JP2002138932A - 二輪車用エンジン - Google Patents

二輪車用エンジン

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JP2002138932A
JP2002138932A JP2000333177A JP2000333177A JP2002138932A JP 2002138932 A JP2002138932 A JP 2002138932A JP 2000333177 A JP2000333177 A JP 2000333177A JP 2000333177 A JP2000333177 A JP 2000333177A JP 2002138932 A JP2002138932 A JP 2002138932A
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rotation
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acceleration
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JP2000333177A
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Hiromi Hirano
裕美 平野
Yoshiaki Uchida
吉陽 内田
Yoshiharu Isaka
義治 井坂
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • Y02T10/40Engine management systems

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速時の運転性の向上を図ることができる二
輪車用エンジンを提供すること。 【構成】 クランク軸の回転変動度が第1の設定値T1
よりも小さいときには減速状態と判断して点火時期を進
角し、回転変動度が第2の設定値T2よりも大きいとき
には加速状態と判断して点火時期を遅角し、回転変動度
が第1の設定値T1と第2の設定値T2の間にあるとき
には定常状態として判断して点火時期を維持するように
した二輪車用エンジンにおいて、加速初期には点火時期
を低負荷側に進角固定した後、所定の点火時期に遅角す
るようにする。本発明によれば、加速時にスロットルを
開けた瞬間にエンジンに供給される希薄な混合気の遅い
燃焼に対して点火時期を補正することができ、これによ
って要求される点火時期とのずれがなくなり、エンジン
出力の低下が防がれて加速時の運転性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低負荷域において
点火時期を進角するようにした二輪車用エンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃エンジンにおいては、吸気量
が少ない低負荷域では点火時の圧力が低いために混合気
の燃焼速度(火炎伝播速度)が遅く、このために点火時
期を進角させることが行われる。
【0003】ところで、負荷によって点火時期を制御す
るエンジンにおいては、負荷の検出が必須であるが、こ
の負荷の検出には一般にスロットル開度センサ(TP
S)が用いられている。
【0004】しかしながら、スロットル開度センサは高
価であり、特に小型の二輪車用エンジンにスロットル開
度センサを設けることはコスト的にもスペース的にもメ
リットが小さい。
【0005】そこで、クランク軸の回転変動の大きさに
よってエンジン負荷を検出する方法が提案されており、
このような方法を採用するエンジンの燃料供給系には一
般にキャブレタが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回転変動の
大きさによって負荷を検出する小型エンジンには鋭いレ
スポンスが要求されるため、フライホイールマスも小さ
く、低回転域での回転変動が元々大きい。このため、燃
費の改善を目的として混合気濃度をリーンに設定すると
回転変動が更に大きくなってしまい、回転変動の大きさ
によって負荷を検出し、低負荷域において点火時期を進
角するようにしたエンジンにおいては、回転変動が大き
い加速時には点火時期の進角が廃止され、運転性がこの
ような制御をしないエンジンのそれと同等となってしま
う。
【0007】即ち、スロットルを急開することによる燃
料遅れによって加速初期の数サイクルの空燃比がリーン
になってしまい、加速時には負荷の増加によって回転変
動が大きくなるために点火時期は遅角側に設定される
が、空燃比がリーンになったことによって点火時期が要
求されるタイミングに対して遅れてしまうため、加速初
期のエンジンの運動性能が低下するという問題が発生す
る。この問題は、燃費の改善を目的とした空燃比のリー
ン化によって顕著になり、回転変動を利用して点火時期
を制御するエンジンにおいては燃料供給系にキャブレタ
を使用する限り避けられない問題であった。
【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、加速時の運転性の向上を図る
ことができる二輪車用エンジンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、クランク軸の回転変動度が
第1の設定値T1よりも小さいときには減速状態と判断
して点火時期を進角し、回転変動度が第2の設定値T2
よりも大きいときには加速状態と判断して点火時期を遅
角し、回転変動度が第1の設定値T1と第2の設定値T
2の間にあるときには定常状態として判断して点火時期
を維持するようにした二輪車用エンジンにおいて、加速
初期には点火時期を低負荷側に進角固定した後、所定の
点火時期に遅角するようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、クランク軸の回転変動度を数サイクルの時
間平均によって計算し、計算された回転変動度によって
加速状態と判断されたときには回転変動度を計算するサ
イクル数を減速状態のそれよりも大きく設定するように
したことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、点火時期を進角すべき最低限の回転
域を設定し、該回転域以外では点火時期の進角を行わな
いようにしたことを特徴とする。
【0012】従って、請求項1記載の発明によれば、加
速初期には点火時期を低負荷側に進角固定するようにし
たため、加速時にスロットルを開けた瞬間にエンジンに
供給される希薄な混合気の遅い燃焼に対して点火時期を
補正することができ、これによって要求される点火時期
とのずれがなくなり、エンジン出力の低下が防がれて加
速時の運転性が高められる。そして、その後、空燃比が
設定された値に戻るに連れて点火時期も遅角側に戻され
るため、エンジンは正規の点火時期で運転されるように
なる。
【0013】請求項2記載の発明によれば、回転変動度
を計算するサイクル数を加速状態では増やすようにした
ため、加速時に回転変動度が増加したときには時間平均
値が小さく計算されるために点火時期の遅角のタイミン
グが遅らされることとなり、結果的に定常時よりも進角
側で運転されることになり、加速初期のエンジン出力の
低下が防がれて加速時の運転性が高められる。そして、
二輪車の車速が所望の値に達したためにスロットルを戻
したときには回転変動度が小さくなって定常状態と判断
されるため、回転変動度を計算するサイクル数が小さく
設定されて点火時期は直ちに進角される。
【0014】請求項3記載の発明によれば、点火時期を
進角すべき最低限の回転域(燃費が重視される走行領
域)以外では点火時期の進角を行わないようにしたた
め、回転変動が小さい高回転域での高精度な回転変動の
検出が不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0016】図1は自動二輪車1の側面図であり、同図
において、2は車体前方上部に位置するヘッドパイプで
あり、該ヘッドパイプ2内にはステアリング軸3が回動
自在に挿通している。そして、このステアリング軸3の
上端にはハンドル4が取り付けられ、下端にはフロント
フォーク5が取り付けられ、フロントフォーク5の下端
には前輪6が回転自在に軸支されている。
【0017】又、前記ヘッドパイプ2からはメインフレ
ーム7が車体後方に向かって斜め下方に延出しており、
該メインフレーム7の後部からは左右一対のシートレー
ルフレーム8が車体後方に向かって斜め上方に延出して
いる。そして、車体の前後方向略中央下部にはエンジン
9がブラケット10を介して前記メインフレーム7に支
持されて配設されており、該エンジン9のシリンダヘッ
ド11には、エアクリーナボックス12から下方に延び
る吸気管13が接続され、該吸気管13の途中にはキャ
ブレタ14が設けられている。
【0018】一方、上記エンジン9の後方には、リヤア
ーム15の前端がピボット軸16にて上下揺動自在に枢
着されており、該リヤアーム15の後端部には後輪17
が回転自在に軸支されている。そして、後輪17は、リ
ヤアーム15の後端部と前記シートレールフレーム8の
中間部に介設された左右一対のリヤクッション18を介
して車体側に懸架されている。尚、図中、19はチェー
ンケースである。
【0019】又、前記ヘッドパイプ2の後方であって、
前記シートレールフレーム8上にはタンデム型のシート
20が配置されており、該シート20の下方には燃料タ
ンク21が配され、その下方にはバッテリ22が配置さ
れている。
【0020】ここで、前記エンジン9の構成の詳細を図
2〜図4に基づいて説明する。尚、図2はエンジン要部
の側断面図、図3は同エンジンの平断面図、図4は図3
の矢視A−A方向の図である。
【0021】本実施の形態に係るエンジン9は空冷4サ
イクル単気筒エンジンであって、シリンダボディ23に
設けられたシリンダ24内にはピストン25が摺動自在
に嵌挿され、該ピストン25はコンロッド26を介して
クランク軸27に連結されている。尚、ピストン25の
シリンダ24内での往復直線運動はコンロッド26によ
ってクランク軸27の回転運動に変換される。
【0022】又、上記シリンダボディ23の端部に被着
された前記シリンダヘッド11には、図2に示すよう
に、燃焼室Sと吸気通路28及び排気通路29が形成さ
れており、吸気通路28と排気通路29が燃焼室Sにそ
れぞれ開口する吸気ポート28aと排気ポート29aは
吸気バルブ30と排気バルブ31によってそれぞれ適当
なタイミングで開閉されてシリンダ24内で所要のガス
交換がなされる。
【0023】即ち、上記吸気バルブ30と排気バルブ3
1はシリンダヘッドに圧入されたバルブガイド32,3
3にそれぞれ摺動自在に挿通保持されており、これらは
バルブスプリング34,35によってそれぞれ閉じ側に
付勢されている。
【0024】又、シリンダヘット11とこれに被着され
たヘッドカバー36とで囲まれる空間内であって、吸気
バルブ30と排気バルブ31の間には、図2の紙面垂直
方向(車幅方向)に長いカム軸37が回転自在に配され
ており、このカム軸37に一体に形成された吸気カム3
7aと排気カム37bの各外周面にはロッカアーム3
8,39の各一端が当接している。ここで、各ロッカア
ーム38,39はその中間部がロッカアーム軸40,4
1によってそれぞれ回転自在に支持されており、これら
の他端は前記吸気バルブ30と排気バルブ31の各頂部
にそれぞれ当接している。
【0025】更に、上記カム軸37の一端には、図3に
示すように、スプロケット42が取り付けられており、
このスプロケット42とクランク軸27に取り付けられ
た小径のスプロケット43との間には無端状のチェーン
44が巻装されている。
【0026】而して、エンジン9が作動してクランク軸
27が回転駆動されると、このクランク軸27の回転は
スプロケット43、チェーン44及びスプロケット42
を介してカム軸37に伝達されて該カム軸37がクラン
ク軸27の1/2の速度で回転駆動され、このカム軸3
7に一体に形成された前記吸気カム37aと排気カム3
7bに当接する前記ロッカアーム38,39がロッカア
ーム軸40,41を中心として揺動するため、吸気バル
ブ30と排気バルブ31がそれぞれ適当なタイミングで
開閉されて前述のようにシリンダ24内で所要のガス交
換がなされる。
【0027】尚、図3に示すように、シリンダヘッド1
1の側部には点火プラグ45が斜めに螺着されており、
該点火プラグ45の電極部は燃焼室S内に臨んでいる。
【0028】他方、図2に示すように、シリンダヘッド
11の吸気側端面(上面)には、吸気通路28に連なる
前記吸気管13が取り付けられており、この吸気管13
には前記キャブレタ14が連結されている。
【0029】ところで、上記キャブレタ14は所謂VM
キャブレタであって、これのベンチュリ管状のミキシン
グチャンバー46内に形成された吸気通路47の一部に
は断面積が急縮小するスロート部が形成されている。
又、このミキシングチャンバー46の上部にはボス部4
6aが一体に形成されており、該ボス部46aにはピス
トン状の摺動式スロットルバルブ48が上下摺動自在に
嵌挿されている。
【0030】上記スロットルバルブ48はスプリング4
9によって常時下方(絞り側)に付勢されており、その
下端には下方に向かって先細のジェットニードル50が
結着されている。そして、このスロットルバルブ48は
スロットルワイヤー51を介して自動二輪車1のハンド
ル4(図1参照)に設けられた不図示のスロットルグリ
ップに接続されている。
【0031】又、前記ミキシングチャンバー46の下部
にはフロートチャンバー52が設けられており、このフ
ロートチャンバー52内には燃料が収容されるととも
に、メインノズル53が同軸的に設けられている。尚、
メインノズル53の上端部はミキシングチャンバー46
の吸気通路47のスロート部に開口しており、その内部
には前記ジェットニードル50が進退自在に臨んでい
る。
【0032】ところで、図3に示すように、前記クラン
ク軸27の一端には遠心クラッチ57が設けられ、他端
にはフライホイールマグネトー58が取り付けられてい
る。ここで、遠心クラッチ57のアウターケース59に
は小径のギヤ60が一体に形成されている。
【0033】又、前記フライホイールマグネトー58
は、複数のコイル61をカバー62に固定して成るステ
ータ63と、クランク軸27の端部に固定されてコイル
61の周囲を覆うドラム状のロータ64とで構成されて
おり、図4に示すように、ロータ64の外周側の所定位
置には回転センサ65が固設されている。
【0034】他方、図3に示すように、クランクケース
66内には中間軸67と出力軸68が前後に平行を成し
て回転自在に配されており、中間軸67の一端には多板
式のクラッチ69が設けられており、このクラッチ69
のクラッチアウター70は中間軸67に対して回転自在
に支承され、これには前記ギヤ60に噛合するギヤ71
が取り付けられている。そして、クラッチ69のクラッ
チインナー72は、中間軸67と一体に回転するよう該
中間軸67にスプライン嵌合されている。
【0035】又、中間軸67と出力軸68には変速操作
によって選択的に噛合する複数の変速ギヤ73〜78が
設けられており、出力軸68のクランクケース66外へ
突出する端部には小径のドライブスプロケット79が取
り付けられている。そして、このドライブスプロケット
79と前記後輪17(図1参照)に取り付けられた不図
示の大径のホイールスプロケットの間には無端状の不図
示のチェーンが巻装されており、このチェーンは前記チ
ェーンケース19(図1参照)によって覆われている。
【0036】而して、エンジン9が始動されてクランク
軸27が回転駆動されると、その回転数は前記回転セン
サ65によって検出されるが、このクランク軸27の回
転数が一定値以上に達すると遠心クラッチ57がONさ
れ、該クランク軸27の回転はギヤ60,71を経てク
ラッチ69のクラッチアウター70に伝達され、該クラ
ッチアウター70が回転駆動される。
【0037】クラッチ69がON状態にあるとき、クラ
ッチアウター70の回転はクラッチインナー72を経て
中間軸67に伝達され、該中間軸67の回転は変速ギヤ
73〜78によって変速されて出力軸68に伝達され
る。そして、この出力軸68の回転はドライブスプロケ
ット79、不図示のチェーン及びホイールスプロケット
を介して後輪17に伝達され、該後輪17が回転駆動さ
れて自動二輪車1が所定の速度で走行せしめられる。
尚、変速操作はクラッチ69をOFFした状態でなされ
る。
【0038】ところで、本実施の形態に係るエンジン9
においては、クランク軸27の回転は回転センサ65に
よって検出されるが、検出されたクランク軸27の回転
は不図示のエンジンコントロールユニット(以下、EC
Uと略称する)に送信され、ECUではクランク軸27
の回転変動度が計算され、この計算された回転変動度に
よってエンジン9の負荷が求められる。
【0039】ここで、回転変動度とは、図4に示すフラ
イホイールマグネトー58のロータ64の外周に突設さ
れた突起64aの角度αの1回転の間の時間割合である
と定義される。尚、回転変動度にはバラツキが発生する
ため、何回転かの値を平均することによって安定した回
転変動度を求めることができる。
【0040】図5に回転変動度とエンジントルク(負
荷)との関係をエンジン回転数をパラメータとして示す
が、同図に示すように回転変動度は回転数が高くなるに
従って小さくなる。そして、低回転では負荷(トルク)
による回転変動度の変化が大きいため、目的とする低回
転域では回転変動度によって負荷の変化を表すことがで
きることが分かる。
【0041】而して、本実施の形態では、点火プラグ4
5による点火時期はECUによって制御されるが、EC
Uは低負荷域においては点火時期を進角する。ここで、
エンジン9の点火時期の負荷と回転速度に対する制御マ
ップを図6に示すが、本実施の形態では、点火時期を進
角すべき最低限の回転域(図6においてAにて示す領域
A)を設定し、この回転域以外では点火時期の進角を行
わないようにした。
【0042】又、ECUは、1回転毎にクランク軸27
の回転変動を検出し、回転変動度が第1の設定値T1よ
りも小さいときには減速状態と判断して点火時期を進角
し、回転変動度が第2の設定値T2よりも大きいときに
は加速状態と判断して点火時期を遅角し、回転変動度が
第1の設定値T1と第2の設定値T2の間にあるときに
は定常状態として判断して点火時期を維持するよう制御
するが、加速初期には点火時期を低負荷側に進角固定し
た後、所定の点火時期に遅角する制御を行う。以下、そ
の制御手順を図7に示すフローチャートに基づいて説明
する。
【0043】図7に示すように、制御が開始されると
(ステップS1)、クランク軸27の回転数が回転セン
サ65によって検出され(ステップS2)、検出された
回転数が設定範囲内にあるか否かが判定される(ステッ
プS3)。検出された回転数が設定範囲(図6の領域
A)外にあるときには、点火時期が最も遅角側に設定さ
れる(ステップS4)。
【0044】一方、検出された回転数が設定範囲内にあ
るときには回転変動度が算出され(ステップS5)、エ
ンジン9の運転状態が判定される(ステップS6)。即
ち、回転変動度が第1の設定値T1よりも小さいときに
は減速状態と判断し(ステップS7,S8)、点火時期
を進角する(ステップS9)。又、回転変動度が第2の
設定値T2(>T1)よりも大きいときには加速状態と
判断し(ステップS10,S11)、加速初期には点火
時期を決められたサイクル数だけ低負荷側に進角固定し
た後、所定の点火時期に遅角する(ステップS12)。
【0045】そして、回転変動度が第1の設定値T1と
第2の設定値T2の間にあるときには定常状態とし(ス
テップS13,S14)、点火時期を維持する(ステッ
プS15)。
【0046】而して、以上の各運転状態に応じて点火時
期がそれぞれ設定されると点火時期が決定され(ステッ
プS16)、以後、同様の処理が継続してなされる(ス
テップS17→ステップS2)。
【0047】以上のように、本実施の形態では、加速初
期には点火時期を低負荷側に進角固定するようにしたた
め、加速時にスロットルバルブ48を開けた瞬間にキャ
ブレタ14からエンジン9に供給される希薄な混合気の
遅い燃焼に対して点火時期を補正することができ、これ
によって要求される点火時期とのずれがなくなり、エン
ジン9の出力低下が防がれて加速時の運転性が高められ
る。そして、その後、空燃比が設定された値に戻るに連
れて点火時期も遅角側に戻されるため、エンジン9は正
規の点火時期で運転されるようになる。
【0048】尚、加速初期に点火時期を進角するとノッ
キングが発生する可能性があるが、一般にノッキングは
理論空燃比付近で最も発生し易く、燃費を重視して混合
気濃度を薄く設定したエンジン9においてスロットルバ
ルブ48を開けた瞬間は混合気濃度が更に希薄になるた
め、ノッキングの発生は殆ど問題にならない。
【0049】又、本実施の形態では、点火時期を進角す
べき最低限の回転域(燃費が重視される走行領域)以外
では点火時期の進角を行わないようにしたため、回転変
動が小さい高回転域での高精度な回転変動の検出が不要
となり、低コストを実現することができる。
【0050】ところで、以上の実施の形態では1回転毎
にクランク軸27の回転変動を検出して回転変動度を算
出するようにしたが、クランク軸27の回転変動度を数
サイクルの時間平均によって計算し、計算された回転変
動度によって加速状態と判断されたときには回転変動度
を計算するサイクル数を減速状態のそれよりも大きく設
定するようにしても前記と同様の効果が得られる。尚、
この場合の制御手順を図8に示す(図8のステップ12
参照)。
【0051】つまり、回転変動度を計算するサイクル数
を加速状態では増やすようにしたため、加速時に回転変
動度が増加したときには時間平均値が小さく計算される
ために点火時期の遅角のタイミングが遅らされることと
なり、結果的に定常時よりも進角側で運転されることに
なり、加速初期のエンジン9の出力低下が防がれて加速
時の運転性が高められる。そして、自動二輪車1の車速
が所望の値に達したためにスロットルバルブ48を戻し
たときには回転変動度が小さくなって定常状態と判断さ
れるため、回転変動度を計算するサイクル数が小さく設
定されて点火時期は直ちに進角される。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、クランク軸の回転変動度が第1の設定値T1よ
りも小さいときには減速状態と判断して点火時期を進角
し、回転変動度が第2の設定値T2よりも大きいときに
は加速状態と判断して点火時期を遅角し、回転変動度が
第1の設定値T1と第2の設定値T2の間にあるときに
は定常状態として判断して点火時期を維持するようにし
た二輪車用エンジンにおいて、加速初期には点火時期を
低負荷側に進角固定した後、所定の点火時期に遅角する
ようにしたため、当該二輪車用エンジンの加速時の運転
性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンを搭載する自動二輪車の
側面図である。
【図2】本発明に係るエンジン要部の側断面図である。
【図3】本発明に係るエンジンの平断面図である。
【図4】図3の矢視A−A方向の図である。
【図5】回転変動度とエンジントルク(負荷)との関係
をエンジン回転数をパラメータとして示す図である。
【図6】エンジンの点火時期の負荷と回転速度に対する
制御マップである。
【図7】本発明に係る二輪車用エンジンにおける点火時
期の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る二輪車用エンジンにおける点火時
期の制御手順の別形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動二輪車 9 エンジン(二輪車用エンジン) 14 キャブレタ 27 クランク軸 65 回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井坂 義治 静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株 式会社内 Fターム(参考) 3G022 CA04 CA05 CA09 DA01 DA02 DA03 FA01 GA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の回転変動度が第1の設定値
    T1よりも小さいときには減速状態と判断して点火時期
    を進角し、回転変動度が第2の設定値T2よりも大きい
    ときには加速状態と判断して点火時期を遅角し、回転変
    動度が第1の設定値T1と第2の設定値T2の間にある
    ときには定常状態として判断して点火時期を維持するよ
    うにした二輪車用エンジンにおいて、 加速初期には点火時期を低負荷側に進角固定した後、所
    定の点火時期に遅角するようにしたことを特徴とする二
    輪車用エンジン。
  2. 【請求項2】 クランク軸の回転変動度を数サイクルの
    時間平均によって計算し、計算された回転変動度によっ
    て加速状態と判断されたときには回転変動度を計算する
    サイクル数を減速状態のそれよりも大きく設定するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の二輪車用エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 点火時期を進角すべき最低限の回転域を
    設定し、該回転域以外では点火時期の進角を行わないよ
    うにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の二輪車
    用エンジン。
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