JP2002134796A - Bi−Te系半導体素子およびBi−Te系熱電モジュール - Google Patents

Bi−Te系半導体素子およびBi−Te系熱電モジュール

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JP2002134796A
JP2002134796A JP2000319537A JP2000319537A JP2002134796A JP 2002134796 A JP2002134796 A JP 2002134796A JP 2000319537 A JP2000319537 A JP 2000319537A JP 2000319537 A JP2000319537 A JP 2000319537A JP 2002134796 A JP2002134796 A JP 2002134796A
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semiconductor
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JP2000319537A
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Atsuo Matsumoto
敦夫 松本
Kohei Taguchi
功平 田口
Kenji Terakado
健次 寺門
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NHK Spring Co Ltd
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NHK Spring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Bi−Te系半導体と電極をはんだを用いて
接合し、低コストかつ強固で高い信頼性を有するBi−
Te系熱電モジュールを提供する。 【解決手段】 複数のp型Bi−Te系半導体およびn
型Bi−Te系半導体(3)と、一対のp型Bi−Te
系半導体およびn型Bi−Te系半導体の下面にSn系
はんだ層を介して接続された複数の下部電極(2)と、
下部電極が接続する対とは異なる他の一対のp型Bi−
Te系半導体およびn型Bi−Te系半導体の上面にS
n系はんだ層を介して接続された複数の上部電極(4)
とを具備し、複数のp型Bi−Te系半導体およびn型
Bi−Te系半導体が直列または並列に接続された構造
を有するBi−Te系熱電モジュールにおいて、Sn系
はんだ層の組成が、一般式Sn−X(ここで、XはαB
i、βSbまたはαBi+βSbであり、αは50wt
%以下、βは10wt%以下である)で表される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電発電および熱電
冷却などの熱電変換技術に応用されるBi−Te系半導
体素子およびBi−Te系熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】熱電モジュールとして、ペルチェ効果を
利用した熱電冷却モジュールやゼーベック効果を利用し
た熱電発電モジュールが知られている。
【0003】熱電冷却モジュールは、熱電半導体に電流
を流すことによって、p型熱電半導体ではホールが、n
型熱電半導体では電子が熱の輸送媒体となる現象(ペル
チェ効果)を利用し、いくつかの熱電半導体を接続して
電流を流してモジュールの一端を冷却端(冷却面)とし
て用いるものである。
【0004】熱電発電モジュールは、熱電半導体の両端
に温度差を与えたとき、p型熱電半導体ではホールが、
n型熱電半導体では電子が輸送媒体となって熱を拡散す
る現象(ゼーベック効果)を利用し、いくつかの熱電半
導体を接続してモジュールの両端に温度差を生じさせて
電力を取り出すものである。
【0005】上述したような熱電モジュールを作製する
際には、複数の熱電半導体同士を電気的に接合するため
にはんだを介して金属電極を接合する。このような構造
を有する熱電モジュールを使用する際には、モジュール
内部に温度差が生じるため、はんだ接合部に繰り返して
応力が印加される。このため、はんだ接合部は欠陥が少
なく接合強度が強固である必要がある。
【0006】従来より、Bi−Te系半導体はSnを含
有するはんだを介して電極と接合されている。しかし、
Bi−Te系半導体は、はんだとの反応制御が困難であ
り、はんだが付きにくい、かつ剥がれやすいという問題
がある。
【0007】また、Bi−Te系半導体表面にNiなど
の金属層をメッキして、その上にはんだを介して電極と
接合することも行われている。しかし、この方法では、
Bi−Te系半導体へのNiメッキ工程を追加する必要
があり、コスト高を招いている。しかも、Niメッキ層
とBi−Te系半導体の間で剥離を生じる場合もあり、
信頼性にも問題が生じるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、はん
だの組成および厚さを調整することにより、接合部を強
固で高い信頼性を有するものとし、さらにはBi−Te
系半導体へのメッキ工程を省略し、Bi−Te系半導体
とはんだとを直接接合でき、低コストかつ強固で高い信
頼性を有するBi−Te系半導体素子およびBi−Te
系熱電モジュールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のBi−Te系半
導体素子は、Bi−Te系半導体にSn系はんだ層を介
して電極を接合したBi−Te系半導体素子において、
前記Sn系はんだ層の組成が、一般式 Sn−X (ここで、XはαBi、βSbまたはαBi+βSbで
あり、αは50wt%以下、βは10wt%以下であ
る)で表されることを特徴とする。
【0010】本発明のBi−Te系熱電モジュールは、
複数のp型Bi−Te系半導体およびn型Bi−Te系
半導体と、一対のp型Bi−Te系半導体およびn型B
i−Te系半導体の下面にSn系はんだ層を介して接続
された複数の下部電極と、前記下部電極が接続する対と
は異なる他の一対のp型Bi−Te系半導体およびn型
Bi−Te系半導体の上面にSn系はんだ層を介して接
続された複数の上部電極とを具備し、前記複数のp型B
i−Te系半導体およびn型Bi−Te系半導体が直列
または並列に接続された構造を有するBi−Te系熱電
モジュールにおいて、前記Sn系はんだ層の組成が、一
般式 Sn−X (ここで、XはαBi、βSbまたはαBi+βSbで
あり、αは50wt%以下、βは10wt%以下であ
る)で表されることを特徴とする。
【0011】本発明においては、前記Sn系はんだ層の
厚さが75〜200μmであることが好ましい。
【0012】本発明においては、前記Bi−Te系半導
体と前記Sn系はんだ層との間にSnとTeを含む反応
層が形成されていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】代表的なBi−Te系熱電半導体
としては、Bi2Te3の金属間化合物が知られている。
多くの場合、性能を向上させるために、Bi2Te3と、
Sb2Te3、Sb2Se3、Bi2Se3などの金属間化合
物を混合した状態で利用される。また、p型/n型に制
御するために、Te,Pb,Sn/SbI3,HgI2
SbBr3,HgBr2,SbCl3,HgCl2,AgI
などが微量に添加されることが多い。これらを総称して
Bi−Te系熱電半導体またはBi−Te系合金と呼
ぶ。
【0014】Sn系はんだとはSnを主成分とするはん
だをいう。Ag,Bi,Sbをそれぞれ添加した、Sn
−Ag系、Sn−Bi系、Sn−Sb系はんだなどがあ
る。たとえば、Sn−Bi系はんだとは、SnとBiを
主成分とするはんだを意味する。
【0015】本発明においては、Bi−Te系半導体に
Sn−X(XはαBi、βSbまたはαBi+βSbで
あり、αは50wt%以下、βは10wt%以下であ
る)で表されるはんだを介して電極を接合することによ
り、Bi−Te系半導体とSn−Xで表されるはんだと
の間にSn−Teを主成分とする反応層が形成され、強
固な接合に寄与する。
【0016】本発明において、Sn−αBiはんだを用
いる場合、信頼性の観点から、Bi添加量(α)を50
wt%以下、好ましくは10wt%以下、より好ましく
は5wt%未満、さらに好ましくは1wt%以下、最も
好ましくは0.3wt%未満とする。一方、Bi添加量
(α)の下限は0.1wt%以上とすることが好まし
い。
【0017】本発明において、Sn−βSbはんだを用
いる場合、信頼性の観点から、Sb添加量(β)を10
wt%以下、好ましくは5wt%未満、最も好ましくは
0.5wt%未満とする。一方、Sb添加量(β)の下
限は0.1wt%以上とすることが好ましい。
【0018】本発明において、Sn−αBi−βSb系
はんだを用いる場合、Bi添加量(α)を10wt%以
下、Sb添加量(β)を5wt%未満とすることが好ま
しい。一方、BiおよびSbの合計添加量(α+β)は
0.1wt%以上とすることが好ましい。
【0019】本発明においては、空隙の少ない良好なは
んだ接合部を得るためには、上記のようなSn−Xはん
だ層の厚さを75〜200μm、より好ましくは75〜
125μm、最も好ましくは75〜100μmとする。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
p型Bi−Te系半導体およびn型Bi−Te系半導体
は以下のようにして作製した。
【0021】(Bi2Te322.5(Sb2Te377.5
5wt%Teの組成となるように各成分を混合して溶融
した後に粉砕し、p型Bi−Te系半導体の粉末を作製
した。
【0022】(Bi2Te395(Bi2Se35+0.
1wt%SbI3の組成となるように各成分を混合して
溶融した後に粉砕し、n型Bi−Te系半導体の粉末を
作製した。
【0023】上記のp型またはn型のBi−Te系半導
体の粉末を用い、下記の条件でコールドプレスを行い、
それぞれブロック状の成形体(焼結体)を作製した。
1.4mm×1.4mm×2.4mmのダイス内に原料
粉末を充填し、室温または300℃程度の温間にて50
0〜50000kgf/cm2(典型的には1000k
gf/cm2)でプレス成形した。ダイスより1.4m
m×1.4mm×2.4mmのブロック状の成形体試料
を取り出した。この成形体試料を真空、減圧、Ar、N
2などの不活性雰囲気中において400〜600℃で焼
結して焼結体を得た。なお、焼結は水素中などの還元雰
囲気で行ってもよい。このような方法で得られた焼結体
の空隙率は5vol%以下であった。得られた焼結体
は、加工を施さずに焼結したままの状態ではんだ付けに
供した。成形方法は上述の方法が好ましいが、溶製法や
ホットプレスを用いた焼結法によってインゴットを作製
し、所定のサイズになるように切断、研削加工を行って
Bi−Te系半導体を作製する場合にも効果がある。
【0024】Bi−Te系半導体のはんだ付けは以下の
ようにして行った。所定の組成を有するはんだ合金を粉
砕して粉末状とし、可塑性を付与するために松脂(まつ
やに)などの有機材料をバインダーとして混練し、はん
だペーストを調製した。このはんだペーストを金属電極
に塗布し、1.4mm×1.4mm×2.4mmのBi
−Te焼結体の1.4mm×1.4mmの面と金属電極
との間にはんだペーストを設けた状態で、窒素置換され
たリフロー炉内を連続的に搬送して加熱し、はんだを溶
融させて接合した。はんだの溶融温度(雰囲気温度)は
はんだの合金成分によって適宜調整される。
【0025】具体的には、図1および図2に示すような
熱電モジュールを作製した。図1(A)に示すように、
厚さ1mmのAlからなる金属基板1上に、アルミナセ
ラミックスの粒子を分散させた厚さ200μmのエポキ
シ系の樹脂層を介して、厚さ400μmのCuからなる
下部電極2を固着した。下部電極2の上面にはNiメッ
キを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0026】金属基板1としては、耐食性、熱伝導性、
成形性の点でアルミニウムが特に優れている。金属基板
1の厚さは10μm〜10mmが好ましく、100μm
〜2mmがより好ましい。金属基板1が薄すぎると成形
性が悪くなり、厚すぎると熱伝導性が悪くなる。樹脂層
としてはエポキシ系以外にもポリイミド系のものを用い
ることができるが、エポキシ系のものの方が低価格で成
形が容易である点で有利である。樹脂層全体の厚さは1
〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ま
しい。樹脂層が薄すぎると成形が困難になり、厚すぎる
と熱伝導性が低下してモジュールの性能が低下する。実
際に、Al基板/樹脂層の厚さを500μm/80μm
とした場合でも後述する結果と同様な結果が得られてい
る。
【0027】一方、上記のようにして作製したp型およ
びn型のBi−Te系半導体の焼結体を複数用意した。
また、厚さ500μmのCu板の両面にNiメッキを施
した後、切断して上部電極4を作製した。なお、上部電
極4のNiメッキも必ずしも設ける必要はない。
【0028】図1(A)に示す下部電極2上にはんだペ
ーストを介して図1(B)に示すようにp型およびn型
のBi−Te系半導体3を載せた。さらに、図1(C)
に示すようにp型およびn型のBi−Te系半導体3上
にはんだペーストを介して上部電極4を載せた。このモ
ジュールを窒素置換されたリフロー炉内を連続的に搬送
して加熱し、はんだを溶融させて接合した。はんだ工程
時の雰囲気は大気中であっても、減圧、真空、還元性ガ
ス雰囲気中、不活性ガス雰囲気中であっても同様の効果
が得られるが、コストと性能の安定性の面から窒素雰囲
気が最も好ましい。図2は図1(c)のII−II線に沿う
断面図である。
【0029】このようにして作製されたモジュールにつ
いて下記の評価を行った。 (1)接合部の評価 ここで、はんだ接合部とは、溶融凝固したはんだ層と、
はんだとBi−Te系半導体との反応層、およびはんだ
と電極との反応層とを含む。ただし、はんだと電極との
反応層は極端に薄いため、以下の説明では考慮していな
い。したがって、以下の説明でいう反応層とは、はんだ
とBi−Te系半導体との間の反応層である。はんだと
Bi−Te系半導体との間の反応層は、はんだ材よりも
たらされた成分(A)とBi−Te系半導体よりもたら
された成分(B)が相互に拡散または反応することによ
って形成される層で、成分(A)と成分(B)をともに
含む層である。さらに詳しくは、SnとTeを主たる成
分とし、Bi−Te系半導体よりもたらされるBi、S
bなどを含む場合が多い。反応層の成分の構成は、Bi
−Te系半導体の組成、はんだ材の組成、反応の条件な
どによって適宜選択可能である。また、溶融凝固したは
んだ層とは、はんだ付け工程において溶融した後、その
後の冷却過程で凝固したとみなされる層のことで、溶融
凝固したはんだ層は、反応前のはんだ材を主たる成分と
するか、または反応前のはんだ材と同一組成である場合
が多い。
【0030】モジュールを切断して切断面を研磨し、光
学顕微鏡、電子顕微鏡(SEM)、分析装置(EPM
A)を用いた観察により、はんだ層の空隙率、はんだ層
の厚さおよび反応層の厚さを調べた。上述したようには
んだ層の厚さとは溶融凝固したはんだ層のみの厚さであ
り、反応層の厚さとははんだとBi−Te系半導体との
間の反応層のみの厚さである。なお、空隙率は、はんだ
接合部の切断面の光学顕微鏡写真を撮り、溶融凝固した
はんだ層に存在する欠陥(空隙)の面積率を測定するこ
とにより決定した。
【0031】(2)通電サイクル試験 モジュール全体を無風の自然冷却状態に保持し、3.0
W×150秒間の通電と150秒間の通電停止を1サイ
クルとして、200サイクル後にモジュールの内部抵抗
を測定した。
【0032】なお、下記の実施例2の表2に示すSb添
加量5wt%のSn−Sb系はんだを用いた場合に関し
ては、3.5A×90秒間の通電と270秒間の通電停
止を1サイクルとして、100サイクル後にモジュール
の内部抵抗を測定した。
【0033】試験前と比較した内部抵抗の増加率に基づ
いて以下のように評価した。増加率が4%未満のものを
「丸」、4%以上5%未満のものを「三角」、5%以上
のものを「バツ」とした。
【0034】(3)温度サイクル試験 −40℃×10分間の冷却と85℃×10分間の加熱を
1サイクルとして、500サイクル後にモジュールの内
部抵抗を測定した。試験前と比較した内部抵抗の増加率
に基づいて以下のように評価した。増加率が4%未満の
ものを「丸」、4%以上5%未満のものを「三角」、5
%以上のものを「バツ」とした。
【0035】(実施例1)はんだとしてBi添加量の異
なるSn−Bi系はんだを用いた場合の評価結果を表1
に示す。表1において、Bi添加量が0のものは、本来
はSn100%を意味するが、実質的には不可避成分と
して0.1wt%程度の不純物が含まれている。Sn
(100%)はんだを使用する場合は、純度を99%以
上99.99%以下とすることが好ましく、99.5%
以上99.9%以下とすることがより好ましい。純度が
低いと空隙率を安定的に少なく制御することが困難にな
り、純度が高いとコスト高になる。
【0036】
【表1】
【0037】p型およびn型のBi−Te系半導体とは
んだとの間にSnとTeを主とする反応層(Biが含ま
れることがある)が形成され、強固な接合に寄与してい
る。
【0038】表1から、Sn−Bi系はんだ中のBi添
加量については以下のようなことがいえる。Biを添加
することではんだ付け工程においてはんだの溶融温度を
下げることができコストを下げられる等の効果がある
が、添加量が多すぎると空隙率が増加するなどの不具合
を生じる場合がある。Bi添加量が50wt%以下、好
ましくは10wt%以下で耐久性が向上し、Bi添加量
が5wt%未満、好ましくは1wt%以下でさらに耐久
性が向上する。Bi添加量が0.3wt%未満では反応
層の厚さが減少し、さらに信頼性が向上する。しかし、
Bi添加量が低すぎる場合、例えば0.005wt%以
下では低温で脆化するおそれがあるので、温度条件など
の使用条件に応じて0.005wt%以上とすることが
好ましく、0.05wt%以上とすることがより好まし
く、0.1wt%以上とすることがさらに好ましい。
【0039】(実施例2)はんだとしてSb添加量の異
なるSn−Sb系はんだを用いた場合の評価結果を表2
に示す。表2において、Sb添加量が0のものは、本来
はSn100%を意味するが、実質的には不可避成分と
して0.1wt%程度の不純物が含まれている。また、
Sn−5wt%Sbのはんだを用いた場合のみ、上述し
たように他のはんだを用いた場合と異なる通電サイクル
テストを行っている。
【0040】
【表2】
【0041】p型およびn型のBi−Te系半導体とは
んだとの間にSnとTeを主とする反応層(Sbおよび
Biが含まれることがある)が形成され、強固な接合に
寄与している。ただし、Sn−5wt%Sbのはんだを
用いた場合には、p型Bi−Te半導体との反応層中に
ボイド様の欠陥が存在していた。
【0042】表2から、Sn−Sb系はんだ中のSb添
加量については以下のようなことがいえる。Sbを添加
することではんだ付け工程においてはんだの溶融温度を
下げることができコストを下げられる等の効果がある
が、添加量が多すぎると空隙率が増加するなどの不具合
を生じる場合がある。Sb添加量が10wt%以下で良
好な接合部が得られ、Sb添加量が5wt%未満で耐久
性が向上する。Sb添加量が0.5wt%未満では反応
層の厚さが減少し、さらに信頼性が向上する。しかし、
Sb添加量が低すぎる場合、低温で脆化するおそれがあ
るので、温度条件などの使用条件に応じて0.1wt%
以上とすることが好ましく、0.3wt%以上とするこ
とがより好ましい。
【0043】(実施例3)はんだとしてBi添加量およ
びSb添加量の異なるSn−Bi−Sb系はんだを用い
た場合の評価結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】p型およびn型のBi−Te系半導体とは
んだとの間にSnとTeを主とする反応層(Sbおよび
Biが含まれることがある)が形成され、強固な接合に
寄与している。なお、Sn−2.5wt%Bi−2.5
wt%Sbのはんだを用いた場合、p型Bi−Te半導
体との反応層の厚さは表2のSn−5wt%Sbのはん
だを用いた場合と同じであるが、ボイド様の欠陥は観察
されず、より強固に接合されていた。SbはBiに比較
してn型Bi−Te系半導体に対する反応性が高いの
で、SnにBiおよびSbを複合的に添加することによ
り両者の特徴を生かして反応を制御し、より強固な接合
部を形成することが可能である。Sn−Bi−Sb系は
んだを用いた場合、Bi添加量は10wt%以下、Sb
添加量は5wt%未満とすることが好ましい。一方、B
iおよびSbの合計添加量は0.1wt%以上とするこ
とが好ましい。
【0046】実施例1〜3の結果から、反応層の厚さに
関しては以下のような結論を導くことができる。すなわ
ち、反応層が全く存在しないか非常に薄い場合には未接
合部が発生して接合強度が低下するため、ある程度の厚
さの反応層が存在することが必要である。一方、反応層
が厚くなりすぎると、接合部の強度が低下したり、半導
体の性能を阻害することがある。また、反応層の種類に
よって適切な反応層の厚さは異なるので、適宜調整する
ことが好ましい。
【0047】SnとTeを主たる成分とする反応層で
は、厚さが0.1μm以上で40μm未満であれば強
度、性能を損なうことなく、良好な接合を実現できる。
さらに、厚さが1μm以下であればより信頼性の高い接
合部を形成できる。この反応層中にBiおよび/または
Sbが含有されていればより良好な接合を実現できる。
【0048】(実施例4)はんだとしてSn−5wt%
Biを用い、はいだペーストの印刷厚さを0.1〜1.
0mm、はんだ付け温度を230〜300℃の範囲で変
化させてモジュールを作製した。
【0049】複数のモジュールを作製した後にモジュー
ルの切断面を観察し、118個のはんだ接合部につい
て、はんだ厚さ(反応層を含まない溶融凝固したはんだ
層のみの厚さ)と反応層を含まない溶融凝固したはんだ
層中の空隙率を測定した。
【0050】表4に、はんだ厚さを25μmごとに区切
って分類するとともに、空隙率を5%ごとに区切って分
類した結果を示す。表4の評価は、各はんだ厚さにおい
て空隙率が10%以下である接合部の割合が80%以上
の場合「二重丸」、70〜80%の場合「丸」、60〜
70%の場合「三角」、60%以下の場合「バツ」とし
た。
【0051】
【表4】
【0052】表4から、はんだ厚さが75〜200μm
の場合には空隙率が10%以下の接合部がほとんどであ
り良好なはんだ接合部が得られている。また、はんだ厚
さが75〜125μmの場合に空隙率が10%以下の接
合部がさらに増えてより良好なはんだ接合部が得られ、
はんだ厚さが75〜100μmの場合にもっとも良好な
はんだ接合部が得られている。
【0053】本発明では、Bi−Te系半導体にメッキ
などを施さずに直接はんだ材を接合する際にコスト低
減、信頼性の向上などの点について特に効果が大きい
が、Bi−Te系半導体とはんだ材との間にメッキなど
の連続する層を設ける場合においても同様に適用が可能
であり強固で高い信頼性を有する接合部が得られる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、は
んだの組成および厚さを調整することにより、接合部を
強固で高い信頼性を有するものとし、さらにはBi−T
e系半導体へのメッキ工程を省略し、Bi−Te系半導
体とはんだとを直接接合でき、低コストかつ強固で高い
信頼性を有するBi−Te系半導体素子およびBi−T
e系熱電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるBi−Te系熱電モジ
ュールの製造方法を工程順に示す平面図。
【図2】本発明の実施例において作製されたBi−Te
系熱電モジュールの断面図。
【符号の説明】
1…金属基板 2…下部電極 3…Bi−Te系半導体 4…上部電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi−Te系半導体にSn系はんだ層を
    介して電極を接合したBi−Te系半導体素子におい
    て、前記Sn系はんだ層の組成が、一般式 Sn−X (ここで、XはαBi、βSbまたはαBi+βSbで
    あり、αは50wt%以下、βは10wt%以下であ
    る)で表されることを特徴とするBi−Te系半導体素
    子。
  2. 【請求項2】 前記Sn系はんだ層の厚さが75〜20
    0μmであることを特徴とする請求項1に記載のBi−
    Te系半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記Bi−Te系半導体と前記Sn系は
    んだ層との間にSnとTeを含む反応層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のBi−T
    e系半導体素子。
  4. 【請求項4】 複数のp型Bi−Te系半導体およびn
    型Bi−Te系半導体と、一対のp型Bi−Te系半導
    体およびn型Bi−Te系半導体の下面にSn系はんだ
    層を介して接続された複数の下部電極と、前記下部電極
    が接続する対とは異なる他の一対のp型Bi−Te系半
    導体およびn型Bi−Te系半導体の上面にSn系はん
    だ層を介して接続された複数の上部電極とを具備し、前
    記複数のp型Bi−Te系半導体およびn型Bi−Te
    系半導体が直列または並列に接続された構造を有するB
    i−Te系熱電モジュールにおいて、前記Sn系はんだ
    層の組成が、一般式 Sn−X (ここで、XはαBi、βSbまたはαBi+βSbで
    あり、αは50wt%以下、βは10wt%以下であ
    る)で表されることを特徴とするBi−Te系熱電モジ
    ュール。
  5. 【請求項5】 前記Sn系はんだ層の厚さが75〜20
    0μmであることを特徴とする請求項4に記載のBi−
    Te系熱電モジュール。
  6. 【請求項6】 前記Bi−Te系半導体と前記Sn系は
    んだ層との間にSnとTeを含む反応層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項4または5に記載のBi−T
    e系熱電モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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