JP2002144175A - 門形フライス盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 工具加工点への良好なアクセスが保証され、
良好な削り屑排出をするガントリ構造のフライス盤を提
供する。 【解決手段】 Ｘ−方向２（機械の長手方向）のベンチ
１０と、Ｘ−方向に対して直角に延びるＹ−方向４のガ
ントリ２０を有し、ガントリ２０にはフライス削りユニ
ット５０がＸ−方向２と直交する第１の方向と、第２の
方向とに並進移動可能に配置されており、ベンチ１０に
はガントリを貫通し、工作物チャック３２を担持し、Ｘ
−方向２に移動可能なキャリッジ３０が配置されてい
る。ベンチ１０はガントリ２０に対して、突出したベン
チの一部とガントリ２０との間の領域に囲まれた角度が
ガントリ２０の別の縦端部からガントリ中心部の領域の
機械の動作領域への良好なアクセスを保証するように、
Ｙ−方向４でガントリ２０の縦端部へとずらして配置さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は門形フライス盤、す
なわちガントリ構造のフライス盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】冒頭に記載した種類の門形フライス盤は
一般に公知である。これはベンチと、ベンチと固定連結
されたガントリとを備えている。通常は垂直な、下部が
ベンチと固定連結されている２本のスタンドと、スタン
ドと互いに連結されているクロスビームとを含むガント
リには、フライス盤主軸もしくは工作物主軸を備えたフ
ライス削りユニットがガントリの通路によって規定され
る機械の長手方向（Ｘ）と直交する第１の方向（Ｚ）お
よび第２の方向（Ｙ）に並進移動可能に配置されてい
る。さらに、上記の種類の門形フライス盤はベンチと固
定連結された平坦なリニアガイドを備えている。上記リ
ニアガイドは機械の長手方向（Ｘ）、すなわちＸ−方向
にほぼ水平に配置されている。上記リニアガイドはガン
トリを貫通し、標準的には工作物卓の形式の工作物チャ
ックを担持する、Ｘ−方向にガントリを貫通して移動す
るキャリッジを案内する役割を果たす。通常はこのよう
な門形フライス盤は、並進運動方向Ｘ−がほぼ水平にガ
ントリを貫通し、並進運動方向Ｚがほぼ垂直に、ならび
に並進運動方向Ｙがほぼ水平に、かつＸ−方向に対して
直角に延びるように形成され、また、配置されている。

【０００３】単一の、ほぼ垂直なスタンドを備え、その
上部にフライス削りユニットを担持するジブが配設さ
れ、下部は工作物卓を担持するベンチと固定連結されて
いるＣ形構造の単一スタンドのフライス盤と比較して、
門形フライス盤は機械の安定性に関して利点を備えてい
る。ガントリとベンチとからなる閉鎖構造は寸法が同一
である場合、Ｃ形構造の単一スタンド機械の片側が開い
た構造よりも大きな力を受容できる。

【０００４】ところが門形フライス盤は自動操作にはＣ
形構造の単一スタンドの機械よりも適していない。一
方、門形フライス盤の場合は、削り屑の排出に問題があ
り、それはフライス削りの際に発生する削り屑はガント
リを貫通して案内されているリニアガイド上に、または
その削り屑防護カバー上に滞留する傾向があるためであ
る。他方では、ガントリによってガントリの領域に位置
する工具加工点（英語では“Tool processing poin
t”）、ひいては工具および工作物へのアクセスが制限
されることに問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
に自動化が可能であり、特に工具加工点への良好なアク
セスが保証されると共に、良好な削り屑排出が可能なガ
ントリ構造のフライス盤を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的の解決手段は
独立クレームの特徴によって定義されている。本発明に
基づいて、門形フライス盤は、その長手方向がＸ−方向
（機械の長手方向とも称する）を規定する細長のベンチ
を備えている。門形フライス盤はさらに、Ｘ−方向に対
して直角に配置され、その長手方向が（Ｘ−方向に対し
て直角に延びる）Ｙ−方向（ガントリの長手方向とも称
する）を規定する細長の平面形状を有するガントリを備
えている。ガントリにはフライス削りユニットがＸ−方
向と直交する第１の方向と、第２の方向とに並進移動可
能に配置されており、ベンチにはＸ−方向にガントリを
貫通して案内されているリニアガイドが、工作物チャッ
クを担持し、Ｘ−方向に移動可能なキャリッジのために
配置されている。平面内ではベンチの一部が少なくとも
一方の側でＸ−方向にガントリを越えて突出し、ベンチ
の突出部分はベンチ全体であってもよい。本発明に基づ
いて、ベンチはガントリに対して、突出したベンチの一
部とガントリとの間の領域に囲まれた角度がガントリの
別の縦端部からガントリ中心部の領域の機械の動作領域
への良好なアクセスを保証するように、Ｙ−方向でガン
トリの縦端部へとずらして配置されている。

【０００７】Ｘ−方向でガントリ中心部を貫通して延在
する垂直の中心面に対して非対称の構造によって、一方
では機械の最適な動作領域、すなわちガントリの中心領
域における工具の加工点への良好なアクセスが達成され
る。オペレータは側方から工作物チャックを担持するキ
ャリッジ、もしくは工具加工点の比較的近傍に近づくこ
とができる。これは例えば、新しい加工工程用に機械を
調整する場合に有利であることが判明しており、本発明
に基づく門形フライス盤の人間工学的側面の改善に寄与
する。他方ではさらに、ベンチから離隔したガントリ側
に削り屑搬送装置の据付けに利用可能なスペースができ
る。それによって全体として、門形フライス盤の自動動
作が可能となる。

【０００８】ベンチはガントリの別の縦端部の領域に充
分なスペースをつくるために、ガントリの中心に対して
Ｙ−方向の上記ガントリの通路の内のり幅の１／６以
上、好適には２／６以上も上記ガントリの縦端部の方向
にずらして配置されている。

【０００９】好適には、本発明に基づく非対称構造の門
形フライス盤では、上記ガントリと上記ベンチとから構
成されている構造が、ほぼ２側面の直角の平面形状を有
するようにガントリがベンチに配置され、一側面はＸ−
方向に延在するベンチの平面によって形成され、他側面
はＹ−方向に延在するガントリの平面によって形成され
る。この場合、ベンチはＹ−方向ではガントリの縦端部
に対して完全にずらして配置され、Ｘ−方向のガントリ
の一方の側だけでガントリを越えて突出している。それ
によって全体として特に簡単で小型の機械構造が達成さ
れる。

【００１０】本発明の好適な実施形態では、リニアガイ
ドはほぼ水平に配置された（すなわち水平方向に延在す
る）平坦なリニアガイドであり、上記リニアガイドのガ
イド面はＸ−方向と直交する水平線に対して、フライス
削り時に発生する削り屑が重力のみによって上記リニア
ガイドから、または上記リニアガイドを削り屑から保護
するカバーから落下するような角度で傾斜している。

【００１１】本明細書の説明および特許請求の範囲で
は、リニアガイド（クロスヘッドガイドとも称する）と
は、直進する部品を案内するための支持体であることを
理解されたい。リニアガイドは、ガイドの長手方向に延
在するガイド面を定義する場合は平坦であるものと定義
される。ほぼ平らで、平坦なガイド床を有するリニアガ
イドの場合は、ガイド面はガイド床面によって規定され
る。この場合、ガイド床面は完全に平坦である必要はな
く、部分的にガイド床面の平坦な形状とは異なる、通
路、切り欠き部、補強リブまたはこれらに類似する構造
を備えることができる。（例えばフラットガイドまたは
あり溝（Swallow tail）ガイドのような）基本的に単一
の、平坦なガイド路を含むリニアガイドの場合、路面を
リニアガイドのガイド面と称することができる。リニア
ガイドが平行である２つのレールまたは慴動面を含んで
いる場合は、平行な双方のレール、もしくは慴動面によ
って規定される平面をガイド面と称することができる。
リニアガイドが、平行な複数のガイドレールが敷設され
ているほぼ平坦なプロファイル表面を有するプロファイ
ル・レールガイドとして形成されている場合は、このプ
ロファイル表面をリニアガイドのガイド面と称すること
ができる。

【００１２】本発明の上述の有利な実施形態に基づい
て、ガントリを貫通して延在する平坦なリニアガイドの
ガイド面は、傾斜ベッドガイドの形式で案内方向に対し
て横向きに強く傾斜している。ガイド面が強く傾斜して
いることによって、フライス削り工程中に発生し、リニ
アガイドまたは削り屑から保護するためのカバーから落
下する削り屑はリニアガイド、または削り屑防護カバー
上に滞留せず、重力によってこれらから滑落することが
達成される。これによって、門形フライス盤を自動化す
る前提である良好な削り屑排出が達成される。

【００１３】さらに、ガイド面が強く傾斜していること
により、あらゆる場合にリニアガイドの側方近傍に配置
されている工作物交換装置を、水平のガイド面を有する
平坦なリニアガイドの場合に可能であるよりも、工作物
チャックを担持しているキャリッジ、すなわちＸ−キャ
リッジにより近接して配置することが可能になる。それ
によって、工作物交換の時間が短縮され、ひいては本発
明に基づく門形フライス盤の生産性の向上に貢献する。

【００１４】リニアガイドのガイド面の勾配が大きく、
もしくは傾斜していることにより、さらにガントリの中
心領域における機械中心部へのアクセスがさらに改善さ
れる。オペレータは、水平のガイド面を有する平坦なリ
ニアガイドの場合よりも、工作物チャックを担持してい
るキャリッジもしくは工具加工点に側方からより接近で
きる。

【００１５】さらに、リニアガイドのガイド床もしくは
ガイド面が傾斜していることにより、工作物チャックを
担持しているキャリッジを比較的簡単に異なる高さに据
え付けることが可能になる。それによって本発明に基づ
く門形フライス盤を、異なる寸法の工作物の加工により
好適に適応させることができる。その上、リニアガイド
のガイド面が傾斜していることによって、ベンチをガン
トリの中心からガントリの端部へとガントリの中心を貫
通して（ひいては工作物の加工に好適な領域を貫通し
て）ずらしているにも係わらず、キャリッジをリニアガ
イドのほぼ側方に配置することにより、工作物チャック
を担持するキャリッジを移動可能に据え付けることが可
能になる。

【００１６】好適には、リニアガイドのガイド面はＸ−
方向と直交する水平線に対して、４０°以上、好適には
６０°以上傾斜している。特にこの角度を約９０°にす
ることもできる。Ｘ−キャリッジが重い場合はむしろ、
例えば４５°のようなより小さい傾斜角が好適である。
ガイド面の傾斜を比較的少なくすることによって、重い
キャリッジをリニアガイド上により好適に載置すること
が保証される。これに対してＸ−キャリッジが軽い場合
は、削り屑をリニアガイド、もしくはその削り屑防護カ
バーから最適に滑落させることを保証するために、むし
ろ傾斜を大きくすることが好適である。特に、軽いキャ
リッジの場合は９０°の傾斜角にすることも可能であ
る。この場合、リニアガイドのガイド面もしくはガイド
床は垂直に配置される。

【００１７】さらに、リニアガイドのガイド面をＸ−方
向と直交する水平面に対して、９０°以上の角度で傾斜
させる本発明の変化形も可能である。その場合は、ガイ
ド面もしくはガイド床は片持ち形に配置されるので、Ｘ
−キャリッジはリニアガイドに懸吊して案内される。本
発明のこの変化形では、リニアガイドは落下する削り屑
から特に良好に防護される。

【００１８】好適には、本発明の門形フライス盤では、
Ｘ−キャリッジを選択的に異なる高さでリニアガイドに
取り付けできるように上記リニアガイドが構成されてい
る。それによって門形フライス盤を、異なる大きさの工
作物の加工用に簡単に適応させることが可能である。こ
の目的のために、用途に応じて加工高さが異なる卓を据
え付けることができる。５軸加工用に円卓および／また
は回転卓を使用する際に、Ｘ−キャリッジを異なる高さ
で据え付けられることが特に好ましいことが実証されて
いる。このような卓は比較的高く、従来の門形フライス
盤の場合は、通路もしくは工作物の大きさが対応して制
限される。

【００１９】本発明に基づく門形フライス盤は、ガント
リにＸ−方向と直交する水平のＹ−方向に移動可能に配
置されている別のキャリッジ（Ｙ−キャリッジ）を備え
ることができ、このＹ−キャリッジには垂直のＺ−方向
に移動可能にフライス盤主軸を備えた主軸台の形式のフ
ライス削りユニットが載置される。本発明のこのような
実施形態は、主軸台を動かすために比較的軽い質量を動
かせばよいので、特に高速フライス盤に適している。し
かし、本発明に基づく門形フライス盤は代替実施形態と
して、Ｙ−方向に移動可能な主軸台がそれに載置され
る、垂直のＺ−方向に移動可能なクロスアームを含むこ
ともできる。

【００２０】本発明の別の有利な変化形では、フライス
削りユニットが機械の長手方向（Ｘ）と直交する第１の
方向（Ｚ）と第２の方向（Ｙ）とに並進移動可能に配置
されているガントリと、工作物チャックを担持し、Ｘ−
方向に移動可能なキャリッジ用の、ほぼ水平にＸ−方向
にガントリを貫通して案内された平坦なリニアガイドが
配置されている縦長ベンチとを有する門形フライス盤に
おいて、ベンチとガントリとから形成されている構造は
一体構造の、ホモカイネティック・ブロック（単一ブロ
ックとも称する）として構成されている。ベンチとガン
トリとを含む構造を単一ブロックとして構成すること
で、様々な構造部品間の良好な熱伝導と、構造の良好な
安定性が保証される。単一ブロック構造のこのような門
形フライス盤はもちろん、Ｘ−方向に延在する平坦なリ
ニアガイドの大きく傾斜したガイド面、および／または
ガントリの中心に対して上記ガントリの縦端部の方向に
ずらされて配置されたベンチを備えることもできる。し
かし、ベンチとガントリとを含む構造を単一ブロックと
して構成するという側面は、Ｘ−方向に延在する平坦な
リニアガイドのガイド面を大きく傾斜させても、または
ガントリの中心に対してずらしてベンチを配置しても、
それに係わりなく有利であることが実証されている。

【００２１】単一ブロック構造の門形フライス盤の場
合、単一ブロック全体を高分子コンクリートから製造す
ることが好適である。しかし基本的には、例えばスチー
ル等の門形フライス盤に適したその他の材料を使用する
こともできる。

【００２２】単一ブロック構造は単一の鋳造部品として
形成することができる。その場合、単一の鋳造部品は均
一の鋳造材料から形成され、材料に関して鋳造部品間の
均質な結合を達成するために、全ての場合、個々の鋳造
部品を所望の構造に構成した後、上記鋳造部品の間に存
在する空隙に同じ鋳造材料が鋳込まれる。このようにし
て複雑な単一ブロック構造を製造することもできる。

【００２３】ガントリは、同様にして単一の鋳造部品と
して形成されるベンチが挿入されている単一の鋳造部品
として形成され、上記ベンチはリニアガイドが取り付け
られている一種の支持体として形成されることが好まし
い。このようにして、長さが異なるＸ−ガイドもしくは
Ｘ−ストロークの門形フライス盤を比較的簡単にかつ低
コストで製造することができる。

【００２４】しかし、比較的簡単な形状の場合は、ベン
チとガントリとから形成された構造全体を一体の鋳造部
品として形成することもできる。これによって、この構
造体を著しく簡単に製造することができる。その上、構
造の特に良好な安定性と熱伝導が達成される。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下の詳細な説明および特許請求
の範囲の全体から、本発明のその他の実施形態と特徴の
組合わせが明らかにされる。説明のために図面が参照さ
れる。図中、基本的には同一の部品には同一の参照符号
が付される。

【００２６】図１および２に示されている門形フライス
盤は床面、天井面、２つの側面(Laengseiten)および２
つの端面(Stirnseiten)を有するほぼ長方形の形状のベ
ンチ１０を含んでいる。方形のベンチ１０は、床面と天
井面とが水平に位置し、側面ならびに端面が垂直に立っ
ているように固定した床面（図示せず）に配置されてい
る。ベンチ１０の長手方向（機械の長手方向とも称す
る）は、以下では図１および２に示された門形フライス
盤のＸ−方向と称する。

【００２７】ベンチの縦端部の領域には、ベンチ１０と
固定連結され、上記ベンチ（１０）に対して直角に配置
されているガントリ２０が配設されている。ベントリ２
０は、ベンチ１０のガントリ側の縦端部領域の方形のベ
ンチ１０の天井面上に載置された短スタンド２１を含ん
でいる。ガントリ２０はさらに、短ベンチ２１よりもベ
ンチ１０の高さ分だけ長い長スタンド２２を含んでい
る。双方のスタンド２１、２２は互いにほぼ平行であ
り、直立し、かつ互いに間隔を隔てて配置されている。
これらのスタンドは上端部の領域で、ベンチ１０の長手
方向（すなわちＸ−方向）に対して水平で直角に配置さ
れ、かつ長スタンド２２ならびに短スタンド２１と固定
連結されている長方形の支持体２３によって互いに固定
連結されている。長方形の支持体２３の長手方向は、以
下では図１および図２に記載された機械のＹ−方向と称
する。

【００２８】長スタンド２２の下端部の領域には上記ス
タンドの縦端部に細長のクロスアーム２４（以下ではベ
ース・クロスアーム２４と称する）が固定的に配設され
ている。上記ベース・クロスアーム２４の別の縦端部
は、ベンチ１０の長スタンドとは反対側の長側面１２
（以下ではベンチ１０の内側の長側面１２と称する）の
下部領域に固定的に配設されている。ベース・クロスア
ーム２４はガントリの長方形の支持体２３に対してほぼ
平行に配置され、したがってＹ−方向に延在している。
このベース・クロスアームは長スタンド２２の脚部と方
形のベンチ１０とを固定連結している。

【００２９】双方のスタンド２１、２２と、方形支持体
２３と、ベンチ１０と、ベース・クロスアーム２４とが
全体で環状の閉鎖構造を形成しており、この構造はＸ−
方向に延在する、ほぼ正方形の通路（以下ではガントリ
通路と称する）の境界を形成している。このガントリ通
路の境界は下部はベース・クロスアーム２４によって、
一方の側面は長スタンド２２によって、他方の側面はベ
ンチ１０ならびに短スタンド２１によって、また上部は
方形支持体２３によって形成されている。

【００３０】双方のスタンド２１、２２と、方形支持体
２３と、ベンチ１０と、ベース・クロスアーム２４とか
ら形成されている構造は一体構造のホモカイネティック
・ブロックとして、すなわち単一ブロックとして形成さ
れている。単一ブロック全体は高分子コンクリートから
製造されている。図１および図２に示した単一ブロック
は、先ず一体の鋳造部品として製造され、引き続き図１
−図２に示した単一ブロックとして組合わされた複数個
の構成部品から構成されたものであり、個々の部品間の
空隙には、部品を互いに固く連結し、一体構造を形成す
るために高分子コンクリートが鋳込まれる。

【００３１】ガントリ２０とベンチ１０とから形成され
た構造体は、図２に最も明解に示されているように、本
質的に２側面のアングルの平面形状を有している。この
直角形状の１側面はベンチ１０の輪郭によって形成さ
れ、他側面はガントリ２０の輪郭によって形成されてい
る。アングルの外側にあるガントリ側面を以下ではガン
トリ２０の裏面と称し、一方、アングルの内側にあるガ
ントリ側面は（そこから外側にベンチ１０がガントリ２
０から間隔を隔てたベンチ縦端部へと延在している）ガ
ントリ２０の表面と称する。

【００３２】ベンチ１０の内側の長側面１２（すなわち
ベンチ１０のガントリ通路の境界を形成する長側面１
２）には、水平にＸ−方向に延在するリニアガイド（以
下ではＸ−ガイドと称する）が配置されている。Ｘ−ガ
イドは平行な、Ｘ−ガイド内に延在する２つのガイドレ
ール１４、１６を含んでおり、これらは上下にベンチ１
０の内側の垂直の長側面１２に固定され、かつＸ−ガイ
ドのガイド面の境界を規定している。したがってＸ−ガ
イドとは垂直のガイド面を有する平坦なリニアガイドの
ことである。

【００３３】Ｘ−ガイド１４、１６は、工作物卓３０と
して形成され、工作物３４を締めつけるチャック装置３
２を備えた、Ｘ−方向に移動可能なキャリッジ３０（Ｘ
−キャリッジ３０）を案内する役割を果たす。ガイドレ
ール１４、１６は、Ｘ−キャリッジ３０がベース・クロ
スアーム２４の上方を、また、これを越えてガントリ２
０を通過して移動可能であるように、ベンチ１０の内側
の長側面の上部領域に敷設されている。Ｘ−キャリッジ
の運動方向は二重矢印２で示されている。Ｘ−ガイドに
沿ってＸ−キャリッジ３０を移動させるための駆動手段
（図示せず）は駆動主軸、リニアモータ、または線形の
移動軸に一般に使用されるその他の駆動装置を含んでい
てもよい。

【００３４】Ｘ−キャリッジ３０はＸ−ガイドから斜め
上方に傾斜した下側面３６を有している。それによっ
て、Ｘ−キャリッジ３０がガントリの通路内に直接位置
している場合でも、Ｘ−キャリッジ３０の下側面３６
と、長スタンド２２と、ガントリ２０のベース・クロス
アーム２４との間に空隙ができる。この空隙の領域のベ
ース・クロスアーム２４内に、例えばコンベアベルトの
形式の削り屑搬送装置（図示せず）を収納するための、
Ｘ−方向に延びる溝２６が形成される。

【００３５】ガイドレール１４、１６によって境界形成
されるＸ−ガイドの強く傾斜した（この場合は垂直です
らある）構成により、工作物の加工中に発生する削り屑
はＸ−ガイド上に滞留せず、その動作に影響を及ぼすこ
とはない。削り屑はむしろ重力によってのみベンチ１０
の内側の長側面１２に沿って案内される削り屑搬送装置
内に落下および／または滑落し、上記搬送装置によって
自動式に門形フライス盤から排出される。

【００３６】ガントリ２０の前面にはＹ−方向に延在す
るリニアガイド（以下ではＹ−ガイドと称する）が配置
されている。Ｙ−ガイドは平行な、Ｙ−方向に延在する
２つのガイドレールを含んでおり、これらは上下にガン
トル２０のクロスアーム２３の垂直の前面に固定配置さ
れている。Ｙ−ガイドはＹ−方向に移動可能なキャリッ
ジ４０（Ｙ−キャリッジ４０）を案内する役割を果た
し、このキャリッジにはＹ−キャリッジ４０に対して垂
直方向（Ｚ−方向とも称する）に移動可能である、フラ
イス削り主軸５２を備えた主軸台５０の形式のフライス
削りユニット５０が配置されている。Ｙ−キャリッジ４
０と主軸台５０との運動方向は二重矢印４もしくは６で
示されている。Ｙ−もしくはＺ−方向にＹ−キャリッジ
４０および主軸台５０を移動させるための駆動手段（図
示せず）もまた、駆動主軸、リニアモータ、または線形
の移動軸に一般に使用されるその他の駆動装置を含んで
いてよい。

【００３７】上述の、および図１−２に示した門形フラ
イス盤の構造によって、工作物卓３０に締めつけた工作
物３４を機械のアングル形の平面構造のアングル内の領
域で加工することが可能になる。したがって工具の加工
点は、機械が最適な安定性を有する領域にある。その
上、このような機械構造によって、工具の加工点がアン
グルの側面によって規定された双方の側面だけで機械に
よって囲まれ、一方、残りの２つの側面からオペレータ
が機械に自由にアクセスできるので、工具の加工点への
良好なアクセスが保証される。

【００３８】ガントリ２０の背後の領域には自動交換装
置を備えた工作物マガジン６０が配設され、それによっ
て図１−２に示された門形フライス盤に自動的に工作物
の素材を供給し、また加工済みの工作物を再び門形フラ
イス盤から取り出すことができる。

【００３９】図１−２に示された門形フライス盤はさら
に、フライス盤では一般的であるように、工具マガジン
と工具自動交換装置を装備できることは自明である。工
具の加工点の周囲には工具交換機とともに適宜の工具マ
ガジンを据え付けるのに充分なスペースがあり、これら
を据え付けてもオペーレータが工具加工点にアクセスす
るにはとさほど影響を及ぼさない。工具マガジンおよび
工具交換機は例えば、ベンチ１０のガントリから離れた
部分に据え付けることができる。それによって、削り屑
自動排出装置および自動工具交換マガジン６０と組み合
わせて、図１−２に示された門形フライス盤の完全自動
動作を達成することができる。

【００４０】要約すると、本発明によって、良好な削り
屑の排出と工具加工点への良好なアクセスが保証される
門形フライス盤が提供されることが確実となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適な実施形態に基づく門形フライス
盤の概略透視図である。

【図２】図１の門形フライス盤の上から見た平面図であ
る。

【符号の説明】

２、４、６ ２方向の矢印 １０ ベンチ １２ ベンチの長側面 １４、１６ リニアガイド ２０ ガントリ ２１ 短スタンド ２２ 長スタンド ２３ 長方形の支持体 ２４ クロスアーム ２６ クロスアームの溝 ３０ Ｘ−キャリッジ ３２ 工作物チャック ３４ 工作物 ３６ Ｘ−キャリッジの下側面 ４０ Ｙ−キャリッジ ５０ フライス削りユニット、主軸台 ５２ フライス削り主軸 ６０ 工作物マガジン

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ−方向（２）（機械の長手方向）を規
   定する細長のベンチ（１０）と、前記Ｘ−方向に対して
   直角に配置され、フライス削りユニット（５０）が前記
   Ｘ−方向と直交する第１の方向と、第２の方向とに並進
   移動可能に配置されている、Ｙ−方向（４）（ガントリ
   の長手方向）を規定する細長の平面形状を有するガント
   リ（２０）とを有する門形フライス盤であって、前記ベ
   ンチ（１０）には前記Ｘ−方向（２）に前記ガントリ
   （２０）を貫通して案内されているリニアガイド（１
   ４、１６）が、工作物チャック（３２）を担持し、かつ
   前記Ｘ−方向に移動可能なキャリッジ（３０）のために
   配置されており、前記平面内では前記ベンチ（１０）の
   一部が少なくとも一方の側でＸ−方向に前記ガントリ
   （２０）を越えて突出し、かつ突出した前記ベンチの一
   部と前記ガントリ（２０）との間の領域に囲まれた角度
   が前記ガントリ（２０）の別の縦端部から機械の動作領
   域への良好なアクセスを保証するように、前記ベンチ
   （１０）は前記ガントリ（２０）に対してＹ−方向で前
   記ガントリ（２０）の前記縦端部へとずらされているこ
   とを特徴とする門形フライス盤。
2. 【請求項２】 前記ベンチ（１０）は前記ガントリの中
   心に対して前記Ｙ−方向（４）の前記ガントリの通路の
   内のり幅の１／６以上、好適には２／６以上も前記ガン
   トリ（２０）の縦端部の方向にずらして配置されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の門形フライス盤。
3. 【請求項３】 前記ガントリ（２０）と前記ベンチ（１
   ０）とから構成されている構造は、ほぼ２側面の直角の
   種類の平面形状を有するように前記ベンチ（１０）に対
   して配置され、一側面は前記Ｘ−方向（２）に延在する
   ベンチの平面によって形成され、他側面は前記Ｙ−方向
   （４）に延在するガントリの平面によって形成されてい
   ることを特徴とする請求項１または２に記載の門形フラ
   イス盤。
4. 【請求項４】 前記リニアガイド（１４、１６）はほぼ
   水平に配置された平坦なリニアガイド（１４、１６）で
   あり、該リニアガイド（１４、１６）のガイド面は前記
   Ｘ−方向（２）と直交する水平線に対して、フライス削
   り時に発生する削り屑が重力のみによって前記リニアガ
   イド（１４、１６）から、または該リニアガイドを前記
   削り屑から保護するカバーから落下するような角度で傾
   斜していることを特徴とする請求項１ないし３のいずれ
   か１項に記載の門形フライス盤。
5. 【請求項５】 前記リニアガイド（１４、１６）の前記
   ガイド面は前記Ｘ−方向（２）と直交する水平線に対し
   て、４０°以上、好適には６０°以上、特に約９０°の
   角度で傾斜していることを特徴とする請求項４に記載の
   門形フライス盤。
6. 【請求項６】 前記リニアガイドの前記ガイド面は、前
   記キャリッジが前記リニアガイドに沿って懸吊して案内
   されるように、前記Ｘ−方向と直交する水平面に対して
   ９０°以上の角度で傾斜していることを特徴とする請求
   項４に記載の門形フライス盤。
7. 【請求項７】 前記Ｘ−方向に前記リニアガイドに沿っ
   て移動可能な前記キャリッジを選択的に異なる高さで前
   記リニアガイドに取り付け可能であるような前記リニア
   ガイドを構成していることを特徴とする請求項４ないし
   ６のいずれか１項に記載の門形フライス盤。
8. 【請求項８】 前記フライス削りユニット（５０）が前
   記機械の長手方向によって規定される前記Ｘ−方向
   （２）と直交する第１の方向と第２の方向とに並進移動
   可能に配置されている前記ガントリ（２０）と、前記工
   作物チャック（３２）を担持し、前記Ｘ−方向に移動可
   能な前記キャリッジ（３０）用の、ほぼ水平に前記Ｘ−
   方向（２）に前記ガントリを貫通して案内された平坦な
   リニアガイド（１４、１６）が配置されている前記縦長
   ベンチ（１０）とを有する門形フライス盤であって、前
   記ベンチ（１０）と前記ガントリ（２０）とから形成さ
   れている構造は一体構造の、ホモカイネティック・ブロ
   ックとして構成されていることを特徴とする特に請求項
   １ないし７のいずれか１項に記載の門形フライス盤。
9. 【請求項９】 前記ベンチ（１０）と前記ガントリ（２
   ０）とから形成されている構造は、均一の鋳造材料から
   製造された単一の鋳造部品から構成され、材料に関して
   鋳造部品間の均質な結合を達成するために、全ての場合
   において、個々の鋳造部品を所望の構造に構成した後、
   前記鋳造部品の間に存在する空隙に同じ鋳造材料が鋳込
   まれることを特徴とする請求項８に記載の門形フライス
   盤。
10. 【請求項１０】 前記ガントリ（２０）は、同様にして
    単一の鋳造部品として形成される前記ベンチ（１０）が
    挿入される単一の鋳造部品として形成され、前記ベンチ
    （１０）は前記リニアガイド（１４、１６）が取り付け
    られている一種の支持体（１０）として形成されている
    ことを特徴とする請求項８または９に記載の門形フライ
    ス盤。
11. 【請求項１１】 前記ベンチと前記ガントリとから形成
    される構造は単一の鋳造部品として形成されることを特
    徴とする請求項８に記載の門形フライス盤。