JP2002136990A - 廃水処理装置と制御法 - Google Patents

廃水処理装置と制御法

Info

Publication number
JP2002136990A
JP2002136990A JP2000336793A JP2000336793A JP2002136990A JP 2002136990 A JP2002136990 A JP 2002136990A JP 2000336793 A JP2000336793 A JP 2000336793A JP 2000336793 A JP2000336793 A JP 2000336793A JP 2002136990 A JP2002136990 A JP 2002136990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bod
tank
denitrification
treatment
nitrate ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000336793A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Ogawa
尊夫 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OGAWA KANKYO KENKYUSHO KK
Ogawa Kankyo Kenkyusho KK
Original Assignee
OGAWA KANKYO KENKYUSHO KK
Ogawa Kankyo Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OGAWA KANKYO KENKYUSHO KK, Ogawa Kankyo Kenkyusho KK filed Critical OGAWA KANKYO KENKYUSHO KK
Priority to JP2000336793A priority Critical patent/JP2002136990A/ja
Publication of JP2002136990A publication Critical patent/JP2002136990A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】簡便な装置で脱窒素できる制御法、特に既存の
活性汚泥処理装置の簡便な変更でBOD処理に加えて脱
窒素処理もできる装置と制御方法を提供する。 【解決手段】微生物により脱窒素する廃水処理装置で、
前段の硝酸化槽27では曝気により窒素成分を硝酸イオ
ンに変化させ、後段の脱窒素槽28では嫌気処理により
硝酸イオンを窒素ガスとする装置において、後段槽の曝
気、攪拌用の散気管に自動開閉弁40を設置し、また後
段槽内に、BOD及び硝酸イオンまたはそれらの代替指
標を検知する分析計器39を設置する。使用方法として
は、後段処理後廃水の硝酸イオンが少ない時は該自動開
閉弁の開時間を長くして、槽内の好気時間を長めると供
に、硝酸イオンが多い時は開時間を短くして槽内の嫌気
時間を長める事により脱窒素反応を促進し、効率的なB
OD処理、脱窒素処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は活性汚泥処理法およ
び生物学的脱窒素法の運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水処理の方法として、好気性微生物を
利用した生物処理法は広く一般的に用いられる廃水処理
法である。その代表的なプロセスとして活性汚泥処理法
がある。活性汚泥は水中の酸素を使って廃水中のBOD
成分を分解するとともに有機物中の窒素をアンモニアイ
オンにかえる。さらに活性汚泥は廃水中のアンモニアイ
オンを硝化菌の作用により(1)式(2)式のように硝酸
イオンに変える。この状態から酸素の供給を停止し、槽
内を嫌気状態にすると脱窒素菌はBOD源を硝酸イオン
の酸素を使って分解する。この作用により硝酸イオンは
(3)式(4)式のように窒素ガスに還元除去される。生
物脱窒素処理法はこの原理を応用したものである。
【0003】上記原理を最も単純に具現化する脱窒素処
理法は図1に示す処理フローである。処理水槽は直列に
接続された3槽からなり、1は前段の硝酸化槽、2は脱窒
素槽、3は再曝気槽である。1の硝酸化槽には4のブロア
ーと5の散気管による曝気装置が設備され、2の脱窒素槽
には6の攪拌機が設備され、3の再曝気槽には4のブロア
ーと7の散気管による曝気装置が設備されている。原水
は8の原水ポンプにより1の硝酸化槽に投入されるととも
に、分岐配管と9の流量調節バルブにより、直接2の脱窒
素槽にも一部添加投入される。2の脱窒素槽には、10の
添加装置により原水以外のBOD源の液を添加投入でき
る。11は沈殿槽、12は返送汚泥ラインである。1の硝酸
化槽で十分曝気をおこない廃水中のBOD成分を分解す
るとともに、廃水中の窒素成分を硝化菌の作用で硝酸イ
オンに変えたのち、2の脱窒素槽に送水する。脱窒素槽
の先頭に原水の一部または他のBOD源を添加して槽内
を攪拌のみおこない槽内を嫌気状態にして脱窒素菌の作
用で(3)式(4)式の反応で硝酸イオンを窒素ガスに還
元し、脱窒素をおこなう。最終段は再曝気槽で後段の脱
窒素槽でわずかに残るBODを処理するとともに、脱窒
素槽で発生した窒素ガスの細かい気泡を分離させ、沈殿
槽に送る。
【0004】しかしながら、図1で示す処理フローでは
実際の廃水処理においては、原水の濃度、基質の変動、
運転条件、汚泥の状態等の変化で安定的に処理できない
のが現状である。すなわち、脱窒素槽では硝酸イオンに
見あったBOD量の分解速度は早いものの、硝酸イオン
がない嫌気状態では活性汚泥のBOD分解速度は非常に
遅くなるため硝酸イオン量に見あった量以上のBODは
未処理の状態で処理水にでていってしまう。また逆にB
OD量が硝酸イオン量に見あった量に不足すると硝酸イ
オンの除去率が低下してしまう。さらに硝酸化槽で原水
中の窒素成分がどの程度硝酸イオンに変換されるかも諸
要因で左右され、そもそも原水中の窒素量そのものが変
動している場合には反応を過不足なくおこなうことは極
めて難しい。
【0005】このため、実用化されている一般的な生物
脱窒素法の処理フロー例を図2に示す。13は第1脱窒素
槽、14は硝酸化槽、15は第2脱窒素槽、16は再曝気槽で
ある。14の硝酸化槽と16の再曝気槽には17のブロアーと
19、21の散気管による曝気装置が設備され、13の第1脱
窒素槽、15の第2脱窒素槽には18、20の攪拌機が設備さ
れている。原水は22の原水ポンプにより13の第1脱窒素
槽に添加投入される。第1脱窒素槽には24の沈殿槽から2
5の返送汚泥ラインから返送汚泥と、14の硝酸化槽の出
口から硝酸化槽の処理水の約80%が26の循環ラインから
戻っている。13の第1脱窒素槽では、18の攪拌機で攪拌
されるが酸素は供給されないため嫌気状態となり、脱窒
素菌が硝酸化槽の処理水中の硝酸イオンを原水中のBO
D源を使って還元する。第1脱窒素槽の処理水は14の硝
酸化槽に入り曝気装置による好気状態でBODを除去し
廃水中の窒素をアンモニアイオンにし、さらに硝化菌に
より硝酸イオンに変化させ、大部分を13の第1脱窒素槽
に戻し、残りの約20%程度を15の第2脱窒素槽に送る。
第2脱窒素槽では残り約20%程度の処理水に含まれる硝
酸イオンを還元するに十分なBOD源を含む液が23の添
加装置から添加され、20の攪拌機で攪拌されるが酸素は
供給されないため嫌気状態となり、脱窒素菌が硝酸イオ
ンをBOD源を使って還元する。第2脱窒素槽の処理水
は16の再曝気槽にはいり、第2脱窒素槽の処理水中に残
ったBODを好気状態で処理するとともに、脱窒素槽で
発生した窒素ガスの細かい気泡を分離させ、沈殿槽に送
る。
【0006】この処理法は生成した硝酸イオンの大部分
を第1脱窒素槽で処理し、第2脱窒素槽で硝酸イオンにみ
あったBOD源の添加量を小さくし、仮に硝酸イオンに
よるBODの分解が全くおこなわれなくとも再曝気槽で
分解できる程度とし、実質的にBOD源の添加量の制御
を不要としている。
【0007】この処理法は高窒素除去率が得られ、原水
を硝酸イオンを還元するためのBOD源として用いるこ
とができるため、大変効率的なプロセスであるが、第1
脱窒素槽と硝酸化槽との間に大量の循環装置が必要とな
るとともに硝酸化槽の必要容積が大きくなる欠点があ
る。このことは新規に処理装置を作る場合には、より大
きな建設費と設置面積を必要とし、さらに既存の活性汚
泥処理装置を改造しようとする場合、BOD処理能力が
減少するデメリットに加え、処理水槽の構成の変更、大
量の循環装置、脱窒素槽には曝気装置でなく攪拌機が必
要となる等大変な変更工事となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】実用化されている生物
脱窒素法より簡便な装置で脱窒素を可能にする制御法を
提供し、特に既存の活性汚泥処理装置を簡単な変更でB
OD処理だけでなく脱窒素処理もおこなえるようにする
処理装置と制御方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】微生物を利用する廃水処
理での脱窒素処理方法において、前段の槽内で曝気によ
り好気性処理をおこなって、廃液中の窒素成分を硝化菌
により硝酸イオンに変化させたのち、後段の槽の先頭で
原水または他のBOD源を投入し、さらに槽内を嫌気状
態にして脱窒素菌により硝酸イオンを窒素ガスにして脱
窒素処理をおこなうとき、後段の水槽を曝気および攪拌
する手段として散気管を用いる装置において、該散気管
に空気を供給する配管に自動開閉弁をもち、後段処理後
でBODまたはその代替指標および硝酸イオンまたはそ
の代替指標を検知する分析計器をもち、後段処理後のB
ODの処理が不十分で硝酸イオンが少ない場合は、該自
動開閉弁の閉の時間を短くし、その分開の時間を長くし
て槽内が好気状態にある時間を長くして好気性微生物に
よるBODの処理能力をより多くおこなわせ、後段処理
後のBODの処理が十分で硝酸イオンが多い場合は、該
自動開閉弁の閉の時間を長くし、その分開の時間を短く
して槽内が嫌気状態にある時間を長くして脱窒素菌によ
る脱窒素反応をより多くおこなわせる制御で処理をおこ
なう。
【0010】
【発明の実施の形態】
【実施例】図3は本発明を説明する処理フローである。
処理水槽は直列に接続された3槽からなり、27は硝酸化
槽、28は脱窒素槽、29は再曝気槽である。27の硝酸化槽
には30のブロアーと31の散気管による曝気装置が設備さ
れ、28の脱窒素槽には30のブロアーと32の散気管による
曝気装置が設備され、29の再曝気槽には30のブロアーと
33の散気管による曝気装置が設備されている。原水は34
の原水ポンプにより27の硝酸化槽に投入されるととも
に、分岐配管と35の流量調節バルブにより、直接28の脱
窒素槽にも一部添加投入される。28の脱窒素槽には、36
の添加装置により原水以外のBOD源の液を添加投入で
きる。37は沈殿槽、38は返送汚泥ラインである。29の再
曝気槽の出口には、39の水質分析計が設置され、BOD
と硝酸イオンを測定評価する。30のブロアーと32の散気
管を結ぶ空気配管には40の自動開閉弁が設置され、39の
水質分析計からの分析結果をうけて41の制御装置からの
信号で40の自動開閉弁を開閉する。27の硝酸化槽で十分
曝気をおこない好気状態で廃水中のBOD成分を分解す
るとともに、廃水中の窒素成分を硝化菌の作用で硝酸イ
オンに変えたのち、29の脱窒素槽に送水する。脱窒素槽
の先頭に35の流量調節バルブで原水の一部または36の添
加装置から原水以外のBOD源を添加し、40の自動開閉
弁を閉じて脱窒素槽内を嫌気状態にする。嫌気状態にす
ると脱窒素菌は硝酸イオンの酸素を取り込んでBODを
分解する結果、硝酸イオンは窒素に還元される。曝気が
停止されるため、槽内の流動が停止し、やがて汚泥が沈
降していき、脱窒素反応速度が低下するとともにBOD
の処理も低下する。このため40の自動開閉弁を短時間開
き槽内を曝気により攪拌する。曝気により一時的に酸素
が供給されるが、40の自動開閉弁が閉じられると汚泥に
よる酸素消費により速やかに嫌気状態にもどり、脱窒素
反応が再開される。この操作を繰り返すことにより、添
加するBOD量と硝酸イオンの量が相対的に過不足なけ
れば、脱窒素槽の出口において、BODと脱窒素が両方
とも処理される。
【0011】過不足が生じた場合、処理水にBODの処
理が不十分となるか、硝酸イオンが残ることになる。こ
れらは再曝気槽の出口に設置した39の水質分析計で測定
される。以下にその場合の制御法を述べる。現象として
は以下の3つである。1つ目は処理水にはBODが多く
残り、硝酸イオンはない状態である。この場合の原因は
2つ考えられる。その1は27の硝酸化槽で硝化がおこな
われず、硝酸イオンがない場合で、28の脱窒素槽では嫌
気状態のためBODの処理速度は著しく低下して、添加
したBODの処理不十分となる。その2は27の硝酸化槽
で硝化が起きているが、28の脱窒素槽で添加する原水量
または他のBOD源の量が硝酸イオンの量に比較して多
すぎる場合である。どちらの場合でも処置は同じで、脱
窒素槽での40の自動開閉弁の開の時間を長くして、脱窒
素槽を好気時間を長くして、BODを好気処理する。39
の水質分析計の結果がなお、処理水にはBODが多く残
り、硝酸イオンはない状態であれば、さらに40の自動開
閉弁の開の時間を長くする。極端な場合、閉の時間を0
にして全て開の状態にし、通常の活性汚泥処理と同じと
する。それでもなお同傾向が続く場合は35のバルブを操
作して添加する原水を減少させるかまたは36の添加装置
を操作して原水以外のBOD源の量を減少する。
【0012】2つ目は処理水にはBODは少なく、硝酸
イオンが多い場合である。この場合の原因は28の脱窒素
槽での脱窒素反応時間が短いか、添加する原水または他
のBOD源の量が硝酸イオンを分解するに必要な量に不
足している場合で、そのときの処置は40の自動開閉弁の
閉の時間を長く、開の時間を短くし、28の脱窒素槽での
嫌気状態の時間を長くする。なお処理水にはBODは少
なく、硝酸イオンが多い場合には、開の時間を槽内を攪
拌するに必要なだけのごく短時間にし、その他は全て閉
とし、嫌気状態の時間を最大とする。それでもなお同傾
向が続く場合は35のバルブを操作して添加する原水を増
加させるかまたは36の添加装置を操作して原水以外のB
OD源の量を増加する。ただし28の脱窒素槽に添加する
原水を増やしすぎると、脱窒素槽の処理は嫌気処理なの
で原水中の窒素成分はアンモニア体窒素の形態にとどま
り脱窒素されないため全窒素濃度の除去率が低下する。
従ってよりベターな方法は増加分は窒素分を含まない原
水以外のBOD源によりBOD源を補給したほうがよ
い。原水以外のBOD源は分解されやすい成分であれば
よく一般的には(3)式(4)式のように安価なメタノー
ル溶液が使われる。
【0013】3つ目は処理水にBODが多く残り、且つ
硝酸イオンも多い場合である。嫌気時間を最大にした状
態で左記の結果であれば、なんらかの原因で脱窒素菌が
活動できない状態か、負荷オーバーであって、制御だけ
では解決不可能な現象であり、警報が発せられる。
【0014】29の再曝気槽は脱窒素槽の処理水中に残っ
た少しのBODを好気状態で処理するとともに、脱窒素
槽で発生した窒素ガスの細かい気泡を分離させる機能な
ので、水質分析計は28の脱窒素槽の出口付近から、29の
再曝気槽出口までのあいだのいずれの位置にも設置可能
である。
【0015】本発明では脱窒素槽に攪拌機をもっていな
いため、自動開閉弁を閉にして槽内を嫌気にしている時
間は槽内の流動が止まるため、だんだんと汚泥は沈降
し、添加している原水または原水以外のBOD源液は槽
内を短絡する。これらを考慮すると自動開閉弁を閉めて
いる時間は15分から30分程度が好ましく、この程度なら
流動停止による反応効率の低下は許容できる。一方自動
開閉弁を開いて槽内を攪拌する時間は1分程度で十分で
あるが、空気攪拌のため、嫌気とは逆に酸素を溶解して
しまうが、通常分解容易なBOD源がある状態では汚泥
の酸素消費速度は1mg/l/min以上あるので、溶存酸素
濃度はせいぜい2mg/lから3mg/l程度にしか上昇しない。
また曝気を止めると数分で溶存酸素濃度は0mg/lとなる
ため、空気攪拌を使っても全体時間のおおむね75%以上
を嫌気状態にすることができる。
【0016】後段の脱窒素槽を通常の生物脱窒素法のご
とく攪拌機のみの装置とした場合、もし前段の硝酸化槽
で硝酸イオンができない場合には後段の脱窒素槽でのB
OD分解速度は嫌気状態のため著しく低下し、装置全体
のBOD処理能力は同容積の処理水槽をもつ活性汚泥処
理装置と比較し大きく低下することになる。前段の硝酸
化槽で硝酸イオンができないケースは、例えば原水中の
窒素量が非常にすくない廃水が流入した場合や、原水中
のBODが高く硝酸化槽でのBOD負荷が大きすぎて硝
化反応が十分におこなわれない場合や、硝化菌の活動が
阻害される廃水が流入した場合等があり、これらの現象
は産業廃水の場合は十分考慮しなければならないこと
で、特に化学工業における廃水では日常起こりうること
である。これに比較し、本発明の方式では、後段の脱窒
素槽は自動開閉弁の制御で好気状態を曝気能力のおおむ
ね25%以下から100%までを容易に変化させることがで
き、前段で硝酸イオンができない場合でも、同容積の処
理水槽をもつ活性汚泥処理装置と同等のBOD処理能力
をもたせることができる。
【0017】また後段の脱窒素槽に攪拌機を用いないこ
とは、既存の活性汚泥処理装置を生物脱窒素処理装置に
改造する場合には、たいへん大きな利点となる。基本的
な構造は活性汚泥処理装置のままでよく、曝気槽の後半
部分の散気管の空気配管に自動開閉弁とBOD源の送液
装置を取り付け、自動水質分析計と自動開閉弁の制御装
置を付加すれば可能となる。
【0018】本発明の制御法が適切に稼動するために
は、処理水のBODと硝酸イオンの量を迅速に評価でき
る水質分析計が必要である。分析時間は滞留時間等を考
慮すれば1時間から2時間程度以内で測定結果がだせる計
器が必要である。硝酸イオンの測定はJIS(日本工業
規格)に記載されている方法を単純に自動化する装置で
測定可能であるが、BODの測定はJIS法の自動化で
は時間がかかりすぎて役にたたない。このため迅速な測
定ができる代替計器としてオンラインのBOD電極法の
BOD計やTOD計やCOD計などがある。これらのB
OD評価計器は原水の成分組成や組成割合が変動する廃
水では十分な相関が得られないものであるが、食品廃水
のような組成変動が少ない廃水の場合には制御に必要な
精度で測定でき、その結果を上記アルゴリズムで自動開
閉弁を制御すれば目的は達成できる。
【0019】しかしながら上記では高価な分析計器が2
ついることと、原水の組成変動の大きな廃水には精度に
難点がある。これに対し特願2000−48412およ
び特願2000−65799に記載された方法での分析
計は1台でBODと硝酸イオンを評価でき、且つ前記B
OD代替計器よりJIS法のBODとの相関性がよく、
本発明の分析計器として最適である。
【0020】以下に特願2000−48412および特
願2000−65799に記載された方法(以下3StepD
O解析法と称す)の測定原理を簡単に述べる。曝気槽内
の混合液をサンプリングして3StepDO解析法の曝気装置
で曝気していくと廃水中の溶存酸素濃度DOは曝気経過時
間tとともに上昇していくが、その変化は(5)式で表さ
れる。 ここにDOsatは飽和酸素濃度[mg/l]、DOは曝気槽内酸素
濃度[mg/l]、Kabsは総括物質移動係数[1/min]、ASactは
活性汚泥が呼吸で使う酸素消費速度[mg/l/min]、BODac
tは活性汚泥がBOD成分の分解で使う酸素消費速度[mg
/l/min]である。(5)式右辺第1項は曝気装置から酸素供
給速度であり、第2項は活性汚泥が呼吸およびBODの
分解で使う酸素消費速度である。
【0021】第2項ASactは汚泥の基礎呼吸による酸素の
消費速度である。基礎呼吸なのでBOD成分とは直接無
関係で短時間内ではほとんど一定である。ASactは概ねD
O値が0.5mg/l以上あれば、ASactはDO値に無関係に一定
であることが知られており、またこのことはBOD成分
がほとんど0mg/lの混合液を酸素の供給を断った状態で
溶存酸素濃度が高い状態からDOの変化を測定すると直線
状に減少していくことで容易に実証できる。
【0022】第2項BODactは汚泥がBOD成分を分解し
ているときに使う酸素の消費速度である。BODactは汚泥
がその物質に馴化しているかどうか、汚泥の状態、水
温、pH、塩濃度等の棲息環境などで変化する。微生物
がBOD成分を分解する場合、反応はBOD成分に対応
した酵素等によりおこなわれ、その成分ごとに固有の反
応速度を示す。一般に有機物が微生物により最終的に水
と炭酸ガスに分解される過程では、いくつかの中間生成
物を経由し、それぞれの中間生成物の分解にはそれぞれ
の反応速度がある。
【0023】曝気過程でBODactが変化する場合には(5)
式は簡単には積分できないが、BOD成分が殆ど0mg/l
の混合液の場合、(5)式のBODactは殆ど0となり(5)式は
以下のようになる。 ASactは前述のごとく概ねDO>0.5mg/lではDOに無関係に
一定であるから概ねDO>0.5mg/lの範囲で(6)式は容易に
積分でき(7)式で表される。 DO=α−(α−DO0)exp(−Kabs・t) (7)式 但しα=DOsat−ASact/Kabs DO0は曝気を開始したときの初期値である。また(7)式
は曝気経過時間tが十分な大きさになれば右辺第2項は
無視できるから DO=α=DOsat−ASact/Kabs (8)式 の値で一定となり、この値をhighfinalDOで表せば、hig
hfinalDOはBOD成分が殆ど0mg/lの混合液を曝気した
場合、最終的に到達するDO値と定義でき、(8)式はDO=h
ighfinalDO−(highfinalDO−DO0)exp(−Kabs・t)
(9)式と書き直せる。(9)式によるDOの変化は図4の1の
点線に示すような曲線となる。
【0024】一方混合液中にBOD成分が存在する場
合、BODactは無視できない値をもち、さらにBODactの値
は主として分解対象のBOD成分が変わるため、曝気経
過時間tとともに大きな値から小さな値へ変化し、最終
的に分解できるBOD成分がなくなればBODactはほとん
ど0になる変化をする。このため(5)式は単純に(9)式の
ように積分できないが、DOの変化は図1の2の実線の曲
線で示すような曲線となる。この曲線はメタノールや酢
酸のような単純なBOD成分の場合には、分解中はDOは
酸素供給速度とASact+BODactの酸素消費速度でバラン
スする低いレベルで一定となり、分解が終了すると、速
やかにhighfinalDOで一定となる図4の2の実線のよう
な典型的な2段曲線となる。
【0025】今、曝気を開始したときのDOの初期値DO0
を同じとし、混合液中のBOD成分が殆ど0mg/lの混合
液を曝気したときの(9)式で表されるDO変化曲線を図4
の1の点線で表し、混合液中のBOD成分が存在する場
合の混合液を曝気した場合のDO変化曲線を図4の2の実
線で表した場合、各曝気経過時間における、点線と実線
の値の差はその時点における、BODを分解するに使用
される酸素消費速度による差を表し、この差を曝気経過
時間tで積分した値は両曲線で囲まれた面積Sに相当
し、この値にKabsを掛けた値は微生物がBOD成分を分
解するために使用する酸素量に相当する。この値はJI
S法で定められたBODの測定法とは異なるが、微生物
が分解するに要する酸素量を測定するという測定原理そ
のものは同じである。JIS法のBOD測定法は5日間
という長時間を要するが、本測定法はすでに十分馴養さ
れた汚泥を使用し、且つ数千mg/lという高濃度の汚泥を
使用するため数10分程度の短時間でJIS法のBODと
きわめて相関性の高い値が測定可能である。
【0026】上記の測定原理でBODを評価できると、
(3)式(4)式に基づく脱窒素反応を3StepDO解析法の
測定装置内でおこなわせることにより硝酸イオン量の評
価が可能となる。これは特願2000−65799に詳
細に記載されており、以下に図5をもとに、簡単に説明
する。図5のStep1は曝気槽の中から混合液をサンプリン
グする工程である。3StepDO解析法の測定装置内が十分
サンプリング液で置換したのち、Step3-1の工程で測定
装置内で十分曝気をする。BODが殆ど0mg/lになる
と、42の実線のようにサンプリング液のDOは(8)式で
表されるhighfinalDOの値で一定となる。42の実線と
(9)式の計算による43の点線で囲まれた面積SとKabs
を掛けた値はサンプリング液のBOD量を表す。次にSt
ep3-2工程に移り、この液に、分解容易なBOD物質を
規定濃度含む液(以下BOD基準液と称す)を設定量該
混合液に添加混合する。サンプリング液中の微生物が消
費しながらBOD物質するためDOは44の実線のように低
下し、BOD物質を分解し終わるとhighfinalDO値へと
上昇する曲線となる。次にStep3-3工程に移り、BOD
基準液をStep3-2工程と同量添加して曝気を停止する。
酸素の供給が停止されるため、サンプリング液中のDOは
46の実線のように速やかに低下し、嫌気状態になる。一
定時間経過後、サンプリング液を曝気し、DOの変化曲線
を測定する。混合液中に硝酸イオンが存在し、活性汚泥
中に脱窒素菌が活動できる環境があれば、嫌気期間中に
脱窒素菌は(3)(4)式で表されるように硝酸イオンや亜硝
酸イオンをBOD基準液中のBOD物質を使って窒素に
還元する。このため嫌気期間後曝気して上昇する46の実
線で示すDO変化曲線と(9)式の計算による47の点線で
囲まれた面積S2から計算したBOD量をBOD2とし、
Step3-2工程で嫌気期間をおかずにBOD基準液を添加
後すぐに曝気を開始した44の実線で示すDO変化曲線と
(9)式の計算による45の点線で囲まれた面積S1から計
算したBOD量をBOD1とすると、BOD2はBOD1
より小さな値となる。BOD1−BOD2は硝酸イオン、
亜硝酸イオンの還元で使用される分と脱窒素菌の増殖に
使用される分に相当する。またその有機物の消費量はB
OD基準液の成分や濃度を一定とすれば硝酸イオン量に
よる。したがってBOD 1とBOD2を比較することによ
り、サンプリング液中の硝酸イオンや亜硝酸イオン濃度
を計量できる。
【0027】ここにBOD が殆ど0の混合液とは、BODa
ctが小さな値で測定時間内ではほとんど変化しない廃液
という意味であり、JIS法のBODのように長時間で
測定した場合、長時間かけてゆっくりと分解するごく小
さな分解速度をもつBOD成分があってもBOD1とB
OD2の両者に等しく影響するため計算上誤差は小さく
殆ど的に支障ない。
【0028】BOD基準液のBOD物質は測定に使用す
る活性汚泥が十分馴化している原水中に含まれる最も分
解しやすい有機物が適用できるが、一般的には(3)(4)式
に示すメタノールやエタノールや酢酸等が使用できる。
【0029】3StepDO解析法に基づく実際の測定装置に
おいてはStep1工程のあとに、サンプリングを停止し、
曝気も止めて外部からの酸素の供給を断って、DOの減少
する変化曲線から汚泥の酸素消費速度を測定するStep2
の工程を付加し、Step2の酸素消費速度の大小からからS
tep3-1工程を選択するか、Step3-2とStep3-3工程を選択
するかを決定し、測定時間の効率化を図っており、サン
プリング液にBODが多く残っている場合はもっぱらSt
ep3-1工程でBOD量を測定し、BODが少ない場合はS
tep3-2とStep3-3工程で汚泥のBOD分解力と硝酸イオ
ンの量を測定する。これによりBOD量は30分毎、硝酸
イオン量は60分毎に測定結果を出力できる。
【0030】
【発明の効果】本発明は実用化されている生物脱窒素法
より簡便な装置で脱窒素を可能にする。特に既存の活性
汚泥処理装置を小規模の変更でBOD処理能力を落とさ
ずに、脱窒素処理もおこなえるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】生物脱窒素処理法を最も単純に具現化する処理
フローを説明する図である。
【図2】実用化されている一般的な生物脱窒素法の処理
フローを説明する図である。
【図3】本発明による生物脱窒素法の処理フローを説明
する図である。
【図4】特願2000−48412および特願2000
−65799に記載された方法の測定原理を説明する図
である。
【図5】特願2000−48412および特願2000
−65799に記載された方法で硝酸イオンを測定する
原理を説明する図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物を利用する廃水処理での脱窒素処理
    方法において、前段の槽内で曝気により好気性処理をお
    こなって、廃液中の窒素成分を硝化菌により硝酸イオン
    に変化させたのち、後段の槽の先頭で原水または他のB
    OD源を投入し、さらに槽内を嫌気状態にして脱窒素菌
    により硝酸イオンを窒素ガスにして脱窒素処理をおこな
    うとき、後段の水槽を曝気および攪拌する手段として散
    気管を用いる装置において、該散気管に空気を供給する
    配管に自動開閉弁をもち、後段処理後でBODまたはそ
    の代替指標および硝酸イオンまたはその代替指標を検知
    する分析計器をもち、後段処理後のBODの処理が不十
    分で硝酸イオンが少ない場合は、該自動開閉弁の閉の時
    間を短くし、その分開の時間を長くして槽内が好気状態
    にある時間を長くして好気性微生物によるBODの処理
    能力をより多くおこなわせ、後段処理後のBODの処理
    が十分で硝酸イオンが多い場合は、該自動開閉弁の閉の
    時間を長くし、その分開の時間を短くして槽内が嫌気状
    態にある時間を長くして脱窒素菌による脱窒素反応をよ
    り多くおこなわせることを特徴とするBOD処理と脱窒
    素処理を同時におこなう処理装置と制御法。
JP2000336793A 2000-11-06 2000-11-06 廃水処理装置と制御法 Pending JP2002136990A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000336793A JP2002136990A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 廃水処理装置と制御法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000336793A JP2002136990A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 廃水処理装置と制御法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002136990A true JP2002136990A (ja) 2002-05-14

Family

ID=18812276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000336793A Pending JP2002136990A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 廃水処理装置と制御法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002136990A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630139A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-01 Amecon Environmental Consultancy Process for the biological denitrification of ammonium containing wastewater
CZ301935B6 (cs) * 2009-05-11 2010-08-04 Hach Lange Gmbh Zpusob automatického rízení prerušované aerace v aktivacním procesu cistíren odpadních vod
JP5801506B1 (ja) * 2015-02-25 2015-10-28 株式会社 小川環境研究所 生物的脱窒装置の運転方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630139A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-01 Amecon Environmental Consultancy Process for the biological denitrification of ammonium containing wastewater
WO2006022539A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-02 Amecon Environmental Consultancy Progress for the biological denitrification of ammonium containing wastewater
CZ301935B6 (cs) * 2009-05-11 2010-08-04 Hach Lange Gmbh Zpusob automatického rízení prerušované aerace v aktivacním procesu cistíren odpadních vod
JP5801506B1 (ja) * 2015-02-25 2015-10-28 株式会社 小川環境研究所 生物的脱窒装置の運転方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pochana et al. Study of factors affecting simultaneous nitrification and denitrification (SND)
US7153429B1 (en) Method of optimizing influent conditions and chemical addition control for biological denitrification
EP3222590B1 (en) Method for controlling aeration airflow in activated sludge
JP3301428B2 (ja) 廃水処理試験方法
JP3058414B1 (ja) 水処理装置
JP2002136990A (ja) 廃水処理装置と制御法
JP2005131478A (ja) 含窒素有機性廃棄物の処理装置及び処理方法
KR20040031359A (ko) 질소 및 인의 제거를 위한 하수의 고도처리장치 및 방법
JPH0716595A (ja) 活性汚泥循環変法の運転制御方法
JP2001314892A (ja) 廃水の窒素除去の制御方法
JP2005274170A (ja) 有機性排水中の有機物濃度を求めるための呼吸速度測定方法と装置
JP3303352B2 (ja) 回分式活性汚泥処理の運転制御方法
JPH07148496A (ja) 活性汚泥循環変法の運転制御方法
JP3837765B2 (ja) 硝酸濃度測定装置
JP5801506B1 (ja) 生物的脱窒装置の運転方法
US7544292B2 (en) Apparatus for denitrifying wastewater
JP2006116480A (ja) 廃水処理測定方法および装置
JPH0788490A (ja) 汚水の処理方法およびその装置
JPH05293490A (ja) 有機性廃水処理方法
JP2001038389A (ja) 廃水の窒素除去方法
JPH0691292A (ja) 嫌気−好気活性汚泥処理装置の運転制御方法
JPH0947780A (ja) 循環式硝化脱窒法における硝化反応制御方法及び装置
JP2001038382A (ja) 廃水のリン除去方法
Mahendraker et al. Comparative evaluation of mass transfer of oxygen in three activated sludge processes operating under uniform conditions
JPH06182390A (ja) 回分式活性汚泥処理の運転制御方法