JP2001038382A - 廃水のリン除去方法 - Google Patents

廃水のリン除去方法

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JP2001038382A
JP2001038382A JP11216437A JP21643799A JP2001038382A JP 2001038382 A JP2001038382 A JP 2001038382A JP 11216437 A JP11216437 A JP 11216437A JP 21643799 A JP21643799 A JP 21643799A JP 2001038382 A JP2001038382 A JP 2001038382A
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wastewater
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tank
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Masasue Goi
正季 五井
Toyoshi Sawada
豊志 澤田
Kei Baba
圭 馬場
Jun Miyata
純 宮田
Toshiaki Tsubone
俊明 局
Tatsuo Takechi
辰夫 武智
Masahisa Tanabe
正久 田邊
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JFE Engineering Corp
Kawasaki City
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Kawasaki City
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃水の水質が時間変動した場合でも安定
して良好なリン除去処理水を得るための廃水のリン除去
装置の運転制御方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、少なくとも処理される廃水
の沈殿池、嫌気槽、好気槽およびこれらの槽で処理を行
なった廃水の沈殿池よりなる装置を用いて廃水のリンを
除去する際に、該処理される廃水の沈殿池の出口水の全
リン濃度と化学的酸素要求量または有機性炭素濃度とを
測定するとともに化学的酸素要求量または有機性炭素濃
度と生物化学的酸素要求量との関係を予め求めておき、
この関係によって化学的酸素要求量または有機性炭素濃
度の測定値から求めた生物化学的酸素要求量/全リン濃
度が20以上となるように嫌気槽に流入する水に有機物
を注入するか、処理される廃水の沈殿池での有機懸濁物
の除去量を減少させるか、あるいは廃水中のリン化合物
と不溶性化合物を形成する凝集剤を添加することを特徴
とする廃水のリン除去方法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市下水、工場排
水等の廃水の生物学的方法によるリンの除去方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】廃水中からリン酸イオンおよび有機物を
同時に除去する方法として嫌気好気活性汚泥法がある。
この方法は最初沈殿池において廃水中に含まれる比較的
大きくて重い固形物を除去した後、嫌気工程での生物学
的リン放出反応および好気工程での生物学的リン摂取反
応を経て、排水中のリンは汚泥の構成成分に変化し、最
終的に余剰汚泥として廃水処理装置から排出されるもの
である。その際、排水中の有機物は嫌気工程および好気
工程の双方において除去される。
【0003】嫌気好気活性汚泥法による廃水処理装置の
一例を図1に示す。嫌気好気活性汚泥法による廃水処理
装置は、最初沈殿池2と、生物学的リン放出反応により
活性汚泥が細胞内のリン酸イオンを廃水中に放出する嫌
気槽3と、生物学的リン摂取反応により活性汚泥が廃水
中のリン酸イオンを細胞内に摂取する好気槽4と最終沈
殿池6とから構成される。処理される廃水1はまず最初
沈殿池2においてそこに含まれる比較的大きくて重い固
形物を除去した後、嫌気槽3に流入する。そこで、嫌気
性菌によって有機物が資化され、次いで好気槽3に移
る。そこは散気装置5より送られる空気によって好気的
雰囲気に保たれており、そこで好気性菌が残余の有機物
を資化するとともに廃水に含まれているリンを摂取す
る。好気槽4を出た廃水は最終沈殿池6に送られ、そこ
で好気槽から流出した汚泥を沈殿させ、ポンプ9により
返送汚泥7として嫌気槽3に返送される。一方、上澄は
処理水8として放流され、あるいは有効利用される。好
気工程での活性汚泥のリン摂取量は嫌気工程でのリン放
出量よりも大であり、このリン摂取量とリン放出量との
差が廃水からのリン酸イオン除去量に相当する。
【0004】嫌気好気活性汚泥法をはじめとする生物学
的リン除去法による廃水処理装置の運転制御方法に関す
る従来技術として、嫌気槽内の酸化還元電位(ORP)
を測定し、この測定値にもとづいて廃水のリン化合物と
不溶性のリン化合物を形成する凝集剤の注入量を制御す
る(特開平03−278896号公報)、嫌気槽内のO
RPを測定し、この測定値にもとづいて浮遊固形物濃度
(SS)の高い廃水の注入量を制御する(特開平03−
278893号公報)等がある。これらの従来技術にお
いては、嫌気槽内のORPの測定値をもとに排水処理装
置の生物学的リン除去反応の進行状況を推測した後に、
生物学的リン除去性能を維持するための運転制御を行う
構成となっている。
【0005】一般に、嫌気槽内のORPは、嫌気槽内の
嫌気状態の程度を示す指標とされており、嫌気好気活性
汚泥法をはじめとする生物学的リン除去法による廃水処
理装置において、嫌気槽内のORPの測定値が低い程、
嫌気槽での生物学的リン放出反応によるリン放出量が大
となるとされる。また、嫌気槽でのリン放出量が大であ
る程、廃水処理装置でのリン除去量が大であるとされて
いる(「高度処理施設設計マニュアル(案)」,(社)
日本下水道協会編)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、厳密には嫌気
槽内のORPの測定値は嫌気槽内の嫌気状態の程度を示
す指標であるにすぎないため、特に流入廃水の流量およ
び性状の時間変動が大である場合には、嫌気槽のORP
の測定値から正確に排水処理装置のリン除去性能を推測
することは困難である。このため、これらの従来技術に
よる運転制御の問題点として、性状および流量に時間変
動のある廃水を処理する場合には、これらの従来技術に
よる運転制御を行っても排水処理装置のリン除去性能を
良好に維持することができないということがあげられ
る。
【0007】すなわち、廃水処理装置の処理性能を安定
して良好に維持管理するためには、廃水処理装置の運転
条件を、排水の水質に対応した適切なものとなるよう制
御する必要がある。
【0008】生物学的リン除去反応の原理は、排水中の
リンを汚泥の構成成分に変化させ、排水中のリンを余剰
汚泥中のリンとして廃水処理装置から排出させるという
ものである。従って、廃水の有機物濃度がリン濃度に比
して小である場合には、有機物濃度の不足により余剰汚
泥発生量が小となり、所要のリン除去量を得ることがで
きないという基本的な問題がある。
【0009】本発明は、上記の問題点に対処するための
具体的手法を提示するものであり、廃水の水質が時間変
動した場合でも安定して良好なリン除去処理水を得るた
めの廃水のリン除去装置の運転制御方法を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく鋭意検討の結果、嫌気槽に新規に供給さ
れる廃水の生物化学的酸素要求量(BOD)と全リン濃
度(TP)の比が一定値以上にあればリンの除去を円滑
に行わせることができることを知ったが、このBODの
測定には5日程度の長時間を要し、オンライン管理には
役立たない。そこでさらに検討を進め、このBODの代
替指標として化学的酸素要求量(COD)と有機性炭素濃
度を利用しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、少なくとも処理され
る廃水の沈殿池、嫌気槽、好気槽およびこれらの槽で処
理を行なった廃水の沈殿池よりなる装置を用いて廃水の
リンを除去する際に、該処理される廃水の沈殿池の出口
水の全リン濃度と化学的酸素要求量または有機性炭素濃
度とを測定するとともに化学的酸素要求量または有機性
炭素濃度と生物化学的酸素要求量との関係を予め求めて
おき、この関係によって化学的酸素要求量または有機性
炭素濃度の測定値から求めた生物化学的酸素要求量/全
リン濃度が20以上となるように嫌気槽に流入する水に
有機物を注入するか、処理される廃水の沈殿池での有機
懸濁物の除去量を減少させるか、あるいは廃水中のリン
化合物と不溶性化合物を形成する凝集剤を添加すること
を特徴とする廃水のリン除去方法に関するものである。
【0012】本発明の方法では、処理される廃水の沈殿
池(以下、最初沈殿池ということがある。)出口水中に
リン除去処理を行う上で必要な有機物量が含まれている
か否かを判断する指標としての最初沈殿池出口水の有機
物濃度と全リン濃度との比としては、上述の最初沈殿池
出口水の化学的酸素要求量もしくは有機性炭素濃度と全
リン濃度の分析値との比よりも最初沈殿池出口水の生物
化学的酸素要求量と全リン濃度の分析値との比を用いる
ことが望ましい。しかし、生物化学的酸素要求量の測定
には5日間を要するため、最初沈殿池出口水の生物化学
的酸素要求量と全リン濃度の分析値との比を、刻々変化
する最初沈殿池出口水の水質に対応して本廃水処理装置
を運転制御するための分析項目として用いることは適切
ではない。これに対して、化学的酸素要求量および有機
性炭素濃度は、1時間以内に測定が終了する。そこで、
最初沈殿池出口水の水質の経時変化が特に急激でない場
合、例えば本廃水処理装置を下水処理に用いる場合に
は、過去の最初沈殿池出口水の水質分析結果を基に作成
した最初沈殿池出口水の化学的酸素要求量もしくは有機
性炭素濃度と生物化学的酸素要求量との相関関係式を用
いて、最初沈殿池出口水の化学的酸素要求量もしくは有
機性炭素濃度の分析値から最初沈殿池出口水の生物化学
的酸素要求量を推定し、この生物化学的酸素要求量の推
定値と全リン濃度の分析値との比を最初沈殿池出口水の
有機物濃度と全リン濃度との比として用いることが出来
る。
【0013】
【発明の実施の形態】処理される廃水の沈殿池は廃水に
含まれている懸濁物のうち沈殿可能なものを除去する1
次処理用のものである。
【0014】嫌気槽と好気槽はいずれも公知の方式のも
のでよい。また、各槽は複数の槽からなっていてもよ
い。
【0015】本発明で指標とするものは全リン濃度と化
学的酸素要求量または有機性炭素濃度であり、これらは
処理される廃水の沈殿池の出口水のものであり、複数の
沈殿池が直列に接続されているときはその最後尾の沈殿
池の出口水のものになる。そのため、これらは上記沈殿
池またはその越流水の流出水路に測定機器を設けて測定
する。測定は連続的に行なっても間欠的に行なってもよ
い。
【0016】全りん濃度の分析方法および測定装置 全りん濃度とは、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ピロ
リン酸塩、ポリリン酸塩等の無機性リン酸塩の濃度と、
リン酸エステル、りん脂質等の有機性りん化合物の濃度
との総和を表したものである。全りんの分析方法は(J
IS K 0102 46.3)に規定されている。
【0017】分析操作を自動化したJIS K 0102
46.3準拠の全りんの自動測定装置が開発され、市
販されている。この全自動分析装置に市販の自動試料採
取装置、分析データ記録装置、演算器および信号出力器
等を組みあわせて本発明の全りんの測定装置として用い
ることができる。
【0018】有機性炭素濃度の分析方法および測定装置 有機性炭素濃度とは、水中の有機物に含まれる炭素を定
量したものである。有機性炭素濃度の分析法として、燃
焼酸化−赤外線式TOC分析法(JIS K0102
22.1)および燃焼酸化−赤外線式TOC自動計測法
(JIS K0102 22.2)がある。
【0019】分析操作を自動化した有機性炭素自動測定
装置のJISが制定されており(JIS K 0805)
これに準拠した装置が開発され、市販されている。この
全自動分析装置に市販の自動試料採取装置、分析データ
記録装置、演算器および信号出力器等を組みあわせて本
発明の有機性炭素測定装置として用いることができる。
【0020】生物化学的酸素要求量(BOD)とは、水
中の好気性の微生物によって消費される酸素の量のこと
で、試料を希釈水で希釈して20℃で5日間培養したと
きに消費された溶存酸素の量から求めるものである(J
IS K 0102 21)。化学的酸素要求量(CO
D)とは、試料に酸化剤を加え、一定の条件下で反応さ
せ、その時消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表
したものである(JISK 0102 17,19,2
0)。有機性炭素濃度(TOC)とは、水中の有機物に含
まれる炭素を定量したものである(JIS K 0102
22)。BOD、CODおよびTOCは、いずれも水
中の有機物濃度を表す指標であることから、ある一定の
組成の有機物を含有する廃水においては、CODが高い
ほどBODも高くなることが一般的である。TOCとB
ODの関係も同様である。
【0021】すなわち、ある一定の組成の有機物を含有
する廃水においては、BODとCODとが比例関係(式
で表すならば、BOD=k×COD+Aのkが一般的な
表現となる。)にあることが一般的であり、BODとT
OCについても同様な関係(BOD=k×TOC+A)
が成り立つ。
【0022】最初沈殿池出口水の過去の水質分析データ
から、最小二乗法を用いてBODとCODと関係式を一
次式に回帰し、一次回帰式BOD=k×COD+Aおよ
びAの値を求めることができる。BODとTOCについ
ても同様に関係式を求めることができる。
【0023】嫌気槽と好気槽でリンの除去を円滑に行わ
せるために最初沈殿池出口水のBOD/TPが30以
上、好ましくは35以上であることが望ましい。そこ
で、この出口水のBOD/TPが30未満になったとき
に対策を講じる。
【0024】対策のひとつは嫌気槽に水素供与体となる
有機物を供給することである。有機物の種類としては、
通常、メタノール、酢酸およびイソプロパノールなどの
生物により分解され易い化学物質が用いられる。
【0025】メタノール1mg/Lは、BOD1mg/
Lに相当することが知られている。したがって、有機薬
剤としてメタノールを使用する場合、(BOD/T−P
比を30以上にするために供給するBOD量)=(メタ
ノールの供給量)となる。
【0026】別の対策は最初沈殿池での有機懸濁物の除
去量を減らして嫌気槽へ送られる処理対象廃水に含まれ
る有機性懸濁物の量を増加させることであり、具体的に
は複数の沈殿池を直列につないで使用しているときはそ
の接続沈殿池数を減らせばよい。
【0027】第3の対策は廃水中のリン化合物と不溶化
物を形成する凝集剤を添加することである。このような
凝集剤の例としては、アルミニウム系凝集剤(ポリ塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム)および鉄系凝集剤
(硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ鉄)がある。
【0028】アルミニウム系凝集剤の添加量は、通常
0.1〜10mgasAl/L程度、好ましくは、0.
1〜3mgasAl/L程度が適当である。鉄系凝集剤
の添加量は、通常0.1〜20mgasFe/L程度、
好ましくは、0.1〜6mgasFe/L程度が適当で
ある。
【0029】図1の装置に上記対策を採りうるよう改良
した装置を図2、図3に示す。
【0030】図2の装置は最初沈殿池2a,2b、嫌気
槽3a,3bおよび好気槽4a,4bをいずれも2槽と
している。最初沈殿池2aからはバルブ10を介して第
2の最初沈殿池2bに配管接続されているほか該配管か
ら分岐してバルブ11を介して直接脱窒槽3aへも送水
できるようにされている。最初沈殿池2aと最初沈殿池
2bの合流部と嫌気槽3aの間の流路には自動分析装置
12が設置されている。13はその制御装置である。嫌
気槽3aと3bは直列に接続され、第1の嫌気槽3aに
はメタノール注入装置14からポンプ15によりメタノ
ールを注入できるようになっている。これらの嫌気槽3
a,3bでは散気装置5による散気は行われず、攪拌の
みが行われる。好気槽4a,4bは直列に接続され、い
ずれにも散気装置5から空気が送られ、それによって酸
素供給と水流による攪拌が行われる。第2の好気槽4b
には凝集剤注入装置16からポンプ17により凝集剤を
注入できるようになっている。
【0031】この装置において、廃水1は最初沈殿池2
aおよび最初沈殿池2bでの固液分離を経て嫌気槽3
a、嫌気槽3b、好気槽4aおよび好気槽4bへと順次
通水される。好気槽4bを流出し最終沈殿池7に流入す
る流出液は最終沈殿池7で処理水9と活性汚泥とに分離
され、最終沈殿池7で分離、濃縮された活性汚泥の少な
くとも一部は返送汚泥として嫌気槽3aへ送られる。嫌
気槽3aおよび嫌気槽3bにおいては活性汚泥が最初沈
殿池出口水の有機物およびメタノール注入装置14から
供給されるメタノールを利用して、活性汚泥細胞内に蓄
積したリン酸イオンを廃水中に放出(=リン放出反応)
する。また、最初沈殿池出口水および返送汚泥7に含ま
れる硝酸性窒素または亜硝酸性窒素を窒素ガスにまで還
元(=脱窒反応)し、脱窒処理する。好気槽4aおよび
好気槽4bにおいては活性汚泥が廃水中のリン酸イオン
を活性汚泥細胞内に摂取する(=リン摂取反応)と共
に、排水中の窒素化合物の硝酸性窒素または亜硝酸性窒
素への酸化(=硝化反応)および有機物の酸化分解除去
を行う。さらに、好気槽4bにおいては、凝集剤注入装
置16により供給される凝集剤と好気槽4b内の混合液
中のリン酸態イオンとが化学反応し、不溶性のリン化合
物を形成することにより、リン除去が行われる。
【0032】最初沈殿池2b出口に設置された自動分析
装置12により、最初沈殿池出口水の全リン濃度と化学
的酸素要求量または有機性炭素濃度を連続的もしくは間
欠的に自動測定し、この分析結果を制御装置13に自動
入力する。つぎに、この分析結果を基にした制御信号を
制御装置13からメタノール注入ポンプ15、バルブ1
0、バルブ11および凝集剤注入ポンプ17に自動出力
し、それぞれの機器の設定値を自動制御する。
【0033】自動分析装置12による分析の結果、化学
的酸素要求量もしくは有機性炭素濃度と全リン濃度の分
析値との比がリン除去処理を行う上で必要な値よりも小
である場合には、制御装置13からの出力信号により、
次に示す(1)〜(3)の運転制御のうち、少なくとも一つ
を行うようにする。
【0034】(1) メタノール注入ポンプ15の流量を
増加させる。 (2) バルブ11の開度を大とし、バルブ10の開度を
小とし、最初沈殿池2aをバイパスして嫌気槽3aに流
入する廃水の流量を大とする。 (3) 凝集剤注入ポンプ17の流量を増加させる。
【0035】尚、嫌気工程および好気工程から成る廃水
処理装置の他、嫌気工程、脱窒工程(無酸素工程)およ
び硝化工程(好気工程)から成る廃水処理装置において
も本発明に基づくリン除去方法を適用することが出来
る。また、処理対象の廃水の性状および水量の変動が著
しいものでない場合、自動分析装置による分析が間欠的
であっても、実際上の反応制御には支障を来さない。
【0036】図3に本発明に基づく生物学的リン除去処
理装置の他の一例を示す。図3に示した装置は、図2に
示した装置に無酸素槽18を嫌気槽3bと好気槽4aの
間に新たにつけ加え、好気槽4b流出水の一部をこの無
酸素槽18へ返送する硝化循環ライン19を新たに設け
たものである。
【0037】図3に示した装置において、無酸素槽18
は攪拌のみが行なわれる槽であり、本槽には好気槽4b
の流出水の一部が硝化循環ライン19を通って返送され
る。無酸素槽18においては活性汚泥が嫌気槽3bの流
出水中の有機物を利用して、硝化循環液5に含まれる硝
酸性窒素または亜硝酸性窒素を窒素ガスにまで還元(脱
窒反応)し、脱窒処理する。また、活性汚泥が細胞内に
廃水中のリン酸イオンを蓄積する(=リン酸摂取反
応)。
【0038】尚、図2および図3に示した本発明に基づ
く生物学的リン除去処理装置においては、凝集剤注入装
置から供給される凝集剤を好気槽以外の反応槽および沈
殿池に流入させても良い。
【0039】
【実施例】図1に示すフローから成る廃水処理装置を用
いて、異なる運転条件でのリン除去性能調査した。表1
にRun1およびRun2の廃水処理装置の運転条件を
示す。
【0040】
【表1】
【0041】Run1およびRun2の運転条件設定の
ねらいは次の通りである。 Run1:生物化学的酸素要求量(BOD)と全リン濃
度(T−P)との比が30未満の人口廃水を処理した場合 Run2:嫌気槽にメタノールを注入し、Run1と同
じ運転条件でRun1と同じ人工廃水を処理した場合 CODと有機性炭素濃度の各値、これらとBODとの関
係は次式で示される。 CODとBODの関係式 BOD=1.5×COD TOCとBODの関係式 BOD=1.7×TOC Run3:好気槽に凝集剤としてポリ塩化アルミニウム
(PAC)を注入し、Run1と同じ運転条件でRun
1と同じ人工廃水を処理した場合
【0042】また、Run1、Run2およびRun3
の廃水及び処理水の水質分析結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示す通り、Run2およびRun3
の処理水の全リン濃度(T−P)は、Run1のそれより
も小となった。従って、Run1の処理水T−P濃度を
さらに小とするためには、Run2で行った嫌気槽への
メタノールの注入による有機物の供給、およびRun3
で行った好気槽への凝集剤の注入が有効であるとの結果
を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明により、廃水の水質の時間変動に
より生じる有機物濃度の不足により、所定のリン除去量
を得ることができない場合に有機物の補給や凝集剤の添
加で所定量のリンの除去が可能となり、廃水の水質の時
間変動によるリン除去性能の悪化を防止することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生物学的リン除去処理装置の一例の構成を示
すフローシートである。
【図2】 上記装置は本発明を適用するための改善手段
を設けた装置のフローシートである。
【図3】 上記改良手段を加えた他の装置のフローシー
トである。
【符号の説明】 1 廃水 2,2a,2b 最初沈殿池 3,3a,3b 嫌気槽 4,4a,4b 好気槽 5 散気装置 6 最終沈殿池 7 返送汚泥ライン 8 処理水 9 返送汚泥ポンプ 10,11 バルブ 12 自動分析装置 13 制御装置 14 メタノール注入装置 15 メタノール注入ポンプ 16 凝集剤注入装置 17 凝集剤注入ポンプ 18 無酸素槽 19 硝化循環ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 豊志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 馬場 圭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮田 純 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 局 俊明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 武智 辰夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田邊 正久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D040 BB05 BB25 BB32 BB33 BB57 BB72 BB73 BB91 BB93 4D062 BA19 BA21 BB05 CA02 DA04 DA05 DA15 DA16 DC02 EA04 EA32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも処理される廃水の沈殿池、嫌
    気槽、好気槽およびこれらの槽で処理を行なった廃水の
    沈殿池よりなる装置を用いて廃水のリンを除去する際
    に、該処理される廃水の沈殿池の出口水の全リン濃度と
    化学的酸素要求量または有機性炭素濃度とを測定すると
    ともに化学的酸素要求量または有機性炭素濃度と生物化
    学的酸素要求量との関係を予め求めておき、この関係に
    よって化学的酸素要求量または有機性炭素濃度の測定値
    から求めた生物化学的酸素要求量/全リン濃度が20以
    上となるように嫌気槽に流入する水に有機物を注入する
    か、処理される廃水の沈殿池での有機懸濁物の除去量を
    減少させるか、あるいは廃水中のリン化合物と不溶性化
    合物を形成する凝集剤を添加することを特徴とする廃水
    のリン除去方法
JP11216437A 1999-07-30 1999-07-30 廃水のリン除去方法 Pending JP2001038382A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010089019A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Noriomi Watanabe 排液の処理方法と植物の養液栽培装置
CN102992458A (zh) * 2012-11-26 2013-03-27 洪仁作 用于处理皮革废水的絮凝剂
CN112707594A (zh) * 2020-12-25 2021-04-27 新疆水处理工程技术研究中心有限公司 一种汽车城废水的处理系统及处理方法

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