JP2002143215A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収体のフイット性を高めて尿等の横漏れを
有効に防止できるようにする。 【解決手段】 外面側シート２と肌面側シート４との間
に接合した吸収体３をおむつ横幅方向に複数に分割し
て、この分割した吸収体片３ａの間の隙間Ｗにおむつ長
さ方向に配置した弾性糸９ａを外面側シート２と肌面側
シート４との間に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フイット性に優れ
た吸収体を有する使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、外面側シートと肌面側シートとの
間に吸収体が接合された使い捨ておむつが提案されてい
る。

【０００３】そして、上記吸収体をおむつ横幅方向に複
数に分割し、その分割した側面に高吸水性ポリマー粒子
を主体とする粒子層がのぞくようにして、吸水能力を有
効利用するようにしたものが提案されている（第１従来
技術…特開平１１−２１６１６１号公報参照）。

【０００４】また、分割した吸収体が立体的に湾曲する
ように、吸収体と交差する弾性部材を設けたものも提案
されている（第２従来技術…特表平５−５０５５３号公
報参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第１従
来技術では、吸収体を複数に分割しただけであって、分
割した吸収体が着用者の股間部分にフイットさせるため
の工夫がないために、尿等の横漏れを有効に防止できな
く、また、第２従来技術では、弾性部材で吸収体が立体
的に湾曲して尿等の横漏れを阻止できるというものの、
着用者の股間部分に対する吸収体のフイット性が必ずし
も良くはないために、尿等の横漏れを有効に防止できな
いという問題があった。

【０００６】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、吸収体のフイット性を高めて尿等の横漏れ
を有効に防止できる使い捨ておむつを提供することを目
的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、外面側シートと肌面側シートとの間に吸
収体が接合された使い捨ておむつであって、上記吸収体
は、少なくとも股下部分がおむつ横幅方向に複数に分割
され、この分割された吸収体片の間の隙間に弾性糸がお
むつ長さ方向に配置され、この弾性糸は、上記外面側シ
ートと肌面側シートとの間に接合されていることを特徴
とする使い捨ておむつを提供するものである。

【０００８】本発明によれば、外面側シートと肌面側シ
ートとの間に接合した吸収体をおむつ横幅方向に複数に
分割して、この分割した吸収体片の間の隙間におむつ長
さ方向に配置した弾性糸を外面側シートと肌面側シート
との間に接合することにより、隙間のある吸収体片が着
用者の股間部分にフイットしやすくなるとともに、この
吸収体片が弾性糸の収縮力により着用者の股間部分にフ
イットするようになる。

【０００９】請求項２のように、上記肌面側シートは、
外面側シートよりも狭い横幅に形成されるとともに、上
記吸収体の両側方には、立体ギャザーを形成する立ち上
がり帯材が配置され、この各立ち上がり帯材の基端部
は、上記肌面側シートと外面側シートとに跨って接合さ
れている構成とするのが好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。

【００１１】図１は使い捨ておむつの展開状態の正面
図、図２は使い捨ておむつの使用状態の正面図、図３は
図１のＡ−Ａ線に相当する略画的断面図、図４は使い捨
ておむつ１の分解斜視図である。

【００１２】図１及び図４に示すように、使い捨ておむ
つ１は、基本的には、外面側シート２と吸収体３と肌面
側シート４と左右一対の立ち上がり帯材５とで基本構成
されている。

【００１３】上記外面側シート２は、使い捨ておむつ１
の外形状に形成されていて、撥水性の合成樹脂繊維製不
織布又は不透液性の合成樹脂製フィルム並びにこれらの
併用体で成形され、前腹部Ｐと後背部Ｑとの間の股部Ｒ
の両側にはレッグ開口部Ｓが形成されている。

【００１４】この外面側シート２の前腹部Ｐにはフロン
タルテープ７が取付けられると共に、後背部Ｑの両側に
は、図２に示すように、使用時にフロンタルテープ７に
貼付けて、使い捨ておむつ１を立体的に組み立てるため
のファスニングテープ８がそれぞれ取付けられている。
なお、フロンタルテープ７とファスニングテープ８は、
着脱可能な機械式ファスナーであっても良い。

【００１５】上記吸収体３は、天然パルプ繊維、合成樹
脂繊維や高吸水性樹脂材料などを混合又は積層したもの
が扁平に成形されて、外周が薄葉紙で包み込まれてい
る。

【００１６】この吸収体３は、おむつ長さ方向に延在す
るとともに、おむつ幅方向に複数個（本例では３個）に
分割されていて、この分割された吸収体片３ａは、一定
の隙間Ｗを隔てて横並びさせた状態で外面側シート２の
上面に接着されている。

【００１７】上記吸収体３は、おむつ横幅方向に完全に
分割されている必要は必ずしもなく、図４に一部を図示
するように、おむつ長さ方向の前端部３ｂと後端部（不
図示）とがつながっていて、股下部分のみがおむつ横幅
方向に分割されていても良い。この場合、前・後端部の
つながり部分Ｔは１００ｍｍ以下が好ましく、１００ｍ
ｍを越えると、吸収体用弾性糸９ａの収縮力により湾曲
状に曲げられにくくなる。

【００１８】上記各吸収体片３ａの間の隙間Ｗには、お
むつ長さ方向に吸収体用弾性糸９ａがそれぞれ配置さ
れ、各吸収体用弾性糸９ａは、外面側シート２の上面に
接着されている。

【００１９】上記吸収体３の全横幅は３０〜８０ｍｍ程
度が好ましく、３０ｍｍ未満では吸収量が少なく、８０
ｍｍを越えると吸収体用弾性糸９ａの収縮力により湾曲
状に曲げられにくくなる。

【００２０】上記隙間Ｗは、５〜２０ｍｍ程度が好まし
い。５ｍｍ未満では外面側シート２と肌面側シート４と
に吸収体用弾性糸９ａを接着するのが困難であり、２０
ｍｍを越えると吸収体用弾性糸９ａの収縮力により湾曲
状に曲げられにくくなる。

【００２１】また、外面側シート２の前腹部Ｐと後背部
Ｑの上面には、おむつ横幅方向のウェスト用弾性糸９ｂ
が添設されている。なお、必要によりボディフイット用
弾性糸やレッグギャザー用弾性糸を添設しても良い。こ
の弾性糸９ｂは、帯状や糸状の天然ゴム又は合成ゴムで
成形されている。

【００２２】上記肌面側シート４は、外面側シート２と
ほぼ同じ長さで、外面側シート２よりも狭い横幅に形成
され、親水性の合成樹脂繊維製不織布又は透液性の合成
樹脂製フィルムで成形されていて、この肌面側シート４
は、吸収体３の上面を覆った状態で、吸収体３と外面側
シート２とに接着されている。また、肌面側シート４
は、図３に示すように、上記各吸収体片３ａの間では各
隙間Ｗに入り込ませて上記各吸収体用弾性糸９ａにも接
着する。

【００２３】上記左右一対の立ち上がり帯材５は、撥水
性の合成樹脂繊維製不織布で成形され、外面側シート２
とほぼ同じ長さであり、側面視で略Ｚ字状に折り曲げら
れて、外向きの基端部５ａが肌面側シート４と外面側シ
ート２の上面に跨って接着されているとともに、上端部
５ｂが吸収体３の上面両側を覆って、この上端部５ｂに
は、全長に亘って立ち上がり用弾性糸９ｃ（図３参照）
が伸長状態で接着されている。この弾性糸９ｃは、帯状
や糸状の天然ゴム又は合成ゴムで成形されて、弾性糸９
ｃの収縮力で立体ギャザーが自然に形成されるようにな
る。

【００２４】上記のように構成した使い捨ておむつ１に
おいては、外面側シート２と肌面側シート４との間に接
着した吸収体３をおむつ横幅方向に複数に分割して、こ
の分割した吸収体片３ａの間の隙間Ｗにおむつ長さ方向
に配置した吸収体用弾性糸９ａを外面側シート２と肌面
側シート４との間に接着することにより、隙間Ｗのある
各吸収体片３ａが着用者の股間部分にフイットしやすく
なる。

【００２５】また、各吸収体片３ａは、吸収体用弾性糸
９ａの収縮力により湾曲状に曲げられて着用者の股間部
分にフイットするので、フイット性が高まって尿等の横
漏れを有効に防止できるようになる。

【００２６】さらに、吸収体３を吸収体片３ａに分割す
るとともに吸収体用弾性糸９ａを接着するだけであるか
ら、コスト安に製造することができる。

【００２７】さらにまた、立ち上がり帯材５の基端部５
ａを肌面側シート４と外面側シート２とに跨って接着し
ているから、立ち上がり帯材５により、尿等の横漏れを
より有効に防止できるとともに、撥水性の立ち上がり帯
材５と撥水性（又は不透液性）の外面側シート２との間
で挟まれた親水性の肌面側シート４の側縁部４ａから尿
等が滲み出なくなって、肌面側シート４の側縁部４ａか
らの横漏れも防止できる。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は、外面側シートと肌面側シートとの間に接合した吸
収体をおむつ横幅方向に複数に分割して、この分割した
吸収体片の間の隙間におむつ長さ方向に配置した弾性糸
を外面側シートと肌面側シートとの間に接合することに
より、隙間のある吸収体片が着用者の股間部分にフイッ
トしやすくなるとともに、この吸収体片が弾性糸の収縮
力により着用者の股間部分にフイットして、フイット性
が高まって尿等の横漏れを有効に防止できるようにな
る。

【００２９】また、請求項２のように、立ち上がり帯材
の基端部を肌面側シートと外面側シートとに跨って接合
すれば、立ち上がり帯材により、尿等の横漏れをより有
効に防止できるとともに、外面側シートが撥水性（又は
不透液性）、立ち上がり帯材が撥水性、肌面側シートが
親水性である場合、立ち上がり帯材と外面側シートとの
間で挟まれた肌面側シートの側縁部から尿等が滲み出な
くなって、肌面側シートの側縁部からの横漏れも防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 使い捨ておむつの展開状態の正面図である。

【図２】 使い捨ておむつの使用状態の正面図である。

【図３】 図１のＡ−Ａ線に相当する略画的断面図であ
る。

【図４】 使い捨ておむつの分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 使い捨ておむつ ２ 外面側シート ３ 吸収体 ３ａ 吸収体片 ４ 肌面側シート ５ 立ち上がり帯材 ５ａ 基端部 ９ａ 吸収体用弾性糸 ９ｃ 立ち上がり用弾性糸 Ｗ 隙間

フロントページの続き (72)発明者 前田 覚史 徳島県美馬郡貞光町太田字小山北89−１ トーヨー衛材株式会社徳島貞光工場内 (72)発明者 森 和代 徳島県美馬郡貞光町太田字小山北89−１ トーヨー衛材株式会社徳島貞光工場内 (72)発明者 立岩 幸子 徳島県美馬郡貞光町太田字小山北89−１ トーヨー衛材株式会社徳島貞光工場内 Ｆターム(参考） 3B029 BA01 BD12 BD13 BD14 BD17 4C098 AA09 CC03 CC04 CC08 CC14 CE06 DD10 DD23

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外面側シートと肌面側シートとの間に吸
   収体が接合された使い捨ておむつであって、 上記吸収体は、少なくとも股下部分がおむつ横幅方向に
   複数に分割され、この分割された吸収体片の間の隙間に
   弾性糸がおむつ長さ方向に配置され、この弾性糸は、上
   記外面側シートと肌面側シートとの間に接合されている
   ことを特徴とする使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】 上記肌面側シートは、外面側シートより
   も狭い横幅に形成されるとともに、上記吸収体の両側方
   には、立体ギャザーを形成する立ち上がり帯材が配置さ
   れ、この各立ち上がり帯材の基端部は、上記肌面側シー
   トと外面側シートとに跨って接合されている請求項１記
   載の使い捨ておむつ。