JP2002145929A - トシロキシル化ポリスチレン誘導体 - Google Patents

トシロキシル化ポリスチレン誘導体

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JP2002145929A
JP2002145929A JP2000349005A JP2000349005A JP2002145929A JP 2002145929 A JP2002145929 A JP 2002145929A JP 2000349005 A JP2000349005 A JP 2000349005A JP 2000349005 A JP2000349005 A JP 2000349005A JP 2002145929 A JP2002145929 A JP 2002145929A
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tosiloxylated
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JP2000349005A
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Hideo Togo
秀雄 東郷
Seiichiro Abe
誠一朗 阿部
Kenji Sakuratani
憲司 櫻谷
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたトシロキシル化活性を有
し、且つトシロキシル化反応後に反応混合物から容易に
分離除去し得る新規なトシロキシル化剤を提供する。 【解決手段】 本発明は、一般式[1] (式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R
は低級アルキル基を表し、mは0〜4の整数を表
す。)で示される繰り返し単位を有するトシロキシル化
ポリスチレン誘導体、これを含んでなるトシロキシル化
剤、及び一般式[7] (式中、Rは水素原子又は炭化水素基を表し、R
水素原子、炭化水素基又はカルボン酸由来のアシル基を
表し、RとRとが結合して脂肪族環を形成してもよ
く、Xはカルボニル基又はヒドロキシメチレン基を表
す。)で示される化合物と該トシロキシル化剤とを反応
させることを特徴とする、一般式[8] (式中、R及びRは前記と同じ。)で示される化合
物の製造方法の発明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物のトシ
ロキシル化反応に用いるトシロキシル化剤として有用な
トシロキシル化ポリスチレン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、研究や工業的生産の目的で有機化
合物等にトシロキシル化剤を反応させて対応するトシロ
キシル化化合物を得ることが屡々行われており、この目
的のためにトシロキシルベンゼン誘導体等の化合物がト
シロキシル化剤として用いられている。しかしながら、
この様なトシロキシル化剤を用いた場合、トシロキシル
化反応により当該トシロキシル化剤から副生するベンゼ
ン誘導体は、有機溶媒に可溶であるためトシロキシル化
反応混合物中に溶存しており、これを目的とするトシロ
キシル化化合物から分離除去するためには、新たな溶媒
の使用や蒸留等の煩雑な操作が必要であり、更に環境保
護の観点からも好ましいものとは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
状況に鑑み為されたものであり、優れたトシロキシル化
活性を有し、且つトシロキシル化反応後に反応混合物か
ら容易に分離除去し得る新規なトシロキシル化剤を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式[1]
【0005】
【0006】(式中、Rは水素原子又は低級アルキル
基を表し、Rは低級アルキル基を表し、mは0〜4の
整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するトシロ
キシル化ポリスチレン誘導体、これを含んでなるトシロ
キシル化剤、及び一般式[7]
【0007】
【0008】(式中、Rは水素原子又は炭化水素基を
表し、Rは水素原子、炭化水素基又はカルボン酸由来
のアシル基を表し、RとRとが結合して脂肪族環を
形成してもよく、Xはカルボニル基又はヒドロキシメチ
レン基を表す。)で示される化合物と該トシロキシル化
剤とを反応させることを特徴とする、一般式[8]
【0009】
【0010】(式中、R及びRは前記と同じ。)で
示される化合物の製造方法の発明である。
【0011】また、本発明は、一般式[3]
【0012】
【0013】(式中、Rはカルボン酸由来のアシル基
を表し、R、R及びmは前記と同じ。)で示される
繰り返し単位を有するポリスチレン誘導体の発明であ
る。
【0014】即ち、本発明者等は、上記目的を達成すべ
く鋭意研究を重ねた結果、一般式[1]で示されるトシ
ロキシル化ポリスチレン誘導体をトシロキシル化剤とし
て使用することにより、トシロキシル化反応後に反応混
合物から該トシロキシル化剤の副生物を容易に且つ環境
への悪影響なく分離除去し得ることを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0015】一般式[1]及び[3]において、R
びRで表される低級アルキル基としては、直鎖状でも
分枝状でも或いは環状でもよく、通常炭素数1〜6、好
ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t
ert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、s
ec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル
基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチ
ル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、シ
クロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等が挙げられる。
【0016】mで表される整数は、0〜4、好ましくは
0〜2、更に好ましくは0である。
【0017】また、一般式[1]において、下記式
【0018】
【0019】で示される基は、芳香環のオルト位、メタ
位、或いはパラ位の何れの位置に結合していてもよく、
中でもパラ位に結合しているものが好ましい。
【0020】一般式[3]において、Rで表されるカ
ルボン酸由来のアシル基のカルボン酸としては、低級脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。
【0021】低級脂肪族カルボン酸としては、飽和又は
不飽和の通常炭素数2〜10、好ましくは2〜6のモノ
カルボン酸等が挙げられ、具体的には、例えば酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピ
バル酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタ
ン酸、ノナン酸、デカン酸、シクロペンタンカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。
【0022】芳香族カルボン酸としては、通常炭素数7
〜10のモノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、例
えば安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、ヒドロアト
ロパ酸等が挙げられる。
【0023】また、一般式[3]において、下記式
【0024】
【0025】(式中、Rは前記と同じ。)で示される
基は芳香環のオルト位、メタ位、或いはパラ位の何れの
位置に結合していてもよく、中でもパラ位に結合してい
るものが好ましい。
【0026】本発明のトシルオキシ化ポリスチレン誘導
体としては、前記一般式[1]で示される繰り返し単位
のみからなるものが好ましいが、通常10〜20モル%
の下記一般式[2]
【0027】
【0028】(式中、Rは低級アルキル基又はヨウ素
原子を表し、nは0〜5の整数を表し、Rは前記と同
じ。)で示される繰り返し単位がポリマー鎖を構成する
単位として共存していてもよい。
【0029】一般式[2]において、Rは低級アルキ
ル基又はヨウ素原子を表し、中でもヨウ素原子が好まし
い。また、低級アルキル基としては、上記一般式[1]
及び[3]におけるR及びRと同様のものが挙げら
れる。
【0030】nで表される整数は、0〜5、好ましくは
0〜2、更に好ましくは0又は1である。
【0031】一般式[1]で示される繰り返し単位、又
は一般式[1]及び[2]で示される繰り返し単位を有
するトシロキシル化ポリスチレン誘導体の重量平均分子
量は、通常約3,000〜200,000、好ましくは約
5,000〜100,000、より好ましくは約6,00
0〜70,000である。
【0032】本発明のポリスチレン誘導体としては、前
記一般式[3]で示される繰り返し単位のみからなるも
のが好ましいが、通常10〜20モル%の下記一般式
[2]で示される繰り返し単位がポリマー鎖を構成する
単位として共存していてもよい。
【0033】一般式[3]で示される繰り返し単位、又
は一般式[3]及び[2]で示される繰り返し単位を有
するポリスチレン誘導体の重量平均分子量は、通常約
3,000〜200,000、好ましくは約5,000〜
100,000、より好ましくは約6,000〜70,0
00である。
【0034】一般式[1]で示される繰り返し単位を有
するトシロキシル化ポリスチレン誘導体及び一般式
[3]で示される繰り返し単位を有するポリスチレン誘
導体は、例えば以下の反応式に従って製造することがで
きる。
【0035】
【0036】(式中、(A)はヨウ素化反応、(B)はアシル
化反応、(C)はトシル化反応であり、R及びRは前
記と同じ。)
【0037】上記反応工程に於ける反応条件、反応方法
及び後処理方法は公知の常法に従えばよい。
【0038】即ち、上記式(A)工程で示されるヨウ素
化反応は、例えばニトロベンゼン、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素等、或いはそれらの混合溶媒等の溶媒
中、例えば硫酸等の酸触媒の存在下、ポリスチレンと、
ヨウ素及び例えば五酸化ヨウ素等のヨウ素酸化物とを約
90〜100℃程度の加熱下で反応させればよい。
【0039】上記式(B)工程で示されるアシル化反応
は、ヨウ素化ポリスチレンと、例えば過酢酸等の過酸化
カルボン酸とを、例えば酢酸等のカルボン酸溶媒中で室
温〜50℃で反応させればよい。
【0040】また、反応時間は通常10〜48時間、好
ましくは10〜24時間である。
【0041】上記式(C)工程で示されるトシル化反応
は、例えばクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化
炭化水素等の溶媒中、(B)工程で得られたポリスチレ
ン誘導体と例えばp−トルエンスルホン酸・1水和物と
を室温〜40℃で反応させればよい。
【0042】反応時間は通常10〜48時間、好ましく
は10〜24時間である。
【0043】上記反応により、ポリスチレンを構成する
モノマー単位におけるベンゼン環の全てに式
【0044】
【0045】で示される基が導入されるとは限らず、通
常はそのうちの約10〜20モル%程度のベンゼン環は
この基が導入されないまま残る。しかし、この様な上記
基の導入されていない構成単位が含まれているものであ
っても、本発明の目的は達成される。
【0046】この様にして得られるトシロキシル化ポリ
スチレン誘導体は、種々の化合物と反応してこれらの化
合物にトシロキシル基を導入することが出来る。
【0047】以下にその代表的な反応例を示す。 <ケトン化合物のトシロキシル化>本発明のトシロキシ
ル化ポリスチレン誘導体を、適当な反応溶媒中、要すれ
ば例えば窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気
下、加熱還流しながらケトン化合物に作用させることに
よって、そのカルボニル基のα位にトシロキシル基を導
入することができる。
【0048】
【0049】(式中、Rは水素原子又は炭化水素基を
表し、Rは水素原子、炭化水素基又はカルボン酸由来
のアシル基を表し、RとRとが結合して脂肪族環を
形成していてもよい。)
【0050】上記反応式の一般式[7’]及び[8]に
おいて、R及びRで表される炭化水素基としては、
直鎖状、分枝状、或いは環状の通常炭素数1〜10、好
ましくは1〜6のアルキル基、通常炭素数6〜14のア
リール基、通常炭素数7〜10のアラルキル基が挙げら
れる。
【0051】アルキル基の具体例としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-
ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペ
ンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-
ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-
メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、n-ヘプチル
基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、n-オクチル基、
イソオクチル基、sec-オクチル基、n-ノニル基、n-デシ
ル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル
基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデ
シル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナ
デシル基、n-イコシル基、シクロプロピル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基、シクロデシル基等が挙げられる。
【0052】アリール基の具体例としては、例えばフェ
ニル基、ナフチル基、アントリル基ピレニル基等が挙げ
られる。
【0053】アラルキル基の具体例としては、例えばベ
ンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げ
られる。
【0054】Rで表されるカルボン酸由来のアシル基
のカルボン酸としては、低級脂肪族カルボン酸、芳香族
カルボン酸等が挙げられる。
【0055】低級脂肪族カルボン酸としては、飽和又は
不飽和の通常炭素数2〜10、好ましくは2〜6のモノ
カルボン酸等が挙げられ、具体的には、例えば酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピ
バル酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタ
ン酸、ノナン酸、デカン酸、シクロペンタンカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。
【0056】芳香族カルボン酸としては、通常炭素数7
〜10のモノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、例
えば安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、ヒドロアト
ロパ酸等が挙げられる。
【0057】また、RとRとが脂肪族環を形成して
いる場合の一般式[7’]で示される化合物としては、
例えばシクロプロパノン、シクロペンタノン、シクロヘ
キサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シク
ロデカノン、シクロウンデカノン、シクロドデカノン、
シクロテトラデカノン、シクロオクタデカノン、シクロ
イコサノン等が挙げられる。
【0058】反応対象物に対する本発明のトシロキシル
化ポリスチレン誘導体の使用量は、通常1〜10当量、
好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1〜1.2当量
である。
【0059】反応溶媒としては、例えばアセトニトリル
等のニトリル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類等が挙げられ、その使用量は基質1.0mmolに対
して約6mlである。
【0060】反応時間は、通常約1〜48時間、好まし
くは1〜24時間である。
【0061】<アルコール化合物の酸化的トシロキシル
化>本発明のトシロキシル化ポリスチレン誘導体を、適
当な反応溶媒中、要すれば例えば窒素ガス,アルゴンガ
ス等の不活性ガス雰囲気下、加熱還流しながらアルコー
ル化合物に作用させることによって、そのヒドロキシル
基のα位にトシロキシル基を導入することができ、それ
と共にヒドロキシル基が酸化されてオキソ基となる。
【0062】
【0063】(式中、R及びRは前記と同じ。)
【0064】RとRとが脂肪族環を形成している場
合の一般式[7'']で示される化合物としては、例えば
シクロプロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキ
サノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、
シクロノナノール、シクロデカノール、シクロウンデカ
ノール、シクロドデカノール、シクロテトラデカノール
等が挙げられる。
【0065】反応対象物に対する本発明のトシロキシル
化ポリスチレン誘導体の使用量は、通常1〜10当量、
好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1〜2当量であ
る。
【0066】反応溶媒としては、例えばクロロホルム等
のハロゲン化炭化水素類、例えばアセトニトリル等のニ
トリル類等が挙げられ、その使用量は基質1.0mmo
lに対して約6mlである。
【0067】反応時間は、通常1〜48時間、好ましく
は1〜24時間である。
【0068】本発明のトシロキシル化ポリスチレン誘導
体を用いて、上記の如きトシロキシル化反応を行った
後、反応液を単に濾過することにより、反応副生成物で
あるヨウ化ポリスチレンを完全に除去することができ
る。
【0069】以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより
限定されるものではない。
【0070】
【実施例】参考例1.ヨウ素化ポリスチレンの合成 ポリスチレン(MW:45,000)16gをニトロベンゼン20
0ml及び四塩化炭素40mlの混合溶媒に加え、そこ
にヨウ素18g及び五酸化ヨウ素7gを加え、次いで5
0%硫酸35mlを添加した後、90℃で72時間撹拌
反応させた。反応終了後、反応液をメタノール1500
mlに注ぎ入れて目的物を沈殿させた。沈殿物を吸引濾
過した後、真空ポンプで完全に溶媒を除去し、ポリ(4
−ヨードスチレン)35gを得た(収率100%)。得
られた化合物の元素分析及びIRを測定した。
【0071】元素分析:(実測値)C:39.13、
H:2.82、I:55.66. (計算値)C:41.76、H:3.07、I:55.1
6. 元素分析の結果から、ヨウ素化率が100%であること
が分かった。 IR(KBr)cm−1:3460,2920,149
0,1000,820.
【0072】実施例1.ポリスチレン誘導体の合成 無水酢酸145mlに30%過酸化水素水40mlを0
℃でゆっくり加え一夜放置後、そこに参考例1で得られ
たポリ(4−ヨードスチレン)8gを加え、48℃で2
4時間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をエーテル
700ml中に注ぎ入れ、反応液を吸引濾過した後、真
空ポンプで溶媒を除去し、ポリ[スチレン(ヨードソジ
アセテート)]12gを得た(収率100%)。得られ
た化合物の元素分析及びIRを測定した。
【0073】元素分析:(実測値)C:36.33、
H:3.66、I:39.19. 元素分析の結果から、ヨウ素の三配位化率は79%であ
ることが分かった。IR(KBr)cm−1:344
0,2920,1630,1560,1410,77
0.
【0074】実施例2.トシロキシル化ポリスチレン誘
導体の合成 p−トルエンスルホン酸・1水和物20mmolをクロ
ロホルム20mlに加え、そこに実施例1で得られたポ
リ[スチレン(ヨードソジアセテート)]5gを加え、
暗条件下室温で終夜反応させた。反応終了後、反応液を
吸引濾過した後、真空ポンプで溶媒を除去し、ポリ
{[4−(ヒドロキシ)トシロキシヨード]スチレン}
6gを得た(収率100%)。得られた化合物の元素分
析及びIRを測定した。
【0075】元素分析:(実測値)C:40.96、
H:3.72. 元素分析の結果から、ポリ[スチレン(ヨードソジアセ
テート)]からポリ{[4−(ヒドロキシ)トシロキシ
ヨード]スチレン}への変換率が100%であることが
分かった。 IR(KBr)cm−1:3460,2920,162
0,1480,1450,1400,1210,119
0,1040,1010,820,700.
【0076】参考例2.ヨウ素化ポリα−メチルスチレ
ンの合成 ポリ(α−メチルスチレン)(MW:6,200)18gをニトロ
ベンゼン200ml及び四塩化炭素40mlの混合溶媒
に加え、そこにヨウ素16g及び五酸化ヨウ素7gを加
え、次いで50%硫酸36mlを添加した後、90−1
00℃の暗条件で72時間撹拌反応させた。反応終了
後、反応液をメタノール1500mlに注ぎ入れて目的
物を沈殿させた。沈殿物を吸引濾過した後、真空ポンプ
で完全に溶媒を除去し、ポリ[α−メチル(4−ヨード
スチレン)]37gを得た(収率100%)。得られた
化合物の元素分析及びIRを測定した。
【0077】元素分析:(実測値)C:43.87、
H:3.73、I:50.85. (計算値)C:44.29、H:3.72、I:51.9
9. 元素分析の結果から、α−メチルスチレンの殆どのベン
ゼン環がモノヨウ素化されていることが分かった。 IR(KBr)cm−1:3460,2920,148
0,1000,820.
【0078】実施例3.ポリα−メチルスチレン誘導体
の合成 無水酢酸145mlに30%過酸化水素水40mlを0
℃でゆっくり加え、一夜放置後、そこに参考例2で得ら
れたポリ[α−メチル(4−ヨードスチレン)]8gを
加え、48℃の暗条件下で24時間撹拌反応させた。反
応終了後、反応液をエーテル700ml中に注ぎ入れ、
目的物を沈殿させ、沈殿を吸引濾過した後、真空ポンプ
で溶媒を除去し、ポリ[α−メチルスチレン(ヨードソ
ジアセテート)]12gを得た(収率100%)。得ら
れた化合物の元素分析及びIRを測定した。
【0079】元素分析:(実測値)C:38.0、H:
3.94、I:40.8. 元素分析の結果から、ヨウ素の三配位化率は80−90
%であることが分かった。 IR(KBr)cm−1:3420,1640,156
0,1400,1050,1000,760.
【0080】実施例4.トシロキシル化ポリα−メチル
スチレン誘導体の合成 p−トルエンスルホン酸・1水和物20mmolをクロ
ロホルム20mlに加 え、そこに実施例3で得られたポリ[α−メチルスチレ
ン(ヨードソジアセテート)]5gを加え、暗条件下室
温で24時間反応させた。反応終了後、反応液にエーテ
ルを加え、次いで反応液を吸引濾過した後、真空ポンプ
で溶媒を除去し、ポリ{α−メチル[4−(ヒドロキ
シ)トシロキシヨード]スチレン}6gを得た(収率1
00%)。得られた化合物の元素分析及びIRを測定し
た。
【0081】元素分析:(実測値)C:39.45、
H:4.07. 元素分析の結果から、ポリ[α−メチルスチレン(ヨー
ドソジアセテート)]からポリ{α−メチル[4−(ヒ
ドロキシ)トシロキシヨード]スチレン}への変換率が
ほぼ100%であることが分かった。 IR(KBr)cm−1:3440,2920,162
0,1480,1400,1190,1130,104
0,1010,820,690,570.
【0082】実施例5.本発明のトシロキシル化剤を用
いたトシロキシル化反応(ケトン化合物のα−トシロキ
シル化反応) アセトフェノン0.5mmolをアセトニトリル5ml
に溶解し、そこに実施例2で得られたポリ{[4−(ヒ
ドロキシ)トシロキシヨード]スチレン}0.9gを加
え、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流しながら反
応させた。反応終了後、反応液を吸引濾過してポリマー
を除去した後、濾液を水とクロロホルムで分液し、得ら
れた有機層を乾燥、濃縮、精製して、目的とするC6H5-C
O-CH2(OTs)0.10gを得た(収率69%)。但し、T
sは
【0083】
【0084】を表す。尚、以下同様に略記することがあ
る。
【0085】また、濾過により残ったポリマーをヘキサ
ン/クロロホルム=1/1の溶液で洗浄、乾燥して、ポ
リ(4−ヨードスチレン)0.7gを得た。
【0086】実施例6〜8.アセトフェノンの代わりに
表1に示した化合物を使用した以外は実施例5と同様に
してトシロキシル化反応を行った。得られた目的化合物
の収率を表1に示す。
【0087】実施例9〜12.ポリ{[4−(ヒドロキ
シ)トシロキシヨード]スチレン}の代わりに、実施例
4で得られたポリ{α−メチル[4−(ヒドロキシ)ト
シロキシヨード]スチレン}を使用した以外は実施例5
〜8と同様にしてトシロキシル化反応を行った。得られ
た目的化合物の収率を表1に併せて示す。
【0088】比較例1〜4.トシロキシル化剤としてポ
リ{[4−(ヒドロキシ)トシロキシヨード]スチレ
ン}の代わりに、既存の[ヒドロキシ(トシロキシ)ヨ
ード]ベンゼンを用いた以外は実施例5〜8と同様にし
てトシロキシル化反応を行った。得られた目的化合物の
収率を表1に併せて示す。
【0089】
【表1】
【0090】実施例13.本発明のトシロキシル化剤を
用いたトシロキシル化反応(アルコール化合物の酸化的
α−トシロキシル化反応) α−メチルベンジルアルコール0.5mmolをクロロ
ホルム3mlに溶解し、そこに実施例2で得られたポリ
{[4−(ヒドロキシ)トシロキシヨード]スチレ
ン]}0.60gを加え、アルゴンガス雰囲気下、16
時間加熱還流しながら反応させた。反応終了後、反応液
を吸引濾過してポリマーを除去した後、濾液を水とクロ
ロホルムで分液し、得られた有機層を乾燥、濃縮、精製
して、目的とするC65-CO-CH2(OTs)0.116
gを得た(収率80%)。また、濾過により残ったポリ
マーをヘキサン/クロロホルム=1/1の溶液で洗浄、
乾燥して、ポリ(4−ヨードスチレン)0.4gを得
た。得られた化合物の収率を表2に示す。
【0091】実施例14〜16.α−メチルベンジルア
ルコールの代わりに表2に示した化合物を用いた以外は
実施例13と同様にしてトシロキシル化反応を行った。
得られた化合物の収率を表2に併せて示す。
【0092】実施例17〜20.ポリ{[4−(ヒドロ
キシ)トシロキシヨード]スチレン}の代わりに、実施
例3で得られたポリ{α−メチル[4−(ヒドロキシ)
トシロキシヨード]スチレン}を使用した以外は実施例
13〜16と同様にしてトシロキシル化反応を行った。
得られた目的化合物の収率を表2に併せて示す。
【0093】比較例5〜8.トシロキシル化剤としてポ
リ{[4−(ヒドロキシ)トシロキシヨード]スチレ
ン}の代わりに、既存の[ヒドロキシ(トシロキシ)ヨ
ード]ベンゼンを用いた以外は実施例13〜16と同様
にしてトシロキシル化反応を行った。得られた目的化合
物の収率を表2に併せて示す。
【0094】
【表2】
【0095】表1及び2から明らかなように、本発明の
トシロキシル化ポリスチレン誘導体は従来用いられてい
たトシロキシル化剤と同等或いはそれ以上の活性を有す
ることが分かる。
【0096】また、トシロキシル化反応に使用された本
発明のトシロキシル化ポリスチレン誘導体は、反応後
に、その原料となるヨウ素化ポリスチレンとして反応液
から容易に且つ定量的に回収できることが分かった。
【0097】
【発明の効果】本発明のトシロキシル化剤は、優れたト
シロキシル化活性を有しつつ、トシロキシル化反応後に
反応混合物から単なる物理的な濾過等の操作により容易
に且つ完全に反応物から分離除去することができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] (式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R
    は低級アルキル基を表し、mは0〜4の整数を表
    す。)で示される繰り返し単位を有するトシロキシル化
    ポリスチレン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式[2] (式中、Rは低級アルキル基又はヨウ素原子を表し、
    nは0〜5の整数を表し、Rは前記と同じ。)で示さ
    れる繰り返し単位を更に有する請求項1に記載のトシロ
    キシル化ポリスチレン誘導体。
  3. 【請求項3】一般式[1]において、下記式 で示される基がパラ位に結合している、請求項1又は2
    に記載のトシロキシル化ポリスチレン誘導体。
  4. 【請求項4】Rが水素原子又はメチル基である請求項
    1〜3の何れかに記載のトシロキシル化ポリスチレン誘
    導体。
  5. 【請求項5】m=0である請求項1〜4の何れかに記載
    のトシロキシル化ポリスチレン誘導体。
  6. 【請求項6】n=0である請求項2〜5の何れかに記載
    のトシロキシル化ポリスチレン誘導体。
  7. 【請求項7】重量平均分子量が3,000〜200,00
    0である請求項1又は2に記載のトシロキシル化ポリス
    チレン誘導体。
  8. 【請求項8】一般式[3] (式中、Rはカルボン酸由来のアシル基を表し、
    、R及びmは前記と同じ。)で示される繰り返し
    単位を有するポリスチレン誘導体。
  9. 【請求項9】一般式[2] (式中、R、R及びnは前記と同じ。)で示される
    繰り返し単位を更に有する請求項8に記載のポリスチレ
    ン誘導体。
  10. 【請求項10】一般式[3]において、一般式[4] (式中Rは前記と同じ。)で示される基がパラ位に結
    合している、請求項8又は9に記載のポリスチレン誘導
    体。
  11. 【請求項11】Rがアセチル基である請求項8〜10
    の何れかに記載のポリスチレン誘導体。
  12. 【請求項12】一般式[3] (式中、R、R、R及びmは前記と同じ。)で示
    される繰り返し単位を有するポリスチレン誘導体と、p
    −トルエンスルホン酸とを反応させることを特徴とする
    一般式[1] (式中、R、R及びmは前記と同じ。)で示される
    繰り返し単位を有するトシロキシル化ポリスチレン誘導
    体の製造方法。
  13. 【請求項13】一般式[5] (式中、R、R及びmは前記と同じ。)で示される
    繰り返し単位を有するポリマーと、一般式[6] (式中、Rは前記と同じ。)で示される化合物とを反
    応させることにより得られる一般式[3] (式中、R、R、R及びmは前記と同じ。)で示
    される繰り返し単位を有するポリスチレン誘導体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】請求項1〜7の何れかに記載のトシロキ
    シル化ポリスチレン誘導体を含んでなるトシロキシル化
    剤。
  15. 【請求項15】一般式[7] (式中、Rは水素原子又は炭化水素基を表し、R
    水素原子、炭化水素基又はカルボン酸由来のアシル基を
    表し、R及びRとが結合して脂肪族環を形成しても
    よく、Xはカルボニル基又はヒドロキシメチレン基を表
    す。)で示される化合物と請求項1〜7の何れかに記載
    のトシロキシル化ポリスチレン誘導体とを反応させるこ
    とを特徴とする一般式[8] (式中、R及びRは前記と同じ。)で示される化合
    物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100035A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Jsr Corp 有機ポリマー粒子およびその製造方法
CN112661675A (zh) * 2021-01-07 2021-04-16 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 一种α-羰基磺酸酯的合成方法及其使用的催化剂

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JP2007100035A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Jsr Corp 有機ポリマー粒子およびその製造方法
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CN112661675B (zh) * 2021-01-07 2022-10-21 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 一种α-羰基磺酸酯的合成方法及其使用的催化剂

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