JP2002138287A - 廃プラスチック熱分解油化方法及び同装置 - Google Patents

廃プラスチック熱分解油化方法及び同装置

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JP2002138287A
JP2002138287A JP2000334600A JP2000334600A JP2002138287A JP 2002138287 A JP2002138287 A JP 2002138287A JP 2000334600 A JP2000334600 A JP 2000334600A JP 2000334600 A JP2000334600 A JP 2000334600A JP 2002138287 A JP2002138287 A JP 2002138287A
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terephthalic acid
pyrolysis
sand
temperature
supernatant
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JP2000334600A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sueoka
靖裕 末岡
Takeshi Amari
猛 甘利
Takashi Matsuda
俊 松田
Shigehiro Sato
繁博 佐藤
Koki Endo
弘毅 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱分解物よりテレフタル酸等結晶性物質を分
離するテレフタル酸分離工程を有する、廃プラスチック
熱分解油化方法及び装置において、改善された結晶物質
分離方法と装置により工程内機器および周辺配管内で閉
塞が起こらず、すべての分解物質を有効に利用できるよ
うにする。 【解決手段】 テレフタル酸分離工程において、析出器
300で析出する結晶状物質を分離器301で沈降分離
し、上澄液とスラリー304に分離し、上澄液をろ過器
305でろ過後次工程もしくは循環径路308に送り、
ガス状物質を50〜100℃、より好ましくは100℃
以下に冷却した後次工程に送り、スラリーを強制的に該
分離工程から抜き取って次工程に送ることにより、テレ
フタル酸分離工程及び次工程までの移送径路の閉塞を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラスチックを
熱分解して油回収する方法及び装置に係り、特に都市ご
み、産業廃棄物から分別回収される塩ビなど塩素含有ポ
リマーを含む廃プラスチックを燃料などとして有効に再
利用する目的で、油に変換する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの利用は近代社会の生
活の中で益々多岐に渡り、且つ多量に行なわれるように
なり、それに応じて使用済みのプラスチックの処理とと
もに資源としての有効再利用問題を真剣に考えなければ
ならない事態となってきている。
【0003】今までには、廃プラスチックの処理利用技
術は各種の方法が考案されているが、その1つとしてプ
ラスチックの高分子鎖を分解切断し、利用形態として至
便な液状低分子物即ち油として回収取得する方法が研究
開発されて来ている。
【0004】プラスチックの高分子鎖を切断する分解反
応は、適温に、場合によっては触媒などの添加物ととも
に加熱して行なわれるが、通常その分解に適する温度は
プラスチックの軟化点以上であるため、プラスチックは
粘稠な液状と化すので、該反応を円滑に進めるには特殊
な技術が必要である。
【0005】円滑というのは、熱移動、物質移動が均
一、速やかに行なわれて、目的とする油分を収率よく選
択的に分離取得でき、副生物、及び使用エネルギーが有
効に利用でき、且つ機器の保守が容易なことを意味す
る。また、殆どの場合、廃プラスチックには塩素を含有
したポリマーが混在しているので、塩素を首尾良く除く
ことも重要な問題である。
【0006】本発明者等は前記した目的に叶う技術とし
て、特開平9−71684に「廃プラスチックからの油
回収方法」、特開平9−235563に「廃プラスチッ
クからの油回収方法とそのシステム」を開示した。
【0007】当開示技術は、廃プラスチックスを脱塩素
工程で脱塩素温度下に砂とともに攪拌することにより脱
塩素し、分解反応工程で該脱塩素したプラスチックと砂
とを攪拌下に脱塩素温度以上の温度で熱分解し、テレフ
タル酸分離工程で該熱分解物よりテレフタル酸等結晶性
物質を分離し、分溜工程で前記結晶性物質を分離した熱
分解物より、熱分解油を分溜取得し、燃焼工程で砂とと
もに残る該熱分解残渣を燃焼して高温砂を得、該高温砂
を前記脱塩素工程及び熱分解工程へ戻入、循環使用する
廃プラスチック熱分解油化方法及び装置に関連する技術
である。
【0008】廃プラスチックスの中には作今頓に使用量
の増大しているPETボトル類などの原料となる、芳香
族ジカルボン酸系縮合重合物が含まれているために、廃
プラスチック熱分解物中には、テレフタル酸、安息香酸
など昇華性の結晶状物質が含まれている。これら結晶状
物質は本発明の目的とする熱分解油の蒸気中にやはり結
晶物質の蒸気として混在してくるので、熱分解物蒸気を
そのまま蒸留工程に廻すとたちまち工程内の機器、配管
内で結晶物質が結晶化し、機器や配管を閉塞させ、全工
程が円滑に進まなくなる。そこで、熱分解反応直後にこ
の種の結晶を除去する工程を組み込んでおく必要ある。
しかし単純な結晶分離塔を組み込むだけでは、この結晶
分離工程内ですでに閉塞などの問題が生じたり、結晶の
分離が不完全で後工程へ行く途上で閉塞を起したりの問
題があった。
【0009】結晶分離工程では一旦分解物蒸気を結晶物
質の昇華点以下に落として、結晶を析出させるが、同時
に沸点の高い液体は凝縮するので、この混合物から巧み
に固液分離を行う必要がある。更に、結晶化した閉塞性
の結晶物質を結晶分離工程の系外に巧みに排出し有効に
利用する手段が必要である。更には、異なった昇華点の
結晶物質を熱エネルギーのむだのないよう分別的に結晶
化させる方法も必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点に鑑み、廃プラスチックスを脱塩素工程で脱
塩素温度下に砂とともに攪拌することにより脱塩素し、
分解反応工程で該脱塩素した砂とプラスチックを攪拌下
に脱塩素温度以上の温度で熱分解し、テレフタル酸分離
工程で該熱分解物よりテレフタル酸等結晶性物質を分離
し、分溜工程で前記結晶性物質を分離した熱分解物よ
り、熱分解油を分溜取得し、燃焼工程で砂とともに残る
該熱分解残渣等を燃焼して高温砂を得、該高温砂を前記
脱塩素工程及び熱分解工程へ戻入、循環使用する廃プラ
スチック熱分解油化方法及び装置において、改善された
結晶物質分離方法と装置により工程内機器および周辺配
管内で閉塞が起こらず、すべての分解物質を有効に利用
する技術の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、廃プラ
スチックスを脱塩素工程で脱塩素温度下に砂とともに攪
拌することにより脱塩素し、分解反応工程で該脱塩素し
た砂とプラスチックを攪拌下に脱塩素温度以上の温度で
熱分解し、テレフタル酸分離工程で該熱分解物よりテレ
フタル酸等結晶性物質を分離し、分溜工程で前記結晶性
物質を分離した熱分解物より、熱分解油を分溜取得し、
燃焼工程で砂とともに残る該熱分解残渣等を燃焼して高
温砂を得、該高温砂を前記脱塩素工程及び熱分解工程へ
戻入、循環使用する廃プラスチック熱分解油化方法にお
いて、テレフタル酸分離工程で、析出する結晶状物質を
沈降分離し、上澄液とスラリーに分離し、上澄液をろ過
後次工程もしくは循環径路に送り、ガス状物質を50〜
100℃、より好ましくは100℃以下に冷却した後次
工程に送り、スラリーを強制的に該分離工程から抜き取
って次工程に送ることにより、テレフタル酸分離工程及
び次工程までの移送径路の閉塞を防止することを特徴と
する。
【0012】同様に本発明の装置は、廃プラスチックス
を脱塩素温度下に砂とともに攪拌することにより脱塩素
する脱塩素キルン、該脱塩素した砂とプラスチックを攪
拌下に脱塩素温度以上の温度で熱分解する熱分解槽、該
熱分解物よりテレフタル酸等結晶性物質を分離するテレ
フタル酸分離器、前記結晶性物質を分離した熱分解物よ
り熱分解油を分溜する蒸留塔、砂とともに残る該熱分解
残渣等を燃焼して高温砂を得る燃焼炉、該高温砂を前記
脱塩素キルン系及び熱分解槽系へ戻入する戻入手段を有
する廃プラスチック熱分解油化装置において、テレフタ
ル酸析出塔、該テレフタル酸析出塔の塔底に接続した沈
降分離器、テレフタル酸析出塔塔頂付近で分離するガス
状物質を50〜100℃、より好ましくは100℃以下
に冷却する冷却手段、前記沈降分離器の缶底からスラリ
ーを強制的に抜き取る強制的抜き取り手段を有するテレ
フタル酸分離器を前記熱分解槽と前記蒸留塔との間に設
けて、テレフタル酸分離器内及び次工程までの移送径路
の閉塞を防止するするよう構成したことを特徴とする。
【0013】熱分解槽で行われる熱分解工程は、目的と
する油状物の沸点以上の高分子量の蒸気は熱分解槽に還
流させて、完全分解を図るよう還流冷却器を備えている
が、かかる目的の還流冷却器の塔頂の温度は通常、テレ
フタル酸の昇華点よりやや高く設定する。即ち還流塔
内、及び保温された取り出し配管内では、昇華性結晶の
析出は起こらない。しかし、この熱分解槽付帯の還流冷
却器塔頂より取り出す、ガス状物質は、常温で気体の物
質、常温で液体の油状物質の蒸気、昇華性結晶の蒸気を
含む。
【0014】熱分解槽付帯の還流冷却器塔頂より取り出
した、該ガス状物質はテレフタル酸分離工程のテレフタ
ル酸析出塔中腹に導入して、ここでテレフタル酸の昇華
点以下に冷却して昇華性結晶を析出させる。同時にテレ
フタル酸昇華点以下の沸点の物質は凝縮し液化する。し
かし、上記したようにして液化及び結晶化して分別した
後のガス状の物質には、昇華点100℃前後である安息
香酸などさらに昇華点の低い結晶性物質が含まれるの
で、塔頂付近で前記冷却手段により更に安息香酸の昇華
点である50〜100℃、より好ましくは100℃より
低い温度に冷却して、結晶性物質を分別する。当然、同
時に塔頂付近では、同温度に相当する沸点以下の液体は
凝縮液化する。そして未だガス状の物質をテレフタル酸
析出塔の塔頂から取り出せば、そこにはもはや結晶性物
質は含まれないので、次工程の処理若しくは移送段階で
結晶が析出して閉塞するというこの経路で起きた従来の
難点は解消される。
【0015】さて、前記析出塔で析出・凝縮した結晶、
液体混合物を該テレフタル酸析出塔の塔底に接続した沈
降分離器に自重で落下せしめ、結晶を底部に沈降させ、
液体を上澄みとして分離取り出す。取り出した上澄液を
ろ過後次工程もしくは循環径路(冷却手段)に送れば、
そこにも、もはや結晶性物質は含まれないので、次工程
の処理、移送段階若しくは循環径路で結晶が析出して閉
塞するというこの経路で起きた従来の難点も解消され
る。
【0016】一方、沈降した結晶はスラリー状となって
缶底部に密に堆積するので、単に缶底に設けたノズルで
は取り出しが著しく困難または不可能で、その後の移送
にも支障が生じる。本発明ではここにスラリーを強制的
に抜き取る強制的抜き取り手段を接続、配置して缶底に
堆積したスラリーを掻き取り、移送配管へ押し出すこと
により、流動し難いスラリー状物を移動させる。
【0017】更に本発明の方法は、熱分解工程の分解ガ
スを受け入れて、冷却し、凝縮する液状物質と析出する
結晶状物質を容器に受け、結晶を容器の底部に沈降さ
せ、液体を容器の上縁から溢れさせて、該溢れた液体を
受器に受けて上澄液とすることを特徴とする。
【0018】同様に本発明の装置は、沈降分離器が、テ
レフタル酸析出塔で凝縮する液状物質と析出する結晶状
物質を受けて、該結晶状物質を沈降させうる底部コニカ
ル状缶体と、該缶体と一体となって、該缶体の上縁を環
状に囲繞して、該缶体の上縁から溢流する上澄液を受け
ることのできる受器を有することを特徴とする。
【0019】即ち、スラリーを缶底に沈降させ、上澄み
液を該缶体の上縁から溢流させる本方法及び装置がテレ
フタル酸分離塔下部に直接接続して行う分離手段として
最も適した方法及び装置である。この策を講じたこと
で、精澄な液体を取り出し以後の閉塞を防ぐことができ
る。
【0020】更に本発明の方法は、熱分解工程の分解ガ
スを受け入れて、冷却し、凝縮する液状物質と析出する
結晶状物質を除いたガス状物質を前記上澄液をろ過後冷
却して、前記ガス状物質と接触させることで前記ガス状
物質を50〜100℃、より好ましくは100℃以下に
冷却することを特徴とする。
【0021】同様に本発明の装置の冷却手段が、前記沈
降分離器の受器から取り出した上澄液をろ過するろ過
器、上澄液を冷却する熱交換器、上澄液をテレフタル酸
析出塔塔頂部でガス状物質と接触させるノズル、上澄液
を移送する移送ポンプ及び移送配管を有することを特徴
とする。
【0022】沈降分離で分離しきれなかった、液体中に
浮遊している微細な結晶は前記上澄液を受けることので
きる受器から取り出して、ろ過器によりろ過することで
完全に閉塞要因を排除する。ろ過機タイプやろ布などは
廃プラスチック原料組成やテレフタル酸分離器の運転条
件等によって、端的には微細結晶の形状及び量、液体の
粘性等によって適宜選択可能なので、限定されるもので
はない。
【0023】また、取り出し上澄み液に管路抵抗に抗し
て移送可能な圧力を付与するポンプについても、状況に
応じてポンプのタイプや能力を選択すべきものである。
【0024】熱交換器においても、析出塔塔頂を50〜
100℃、より好ましくは100℃以下に冷却可能な流
量と温度を確保出来るに足る、伝熱面積を持ち、適当な
熱交換媒体を流通できるものであれば特に限定する必要
はない。
【0025】すでに、前記により十分に結晶の除去対策
はなされているので、必要十分に冷却された上澄み液は
結晶が晶出してくる恐れはなく、低温度の液体として、
前記析出塔塔頂部に設けたノズルより上昇するガス状物
に向流させて降らせることにより、ガス状物の温度は目
的の50〜100℃、より好ましくは100℃以下に下
げることが可能である。
【0026】更に本発明の方法は、析出した結晶状物質
を含むスラリーが沈降している受器の底部を掻き取り、
ついで管路に押し出すことにより強制的に該分離工程か
ら抜き取ることを特徴とする。
【0027】同様に本発明の装置の強制的抜き取り手段
が、析出した結晶状物質を含むスラリーが沈降している
受器の底部を掻き取るスクレーパー、ついで管路に押し
出すための、缶体コニカル部先端に接続したスクリュー
ポンプ及びこれらを駆動するモーターを有することを特
徴とする。
【0028】沈降した結晶は缶底に密度高く、堆積す
る。単に缶底に設けた抜き取り口からは流れ出るような
状態ではなく、スラリー状にして缶底から抜き取るに
は、密に堆積している泥状物を掻きとり液相に分散し、
流動性を与え、続けて排出管路を移動するときも、攪拌
しつつ流動性を維持し、強制的に押し出す付勢力を与え
ながら取り出す方法であって初めて円滑なスラリーの移
送が図れる。
【0029】即ち、前記沈降分離器の缶体及びコニカル
部の中心軸と同軸に底部コニカル部先端にスラリー取り
出し口を設けるが、同様に同中心軸と同軸に外部モータ
ーより伝達手段を通じて回転可能なシャフト、該シャフ
トに取り付けられ缶体底部内表面若しくはコニカル部内
表面を、狭いクリアランスを維持しつつ、摺動するブレ
ードを持つスクレーパーによって、前記底部に密に堆積
している泥状物を掻きとり、流動性を与える。
【0030】そして、同取り出し口と同軸に、回転軸を
持ち、外部モーターより伝達手段を通じて回転すること
によって該スラリーを缶外下方に押し出す事の出来る、
外周、周方向及び長手方向に円筒バレルで包まれたスク
リューによって、前記掻き取られたスラリーを缶外移送
管路へと排出する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面を参照しなが
ら、例示的に詳しく説明する。
【0032】図2は本発明の廃プラスチック熱分解油化
プラント全体を示すフロー図である。
【0033】図2において、適度に粉砕された廃プラス
チック28は脱塩酸キルン24に導入され、ここで砂と
共に300℃近辺に加熱、攪拌され、砂粒子上にプラス
ックスが溶融コートされた状態になりながら、塩素含有
ポリマーの脱塩酸が行われる。
【0034】塩酸を含んだガスは排出管29を通じて、
ガス分燃焼炉行移送管31経由で燃焼炉である循環式流
動塔2へ導かれ、燃焼して熱砂を製造する熱源の一部と
して利用される。一方脱塩素されたプラスチック/砂粒
子は砂とプラスチック移送配管25を通って熱分解槽2
3へと移送される。ここでプラスチック/砂粒子は45
0℃近辺に加熱、攪拌され、プラスチックは熱分解して
揮発成分を生成する。
【0035】熱分解槽23気相空間の揮発成分は環流塔
22へ導入され、高沸点の分解物は適宜の鎖長の成分と
なるよう、還流塔22で還流し更に熱分解槽23で加熱
される。還流塔22で凝縮しきらない揮発成分は炭化水
素の他、PETボトル類から分解してくるテレフタル酸
など昇華性結晶成分を含んでいるので、テレフタル酸分
離器21のテレフタル酸析出塔300中腹へ供給され
る。テレフタル酸等はテレフタル酸析出塔300中で結
晶として析出し沈降分離器301の缶底へ沈降する。缶
底に沈降した結晶スラリーはスクレーパーおよびスクリ
ューポンプによって掻き取り、押し出され、テレフタル
酸スラリー移送配管32経由で燃焼炉としての循環流動
塔2へ導入されそこで燃料の一部として燃焼される。
【0036】沈降分離器301の上澄液はさらにろ過器
でろ過後、熱交換器で冷却され、冷上澄液となって、析
出塔300内のノズルから放散され、塔頂の温度が50
〜100℃、より好ましくは100℃以下となるよう塔
内蒸気を冷却する。冷上澄液の一部は経路Lによって次
工程及び前工程へ移送される。
【0037】テレフタル酸分離器21で結晶を分離した
揮発性成分は該分離器塔頂より取り出され、保温された
蒸気径路309を通って放散塔20の中腹に供給して分
溜する。ここで、低沸のガス状成分と高沸のオイル状成
分に分け、オイル状成分は缶出液として抜き出し、油2
7とする。ガス状成分は塔頂からガス溜分排出管30に
より取り出し、ガス分燃焼炉行移送管31経由で循環流
動塔2に送られ燃料として燃焼する。
【0038】揮発分が蒸発してなくなった、主成分が炭
素からなる分解残渣(チャー)と砂は、熱分解槽23の
底部より抜き出し、砂とチャー移送配管26によって循
環流動塔2へ送られここで燃焼し、共存する砂を加熱す
る。
【0039】加熱された砂は、循環流動塔のサイクロン
部で補集され、外部熱交換器1によって、第1の温度、
第2の温度の2段階の温度に 制御される。それぞれの
温度の砂は第1の温度の砂抜き取り配管10及び第2の
温度の砂抜き取り配管11によって、L字状バレル3ま
で落下、シールされる。その後、第1の温度の砂は脱塩
素キルン24に、第2の温度の砂は熱分解槽23にそれ
ぞれ定量的に戻入し、熱源及び加熱流動媒体として再使
用する。Aは外部熱交換器の熱流動化空気の巡回径路で
あり、熱交換器で加熱された空気を有効利用しようとす
るものである。
【0040】なお、ガス成分、チャーなどの燃焼による
廃ガスは炭酸ガス、一酸化炭素、窒素、残存空気の他脱
塩素工程で生成した塩化水素を含んでいるので、サイク
ロン部頂上付近から、脱気配管13によって除害塔33
へと導く。
【0041】図1、は本発明のテレフタル酸分離器を示
す概要図である。図2において、本発明を含む全体の工
程の例を説明したが、図1、により更に細部の例を説明
する。
【0042】図1において、21はテレフタル酸分離
器、300はテレフタル酸析出塔、301は沈降分離
器、302はスクレーパー、303はスクリューポン
プ、304は結晶スラリー、305はろ過器、306は
移送ポンプ、307は熱交換器、308は冷上澄液配
管、309は蒸気径路、310は底部コニカル缶体容
器、311上澄液受器、312冷上澄液放散ノズルであ
る。
【0043】熱分解槽付帯の乾留塔塔頂から抜き出した
分解ガスGは円筒状テレフタル酸析出塔中腹に導入さ
れ、水冷多管式熱交換器307により25℃〜50℃ま
でに冷却された上澄液が冷上澄液配管308を通して冷
上澄液放散ノズル312から放散され、該分解ガスGと
気液接触して冷却される。結晶化した昇華性物質、即ち
テレフタル酸、安息香酸などはやはり凝縮した液体成分
とともに塔内を流下し、底部コニカル缶体容器310内
に溜まるここで、静置された混合物は結晶を沈殿とし、
液体を精澄な上澄液として分離される。沈降分離が進行
するに従い、沈殿する結晶スラリー304は緻密に絞ま
ってくる。一方上澄液は微細な結晶が沈降して澄んで来
る。この状態を撹乱によって乱さないように、析出塔下
部は熱交換して結晶化、凝縮する円筒部分より細くし
て、底部コニカル缶体容器310内液中深くにその先端
を到達させておくとよい。
【0044】底部コニカル缶体容器310内に溜まった
液体の精澄な上澄液は該缶体の上縁から溢流するがこれ
を、該缶体と一体となって、該缶体の上縁を環状に囲繞
して、該缶体の上縁から溢流する上澄液を受けることの
できる受器311に一旦受け、上澄液として取り出す。
【0045】取りだした上澄液はポンプ306の吸引力
により、ろ過器305に通し残存する微細結晶を完全に
除き、同ポンプ306の吐出力により熱交換器307を
通過させて、25℃〜50℃までに冷却する。なおろ過
器は図に示す如く並列二重配置としておくと、他方が閉
塞した時、交換・清掃に便利である。
【0046】冷却された上澄液は前記したように塔内に
放散される。また冷却前の一部の上澄液は次工程で蒸留
されるようにおよび前工程環流冷却器内部塔頂から放散
し吸収剤として利用されるように、上澄液の次工程およ
び前工程への移送経路Lを通じて移送される。
【0047】沈殿し、緻密に絞まった結晶スラリー30
4はスラリー移送のタイミングの時、底表面上を掻き取
るように構成されたブレードをもったスクレーパー30
2をモターMの駆動力で回転して、流れ易いスラリーと
しながら、その下部同軸に取りつけられたスクリュウ−
ポンプ303をやはりモーターMの駆動力で回転してス
クリュウの押し出し力によって残渣焼却炉行き経路Tへ
と排出させる。
【0048】以上のような本発明の方法および装置構成
により、従来しばしばシャットダウンの原因となった閉
塞現象が皆無となり、且つ結晶スラリーなどの燃料とし
ての有効利用、その他温熱の有効利用などを図ることが
可能となった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により廃プ
ラスチック熱分解油化方法及び関連装置において、熱分
解工程で生成した分解ガス中のテレフタル酸などの結晶
性物質を凝縮・析出させ、これを安定的に抜き取ること
により、装置閉塞によるシャットダウンが回避され、且
つ、結晶スラリー等の燃料としての有効利用などを図る
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のテレフタル酸分離器一例を示す概要
【図2】 廃プラスチック熱分解油化プラントを示すフ
ロー図
【符号の説明】
1 外部熱交換器 2 循環流動塔 10 第1の温度の砂抜き取り配管 11 第2の温度の砂抜き取り配管 13 排気管 14 冷却媒体 20 放散塔 21 テレフタル酸分離器 22 還流塔 23 熱分解槽 24 脱塩酸キルン 25 砂とプラスチック移送配管 26 砂とチャー移送配管 27 油 28 廃プラスチック 29 塩酸含有ガス排出管 30 ガス溜分排出管 31 ガス分燃焼炉行移送管 32 テレフタル酸スラリー燃焼炉行移送管 33 除害塔 A 熱流動化空気循環経路 M モーター L 上澄液の次工程および前工程への移送径路 300 テレフタル酸析出塔 301 沈降分離器 302 スクレーパー 303 スクリューポンプ 304 結晶スラリー 305 ろ過器 306 移送ポンプ 307 熱交換器 308 冷上澄液配管 309 蒸気径路 310 底部コニカル缶体容器 311 上澄液受器 312 冷上澄液放散ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 俊 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 (72)発明者 佐藤 繁博 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 (72)発明者 遠藤 弘毅 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 Fターム(参考) 4F301 AA25 CA09 CA26 CA27 CA52 CA64 CA72 4H029 CA04 CA12 CA14 CA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチックスを脱塩素工程で脱塩素
    温度下に砂とともに攪拌することにより脱塩素し、分解
    反応工程で該脱塩素した砂とプラスチックを攪拌下に脱
    塩素温度以上の温度で熱分解し、テレフタル酸分離工程
    で該熱分解物よりテレフタル酸等結晶性物質を分離し、
    分溜工程で前記結晶性物質を分離した熱分解物より、熱
    分解油を分溜取得し、燃焼工程で砂とともに残る該熱分
    解残渣等を燃焼して高温砂を得、該高温砂を前記脱塩素
    工程及び熱分解工程へ戻入、循環使用する廃プラスチッ
    ク熱分解油化方法において、テレフタル酸分離工程で、
    析出する結晶状物質を沈降分離し、上澄液とスラリーに
    分離し、上澄液をろ過後次工程もしくは循環径路に送
    り、ガス状物質を50〜100℃、より好ましくは10
    0℃以下に冷却した後次工程に送り、スラリーを強制的
    に該分離工程から抜き取って次工程に送ることにより、
    テレフタル酸分離工程及び次工程までの移送径路の閉塞
    を防止することを特徴とする廃プラスチック熱分解油化
    方法。
  2. 【請求項2】 熱分解工程の分解ガスを受け入れて、冷
    却し、凝縮する液状物質と析出する結晶状物質を容器に
    受け、結晶を容器の底部に沈降させ、液体を容器の上縁
    から溢れさせて、該溢れた液体を受器に受けて上澄液と
    することを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック熱
    分解油化方法。
  3. 【請求項3】 熱分解工程の分解ガスを受け入れて、冷
    却し、凝縮する液状物質と析出する結晶状物質を除いた
    ガス状物質を前記上澄液をろ過後冷却して、前記ガス状
    物質と接触させることで前記ガス状物質を50〜100
    ℃、より好ましくは100℃以下に冷却することを特徴
    とする請求項1若しくは2記載の廃プラスチック熱分解
    油化方法。
  4. 【請求項4】 析出した結晶状物質を含むスラリーが沈
    降している受器の底部を掻き取り、ついで管路に押し出
    すことにより強制的に該分離工程から抜き取ることを特
    徴とする請求項1乃至3いずれかの項記載の廃プラスチ
    ック熱分解油化方法。
  5. 【請求項5】 廃プラスチックスを脱塩素温度下に砂と
    ともに攪拌することにより脱塩素する脱塩素キルン、該
    脱塩素した砂とプラスチックを攪拌下に脱塩素温度以上
    の温度で熱分解する熱分解槽、該熱分解物よりテレフタ
    ル酸等結晶性物質を分離するテレフタル酸分離器、前記
    結晶性物質を分離した熱分解物より熱分解油を分溜する
    蒸留塔、砂とともに残る該熱分解残渣等を燃焼して高温
    砂を得る燃焼炉、該高温砂を前記脱塩素キルン系及び熱
    分解槽系へ戻入する戻入手段を有する廃プラスチック熱
    分解油化装置において、テレフタル酸析出塔、該テレフ
    タル酸析出塔の塔底に接続した沈降分離器、テレフタル
    酸析出塔塔頂付近で分離するガス状物質を50〜100
    ℃、より好ましくは100℃以下に冷却する冷却手段、
    前記沈降分離器の缶底からスラリーを強制的に抜き取る
    強制的抜き取り手段を有するテレフタル酸分離器を前記
    熱分解槽と前記蒸留塔との間に設けて、テレフタル酸分
    離器内及び次工程までの移送径路の閉塞を防止するする
    よう構成したことを特徴とする廃プラスチック熱分解油
    化装置。
  6. 【請求項6】 沈降分離器が、テレフタル酸析出塔で凝
    縮する液状物質と析出する結晶状物質を受けて、該結晶
    状物質を沈降させうる底部コニカル状缶体と、該缶体と
    一体となって、該缶体の上縁を環状に囲繞して、該缶体
    の上縁から溢流する上澄液を受けることのできる受器を
    有することを特徴とする請求項5記載の廃プラスチック
    熱分解油化装置。
  7. 【請求項7】 冷却手段が、前記沈降分離器の受器から
    取り出した上澄液をろ過するろ過器、上澄液を冷却する
    熱交換器、上澄液をテレフタル酸析出塔塔頂部でガス状
    物質と接触させるノズル、上澄液を移送する移送ポンプ
    及び移送配管を有することを特徴とする請求項5若しく
    は6記載の廃プラスチック熱分解油化装置。
  8. 【請求項8】 強制的抜き取り手段が、析出した結晶状
    物質を含むスラリーが沈降している受器の底部を掻き取
    るスクレーパー、ついで管路に押し出すための、缶体コ
    ニカル部先端に接続したスクリューポンプ及びこれらを
    駆動するモーターを有することを特徴とする請求項5乃
    至7いずれかの項記載の廃プラスチック熱分解油化装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9637687B2 (en) 2013-11-27 2017-05-02 Yoichiro Yamanobe Infectious medical waste treatment system
JP2019094408A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 株式会社綿谷製作所 廃プラスチックの油化装置
JP2021178938A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 株式会社リサイクルエナジー 廃プラスチック油化処理装置

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