JP2002143905A - 塗装外観品質に優れた熱延鋼板 - Google Patents

塗装外観品質に優れた熱延鋼板

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JP2002143905A
JP2002143905A JP2000341643A JP2000341643A JP2002143905A JP 2002143905 A JP2002143905 A JP 2002143905A JP 2000341643 A JP2000341643 A JP 2000341643A JP 2000341643 A JP2000341643 A JP 2000341643A JP 2002143905 A JP2002143905 A JP 2002143905A
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thickness
scale
hot
rolled steel
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Hiroshi Takezawa
博 竹澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱延ままで直接塗装を行うことができ、かつ
塗装外観品質が優れた構造物とすることができる塗装外
観品質に優れた熱延鋼板を提供すること。 【解決手段】 引張り強さ400〜980MPaを有す
る板厚4.5mm〜100mmの熱延鋼板であって、板
厚4.5mm〜10mmの鋼板ではスケール厚み5μm
以下、板厚10mm超〜50mmの鋼板ではスケール厚
み10μm以下、板厚50mm超〜100mの鋼板では
スケール厚み20μm以下とし、かつ鋼板表面の粗度を
Ra10μm以下、スケールの組成をマグネタイトが4
0%以上であるスケールとしたことを特徴とする塗装外
観品質に優れた熱延鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械、橋梁、
鉄骨等の構造物に使用する熱延鋼板に関し、詳しくは、
熱間圧延のままで塗装可能な塗装外観性に優れた熱延鋼
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーショベルやブルドーザー等
の建設機械、橋梁や鉄骨等の構造物には、引張り強さ4
00〜980MPaを有する熱延鋼板が使用されてい
る。
【0003】これらの構造物は一般に、外観の見栄えを
良くするために塗装が行われている。塗装方法は、鋼板
の表面をショットピーニングした後に下塗りをし、次い
で上塗りを行う2回塗装により最終製品とするのが通常
である。
【0004】このような塗装では、鋼板面にスケール傷
等の傷があると、塗装の前処理として傷の部分をグライ
ンダー等により平滑になるように手入れした後、或いは
パテで補修した後に塗装を行っている。
【0005】そして、最近の塗装の傾向としては、濃い
色よりも淡い色或いは明るい色の塗装、例えば従来行わ
れていたオレンジ色の塗装は明るい色であるレモン色の
塗装とすることが望まれるようになって来ている。
【0006】ところが、塗装が濃い色の場合には、鋼板
面の傷はそれほど目立たなかったが、塗装を淡い色や明
るい色にすると、鋼板面のスケール傷や手入れ傷等の傷
が目立ち塗装外観品質が悪いという問題が生じ、特に、
グラインダーにより平滑に手入れした鋼板においても鮮
映性が悪く、グラインダーの手入れあとが目立ち、ヘ
ゲ、アバタと呼ばれる表面欠陥が問題となって来た。
【0007】また、熱延鋼板では、板厚に応じてスケー
ル厚が異なり、通常、厚板ではスケール厚約10〜30
μm、ホットコイルではスケール厚約3〜10μmが形
成される。このスケール(黒皮と呼称されている)が形
成されたままの熱延鋼板をそのまま塗装することも行わ
れているが、外観品質が悪いため約1mmφのショット
でショットピーニングをかけ、鋼表面を露出させて塗装
を行っている。しかし、ショットピーニングをかけると
一見すると鋼板表面に欠陥が無いように見えるが、下塗
り塗装をすると鋼板表面の外観欠陥が目立つことがあ
る。このような場合には、下塗り塗装を剥離し、下地処
理をした後に、再度塗装をやり直さなければならないこ
とになる。また、下塗り塗装をした際の外観欠陥は、図
1に示すように、白線の内側に外観欠陥が存在している
が、目視だけでは容易に見出すことが困難である。しか
し、外観欠陥と思われる部分に薄紙を当てて、濃い鉛筆
等でなぞると、図2に示すように、スリマークと呼ばれ
る外観欠陥を見付けることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、熱延ままで直接塗装を行うことができ、か
つ塗装外観品質が優れた構造物とすることができる塗装
外観品質に優れた熱延鋼板を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋼板表面の
スケールの厚さ、スケール組成及び表面粗度を板厚に応
じて調整することにより、塗装外観品質に優れた熱延鋼
板が得られることを知見して本発明を完成した。
【0010】本発明の要旨は以下の通りである。
【0011】(1) 引張り強さ400〜980MPa
を有する板厚4.5mm〜100mmの熱延鋼板であっ
て、板厚4.5mm〜10mmの鋼板ではスケール厚み
5μm以下、板厚10mm超〜50mmの鋼板ではスケ
ール厚み10μm以下、板厚50mm超〜100mの鋼
板ではスケール厚み20μm以下とし、かつ鋼板表面の
粗度をRa10μm以下としたことを特徴とする塗装外
観品質に優れた熱延鋼板。
【0012】(2) スケールの組成をマグネタイトが
40%以上であるスケールとしたことを特徴とする上記
(1)記載の塗装外観品質に優れた熱延鋼板。
【0013】(3) 上記(1)又は(2)記載の熱延
鋼板にショットピーニングを行うことなしに塗装するこ
とを特徴とする塗装方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、引張り強さ400〜
980MPaの熱延鋼板を、圧延のまま、即ち黒皮スケ
ールの表面状態のままで塗装に供するものであるため、
黒皮スケールが鋼板から簡単に剥離しないことが必要と
なる。即ち、鋼板に対する黒皮スケールの密着性が要求
される。
【0015】スケールの密着性を向上させる技術として
種々の手段が知られている。例えば密着性を阻害する元
素であるSi含有量を低下させ、かつ密着性を向上させ
る元素であるCr含有量を確保する等の鋼の化学成分を
制御することや、或いは、スケール厚を薄くすることに
よってスケール密着性を向上させること等である。
【0016】本発明者は、黒皮スケールの鋼板への密着
性及び鋼板の塗装外観品質を検討した結果、鋼板の板厚
に応じてスケール厚を調整すれば、目的を達成し得るこ
とを見出した。即ち、スケール厚が厚すぎると塗装外観
が悪くなると共に、スケール密着性が低下する。
【0017】このため、本発明では、塗装外観品質及び
スケール密着性を考慮して、鋼板の板厚に応じて、即
ち、鋼板の板厚4.5mm〜10mmではスケール厚5
μm以下、鋼板の板厚10mm超〜50mmではスケー
ル厚10μm以下、そして鋼板の板厚50mm超〜10
0mmではスケール厚20μm以下と規定した。
【0018】また、スケールは熱延鋼板では、不可避的
に生成する鉄酸化物であり、熱間圧延時には主としてウ
スタイト(FeO)が生成するが、温度が低下する熱間
仕上げ時には加工性が低下して破砕され、冷却時に酸化
されてヘマタイト(Fe23)の赤スケール及びマグネ
タイト(Fe34)に変化する。このスケールの内赤ス
ケールは、スケール密着性を阻害すると共に塗装性を劣
化させる。
【0019】そこで、スケール密着性、塗装性及び外観
性に優れたスケール成分について検討した結果、本発明
者は、スケールの成分としてマグネタイト(Fe34
が40%以上存在するスケールが好適であることを見出
した。
【0020】さらに、鋼板の外観品質について研究を進
めた結果、鋼板表面に凹凸が存在する場合には、一般に
凹凸が小さい方が塗装外観の見栄えは良い。
【0021】しかしながら、鋼板表面の凹凸が小さいだ
けでは、塗装外観の品質は決められない。例えば、図3
(a)及び(b)に示すように、凹凸の形状によって塗
装外観の品質が左右される。即ち、図3(a)は凹部1
及び凸部2が滑らかにつながっている表面形状を呈して
いる。これに対して、図3(b)は凹凸の深さdは図3
(a)の深さDよりも小さいが、凹部1と凸部2との境
界はコーナー部3が存在する表面形状を呈している。図
3(a)のように滑らかな凹凸表面の場合には塗装外観
の見栄えは悪くならないが、図3(b)のようにコーナ
ー部3が存在すると、コーナー部3が塗装後に欠陥とし
て目立ち、塗装外観品質を劣化させる。
【0022】したがって、本発明の熱延鋼板では、鋼板
表面にコーナー部を生じさせない条件として表面粗度R
aを10μm以下と規定した。表面粗度Raが10μm
を超えると塗装後の外観品質が劣化するからである。
【0023】また、本発明のスケール層の薄い熱延鋼板
は、例えば熱間圧延後の冷却を不活性雰囲気中で行うこ
とによっても製造できるが、このためには新しい設備が
必要となるのでコストが高くなり、現実的でない。
【0024】従来の圧延設備を用いて簡便に製造するに
は、圧延前及び圧延中の各スタンドにデスケーリング装
置を設け、熱間圧延でのデスケーリングを充分に行い、
かつ圧延速度を制御して圧延することによって製造する
ことができる。或いは、さらに冷却時の冷却速度を速く
することによってスケール層の薄い熱延鋼板とすること
ができる。
【0025】また、本発明の熱延鋼板は、黒皮のままで
塗装しても塗装外観品質が優れているので、塗装前処理
としてのショットピーニングをかける工程を省略して塗
装することができる。
【0026】
【実施例】表1に示す化学成分のスラブを供試材として
用いた。
【0027】
【表1】
【0028】厚さ245mm×幅2100m×長さ7.
5mの寸法のスラブを厚板圧延工場にて熱間圧延し、板
厚5.0mm〜80mmの範囲の6種類の熱延鋼板を得
た。
【0029】表面に黒皮のある熱延ままの鋼板に、レモ
ン色系の塗料を用いてショットピーニングをかけずに直
接2回塗り塗装を行い、塗装外観品質の評価を行った。
【0030】熱延鋼板のスケール状態及び塗装外観品質
の評価を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】比較例No.1〜3は、スケール厚、マグ
ネタイト含有率、粗度のいずれもが本発明で規定する範
囲外のものであり、塗装外観が良くなかった。これに対
して、本発明例No.4〜6は、スケール厚、マグネタ
イト含有率、粗度が本発明で規定する範囲内のものであ
り、塗装外観は優れたものとなっていた。
【0033】
【発明の効果】本発明では、黒皮のままで塗装を行うこ
とができ、かつ明るい色の塗装を行っても外観品質の優
れた塗装を得ることができる。また、塗装の前処理とし
てショットピーニングを省略することができ、低コスト
の塗装が可能となるという顕著な作用効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】下塗り塗装をした塗装外観の状態を示す鋼板表
面の図面代用写真である。
【図2】スリマークによる外観欠陥を示す図面代用写真
である。
【図3】鋼板表面の凹凸状態を示す図である。
【符号の説明】
1 凹部 2 凸部 3 コーナー部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張り強さ400〜980MPaを有す
    る板厚4.5mm〜100mmの熱延鋼板であって、板
    厚4.5mm〜10mmの鋼板ではスケール厚み5μm
    以下、板厚10mm超〜50mmの鋼板ではスケール厚
    み10μm以下、板厚50mm超〜100mの鋼板では
    スケール厚み20μm以下とし、かつ鋼板表面の粗度を
    Ra10μm以下としたことを特徴とする塗装外観品質
    に優れた熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 スケールの組成をマグネタイトが40%
    以上であるスケールとしたことを特徴とする請求項1記
    載の塗装外観品質に優れた熱延鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱延鋼板にショッ
    トピーニングを行うことなしに塗装することを特徴とす
    る塗装方法。
JP2000341643A 2000-11-09 2000-11-09 塗装外観品質に優れた熱延鋼板 Pending JP2002143905A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012020309A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Nippon Steel Corp 塗装耐食性と疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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