JP2002137112A - 脆性材料用穴明け工具 - Google Patents

脆性材料用穴明け工具

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JP2002137112A
JP2002137112A JP2000331508A JP2000331508A JP2002137112A JP 2002137112 A JP2002137112 A JP 2002137112A JP 2000331508 A JP2000331508 A JP 2000331508A JP 2000331508 A JP2000331508 A JP 2000331508A JP 2002137112 A JP2002137112 A JP 2002137112A
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Takashi Masuda
敬 増田
Taichi Aoki
太一 青木
Seiji Kameoka
誠司 亀岡
Masatoshi Nishikawa
正寿 西川
Tetsumitsu Tominaga
哲光 冨永
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MMC Kobelco Tool Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脆性材料に穴明け工具によって穴明け加工を
行う場合において、特に加工穴の径が極小さな場合であ
っても加工物にひびやクラックが生じるのを防ぐことが
可能な脆性材料用穴明け工具を提供する。 【解決手段】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線O回りに回転
される円柱軸状の工具本体1の先端部2を加工物に面接
触または線接触して食い付き可能とするとともに、少な
くともこの工具本体1の先端面5にはダイヤモンドコー
ティング6を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンや各種セ
ラミックス、ガラス、あるいは炭化タングステン(W
C)などの超硬合金材を含む高硬度な脆性材料に穴明け
加工を行う脆性材料用穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体装置の製造装置に用いられ
るシャワーヘッドを製造する場合などにおいて、単結晶
シリコン等の脆性材料に穴明け加工を施す際には、従来
より専らレーザー加工によることが多かったが、このよ
うなレーザー加工は、加工に要するレーザー加工装置が
高価であるとともにランニングコストも高く、不経済で
あるという問題がある。そこで、本発明の発明者らは、
このような脆性材料に対しても、通常の金属材料の穴明
け加工と同じように、軸線回りに回転される工具本体の
先端部に切刃が所定の先端角を持って形成されたドリル
状の穴明け工具を用いて穴明け加工を行うことができな
いか試みた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな穴明け工具によって上記脆性材料に穴明け加工を施
そうとした場合、かかる材料は脆性であるが故に、一般
的な鋼材等の金属材料に穴明け加工を行う場合に比べて
ひびやクラック等がきわめて生じ易く、特にこのような
ひびやクラックは、工具本体先端の上記軸線上に位置す
る切刃の先端角を持った突端が加工物に食い付く際に発
生し易い。これは、この軸線上では工具本体の回転速度
が0となるために、上記切刃の突端が1点で加工物に押
し付けられるように接触することとなり、これによって
該加工物に過大な負荷が作用して亀裂が生じることによ
るものと考えられる。そして、このような問題は、穴明
け加工された脆性材料を上述の半導体装置の製造装置に
おけるシャワーヘッドに用いる場合のように、加工穴の
径が極小さく、従って穴明け工具の切刃の外径も極小さ
くなって、切刃の突端が極々小さな点で加工物に接触す
ることとなる場合において、特に顕著となる。
【0004】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上述のような脆性材料に穴明け工具によって穴
明け加工を行う場合において、特に加工穴の径が極小さ
な場合であっても加工物にひびやクラックが生じるのを
防ぐことが可能な脆性材料用穴明け工具を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、脆性材料よ
りなる加工物に穴明け加工を行う脆性材料用穴明け工具
であって、軸線回りに回転される円柱軸状の工具本体の
先端部を上記加工物に面接触または線接触して食い付き
可能とするとともに、少なくともこの工具本体の先端面
にはダイヤモンドコーティングを施したことを特徴とす
る。従って、このような穴明け工具では、工具本体の先
端部が加工物に面接触または線接触して食い付くため、
加工物に過大な負荷が作用することがなく、この加工物
が脆性材料であっても亀裂が生じるのを防ぐことができ
る。
【0006】ところで、このように工具本体の先端部を
加工物に面接触または線接触して食い付くようにした場
合、特に面接触で食い付くようにした場合には、従来の
ドリル状の穴明け工具による穴明け加工の場合のように
切刃が加工物を切削しながら加工穴を形成するといった
穴明け加工形態を採ることはなく、そのままでは工具本
体の先端部が加工物に回転しながら押し付けられるだけ
で、加工穴が形成されなくなってしまう。しかるに、こ
れに対して本発明の穴明け工具では、この工具本体の先
端面にダイヤモンドコーティングが施されており、かか
るダイヤモンドコーティングは、通常そのコーティング
層の厚さが10μm程度、形成されるダイヤモンド粒子
の粒径が1μm程度のものであって、微視的にはコーテ
ィング層表面に微細な凹凸が形成されている。従って、
工具本体の送り量をこの凹凸の高さに対して十分小さく
設定すれば、このうち凸部が切刃として作用するととも
に凹部がこの切刃によって削り取られた加工物の極微細
な切粉を収容するチップポケットとして作用し、あたか
も砥石による研削のごとく、しかしながら砥石の砥粒よ
りも極小さな多くの切刃による切削作用により、工具本
体先端部が面接触や線接触によって食い付いても脆性材
料よりなる加工物に確実に穴明け加工を施すことが可能
となる。
【0007】ここで、このように工具本体先端部を加工
物に面接触または線接触で食い付かせるには、上記工具
本体の先端面を、上記軸線に直交する平坦面、または外
周部に対して内周部が後退した凹面とすればよく、この
先端面が平坦面の場合は工具本体先端部が面接触で加工
物に食い付くこととなり、また先端面が内周部が後退し
た凹面の場合はこの先端面の外周部が円環状に加工物に
接触して線接触で食い付くこととなる。さらに、上述の
ように、工具本体先端部に施されたダイヤモンドコーテ
ィングによって脆性材料よりなる加工物に穴明けを行う
場合には極微細な切粉が生成されることとなり、この切
粉が加工穴に滞留したままであると、これが加工穴の内
周と工具本体先端部外周との間に噛み込まれて加工精度
を損なったりするおそれもあるので、上記工具本体の先
端部外周には、上記先端面に開口して後端側に延びる切
粉排出溝を形成するのが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態において工具
本体1は、超硬合金等の硬質材料により一体に形成され
て、加工物に挿入されて穴明け加工を施す先端部2が、
工作機械の主軸に把持されてシャンク部とされる後端部
3に対して一段縮径した軸線Oを中心とする多段円柱軸
状をなしており、両端部2,3の間の部分は先端側に向
けて漸次縮径するテーパ部4によって結ばれている。そ
して、本実施形態では上記先端部2の先端面5、すなわ
ち当該工具本体1の先端面5は、上記軸線Oに直交する
平坦面とされるとともに、この先端面5を含めた上記先
端部2の表面全体に、図中に斜線で示すようにダイヤモ
ンドコーティング6が施されている。
【0009】ここで、本実施形態の穴明け工具は、上述
したように半導体装置の製造装置に用いられるシャワー
ヘッドを製造する場合などにおいて、単結晶シリコン等
の脆性材料に極小径の加工穴を形成するためのものであ
り、従って該脆性材料に穴明け加工を施す上記先端部2
の外径Dも極小さく、0.2〜3mm程度とされるとと
もに、この先端部2の長さLも1〜10mm程度とされ
ている。また、この先端部2の表面に施されるダイヤモ
ンドコーティング6は、超硬合金よりなる工具本体1の
先端部2に、例えばマイクロ波プラズマCVD法や熱フ
ィラメントCVD法などの手法によって形成されたもの
であって、このときの原料ガスとしては水素とメタンや
COなどの混合ガスが用いられ、また処理温度としては
約800〜900℃が一般的であり、コーティング層の
厚さは5〜25μm程度とされるとともに、形成される
ダイヤモンド粒子の粒径は0.1〜10μm程度とされ
ている。
【0010】さらに、この工具本体1の先端部2の外周
には、上記先端面5に開口して軸線Oに平行に後端側に
向けて延びる一対の切粉排出溝7,7が、軸線Oを挟ん
で互いに反対側に形成されている。この切粉排出溝7
は、上記先端部2の外周を図2に示すように断面L字状
に切り欠くようにして形成されたものであって、ただし
その互いに直交する溝壁面7a,7aの幅、すなわち当
該切粉排出溝7の溝深さは先端部2の半径よりも小さく
されており、また両切粉排出溝7,7は軸線Oに対して
互いに対称に形成されるとともに、先端部2の後端側に
おいて外周側に切り上げられてテーパ部4には達しない
ようにされている。そして、本実施形態では、この切粉
排出溝7の溝壁面7a,7aにもダイヤモンドコーティ
ング6が施されている。
【0011】このように構成された本実施形態の穴明け
工具は、上述のように工具本体1の後端部3が工作機械
の主軸に把持されて、軸線O回りに回転されつつ該軸線
O方向先端側に送り出され、単結晶シリコン等の脆性材
料よりなる加工物に穴明け加工を行う。従って、本実施
形態の穴明け工具は、その工具本体1の先端面5が切粉
排出溝7,7の開口する部分を除いて全面で面接触して
加工物に食い付くこととなる。しかるに、上記穴明け工
具によれば、このときの工具本体1の軸線O方向先端側
への送り量を、例えば0.025〜0.15μm/re
vと極小さく設定することにより、上記先端面5に施さ
れたダイヤモンドコーティング6のダイヤモンド粒子の
極微細な凹凸によって加工物が削り取られ、該加工物に
加工穴が形成される。なお、この穴明け加工時には、加
工物の穴明け部位に切削油を供給するのが望ましい。
【0012】従って、上記構成の穴明け工具によれば、
このように工具本体1の先端面5が全面で面接触して加
工物に食い付くので、食い付きの際に加工物が受ける負
荷をこの工具本体1の先端面5全面から分散させて作用
させることができ、たとえ単結晶シリコンのような脆性
材料よりなる加工物にこのような穴明け工具によって加
工穴を形成する場合であっても、この穴明け工具の食い
付きの際の負荷が1点に集中して加工物に亀裂が生じた
りするのを防止して、かかる食い付き時の亀裂に起因し
てひびやクラックが生じるのを未然に防ぐことが可能と
なる。このため、これらひびやクラックによる加工穴開
口部のコバ欠け等を抑制して、より高品位の加工穴を精
度よく形成することができるとともに、回転する穴明け
工具による機械的な加工方法によって加工穴を形成する
ことができるので、上述のような脆性材料に対しても経
済的かつ効率的に穴明け加工を行うことが可能となる。
【0013】また、本実施形態では、このように工具本
体1の先端面5が軸線Oに直交する平坦面とされて、こ
の先端面5が全面的に面接触して加工物に食い付くのに
伴い、食い付きの際に該工具本体1が受ける衝撃的負荷
も1点に集中するのを防ぐことができ、このような衝撃
的負荷によって工具本体1に欠損が生じたりするのも防
止することが可能となる。さらに本実施形態では、この
工具本体1の先端面5から先端部2の外周にかけてダイ
ヤモンドコーティング6が施されているので、この工具
本体1の先端部2全体の耐摩耗性等の向上を図ることが
できて工具本体1の損傷を一層確実に防止することがで
きるとともに、こうしてダイヤモンドコーティング6が
施された先端部2の外周が工具本体1の送りに伴い加工
穴に挿入されてその内周に摺接させられるので、この先
端部2外周のダイヤモンドコーティング6の極微細な凹
凸によって上記加工穴の内周をより高い仕上げ面精度に
加工することができるという利点も得られる。
【0014】さらにまた、本実施形態では、この工具本
体1の先端部2外周に切粉排出溝7,7が形成されてお
り、先端面5や先端部2外周のダイヤモンドコーティン
グ6によって加工物が削り取られて生成された極微細な
切粉を、この切粉排出溝7,7を通して後端側に送り出
して加工穴から排出することができ、かかる切粉が加工
穴の内周と工具本体1の先端部2外周との間に噛み込ま
れて加工穴の仕上げ面精度を損なったりするのを防止す
ることができる。しかも、本実施形態においては、これ
らの切粉排出溝7,7が工具本体1の軸線Oに平行に延
びるように形成されており、一般的なツイストドリルの
切屑排出溝のようにねじれて形成されていないので、こ
の切粉排出溝7を形成するのに工具本体1の先端部2が
大きく切り欠かれることがなく、この先端部2の強度や
剛性を十分に確保して折損等を防ぐことができ、一層の
工具寿命の向上を図ることが可能となる。これは、本実
施形態のように半導体装置の製造装置のシャワーヘッド
用に単結晶シリコン等の脆性材料に極小径の加工穴を形
成するのに伴い、上記先端部2の外径Dも極小径となら
ざるを得ない場合において、特に有効である。さらに、
穴明け加工時に切削油を供給すれば、切粉排出溝7,7
から切粉が排出されるのと入れ替わりにこの切削油を加
工穴の穴底に送り込むことができ、工具本体1の先端面
5とこの先端面5によって削られる加工穴の穴底とを効
率的に冷却・潤滑することが可能となるとともに、生成
された切粉の円滑な排出を図ることができる。
【0015】ただし、本実施形態ではこのように切粉排
出溝7が軸線Oに平行となるように直線状に形成してい
るが、これを図3および図4に示す本発明の第2の実施
形態の切粉排出溝11のように軸線Oに対して斜めに、
すなわち上記ツイストドリルのように軸線O回りにねじ
れる螺旋溝状に形成してもよい。ただし、これらの図に
示す第2の実施形態、および後述する第3、第4の実施
形態において、図1および図2に示した第1の実施形態
と共通する部分には同一の符号を配してある。しかる
に、このような第2の実施形態の穴明け工具において
は、穴明け加工時の工具本体1の回転方向Tを図3およ
び図4に示すように工具本体1の先端側に向けての切粉
排出溝11のねじれの向きに合わせることにより、工具
本体1の回転に伴って切粉が後端側に押し出されること
となるので、特に先端面5を下向きにして穴明け加工を
行う場合において、一層効率的かつ確実な切粉の排出を
図ることが可能となる。ただし、本実施形態のように穴
明け加工を施す加工物が脆性材料であって生成されるの
が極微細な切粉であり、しかも送り量が上述のように極
小さい場合には、図3および図4に符号Rで示すように
穴明け加工時の工具本体1の回転方向を上記回転方向T
とは逆向きとし、すなわち工具本体1の先端側に向けて
の切粉排出溝11のねじれの向きとは反対向きの方向に
工具本体1を回転させてもよく、これによって切粉の排
出が阻害されたりすることはない。
【0016】また、これら第1、第2の実施形態では、
工具本体1の一段縮径した先端部2の全体の表面にダイ
ヤモンドコーティング6が施されているが、これを図5
および図6に示す本発明の第3の実施形態のように、上
記先端部2の外周面の先端側の一部と先端面5の全面と
にのみダイヤモンドコーティング6を施すようにしても
よい。なお、この第3の実施形態や上記第2の実施形態
では、工具本体1の先端面5は第1の実施形態と同様に
軸線Oに直交する平坦面とされている。
【0017】次に、図7は本発明の第4の実施形態を示
すものであり、この第4の実施形態においては、円柱軸
状をなす工具本体1の先端面12が、その外周から内周
側に向かうに従い漸次後退するようにされて、軸線Oを
中心として後端側に凹む凹円錐面状に形成されているこ
とを特徴とし、このような凹面状の先端面12全面から
先端部2全体の外周にかけてダイヤモンドコーティング
6が施されている。なお、この第4の実施形態における
切屑排出溝7は軸線Oに平行な直線状に形成されている
が、これを第2の実施形態の切屑排出溝11のように螺
旋状に形成してもよく、またダイヤモンドコーティング
6についても、第3の実施形態のように先端面12と工
具本体1の先端部2外周の先端側の一部のみに施されて
いるだけであってもよい。
【0018】しかるに、このような第4の実施形態の穴
明け工具によって脆性材料よりなる加工物に穴明け加工
を行う場合には、まずこの先端面12のうち最も先端側
に突き出すその外周側の縁部が軸線Oを中心とした円周
状の線接触で加工物に食い付き、さらに工具本体1の送
りに伴ってこの先端面12の内周側が徐々に加工物に食
い込まされてゆくこととなる。このため、本実施形態に
おいても、工具本体が加工物に1点で食い付くことによ
って食い付き時の負荷が集中して亀裂が生じるような事
態を避けることができ、この亀裂に起因するひびやクラ
ックによって加工穴の開口部にコバ欠け等が生じるのを
抑制して、穴明け工具によっても高品位の加工穴を形成
することができる。
【0019】特に、本実施形態のように工具本体1の先
端面12を外周部に対して内周部が後退した凹面に形成
した場合には、上述のようにこの外周部が加工物に円周
状に食い付くことにより、まず形成すべき加工穴の内周
面が形成されてその内径が決定され、その後に工具本体
1の送りに伴って先端面12の内周側が徐々に加工物に
食い込まされることによって、この加工穴の上記内周面
よりも内側の部分が削られてゆくこととなる。このた
め、先に加工穴の内径が決定された後は、その内側部分
が削られる際に亀裂が生じてひびやクラックが発生して
も、これらが加工穴の内周面にまで達することはないの
で、本実施形態によれば、加工穴開口部におけるコバ欠
けを一層確実に防止することができるとともに、加工穴
の内周面の仕上げ面精度もさらに向上させることが可能
となる。
【0020】ところで、上記第1の実施形態による脆性
材料への穴明け加工の説明では、穴明け加工時の工具本
体1の軸線O方向先端側への送り量を0.025〜0.
15μm/revと極小さく設定しているが、これは、
本発明の穴明け工具は上述のように工具本体1の先端部
2に施されたダイヤモンドコーティング6の極微細な凹
凸によって脆性材料よりなる加工物を削り取って加工穴
を形成するものであるので、この送り量が大きすぎる
と、多数の切刃を構成することとなる上記凹凸のうちの
凸部の高さを該切刃の1刃当たりの送り量が上回り、回
転する工具本体1の先端面5,12が単に加工物を押し
付けるだけとなってしまって穴明け加工が不可能となっ
たり、先端部2が折損してしまったりするおそれがある
からである。その一方で、逆にこの送り量が小さすぎて
も、加工効率が著しく損なわれるのは勿論、穴明け加工
時に発生する熱が発散され難くなって、工具本体1に欠
損が生じたりダイヤモンドコーティング6にチッピング
等の損傷を招いたりするおそれがあるので、この送り量
は第2〜第4の実施形態も含めて上述のように0.02
5〜0.15μm/revの範囲内に設定されるのが望
ましい。
【0021】また、本発明においては、上記工具本体1
の先端部2の外径Dについて特に限定はされないが、例
えば上述のような半導体装置の製造装置におけるシャワ
ーヘッドに用いるものとして脆性材料に穴明け加工を行
う場合には、形成される加工穴の径はそれほど大きなも
のではなく、しかも、このような場合以外に脆性材料に
穴明け加工を行う場合において、大きな径の加工穴を穴
明け工具により形成しようとすると、特に第1〜第3の
実施形態のように先端面5が平坦面とされたものにあっ
ては面接触の際の圧力の絶対値自体が大きくなり、亀裂
の発生を確実に抑制することができなくなるおそれが生
じる。従って、本発明は、この先端部2の外径Dが極小
さい場合において特に効果的であり、その一方で現実的
に製造可能な先端部2の外径Dの下限値には工具本体1
の強度等によって自ずと限度があり、しかもこの外径D
が小径過ぎると如何に先端面5,12が平坦面や凹面と
されていても食い付きの際には点接触と変わらなくなっ
てしまうので、上記第1の実施形態のように、先端部2
の外径Dあるいは加工穴の内径が0.2〜3mmの範囲
である場合により好適であると言うことができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体のダイヤモンドコーティングが施されるその先
端面を、工具本体の軸線に直交する平坦面や外周部に対
して内周部が後退した凹面としたりして、加工物に面接
触あるいは線接触して食い付き可能とすることにより、
この食い付き時に脆性材料よりなる加工物の1点に負荷
が集中して亀裂が生じるのを防ぐことができ、かかる亀
裂に起因するひびやクラックによって加工穴の開口部に
コバ欠けが生じたりするのを抑制することが可能とな
る。従って、回転する穴明け工具による機械的な穴明け
加工によっても、より高品位で精度のよい加工穴を脆性
材料よりなる加工物に形成することができ、経済的かつ
効率的な穴明けを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側面図であ
る。
【図2】 図1に示す第1の実施形態の先端面5を示す
正面図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態を示す側面図であ
る。
【図4】 図3に示す第2の実施形態の先端面5を示す
正面図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態を示す側面図であ
る。
【図6】 図5に示す第3の実施形態の先端面5を示す
正面図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態を示す一部破断側面
図である。
【符号の説明】
1 工具本体 2 工具本体1の先端部 5,12 工具本体1の先端面 6 ダイヤモンドコーティング 7,11 切屑排出溝 O 工具本体1の軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀岡 誠司 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 西川 正寿 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 冨永 哲光 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 Fターム(参考) 3C037 AA05 CC08 FF08 3C069 AA04 BA09 BB01 CA03 CA11 EA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端部が上記加工物に面接触
    または線接触して食い付き可能とされるとともに、少な
    くともこの工具本体の先端面にはダイヤモンドコーティ
    ングが施されていることを特徴とする脆性材料用穴明け
    工具。
  2. 【請求項2】 上記工具本体の先端面が、上記軸線に直
    交する平坦面、または外周部に対して内周部が後退した
    凹面とされていることを特徴とする請求項1に記載の脆
    性材料用穴明け工具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体の先端部外周には、上記先
    端面に開口して後端側に延びる切粉排出溝が形成されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    脆性材料用穴明け工具。
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