JP2002144183A - 加工装置および加工装置に用いられるカバー部材 - Google Patents

加工装置および加工装置に用いられるカバー部材

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JP2002144183A JP2000346187A JP2000346187A JP2002144183A JP 2002144183 A JP2002144183 A JP 2002144183A JP 2000346187 A JP2000346187 A JP 2000346187A JP 2000346187 A JP2000346187 A JP 2000346187A JP 2002144183 A JP2002144183 A JP 2002144183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具取付部に取り付けた荒加工工具で荒加工
を行った後、工具取付部から荒加工工具を取り外して仕
上加工工具で仕上加工を行う際に、工具取付部を汚さな
いようにする。 【解決手段】 スピンドル10には、仕上砥石部材20
がボルト留めによって固定されている。このスピンドル
には、荒砥石部材を取り付けるための工具取付部25が
形成されている。工具取付部25には、荒砥石部材が取
り付けることができるとともに、カバー部材36をも取
り付けることができる。荒砥石部材でシリコンウェーハ
の研削を行った後、仕上砥石部材20で仕上研削を行う
際には、工具取付部25にカバー部材36が取り付けら
れて工具取付部25を汚れから保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC(集積回路)
付ウェーハの裏面加工などに用いられる片面研削装置や
円形薄板のエッジ研削装置などとして用いられる加工装
置、およびこの加工装置に用いられるカバー部材であっ
て、この加工装置に形成された工具取付部を覆って保護
するカバー部材に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ICチップを作成する場合、
鏡面シリコンウェーハ片面にIC(集積回路)を作製し
た後に、その裏面加工としてウェーハの片面研削が行わ
れる。この場合、まずウェーハの片面を荒砥石などを用
いて荒削りにする。荒砥石による荒削りが済んだら、そ
の面を仕上砥石によって研削して仕上処理を行うという
ものである。
【0003】また、半導体ウェーハなどの円形薄板を研
削する場合、最初に平面研削が行われる。平面研削が終
了した後は、半導体ウェーハの外周縁をエッジ研削す
る。ウェーハのエッジ研削は、従来、荒研削のみが行わ
れていたが、近年、エッジ研削に対しても仕上研削を行
う要請がでてきている。したがって、ウェーハのエッジ
研削の際にも、先に荒研削を行ってから、続いて仕上研
削を行うようにしている。
【0004】このように、荒研削と仕上研削が必要な被
加工物を研削加工する加工装置として、本出願人は、先
の特願平11−369037号、特願平11−3721
08号において、片面研削装置およびエッジ研削装置に
関する特許出願を行っている。また、特願平11−37
0149号では、このような荒研削と仕上研削などの荒
加工および仕上加工をそれぞれ行うことができるマシニ
ングセンタについての特許出願を行っている。
【0005】これらの研削加工を行う加工装置のうち、
図23に示すように、特願平11−369037号に記
載された片面研削装置110は、スピンドル111に仕
上砥石112がボルトB,Bによって固定して取り付け
られている。このスピンドル111の中央には、荒砥石
113を取り付けるための砥石取付部114が形成され
ている。スピンドル111の下方には、ワークWを真空
吸着するとともに回転させる回転テーブル115が配設
されている。そして、まず砥石取付部114に荒砥石1
13を取り付けてワークWの荒研削を行う。続いて、所
定の荒研削が済んだら、砥石取付部114から荒砥石1
13を取り外して、仕上砥石112によって仕上研削を
行うというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記片面研
削装置において、仕上砥石112によって仕上研削を行
う際には、砥石取付部114からは荒砥石113が取り
外される。このときに、砥石取付部114に何も取り付
けられていない状態では、仕上研削の際に発生する切粉
や潤滑油等によって砥石取付部114を汚してしまうこ
とが懸念される。このため、砥石取付部114をキャッ
プ状のホルダでカバーすることも記載されている。
【0007】そこで、本発明の課題は、キャップ状のホ
ルダをさらに具体化し、砥石などの工具を取り付ける工
具取付部などに取り付けた荒加工工具で荒加工を行った
後、工具取付部から荒加工工具を取り外して仕上加工工
具で仕上加工を行う際に、工具取付部にカバー部材を取
り付けることにより、工具取付部を汚さないようにする
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明の請求項1に係る発明は、スピンドルに取り付けた工
具を回転させて被加工物を加工する加工装置において、
前記スピンドルには、仕上加工工具が固定して取り付け
られているとともに、荒加工工具を着脱可能に取り付け
る工具取付部が形成されており、前記工具取付部を覆う
カバー部材が、前記工具取付部に対して着脱可能とされ
ていることを特徴とする加工装置である。
【0009】請求項1に係る発明においては、仕上加工
時に工具取付部を覆うカバー部材が工具取付部に対して
着脱可能とされている。このため、スピンドルに固定さ
れた仕上砥石で仕上研削を行う際に、工具取付部にカバ
ー部材を取り付けることにより、カバー部材によって工
具取付部が覆われているので、工具取付部を汚さないよ
うにすることができる。
【0010】請求項2に係る発明は、前記スピンドルに
固定して取り付けた仕上加工工具が仕上砥石を備えるこ
とを特徴とする請求項1に記載の加工装置である。
【0011】請求項2に係る発明においては、スピンド
ルに固定して取り付けられる仕上加工工具が、仕上砥石
を備えている。仕上砥石は、その性質上、高い仕上精度
が要求されるので、スピンドルに固定しておいて好適で
ある。
【0012】請求項3に係る発明は、前記荒加工工具が
荒砥石を備えることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載の加工装置である。
【0013】請求項3に係る発明においては、荒加工工
具として荒砥石が用いられている。荒砥石は、仕上砥石
などよりも、その加工精度は高く要求されないので、工
具取付部に取り付けて使用しても大きな問題はない。し
たがって、荒砥石は、交換容易とできるように、工具取
付部に取り付けるものとして好適である。
【0014】請求項4に係る発明は、前記仕上加工工具
がカップ型仕上砥石を備えるとともに、前記荒加工工具
がカップ型荒砥石を備えており、前記カップ型荒砥石で
前記被加工物の片面を荒研削した後、前記カップ型仕上
砥石で、前記被加工物における荒研削された面を仕上研
削することを特徴とする請求項1に記載の加工装置であ
る。
【0015】請求項4に係る発明では仕上加工工具がカ
ップ型仕上砥石を備えるとともに、荒加工工具がカップ
型荒砥石を備えている。この態様では、ウェーハなどの
ワークの片面を研削する片面研削に用いて好適である。
【0016】請求項5に係る発明は、前記仕上加工工具
が円盤状仕上砥石を備え、前記荒加工工具が円盤状荒砥
石を備えているとともに、前記被加工物は円形薄板であ
り、前記円盤状荒砥石で前記円形薄板のエッジを荒研削
した後、前記円盤状仕上砥石で前記円形薄板のエッジを
仕上研削することを特徴とする請求項1に記載の加工装
置である。
【0017】請求項5に係る発明では、仕上加工工具が
円盤状仕上砥石であり、荒加工工具が円盤状荒砥石であ
る。この態様では、円形薄板からなるワークのエッジ部
を研削するエッジ研削装置として用いて好適である。
【0018】請求項6に係る発明は、前記工具取付部に
は、前記荒加工工具を含む複数種の加工工具を着脱可能
に取り付けることができることを特徴とする請求項1か
ら請求項5のうちのいずれか1項に記載の加工装置であ
る。
【0019】請求項6に係る発明では、荒加工工具を複
数の加工工具を着脱可能に取り付けることができるよう
になっている。このため、たとえば荒砥石を備える荒加
工工具で荒研削を行った後、ブラッシング部材を工具取
付部に取り付けてブラッシングを行うことができる。ま
た、荒さの異なる荒砥石を複数用いて段階的に荒研削を
円滑に行うことができる。さらには、たとえば研磨布、
研磨パッドによるポリッシング加工用工具を仕上研削後
に工具取付部に取り付けて、継続してポリッシング加工
を行うこともできる。
【0020】請求項7に係る発明は、前記工具取付部に
は、前記荒加工工具を含む複数種の加工工具を着脱可能
に取り付けることができるようにされており、前記複数
種の加工工具の一つには、砥粒入りブラシを備えたブラ
ッシング工具が含まれることを特徴とする請求項1から
請求項4のうちのいずれか1項に記載の加工装置であ
る。
【0021】請求項7に係る発明では、仕上研削加工に
よって被研削物の被研削面に生じた加工歪みを除去する
ために、仕上研削加工後に、スピンドルの工具取付部に
ブラッシング部材を取り付け、ブラッシング加工を行う
ことができる。このとき、ブラッシング加工では、仕上
研削によるほどの高い精度は要求されないので、工具取
付部に取り付けて加工しても、加工精度上、問題とはな
らない。
【0022】請求項8に係る発明は、前記工具取付部に
は、前記荒加工工具を含む複数種の加工工具を着脱可能
に取り付けることができるようにされ、前記複数種の加
工工具のうちの一つが砥粒入りブラシを備えるブラッシ
ング工具であり、前記カップ型仕上砥石で前記被加工物
の片面を仕上研削した後、前記ブラッシング工具で、前
記被加工物における仕上研削された面をブラッシングす
ることを特徴とする請求項4に記載の加工装置である。
【0023】請求項8に係る発明では、カップ型仕上砥
石によって被加工物の片面を仕上研削した後、ブラッシ
ング工具でブラッシングしている。このため、仕上研削
された被加工物の片面の加工歪みを除去することができ
るので、被加工物の抗折強度(被加工物が折れるときの
強度)を高められる。また、エッチングやポリッシング
といった後処理の工程や薬品を必要としなくなるととも
に、被加工物の表面の洗浄が容易となる。
【0024】請求項9に係る発明は、前記砥粒入りブラ
シが、ダイヤモンドまたはSiO2砥粒が固定された多
数のナイロン糸で構成されていることを特徴とする請求
項7または請求項8に記載の片面研削装置である。
【0025】本発明で用いられる砥粒入りブラシとして
は、請求項9に係る発明のように、ダイヤモンドまたは
SiO2砥粒が固定された多数のナイロン糸で構成され
ているものを好適に用いることができる。ここで、「ナ
イロン」とは、周知のように、主鎖中に‐NH‐CO‐
結合を持つ重合体の総称であるポリアミドが繊維形態に
あるものをいう。
【0026】請求項10に係る発明は、前記工具取付部
に取り付けられた前記加工工具または前記カバー部材を
取り外し、前記カバー部材または他の加工工具と交換し
て前記工具取付部に装着する自動工具交換装置を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれ
か1項に記載の加工装置である。
【0027】請求項10に係る発明においては、工具取
付部に取り付ける加工工具やカバー部材を自動的に交換
する自動工具交換装置(ATC)が設けられている。こ
のため、荒加工から仕上加工に至るまでの工程を、連続
的かつ自動的に継続して行うことができる。
【0028】請求項11に係る発明は、前記自動工具交
換装置が、前記加工工具およびカバー部材を保持可能な
保持部材が設けられた旋回可能な保持アームを備えてお
り、前記保持アームの外側端部のそれぞれに、前記保持
部材が設けられていることを特徴とする請求項10に記
載の加工装置である。
【0029】請求項11に係る発明では、旋回可能な保
持アームを備えており、この保持アームの両端側のそれ
ぞれに加工工具などを保持可能な保持部材が設けられて
いる。このため、たとえば一方の保持部材で工具取付部
に取り付けられている工具を保持するとともに、他方の
保持部材で新たに工具取付部に取り付ける工具を保持す
ることができる。このため、自動工具交換を短時間で行
うことができるようになる。
【0030】請求項12に係る発明は、前記保持部材
が、前記保持アームの長手方向に沿った軸を中心として
対称的に開閉可能とされており、前記保持部材の先端部
が閉じたときに、前記加工工具またはカバー部材を前記
保持部材によって保持することを特徴とする請求項11
に記載の加工装置である。
【0031】請求項12に係る発明では、保持部材が保
持アームの長手方向に沿った軸を中心として対称的に開
閉し、保持部材が閉じたときに荒加工工具などを保持す
るようにされている。このため、加工工具などを保持し
ていない保持部材を開いておくことにより、保持アーム
を旋回させる際に、保持部材の先端部の旋回半径を小さ
くすることができる。このため、加工装置全体としての
小型化に寄与することができる。
【0032】請求項13に係る発明は、前記保持アーム
の長手方向に沿って前記保持部材を移動させるスライダ
機構を備えることを特徴とする請求項11または請求項
12に記載の加工装置である。
【0033】請求項13に係る発明では、保持部材を保
持アームの長手方向に沿って移動させるスライダ機構を
設けている。このため、加工工具などを保持する保持部
材を保持アームの旋回中心に近づけるように移動するこ
とによって、加工工具などを保持する保持部材の旋回半
径を小さくすることができる。したがって、さらに加工
装置全体としての小型化に寄与することができる。
【0034】請求項14に係る発明は、前記加工工具お
よびカバー部材をそれぞれ収納する収納部を備えるスト
ッカが設けられていることを特徴とする請求項1から請
求項13のうちのいずれか1項に記載の加工装置であ
る。
【0035】請求項14に係る発明においては、荒加工
工具を含む複数種の加工工具などを収納するストッカを
備えている。このストッカから荒加工工具などを自動工
具交換装置などが取り出すことができるようにしておく
ことにより、荒加工工具などと他の荒加工工具などとの
交換を容易かつ円滑に行うことができる。
【0036】請求項15に係る発明は、前記保持アーム
が旋回する際に、前記保持部材が描く軌跡に沿って、前
記ストッカにおける収納部が配列されていることを特徴
とする請求項14に記載の加工装置である。
【0037】請求項15に係る発明においては、旋回ア
ームが旋回する際に、保持部材が描く軌跡に沿ってスト
ッカにおける収納部が形成されている。このため、旋回
アームの移動距離が長くならにようにすることができる
ので、加工装置全体としての小型化をさらに図ることが
できる。
【0038】請求項16に係る発明は、前記カバー部材
は、前記工具取付部に取り付けられる本体部と、前記自
動工具交換装置に保持されるカバーホルダ部を備え、前
記カバーホルダ部は、前記本体部に対して分離可能とな
るように取り付けられており、前記カバー部材における
本体部を前記工具取付部に取り付けたときに、前記本体
部から分離された前記カバーホルダ部を収納するカバー
ホルダ収納部が前記ストッカに設けられていることを特
徴とする請求項14または請求項15に記載の加工装置
である。
【0039】請求項16に係る発明では、カバー部材が
工具取付部に取り付けられる本体部と、自動工具交換装
置に保持されるカバーホルダ部とを備えている。そし
て、本体部を工具取付部に取り付けたときには、カバー
ホルダ部を本体部から取り外す。このとき、カバーホル
ダ部は加工時には不要となるが、ストッカにこの不要な
カバーホルダ部を収納するカバーホルダ収納部が設けら
れている。仕上加工時におけるカバーホルダが不要なと
きには、カバーホルダ収納部にカバーホルダ部を収納し
ておくことができる。
【0040】請求項17に係る発明は、請求項1から請
求項16のうちのいずれか1項に記載の加工装置に用い
られるカバー部材であり、前記工具取付部に取り付けら
れる本体部と、前記自動工具交換装置に保持されるカバ
ーホルダ部を備えていることを特徴とする加工装置に用
いられるカバー部材である。
【0041】請求項17に係る発明では、カバー部材
が、工具取付部に取り付けられる本体部と、自動工具交
換装置に保持されるカバーホルダ部を備えている。この
ため、スピンドルに形成された工具取付部にカバー部材
を取り付ける際には、カバーホルダ部を自動工具交換装
置で保持して、本体部を工具取付部に取り付けることが
できる。
【0042】請求項18に係る発明は、前記カバーホル
ダ部が、前記本体部に対して分離可能となるように取り
付けられていることを特徴とする請求項17に記載の加
工装置に用いられるカバー部材である。請求項18に係
る発明では、カバーホルダ部が本体部に対して分離可能
となるように取り付けられている。このため、仕上加工
時に本体部をスピンドルの工具取付部に取り付けておく
ときに、自動工具交換装置に保持されるカバーホルダ部
は不要となる。したがって、仕上加工時であって本体部
が取付部に取り付けられているときには、カバーホルダ
部を本体部から分離して取り外しておくことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら、具体的に説明する。図1は、本発明
に係る加工装置としての片面研削装置の正面図、図2
は、研削部の正面図、図3は、研削部の平面図である。
図1に示すように、片面研削装置Mは、研削部1と、自
動工具交換装置2と、砥石ストッカ3を備えている。
【0044】研削部1には、図2にも示すように、鉛直
軸Z1周り回転可能なスピンドル10が設けられてい
る。このスピンドル10を回転自在に支持するハウジン
グ10Aは、図1に示すように、スピンドル上下動装置
11における移動架台12に取り付けられ、スピンドル
10を回転駆動するスピンドルモータ10Bを内蔵して
いる。移動架台12には、ボールナット13が取り付け
られている。このボールナット13は、筐体フレームF
に回転(自転)可能に枢支されたボールネジ14にねじ
込まれており、ボールネジ14を回転させることによっ
て、ボールナット13、移動架台12、およびハウジン
グ10Aを介してスピンドル10が上下動するようにな
っている。また、筐体フレームFにはモータ15が配設
されており、モータ15の駆動軸には駆動プーリ16が
設けられているとともに、ボールネジ14の上端部には
従動プーリ17が設けられている。さらに、駆動プーリ
16および従動プーリ17はベルト18を介して接続さ
れている。そして、モータ15を駆動することによって
ベルト18を介してボールネジ14が回転するようにな
っている。
【0045】また、スピンドル10の下端(先端)部に
は、図1および図2に示すように、仕上砥石部材20が
固定されている。仕上砥石部材20は、図4(a)に示
すように、リング状の砥石台21を備えており、このリ
ング状の砥石台21が図5に示すように、六角孔を備え
るボルトB,Bによってスピンドル10にボルト留めさ
れることによって、仕上砥石部材20がスピンドル10
に固定される。砥石台21には、中空円筒形状のカップ
型仕上砥石である仕上砥石22が固定されている。この
仕上砥石22としては、たとえばメッシュサイズが♯2
000程度と細かい砥石が用いられる。また、砥石台2
1には、仕上砥石22の内側の位置するように開口され
た複数の加工液供給孔21a,21aが形成されており
ハウジング10A側の保持されたノズル20Aにより、
砥石台21上面側より加工液供給孔21a,21aを通
って仕上砥石22に向かって水などの加工液が噴射され
るようになっている。さらに、スピンドル10には、仕
上砥石22と同心状であり、テーパ形状を有する取付孔
からなる工具取付部25が形成されている。この工具取
付部25の上方位置には、ドローバー26およびボール
27,27よりなる周知のクランプ機構28が設けられ
ている。
【0046】また、仕上砥石部材20により仕上研削の
前に行われる荒研削の際には、図2および図5に示すよ
うに、工具取付部25には、この工具取付部25に対し
て着脱可能な荒砥石ホルダ30が取り付けられる。この
荒砥石ホルダ30は、図4(b)に示すように、工具取
付部25に入り込むテーパ状のシャンク部31を備えて
おり、シャンク部31の前方(図2の下方)に把持部3
2が形成されている。把持部32は、後に説明する自動
工具交換装置2の保持アーム51,52によって把持す
ることができるようになっている。この把持部32のさ
らに前方には、リング状の砥石台33が取り付けられて
おり、この砥石台33に中空円筒形状の荒砥石34が固
定されている。この荒砥石34としては、たとえばメッ
シュサイズが♯600程度と荒い砥石が用いられる。さ
らに、シャンク部31の後方には、プルスタッド35が
設けられている。そして、図2に示すように、荒砥石ホ
ルダ30を工具取付部25に嵌め込んで取り付けた際に
は、プルスタッド35がドローバー26にボール27,
27を挟んで引っ張られて荒砥石ホルダ30が工具取付
部25にクランプされて定位置に装着される。このと
き、工具取付部25に対しては、図5に示すように、把
持部32の裏面32Aが工具取付部25の表面25Aと
接触している。このため、荒砥石ホルダ30におけるシ
ャンク部31のテーパ面31Aと工具取付部25のテー
パ面25Bは形式的には接触せず、工具取付部25と荒
砥石ホルダ30は平面を介して接触していることにな
る。もちろん、工具取付部25と荒砥石ホルダ30が平
面で接触していれば、シャンク部31のテーパ面31A
と工具取付部25のテーパ面25Bの一部または全部が
接触していても問題はない。さらに、図5に示すよう
に、荒砥石ホルダ30の下方位置には、筐体フレームF
(図1)に取り付けられたノズル20Bが設けられてい
る。荒砥石34による荒研削が行われる際には、水など
の加工液が荒砥石34の下側に配設されたノズル20B
から荒砥石34に向けて噴射される。
【0047】また、他の荒加工工具である第2荒砥石ホ
ルダ30′は、荒砥石ホルダ30とほとんど同一の構成
を有する。すなわち、図4(b)に示す外形を有してお
り、シャンク部31、把持部32、砥石台33、および
プルスタッド35を備えている。ただし、砥石台33に
取り付けられた荒砥石34′は荒砥石ホルダ30におけ
る荒砥石34よりも荒さの細かい荒砥石とされている。
ここで、荒砥石ホルダ30における荒砥石34のメッシ
ュサイズがたとえば♯600であれば、第2荒砥石ホル
ダ30′の荒砥石34′のメッシュサイズは、たとえば
♯1200のものが用いられる。
【0048】さらに、仕上砥石22によって仕上研削を
行う際には、図7に示すように、工具取付部25に着脱
可能なカバー部材36が工具取付部25に取り付けられ
る。このカバー部材36は、図6および図7に示すよう
に、工具取付部25を覆う本体部37と、カバーホルダ
部38を備えている。これらの本体部37とカバーホル
ダ部38は分離可能とされている。本体部37は、図4
(b)に示す荒砥石ホルダ30におけるシャンク部31
のテーパ面31Aとほぼ同一の傾斜を有するテーパが付
与されており、工具取付部25に入り込む。また、本体
部37の後方(上方)位置には、荒砥石ホルダ30に設
けられたプルスタッド35と同一形状のプルスタッド3
9が取り付けられている。図7に示すように、カバー部
材36を工具取付部25に嵌め込んで取り付けた際に
は、プルスタッド39がドローバー26にボール27,
27を挟んで引っ張られてカバー部材36が工具取付部
25にクランプされて定位置に装着される。
【0049】また、カバーホルダ部38には、荒砥石ホ
ルダ30における把持部32とほぼ同一の形状の把持部
が設けられており、後に説明する自動工具交換装置2の
保持アーム51,52によって保持することができるよ
うになっている。また、カバーホルダ部38の上方には
4個の上方突起部38A,38A…が設けられていると
ともに、カバーホルダ部38の下方にも4個の下方突起
部38B,38B…が設けられている。本体部37の下
面には、カバーホルダ部38の上方から突出する上方突
起部38A,38A…に対応する位置に、これらの上方
突起部38A,38A…とそれぞれ嵌合する嵌合孔37
A,37A…が形成されている。これらの嵌合孔37
A,37A…にカバーホルダ部38の上方突起部38
A,38A…が嵌め込まれて、分離していた本体部37
とカバーホルダ部38が一体化される。
【0050】さらに、本体部37の前面(下面)には、
鍔部37Bが形成されている。この鍔部37Bは、図7
に示すように、本体部37がスピンドル10における工
具取付部25に取り付けられた際に、工具取付部25の
表面25Aと面接触させるために設けられているもので
ある。
【0051】また、スピンドル10の下方には、図1お
よび図2に示すように、本発明の被加工物となる片面を
研削加工されるシリコンウェーハSを真空吸着しながら
回転させる真空保持回転装置40が配設されている。こ
の真空保持回転装置40は、ハウジング41を有してお
り、このハウジング41の上方に回転テーブル42が鉛
直軸周りに回転可能となるように取り付けられている。
この回転テーブル42には、図3に示すように、複数の
真空吸着孔42a,42a…が形成されている。この真
空吸着孔42a,42a…は、図示しないエアポンプに
接続されており、このエアポンプにより負圧をかけるこ
とによって、回転テーブル42上に載置された仮想線で
示すシリコンウェーハSを真空吸着して保持するもので
ある。ハウジング41の下方にはモータ43が設けられ
ており、モータ43は回転軸44を介して回転テーブル
42に接続されている。このモータ43を回転させるこ
とによって回転軸44を介して回転テーブル42が回転
するようになっている。またモータ43とハウジング4
1の間における回転軸44には、モータ43の回転を減
速して伝えるための減速機45が設けられている。さら
に、筐体フレームFには、図3に示すように、研削加工
の際に利用する研削液などの廃液を廃棄するための排出
孔46が形成されている。
【0052】また、仕上砥石部材20における仕上砥石
22と、荒砥石ホルダ30における荒砥石34は、ほぼ
同一の径を有しており、本発明の被加工物となる片面を
研削加工される円形のシリコンウェーハSの径と同じ
か、あるいは大きくされている。そして、砥石22,3
4によってシリコンウェーハSの片面を研削する際に
は、図2に示すように、砥石22,34の肉厚の中心位
置が、シリコンウェーハSの回転中心である鉛直軸Z2
上を通るように位置設定されている。
【0053】研削部1の側方(図1の左方)には、工具
取付部25に取り付けられた荒砥石ホルダ30などを、
他の荒砥石ホルダ30′や他の加工工具およびカバー部
材36などと交換するための自動工具交換装置2が設け
られている。また、自動工具交換装置2のさらに側方に
は、カバー部材36や複数の荒砥石ホルダ30などを含
む複数種の加工工具が収納された砥石ストッカ3が設け
られている。
【0054】自動工具交換装置2は、図8および図9に
示すように、鉛直軸Z3周りに旋回する保持アーム5
1,52を備えている。これらの保持アーム51,52
は、それぞれ旋回中心から半径方向外側に延在してお
り、それぞれの外側端部には保持部材53,54が設け
られている。このうちの一方の保持部材53は、図9に
示すように、第1保持アーム51の長手方向に沿った軸
を中心として対称的に開閉可能とされた保持爪53A,
53Bによって構成されている。そして、保持部材53
が閉じると、保持爪53A,53Bによって、図4
(b)に示す荒砥石ホルダ30の把持部32や図6に示
すカバー部材36のカバーホルダ部38を保持できるよ
うになっている。また、他方の保持部材54も一方の保
持部材53と同一の構成を有しており、保持アーム52
の長手方向に沿った軸を中心として対称的に開閉可能と
されている。さらに、その先端部には保持爪が設けられ
ている。
【0055】また、第1保持アーム51の下方には、第
1保持アーム51を旋回させるための旋回テーブル55
が設けられている。保持アーム51,52は、旋回テー
ブル55の上でロッドレスシリンダの移動ベース56,
57上にそれぞれ載置されている。これらのロッドレス
シリンダの移動ベース56,57をスライドさせること
により、保持アーム51,52はそれぞれその長手方向
に移動できるようになっている。この旋回テーブル55
の下方位置にはモータ58が設けられている。このモー
タ58は、第1回転軸60Aおよび第2回転軸60Bを
介して旋回テーブル55と接続されている。また、第1
回転軸60Aおよび第2回転軸60Bは、カップリング
61によって接続されている。そして、モータ58を作
動させることによって、第1回転軸60Aおよび第2回
転軸60Bを介して旋回テーブル55が鉛直軸Z3周り
に旋回するようになっている。このように、旋回テーブ
ル55が旋回することによって、保持アーム51,52
は旋回する。また、第1回転軸60Aには、減速機59
が設けられている。この減速機59によって、モータ5
8の回転速度が所定の速度に減速されるようになってい
る。
【0056】さらに、これらの旋回テーブル55、モー
タ58等は、上下動ベース62に取り付けられている。
上下動ベース62には、スライダ63,63が取り付け
られている。スライダ63,63は、筐体フレームFに
固定状態で取り付けられているレール64に沿って上下
方向に摺動可能となっている。そして、この上下動ベー
ス62は、図示しない上下動シリンダを作動させること
によって上下方向に移動できるようになっている。こう
して、図示しない上下動シリンダを作動させて、上下動
ベース62を上下動させることによって、保持アーム5
1,52およびこれらに保持されている荒砥石ホルダ3
0、他の加工工具やカバー部材36を上下方向に移動で
きるようになっている。
【0057】砥石ストッカ3は、自動工具交換装置2を
介して研削部1の反対側に配設されている。砥石ストッ
カ3には、図9に示すように、複数の荒砥石ホルダ30
を含む複数種の加工工具を収納する加工工具収納部65
A,65B…および、カバー部材36を収納するカバー
部材収納部66が形成された収納台65が設けられてい
る。これらの加工工具収納部65A,65B…およびカ
バー部材収納部66は、いずれも第1保持アーム51が
旋回テーブル55の半径方向外側いっぱいに移動してい
るときに、保持部材53が旋回テーブル55によって旋
回させられたときに描く軌跡に沿って配列されている。
また、各加工工具収納部65A,65B…には、たとえ
ばそれぞれ荒さの異なる荒砥石を備えた荒砥石ホルダが
収納されているが、荒さの同じ荒砥石を備えた複数個の
荒砥石ホルダを収納しておくこともできる。
【0058】加工工具収納部65Aには、図8および図
9に示すように、複数個、本実施形態では3個の支持ブ
ロック65a,65a,65aが突設されている。これ
らの支持ブロックは、図8に示すように、加工工具収納
部65Aに収納される荒砥石ホルダ30の荒砥石34よ
りも内側に設けられている。これらの支持ブロック65
a,65a,65aに荒砥石ホルダ30における砥石台
33の底部が支持されることによって荒砥石ホルダ30
が加工工具収納部65Aに収納される。したがって、荒
砥石ホルダ30における荒砥石34は、収納時には、加
工工具収納部に接触することなく宙に浮いた状態となっ
ており、荒砥石34の磨耗や損傷を防いでいる。
【0059】また、図示はしないが、他の加工工具収納
部65B,65C…にも同様の支持ブロックが突設され
ている。そして、それらの加工工具収納部65B,65
C…に砥石ホルダ等が収納された場合にも、その砥石ホ
ルダにおける砥石は加工工具収納部に接触することなく
宙に浮いた状態で収納されるようになっている。
【0060】さらに、加工工具収納部65Cには、ブラ
ッシング部材70が収納されている。ブラッシング部材
70は、図10(a)に示すように、シャンク部71、
把持部72、ブラシ台73を備えており、ブラシ台73
には砥粒入りブラシ74が設けられている。また、シャ
ンク部71には、プルスタッド75が取り付けられてい
る。これらのうち、シャンク部71、把持部72、およ
びプルスタッド75は、図4(b)に示す荒砥石ホルダ
30のシャンク部31、把持部32、およびプルスタッ
ド35と同一の形状をなしている。また、ブラシ台73
は、荒砥石ホルダ30の砥石台33とほぼ同じ形状をな
しており、砥粒入りブラシ74のナイロン糸がさし込ま
れる多数の図示しない孔部が形成されている点で異な
る。これらの孔部は、リング状に形成されているので、
ブラシ台73を平面視した中央部には、ナイロン糸が存
在しないようになっている。なお、図10(a)では、
説明の便宜上、ナイロン糸Nの太さを実際よりもかなり
太く描いている。そして、このブラッシング部材70が
加工工具収納部65Cに収納されている際には、図示し
ない支持ブロックによってブラシ台73の底部中央が支
持されるので、砥粒入りブラシ74の先端が加工工具収
納部65Cをこすらないようになっている。
【0061】ブラシ台73に取り付けられている砥粒入
りブラシ74は、図10(b)に拡大して示すように、
多数のナイロン糸N,N…にダイヤモンド砥粒DM,D
M,…がちりばめられて構成されており、ナイロン糸N
の柔軟性とダイヤモンド砥粒DMの優れた研削力を発揮
するものである。このような砥粒入りブラシ74は、た
とえば次のように製造される。まず、液状に溶融された
ナイロン原料からなる溶剤にダイヤモンド砥粒DM,D
Mを混入させる。この溶剤を糸状に押し出して固める
と、ダイヤモンド砥粒が固く固定されたナイロン糸Nが
製造される。こうして製造されたナイロン糸N,Nを複
数本集めてブラシ台73に取り付けることによって、砥
粒入りブラシ74が製造される。
【0062】なお、加工工具収納部65A,65B…に
は、荒砥石ホルダ30やブラッシング部材70に代え
て、必要に応じてエッチング工具やポリッシングパッド
を備えたポリッシング用工具を収納しておくこともでき
る。
【0063】また、カバー部材収納部66には、カバー
部材36が収納される。このカバー部材収納部66にカ
バー部材36が収納されているときには、カバー部材3
6のカバーホルダ部38に設けられた下方突起部38
B,38B…によって起立した状態となっている。
【0064】さらに、第1保持アーム51が旋回テーブ
ル55の半径方向外側いっぱいに移動しているときに、
保持部材53が旋回テーブル55によって旋回させられ
たときに描く軌跡の半径方向内側には、カバーホルダ収
納部67が設けられている。このカバーホルダ収納部6
7には、研削部1で仕上砥石部材20によって仕上研削
を行っている際に、不要となるカバー部材36のカバー
ホルダ部38が収納される。カバーホルダ収納部67に
カバーホルダ部38が収納される際には、カバーホルダ
収納部67に形成された図示しない位置決め溝に下方突
起部38B,38B…がさし込まれる。そして、工具取
付部25に取り付けられた本体部37に形成されている
嵌合孔37A,37A…と、カバーホルダ部38に設け
られた上方突起部38A,38A…との位置関係がずれ
ないようにされている。
【0065】以上の構成を有する片面研削装置Mの動作
・作用について説明する。片面研削装置Mによる片面研
削を行う際には、研削部1における真空保持回転装置4
0の回転テーブル42上に被加工物として研削加工され
るシリコンウェーハSが図示しないロボットによって搬
送されて載置される。回転テーブル42上に載置された
シリコンウェーハSは、回転テーブル42の真空吸着孔
42a,42a…からの負圧によって真空吸着される。
このシリコンウェーハSの片面は、まず荒砥石によって
荒研削され、適宜荒さの異なる荒砥石で荒研削された
後、最後に仕上砥石によって仕上研削が行われる。仕上
砥石部材20によって仕上研削を行う際には、工具取付
部25が研削液などで汚れないように、工具取付部25
には、カバー部材36が取り付けられる。
【0066】かかる作業工程において、最初に行われる
荒研削に用いられる荒砥石ホルダ30がスピンドル10
に形成されている工具取付部25に取り付けられる。い
ま、この荒砥石ホルダ30が、砥石ストッカ3の加工工
具収納部65Aに収納された状態であるとして、荒砥石
ホルダ30を工具取付部25に取り付けて荒研削を行う
までの手順について、図11に示すフローチャート並び
に図12および図13に示す工程図に沿って説明する。
【0067】図11は、荒砥石ホルダ30をスピンドル
10の工具取付部25に取り付けて荒研削を開始するま
での工程を示すフローチャート、図12は、その工程を
側面視した工程図、図13は、その工程を平面視した工
程図である。
【0068】自動工具交換装置2における荒砥石ホルダ
30を保持する第1保持アーム51は、図12(a)に
仮想線で示すように、第1加工工具収納部65Aに収納
された荒砥石ホルダ30の把持部32と同じ高さ位置と
されている。このとき、第1保持アーム51の保持部材
53は開いている。この状態から、砥石ストッカ3にお
ける荒研削に用いる荒砥石ホルダ30が収納された第1
加工工具収納部65Aの位置まで第1保持アーム51を
旋回移動させる(S1)。ここで、第1保持アーム51
が旋回するときには、第1保持アーム51は、旋回テー
ブル55の内側方向に移動しているので、その旋回半径
は小さくなる。こうして、第1保持アーム51が旋回す
る際に、第1保持部材53が加工工具収納部65Cなど
に収納された荒砥石ホルダとぶつからないようにされて
いる。また、旋回半径が小さいことから、第1保持部材
53で保持している荒砥石ホルダ30を落とす危険が小
さくなるとともに、旋回のためのエネルギが少なくて済
むようになる。さらには、第2保持アーム52は開いて
おり、しかも旋回テーブル55の内側方向に移動してい
るので、第1保持アーム51同様、加工工具収納部65
Cなどに収納された荒砥石ホルダなどとぶつからないよ
うにされている。こうして、第1保持アーム51が第1
加工工具収納部65Aの位置に到達したら、図13
(a)に実線で示すように、第1保持部材53を閉じて
荒砥石ホルダ30の把持部32を保持する(S2)。
【0069】荒砥石ホルダ30の把持部32を保持した
ら、自動工具交換装置2における図示しない上下動シリ
ンダによって図12(a)に実線で示す位置まで上下動
ベース62を上昇させる。この上下動ベース62の上昇
によって、荒砥石ホルダ30を保持する第1保持アーム
51を上昇させて、荒砥石ホルダ30を第1加工工具収
納部65Aから引き抜く(S3)。一方、保持アーム5
2では、何も保持しておらず、保持部材54は開いたま
まである。次に、ロッドレスシリンダの第1移動ベース
56を作動させて、図12(a)に仮想線で示すよう
に、第1保持アーム51を旋回テーブル55の半径方向
内側に移動させる(S4)。続いて、図12(b)に実
線で示すように、旋回テーブル55を旋回させて、第1
保持アーム51をスピンドル10に対応する位置まで移
動させる(S5)。さらに、図13(b)に実線で示す
ように、移動ベース56を旋回テーブル55の半径方向
外側いっぱいに移動させて、第1保持部材53に保持さ
れた荒砥石ホルダ30を研削部1におけるスピンドル1
0の真下に位置させる(S6)。
【0070】スピンドル10の真下に荒砥石ホルダ30
が位置したら、図12(b)に実線で示すように、スピ
ンドル10をスピンドル上下動装置11によって下降さ
せる(S7)。スピンドル10を下降させると、スピン
ドル10に形成された工具取付部25に荒砥石ホルダ3
0のシャンク部31が挿入され、やがて荒砥石ホルダ3
0における把持部32の裏面32Aと工具取付部25の
表面25A(図7)が接触する。荒砥石ホルダ30にお
ける把持部32の裏面32Aと工具取付部25の表面2
5Aが接触したら、ドローバー26を引っ張り、クラン
プ機構28によって荒砥石ホルダ30のプルスタッド3
5を拘束して、荒砥石ホルダ30をクランプする(S
8)。こうして、工具取付部25に荒砥石ホルダ30が
固定して取り付けられる。
【0071】ここまでの工程を経ている間に、真空保持
回転装置40における回転テーブル42には、被加工物
(被研削物)であるシリコンウェーハSが図示しないロ
ボットアームによって搬送されてくる。シリコンウェー
ハSを搬送してきて回転テーブル42上に載置したら、
図示しないエアポンプによって回転テーブル42に形成
された真空吸着孔42a,42a…から負圧が掛けられ
て、シリコンウェーハSが回転テーブル42に真空吸着
される。
【0072】また、クランプ機構28によって荒砥石ホ
ルダ30をクランプしたら、図13(c)に仮想線で示
すように、第1保持部材53を開いて荒砥石ホルダ30
を解放する(S9)。続いて、図13(c)に仮想線で
示すように、移動ベース56を旋回テーブル55の内側
に移動させ、第1保持アーム51を内側に移動させるこ
とによって後退させる(S10)。第1保持アーム51
が後退したら、図12(c)に示すように、荒砥石ホル
ダ30の荒砥石34の下面が真空保持回転装置40に真
空保持されている被加工物(被研削物)であるシリコン
ウェーハSの表面に接触する位置までハウジング10A
およびスピンドル10を下降させる(S11)。スピン
ドル10を下降させたら、スピンドルモータ10Bでス
ピンドル10を鉛直軸Z1周りに回転させるとともに、
モータ43で回転テーブル42を鉛直軸Z2周りに回転
させることによって、シリコンウェーハSの片面研削の
荒研削が開始される(S12)。このとき、ノズル20
B(図5)から荒砥石ホルダ30の荒砥石34の向け
て、加工液が噴射される。
【0073】かかる工程を経て、荒砥石ホルダ30が工
具取付部25に取り付けられ、一通り荒砥石ホルダ30
による荒研削が終了したら、荒さの異なる第2荒砥石ホ
ルダ30′と荒砥石ホルダ30を交換して、再び荒研削
を行う。次に、荒砥石ホルダ30を第2荒砥石ホルダ3
0′と交換して、第2荒砥石ホルダ30′で荒研削を行
うまでの工程について図14に示すフローチャートおよ
び図15に示す工程図に沿って説明する。図14は、荒
砥石ホルダ30を第2荒砥石ホルダ30′と交換して第
2荒砥石ホルダ30′で荒研削を行うまでの工程を示す
フローチャート、図15は、その工程を側面視した工程
図である。
【0074】研削部1で荒砥石ホルダ30による荒研削
が行われている間に、自動工具交換装置2では、荒砥石
ホルダ30と第2荒砥石ホルダ30′を素早く交換でき
るように、第2保持アーム52における保持部材54で
第2荒砥石ホルダ30′を保持しておく。そこで、ま
ず、第2保持アーム52を、砥石ストッカ3における第
2荒砥石ホルダ30′が収納されている第2加工工具収
納部65Bの位置まで旋回移動させる(S21)。次
に、第2保持アーム52を下降させ、旋回テーブル55
の半径方向外側に移動させる(S22)。続いて、図1
5(a)に仮想線で示すように、第2保持部材54を閉
じ、第2保持部材54で第2荒砥石ホルダ30′の把持
部32を保持する(S23)。荒砥石ホルダ30′の把
持部32を保持したら、図15(a)に示すように、第
2保持アーム52を上昇させ、旋回テーブル55の半径
方向内側に移動させる(S24)。ここまでの工程で第
2荒砥石ホルダ30′が第2保持アーム52に保持され
る。第2保持アーム52によって第2荒砥石ホルダ3
0′を保持したら、第1保持アーム51をスピンドル1
0の位置に旋回移動させて(S25)、荒砥石ホルダ3
0による荒研削が終了するのを待つ。
【0075】やがて、荒砥石ホルダ30による所定の荒
研削が終了したら、スピンドル10および回転テーブル
42の回転を停止させる(S26)。こうして、荒砥石
ホルダ30による荒研削が終了したら、図15(b)に
示すように、スピンドル10の工具取付部25に取り付
けられている荒砥石ホルダ30の把持部32が第1保持
アーム51とほぼ同じ高さ位置となるまでスピンドル1
0を上昇させる(S27)。荒砥石ホルダ30の把持部
32が第1保持アーム51とほぼ同じ高さ位置となった
ら、第1保持アーム51を旋回テーブル55の半径方向
外側に移動させ、第1保持部材53を閉じて第1保持部
材53で荒砥石ホルダ30の把持部32を保持する(S
28)。荒砥石ホルダ30の把持部32を保持したら、
スピンドル10におけるドローバー26を下方に押し出
して、荒砥石ホルダ30のプルスタッド35を解放し
て、クランプ機構28による荒砥石ホルダ30のクラン
プを解除する(S29)。荒砥石ホルダ30のクランプ
を解除した後、スピンドル10を上昇させて(S3
0)、工具取付部25から荒砥石ホルダ30を引き抜
く。さらに、第1保持アーム51を旋回テーブル55の
半径方向内側に移動させる(S31)。第1保持アーム
51を移動させて、荒砥石ホルダ30を退避させたら、
第2保持アーム52をスピンドル10の位置に旋回移動
させて第2荒砥石ホルダ30′をスピンドル10に対応
する位置に移動させる(S32)。それから、図15
(c)に示すように、第2保持アーム52を旋回テーブ
ル55の半径方向外側に移動させて(S33)、第2荒
砥石ホルダ30′をスピンドル10の真下位置に移動さ
せる。その後、スピンドル10を下降させて(S3
4)、スピンドル10に形成されている工具取付部25
に第2荒砥石ホルダ30′のシャンク部31を挿入す
る。シャンク部31が挿入されたら、スピンドル10に
おけるドローバー26を引っ張って、第2荒砥石ホルダ
30′におけるプルスタッド35を引っ張って、クラン
プ機構28によって第2荒砥石ホルダ30′をクランプ
する(S35)。
【0076】第2荒砥石ホルダ30′をクランプした
ら、第2保持部材54を開いて(S36)、第2保持部
材54は荒砥石ホルダ30′を解放する。荒砥石ホルダ
30′を解放した後は、第2保持アーム52を旋回テー
ブル55の半径方向内側に移動させる(S37)。続い
て、図15(c)に示すように、スピンドル10を下降
させて(S38)、第2荒砥石ホルダ30′における荒
砥石34の下面をシリコンウェーハSの表面に当接させ
る。そして、スピンドルモータ10Bによってスピンド
ル10を鉛直軸Z1周りに、回転テーブル42を鉛直軸
Z2周りに回転させて、第2荒砥石ホルダ30′による
荒研削が開始される(S39)。
【0077】かかる工程を経て、第2荒砥石ホルダ30
が工具取付部25に取り付けられ、第2荒砥石ホルダ3
0による所定の荒研削が終了したら、第2荒砥石ホルダ
30′を取り外して、仕上砥石部材20による仕上研削
が行われる。仕上砥石部材20による仕上研削を行う際
には、工具取付部25が切粉や研削液で汚れるのを防止
するために、カバー部材36を工具取付部25に取り付
けて、工具取付部25を覆うことによって汚れから保護
している。
【0078】続いて、第2荒砥石ホルダ30′を工具取
付部25から取り外して、工具取付部25にカバー部材
36を取り付けて、仕上砥石部材20によって仕上研削
を行う工程について図16に示すフローチャートおよび
図17に示す工程図を参照して説明する。図16は、第
2荒砥石ホルダ30′による荒研削から仕上砥石部材2
0による仕上研削を行うまでの工程を示すフローチャー
ト、図17は、その工程を側面視した工程図である。
【0079】研削部1で第2荒砥石ホルダ30′による
荒研削が行われている間に、自動工具交換装置2では、
第2荒砥石ホルダ30′を取り外して、カバー部材36
を工具取付部25に取り付けることができるように、第
1保持アーム51における第1保持部材53でカバー部
材36を保持しておく。しかし、第1保持部材53で
は、先の荒研削で用いた荒砥石ホルダ30が保持されて
いる。そこで、まず、旋回テーブル55を旋回させて、
荒砥石ホルダ30を砥石ストッカ3における第1加工工
具収納部65Aに対応する位置に移動させる(S4
1)。荒砥石ホルダ30を第1加工工具収納部65Aに
対応する位置に移動したら、第1保持アーム51を旋回
テーブル55の半径方向外側に移動させて(S42)、
荒砥石ホルダ30を第1加工工具収納部65Aの真上の
位置まで移動させる。荒砥石ホルダ30が第1加工工具
収納部65Aの真上に位置したら、第1保持アーム51
を下降させて(S43)、荒砥石ホルダ30を第1加工
工具収納部65Aに収納する。続いて、第1保持部材5
3を開いて(S44)、第1荒砥石ホルダ30の把持部
32を開放する。こうして、荒砥石ホルダ30が第1加
工工具収納部65Aに収納されて、第1保持部材53は
何も保持していない状態となる。
【0080】第1保持部材53が何も保持していない状
態となったら、第1保持部材53を開いたまま、旋回テ
ーブル55によって第1保持アーム51を旋回させて、
第1保持アーム51をカバー部材収納部66まで移動さ
せる(S45)。第1保持アーム51をカバー部材収納
部66まで移動させたら、第1保持部材53を閉じて、
カバー部材36のカバーホルダ部38を保持する(S4
6)。カバー部材36を保持したら、図17(a)に示
すように、第1保持アーム51を上昇させ(S47)、
旋回テーブル55の半径方向内側に移動させる。こうし
て、カバー部材36が第1保持アーム51によって保持
される。第1保持アーム51でカバー部材36を保持し
たら、第2保持アーム52をスピンドル10の位置に移
動させて(S48)、第2荒砥石ホルダ30′による荒
研削が終了するのを待つ。
【0081】やがて、第2荒砥石ホルダ30′による所
定の荒研削が終了したら、スピンドル10および回転テ
ーブル42の回転を停止させる(S49)。こうして、
第2荒砥石ホルダ30′による荒研削が終了したら、ス
ピンドル10における工具取付部25に取り付けられて
いる第2荒砥石ホルダ30′の把持部32が第1保持ア
ーム51とほぼ同じ高さ位置となるまでスピンドル10
を上昇させる(S50)。スピンドル10を上昇させた
後、第2保持アーム52を旋回テーブル55の半径方向
外側に移動させ、第2保持部材54を閉じて第2保持部
材54で第2荒砥石ホルダ30′の把持部32を保持す
る(S51)。第2荒砥石ホルダ30′の把持部32を
保持したら、スピンドル10におけるドローバー26を
押し出して、クランプ機構28による第2荒砥石ホルダ
30′のクランプを解除する(S52)。続いて、図1
7(a)に示すように、スピンドル10を上昇させて
(S53)、工具取付部25から荒砥石ホルダ30を引
き抜く。さらに、第2保持アーム52を旋回テーブル5
5の半径方向内側に移動させる(S54)。第2保持ア
ーム52を移動させて、第2荒砥石ホルダ30′を退避
させたら、第1保持アーム51をスピンドル10の位置
に旋回移動させてカバー部材36をスピンドル10に対
応する位置に移動させる(S55)。それから、図17
(b)に示すように、第1保持アーム51を旋回テーブ
ル55の半径方向外側に移動させて、カバー部材36を
スピンドル10の真下に位置させてから、図17(b)
に仮想線で示すように、スピンドル10を下降させる
(S56)。スピンドル10が下降することにより、カ
バー部材36の本体部37がスピンドル10に形成され
た工具取付部25挿入される。カバー部材36における
本体部37が工具取付部25に挿入されたら、ドローバ
ー26を引っ張り、カバー部材36におけるプルスタッ
ド39を拘束することにより、クランプ機構28でカバ
ー部材36をクランプする(S57)。
【0082】カバー部材36をクランプしたら、スピン
ドル10を再び上昇させる(S58)。スピンドル10
が上昇すると、スピンドル10とともに、クランプ機構
28にクランプされたカバー部材36の本体部37が上
昇する。本体部37が上昇する一方で、カバー部材36
のカバーホルダ部38は第1保持部材53に保持された
ままであるので、カバー部材36の本体部とカバーホル
ダ部38が分離する。このカバーホルダ部38は、仕上
研削時には不要であり、研削部1に位置していると邪魔
となるので、別途カバーホルダ収納部67に収納してお
く。そのため、図17(c)に示すように、カバーホル
ダ部38を保持する第1保持アーム51を旋回テーブル
55の半径方向内側に移動させる(S59)。第1保持
アーム51を移動させたら、旋回テーブル55を旋回さ
せて、第1保持アーム51をカバーホルダ収納部67の
位置まで移動させる(S60)。それから、第1保持ア
ーム51をそのまま下降させて(S61)、カバーホル
ダ部38をカバーホルダ収納部67に収納しておく(S
62)。このように、カバーホルダ部38をカバーホル
ダ収納部67に収納しておくことにより、第1保持アー
ム51からカバーホルダ部38を落としてしまうことな
どの事故を防止することができる。
【0083】一方、カバー部材36の本体部37が工具
取付部25に取り付けられたスピンドル10を、その後
下降させて(S63)、仕上砥石部材20の仕上砥石2
2の下面がシリコンウェーハSの表面に当接させる。そ
して、スピンドル10を鉛直軸Z1周りに、回転テーブ
ル42を鉛直軸Z2周りに回転させて、仕上砥石部材2
0による仕上研削が開始される(S64)。仕上研削が
行われている間は、ノズル20Aから仕上砥石部材20
における加工液供給孔21a,21a…を介して仕上砥
石22に加工液が噴射供給される。
【0084】こうして、仕上研削が行われている間、第
1保持アーム51では、カバー部材36のカバーホルダ
部38を保持したまま、カバーホルダ部38はカバーホ
ルダ収納部67に収納されている。やがて、仕上研削が
終了すると、シリコンウェーハSの研削工程が完了す
る。次に、仕上砥石部材20による仕上研削から研削工
程の終了までの工程について図18に示すフローチャー
トを参照して説明する。
【0085】図18は、仕上砥石部材による仕上研削か
ら終了までの工程を示すフローチャートである。図18
に示すように、仕上砥石部材20による仕上研削が終了
したら、カバー部材36におけるカバーホルダ部38を
本体部37に取り付けて、本体部37を工具取付部25
から取り外す。そのために、仕上砥石部材20による仕
上砥石が終了する直前になったら、カバーホルダ部38
をスピンドル10の位置に移動しておく。そのため、ま
ず、カバーホルダ部38を保持している第1保持アーム
51を上昇させて(S71)、カバーホルダ部38をカ
バーホルダ収納部67から取り出す。カバーホルダ部3
8を取り出したら、旋回テーブル55を旋回させて、第
1保持アーム51をスピンドル10の位置まで旋回移動
させる(S72)。この位置で、仕上砥石部材20によ
る仕上研削が終了するのを待つ。
【0086】やがて、仕上砥石部材20による仕上研削
が終了したら、スピンドル10および回転テーブル42
の回転が停止される(S73)。スピンドル10および
回転テーブル42の回転を停止させて仕上研削が終了し
たら、第1保持アーム51よりも高い位置までスピンド
ル10を上昇させる(S74)。次に、第1保持アーム
51を旋回テーブル55の半径方向外側に移動させて、
カバー部材36のカバーホルダ部38を本体部37の真
下に位置させる(S75)。続いて、スピンドル10を
下降させ(S76)、カバー部材36のカバーホルダ部
38に本体部37を取り付ける。それから、スピンドル
10におけるドローバー26を押し出して、プルスタッ
ド39の拘束を解放して、カバー部材36における本体
部37のクランプ機構28によるクランプを解除する
(S77)。クランプを解除したら、スピンドル10を
上昇させて(S78)、カバー部材36の本体部37を
スピンドル10における工具取付部25から引き抜く。
それから、第1保持アーム51を旋回テーブル55の半
径方向内側に移動させる(S79)。続いて、旋回テー
ブル55を旋回させて、第1保持アーム51をカバー部
材収納部66へ旋回移動させる(S80)。さらに、第
1保持アーム51を旋回テーブル55の半径方向外側に
移動させ、第1保持アーム51を下降させることによっ
て、カバー部材36のカバーホルダ部38がカバー部材
収納部66に挿入される(S81)。そして、第1保持
部材53を開くことによって、カバー部材36がカバー
部材収納部66に収納される(S81)。その後、研削
部1における真空保持回転装置40における図示しない
エアポンプからの負圧がなくなり、回転テーブル42と
シリコンウェーハSの間の真空が破壊されて、シリコン
ウェーハSが取り外し可能となる。そして、やはり図示
しないロボットアームによって研削されたシリコンウェ
ーハSが取り出されて、次の洗浄工程などが行われる洗
浄装置などへ搬送される。こうして、荒研削から仕上研
削までの一連の研削工程が完了する。
【0087】また、仕上研削が終了した後、シリコンウ
ェーハSにおける仕上研削された面をブラッシング部材
70によってブラッシングすることもできる。ブラッシ
ング部材70によってブラッシング加工する際には、工
具取付部25に取り付けられていたカバー部材36の本
体部37を取り外す際に、第2保持アーム52の第2保
持部材54でブラッシング部材70の把持部72を把持
しておく。そして、カバー部材36を第1保持アーム5
1の保持部材53が把持してカバー部材収納部66に収
納する際に、ブラッシング部材70のシャンク部71を
工具取付部25に取り付ける。それからスピンドル10
に設けられているクランプ機構28によってブラッシン
グ部材70のプルスタッド75を拘束して、ブラッシン
グ部材70をクランプする。
【0088】この状態で、第2保持アーム52を退避さ
せるとともに、スピンドル10を加工させて、ブラッシ
ング部材70の砥粒入りブラシ74をシリコンウェーハ
Sに接触させる。この状態で、スピンドル10および回
転テーブル42上のシリコンウェーハSを回転させなが
ら、ブラッシング処理を行うことができる。このブラッ
シング処理を行うことにより、ナイロン糸Nの柔軟性
と、ダイヤモンド砥粒DMの優れた研削力によってシリ
コンウェーハSの研削面を、加工歪のない抗折強度の高
い、より高度な面状態にすることができる。また、エッ
チングやポリッシングといった後処理の工程や薬品を必
要としなくなるとともに、被加工物の表面の洗浄が容易
となる。
【0089】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。本実施形態では、加工装置として、図19およ
び図20に示すエッジ研削装置EMを用いている。図1
9に示すように、本発明に係る加工装置としてのエッジ
研削装置EMは、基台80を備えており、基台80には
エッジ研削部81が設けられている。また、エッジ研削
部81の上方には、円形薄板からなるシリコンウェーハ
Sを吸引保持するウェーハ保持装置90が配設されてい
る。
【0090】エッジ研削部81には、スピンドル82が
その軸線を水平にして設けられており、スピンドル82
の後方には、スピンドル82を回転させるためのモータ
83が設けられている。スピンドル82には、仕上砥石
部材84のリング状の砥石台84AがボルトB,B(図
21)によって固定して取り付けられている。この砥石
台84Aには、円盤状の仕上砥石84Bが固定されてい
る。この仕上砥石84Bとしては、メッシュサイズが♯
2000程度と細かい砥石が用いられる。
【0091】スピンドル82には、仕上砥石部材84と
同心状であり、テーパを有する取付孔からなる工具取付
部85が形成されている。この工具取付部85の後方に
は、ドローバー86Aおよびボール86B,86Bより
なる周知のプルスタッドクランプ機構86が設けられて
いる。そして、スピンドル82は、スピンドル82の回
転軸に沿った方向(図19の左右方向)およびこの回転
軸に直交する水平方向(図19の紙面を貫く方向)にそ
れぞれ移動可能とされている。
【0092】また、荒研削を行う際、工具取付部85に
は、荒砥石ホルダ87が取り付けられる。この荒砥石ホ
ルダ87は、工具取付部85に挿入されるテーパ状のシ
ャンク部87Aを有しており、シャンク部87Aの前方
(図19の左方)には把持部87Bが形成されている。
この把持部87Bのさらに前方には、円盤状の荒砥石8
7Cが形成されている。この荒砥石87Cとしては、た
とえばメッシュサイズが♯600程度と荒い砥石が用い
られる。さらに、シャンク部87Aの後方には、プルス
タッド87Dが設けられている。そして、荒砥石ホルダ
87を工具取付部85に挿入してプルスタッドクランプ
機構86で固定した際にはプルスタッド87Dがドロー
バー86Aにボール86B,86Bを挟んで引っ張られ
て荒砥石ホルダ87が工具取付部85にクランプされて
定位置に装着される。
【0093】さらに、スピンドル82の側方には、保持
アームを有する図示しない自動工具交換装置が設けられ
ている。この自動工具交換装置における保持アームは、
荒砥石ホルダ87における把持部87Bを保持すること
ができるようになっている。この自動工具交換装置とし
ては、前記実施形態で用いた自動工具交換装置2の保持
アーム51,52が、仕上砥石部材84や荒砥石ホルダ
87の回転軸と平行な水平軸周りに回動可能とされたも
のを用いることができるので、その説明は省略する。
【0094】また、仕上砥石部材84によって仕上研削
を行う際には、図20に示すように、工具取付部85に
カバー部材88が取り付けられる。このカバー部材88
は、図6に示す第1の実施形態で使用したカバー部材3
6における本体部37とカバーホルダ部38が一体とな
った形状をなしている。そして、荒砥石ホルダ87にお
けるシャンク部87Aとほぼ同一のテーパが付与されて
おり、工具取付部85に入り込む。その後方には、荒砥
石ホルダ87に設けられてプルスタッド87Dと同一形
状のプルスタッド88Dが取り付けられている。また、
カバー部材88は、荒砥石ホルダ87における把持部8
7Bとほぼ同一の形状を把持部を有しており、図示しな
い自動工具交換装置における保持アームによって保持す
ることができるようになっている。
【0095】また、ウェーハ保持装置90は、鉛直軸Z
4周りに回転可能な支持軸91を有している。この支持
軸91の下方には、シリコンウェーハSを真空吸着する
吸着パッド92が設けられている。この吸着パッド92
の下面には図示しない複数のエア吸引溝が形成されてお
り。このエア吸引溝内を負圧にすることによって吸着パ
ッド92の下面にシリコンウェーハSが吸着保持され
る。また、支持軸91は、上下動機構93を有してい
る。この上下動機構93は、レール93Aとスライダ9
3Bを備えており、スライダ93Bがレール93Aに沿
って摺動することによって、支持軸91を介して吸着パ
ッド92に吸着されたシリコンウェーハSが上下動する
ようになっている。さらに、上下動機構93の上方に
は、支持軸91を回転させるためのモータ94が設けら
れている。このモータ94を駆動することによって、支
持軸91が回転し、吸着パッド92および吸着パッド9
2に吸引保持されるシリコンウェーハSが鉛直軸Z4周
りに回転する構成になっている。
【0096】以上の構成を有するエッジ研削装置EMの
動作について説明する。図21は、本実施形態に係るエ
ッジ研削装置におけるエッジ研削の工程を示す工程図で
ある。
【0097】エッジ研削を行う前段階では、スピンドル
82における工具取付部85には荒砥石ホルダ87は取
り付けられていない。この状態から、図示しない保持ア
ームによって荒砥石ホルダ87を保持して、図21
(a)に示すように、荒砥石ホルダ87が工具取付部8
5の前方に位置させ、スピンドル82を前進させる。ス
ピンドル82を前進させると、やがて工具取付部85に
荒砥石ホルダ87のシャンク部87Aが挿入される。工
具取付部85に荒砥石ホルダ87のシャンク部87Aが
挿入されたら、荒砥石ホルダ87のプルスタッド87D
をドローバー86Aを挟んで引っ張って、荒砥石ホルダ
87をクランプして工具取付部85に装着して取り付け
る。荒砥石ホルダ87が工具取付部85に取り付けられ
たら、図21(a)の状態から図21(b)に示すよう
に、荒砥石87Cの端部が平面視してシリコンウェーハ
Sのエッジ部に重なるまでスピンドル82を左側方に移
動させる。
【0098】この状態でシリコンウェーハSのエッジ研
削が行われる。シリコンウェーハSのエッジ研削を行う
際には、スピンドル82を回転させて、荒砥石87Cを
水平軸周りに回転させる。このとき、スピンドル82を
前後方向に前後動を繰り返させるとともに、その繰り返
し周期に同期させて、ウェーハ保持装置90の図示しな
い上下動部材を上下方向に上下動を繰り返させる。この
ようにスピンドル82および上下動部材を移動させるこ
とにより、シリコンウェーハSに対して荒砥石87Cが
相対的にシリコンウェーハSのエッジに沿って移動す
る。このようにして、シリコンウェーハSのエッジ研削
のうちの荒研削が行われる。
【0099】こうして、所定の荒研削が終了したら、図
示しない自動工具交換装置における保持アームで荒砥石
ホルダ87の把持部87Bを保持し、スピンドル82を
後退させて、荒砥石ホルダ87をスピンドル82におけ
る工具取付部85から取り外す。その後、保持アームを
回転させて、荒砥石ホルダ87があったスピンドル82
の前方位置にカバー部材88を位置させる。
【0100】そして、スピンドル82を前進させて、ス
ピンドル82における工具取付部85に、カバー部材8
8を挿入させる。カバー部材88が工具取付部85に挿
入されたら、ドローバー86Aを引っ張って、カバー部
材88のプルスタッド88Dを挟んでカバー部材88を
クランプする。カバー部材88をクランプしたら、自動
工具交換装置における保持アームを退避させて、保持ア
ームを仕上研削の邪魔とならない位置に移動させる。
【0101】この状態で、荒研削を行った場合と同様
に、スピンドル82を回転させて、仕上砥石部材84を
水平軸回りに回転させる。このとき、スピンドル82を
前後方向に前後動を繰り返させるとともに、その繰り返
し周期に同期させて、ウェーハ保持装置90の上下動部
材を上下方向に上下動を繰り返させる。こうして、シリ
コンウェーハSのエッジ研削が行われ、エッジ研削工程
が終了する。
【0102】ここまで、エッジ研削を行うにあたり、荒
研削と仕上研削をそれぞれ1回づつ行う工程について説
明したが、シリコンウェーハSを製造する条件などによ
っては、荒研削を2回以上行う場合もある。その例とし
ては、メッシュサイズが♯600程度と荒い荒砥石で荒
研削を行ってから、メッシュサイズが♯1200程度と
中ほどの荒さの荒砥石で荒研削を行う。その後、メッシ
ュサイズが♯2000程度の仕上砥石で仕上研削を行う
ようにしてもよい。
【0103】また、カバー部材としては、前記第1の実
施形態で用いたカバー部材のほか、その変形例として、
図22に示すものを用いることもできる。図22
(a),(b)とも、本発明に係るカバー部材の他の実
施形態を示す分解斜視図である。
【0104】図22(a)に示すカバー部材100は、
本体部101と、カバーホルダ部102を有している。
また、本体部101の後端部には、スピンドル10にお
けるクランプ機構28(図2)によって拘束されるプル
スタッド101Dが設けられている。このうちの本体部
101は、鉄など磁石に吸着する材質で製造されてお
り、カバーホルダ部102は磁力を発生させて本体部1
01を吸着するマグネットによって構成されている。ま
た、このマグネットからなるカバーホルダ部102は、
たとえば電磁石によって形成されており、磁力を発生さ
せたり消滅させたりすることができるようになってい
る。このカバー部材100では、図7に示す工具取付部
25に本体部101を取り付けるにあたり、自動工具交
換装置2における保持アーム51(52)でカバーホル
ダ部102を保持しているときには、磁力によって本体
部101を吸着する。そして、本体部101が工具取付
部25に挿入されたときに、カバーホルダ部102から
の磁力を消滅させることによって、本体部101からカ
バーホルダ部102を取り外すことができるようにな
る。
【0105】また、図22(b)に示すカバー部材10
3は、本体部104とカバーホルダ部105を有してい
る。また、カバーホルダ部105における本体部104
側の位置には、側面視してT字形状をなす抜け止め用の
係合突起106が設けられている。係合突起106は、
カバーホルダ部105の表面に直交する縦軸部106A
とこの縦軸部106Aに直交する横軸部106Bによっ
て構成されている。また、本体部104におけるカバー
ホルダ部105と接する面には、係合突起106が嵌合
する係合孔107が切り込まれている。この係合孔10
7は、細長い係合部107aが本体部104の奥行き方
向に切り込まれており、この係合部107aの終端に平
面視して扇形の嵌め込み部97b,97cが形成されて
構成されている。係合部107aの開口部の長さは、係
合突起106の横軸部106Bよりもわずかに長くされ
ており、奥行き方向の長さは、係合突起106の縦軸部
106Aとほぼ同じ長さとされている。係合孔107の
係合部107aの最奥方に送り込まれた係合突起106
は、係合部107b,107cに対しておよそ90度回
転させると、係合部107b,107cの壁面に到達し
て回転が抑止され、かつ軸方向に抜け止め状態になって
いる。
【0106】このカバー部材103は、スピンドル10
における工具取付部25に取り付けられていないときに
は、カバーホルダ部105に設けられた係合突起106
が本体部104に形成された係合孔107に嵌め込まれ
て、本体部104にカバーホルダ部105が取り付けら
れている。また、カバー部材103が工具取付部25に
取り付けられる際には、本体部104を工具取付部25
に挿入した後、保持アーム51(52)でカバーホルダ
部105を保持したまま、スピンドル10をわずかに回
転させる。すると、本体部104に対してカバーホルダ
部105が相対的に回転して、係合突起106の横軸部
106Bと係合孔107の係合部107aの向きが同一
となる。この状態でスピンドル10を上昇させることに
よって、係合突起106が係合孔107から抜け出す。
こうして、カバーホルダ部105を本体部104から分
離することができるようになっている。
【0107】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるもので
はない。たとえば、荒砥石ホルダは1回や2回にとどま
らず、さらに複数回交換することができる。また、取り
付け精度をあまり必要としない研磨布、研磨パッドによ
るポリシング加工を仕上研削後に工具取付部に取り付け
ることができる。さらには、自動工具交換装置としては
工具交換アームを用い、砥石ストッカから荒砥石ホルダ
を取り出すようにしているが、通常のマシニングセンタ
に用いられているアームレスマガジンなどを用いること
もできる。
【0108】また、たとえば砥石ストッカに同じメッシ
ュサイズが同じ砥石を複数収納しておき、同様の研削を
行う場合にも、それらメッシュサイズが同じ砥石を順番
に使用する態様とすることもできる。その他、メッシュ
サイズが同じ砥石を複数用意しておき、1つの砥石が摩
耗してしまった後に、メッシュサイズが同じ新しい砥石
を用いるようにすることもできる。
【0109】他方、前記各実施形態では、加工装置を研
削装置とし、仕上加工工具および荒加工工具をそれぞれ
仕上砥石および荒砥石としているが、たとえば加工装置
としてたとえばマシニングセンタを用いることもでき
る。マシニングセンタを用いる場合、仕上加工工具とし
ては仕上(S81)砥石のほか、たとえば高精度を要求
されるフライスカッターなどをスピンドルとなる主軸に
固定するすることもできる。また、荒加工工具として
は、荒砥石のほか、ドリルなど比較的精度が要求されな
い工具を工具取付部に取り付ける態様とすることもでき
る。
【0110】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のうち、請求項1
に係る発明によれば、スピンドルに固定された仕上砥石
で仕上研削を行う際に、工具取付部にカバー部材を取り
付けることにより、カバー部材によって工具取付部が覆
われているので、工具取付部を汚さないようにすること
ができる。
【0111】請求項2に係る発明によれば、高い精度で
の研削が要求される仕上砥石がスピンドルに固定されて
いるので、精度の高い仕上研削を行うことができる。
【0112】請求項3に係る発明によれば、高い精度の
研削が比較的要求されない荒砥石が工具取付部に取り付
けられるので、荒砥石を容易に交換することができる。
【0113】請求項4に係る発明によれば、ウェーハな
どのワークの片面を好適に研削することができる。
【0114】請求項5に係る発明によれば、円形薄板か
らなるワークのエッジ部を好適に研削することができ
る。
【0115】請求項6に係る発明によれば、たとえば荒
砥石を備える荒加工工具で荒研削を行った後、ブラッシ
ング部材を工具取付部に取り付けてブラッシングを行う
ことができる。また、荒さの異なる荒砥石を複数用いて
段階的に荒研削を円滑に行うことができる。
【0116】請求項7に係る発明によれば、仕上研削加
工によって被研削物の被研削面に生じた加工歪みを除去
するために、仕上研削加工後に、スピンドルの工具取付
部にブラッシング部材を取り付け、ブラッシング加工を
行うことができる。
【0117】請求項8に係る発明によれば、仕上研削さ
れた被加工物の片面の加工歪みを除去することができる
ので、被加工物の抗折強度を高められる。また、エッチ
ングやポリッシングといった後処理の工程や薬品を必要
としなくなるとともに、被加工物の表面の洗浄が容易と
なる。
【0118】請求項9に係る発明によれば、仕上研削後
のブラッシングに用いて好適なダイヤモンドまたはSi
2砥粒が固定された多数のナイロン糸で構成された砥
粒入りブラシを用いることができる。
【0119】請求項10に係る発明によれば、自動工具
交換装置が設けられているので、荒加工から仕上加工に
至るまでの工程を、連続的かつ自動的に継続して行うこ
とができる。
【0120】請求項11に係る発明によれば、一方の保
持部材で工具取付部に取り付けられている工具を保持す
るとともに、他方の保持部材で新たに工具取付部に取り
付ける工具を保持することができる。このため、自動工
具交換を短時間で行うことができる。
【0121】請求項12に係る発明によれば、加工工具
などを保持していない保持部材を開いておくことによ
り、保持アームを旋回させる際に、保持部材の先端部の
旋回半径を小さくすることができる。このため、加工装
置全体としての小型化に寄与することができる。
【0122】請求項13に係る発明によれば、加工工具
などを保持する保持部材を保持アームの旋回中心に近づ
けるように移動することによって、荒加工工具などを保
持する保持部材の旋回半径を小さくすることができる。
このため、さらに加工装置全体としての小型化に寄与す
ることができる。
【0123】請求項14に係る発明によれば、荒加工工
具を含む複数種の加工工具などを収納するストッカを備
えているので、加工工具などと他の荒加工工具などとの
交換を容易かつ円滑に行うことができる。
【0124】請求項15に係る発明によれば、旋回アー
ムの移動距離が長くならにようにすることができるの
で、加工装置全体としての小型化をさらに図ることがで
きる。
【0125】請求項16に係る発明によれば、カバーホ
ルダ収納部が設けられているので、仕上加工時における
カバーホルダが不要なときには、カバーホルダ収納部に
カバーホルダを収納しておくことができる。
【0126】請求項17に係る発明によれば、スピンド
ルに形成された工具取付部にカバー部材を取り付ける際
には、カバーホルダを自動工具交換装置で保持して、本
体部を工具取付部に取り付けることができる。
【0127】請求項18に係る発明によれば、仕上加工
時であって本体部が取付部に取り付けられているときに
は、カバーホルダを本体部から分離して取り外しておく
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工装置としての片面研削装置の
正面図である。
【図2】研削部の正面図である。
【図3】研削部の平面図である。
【図4】(a)は、仕上砥石部材の斜視図、(b)は、
荒砥石ホルダの斜視図である。
【図5】荒砥石ホルダを取り付けたスピンドルの拡大正
断面図である。
【図6】カバー部材の分解斜視図である。
【図7】カバー部材を取り付けたスピンドルの拡大正断
面図である。
【図8】自動工具交換装置および砥石ストッカの正面図
である。
【図9】自動工具交換装置および砥石ストッカの平面図
である。
【図10】(a)はブラッシング部材の斜視図、(b)
はブラシの拡大図である。
【図11】荒砥石部材をスピンドルの工具取付部に取り
付けて荒研削を開始するまでの工程を示すフローチャー
トである。
【図12】荒砥石部材をスピンドルの工具取付部に取り
付けて荒研削を開始するまでの工程を側面視した工程図
である。
【図13】荒砥石ホルダをスピンドルの工具取付部に取
り付けて荒研削を開始するまでの工程を平面視した工程
図である。
【図14】荒砥石ホルダを第2荒砥石ホルダと交換して
第2荒砥石ホルダで荒研削を行うまでの工程を示すフロ
ーチャートである。
【図15】荒砥石ホルダを第2荒砥石ホルダと交換して
第2荒砥石ホルダで荒研削を行うまでの工程を側面視し
た工程図である。
【図16】第2荒砥石ホルダによる荒研削から仕上砥石
部材による仕上研削を行うまでの工程を示すフローチャ
ートである。
【図17】第2荒砥石ホルダによる荒研削から仕上砥石
部材による仕上研削を行うまでの工程を側面視した工程
図である。
【図18】仕上砥石部材による仕上研削から終了までの
工程を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る加工装置としてのエッジ研削装
置の正面図である。
【図20】スピンドルの工具取付部にカバー部材を取り
付けた状態を示す正面図である。
【図21】エッジ研削装置による研削工程を示す工程図
である。
【図22】(a),(b)とも、本発明に係るカバー部
材の他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図23】従来の片面研削装置の正面図である。
【符号の説明】
1 研削部 2 自動工具交換装置 3 砥石ストッカ 10 スピンドル 20 仕上砥石部材 21 砥石台 22 仕上砥石 25 工具取付部 26 ドローバー 27 ボール 28 クランプ機構 30 荒砥石ホルダ 31 シャンク部 32 把持部 33 砥石台 34 荒砥石 35 プルスタッド 36 カバー部材 37 本体部 38 カバーホルダ部 39 プルスタッド 40 真空保持回転装置 42 回転テーブル 42a 真空吸着孔 51 第1保持アーム 52 第2保持アーム 53 第1保持部材 54 第2保持部材 55 旋回テーブル 65 収納台 65A 第1加工工具収納部 65B 第2加工工具収納部 66 カバー部材収納部 67 カバーホルダ収納部 F 筐体フレーム M 片面研削装置(加工装置) S シリコンウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24B 45/00 B24B 45/00 A

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルに取り付けた工具を回転させ
    て被加工物を加工する加工装置において、 前記スピンドルには、仕上加工工具が固定して取り付け
    られているとともに、荒加工工具を着脱可能に取り付け
    る工具取付部が形成されており、 前記工具取付部を覆うカバー部材が、前記工具取付部に
    対して着脱可能とされていることを特徴とする加工装
    置。
  2. 【請求項2】 前記スピンドルに固定して取り付けた仕
    上加工工具が仕上砥石を備えることを特徴とする請求項
    1に記載の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記荒加工工具が荒砥石を備えることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 前記仕上加工工具がカップ型仕上砥石を
    備えるとともに、前記荒加工工具がカップ型荒砥石を備
    えており、 前記カップ型荒砥石で前記被加工物の片面を荒研削した
    後、前記カップ型仕上砥石で、前記被加工物における荒
    研削された面を仕上研削することを特徴とする請求項1
    に記載の加工装置。
  5. 【請求項5】 前記仕上加工工具が円盤状仕上砥石を備
    え、前記荒加工工具が円盤状荒砥石を備えているととも
    に、前記被加工物は円形薄板であり、 前記円盤状荒砥石で前記円形薄板のエッジを荒研削した
    後、前記円盤状仕上砥石で前記円形薄板のエッジを仕上
    研削することを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  6. 【請求項6】 前記工具取付部には、前記荒加工工具を
    含む複数種の加工工具を着脱可能に取り付けることがで
    きることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのい
    ずれか1項に記載の加工装置。
  7. 【請求項7】 前記工具取付部には、前記荒加工工具を
    含む複数種の加工工具を着脱可能に取り付けることがで
    きるようにされており、 前記複数種の加工工具の一つには、砥粒入りブラシを備
    えたブラッシング工具が含まれることを特徴とする請求
    項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の加工装
    置。
  8. 【請求項8】 前記工具取付部には、前記荒加工工具を
    含む複数種の加工工具を着脱可能に取り付けることがで
    きるようにされ、 前記複数種の加工工具のうちの一つが砥粒入りブラシを
    備えるブラッシング工具であり、 前記カップ型仕上砥石で前記被加工物の片面を仕上研削
    した後、前記ブラッシング工具で、前記被加工物におけ
    る仕上研削された面をブラッシングすることを特徴とす
    る請求項4に記載の加工装置。
  9. 【請求項9】 前記砥粒入りブラシが、ダイヤモンドま
    たはSiO2砥粒が固定された多数のナイロン糸で構成
    されていることを特徴とする請求項7または請求項8に
    記載の片面研削装置。
  10. 【請求項10】 前記工具取付部に取り付けられた前記
    加工工具または前記カバー部材を取り外し、前記カバー
    部材または他の加工工具と交換して前記工具取付部に装
    着する自動工具交換装置を備えることを特徴とする請求
    項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載の加工装
    置。
  11. 【請求項11】 前記自動工具交換装置が、前記加工工
    具およびカバー部材を保持可能な保持部材が設けられた
    旋回可能な保持アームを備えており、 前記保持アームの外側端部のそれぞれに、前記保持部材
    が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の
    加工装置。
  12. 【請求項12】 前記保持部材が、前記保持アームの長
    手方向に沿った軸を中心として対称的に開閉可能とされ
    ており、 前記保持部材の先端部が閉じたときに、前記加工工具ま
    たはカバー部材を前記保持部材によって保持することを
    特徴とする請求項11に記載の加工装置。
  13. 【請求項13】 前記保持アームの長手方向に沿って前
    記保持部材を移動させるスライダ機構を備えることを特
    徴とする請求項11または請求項12に記載の加工装
    置。
  14. 【請求項14】 前記加工工具およびカバー部材をそれ
    ぞれ収納する収納部を備えるストッカが設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいず
    れか1項に記載の加工装置。
  15. 【請求項15】 前記保持アームが旋回する際に、前記
    保持部材が描く軌跡に沿って、前記ストッカにおける収
    納部が配列されていることを特徴とする請求項14に記
    載の加工装置。
  16. 【請求項16】 前記カバー部材は、前記工具取付部に
    取り付けられる本体部と、前記自動工具交換装置に保持
    されるカバーホルダ部を備え、 前記カバーホルダ部は、前記本体部に対して分離可能と
    なるように取り付けられており、 前記カバー部材における本体部を前記工具取付部に取り
    付けたときに、前記本体部から分離された前記カバーホ
    ルダ部を収納するカバーホルダ収納部が前記ストッカに
    設けられていることを特徴とする請求項14または請求
    項15に記載の加工装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16のうちのいず
    れか1項に記載の加工装置に用いられるカバー部材であ
    り、 前記工具取付部に取り付けられる本体部と、前記自動工
    具交換装置に保持されるカバーホルダ部を備えているこ
    とを特徴とする加工装置に用いられるカバー部材。
  18. 【請求項18】 前記カバーホルダ部が、前記本体部に
    対して分離可能となるように取り付けられていることを
    特徴とする請求項17に記載の加工装置に用いられるカ
    バー部材。
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WO2021220753A1 (ja) * 2020-05-01 2021-11-04 東京エレクトロン株式会社 交換装置、及び交換方法

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