量を使用することが可能である。また、
アゾメチン染料は、好ましくは、ピラゾロンアゾメチ
ン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン、及びそれらの組
み合わせからなる群より選択される。
ースとしているので、染料の溶解性を改良するために、
少なくとも1つの水可溶化官能基をアゾメチン染料に付
着させなければならない。好ましくは、複数個の水可溶
化官能基が染料に共有結合的に付着される。水可溶化官
能基は、スルホン酸、カルボン酸、糖、アミン、ポリエ
ーテル、リン酸、ホウ酸、及びそれらの組み合わせから
なる群より選択することができるが、染料を可溶化する
機能をもつ他の基を本発明に関連させて使用することも
できる。好ましい実施態様では、スルホン酸基が芳香環
に直接、又は求電子性カップリング部分を介して、アゾ
メチン染料に共有結合的に付着される。
方を用いて、アゾメチン染料に、水可溶化官能基を共有
結合的に付着させることができる。第1に、水可溶化官
能基を染料上の芳香環に直接共有結合させることができ
る。
ミド、スルホニル、又はエステルなどの求電子性カップ
リング部分を介して、水可溶化官能基をアゾメチン染料
に付着させることができる。2つ又はより多くの水可溶
化官能基をアゾメチン染料に付着させる場合、1つの実
施態様においては、少なくとも1つの水可溶化官能基を
染料の芳香環に直接付着させ、そして少なくとも1つの
他の水可溶化官能基を、求電子性カップリング部分を介
して共有結合的に付着させることができる。
って調製することのできるピラゾロンアゾメチン染料の
例を表している。
は、本発明に従って調製することのできるピラゾロトリ
アゾールアゾメチン染料の例を表している。
トリアゾールアゾメチンの構造が機能的である構造の唯
一のものというわけではない。これらの構造は、単に、
機能的な構造の代表的な例を提供することを目的とした
ものである。例えば、記載のピラゾロトリアゾール構
造、すなわち、染料5及び6はいずれもピラゾロ−
[1,2,4]−トリアゾール構造であるが、ピラゾロ
−[1,3,4]−トリアゾール染料構造もまた周知で
あり、本発明に従って水可溶化官能基を含有するように
誘導体化することが可能である。このほか、カラー、耐
光堅牢性、又は構造の他の重要な染料機能を提供する基
が水可溶化官能基により実質的に置換されない限り、様
々な水可溶化官能基を使用したり、水可溶化官能基を様
々な位置に配置したりすることができる。例えば、上記
の染料に関しては、カラー安定性及び耐光堅牢性に不可
欠であると考えられる基を残存させた。他の基は構造の
溶解性を改良するために、スルホン酸で置換された。ま
た、いくつかの染料では、染料の耐光堅牢性に関して重
要であり得るある特定の付属部分はそのまま残される。
スルホン酸基(または他の水可溶化官能基)は、必ずし
も、芳香環上に配置する必要はないことに留意された
い。これらの基はまた、アミド結合、アミノ結合、スル
ホンアミド結合、スルホニル結合、又はエーテル結合な
どの求電子性カップリング部分を介して様々な側鎖の一
部分として付着させることもできる。
料に加えて、ある種の添加剤を添加することによって、
多種多様な染料ベースのインク(これらに限定されるも
のではないが、本明細書中に開示されているアゾメチン
染料を包含する)において耐光堅牢性及び安定性を強化
することができる。これらの様々な添加剤は、多くの染
料に対して励起一重項状態消光剤(excited singlet sta
te quencher)として作用する特有のタイプのスピロイン
ダン化合物をベースとする安定剤である。染料が励起状
態にある場合、すなわち、電子がより高いエネルギーレ
ベルにある場合、染料の劣化が起こる可能性がある。従
って、本明細書中に開示されているスピロインダン添加
剤を使用することによって、様々な染料の励起状態を、
それらが劣化する実質的な機会を有する前に失活させる
ことができる。そのような作用は、添加剤の混合された
染料の安定性および耐光堅牢性を拡大すると考えられ
る。本開示以前に於いて、そのようなスピロインダン化
合物は、本質的に水不溶性であり、従って、水性インク
ジェットインクに使用するのに有用ではなかった。例え
ば、インクジェットインク中で効果的に使用するのに十
分な水溶性をもたないテトラヒドロキシスピロインダン
が現在市販されている。
インダンと同じような性質を有する水性インクジェット
インク向けのスピロインダン添加剤を調製することは有
用であろう。そのような添加剤は、適切な水可溶化官能
基で芳香環を直接官能化するか、または好ましくは、約
1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状の
スペーサーを介して芳香環を水可溶化官能基で官能化し
て、テトラヒドロキシスピロインダンを改質することに
よって、調製することができる。より好ましくは、化合
物の消光剤特性を実質的に保持すべく、3〜10個の炭
素原子を使用することができる。効果的なスペーサーの
1つは、直鎖状プロピル基である。
以下の式7として規定することができる。
か、又は水可溶化官能基を含有することができる。但
し、少なくとも1つのR基は、水可溶化官能基を含有す
るものとする。水可溶化官能基は、芳香環に共有結合的
に付着させるか、又はスペーサーを介して付着させるこ
とができる。しかしながら、1つだけは必要であるとは
いえ、2〜4個のR基が水可溶化官能基を含有すること
が好ましい。このほか、R’は、独立して、H、及び約
1〜5個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアル
キル基からなる群より選択することができる。
させる場合、約1〜10個の炭素原子を有する直鎖状も
しくは分枝状の炭素鎖が機能性であるが、3〜10個の
炭素原子が好ましい。特に、R基がスペーサー/水可溶
化官能基の組み合わせである場合、式7のR基は、独立
して、−R2SO3H、−R2COOH、−R2N(C
H 3)3 +、及びR2(CH2CH2O)nCH2CH2OR
3〔式中、R2は、1又は2個の炭素原子であってよい
が、好ましくは、3〜10個の炭素を有する直鎖状もし
くは分枝状の炭素鎖である。〕からなる群より選択され
ることが好ましい。しかしながら、先に述べたように、
特に可溶化基としてスルホン酸を使用する場合、直鎖状
の3炭素鎖(プロピル)が最も好ましい。記載のポリエ
チレンオキシド構造の場合、nは、1〜10であってよ
く、R3は、H、CH3、又はCH2CH3であってよい。
水可溶化官能基はまた、改良された溶解性を提供する任
意の他の水可溶化官能基であってもよい。例えば、糖
類、ポリオール類、及びピリジニウム類、例えば、N−
メチルピリジニウムなどを含む基は、機能的であり得
る。
ベースのインクに組み込む場合、有効量の染料ベースの
着色剤と有効量の本質的に水溶性のスピロインダン添加
剤とから構成することができる。しかしながら、約1〜
20重量%、好ましくは約1〜10重量%のスピロイン
ダン添加剤が好ましいと考えられる。また、安定性及び
耐光堅牢性は多くのタイプの染料ベースのインクにおい
て改良することができるが、本発明のアゾメチン染料の
安定性および耐光堅牢性は、本明細書中に開示されてい
るスピロインダン添加剤により更に改良することができ
る。
ト用インク組成物を調製するための種々の処方を示し、
更に、本明細書中に開示されているスピロインダン添加
剤の添加の有効性を示すデータを提供する。以下の実施
例は、本発明を限定するものとみなすべきものではな
く、本実験データに基づいて最良の既知インクジェット
インク処方をいかに作製するかを単に教示しているにす
ぎない。
ン染料を以下に示すようにして合成した。
−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸(1m
mol)と、N,N−ジ−(エチルスルホン酸)−1,
4−フェニレンジアミン(0.25g)と、メタノール
(10mL)と、炭酸ナトリウム水溶液(5%;20m
L)との撹拌された混合物に、0.6gの過硫酸カリウ
ムを添加することにより、ピラゾロンアゾメチン染料
[4−(3−メチル−4−(4−(N,N−ジ−(エチ
ルスルホン酸)アミノ−1−フェニルイミノ)−5−オ
キソ−2−ピラゾリン−イル)安息香酸を調製した。混
合物を約40分間撹拌し、次いで、追加の水(70m
L)を添加した。ピラゾロンアゾメチン染料を濾過によ
り回収し、乾燥させ、そしてメタノールまたはエタノー
ルを用いて再結晶させた。
剤を以下に説明及び図示されているように合成した。
に、NaH[5.88g(鉱油を分散媒とする60%分
散液)、4当量]を加えた撹拌懸濁液に、アルゴン下で
固体添加用漏斗を介して3,3,3’,3’−テトラメ
チル−1,1’スピロビスインダン−5,5’,6,
6’−テトラオール[10.40g(96%)、29.
4mmol]を少量ずつ添加した。添加終了後、混合物
を室温で20時間撹拌し、そしてブロモプロパンスルホ
ネート[40g(97%)、6当量]を少しずつ添加し
た。次いで、反応混合物を50℃まで加温し、反応が終
了するまで撹拌した(約16時間)。次に、反応混合物
を室温まで冷却し、激しく撹拌しながら4.5Lのエチ
ルアセテートを添加した。懸濁液を濾過し、濾過ケーク
を空気乾燥させた。回収した固体をベンゼン(400m
L)に溶解し、15%塩酸水溶液(200mL)を添加
することにより二相混合物を形成した。この混合物を加
熱して還流させ、蒸留により水を除去した。次に、ベン
ゼン上澄み液を析出した固体からデカントし、この析出
固体を熱ジメチルスルホキシド(350mL、55℃)
に溶解し、濾過してエチルアセテート(3.5L)に加
えた。濾液は沈澱を生成し、これを濾別し、回収した固
体をエチルアセテート(100mL)で洗浄した。回収
固体を次にエタノール(1L)で摩砕し、濾過し、そし
てジエチルエーテル(500mL)で洗浄した。濾過ケ
ークを減圧下で乾燥させることにより、22.80g
(94%)の生成物を得た。
ス名Acid Red 81、Bayerから入手可能、
3−(N−メチルアミノ)−6−(4−スルホン酸−1
−アミノベンゼン)−2H,7H−ベンズ[de]アン
トラセン−2,7−ジオンのナトリウム塩]として知ら
れる、マゼンタ染料調合物の2つのサンプルについて、
紙に適用した後の染料の損失に関する試験を行った。2
つのサンプルのうちの一方には、5重量%の水溶性スピ
ロインダン添加剤が存在していたが、他方のサンプルに
は、添加剤が存在していなかった。各サンプルを2つの
タイプの印刷媒体、すなわち、HP Premium P
lus GlossyおよびMitsubishi 17
0に印刷した。全部で4つのインクサンプル/印刷媒体
の組み合わせに対して、6年間の通常の露光に匹敵する
60Kluxの白色蛍光ランプに曝した(12日間で4
50luxが通常の室内露光であると仮定した)。染料
の充填率を3%(w/w)及び添加剤の充填率を5%
(w/w)にした。インクビヒクルは、(重量基準で)
8%の1,5−ペンタンジオール、6.5%の2−ピロ
リジノン、7.5%のトリメチロールプロパン、1.5
%のTERGITOL(商標)15−S−7、0.5%
のTERGITOLTM15−S−5、0.2%のFC−
00、及び0.4%のDOWFAX(商標)8390か
ら構成された。初期光学濃度0.5を有するカラーパッ
チで20%の染料損失を生じるまで各サンプルを継続的
に蛍光灯の光に露光した。以下の表1に結果を示す。
ンダン添加剤は2つのそれぞれに紙に印刷されたマゼン
タ染料に対してプラスの効果を示す。このタイプの添加
剤が試験したインクに対してプラスの効果を示したとい
う事実は重要である。なぜなら、一般に、多くの添加剤
は、インクジェットインクの性質を改良するような働き
をしないからである。これは、恐らく、添加剤と染料は
一旦媒体に印刷されると、近接して残存しないためであ
ると思われる。従って、これらのスピロインダン添加剤
は、インクジェットインク配合物に有用なだけでなく、
これらの添加剤をある印刷媒体のインク受容層に直接組
み入れる場合にも良好な結果を得ることができる。
発明について説明してきたが、当業者には、本発明の趣
旨から逸脱することなく種々の修正、変更、省略、及び
置換を行いうることは理解されるであろう。従って、本
発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものと
する。
光下でより安定であり、且つ/又は良好な耐光堅牢性を
呈するように媒体に印刷するための水性インクジェット
インクが提供される。さらには、水性インクジェットイ
ンクの重要な性質を改良する染料及び/又は添加剤が提
供される。
して示す。 1. 共有結合的に付着される少なくとも1つの水可溶
化官能基を有する有効量のアゾメチン染料を含んでなる
水性インクジェットインクであって、前記水可溶化官能
基は、前記アゾメチン染料に直接共有結合的に付着され
るか、または求電子性カップリング部分を介して共有結
合的に付着されている、水性インクジェットインク。 2. 前記アゾメチン染料が、約0.1〜10重量%の
量で存在し、且つピラゾロンアゾメチン染料、ピラゾロ
トリアゾールアゾメチン染料、及びそれらの組み合わせ
からなる群より選択される、上記1に記載の水性インク
ジェットインク。 3. 前記水可溶化官能基が、スルホン酸、カルボン
酸、糖、第四級アミン、ポリエーテル、リン酸、ホウ
酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され
る、上記1又は2に記載の水性インクジェットインク。 4. 前記水可溶化官能基が、前記アゾメチン染料に直
接付着される、上記1又は2に記載の水性インクジェッ
トインク。 5. 前記水可溶化官能基が、アミド、アミン、スルホ
ンアミド、スルホニル及びエステルからなる群より選択
される求電子性カップリング部分を介して前記アゾメチ
ン染料に共有結合的に付着される、上記1又は2に記載
の水性インクジェットインク。 6. 前記水可溶化官能基が、約1〜10個の炭素原子
を有する直鎖状もしくは分枝状の炭素鎖によって芳香環
又は求電子性カップリング部分に共有結合的に付着され
る、上記1又は2に記載の水性インクジェットインク。 7. 前記水可溶化官能基がスルホン酸である、上記3
に記載の水性インクジェットインク。 8. 少なくとも2つの水可溶化官能基が共有結合的に
前記アゾメチン染料に付着される、上記1に記載の水性
インクジェットインク。 9. 前記水可溶化官能基が、共有結合的に前記染料の
芳香環に直接付着される、上記1に記載の水性インクジ
ェットインク。 10. 複数の水可溶化官能基を有する上記1に記載の
水性インクジェットインクにおいて、少なくとも1つの
水可溶化官能基が共有結合的に芳香環に直接付着され、
且つ少なくとも1つの追加の水可溶化官能基が共有結合
的に求電子性カップリング部分を介して付着される、上
記1に記載の水性インクジェットインク。 11. 前記ピラゾロンアゾメチン染料が:
ジェットインク。 12. 前記ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料が、
ピラゾロ−[1,2,4]−トリアゾール染料、ピラゾ
ロ−[1,3,4]−トリアゾール染料及びそれらの組
み合わせからなる群より選択される、上記2に記載の水
性インクジェットインク。 13. 前記ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料が:
ジェットインク。 14. a)有効量の染料ベースの着色剤と、 b)該染料ベースの着色剤の耐光堅牢性及び安定性を改
良するための約1〜20重量%の本質的に水溶性のスピ
ロインダン添加剤と、を含んでなる水性インクジェット
インク。 15. 前記スピロインダン添加剤が、下記の構造:
する成分からなる群より選択され、少なくとも1つのR
基は、水可溶化官能基を含有し、R’は、H及び約1〜
5個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル
基からなる群より選択される。〕により規定される、上
記14に記載の水性インクジェットインク。 16. 2〜4個の前記R基が、独立して、−R2SO3
H、−R2COOH、−R2N(CH3)3 +、R2(CH2
CH2O)nCH2CH2OR3〔式中、R2は、2〜10個
の炭素を有する直鎖状もしくは分枝状の炭素鎖であり、
nは、1〜10であり、R3は、H、CH3、及びCH2
CH3からなる群より選択される。〕からなる群より選
択される、上記15に記載の水性インクジェットイン
ク。 17. 2〜4個つの前記R基が、独立して、糖、ポリ
オール及びピリジニウムからなる群より選択される、上
記15に記載の水性インクジェットインク。 18. R2がプロピル基である、上記16に記載の水
性インクジェットインク。 19. 前記水可溶化官能基がスルホン酸である、上記
18に記載の水性インクジェットインク。 20. 前記スピロインダン添加剤が、約1から20重
量%の量で存在する、上記14に記載の水性インクジェ
ットインク。
Claims (1)
- 【請求項1】 共有結合的に付着される少なくとも1つ
の水可溶化官能基を有する有効量のアゾメチン染料を含
んでなる水性インクジェットインクであって、前記水可
溶化官能基は、前記アゾメチン染料に直接共有結合的に
付着されるか、または求電子性カップリング部分を介し
て共有結合的に付着されている、水性インクジェットイ
ンク。
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