JP2002145906A - アミニウムシリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法 - Google Patents

アミニウムシリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法

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JP2002145906A
JP2002145906A JP2000351172A JP2000351172A JP2002145906A JP 2002145906 A JP2002145906 A JP 2002145906A JP 2000351172 A JP2000351172 A JP 2000351172A JP 2000351172 A JP2000351172 A JP 2000351172A JP 2002145906 A JP2002145906 A JP 2002145906A
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aminium
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Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
真一 井上
Satoshi Nakakita
里志 中北
Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Takami Yoshida
貴美 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケイ酸塩をアミンを含有するゴム粒子分散液と
反応させ、アミニウムシリケート結合を形成したゴム組
成物を得ることを課題とする。 【解決手段】アミンを含有するゴム粒子分散液とケイ酸
塩とを接触させて前記ケイ酸塩と前記アミンとを反応さ
せて少なくとも部分的にアミニウムシリケート結合を形
成させ、前記ゴム粒子分散液のpHを調整してアミニウ
ムシリケート結合を含有するゴム固形物を単離すること
を特徴とするアミニウムシリケート結合を含有するゴム
組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミニウムシリケ
ート結合を含有するゴム組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリカ配合による加硫ゴムについ
て盛んに研究が行われており、シリカ配合による低燃費
タイヤなどが開発され注目を集めている。シリカ充填ゴ
ムはカーボンブラック充填ゴムほどの補強効果は得られ
ていない。シリカ充填剤がカーボンブラックと同等の物
性を保持するか、あるいは現時点より優れた機能・性能
を発揮できればシリカ配合による加硫ゴムの付加価値が
高くなる。その一環として分子レベルでの複合化による
改質から優れた材料が得られている。しかしそれらの改
質は高価な有機シリケートを多く用いるためコスト高で
あるという欠点がある。
【0003】市販のホワイトカーボンはシロキサンで構
成されており、カーボンブラックに変わる白色充填剤と
して期待されて登場したが、補強効果はカーボンブラッ
クに比較して大きく劣り、現在では、コスト削減、高モ
ジュラス製品への充填剤として使用されている。それゆ
えに、カーボンブラック補強されたゴム材料に白色補強
剤であるシロキサンが同等のあるいはそれ以上の充填剤
効果を示せば、カーボンブラックに変わる充填剤として
期待できる。カーボンブラックと同様に白色充填剤によ
るゴムの補強が可能となれば、外観を構成する部分で活
躍するタイヤおよびベルトなどの黒一色のゴム材料は、
一変して色鮮やかな製品とすることが可能となり、生活
に密着したゴム材料においては付加価値の高いものとな
る。
【0004】カーボンブラックに匹敵する性能をホワイ
トカーボンに付与する改質としては、新しい複合化技術
の開発が求められる。ホワイトカーボンを改質するため
には末端に存在シラノール基を用いた化学反応又は形状
のコントロールにより補強効果を上昇させることが考え
られる。しかし、種々の形態で存在するシラノールは反
応性に乏しく、形状改質には限界がある。近年では、複
合化による新しい機能及び性能が切り開かれ、複合化の
手法が検討されている。
【0005】その一つとしてのゾル−ゲル法による有機
物−無機物の複合化は、工業的にも確立され非常に重要
な位置にある。ゾル−ゲル法によるハイブリッド材料の
開発は、例えばハードコンタクトレンズ材料、シーリン
グ材、透過膜材料などの有用な機能を付与した材料とす
ることが可能となる。しかし、このゾル−ゲル法に用い
られる原料の金属アルコキシドは、出発原料に金属ケイ
素を使用しており、その金属ケイ素を容易でない還元反
応で製造しているため非常に高価である。このシリコー
ン系材料は、優れた機能を有するとはいえ、高価である
ことが最大の欠点である。また、製品とするためには反
応条件は制限されることがありまだ問題点もある。
【0006】そこで有機−無機複合化物の材料コストを
安価にするため、シリカゲル製造原料、グラウト材、お
よび無機系接着剤、塗料として使用されている比較的安
価な材料である水ガラスを用いた比較的簡単な方法で有
機化が検討されている。
【0007】水ガラスを応用した研究は歴史的には古
く、Ebelmenによる有機ケイ素化合物の合成に始まる。
20世紀の中頃になると、KirkあるいはIlerらによりケ
イ酸のエステル化の研究が報告されている。Kirkは重合
ケイ酸の直接エステル化を行い、Ilerらは水ガラスとア
ルコールとアルコールとの反応でケイ酸エステルを合成
した。1963年にはLentzがケイ酸塩の末端シラノールあ
るいはシラノレートを安定にブロック化するトリメチル
シリル化法によりケイ酸の有機誘導体の合成し、湖浜ら
もトリメチルシリル化によりケイ酸の有機化を行った。
【0008】また、米国特許3239521号には水、水酸基
を有するアミン化合物をケイ酸塩やシリカゲルと反応さ
せて可溶性のケイ酸の四級アミン塩を製造した後、諸物
性に影響をおよぼすナトリウムイオンをイオン交換樹脂
を用いて除去して、セラミック、コート材および接着剤
などに幅広く用いる開示がある。しかし、前記の開示で
は、エタノールアミンを含むアミン化合物のケイ酸塩が
開示されているのみで、エタノールアミン構造をもたな
いアミン化合物の四級塩についての記載はない。
【0009】有機−無機ハイブリッド材料の主原料とし
ては、珪素の有機誘導体が用いられており、安価なケイ
酸塩からの有機誘導体の合成は、付加価値の高い化合物
が得られると考えられる
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、ケイ酸塩をアミンを含有するゴ
ム粒子分散液と反応させ、ケイ酸塩がゴム成分と結合し
たアミニウムシリケートを含有するゴム組成物を得るこ
とを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に水ガ
ラスおよび水ガラスから調製したケイ酸を用いてケイ酸
の有機化を検討し、非常に酸度の低いケイ酸のプロトン
が直接アミンに作用し、四級アミンシリケートを形成す
ることによる有機−無機複合材料が調製できること出願
した。さらに、工程の簡素化を検討したところ分散液中
のアミン結合をもつゴム粒子と珪酸塩と複合物を形成す
ることを見出して本発明を完成した。
【0012】本願発明のアミニウムシリケート結合を含
有するゴム組成物の製造方法は、共重合成分としてアミ
ンを含有するゴム粒子分散液とケイ酸塩とを接触させて
前記ケイ酸塩と前記アミンとを反応させて少なくとも部
分的にアミニウムシリケート結合を形成させ、前記ゴム
粒子分散液からゴム固形物を単離することを特徴とす
る。
【0013】前記アミンを含有するゴム粒子分散液は、
ハロゲン化アルキル化合物を用いて、アミンを予め四級
塩とした後、ケイ酸塩と反応させることが好ましい。
【0014】前記ケイ酸塩は、オルトケイ酸ナトリウ
ム、水ガラスから選ばれることが好ましい。
【0015】前記ケイ酸塩は、酸を加えて酸性とし生成
するケイ酸を有機溶媒で抽出された遊離のシラノールを
用いることが好ましい。
【0016】前記アミン化合物は、共重合で天然ゴムま
たは合成ゴムに導入された芳香族アミン、複素環式芳香
族アミンから選ばれることが好ましい。
【0017】前記ゴム固形物の単離は、ゴム粒子分散液
のpHを2〜3に調整とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本願発明のアミニウムシリケート
結合を含有するゴム組成物の製造方法は、共重合成分と
してアミンを含有するゴムラッテクスまたはゴム粒子の
分散液とケイ酸塩とを接触させ、前記ケイ酸塩と前記ア
ミンとを反応させてゴム中に少なくと部分的にアミニウ
ムシリケートを結合を形成される。
【0019】ゴムに共重合されたアミンがゴム粒子の分
散液中でケイ酸塩と接触することで、アミンとケイ酸塩
とが反応してアミニウムシリケート結合が容易に形成で
きる。
【0020】共重合成分としてアミンを含有するゴムと
しては、SBR、BR、IR、IIR、NBRなどの合
成ゴムの製造時に、たとえば、ビニルピリジンなどのア
ミンを含有する共重合性成分を共重合させるか、ある
は、天然ゴムあるいは合成ゴムのEPM、EPDM、ア
クリルゴムなどにグラフト共重合などの手法によりゴム
に後からアミン含有化合物を結合させて導入させたもの
が利用できる。
【0021】さらに、ゴム粒子分散液中にアミン化合物
を添加したアミンであっても良い。
【0022】アミンとしては、ゴムに結合したピリジ
ン、その他、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式芳
香族アミン化合物が利用できる。これらのゴムはラテッ
クス状あるいは微粒子として水に分散した状態にあるも
のが好ましい。
【0023】さらに、前記アミンを含有するゴムラッテ
クスは、ハロゲン化アルキル化合物を用いて、アミンを
予め四級塩とした後、ケイ酸塩と反応させてアミニウム
シリケート結合を形成することができる。この場合は、
アミニウムシリケート結合にアルキル基が結合した四級
塩として存在する。使用可能なハロゲン化アルキル化合
物としては、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、
塩化プロピル、塩化ブチルなどが挙げられる。
【0024】ケイ酸塩としては、オルトケイ酸ナトリウ
ム、水ガラスなどが挙げられるが、特に安価に入手可能
な水ガラスを用いるのが好ましい。
【0025】また、前記ケイ酸塩の代わりに、ケイ酸塩
に酸を加えて生成物を有機溶媒で抽出した遊離のシラノ
ールを用いることで、同様にアミニウムシリケート結合
が形成できる。
【0026】この反応は、ラテックスなどの水溶液に分
散状態に分散したアミン結合をもつゴム粒子が、添加さ
れたケイ酸塩と室温域で反応してアミニウムシリケート
結合を形成した複合物を形成する。
【0027】ケイ酸塩の添加量は、ゴムに含まれるアミ
ン量に依存するが、アミンと当量のケイ酸塩との反応が
可能である。実際には本結合反応では添加されたケイ酸
塩が90%前後の収率でアミニウムシリケート結合が形
成されている。また、アミニウムシリケート結合の度合
は、添加する水ガラスやシラノールの添加量およびその
濃度により調整することができる。
【0028】ゴム固形物の単離では、アミニウムシリケ
ート結合を形成したゴム粒子分散液のpHを2〜3に調
整することでアミニウムシリケート結合を含むゴムの固
形物が析出してくる。このpHの調整は、塩酸、硫酸、
硝酸などの鉱酸を用いて行うことが好ましい。
【0029】得られたゴム組成物は、水洗することによ
り付着する他の余分な無機成分を容易に除去することが
できる。図2に示したように得られたPSBR(2−ビ
ニルピリジを共重合したSBRゴムの略称)固形分中の
シロキサン含有率は、水ガラス中のナトリウムイオンを
除いたSiO2量の理論直線に近く、ケイ酸塩のナトリ
ウムイオンが外れてシラノール基としてゴムに導入され
ていると推測でき、洗浄により副生無機物は除去可能で
あることを示している。
【0030】得られたゴム組成物は、図3に示したよう
13CのNMR測定の結果アミニウムシリケートの形成
によるピークのシフトを示しており、ラテックス状でア
ミンとケイ酸塩とが反応して単離されていることが分か
る。また、ゴム組成物の分析からケイ素が存在してお
り、アミニウムシリケート結合の存在が確かめられた。
【0031】本発明の製造方法では、アミニウムシリケ
ート結合がゴム粒子の分散液中で導入されるためゴム内
に均一に分散させることができ、ゴム組成物に後から機
械的にシロキサン類を練り込む場合より高分散した状態
のゴム組成物とすることができる。
【0032】上記ようにケイ酸塩を用いてアミンを含む
ゴム組成物に容易にアミニウムシリケート結合が導入で
き有機−無機複合材料となるので、有用なゴム素材とし
ての多方面の用途が期待できる。
【0033】
【実施例】以下実施例により具体的に説明する。
【0034】PSBRラテックスは、ブタジエン:スチ
レン:ビニルピリジン=60:15:25(仕込み比)
の日本ゼオン(株)製LX605(固形分40%)、ブ
タジエン:スチレン:ビニルピリジン=70:15:1
5(仕込み比)のJSR(株)社製の0650(固形分
40%)を用いた。
【0035】(実施例1) processA PSBRラテックス300gを入れた3リットルのポリ
ビーカーに3号水ガラス(富士化学株式会社製)5.7
8gを加え室温で3時間攪拌して反応させた後、この反
応液に1N硫酸1000mlを添加して塩析した。析出し
た固形のゴムを一昼夜水で洗浄し、5〜7日間60℃で
乾燥して、2−ビニルピリジニウムシリケート−PSB
Rを調整した。シロキサンの含有率は、5重量%含まれ
ていた。図2のグラフで示したように添加した水ガラス
中の90%以上の収率で導入されている。
【0036】なお、水ガラスの添加量を変えることによ
りシロキサン含有量をコントロールすることができる。
水ガラスの添加量が30gを超えるとその混合溶液は、
ゾル化する場合がある。
【0037】(実施例2) 四級塩化PSBR共重合ラテックスを用いた例 proces
sB PSBRラテックス1000gを入れた容器に臭化−n
−プロピル132g加えて室温で 時間攪拌した。この
反応液に3号水ガラス(富士化学株式会社製)gを加え
室温で3時間攪拌して反応させた。ラテックスの粘度は
増加するが、ポリマー粒子は析出せずに安定であった。
この反応液に1N硫酸1000mlを添加して塩析した。
析出した固形のゴムを一昼夜水で洗浄し、5〜7日間6
0℃で乾燥して、2−ビニルピリジニウムシリケート−
PSBRを調整した。得られたPSBR固形分中のシロ
キサン含有率を図2に示した。得られたシロキサン含有
PSBRの固形分含有率は、水ガラス中のナトリウムイ
オンを除いたSiO 2量の理論直線に近く、ナトリウム
イオンが外れてシラノール基として導入されているもの
と考えられる。
【0038】(実施例3) 水ガラスの代わりにシラノールを用いた例 processC SBRラテックス固形分300gを入れた3リットルの
ポリビーカーにシラノール−テトラヒドロフラン溶液6
6ml(3.2×10-4SiO2mol/g)を加え、室温で3
時間攪拌して反応させた後、この反応液に1N硫酸10
00mlを添加して塩析した。析出した固形のゴムを一昼
夜水で洗浄し、5〜7日間60℃で乾燥して、2−ビニ
ルピリジニウムシリケート−PSBRを調整した。図2
に示したようにシロキサンの含有率は、5重量%含まれ
ていた。このとき、シラノール濃度によっては反応液は
ゾル化する。また水ガラスの場合と同様に、シロキサン
含有率は、シラノール濃度あるいは添加量を変えること
で調整することができる。
【0039】なお、シラノール以下のようにして作成し
た。テトラヒドロフラン2.5mlを入れた20mlのナス
型フラスコにピリジン5.1×10-3molを添加し、テ
トラヒドロフランで15mlに希釈した2.9×10-3mo
lのシラノールを攪拌しながら加えて3分間攪拌した
後、静置して二層に分離した下層をジメチルスルホキシ
ド液中に移し、25mmHg、50℃で乾燥すると共に未反
応物およびテトラヒドロフランを除去して生成物を得
た。
【0040】上記の各2−ビニルピリジニウムシリケー
ト−PSBRの調製過程を図1に示した。
【0041】図2には、塩析後に得られるシロキサン含
有PSBR中のSiO2含有率を示した。実施例1およ
び実施例2は添加水ガラスのSiO2成分が90%含有
されていることが分かる。
【0042】(NMR測定)実施例1のシロキサン含有
PSBRとPSBRのCPMAS 13C NMRのスペ
クトルを図3に示す。測定は、Varian社製Unity300
型装置を用い、TOSSを使用して回転数2500Hzで
積算1024回で測定を行った。また、外部標準として
HMBを用いた。
【0043】ピリジニウムシリケートの形成により主鎖
のfの炭素および芳香族環の炭素ピークの位置がピリジ
ニウムシリケートを形成していない場合と異なり高磁場
側にシフトしておりピリジニウムシリケートが形成して
いることを示している。
【0044】(2−ビニルピリジニウムシリケート−P
SBRの加硫物性)物性試験用加硫ゴム試料の調製は、
6インチオープンロールを用いて温度30℃でロール幅
0.5mmに設定し、PSBR100部、に充填剤(ホワ
イトカーボンはシロキサン含有PSBR中のSiO2
と同じ、カーボンブラック20部)、亜鉛華5部、ステ
アリン酸1部、加硫促進剤(MBTS)1部及び硫黄2
部の順に添加して混練し、加硫用シートを得た。
【0045】最適加硫時間は、キュラストメータ(今中
機会工作所製JSR型)を用い、加硫温度140℃で加
硫を行い、加硫トルク曲線からT90を求めた。また、実
際の加硫はオープンプレスを用いるため、T90で加硫を
行うとやや加硫不足になることが懸念されるため、最適
加硫時間はT90に30分を加えた時間を最適加硫時間と
した。 なお、比較試料としてアミンを含まない純ゴム
(pure gum)と市販のホワイトカーボン含有ゴム(W
C)を同様の処理して用いた。
【0046】引張試験用試料は、厚さ1.5mm、縦12
0.0mm、横100.0mmの金型に入れ、140℃に温
めた熱板プレス(37ton press GONNO HYD
LIC PRESS MANUFACTURING C
O)にセットし、数回に分けて加圧、減圧を繰り返し行
うことにより脱気し、圧を200kgf/cm2とし、適正加
硫時間で加熱した。応力ー歪み曲線の測定は500mm/m
inに設定したテンシロン万能試験機(オリエンテック社
製RT1225A(伸び計AR−6000使用))を用
いて測定した。試料はJIS規格3号のダンベルを用
い、測定は室温で行った。
【0047】硬度測定は、スプリング式硬さ試験(A
形)を用い、ハードネスJISAにて測定した。
【0048】膨潤度測定は、テンシロン測定用シートの
一部を用いて0.16−0.18gの立方片にし、ベン
ゼン溶媒(29ml)にて24時間浸漬して測定した。
【0049】(評価結果)得られたシロキサンを含むP
SBRの応力−歪み曲線を図4に示した。実施例2のpr
ocessBの四級塩化してピリジニウムシリケート化した
ものが最も高強度で、次いで実施例1の直接水ガラスと
の縮合物させたもの、実施例3の縮合物で、市販のホワ
イトカーボン補強のSBRよりも高強度であることを示
している。
【0050】図5は上記の各ゴムの、JISA硬度を、
棒グラフで比較した結果を示したものであり、応力−歪
み曲線の場合と同様な傾向を示しており硬度が高くなっ
ていることを示している。
【0051】図6は、網目鎖の評価を示す膨潤ゲルゴム
中の容積分率と膨潤度を示したもので、水ガラスを縮合
させた実施例1及び実施例2が網目化されていることを
示している。
【0052】図7は、ホワイトカーボンゴム組成物、pr
ocessC及びAにおいてゴム組成物中に取り込まれてい
るシラノール基数を示したものでシラノール基が多いほ
どゴム組成物は高強度になる。
【0053】このようにアミニウムシリケート塩を形成
したゴム組成物の加硫物性は、硬く市販のホワイトカー
ボンよりも高硬度および高い破断強度を示す。そして四
級塩化剤として臭化−n−プロピルを添加したラテック
スから調製したシロキサン含有PSBRは、より高い破
断強度を示した。また、ラテックス状態でシロキサンを
取り込むことにより、適度に結晶水を含み加硫促進効果
も認められる。また、シラノール基数が物性へ大きく寄
与していることが考えられる。これはシラノール基がバ
ウンドラバーの生成あるいは架橋として働き、分子レベ
ルで取り込まれた多くのシラノール基により、シロキサ
ン含有PSBRは高強度になる。これはシラノール基及
び窒素間の水素結合によりその特異な性質を示すと考え
られるが、シラノール基はすべてでないにしても、部分
的に塩を形成することも起因しているものと考えられ
る。このように、ケイ酸およびアミン含有ポリマーを用
いることで、水素結合の形成およびケイ酸塩として、ゴ
ム組成物の物性を分子レベルで改質するとことが可能で
ある。またこのアミニウムシリケートは、有機溶媒によ
る抽出などの特別の処理をおこなうこと無く、水洗によ
り容易に除去することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、水ガラスの
ような容易に得られるケイ酸塩や、シラノール基を有す
る化合物を直接アミン成分を含有するゴム成分に縮合反
応させることでアミニウムシリケート結合を含有するゴ
ム組成物を容易に製造することができる。
【0055】なお、本実施例で用いたPSBRはスチレ
ンおよびビニルピリジン組成がゴムの4割を占め、極性
が強くガラス転移点が室温付近にあるため、一般的なエ
ラストマーとしては充分ではないが、それらを考慮して
分子設計をしたポリマーを用いることにより、多様なゴ
ム材料への応用が可能である。また、ケイ酸塩は脆い材
料であるが、複合化することにより有機ポリマーをベー
スにシロキサン骨格の強靱さを活かした材料の調製も可
能である。安価な水ガラスによる有機ー無機複合材料の
調製が可能であることを示唆している。
【図面の簡単な説明】
【図1】各条件によるアミニウムシリケート含有PSB
Rの調製工程を説明する説明図である。
【図2】ピリジニウムシリケート含有PSBRの固形分
含有率を示すグラフである。
【図3】ピリジニウムシリケートの形成を説明するCP
MASの13CのNMRスペクトルである。
【図4】各実施例ピリジニウムシリケート含有PSBR
とホワイトカーボン含有ゴムおよび添加物を含まないゴ
ムの応力−歪み曲線である。
【図5】各実施例ピリジニウムシリケート含有PSBR
とホワイトカーボン含有ゴムおよび添加物を含まないゴ
ムのJIS硬度の棒グラフである。
【図6】各実施例ピリジニウムシリケート含有PSBR
とホワイトカーボン含有ゴムおよび添加物を含まないゴ
ムの網目鎖の度合を示すグラフである。
【図7】各実施例1および実施例3およびホワイトカー
ボン含有ゴムのシラノール基数を算出し比較した棒グラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 貴美 静岡県浜松市龍禅寺町536番地 Fターム(参考) 4J100 AS00P AS01P AS02P AS03P BA71H CA01 CA03 HA61 HB61 JA29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミンを含有するゴム粒子分散液とケイ酸
    塩とを接触させて前記ケイ酸塩と前記アミンとを反応さ
    せて少なくとも部分的にアミニウムシリケート結合を形
    成させ、前記ゴム粒子分散液のpHを調整してアミニウ
    ムシリケート結合を含有するゴム固形物を単離すること
    を特徴とするアミニウムシリケート結合を含有するゴム
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記アミンを含有するゴム粒子分散液は、
    ハロゲン化アルキル化合物を用いて、アミンを予め四級
    塩とした後、ケイ酸塩と反応させる請求項1に記載のア
    ミニウムシリケート結合を含有するゴム組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記ケイ酸塩は、オルトケイ酸ナトリウ
    ム、水ガラスから選ばれる請求項1に記載のアミニウム
    シリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ケイ酸塩は、酸を加えて酸性とし生成
    する生成物を有機溶媒で抽出された遊離のシラノールを
    用いる請求項1に記載のアミニウムシリケート結合を含
    有するゴム組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】前記アミン化合物は、共重合で天然ゴムま
    たは合成ゴムに導入されされた芳香族アミン、複素環式
    芳香族アミンから選ばれる請求項1に記載のアミニウム
    シリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記アミン化合物は、前記ゴム粒子分散液
    に添加される脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式芳
    香族アミンから選ばれたものである請求項1に記載のア
    ミニウムシリケート結合を含有するゴム組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記ゴム固形物の単離は、ゴム粒子分散液
    のpHを2〜3に調整する請求項1に記載のアミニウム
    シリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法。
JP2000351172A 2000-11-17 2000-11-17 アミニウムシリケート結合を含有するゴム組成物の製造方法 Pending JP2002145906A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005139346A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振ゴム用組成物
JP2007002178A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd ハイブリッドフィラーと、それを用いたゴム組成物および樹脂組成物
JP2007002179A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd ハイブリッドフィラーと、それを用いたゴム組成物および樹脂組成物

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