JP2002146245A - インクジェットプリンター用インク組成物 - Google Patents

インクジェットプリンター用インク組成物

Info

Publication number
JP2002146245A
JP2002146245A JP2000340311A JP2000340311A JP2002146245A JP 2002146245 A JP2002146245 A JP 2002146245A JP 2000340311 A JP2000340311 A JP 2000340311A JP 2000340311 A JP2000340311 A JP 2000340311A JP 2002146245 A JP2002146245 A JP 2002146245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink composition
jet printer
ink jet
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000340311A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Oshima
治 尾島
Yutaka Yamada
山田  豊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000340311A priority Critical patent/JP2002146245A/ja
Publication of JP2002146245A publication Critical patent/JP2002146245A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料系インクと同等の吐出時の粒子化安定
性を有し、金属、ガラス、プラスチック等の各種被記録
媒体に対する密着性、保存安定性、安全性に優れ、特に
マーキング分野での使用に好適なインクジェットプリン
ター用インク組成物を提供する。 【解決手段】少なくとも着色剤、皮膜形成性樹脂、炭素
数が4以上の低級アルコール、を含有するインクジェッ
トプリンター用インク組成物であって、該着色剤が10
0〜200m2/gのBET比表面積を持つ、好ましく
は塩基性のカーボンブラックからなり、さらに好ましく
は該カーボンブラックのDBP吸油量が40〜80ml
/100gの範囲にあるインク組成物であって、しかも
溶剤中にケトン系溶剤を実質的に含まないインクジェッ
トプリンター用インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のインクに比
較して毒性が低く、吐出時の粒子化安定性、保存安定性
に優れると共に、金属、ガラス、プラスチック等の各種
被記録媒体への密着性、印字皮膜性能に優れるインクジ
ェットプリンター用インク組成物に関するものである。
なお、本発明にいうインクの吐出時の粒子化安定性と
は、吐出時にインクジェットプリンターのノズルで形成
されるインク液滴が、一定の大きさで安定にかつ連続的
に形成されうるかどうかを示すものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターによる印刷
は、ノズルよりインクを噴射し、被記録媒体に付着せし
める方式であり、該ノズルと被記録媒体が非接触状態に
あるため、曲面や凹凸とした不規則な形状を有する表面
に対して、良好な印刷を行うことが出来る。
【0003】このようなインクジェットプリンターとし
て各種方式のものが実用化されているが、金属、プラス
チック等の非吸収材料へ文字等を印刷するマーキング分
野であって、例えば飲料缶やPETボトル等の各種食品
容器への製造番号等の印刷等には、主に着色剤、樹脂、
有機溶剤等を含有するインクを用いたコンティニュアス
方式(荷電制御方式)のプリンターが使用されている。
この方式は、噴射したインク粒子を電気的な文字信号に
応じて帯電させ、偏向電極により、帯電量に応じて偏向
させて文字等を形成させる方式である。
【0004】この方式のインクジェットプリンターに使
用されるインクは主に黒色であり、着色剤として染料を
用いる染料系インクと、カーボンブラックを用いる顔料
系インクがある。
【0005】ところで、インクジェットプリンター用イ
ンク組成物に要求される特性として、安全衛生上問題が
ないこと、吐出時の粒子化安定性、プリンター使用環境
下での保存安定性が優れていること等がある。
【0006】インクジェットプリンター用インク組成物
の着色剤は、吐出時の粒子化安定性の点から一般に染料
が用いられている。コンティニュアス方式のインクジェ
ットプリンター用インク組成物においても、染料として
インクの導電性付与に有効な重金属であるクロムを含有
するクロム錯塩染料が用いられており、有機溶剤の主成
分に毒性の高いメチルエチルケトンをを用いたインクが
数多く使用されている。このため、安全性の面でその代
替要求が強く、また、ドットのにじみ、印字皮膜の耐久
性等の面からも問題を有していた。
【0007】一方、顔料系インクは染料系インクに比べ
てドットのにじみが少なく印刷品質が良好で、印字皮膜
の耐久性の点では優れているものの、吐出時の粒子化安
定性の点では問題を有していた。この問題を解決するた
め種々の検討がなされており、たとえば、特開平6−0
57188号公報には、カーボンブラックとしてキャボ
ット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社製のリ
ーガル99R(BET比表面積:46m2/g)を用い
たインクが、特開平6−240192号公報等にはキャ
ボット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社製の
リーガル330R(BET比表面積:94m2/g)を
用いたインクが提案されている。しかし、いずれのイン
クも保存安定性、印字皮膜の耐久性は優れているが、有
機溶剤の主成分として、毒性の高いメチルエチルケトン
を用いており、又、吐出時の粒子化安定性も未だ不十分
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
染料系インクと同等の吐出時の粒子化安定性を有し、金
属、ガラス、プラスチック等の各種被記録媒体に対する
密着性、保存安定性、安全性に優れた特性を示し、特に
マーキング分野での使用に好適なインクジェットプリン
ター用インク組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なくとも
着色剤、皮膜形成性樹脂、炭素数が4以下の低級アルコ
ールを含有するインクジェットプリンター用インク組成
物において、着色剤として比表面積等が特定の範囲にあ
るカーボンブラックを用いる事により、吐出時の粒子化
安定性、保存安定性等の優れたインクジェットプリンタ
ー用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、少なくとも着色剤、皮
膜形成性樹脂、炭素数が4以下の低級アルコールを含有
するインクジェットプリンター用インク組成物におい
て、着色剤が100〜200m2/gの範囲のBET比
表面積を持つカーボンブラックであり、且つケトン系溶
剤を実質的に含有しないことを特徴とするインクジェッ
トプリンター用インク組成物を提供するものである。
【0011】また、発明者らは、かかるインクジェット
プリンター用インク組成物において、さらにカーボンブ
ラックのDBP吸油量が40〜80ml/100gの範
囲であり、かつカーボンブラックが塩基性であることに
より、よりインクの保存安定性、吐出時の粒子化安定
性、が向上することを見出した。発明者らは、またかか
るインクジェットプリンター用インク組成物において、
ケトン系溶剤を含有しない構成をとることが、インクの
特性を低下させずに可能であることを見出した。また、
かかるインクジェットプリンター用インク組成物におい
ては、炭素数が4以下の低級アルコール中のエタノール
含有量が60質量%以上であることがより好ましい。さ
らにまた、発明者らは、かかるインクジェットプリンタ
ー用インク組成物を、コンティニュアス記録方式用イン
クジェットプリンター用インクとして用いる場合には、
導電性付与剤として水不溶性の有機系導電性付与剤を用
いることが好ましいことを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細を説明する。本
発明に使用する着色剤としては、以下の項目を満たすカ
ーボンブラックであることが好ましい。つまり、カーボ
ンブラックの基本特性には、比表面積、ストラクチャ
ー、表面の化学的特性の三つがあり、使用用途に応じて
適正な特性のものが選択される。前述した通り、インク
ジェットプリンター用インク組成物に要求される特性と
して吐出時の粒子化安定性があり、ノズルからインクが
噴射される際に、インク柱の切断がスムーズに行われ、
均一なインク粒子が作製されなければならない。このた
めには、比表面積の大きい、言い換えれば、粒子径の小
さいカーボンブラックを使用することが好ましいが、従
来の印刷インク、塗料に比較して、インクジェットプリ
ンター用インク組成物では、比表面積が大きすぎると、
保存安定性の維持が困難であるという問題がある。発明
者らは種々検討を行った結果、BET比表面積が100
〜200m2/gのものを用いることで吐出時の粒子化
安定性、保存安定性の両特性のバランスを保つことがで
きることを見出した。この範囲内にあるカーボンブラッ
クであれば、高速印字を行うインクにも好適であるが、
より好ましくは、120〜140m2/gの範囲のBE
T比表面積を持つものを用いるのが、よりインクの良好
なバランスを保つ上では好ましい。
【0013】また、ストラクチャーはカーボンブラック
の粒子同士の融着状態を表し、DBP吸油量で数値化さ
れることが一般的であり、DBP吸油量の大きいものほ
ど粒子のつながりが長くなる。したがって、BET比表
面積が100〜200m2/gのカーボンブラックの場
合、DBP吸油量は、40〜80ml/100gの範囲
にあるものを使用することが、インクの吐出時の粒子化
安定性、保存安定性の点から特に好ましいのである。
【0014】さらに、カーボンブラックの表面の化学的
特性についてはpHで表すのが一般的である。pHの小
さい酸性カーボンブラックは、表面にカルボキシル基、
水酸基等の官能基が多数存在し、分散性は良好であると
言われているが、本発明のインクジェットプリンター用
インク組成物では、pHが7〜8の範囲にある塩基性カ
ーボンブラックを使用することが、吐出時の粒子化安定
性、保存安定性の点から好ましい。
【0015】また、これらのカーボンブラックの含有量
としては、印字物の画像濃度、印字皮膜の密着性、耐摩
耗性等の点から、カーボンブラック/皮膜形成性樹脂の
重量割合で1/1〜1/10の範囲が好ましく、特に1
/2〜1/4の範囲が好ましい。また、本発明における
これらカーボンブラックのインクジェットプリンター用
インク組成物中の含有量は、インク全量に対し、1〜1
0質量重量%の範囲が好ましく、特に3〜5質量重量%
の範囲が好ましい。
【0016】本発明に使用する皮膜形成性樹脂として
は、本インクジェットプリンター用インク組成物に使用
する炭素数が4以下の低級アルコールに可溶で、導電性
付与剤と相溶性の良好なものであれば全て使用できる
が、カーボンブラックの保存安定性や印字皮膜性能の点
から、ブチラール樹脂を使用することが好ましい。
【0017】ブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール
とブチルアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、
ブチラール化度、重合度(分子量)の異なる各種のもの
がある。良好な保存安定性、印字皮膜性能を得るために
は重合度が200〜500の範囲の樹脂を使用すること
が好ましく、特に250〜350の範囲が好ましい。具
体的には、積水化学工業社製のエスレックBL−1、B
L−2、BL−3、BL−S、BX−L等が挙げられる
が、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合
して使用しても良い。
【0018】本発明のインクジェットプリンター用イン
ク組成物には必要に応じて、アルコール可溶性樹脂を併
用することも可能である。併用する樹脂としては、スチ
レンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、シリコー
ン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポ
リエステル樹脂、ロジンマレイン酸樹脂、ケトン樹脂、
セルロース系樹脂、ロジンエステル等が挙げられるが、
これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して
使用しても良い。本発明におけるこれら樹脂のインクジ
ェットプリンター用インク組成物中の含有量は、インク
に適当な粘度を与える点から、および印字皮膜に良好な
耐摩耗性等の皮膜性能を与える点から、インク全量に対
し、5〜15質量%、特に7〜10質量%が好ましい。
【0019】本発明のインクジェットプリンター用イン
ク組成物をコンティニュアス方式のインクジェットプリ
ンター用インク組成物として用いる場合は、インクに導
電性を付与する必要がある。公知な導電性付与剤として
硝酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム等の無機塩類、
アニオンが有機アニオンである第4級アンモニウム塩等
の有機塩類があるが、印字皮膜に優れた耐水性を付与す
るためには、水不溶性の有機塩類が好ましく、具体的に
は、ナフトールスルフォン酸の第4級アンモニウム塩を
使用することが、良好な保存安定性を得る点で好まし
い。導電性付与剤の含有量は、インクに適度な電気電導
度を与える点から、インク全量に対し、1〜5質量%の
範囲が好ましく、特に3〜4質量%の範囲が好ましい。
本発明においては、これら各塩類の単独使用に限定され
るものではなく、無機塩類、有機塩類の2種類を併用し
て使用しても良い。
【0020】本発明に使用する低級アルコールは、炭素
数が4以下のものであり、本発明で使用する皮膜形成性
樹脂、導電性付与剤を溶解できるものであれば特に限定
されるものではない。具体的には、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタ
ノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、ter
t−ブタノールが挙げられる。本発明においては、これ
らを2種類以上混合して使用しても良い。
【0021】このうち、本発明に使用する炭素数4以下
の低級アルコールは、この炭素数4以下の低級アルコー
ル中のエタノール含有量が60質量%以上であることが
好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、
80質量%以上であることが特に好ましい。また、本発
明におけるインクジェットプリンター用インク組成物中
の炭素数4以下の低級アルコール含有量は、インク全量
に対し、60質量%以上が好ましい。更に、コンティニ
ュアス方式のインクジェットプリンター用インク組成物
に用いる場合は、インクの電気電導度を高めるためにイ
ンクジェットプリンター用インク組成物中のエタノール
含有量をインク全量に対し、60質量%以上、特に65
質量%以上にすることが好ましい。また、エタノールを
85.5%含有する混合溶剤が変性アルコールという名
称で販売されているが、これを使用することも可能であ
る。
【0022】本発明のインクジェットプリンター用イン
ク組成物の分散安定性を高める目的で、従来の印刷イン
ク、塗料に使用されている公知な分散剤を使用すること
ができる。具体的には、ゼネカ社製のソルスパーズ20
000、27000、ビックケミー社製のDisper
byk190、191等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0023】本発明のインクジェットプリンター用イン
ク組成物は、少なくとも着色剤、皮膜形成性樹脂、炭素
数が4以下の低級アルコールを含有し、且つケトン系溶
剤を実質的に含有しないものである。実質的に含有しな
いとは、人体への安全衛生上問題を与えない程度、含有
することは許容する意味である。本発明においては、ケ
トン系溶剤は、改正労働安全衛生法(平成12年4月1
日施行)で、MSDSへの記載義務のある1質量%の1
/10以下とすることが好ましく、全く含有しないこと
が特に好ましい。ケトン系溶剤を実質的に含有しないも
のであれば、毒性も低く、優れたインクジェットプリン
ター用インク組成物を得ることが出来る。
【0024】また、本発明のインクジェットプリンター
用インク組成物では、インクが被記録媒体に到達した直
後のドットの拡がりを防止する目的、および印字皮膜の
耐摩耗性、耐転写性、耐スクラッチ性等の性能を高める
ために、当該インク組成物に、シリコーン系化合物等で
あって、本発明に使用する炭素数4以下の低級アルコー
ルに可溶な界面活性剤を添加することが出来る。シリコ
ーン系化合物としては、シリコーンオイル、変性シリコ
ーンオイル、シリコーンレジン等が挙げられる。具体的
には、信越化学工業社製のKF−56(シリコーンオイ
ル)、東芝シリコーン社製のTSF−4446、446
0(ポリエーテル変性シリコーンオイル)等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混
合して使用しても良い。
【0025】本発明のインクジェットプリンター用イン
ク組成物は、各原料を混合した上で、十分に攪拌した
後、必要に応じて、ろ過することによって調整すること
が出来る。
【0026】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」
は『重量部質量部』を表わす。尚、実施例などにおい
て、顔料の粒子径は、リーズアンド ノースラップ社製
マイクロトラック粒度分析計を用いて測定した。
【0027】(実施例1)三菱化学社製カーボンブラッ
ク#44(BET比表面積:127m2/g、DBP吸
油量:76ml/100g、塩基性)を11.6部とブ
チラール樹脂であるエスレックBL−1(積水化学工業
社製、重合度:約300)を7.7部、分散剤ソルスパ
ーズ20000(ゼネカ社製)を3.4部、変性アルコ
ールであるソルミックスAP−7を77.3部、および
分散メディアとして、直径1.0mmのジルコニアビー
ズ360部を250mlのポリ容器に入れ、ペイントコ
ンディショナーを用いて3時間分散し、ミルベースを作
製した。
【0028】得られたミルベース30.0部にジョンク
リル682(ジョンソンポリマー社製アクリル樹脂)を
3.6部、YP−902(ヤスハラケミカル社製テルペ
ンフェノール樹脂)を1.6部、導電性付与剤としてボ
ントロンP−51(オリエント化学社製ナフトールスル
フォン酸の第4級アンモニウム塩)を4.0部、TSF
−4460(東芝シリコーン社製ポリエーテル変性シリ
コーンオイル)を0.2部、ソルミックスAP−7を6
0.6部加え、十分に攪拌した後、1.2μmのメンブ
ランフィルターでろ過することによってインクジェット
プリンター用インク組成物を得た。得られたインクの平
均粒子径は201.0nm、粘度(20℃)は4.55
mPa・sであった。
【0029】(実施例2)三菱化学社製カーボンブラッ
ク#45L(BET比表面積:127m2/g、DBP
吸油量:45ml/100g、塩基性)を11.6部と
ブチラール樹脂であるエスレックBL−1を7.7部、
分散剤ソルスパーズ20000を3.4部、変性アルコ
ールであるソルミックスAP−7を77.3部、および
分散メディアとして、直径1.0mmのジルコニアビー
ズ360部を250mlのポリ容器に入れ、ペイントコ
ンディショナーを用いて3時間分散し、ミルベースを作
製した。
【0030】得られたミルベース30.0部にジョンク
リル682を3.6部、YP−902を1.6部、導電
性付与剤としてボントロンP−51を4.0部、TSF
−4460を0.2部、ソルミックスAP−7を60.
6部加え、十分に攪拌した後、1.2μmのメンブラン
フィルターでろ過することによってインクジェットプリ
ンター用インク組成物を得た。得られたインクの平均粒
子径は136.4nm、粘度(20℃)は4.34mP
a・sであった。
【0031】(実施例3)三菱化学社製カーボンブラッ
ク#44を10.3部とブチラール樹脂であるエスレッ
クBL−1を6.9部、分散剤Disperbyk19
1(ビックケミー社製)を14.3部、変性アルコール
であるソルミックスAP−7を68.5部、および分散
メディアとして、直径1.0mmのジルコニアビーズ3
60部を250mlのポリ容器に入れ、ペイントコンデ
ィショナーを用いて3時間分散し、ミルベースを作製し
た。
【0032】得られたミルベース34.0部にジョンク
リル682を3.6部、YP−902を1.6部、導電
性付与剤としてボントロンP−51を4.0部、TSF
−4460を0.2部、ソルミックスAP−7を56.
6部加え、十分に攪拌した後、1.2μmのメンブラン
フィルターでろ過することによってインクジェットプリ
ンター用インク組成物を得た。得られたインクの平均粒
子径は216.7nm、粘度(20℃)は4.82mP
a・sであった。
【0033】(比較例1)実施例1のカーボンブラクの
代わりに三菱化学社製カーボンブラック#960(BE
T比表面積:250m2/g、DBP吸油量:71ml
/100g、塩基性)を用いたミルベースを実施例1と
同様な組成、分散方法で作製した。得られたミルベース
を用いて実施例1と同様な配合組成、方法でインクジェ
ットプリンター用インク組成物を作製した。但し、1.
2μmのメンブランフィルターでろ過する際に若干フィ
ルターに目詰まり傾向が見られた。得られたインクの平
均粒子径は148.8nm、粘度(20℃)は5.61
nPa・sであった。
【0034】(比較例2)実施例1のカーボンブラック
の代わりにキャボット・スペシャリティー・ケミカルズ
・インク社製のリーガル330R(BET比表面積:9
4m2/g、DBP吸油量:65ml/100g、塩基
性)を用いたミルベースを実施例1と同様な組成、分散
方法で作製した。得られたミルベースを用いて実施例1
と同様な配合組成、方法でインクジェットプリンター用
インク組成物を作製した。但し、1.2μmのメンブラ
ンフィルターでろ過する際に若干フィルターに目詰まり
傾向が見られた。得られたインクの平均粒子径は30
5.4nm、粘度(20℃)は4.96mPa・sであ
った。
【0035】(比較例3)三菱化学社製カーボンブラッ
ク#45Lを12.8部とブチラール樹脂であるエスレ
ックBL−1を8.5部、分散剤としてソルスパーズ2
4000GR(ゼネカ社製)4.3部、メチルエチルケ
トン74.4部、および分散メディアとして、直径1.
0mmのジルコニアビーズ360部を250mlのポリ
容器に入れ、ペイントコンディショナーを用いて3時間
分散し、ミルベースを作製した。
【0036】得られたミルベース27.3部にエスレッ
クBL−1を0.3部、BR−113を3.0部、ベッ
カサイトP−720を4.0部、ボントロンP−51を
2.0部、TSF−4460を0.2部、メチルエチル
ケトンを47.0部、エタノール16.2部を加え、十
分に攪拌した後、この溶液を1.2μmのメンブランフ
ィルターでろ過することによってインクジェットプリン
ター用インク組成物を得た。得られたインクの平均粒子
径は135.6nm、粘度(20℃)は3.38mPa
・sであった。
【0037】(比較例4)炭素数が4以下の低級アルコ
ールに可溶で実質的に水に溶解しないクロム錯塩染料で
あるC.I.ソルベントブラック29を6.0部、ジョ
ンクリル682を6.5部、YP−902を1.5部、
導電性付与剤としてボントロンP−51を2.0部、T
SF−4460を0.2部、エタノール83.8部を加
え、十分に攪拌、溶解した後、この溶液を0.5μmの
メンブランフィルターでろ過することによってインクジ
ェットプリンター用インク組成物を得た。
【0038】「吐出時の粒子化安定性の評価」日立製作
所社製コンティニュアス方式のインクジェットプリンタ
ー「IJプリンターHX−P型」を使用して、12×1
6ドットのベタ文字パターンを7文字、50回印刷し、
印刷された67200ドット中で所定の位置に着弾され
なかった粒子数の割合を算出し、このドット抜け率より
吐出時の粒子化安定性の評価を行った。評価を、実施例
及び比較例のインクについて行った。この結果、実施例
1、2、3のインクではドット抜け率は0.01%以下
と良好であった。比較例1、3、4のインクについても
ほぼ同様の良好な結果が得られた。これに対して比較例
2のインクでは0.42%となり、吐出時の粒子化安定
性は不十分であった。
【0039】「保存安定性の評価」実施例および比較例
のインクをガラス容器に入れ、60℃で30日間保存後
の平均粒子径、粘度の各物性変化により、保存安定性の
評価を行った。この結果、実施例1のインクの平均粒子
径は204.3nm、粘度(20℃)は4.22mPa
・sであり、初期インクに比較してほとんど変化は見ら
れなかった。また、実施例2のインクについても、平均
粒子径は139.0nm、粘度(20℃)は4.42m
Pa・sであり、初期インクに比較してほとんど変化は
見られなかった。また、実施例3のインクについても、
平均粒子径は208.8nm、粘度(20℃)は4.7
8mPa・sであり、初期インクに比較してほとんど変
化は見られなかった。また比較例2、3のインクにおい
てもほとんど変化のみられない状況は同様であった。ま
た比較例4のインクは染料インクであり、本状件では凝
集は発生せず、従って、凝集に伴う粘度上昇も発生しな
い。これに対し比較例1のインクでは、7日後において
既に、平均粒子径は534.6nmにも増大し、また、
粘度(20℃)においても10.0mPa・sを越えて
しまう等、保存安定性は不良であった。
【0040】[印字特性の評価] 「密着性」 「セロテープ」(ニチバン社製セロファン粘着テープ)
による引き剥がし試験での印字画像の剥離の有無を、目
視により評価した。 「耐摩耗性試験」印字部分を指の腹で50回こすり、印
字画像の剥離の有無を、目視により評価した。 「耐水性試験」印字物を水道水に24時間浸漬後、印字
部分を指の腹で50回こすり、印字画像の剥離有無を、
目視により評価した。
【0041】実施例1、2、3及び比較例3、4のイン
クについて、ガラス板、金属板(アルミ、ステンレ
ス)、PETフィルム、塩化ビニルシートに印字を行
い、上記各印字特性の評価を行った。比較例1、2につ
いてはインク自体の保存安定性や、吐出時の粒子化安定
性が、すでに実施例に比較して劣っているので、とくに
比較のための印字特性の評価まではやらなかった。この
結果、実施例1、2、3いずれのインクジェットプリン
ター用インク組成物についても、各種の被記録媒体に対
し、良好な印字特性を有していた。比較例1、2のイン
クジェットプリンター用インク組成物についても、実施
例のインクとほぼ同等の良好な印字特性を示した。それ
に対し、比較例4のインクジェットプリンター用インク
組成物は被記録媒体に対し、耐水性、耐摩耗性が不十分
である等、印字皮膜性能が劣っていた。また、クロム錯
塩染料系インク組成物であるため安全衛生上問題を有し
ている。
【0042】比較例3のインクジェットプリンター用イ
ンク組成物は、実施例1、2、3と同等の物性を有して
いるが、ケトン溶剤含有量が改正労働安全衛生法でMS
DSへの記載義務のある1質量%を越えるものであり、
安全衛生上非常に大きな問題がある。
【0043】これに対し、実施例1、2、3のインクジ
ェットプリンター用インク組成物は、優れた物性を示し
ながら、安全性にも優れたものである。すなわち、本発
明においては安全性にも優れ、安全衛生上問題がなく、
吐出時の粒子化安定性、各種被記録媒体に対する密着
性、保存安定性等に優れたインクジェットプリンター用
インク組成物を製造することができた。
【0044】
【発明の効果】本発明のインクジェットプリンター用イ
ンク組成物は、吐出時の粒子化安定性に優れ、各種被記
録媒体に対して優れた密着性、保存安定性を有し、且つ
毒性が低く、安全衛生上問題がないものである。特に、
ケトン系溶剤を含有しないものは安全性がより高く、安
全衛生上優れているものである。また、本発明のインク
ジェットプリンター用インク組成物は、特にコンティニ
ュアス記録方式用として有用であり、さらに本記録方式
を用いたマーキングインクとしての使用に特に適してい
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FA05 FC01 2H086 BA52 BA55 BA59 BA60 BA62 4J037 AA02 CB04 CC15 DD07 DD17 DD24 FF23 4J039 AD07 BA04 BA17 BA18 BC07 BE01 CA07 EA24 EA36 EA41 EA42 EA44 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤、皮膜形成性樹脂、炭
    素数が4以下の低級アルコールを含有するインクジェッ
    トプリンター用インク組成物であって、該着色剤が10
    0〜200m2/gのBET比表面積を持つカーボンブ
    ラックからなり、且つケトン系溶剤を実質的に含有しな
    いことを特徴とするインクジェットプリンター用インク
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記カーボンブラックが塩基性カーボン
    ブラックであり、該カーボンブラックのDBP吸油量
    が、40〜80ml/100gの範囲にあることを特徴
    とする請求項1記載のインクジェットプリンター用イン
    ク組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載のインク
    ジェットプリンター用インク組成物中に、ケトン系溶剤
    を含有しないことを特徴とするインクジェットプリンタ
    ー用インク組成物。
  4. 【請求項4】 皮膜形成性樹脂がブチラール樹脂である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリンター用インク組成物。
  5. 【請求項5】 炭素数が4以下の低級アルコール中のエ
    タノール含有量が、60質量%以上である請求項1〜4
    のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インク
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のインク
    ジェットプリンター用インク組成物に、導電性付与剤と
    して水不溶性の有機系導電性付与剤を用いることを特徴
    とする、コンティニュアス記録方式用インクジェットプ
    リンター用インク組成物。
JP2000340311A 2000-11-08 2000-11-08 インクジェットプリンター用インク組成物 Pending JP2002146245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340311A JP2002146245A (ja) 2000-11-08 2000-11-08 インクジェットプリンター用インク組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340311A JP2002146245A (ja) 2000-11-08 2000-11-08 インクジェットプリンター用インク組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002146245A true JP2002146245A (ja) 2002-05-22

Family

ID=18815250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000340311A Pending JP2002146245A (ja) 2000-11-08 2000-11-08 インクジェットプリンター用インク組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002146245A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117756A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法
JP2013023636A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェットプリンタ用インク
JP2013035982A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Riso Kagaku Corp 非水系インク及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117756A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法
EP1657285A1 (en) * 2004-10-20 2006-05-17 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink composition for ink jet recording and ink jet recording method
JP4695865B2 (ja) * 2004-10-20 2011-06-08 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法
JP2013023636A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェットプリンタ用インク
JP2013035982A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Riso Kagaku Corp 非水系インク及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100412143C (zh) 油墨组合物
US5466287A (en) Ink composition
JP3779107B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
US9738102B2 (en) Ink-jet ink printing system and method
US20030055129A1 (en) In Jet Inks
EP2220181B1 (en) Inkjet ink set and methods
US5958998A (en) Ink jet inks
EP0867484A3 (en) Ink-composition for ink jet recording
JP2003306625A (ja) インク組成物とそれを用いた印刷方法
EP0739392B1 (en) Ink jet inks
WO1992014794A1 (en) Ink jet composition and method
JPH09176531A (ja) ジェットプリンター用インキ
JP2002301857A (ja) インクジェット記録方法および記録液
WO2000063305A1 (en) Non-settling and stable opaque pigmented ink-jet ink
EP3098271B1 (en) Water based inkjet formulations
US6274646B1 (en) Ink composition capable of realizing print with improved fixation
JP2001279138A (ja) インクジェットプリンター用黒色インク
JP2002146245A (ja) インクジェットプリンター用インク組成物
JPH06240192A (ja) ジェットプリンター用インキ
JP2003176434A (ja) 着色化インクジェットインキ
JP2002294133A (ja) 水性顔料分散液およびインク組成物
JP2001131451A (ja) インク組成物および印刷物
GB2303376A (en) Pigment ink for ink jet printer
JP3237794B2 (ja) ジェットプリンター用インキ
JPH05163449A (ja) ジェットプリンター用マーキングインキ

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050808