JP2002134924A - コンデンサを一部に含むプリント基板及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサを一部に含むプリント基板及びその製造方法

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JP2002134924A JP2000320468A JP2000320468A JP2002134924A JP 2002134924 A JP2002134924 A JP 2002134924A JP 2000320468 A JP2000320468 A JP 2000320468A JP 2000320468 A JP2000320468 A JP 2000320468A JP 2002134924 A JP2002134924 A JP 2002134924A
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film
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Hisanori Yoshimizu
久典 吉水
Shigeru Michiwaki
茂 道脇
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フットプリントよりも大きい表面積の電極を
得ることができるコンデンサを一部に含むプリント基板
を提供する。 【解決手段】 プリント基板の絶縁層の表面に形成され
て、その表面が凹凸状になされた薄膜下部電極8A,8
Bと、前記薄膜下部電極の表面に部分的に形成されたキ
ャパシタ絶縁膜12と、前記キャパシタ絶縁膜の表面に
形成された薄膜上部電極16とを備える。これにより、
フットプリントよりも大きい表面積の電極を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるビルドア
ップ基板やモジュール基板等を含むコンデンサを一部に
含むプリント基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型に対応し、プリン
ト基板もマザーボードの領域でもビルドアップ基板は一
般的になっている。このビルドアップ基板とは、一般的
には、絶縁性コア材の片面、或いは両面側に、配線層と
層間絶縁層とを交互に複数層に亘って順次積層してなる
多層プリント基板をいう。上述のような傾向はパッケー
ジの領域にも拡がりつつある。また、これらの基板では
実装面積縮小のため、部品を基板に埋め込む技術が開発
され、従来のチップ抵抗器やチップコンデンサに代わる
薄膜抵抗、コンデンサが基板上に形成されている(例え
ば特開平9−116247号公報)。
【0003】そもそも、プリント基板上にコンデンサを
形成する方法として、層間絶縁材に使用する樹脂の上下
両端に電極を形成してコンデンサとするものがあるが、
これは樹脂そのものの誘電率が小さい上に膜厚が数十μ
mと厚いことから、出来上がったコンデンサとしての誘
電率は非常に小さくて高キャパシタへの要求に答えるこ
とは困難なものであった。そこで、高キャパシタのコン
デンサを得る方法として高誘電材フィラー(BaTiO
3 などの高誘電体)をエポキシ樹脂に混合したペースト
を基板上にスクリーン印刷法等により塗布し、その後、
これを150℃位の高温域まで昇温して乾燥、ベークす
るといった方法が一般的に採用されるようになった。ま
た、誘電体(酸化物)となる金属元素の有機化物やアル
コキシドなどの有機溶剤溶液を基板に塗布してこれを乾
燥、ベークする方法も開発が進み、一部で報告されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したコ
ンデンサにあっては、以下のような問題があった。すな
わち、プリント基板もモジュール化して使用する場合
(モジュール基板)には、温度耐久性のあるセラミック
板が使用されるが、これは高温まで使用可能であるが、
重量が大きく、高価である。そのため、今後、モジュー
ル基板の低価格化を実現するためには有機材料よりな
り、軽量且つ安価なプリント基板上にこれらの素子を形
成する必要がある。また、ペーストの主剤は熱硬化性樹
脂であるため樹脂中の有機溶剤を蒸発させ、かつ熱硬化
させるためには、これを150℃以上の高温にてベーク
する必要がある。従って、この技術は有機材であるプリ
ント基板には不向きである。また、有機溶剤を蒸発させ
ることはこの有機溶剤が大気中に拡散するので大気汚染
につながるのみならず、基板を高温でベークするので消
費電力が大である。
【0005】更には、プリント基板に有機金属などの有
機溶剤溶液の方法を適用しても樹脂中に-OH基が残存し
てしまって、これがキャパシタとしての耐久性に悪影響
を与えることが考えられる。また、エポキシ樹脂中に高
誘電体フィラーを分散させたペーストに関しても、誘電
率を上げるためにフィラーの径を大きくしなければなら
ず、このため薄膜化にはおのずと限界がある。また、単
位面積当たりの誘電率を上げるためにはフィラーの充填
率をあげざるを得ず、このことはペーストの粘度を上げ
ることになり、この結果、薄く塗布して高容量のコンデ
ンサを形成するのが更に困難となる。本発明は、以上の
ような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案さ
れたものであり、その目的はフットプリントよりも大き
い表面積の電極を得ることができるコンデンサを一部に
含むプリント基板及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
プリント基板の絶縁層の表面に形成されて、その表面が
凹凸状になされた薄膜下部電極と、前記薄膜下部電極の
表面に部分的に形成されたキャパシタ絶縁膜と、前記キ
ャパシタ絶縁膜の表面に形成された薄膜上部電極とを備
えたことを特徴とするコンデンサを一部に含むプリント
基板である。これによれば、低温で、フットプリントよ
りも大きい表面積で、単位面積当たりの誘電率が高いコ
ンデンサを一部に含むプリント基板を得ることができ
る。
【0007】請求項2に係る発明は、上記プリント基板
の製造方法の発明であり、すなわち、プリント基板の絶
縁層の表面に、その表面が凹凸状になされた薄膜下部電
極を形成する工程と、前記薄膜下部電極の表面に、部分
的にキャパシタ絶縁膜を形成する工程と、前記キャパシ
タ絶縁膜の表面に、薄膜上部電極を形成する工程とを備
えたことを特徴とするコンデンサを一部に含むプリント
基板の製造方法である。これによれば、低温で、しか
も、有機溶剤も使用しないので対環境性に優れた方法で
コンデンサを一部に含むプリント基板を製造することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るコンデンサ
を一部に含むプリント基板及びその製造方法の一実施例
を添付図面に基づいて詳述する。本発明のコンデンサを
一部に含むプリント基板の製造方法の特徴は、プリント
基板の絶縁層の表面に、その表面が凹凸状になされた薄
膜下部電極を形成する工程と、前記薄膜下部電極の表面
に、部分的にキャパシタ絶縁膜を形成する工程と、前記
キャパシタ絶縁膜の表面に、薄膜上部電極を形成する工
程とを備えた点にある。
【0009】ここで、この製造方法の概要について説明
する。近年、真空成膜技術の発展によりAl23 、T
iO2 、SiO2 、Ta25 などの無機誘電物質は、
例えばプラスチックメガネのハードコート用として、あ
るいはDVDピックアップ用のプラスチックレンズの反射
防止膜用の積層膜として応用されており、実際に生産さ
れている。また、さらにはPLZT、BaTiO3
(Ba,Sr)TiO3 などの無機強誘電体物質なども
新しい半導体メモリとして注目を浴びてその成膜方法が
各半導体メーカにて研究されており、低温にて有機基板
上に形成可能となる日もそう遠くないと考えられる。こ
れらの酸化物は低温成膜した時、膜質はアモルファス状
態であるが緻密な連続体であり、厚みがサブミクロンの
状態であっても10〜100の誘電率を示し、プリント
基板上に形成する薄膜コンデンサとしての能力としては
かなり高いものをもっている。さらには後者の強誘電体
物質については成膜後レーザ照射によるスポットアニー
ルにより結晶化を促進させることで、さらなる高誘電率
(>100)を得ることが可能である。
【0010】これらの膜をコンデンサに形成するために
はホトリソ手段を用いて行うことの他に、所望の大きさ
の形状に設計されたパターンニング用のメタルマスクを
基板の下電極パターンに合わせてセットし、真空成膜装
置で成膜することで可能となる。また、これらの酸化物
薄膜はその成膜速度が毎分100〜200オングストロ
ームであるので、成膜時間の管理によりサブミクロンの
厚みの成膜可能であり、微小面積で高いキャパシタを得
ることが出来る。しかし、厚みを薄くすると薄膜にピン
ホールなどが発生し、リーク電流が多く流れてコンデン
サとしての特性を悪くすることが予想される。このよう
な問題については、基板回転方法あるいはバイアススパ
ッタ法を採用することによりスパッタリングの異方的な
成膜が等方的な成膜へと改善され、バランス良い基板上
への成膜が行われるようになってピンホールはなくな
る。このような技術は既知のものである。
【0011】さて、周知のようにコンデンサの容量c
は、厚みt、表面積sにより次式で表現され、厚みが薄
いほどまた表面積が大きいほど容量cは大きくなる。 c=ε・ε0・s/t ε:誘電率 ε0:真空の誘電率 従って、電極表面を大きくすること、即ち表面粗化する
ことで電極表面そのものを大きくし、その上に形成され
る薄膜キャパシタ絶縁膜の表面積を大きくすることが可
能である。従って、単位面積当たりの誘電率も大きくな
る。電極表面の粗化はこの電極の下地樹脂層を表面粗化
することで可能である。あるいはこの電極表面そのもの
を粗化することも可能である。
【0012】例えば下地樹脂層の粗化としてはエポキシ
樹脂単体、或いはポリアミド樹脂単体、或いはこれらの
樹脂の混合樹脂を、数十μm程度の厚みにプリント基板
上(Cu箔は黒化処理して表面凹凸あり)に塗布した
後、Arガスにより選択的表面リアクチブイオンエッチ
ングを行うことで可能である。この樹脂層の表面粗さ
(Ra=数μm)はこの上に形成される薄膜電極の厚み
(サブμm)より大きくすることによりこの薄膜電極は
樹脂表面の凹凸形状に倣うように沿って形成され、この
結果、薄膜電極の表面積は大きくなる。また、電極自体
の表面を粗化する方法としては、Arガスによるイオン
ボンバードやRIE(反応イオンエッチング)、イオン
ミリング法で可能である。これらの手法は何れも真空装
置中において、真空プラズマ中のArイオンを電極表面
に衝突させることにより加工面を荒らす方法である。さ
らに硫酸、硝酸、フッ酸などの希薄酸溶液に浸漬するウ
ェットエッチング方法でも可能である。
【0013】以下に、コンデンサを一部に含むプリント
基板の具体的な製造方法について実施例1、2を参照し
て説明する。まず、ビルドアップ基板のようなプリント
基板上に形成するコンデンサの形態として次の2タイプ
がある。それぞれ形成方法が異なるので、コンデンサ作
製の実施例を平板コンデンサを一部に含むプリント基板
の製造方法と、ビアホール底コンデンサを一部に含むプ
リント基板の製造方法の場合に分けて説明する。いずれ
も薄膜のパターンニングは金属マスクを使用する方法で
の実施例である。
【0014】<平板コンデンサの製造方法>図1及び図
2は本発明のコンデンサを一部に含むプリント基板の製
造方法の一例である平板コンデンサを含むプリント基板
の製造方法を示す工程図である。まず、図1(A)にお
いて、2はプリント基板の表面に形成された絶縁層であ
り、この下方は、図示しないコア材の表面上に形成され
た配線回路パターンと絶縁層とが、単層或いは多層に積
層された積層構造となっている。この絶縁層2の下地に
は、例えば銅箔(図示せず)が形成されており、その表
面は、この絶縁層2との密着性を高めるために、黒化処
理されている。この絶縁層2は、基板表面に絶縁性の樹
脂を塗布し、これを乾燥ベークすることにより形成さ
れ、そして、このベーク後、この表面を粗化する。尚、
この図1(A)の横に表面の部分拡大図を示している。
この表面粗化は、例えばドライエッチングにより行う。
この時のプロセス条件は以下の通りである。
【0015】上記絶縁性の樹脂としては、太陽インキ
(株)製のL1インクを用い、これをスクリーン印刷に
て塗布した。この厚みは約50μm、150℃で2時間
乾燥ベークした。表面粗化には、ArガスによるRIE
(リアクチブイオンエッチング)を用いており、到達真
空度は5×10-6Torr(665×10-6Pa)、プ
ロセス圧力は約80mmTorr(10.6Pa)、Ar
ガス流量は100sccm、RFパワーは500W/100m
m2 、時間は1分である。
【0016】次に、図1(B)に示すように上記絶縁層
2の表面に全面スパッタリングにより薄膜下部電極とな
る電極材4を成膜する。この電極材4としてはNiを用
いた。成膜条件としては、DCスパッタリング法を用い、
到達真空度は5×10-6Torr、プロセス圧力は30
mmTorr(4Pa)である。また、この電極材4の膜
厚は0.15μm、Arガス流量は100sccm、DCパワ
ーは500W/100mm2 、成膜レートは0.15μm/
5分である。
【0017】次に、図1(C)、図1(D)及び図1
(E)に示すように、薄膜下部電極の形状となるように
レジストマスクをパターニングする。すなわち、ホトリ
ソ手段を用いて、まず、レジスト6を上記電極材4の上
面に全面的に塗布して、これパターン露光し、現像す
る。そして、上記パターン化されたレジストをマスクと
して上記電極材4をエッチングし(図1(D))、更
に、レジストのマスクを除去することにより、薄膜下部
電極8A、8Bを形成する。ここでは一方の薄膜下部電
極8Aがコンデンサの一部として用いられる。この時、
上記薄膜下部電極8A、8Bの表面は、この下地の絶縁
層2の上面の凹凸に倣って凹凸状となる。尚、この図1
(E)の横に表面の部分拡大図を示している。
【0018】次に、図1(F)に示すように、例えばス
テンレス(SUS304)よりなるる金属マスク10を
基板の表面にセットする。この時、マスクの開口部9を
一方の薄膜下部電極8Aの部分に製造すべきコンデンサ
面積分だけ掛かるように載せ、スパッタ装置に入れる。
そして、図1(G)に示すように、この表面に誘電体材
料をスパッタ成膜させることにより、キャパシタ絶縁膜
12を形成する。ここでキャパシタ絶縁膜の材料はTi
2 ターゲットを使用し、RFスパッタリングを用い
た。使用ガスはArが300sccm、O2 が100sccm、R
Fパワーは500W/100mm2、厚みは2500Å、成膜レー
トは150Å/min、到達真空度は5×10-6Torr、
プロセス圧は30mmTorr(4Pa)である。成膜が終了し
たら装置から取り出し、図1(H)に示すように金属マ
スク10を外す。ここで、上記したように薄膜下部電極
8Aの表面は凹凸状になっているので、この表面に堆積
されたキャパシタ絶縁膜12との関係は、フットプリン
トに対してその接合面積が大きくなっている。
【0019】次に、図2(I)に示すように、基板の上
面全面にレジスト14を塗布した後にホトリソ手段(リ
フトオフ)を用いてこれを上部電極の形状となるように
パターニングする。そして、この基板をスパッタ装置内
へ投入して、図2(J)に示すように表面に電極材を例
えば厚さが約0.2μm程度になるように成膜すること
により、薄膜上部電極16を形成する。この電極材とし
てはNiを用いた(Cr膜を下地膜として先に付けた方が
密着が増す)。成膜条件としてはDCスパッタリング法を
用い、到達真空度は5×10-6Torr、プロセス圧力
は30mmTorr(4Pa)である。Arガス流量は100
sccm、DCパワーは500W/100mm2 、膜厚レートは
0.2μm/5分である。
【0020】このようにして、成膜が終了したらこの基
板をスパッタ装置から取り出し、図2(K)に示すよう
にレジスト14を剥離する。この剥離は市販のレジスト
ストリッパー液(アルカリ性)等の有機溶剤で行なう。
次に、図2(L)に示すように、引き出し電極形成のた
めに上記基板全面に絶縁層18を形成する。この絶縁層
18の材料としては例えば前述の太陽インク(株)製の
L1インクを用いることができる。このインクを約50
μmの厚さでスクリーン印刷などにより形成し、オーブ
ン中に150℃で2時間ベークする。その後、図2
(M)に示すようにレーザ穴開け機で上記2つの薄膜下
部電極8A、8Bを目がけてスルーホール20を形成す
る。この後、図2(N)に示すように引き出し電極の材
料であるNiとCuを順に連続スパッタしてCu/Ni
積層膜22(厚みはNiとCuともに1500Å程度で
あり、Cuはメッキのシード層とする)を形成し、更に
電解銅メッキすることにより銅メッキ膜24を形成す
る。スパッタ条件は前述のNi成膜の場合と同じでよ
い。また、銅メッキ膜24を約20μmメッキしたら、
図2(O)に示すようにホトリソ手段にてニッケル膜2
2と銅メッキ膜24の両膜をパターンエッチングするこ
とにより処理を終了する。
【0021】<ビアホール底コンデンサの製造方法>図
3及び図4は本発明のコンデンサを一部に含むプリント
基板の製造方法の他の一例であるビアホール底コンデン
サを一部に含むプリント基板の製造方法を示す工程図で
ある。ここにおいて、図3(A)及び図3(B)に示す
各工程は、それぞれ先の図1(A)及び図2(B)に示
す各工程と全く同じである。
【0022】まず、図3(A)において、32はプリン
ト基板の表面に形成された絶縁層であり、この下方は、
図示しないコア材の表面上に形成された配線回路パター
ンと絶縁層とが、単層或いは多層に積層された積層構造
となっている。この絶縁層32の下地には、例えば銅箔
(図示せず)が形成されており、その表面は、この絶縁
層32との密着性を高めるために、黒化処理されてい
る。この絶縁層32は、基板表面に絶縁性の樹脂を塗布
し、これを乾燥ベークすることにより形成され、そし
て、このベーク後、この表面を粗化する。尚、この図3
(A)の横に表面の部分拡大図を示している。この表面
粗化は、例えばドライエッチングにより行う。この時の
プロセス条件は以下の通りである。
【0023】上記絶縁性の樹脂としては、太陽インキ
(株)製のL1インクを用い、これをスクリーン印刷に
て塗布した。この厚みは約50μm、150℃で2時間
乾燥ベークした。表面粗化には、ArガスによるRIE
(リアクチブイオンエッチング)を用いており、到達真
空度は5×10-6Torr、プロセス圧力は80mmTo
rr(10.6Pa)、Arガス流量は100sccm、R
Fパワーは500W/100mm2、時間は1分である。
【0024】次に、図3(B)に示すように上記絶縁層
32の表面に全面スパッタリングにより薄膜下部電極と
なる電極材34を成膜する。この電極材34としてはN
iを用いた。成膜条件としては、DCスパッタリング法を
用い、到達真空度は5×10-6Torr、プロセス圧力
は30mmTorr(4Pa)である。また、この電極材
34の膜厚は0.15μm、Arガス流量は100scc
m、DCパワーは500W/100mm2 、成膜レートは0.
15μm/5分である。次に、図3(C)、図3(D)
及び図3(E)に示すように、薄膜下部電極の形状とな
るようにレジストマスクをパターニングする。すなわ
ち、ホトリソ手段を用いて、まず、レジスト36を上記
電極材34の上面に全面的に塗布して、これパターン露
光し、現像する。そして、上記パターン化されたレジス
トをマスクとして上記電極材34をエッチングし(図3
(D))、更に、レジストのマスクを除去することによ
り、薄膜下部電極38を形成する。この時、上記薄膜下
部電極38の表面は、この下地の絶縁層32の上面の凹
凸に倣って凹凸状となる。尚、この図3(E)の横に表
面の部分拡大図を示している。
【0025】次に、図3(F)に示すように、例えばス
テンレス(SUS304)よりなるる金属マスク40を
基板の表面にセットする。この時、マスクの開口部39
を一方の薄膜下部電極38の部分に製造すべきコンデン
サ面積分だけ掛かるように載せ、スパッタ装置に入れ
る。そして、図3(G)に示すように、この表面に誘電
体材料をスパッタ成膜させることにより、キャパシタ絶
縁膜42を形成する。ここでキャパシタ絶縁膜の材料は
TiO2 ターゲットを使用し、RFスパッタリングを用
いた。使用ガスはArが300sccm、O2 が100sccm、
RFパワーは500W/100mm2、厚みは2500Å、成膜レ
ートは150Å/min、到達真空度は5×10-6Tor
r、プロセス圧は30mmTorr(4Pa)である。成膜が終
了したら装置から取り出し、図3(H)に示すように金
属マスク40を外す。ここで、上記したように薄膜下部
電極38の表面は凹凸状になっているので、この表面に
堆積されたキャパシタ絶縁膜42との関係は、フットプ
リントに対してその接合面積が大きくなっている。
【0026】次に、図4(I)に示すように、基板の上
面全面にレジスト44を塗布した後にホトリソ手段を用
いてこれを上部電極の形状となるようにパターニングす
る。そして、この基板をスパッタ装置内へ投入して、図
4(J)に示すように表面に電極材を例えば厚さが約
0.2μm程度になるように成膜することにより、薄膜
上部電極46を形成する。この電極は、NiとCuを順
に連続DCスパッタリングにより行って形成した(厚み
はNiとCuともに1500Å程度であり、Cuはメッ
キのシード層となる)。成膜条件としては、到達真空度
は5×10-6Torr、プロセス圧力は30mmTorr(4
Pa)である。Arガス流量は100sccm、DCパワーは
500W/100mm2 、膜厚レートは0.2μm/5分で
ある。
【0027】このようにして、成膜が終了したらこの基
板をスパッタ装置から取り出し、図4(K)に示すよう
にレジスト44を剥離する。この剥離は市販のレジスト
ストリッパー液(アルカリ性)等の有機溶剤で行なう。
次に、図4(L)に示すように、引き出し電極形成のた
めに上記基板全面に絶縁層48を形成する。この絶縁層
48の材料としては例えば前述の太陽インク(株)製のL
1インクを用いることができる。このインクを約50μ
mの厚さでスクリーン印刷などにより形成し、オーブン
中に150℃で2時間ベークする。その後、図4(M)
に示すようにレーザ穴開け機で上記薄膜下部電極38の
一端と上記薄膜上部電極46を目がけてスルーホール5
0を形成し、スルーホール底の残渣をデスミア処理によ
り除去する。この後、図4(N)に示すように引き出し
電極の材料であるNiとCuを順に連続スパッタしてC
u/Ni積層膜52を形成し(厚みはNiとCuともに
1500Å程度であり、Cuはメッキのシード層とす
る)、更に電解銅メッキすることにより銅メッキ膜54
を形成する。スパッタ条件は前述のCu/Ni積層膜の
場合と同じでよい。また、銅メッキ膜54を約20μm
メッキしたら、図4(O)に示すようにホトリソ手段に
てニッケル膜52と銅メッキ膜54の両膜をパターンエ
ッチングすることにより処理を終了する。
【0028】以上説明したような2つの実施例のプロセ
スにより形成された2つのコンデンサは0.1〜1nF/m
m2の容量値を得ることができた。このコンデンサのキャ
パシタ絶縁膜の材料として他のアルミナやSiO2 など
を用いた場合には、上記した各容量値はこれより小さな
値が、PZT、BST膜を用いた場合には上記した容量
値より大きな値が得られる。上述のように、本発明の製
造方法によれば、低温で、且つ有機溶媒を用いることな
くコンデンサを一部に含むプリント基板を製造できる。
尚、ここではプリント基板として、ビルトアップ基板を
用いた場合を例にとって説明したが、これに限定され
ず、モジュール基板、通常の単層のプリント基板等にも
本発明を適用できるのは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンデン
サを一部に含むプリント基板及びその製造方法によれば
次のように優れた作用効果を発揮することができる。請
求項1に係る発明によれば、低温で、フットプリントよ
りも大きい表面積で、単位面積当たりの誘電率が高いコ
ンデンサを一部に含むプリント基板を得ることができ
る。請求項2乃至4に係る発明によれば、低温で、しか
も、有機溶剤も使用しないので対環境性に優れた方法で
コンデンサを一部に含むプリント基板を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサを一部に含むプリント基板
の製造方法の一例である平板コンデンサを一部に含むプ
リント基板の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明のコンデンサを一部に含むプリント基板
の製造方法の一例である平板コンデンサを一部に含むプ
リント基板の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明のコンデンサを一部に含むプリント基板
の製造方法の他の一例であるビアホール底コンデンサを
一部に含むプリント基板の製造方法を示す工程図であ
る。
【図4】本発明のコンデンサを一部に含むプリント基板
の製造方法の他の一例であるビアホール底コンデンサを
一部に含むプリント基板の製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
2,32…絶縁層、6,36…レジスト、8A,8B,
38…薄膜下部電極、10,40…金属マスク、12,
42…キャパシタ絶縁膜、16,46…薄膜上部電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA03 BB03 BB32 CC03 CC06 DD41 DD42 GG06 5E346 AA12 BB16 BB20 CC09 CC10 CC21 CC37 DD03 DD07 EE33 GG27 HH31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板の絶縁層の表面に形成され
    て、その表面が凹凸状になされた薄膜下部電極と、前記
    薄膜下部電極の表面に部分的に形成されたキャパシタ絶
    縁膜と、前記キャパシタ絶縁膜の表面に形成された薄膜
    上部電極とを備えたことを特徴とするコンデンサを一部
    に含むプリント基板。
  2. 【請求項2】 プリント基板の絶縁層の表面に、その表
    面が凹凸状になされた薄膜下部電極を形成する工程と、
    前記薄膜下部電極の表面に、部分的にキャパシタ絶縁膜
    を形成する工程と、前記キャパシタ絶縁膜の表面に、薄
    膜上部電極を形成する工程とを備えたことを特徴とする
    コンデンサを一部に含むプリント基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表面が凹凸状になされた薄膜下部電
    極は、この薄膜下部電極の下地となる前記絶縁層の表面
    を予め凹凸状に粗化させておくことにより形成されるこ
    とを特徴とする請求項2記載のコンデンサを一部に含む
    プリント基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記表面が凹凸状になされた薄膜下部電
    極は、前記薄膜下部電極を、その表面を平坦状態で成膜
    した後に、その表面を凹凸状に粗化することにより形成
    されることを特徴とする請求項2記載のコンデンサを一
    部に含むプリント基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008028188A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Sharp Corp プリント配線板、プリント配線板の製造方法、及び電子機器
KR100835660B1 (ko) 2006-10-17 2008-06-09 삼성전기주식회사 커패시터, 그 제조방법 및 커패시터가 내장된 인쇄회로기판
JP2017130653A (ja) * 2014-09-18 2017-07-27 インテル コーポレイション パッケージ基板への埋込薄膜キャパシタの集積

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