JP2002138198A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JP2002138198A JP2001245384A JP2001245384A JP2002138198A JP 2002138198 A JP2002138198 A JP 2002138198A JP 2001245384 A JP2001245384 A JP 2001245384A JP 2001245384 A JP2001245384 A JP 2001245384A JP 2002138198 A JP2002138198 A JP 2002138198A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な成形サイクルを有し、100℃以上の
高温度下での剛性保持性、高温下での耐久性、吸水時の
機械的性能保持性に優れた成形品を製造できるポリアミ
ド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 トランス−1,4−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン30〜70モル%とシス−1,4−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン70〜30モル%
からなるジアミン成分(I)(モル%の合計は100モ
ル%である)を70〜100モル%、及びパラキシリレ
ンジアミン及び/又はヘキサメチレンジアミンからなる
ジアミン成分(II)を30〜0モル%含むジアミン成分
(a)と、アジピン酸を70モル%以上含むジカルボン
酸成分(b)とを重縮合して得られる共重合ポリアミド
樹脂(A)100質量部に対し、特定の結晶化核剤
(B)を1〜30質量部配合してなるポリアミド樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形用ポリアミド樹
脂組成物に関する、即ち、成形サイクルが良好であり、
かつ成形して得られる成形品が100℃以上の高温度下
での剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的
性能保持性に優れる金属代替可能なポリアミド樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂を使用して得られる成形品は、靭性、耐
化学薬品性、電気特性等に優れており、金属代替材料と
して自動車部品、機械部品、電気・電子機器部品等に広
く利用されている。これら金属代替材料の用途によって
は、材料である成形品の強度、弾性率等の機械的強度の
みならず、高温度下での剛性保持性や吸水時の機械的性
能保持性、高温度下での耐久性が必要とされるものもあ
る。
【0003】これまで1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサンとアジピン酸を重縮合して得られるポリア
ミド樹脂(以下、「ポリアミドBAC6」ということが
ある)は、例えば特公昭38−648号公報、特公平0
4−022781号公報に開示されているが、いずれも
ポリアミドBAC6の製造方法及び包装用容器に関する
ものであった。
【0004】従って、これまで、良好な成形サイクルを
有し、高温度下での剛性保持性、高温下での耐久性、吸
水時の機械的性能保持性に優れた成形品を製造できるポ
リアミドBAC6系樹脂組成物は知られておらず、工業
的な利用もなされていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な成形
サイクルを有し、100℃以上の高温度下での剛性保持
性、高温下での耐久性、吸水時の機械的性能保持性に優
れた成形品を製造できる樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定のポリアミド系
樹脂に結晶化核剤を配合することで成形の際の成形サイ
クルが良好となり、更に当該樹脂組成物の成形品が上記
の優れた性能を有することを見いだし、本発明を完成す
るに到った。
【0007】すなわち、本発明は、トランス−1,4−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜70モル%
とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
70〜30モル%からなるジアミン成分(I)(モル%
の合計は100モル%である)を70〜100モル%、
及びパラキシリレンジアミン及び/又はヘキサメチレン
ジアミンからなるジアミン成分(II)を30〜0モル%
含むジアミン成分(a)と、アジピン酸を70モル%以
上含むジカルボン酸成分(b)とを重縮合して得られる
共重合ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、無機
結晶化核剤であるタルク粉末もしくはセラミック粒子、
及び有機結晶化核剤として脱偏光強度法による160℃
の半結晶化時間が30秒以下である結晶性樹脂からなる
群より選ばれた少なくとも1種の結晶化核剤(B)を1
〜30質量部配合してなるポリアミド樹脂組成物を提供
する。
【0008】更に、本発明は、トランス−1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン30〜90モル%とシ
ス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン70
〜10モル%からなるジアミン成分(I’)(モル%の
合計は100モル%である)を70〜100モル%、及
びパラキシリレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン
の双方を除く他のジアミンからなるジアミン成分(I
I’)を30〜0モル%含むジアミン成分(a’)と、
アジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分
(b)とを重縮合して得られる共重合ポリアミド樹脂
(A’)100質量部に対し、無機結晶化核剤であるタ
ルク粉末もしくはセラミック粒子、及び有機結晶化核剤
として脱偏光強度法による160℃の半結晶化時間が3
0秒以下である結晶性樹脂からなる群より選ばれた少な
くとも1種の結晶化核剤(B)を1〜30質量部配合し
てなるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、共重合ポリアミ
ド樹脂(A)の原料のジアミン成分(a)は、トランス
−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜
70モル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン70〜30モル%の混合物(ジアミン成分
(I))(モル%の合計は100モル%である)を70
〜100モル%含むものである。
【0010】1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サンには、シス体とトランス体があるが、共重合ポリア
ミド樹脂(A)の原料のジアミン成分(I)において
は、その異性体モル比(トランス/シス)は、70/3
0〜30/70である。ジアミン成分(a)がジアミン
成分(I)のみからなり、ジカルボン酸成分(b)がア
ジピン酸である場合、異性体モル比(トランス/シス)
は、70/30〜45/55が好ましい。ジアミン成分
(I)として、上記の異性体モル比を用いることによ
り、ジカルボン酸成分(b)と重縮合して得られる共重
合ポリアミド樹脂(A)に特定量の結晶化核剤(B)を
配合したポリアミド樹脂組成物から、高温度下での剛性
保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的性能保持
性に優れた成形品を得ることが出来る。
【0011】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A)の原料のジアミン成分(a)は、パラキシリレン
ジアミン及び/又はヘキサメチレンジアミンからなるジ
アミン成分(II)を30〜0モル%含むものである。ジ
アミン成分(II)を用いた場合、重縮合して得られる共
重合ポリアミド樹脂(A)は、パラキシリレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミンを用いていない場合の共重
合ポリアミド樹脂(A)と比較して、特異的に脱偏光強
度法による160℃での半結晶化時間が短くなる。従っ
て、共重合成分であるジアミン成分(II)を用いた共重
合ポリアミド樹脂(A)に無機結晶化核剤及び有機結晶
化核剤からなる群より選択された少なくとも1種の結晶
化核剤(B)を配合した樹脂組成物は、成形加工時にお
ける結晶化が促進され、成形サイクルの短縮が容易とな
る。
【0012】本発明では、結晶化速度の指標を脱偏光強
度法による160℃での半結晶化時間で表し、半結晶化
時間が短いほど結晶化速度は速いことを示す。脱偏光強
度法による半結晶化時間の測定方法は、高分子化学、第
29巻、No323、139〜143頁(Mar.,19
72)、および同誌、第29巻、No325、336〜
341頁(Mar.,1972)に記載の方法によった。
すなわち、半結晶化時間の測定は脱偏光強度法に基づ
き、試料溶融後の定温結晶化において観測される脱偏光
強度Iが、次式(2)で表される値に到達するまでに要
する時間(秒)を測定することにより行った。 I1/2=I0+0.5x(I∞―I0) (2) I0:初期脱偏光強度 I∞:結晶化終期脱偏光強度
【0013】本発明において、成形サイクルとは、成形
時、射出成形機のシリンダー内の溶融しているポリアミ
ド樹脂組成物を金型に射出し、保圧、冷却工程を経て成
形品として取り出されるまでの時間のことである。結晶
化速度が速い樹脂ほど、冷却工程を短縮でき、その結
果、成形サイクルは改良される。
【0014】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A)の原料のジアミン成分(a)は、トランス−1,
4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜70モ
ル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン70〜30モル%からなるジアミン成分(I)(モ
ル%の合計は100モル%である)70〜100モル%
と、パラキシリレンジアミン及び/又はヘキサメチレン
ジアミンからなるジアミン成分(II)30〜0モル%と
からなる。ジアミン成分(II)を使用する場合、その効
果を充分に発揮させるためには、ジアミン成分(a)は
70〜95モル%のジアミン成分(I)及び30〜5モ
ル%のジアミン成分(II)からなるのが好ましい。ジア
ミン成分(II)を上記の割合を越えて混合したジアミン
成分を用いた場合、重縮合して得られる共重合ポリアミ
ド樹脂に特定量の結晶化核剤(B)を配合したポリアミ
ド樹脂組成物の成形品は、高温度下での剛性保持性、高
温度下での耐久性が低下する。従って、ジアミン成分
(a)を上記の割合とすることにより、重縮合して得ら
れる共重合ポリアミド樹脂(A)に特定量の結晶化核剤
(B)を配合したポリアミド樹脂組成物は、高温度下で
の剛性保持性、高温度下での耐久性に優れた成形品を得
ることが出来る。
【0015】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A)の原料のジカルボン酸成分(b)は、アジピン酸
を70モル%以上含むものである。また、アジピン酸以
外の他のジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ウンデカン二酸、ドデカン二酸等のα,ω−直鎖脂肪族
ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、デカリンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等
の脂環族ジカルボン酸類等を全ジカルボン酸成分中に3
0モル%以下の範囲で使用することができる。
【0016】本発明で使用する共重合ポリアミド樹脂
(A)は、トランス−1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン30〜70モル%とシス−1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン70〜30モル%から
なるジアミン成分(I)(モル%の合計は100モル%
である)70〜100モル%と、パラキシリレンジアミ
ン及び/又はヘキサメチレンジアミンからなるジアミン
成分(II)30〜0モル%とからなるジアミン成分
(a)と、アジピン酸を70モル%以上含むジカルボン
酸成分(b)とを重縮合して得られるポリアミド樹脂で
ある。重縮合の条件は特に制限されず、ポリアミド樹脂
製造方法として従来公知の方法により行われる。共重合
ポリアミド樹脂(A)に特定量の結晶化核剤(B)を配
合したポリアミド樹脂組成物は、成形時の成形サイクル
が良好であり、高強度、高弾性率を有し、高温度下での
剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的性能
保持性に優れる成形品が得られることから、成形品材料
用樹脂組成物として有用である。共重合ポリアミド樹脂
(A)は実用的には結晶性ポリアミド樹脂である。ま
た、共重合ポリアミド樹脂(A)は、脱偏光強度法によ
る160℃の半結晶化時間が15秒以上のものが本発明
の効果を得る上で望ましい。
【0017】ここで結晶性ポリアミドとは、例えばポリ
アミド6やポリアミド66のように融点を有する結晶性
高分子であり、結晶化度、結晶化度分布、結晶の集合体
である球晶の大きさ、およびその分布状態により、ポリ
アミド樹脂成形品の物性、比重、寸法安定性等に影響を
及ぼす。例えばこれらの結晶性ポリアミドからなる成形
品は、溶融状態から金型内に射出成形することで得られ
るが、金型内にて十分に固化および結晶化を進行させる
ことで、金型からの成形品取り出しが容易となり、また
強度および高温度下での剛性保持性を高めることができ
る。
【0018】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A’)の原料のジアミン成分(a’)は、トランス−
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜9
0モル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン70〜10モル%からなるジアミン成分
(I’)(モル%の合計は100モル%である)を70
〜100モル%含むものである。
【0019】1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サンには、シス体とトランス体があるが、共重合ポリア
ミド樹脂(A’)の原料のジアミン成分(I’)におい
て、その異性体モル比(トランス/シス)は、90/1
0〜30/70である。ジアミン成分(a’)がジアミ
ン成分(I’)のみからなり、ジカルボン酸成分(b)
がアジピン酸である場合、異性体モル比(トランス/シ
ス)は、70/30〜45/55が好ましい。ジアミン
成分(I’)として、上記の異性体モル比を用いること
により、ジカルボン酸成分(b)と重縮合して得られる
共重合ポリアミド樹脂(A’)に特定量の結晶化核剤
(B)を配合したポリアミド樹脂組成物は、高温度下で
の剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的性
能保持性に優れた成形品を得ることが出来る。
【0020】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A’)の原料のジアミン成分(a’)は、パラキシリ
レンジアミン及びヘキサメチレンジアミン以外のジアミ
ンからなるジアミン成分(II’)を30〜0モル%含む
ものである。上記ジアミン成分(II’)としては、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン等の脂肪族ジアミン;パラフェニレンジア
ミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン等の芳香環を有するジアミン類等を使用することがで
きる。共重合ポリアミド樹脂(A’)の原料のジアミン
成分(a’)として、ジアミン成分(II’)を30〜0
モル%含むものを用いた場合においても、重縮合して得
られる共重合ポリアミド樹脂(A’)に特定量の結晶化
核剤(B)を配合したポリアミド樹脂組成物から、高温
度下での剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機
械的性能保持性に優れた成形品を得ることが出来る。
【0021】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A’)の原料のジアミン成分(a’)は、トランス−
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜9
0モル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン70〜10モル%からなるジアミン成分
(I’)(モル%の合計は100モル%である)70〜
100モル%と、パラキシリレンジアミン及びヘキサメ
チレンジアミンの双方を除く他のジアミンからなるジア
ミン成分(II’)0〜0モル%とからなる。ジアミン成
分(II’)を使用する場合、その効果を充分に発揮させ
るためには、ジアミン成分(a’)は70〜95モル%
のジアミン成分(I’)及び30〜5モル%のジアミン
成分(II’)からなるのが好ましい。
【0022】本発明において、共重合ポリアミド樹脂
(A’)の原料のジカルボン酸成分(b)は、共重合ポ
リアミド樹脂(A)のカルボン酸成分(b)と同様であ
る。
【0023】本発明で使用する共重合ポリアミド樹脂
(A’)は、トランス−1,4−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン30〜90モル%とシス−1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン70〜10モル%から
なるジアミン成分(I’)(モル%の合計は100モル
%である)70〜100モル%と、パラキシリレンジア
ミン及びヘキサメチレンジアミンの双方を除く他のジア
ミンからなるジアミン成分(II’)30〜0モル%とか
らなるジアミン成分(a’)と、アジピン酸を70モル
%以上含むジカルボン酸成分(b)とを重縮合して得ら
れるポリアミド樹脂である。重縮合の条件は特に制限さ
れず、ポリアミド樹脂製造方法として従来公知の方法に
より行われる。共重合ポリアミド樹脂(A’)に特定量
の結晶化核剤(B)を配合したポリアミド樹脂組成物
は、成形時の成形サイクルが良好であり、高強度、高弾
性率を有し、高温度下での剛性保持性、高温度下での耐
久性、吸水時の機械的性能保持性に優れる成形品が得ら
れることから、成形品材料用樹脂組成物として有用であ
る。共重合ポリアミド樹脂(A’)は実用的には結晶性
ポリアミド樹脂である。また、共重合ポリアミド樹脂
(A’)は、脱偏光強度法による160℃の半結晶化時
間が15秒以上のものが本発明の効果を得る上で望まし
い。
【0024】本発明においては、共重合ポリアミド樹脂
(A)又は共重合ポリアミド樹脂(A’)100質量部
に対し、無機結晶化核剤であるタルク粉末もしくはセラ
ミック粒子、及び有機結晶化核剤として脱偏光強度法に
よる160℃の半結晶化時間が30秒以下である結晶性
樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の結晶化核
剤(B)を1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部
配合した樹脂組成物を使用する。本発明で使用する共重
合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド樹脂
(A’)の脱偏光強度法による160℃での半結晶化時
間に比べて、有機結晶化核剤の半結晶化時間が大きい場
合であっても、結晶化核剤としての効果が期待できる。
【0025】本発明で使用する共重合ポリアミド樹脂
(A)又は共重合ポリアミド樹脂(A’)は、結晶化核
剤(B)を配合することにより、結晶化速度が速くな
り、成形時の成形サイクルを短縮させることができる。
また、共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミ
ド樹脂(A’)に結晶化核剤(B)を配合し、結晶化時
間が短縮することにより、結晶化が充分に進行し、機械
的性能、高温度下での剛性保持性、吸水時の機械的性能
保持性において良好な性能を示す成形品を得られるよう
になる。共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリア
ミド樹脂(A’)に特定量の結晶化核剤(B)を配合し
たポリアミド樹脂組成物の半結晶化時間は、短い方が好
ましく、更に好ましくは10秒以下である。
【0026】結晶化核剤(B)の配合割合が上記30質
量部を超える場合、成形時の樹脂の流動性、得られる成
形品の機械的性能、高温度下での剛性保持性等が低下す
る。結晶化核剤(B)の配合割合が上記1質量部未満の
場合、成形サイクルを短縮することができず、十分に結
晶化した成形品を得ることができないため、得られる成
形品の機械的性能、高温度下での剛性保持性が低下す
る。従って、結晶化核剤(B)の配合割合を共重合ポリ
アミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド樹脂(A’)1
00質量部に対して、1〜30質量部とすることによ
り、成形加工時における結晶化が促進され、成形サイク
ルの短縮が容易となり、得られる成形品の機械的性能の
低下、高温度下での剛性保持性の低下等の弊害を防ぐこ
とができる。
【0027】本発明で使用する共重合ポリアミド樹脂
(A)のジアミン成分(a)が本質的にジアミン成分
(I)のみであり、ジカルボン酸成分(b)が本質的に
アジピン酸であり、共重合ポリアミド樹脂(A)100
質量部に対し、上記結晶化核剤(B)を1〜30質量部
配合する場合、或いは、共重合ポリアミド樹脂(A’)
のジアミン成分(a’)が本質的にジアミン成分
(I’)のみであり、ジカルボン酸成分(b)が本質的
にアジピン酸であり、共重合ポリアミド樹脂(A’)1
00質量部に対し、上記結晶化核剤(B)を1〜30質
量部配合する場合、無機結晶化核剤、及び有機結晶化核
剤の配合量が下記の式(1)を満たす配合量であること
がより好ましい。 4200×exp(−0.14×x)<0.2×y+z (1) x=トランス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン量×100/[トランスおよびシス−1,4−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン量の合計量] y=共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド
樹脂(A’)100質量部に対する有機結晶化核剤配合
量(質量部) z=共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド
樹脂(A’)100質量部に対する無機結晶化核剤配合
量(質量部) 無機結晶化核剤、及び有機結晶化核剤が上記の式(1)
を満たす配合量である場合、得られる樹脂組成物の16
0℃での半結晶化時間は、10秒以下となり、成形加工
時における結晶化が促進され、成形サイクルの短縮が容
易となる。
【0028】本発明では、無機結晶化核剤として、タル
ク粉末もしくはセラミック粒子を使用する。セラミック
粒子には、ファインセラミックスあるいはニューセラミ
ックスと呼ばれるものも含まれ、具体的には、金属酸化
物、金属窒化物、金属炭化物、及び金属硼素化物が例示
でき、この中で金属として、ケイ素、アルミニウム、チ
タン、ジルコニウム、マグネシウム、鉄が例示できる。
無機結晶化核剤として、特に好ましいのはタルク粉末、
及び窒化硼素粉末である。タルク粉末、セラミック粒子
は、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80
μm以下の粒径を有するものである。
【0029】本発明で有機結晶化核剤として使用する結
晶性樹脂は、脱偏光強度法による160℃の半結晶化時
間が30秒以下、好ましくは10秒以下である。有機結
晶化核剤として、半結晶化時間が30秒以下の結晶性樹
脂を使用することにより、共重合ポリアミド樹脂(A)
又は共重合ポリアミド樹脂(A’)の半結晶化時間は短
くなり、成形加工時における結晶化が促進され、成形サ
イクルの短縮が容易となる。脱偏光強度法による160
℃の半結晶化時間が30秒以下である結晶性樹脂とし
て、メタキシリレンジアミンとアジピン酸を重縮合して
得られるポリアミドMXD6,メタキシリレンジアミン
とパラキシリレンジアミンおよびアジピン酸を重縮合し
て得られるポリアミドMP6、メタキシリレンジアミン
とパラキシリレンジアミンおよびアジピン酸とテレフタ
ル酸を重縮合して得られるポリアミドMP6T、ポリア
ミド6、ポリアミド66,ポリアミド46、ヘキサメチ
レンジアミンとアジピン酸およびテレフタル酸を重縮合
して得られるポリアミド66T、ヘキサメチレンジアミ
ンとイソフタル酸およびテレフタル酸を重縮合して得ら
れるポリアミド6IT、ポリアミド6/66(ポリアミ
ド6成分およびポリアミド66成分からなる共重合
体)、ポリアミド610,ポリアミド612、ポリアミ
ド11、ポリアミド12およびこれらの混合物、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート
等を例示できるが、本発明においては、ポリアミドMX
D6,ポリアミドMP6、ポリアミド6,ポリアミド6
6、ポリアミド46、ポリアミド66T、ポリアミド6
IT、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートを好ましく使用することができ、ポリアミド
66をさらに好ましく使用することができる。
【0030】本発明では、共重合ポリアミド樹脂(A)
又は共重合ポリアミド樹脂(A’)に特定量の結晶化核
剤(B)を配合したポリアミド樹脂組成物100質量部
に対し、無機充填物(無機系結晶化核剤として使用した
ものを除く)を10〜150質量部配合することができ
る。上記無機充填物は、この種の組成物一般に用いられ
るものであれば特に制限はないが、粉末状充填物、繊維
状充填物、粒状及びフレーク状充填物の無機充填物もし
くはこれらを併用したものが好ましく使用でき、繊維状
充填物がさらに好ましく使用できる。
【0031】粉末状充填物としては、好ましくは100
μm以下、さらに好ましくは80μm以下の粒径を有し
た粉末状であり、カオリナイト;炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム等の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネ
シウム等の硫酸塩;硫化物;及び金属酸化物等が使用で
きる。繊維状充填物としては、ガラス繊維、チタン酸カ
リウムや硫酸カルシウムのウィスカー、カーボン繊維及
びアルミナ繊維等が使用でき、好ましくはガラス繊維で
ある。
【0032】その他、必要に応じて、1種以上の添加
剤、例えば、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化
や熱及び紫外線による劣化に対する安定剤、着色剤等を
使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、製造例、実施例等により本発明を具体
的に説明する。尚、実施例等において、ポリアミド成形
品の評価方法は、下記の方法によった。 半結晶化時間 (株)コタキ製、結晶化速度測定装置(型式:MK70
1)を使用し、共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合
ポリアミド樹脂(A’)に結晶化核剤を配合する前後の
160℃での半結晶化時間を脱偏光強度法により測定し
た。 離型性 射出成形により容易に離型できるか否かを判定した。 ○:金型から成形品が容易に取り出せた。 ×:金型から成形品を取り出す際に、成形品の結晶化が
不十分なため、変形、又はエジェクターピンが成形品に
めり込むことがあった。 100℃曲げ性能保持率 恒温槽付き曲げ試験機((株)オリエンテック製、テン
シロンRTC−1310A)を使用して、ASTM D79
0に準じ、テストピース(12.7mm×6.4mm×
127mm:射出成形品)の曲げ強度、弾性率を100
℃雰囲気で測定し、20℃での値と比較した。 耐熱老化性 ASTM D638に準じ、引張試験用テストピース
(12.7mm×3.2mm×215mm:射出成形
品)を180℃ギヤオーブン中にて1000時間処理し
た後、引張強度を測定し、試験前の引張強度と比較し
た。 吸水時の機械的性能保持性 引張試験用テストピース(12.7mm×3.2mm×
215mm:射出成形品)を100℃の沸騰水中で10
00時間処理した後、引張強度を測定し、試験前の引張
強度と比較した。
【0034】製造例1 撹拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50リットルの反応缶に、精秤した
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(以下
「1,4−BAC」ということがある。トランス−体/
シス−体:65/35)9.687kg、アジピン酸1
0.000kg、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒
素置換した。反応缶を密閉状態にした後、内温を227
℃、内圧を2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4
MPaを保持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出
した。その後230分を要して内温を320℃まで昇温
し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が3
20℃に達した時点で反応系内圧を80kPaまで10
分間で連続的に減圧し、その後、反応温度を330℃ま
で連続的に昇温させ10分間、反応を継続した。得られ
たポリアミドBAC6の相対粘度(25℃、96%硫酸
溶液1g/100ml)は、2.5、融点は303℃、
160℃の半結晶化時間は16秒であった。
【0035】製造例2 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:55/45)9.687kg、
アジピン酸10.000kg、蒸留水8.400kgを
入れ、十分窒素置換した。反応缶を密閉状態にした後、
内温を227℃、内圧を2.4MPaまで昇温、昇圧
し、内圧2.4MPaを保持したまま70分間反応缶内
の水蒸気を排出した。その後200分を要して内温を3
00℃まで昇温し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧
した。内温が300℃に達した時点で反応系内圧を80
kPaまで10分間で連続的に減圧し、その後、反応温
度を310℃まで連続的に昇温させ10分間、反応を継
続した。得られたポリアミドBAC6の相対粘度(25
℃、96%硫酸溶液1g/100ml)は、2.4、融
点は288℃、160℃の半結晶化時間は137秒であ
った。
【0036】製造例3 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:43/57)9.687kg、
アジピン酸10.000kg、蒸留水8.400kgを
入れ、十分窒素置換した。反応缶を密閉状態にした後、
内温を215℃、内圧を1.9MPaまで昇温、昇圧
し、内圧1.9MPaを保持したまま70分間反応缶内
の水蒸気を排出した。その後180分を要して内温を2
70℃まで昇温し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧
した。内温が270℃に達した時点で反応系内圧を80
kPaまで10分間で連続的に減圧し、その後、反応温
度を280℃まで連続的に昇温させ10分間、反応を継
続した。得られたポリアミドBAC6の相対粘度(25
℃、96%硫酸溶液1g/100ml)は、2.9、融
点は258℃、160℃の半結晶化時間は1582秒で
あった。
【0037】製造例4 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:20/80)9.687kg、
アジピン酸10.000kg、蒸留水8.400kgを
入れ、十分窒素置換した。反応缶を密閉状態にした後、
内温を215℃、内圧を1.9MPaまで昇温、昇圧
し、内圧1.9MPaを保持したまま70分間反応缶内
の水蒸気を排出した。その後150分を要して内温を2
60℃まで昇温し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧
した。内温が260℃に達した時点で反応系内圧を80
kPaまで10分間で連続的に減圧し、その後、反応温
度を270℃まで連続的に昇温させ10分間、反応を継
続した。得られたポリアミドBAC6の相対粘度(25
℃、96%硫酸溶液1g/100ml)は、2.6、融
点は249℃、160℃の半結晶化時間は10430秒
であった。
【0038】製造例5 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:10/90)9.687kg、
アジピン酸10.000kg、蒸留水8.400kgを
入れ、十分窒素置換した。反応缶を密閉状態にした後、
内温を215℃、内圧を1.9MPaまで昇温、昇圧
し、内圧1.9MPaを保持したまま70分間反応缶内
の水蒸気を排出した。その後150分を要して内温を2
50℃まで昇温し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧
した。内温が250℃に達した時点で反応系内圧を80
kPaまで10分間で連続的に減圧し、その後、反応温
度を260℃まで連続的に昇温させ10分間、反応を継
続した。得られたポリアミドBAC6の相対粘度(25
℃、96%硫酸溶液1g/100ml)は、2.5、融
点は237℃、160℃の半結晶化時間は25300秒
であった。
【0039】製造例6 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:65/35)9.687kg、
アジピン酸9.000kg、テレフタル酸1.137k
g、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒素置換した。
反応缶を密閉状態にした後、内温を227℃、内圧を
2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4MPaを保
持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出した。その
後230分を要して内温を320℃まで昇温し、同時に
内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が320℃に達
した時点で反応系内圧を80kPaまで10分間で連続
的に減圧し、その後、反応温度を330℃まで連続的に
昇温させ10分間、反応を継続した。得られた共重合ポ
リアミド(以下「PA−BAC6T」ということがあ
る)の相対粘度(25℃、96%硫酸溶液1g/100
ml)は、5.2、融点は308℃、160℃の半結晶
化時間は230秒であった。
【0040】製造例7 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:65/35)9.687kg、
アジピン酸9.000kg、イソフタル酸1.137k
g、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒素置換した。
反応缶を密閉状態にした後、内温を227℃、内圧を
2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4MPaを保
持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出した。その
後230分を要して内温を310℃まで昇温し、同時に
内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が310℃に達
した時点で反応系内圧を80kPaまで10分間で連続
的に減圧し、その後、反応温度を320℃まで連続的に
昇温させ10分間、反応を継続した。得られた共重合ポ
リアミド(以下「PA−BAC6I」ということがあ
る)の相対粘度(25℃、96%硫酸溶液1g/100
ml)は、2.9、融点は294℃、160℃の半結晶
化時間は438秒であった。
【0041】製造例8 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:50/50)7.781kg、
アジピン酸10.000kg、パラキシリレンジアミン
1.888kg、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒
素置換した。反応缶を密閉状態にした後、内温を227
℃、内圧を2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4
MPaを保持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出
した。その後200分を要して内温を300℃まで昇温
し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が3
00℃に達した時点で反応系内圧を80kPaまで10
分間で連続的に減圧し、その後、反応温度を310℃ま
で連続的に昇温させ10分間、反応を継続した。得られ
た共重合ポリアミド(以下「PA−BP6」ということ
がある)の相対粘度(25℃、96%硫酸溶液1g/1
00ml)は、2.5、融点は287℃、160℃の半
結晶化時間は25秒であった。
【0042】製造例9 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:82/18)9.687kg、
アジピン酸9.000kg、イソフタル酸1.137k
g、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒素置換した。
反応缶を密閉状態にした後、内温を227℃、内圧を
2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4MPaを保
持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出した。その
後240分を要して内温を320℃まで昇温し、同時に
内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が320℃に達
した時点で反応系内圧を80kPaまで10分間で連続
的に減圧し、その後、反応温度を330℃まで連続的に
昇温させ10分間、反応を継続した。得られた共重合ポ
リアミド(以下「PA−BAC6I」ということがあ
る)の相対粘度(25℃、96%硫酸溶液1g/100
ml)は、2.5、融点は309℃、160℃の半結晶
化時間は105秒であった。
【0043】製造例10 製造例1と同じ反応缶に、精秤した1,4−BAC(ト
ランス−体/シス−体:55/45)5.840kg、
ヘキサメチレンジアミン3.175kg、アジピン酸1
0.000kg、蒸留水8.400kgを入れ、十分窒
素置換した。反応缶を密閉状態にした後、内温を227
℃、内圧を2.4MPaまで昇温、昇圧し、内圧2.4
MPaを保持したまま70分間反応缶内の水蒸気を排出
した。その後200分を要して内温を290℃まで昇温
し、同時に内圧を0.1MPaまで落圧した。内温が2
90℃に達した時点で反応系内圧を80kPaまで10
分間で連続的に減圧し、その後、反応温度を300℃ま
で連続的に昇温させ10分間、反応を継続した。得られ
た共重合ポリアミド(以下「PA−BAC66」という
ことがある)の相対粘度(25℃、96%硫酸溶液1g
/100ml)は、2.4、融点は272℃、160℃
の半結晶化時間は36秒であった。
【0044】実施例1 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 95質量部
に対し、ポリアミド66(デュポン製、ザイテル10
1)を1質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロンホ
ワイト5000A)を4質量部、及びガラス繊維(日本
電気硝子(株)製、03T-296GH)を96質量部配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は5.3秒であった。得られた樹脂組成物を用いて、
射出成形機にて引張試験用テストピース、曲げ試験用テ
ストピース及び吸水試験用テストピースを成形した。評
価結果を表1に示す。
【0045】実施例2 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 100質量
部に対し、ポリアミド66(デュポン製ザイテル10
1)を1質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロンホ
ワイト5000A)を2質量部、及びガラス繊維(日本
電気硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合
し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用
いて、シリンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は8.2秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表1
に示す。
【0046】実施例3 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 93質量部
に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイト5
000A)を7質量部、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)製、03T-296GH)を93質量部を配合し、ベント
式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリ
ンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷し、ペレッ
ト化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は6.5
秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と同様な
方法でテストピースを得た。評価結果を表1に示す。
【0047】実施例4 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 93質量部
に対し、窒化硼素を2質量部、及びガラス繊維(日本電
気硝子(株)製、03T-296GH)を93質量部配合し、ベ
ント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、
シリンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷し、ペ
レット化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は
8.1秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と
同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表1に示
す。
【0048】実施例5 製造例1にて得られたポリアミドBAC6 96質量部
に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイト5
000A)を4質量部、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)製、03T-296GH)を96質量部配合し、ベント式
単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリン
ダー温度325℃で溶融混練した後、水冷し、ペレット
化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は5.1秒
であった。 得られた樹脂組成物は、実施例1と同様な
方法でテストピースを得た。評価結果を表1に示す。
【0049】実施例6 製造例3にて得られたポリアミドBAC6 84質量部
に対し、ポリアミド66(デュポン製、ザイテル10
1)を9質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロンホ
ワイト5000A)を7質量部、及びガラス繊維(日本
電気硝子(株)製、03T-296GH)を93質量部配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度285℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は9.5秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表2
に示す。
【0050】実施例7 製造例6にて得られたポリアミドBAC6T 88質量
部に対し、ポリアミド66(デュポン製ザイテル10
1)を5質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロンホ
ワイト5000A)を7質量部、及びガラス繊維(日本
電気硝子(株)製、03T-296GH)を93質量部配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度335℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は8.2秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表2
に示す。
【0051】実施例8 製造例7にて得られたポリアミドBAC6I 100質
量部に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイ
ト5000A)を8質量部、及びガラス繊維(日本電気
硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合し、ベ
ント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、
シリンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷し、ペ
レット化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は
9.0秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と
同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表2に示
す。
【0052】実施例9 製造例8にて得られたポリアミドBP6 100質量部
に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイト5
000A)を4質量部、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)製、03T-296GH)を100質量部配合し、ベント
式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリ
ンダー温度310℃で溶融混練した後、水冷し、ペレッ
ト化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は6.1
秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と同様な
方法でテストピースを得た。評価結果を表2に示す。
【0053】実施例10 製造例9にて得られたポリアミドBAC6I 100質
量部に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイ
ト5000A)を8質量部、及びガラス繊維(日本電気
硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度330℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は7.0秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表3
に示す。
【0054】実施例11 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 93質量部
に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイト5
000A)を7質量部、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)製、03T-296GH)を10質量部配合し、ベント式
単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリン
ダー温度320℃で溶融混練した後、水冷し、ペレット
化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は6.5秒
であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と同様な方
法でテストピースを得た。評価結果を表3に示す。
【0055】実施例12 製造例2にて得られたポリアミドBAC6 93質量部
に対し、タルク(林化成(株)製、ミクロンホワイト5
000A)を7質量部、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)製、03T-296GH)を139質量部配合し、ベント
式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリ
ンダー温度320℃で溶融混練した後、水冷し、ペレッ
ト化した。ペレットの160℃の半結晶化時間は6.5
秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例1と同様な
方法でテストピースを得た。評価結果を表3に示す。
【0056】比較例1 製造例3にて得られたポリアミドBAC6 100質量
部に対し、ポリアミド66(デュポン製、ザイテル10
1)を20質量部、タルク(林化成(株)製ミクロンホ
ワイト5000A)を20質量部、及びガラス繊維(日
本電気硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合
し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用
いて、シリンダー温度285℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は4.8秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表3
に示す。
【0057】比較例2 製造例3にて得られたポリアミドBAC6 100質量
部に対し、結晶化核剤を配合せず、ガラス繊維(日本電
気硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度285℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は1582秒であった。得られた樹脂組成物は、実施
例1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表
3に示す。
【0058】比較例3 製造例4にて得られたポリアミドBAC6 96質量部
に対し、ポリアミド66(デュポン製、ザイテル10
1)を4質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロンホ
ワイト5000A)を10質量部、及びガラス繊維(日
本電気硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合
し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用
いて、シリンダー温度270℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は573秒であった。得られた樹脂組成物について
は、実施例1と同様な方法でテストピースを得た。
【0059】比較例4 製造例5にて得られたポリアミドBAC6 83質量部
に対し、ポリアミド66(デュポン製、ザイテル10
1)を10質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロン
ホワイト5000A)を16質量部、及びガラス繊維
(日本電気硝子(株)製、03T-296GH)を93質量部配
合し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を
用いて、シリンダー温度260℃で溶融混練した後、水
冷し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化
時間は1705秒であった。得られた樹脂組成物は、実
施例1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を
表4に示す。
【0060】比較例5 製造例10にて得られたポリアミドBAC66 100
質量部に対し、ポリアミド66(デュポン製ザイテル1
01)を2質量部、タルク(林化成(株)製、ミクロン
ホワイト5000A)を4質量部、及びガラス繊維(日
本電気硝子(株)製、03T-296GH)を100質量部配合
し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用
いて、シリンダー温度300℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。ペレットの160℃の半結晶化時
間は5.6秒であった。得られた樹脂組成物は、実施例
1と同様な方法でテストピースを得た。評価結果を表4
に示す。
【0061】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、良好
な成形サイクルを有し、高温度下での剛性保持性、高温
下での耐久性、吸水時の機械的性能保持性に優れるた
め、自動車部品、機械部品、電気・電子機器部品等の金
属代替材料として有用である。
【0062】 表1実施例番号 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 半結晶化時間(秒) 結晶化核剤配合前 137 137 137 137 16 結晶化核剤配合後 5.3 8.2 6.5 8.1 5.1 成形条件 シリンダ温度(℃) 320 320 320 320 325 金型温度(℃) 160 160 160 160 160 冷却時間(秒) 15 30 15 15 15 離型性 ○ ○ ○ ○ ○ 100℃曲げ性能保持率 強度保持率(%) 70.5 70.7 71.2 70.3 71.0 弾性率保持率(%) 83.4 83.4 83.2 83.5 83.4 耐熱老化性(180℃で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 79.0 79.9 79.3 78.8 81.0 吸水時の機械的性能保持性(沸騰水中で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 47.4 48.0 46.5 47.9 55.0
【0063】 表2実施例番号 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 半結晶化時間(秒) 結晶化核剤配合前 1582 230 438 25 結晶化核剤配合後 9.5 8.2 9.0 6.1 成形条件 シリンダ温度(℃) 285 335 320 310 金型温度(℃) 160 160 160 160 冷却時間(秒) 60 30 60 15 離型性 ○ ○ ○ ○ 100℃曲げ性能保持率 強度保持率(%) 64.9 70.6 71.0 67.0 弾性率保持率(%) 79.1 82.8 83.0 83.0 耐熱老化性(180℃で1000時間処理) 引張強度保持率(%)79.0 79.3 80.1 74.0 吸水時の機械的性能保持性(沸騰水中で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 44.5 48.9 50.9 47.0
【0064】 表3実施例番号 実施例10 実施例11 実施例12 比較例1 比較例2 半結晶化時間 結晶化核剤配合前 105 137 137 1582 1582 結晶化核剤配合後 7.0 6.5 6.5 4.8 1582 成形条件 シリンダ温度(℃) 330 320 320 285 285 金型温度(℃) 160 160 160 160 160 冷却時間(秒) 30 15 15 15 120 離型性 ○ ○ ○ ○ × 100℃曲げ性能保持率 強度保持率(%) 71.4 70.3 73.8 63.4 67.4 弾性率保持率(%)83.4 83.2 92.5 54.2 58.9 耐熱老化性(180℃で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 80.3 79.0 80.1 73.5 75.6 吸水時の機械的性能保持性(沸騰水中で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 51.3 46.7 49.2 39.3 36.7
【0065】 表4比較例番号 比較例3 比較例4 比較例5 半結晶化時間 結晶化核剤配合前 10430 25300 36 結晶化核剤配合後 537 1705 5.6 成形条件 シリンダ温度(℃) 270 260 300 金型温度(℃) 160 160 160 冷却時間(秒) 140 150 15 離型性 × × ○ 100℃曲げ性能保持率 強度保持率(%) 66.1 65.0 61.3 弾性率保持率(%) 58.8 56.1 42.0 耐熱老化性(180℃で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 76.4 75.9 70.2 吸水時の機械的性能保持性(沸騰水中で1000時間処理) 引張強度保持率(%) 34.6 32.0 37.3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 幸司 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4J002 CL002 CL012 CL031 CL032 CL052 DJ046 DK006 DM006 FD206 GM00 GN00 GQ00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランス−1,4−ビス(アミノメチ
    ル)シクロヘキサン30〜70モル%とシス−1,4−
    ビス(アミノメチル)シクロヘキサン70〜30モル%
    からなるジアミン成分(I)(モル%の合計は100モ
    ル%である)を70〜100モル%、及びパラキシリレ
    ンジアミン及び/又はヘキサメチレンジアミンからなる
    ジアミン成分(II)を30〜0モル%含むジアミン成分
    (a)と、アジピン酸を70モル%以上含むジカルボン
    酸成分(b)とを重縮合して得られる共重合ポリアミド
    樹脂(A)100質量部に対し、無機結晶化核剤である
    タルク粉末もしくはセラミック粒子、及び有機結晶化核
    剤として脱偏光強度法による160℃の半結晶化時間が
    30秒以下である結晶性樹脂からなる群より選ばれた少
    なくとも1種の結晶化核剤(B)を1〜30質量部配合
    してなるポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 トランス−1,4−ビス(アミノメチ
    ル)シクロヘキサン30〜90モル%とシス−1,4−
    ビス(アミノメチル)シクロヘキサン70〜10モル%
    からなるジアミン成分(I’)(モル%の合計は100
    モル%である)を70〜100モル%、及びパラキシリ
    レンジアミン及びヘキサメチレンジアミンの双方を除く
    他のジアミンからなるジアミン成分(II’)を30〜0
    モル%含むジアミン成分(a’)と、アジピン酸を70
    モル%以上含むジカルボン酸成分(b)とを重縮合して
    得られる共重合ポリアミド樹脂(A’)100質量部に
    対し、無機結晶化核剤であるタルク粉末もしくはセラミ
    ック粒子、及び有機結晶化核剤として脱偏光強度法によ
    る160℃の半結晶化時間が30秒以下である結晶性樹
    脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の結晶化核剤
    (B)を1〜30質量部配合してなるポリアミド樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合
    ポリアミド樹脂(A’)に無機結晶化核剤及び有機結晶
    化核剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の結晶化
    核剤(B)を配合したポリアミド樹脂組成物の脱偏光強
    度法による160℃での半結晶化時間が10秒以下であ
    る請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ジアミン成分(a)が本質的にトランス
    −1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30〜
    70モル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シク
    ロヘキサン70〜30モル%からなるジアミン混合物
    (モル%の合計は100モル%である)であり、ジカル
    ボン酸成分(b)が本質的にアジピン酸である請求項1
    又は3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ジアミン成分(a’)が本質的にトラン
    ス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン30
    〜90モル%とシス−1,4−ビス(アミノメチル)シ
    クロヘキサン70〜10モル%からなるジアミン混合物
    (モル%の合計は100モル%である)であり、ジカル
    ボン酸成分(b)が本質的にアジピン酸である請求項2
    又は3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 重縮合反応により共重合ポリアミド樹脂
    (A)又は共重合ポリアミド樹脂(A’)を得る際に使
    用するジアミン成分(a)又はジアミン成分(a’)が
    本質的にトランス−1,4−ビス(アミノメチル)シク
    ロヘキサン45〜70モル%とシス−1,4−ビス(ア
    ミノメチル)シクロヘキサン55〜30モル%からなる
    ジアミン混合物(モル%の合計は100モル%である)
    であり、かつジカルボン酸成分(b)が本質的にアジピ
    ン酸である請求項1ないし5のいずれかに記載のポリア
    ミド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合
    ポリアミド樹脂(A’)に対する無機結晶化核剤又は有
    機結晶化核剤の配合量が下記の式(1)を満たす配合量
    である請求項5または6記載のポリアミド樹脂組成物。 4200×exp(−0.14×x)<0.2×y+z (1) x=トランス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
    キサン量×100/(トランスおよびシス−1,4−ビ
    ス(アミノメチル)シクロヘキサン量の合計量) y=共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド
    樹脂(A’)100質量部に対する有機結晶化核剤配合
    量(質量部) z=共重合ポリアミド樹脂(A)又は共重合ポリアミド
    樹脂(A’)100質量部に対する無機結晶化核剤配合
    量(質量部)
  8. 【請求項8】 有機結晶化核剤の脱偏光強度法による1
    60℃での半結晶化時間が10秒以下である請求項1な
    いし7のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 有機結晶化核剤がポリアミド樹脂である
    請求項1ないし8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 有機結晶化核剤がポリアミド66であ
    る請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 無機結晶化核剤がタルクである請求項
    1ないし8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    のポリアミド樹脂組成物100質量部に対し、無機充填
    物(無機結晶化核剤として使用するものを除く)を10
    〜150質量部配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 無機充填物が繊維状充填物である請求
    項12に記載のポリアミド樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 繊維状充填物がガラス繊維である請求
    項13に記載のポリアミド樹脂組成物。
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