JP2002134502A - 半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及び膜を形成する方法 - Google Patents
半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及び膜を形成する方法Info
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Abstract
高い密着性を有する絶縁膜を形成するための材料及び方
法を与える。 【解決手段】半導体基板上に低比誘電率、高い耐熱性及
び高い耐吸湿性を有するシリコン重合体絶縁膜を形成す
るための方法がプラズマCVD装置に適応される。第1工
程は一般式SiαOβCxHy(α=3、β=3若しくは4、x及
びyは整数)によって表現されるシリコン系炭化水素化
合物を気化しその後気化された化合物をプラズマCVD装
置の反応チャンバ内に導入することである。次の工程は
添加ガスを反応チャンバ内に導入することである。材料
ガスの滞留時間は、低比誘電率を伴う連続多孔質構造を
有するシリコン重合体膜を形成するような方法で、反応
ガスの総流量を減少させることによって延長される。
Description
に関し、特に半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及び
プラズマCVD(化学気相成長)装置を使って膜を形成す
るための方法に関する。
半導体装置の高集積化への要求の高まりから、多層配線
技術が非常に注目されている。しかし、これらの多層配
線構造において、個々の配線間の容量が高速動作を妨げ
ている。この配線間容量を減少させるために、絶縁膜の
比誘電率を下げる必要がある。そこで、比較的低い比誘
電率を有するさまざまな材料が絶縁膜として開発されて
きた。
Si(OC2H5)4のようなシリコン材料ガスに酸化剤として酸
素O2若しくは酸化窒素N2Oを添加し、熱若しくはプラズ
マエネルギーによって処理することにより製造される。
その比誘電率は約4.0である。
プラズマCVD法によりフッ素化アモルファスカーボン膜
が製造された。その比誘電率εは2.0〜2.4ほどである。
の比誘電率を低下させる他の方法が為された。プラズマ
CVD法によって低圧(1Torr)のもとで材料ガスからシ
リコン系有機膜が製造される。材料ガスはP-TMOS(フェ
ニルトリメトキシシラン、化学式1)から成り、それは
ベンゼンとシリコンの化合物であり、バブリング法によ
って気化される。この膜の比誘電率εは3.1ほどであ
る。
る。絶縁膜はスピンコート法によって無機SOG材料から
製造される。膜の比誘電率εは2.3ほどである。
ようなさまざまな欠点を有する。
耐熱性が低く(370℃)、シリコン系材料との密着性が
悪く、機械的強度も低い。耐熱性が低いと400℃を超え
る高温のもとで破損する危険性がある。密着性が悪いと
膜が簡単に剥がれてしまう。さらに、機械的強度が低い
と配線材料が破損する危険性がある。
め、P-TMOS分子を使って重合されたオリゴマーは気相中
でシロキサン構造のような線状構造を形成しない。線状
構造を有しないオリゴマーはシリコン基板上に多孔質構
造を形成することができず、蒸着膜の密度は減少されな
い。その結果膜の比誘電率は所望の値まで減少され得な
い。
スのようなキャリアガスを材料内に通過させることによ
って得られる液体材料の蒸気がキャリアガスとともに反
応チャンバ内に導入されるところの方法を意味する。一
般に、この方法は材料ガスを流させるために大量のキャ
リアガスを必要とする。結果として、材料ガスは気相中
で重合反応が生じるのに十分な時間の間反応チャンバ内
に留まることができない。
は材料がシリコン基板上に均一に塗布されないといった
問題及び被覆処理の後のキュア装置が高価であるという
他の問題を有する。
れた絶縁膜及びそれを形成するための方法を与えること
である。
耐熱性、高い耐吸湿性及び高い密着性を有する絶縁膜及
びそれを形成する方法を与えることである。
率、高い耐熱性、高い耐吸湿性及び高い密着性を有する
絶縁膜を形成するための材料を与えることである。
必要とせずに低い比誘電率を有する絶縁膜を簡単に形成
するための方法を与えることである。
反応チャンバを含むプラズマCVD装置を使って半導体基
板上に絶縁膜を形成するための方法を含み、該方法は、
一般式SiαOβCxHy(α=3、β=3若しくは4、x及びyは
整数)で表されるシリコン系炭化水素化合物を気化さ
せ、その後プラズマCVD装置の反応チャンバへそれを導
入する工程と、流量の実質的に減少した添加ガスを反応
チャンバ内に導入する工程と、材料ガスとしての気化さ
れたシリコン系炭化水素化合物及び添加ガスから成る混
合ガスが反応ガスとして使用されるところのプラズマ重
合反応によって半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と
から成る。添加ガス流量の減少は反応ガスの総流量の実
質的減少を生じさせるという注目すべき特徴を有する。
本発明にしたがって、比誘電率が低い連続多孔質構造を
有するシリコン重合体膜が製造される。
縁膜及び上記特徴を備えた絶縁膜を形成するための材料
に引きつけられる。
目的で、発明のある目的及び利点が上述されてきた。も
ちろん、必ずしもそのような目的若しくは利点のすべて
が発明のあらゆる特定の実施例にしたがって達成されな
いことは理解されるべきである。したがって、例えば、
当業者はここで教示され若しくは提案されるような他の
目的若しくは利点を必ずしも達成することなくここで教
示されるようなひとつの利点も複数の利点を達成し若し
くは最適化するように、発明が実施され若しくは実行さ
れることを認識するであろう。
下の好適実施例の詳細な説明から明らかになるであろ
う。
合物が好適である。
素である(好適には、n及びmは独立に1から3の整数であ
り、より好適には1であり、各炭化水素は1から6個の炭
素原子を有し、より好適には1個の炭素原子を有す
る)。
の図面を参照して説明されるが、それは図示するのが目
的であって発明を限定するものではない。
は整数)で表現されるシリコン系炭化水素化合物は好適
には少なくとも1つのSi-O結合、2つ若しくはそれ以下
のO-CnH2n+1結合及びシリコン(Si)に結合された少なく
とも2つの炭化水素基を有する化合物である。より特定
的には、シリコン系炭化水素化合物は以下の化学式(2)
で表現される化合物の少なくともひとつの種を含む。
であり、m及びnはあらゆる整数である。
は以下の化学式(3)で表現される化合物の少なくともひ
とつの種を含む。
とつであり、nはあらゆる整数である。
は以下の化学式(4)で表現される化合物の少なくとも1
つの種を含む。
のひとつであり、m及びnはあらゆる整数である。
素化合物は以下の化学式(5)で表現される化合物の少な
くとも1つの種を含む。
及びC6H5のひとつであり、添加ガスはアルゴン(Ar)、ヘ
リウム(He)、及び酸化窒素(N2O)若しくは酸素(O2)であ
る。
素化合物は以下の化学式(6)で表現される化合物の少な
くとも1つの種を含む。
のひとつであり、添加ガスはアルゴン(Ar)、ヘリウム(H
e)、及び酸化窒素(N2O)若しくは酸素(O2)である。
化水素化合物の少なくともひとつを含む。
基板上に形成され及び該膜は化学式2で表現されるシリ
コン系炭化水素化合物を含む材料ガスを使ってプラズマ
CVD装置内でプラズマエネルギーによって重合される。
該膜は化学式3で表現されるシリコン系炭化水素化合物
を含む材料ガスを使ってプラズマCVD装置内でプラズマ
エネルギーによって重合される。
は化学式4で表現されるシリコン系炭化水素化合物を含
む材料ガスを使ってプラズマCVD装置内でプラズマエネ
ルギーによって重合される。
膜は化学式5で表現されるシリコン系炭化水素化合物を
含む材料ガスを使ってプラズマCVD装置内でプラズマエ
ネルギーによって重合される。
び該膜は化学式6で表現されるシリコン系炭化水素化合
物を含む材料ガスを使ってプラズマCVD装置内でプラズ
マエネルギーによって重合される。
膜を形成するための材料は基板近傍の気相中に供給さ
れ、化学反応によって基板上に絶縁膜を形成するために
プラズマCVD装置内で処理され、該材料は化学式2によ
って表現される。
基板近傍の気相中に供給され、化学反応によって基板上
に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD装置内で処理さ
れ、該材料は化学式3によって表現される。
近傍の気相中に供給され、化学反応によって基板上に絶
縁膜を形成するためにプラズマCVD装置内で処理され、
該材料は化学式4によって表現される。
板近傍で酸化剤として酸化窒素(N2O)若しくは酸素(O2)
のいずれかを有する気相中に供給され、化学反応によっ
て基板上に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD装置内
で処理され、該材料は化学式5によって表現される化合
物である。
は基板近傍で酸化剤として酸化窒素(N2O)若しくは酸素
(O2)のいずれかを有する気相中に供給され、化学反応に
よって基板上に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD装
置内で処理され、該材料は化学式6によって表現される
化合物である。
パシティ、反応に適応される圧力及び反応ガスの総流量
に基づいて決定される。反応圧力は通常1〜10Torrであ
るが、安定なプラズマを維持するために好適には3〜7To
rrである。この反応圧力は反応ガスの滞留時間を延長す
るために比較的高い。反応ガスの総流量は生成膜の比誘
電率を減少するのに重要である。滞留時間を制御するた
めに添加ガスに対する材料ガスの比率を制御することは
必要ではない。一般に、滞留時間が長いほど、比誘電率
はより低くなる。膜を形成するのに必要な材料ガス流量
は所望の蒸着速度及び膜が形成される基板面積に依存す
る。例えば、300nm/minの蒸着速度で基板(r(半径)=
100mm)上に膜を形成するためには、少なくとも50sccm
の材料ガスが反応ガス内に含まれていることが期待され
る。それは基板表面積(m2)当たりほぼ1.6×102sccmであ
る。総流量は滞留時間(Rt)によって定義される。Rtが以
下に説明されるように定義されるとき、Rtの好適範囲は
100msec≦Rtであり、より好適には200msec≦Rt≦5sec、
さらに好適には500msec≦Rt≦4secである。従来のプラ
ズマTEOSにおいて、一般にRtは10〜30msecの範囲内にあ
る。
留まる平均時間間隔を意味する。滞留時間(Rt)はRt=αV
/Sで計算され、ここでVはチャンバの容積(cc)であり、S
は反応ガスの体積(cc/s)であり、αは反応チャンバの形
状及びガスの吸気口と排気口との間の位置関係によって
決定される係数である。反応チャンバ内の反応空間は基
板の表面(πr2)及び上部電極と下部電極との間の空間に
よって画成される。反応空間を通じて流れるガス流量を
考慮すると、αは1/2と推定される。上記公式でαは1/2
である。
合、2つ以下のO-CnH2 n+1結合及びシリコン(Si)に結合
された少なくとも2つの炭化水素基を含むシリコン系炭
化水素化合物である。また、この材料ガスは直接気化方
式によって気化される。該方法は低い比誘電率、高い耐
熱性及び高い耐吸湿性を有する絶縁膜を形成する。
化された材料ガスは十分に長い時間プラズマ中に滞留す
る。結果として、線状重合体が形成され、nが2若しくは
それ以上の値であるところの基本構造(化学式7)を有
する線状重合体が気相中で成長する。その後、該重合体
が半導体基板上に堆積し連続多孔質構造を有する絶縁膜
を形成する。
pはゼロを含む整数である。
を有するSi-O結合を基本骨格としているため比較的高い
安定性を有する。また、連続多孔構造を有するため比誘
電率が低い。さらに、基本骨格(-Si-O-)nは両側におい
て疎水性を有する炭化水素基で終端されたダングリング
ボンドを有し、この特性が耐吸湿性を与える。さらにま
た、一般に炭化水素とシリコンの結合は安定である。例
えば、メチル基との結合すなわちSi-CH3とベンゼンとの
結合すなわちSi-C6H5の両方は500℃若しくはそれ以上の
解離温度を有する。上記半導体製造は450℃以上の耐熱
性が要求されるため、膜のその特性は半導体製造にとっ
て有利である。
下の好適実施例の詳細な説明から明らかとなる。
示す。この装置は反応ガス供給装置12及びプラズマCVD
装置1から成る。反応ガス供給装置12は、複数のライン1
3、ライン13に配置された制御バルブ8及びガス入口ポー
ト14、15及び16から成る。流量制御器7は所定の体積に
材料ガスの流量を制御するために個々の制御バルブ8に
結合されている。液体反応材料18を収容する容器は液体
を直接的に気化させる気化装置17に結合されている。プ
ラズマCVD装置1は反応チャンバ6、ガス入口ポート5、サ
セプタ3及びヒータ2を含む。円形ガス拡散板10はガス入
口ポートのすぐ下に配置される。ガス拡散板10はその底
面に複数の細孔を有し、そこから半導体基板4へ反応ガ
スを噴射することができる。反応チャンバ6の底部には
排気ポート11が存在する。この排気ポート11は外部の真
空ポンプ(図示せず)に結合されており、その結果反応
チャンバ6の内部は真空排気される。サセプタ3はガス拡
散板10に面して平行に配置される。サセプタ3は半導体
基板4を表面上に載置しかつヒータ2で加熱する。ガス入
口ポート5は反応チャンバ6から絶縁され、外部の高周波
電源9に結合されている。択一的に、サセプタ3が電源9
に結合されてもよい。こうして、ガス拡散板10及びサセ
プタ3は高周波電極として機能しかつ半導体基板4の表面
付近にプラズマ反応領域を生成する。
基板上に絶縁膜を形成するための方法は、一般式SiαO
βCxHy(α、β、x及びyは整数)で表現されるシリコン
系炭化水素化合物を直接気化し、その後プラズマCVD装
置1の反応チャンバ6にそれを導入する工程と、流量の実
質的に減少した添加ガスを反応チャンバ6内に導入する
工程と、材料ガス及びキャリアガスとしてのシリコン系
炭化水素化合物から作られる混合ガスが反応ガスとして
使用されるところのプラズマ重合反応によって半導体基
板上に絶縁膜を形成する工程と、から成る。添加ガス流
量の減少が反応ガスの総流量の実質的減少をもたらすこ
とは注目すべき特徴である。この特徴は以下により詳細
に説明される。
で表現されるシリコン系炭化水素化合物は好適には、少
なくともひとつのSi-O結合、2つ若しくはそれ以下のO-
CnH2n+1結合及びシリコン(Si)に結合した少なくとも2
つの炭化水素基を有する化合物である。より特定的に
は、それは以下に示される化合物、(A)化学式:
であり、m及びnはあらゆる整数であり、以下に示される
化合物、(B)化学式
とつであり、nはあらゆる整数であり、以下に示される
化合物、(C)化学式
のひとつであり、m及びnはあらゆる整数であり、以下に
示される化合物、(D)化学式
及びC6H5のひとつであり、及び酸化剤として酸化窒素(N
2O)若しくは酸素(O2)を有する化合物との混合物であ
り、または、以下に示される化合物、(E)化学式
のひとつであり、及び酸化剤として酸化窒素(N2O)若し
くは酸素(O2)を有する化合物との混合物である。
の化合物及び混合物のあらゆる組合せから成ることに注
意すべきである。
具体的にはアルゴンガス及びヘリウムガスである。アル
ゴンは主にプラズマの安定化のために使用され、一方ヘ
リウムはプラズマの均一性及び絶縁膜の膜厚の均一性を
改善するために使用される。
気化方式とは流量の制御された液体材料が予熱された気
化装置において瞬間的に気化されるところの方法であ
る。この直接気化方式は所望の流量の材料ガスを得るの
にアルゴンのようなキャリアガスを必要としない。この
点がバブリング方式と大きく異なる。したがって、大量
のアルゴンガス若しくはヘリウムガスはもはや必要では
なく、このことによって反応ガスの総流量が減少し、そ
の結果プラズマ中に材料ガスが滞留する時間を延長する
ことができる。結果として、気相中で十分な重合反応が
生じ、線状重合体が形成され及び連続多孔質構造を有す
る膜が得られる。
供給される不活性ガスは、シリコン系炭化水素化合物で
ある液体反応材料18をライン13を通じて制御バルブ8へ
押し出す。制御バルブ8は液体反応材料18の流量を流量
制御器7で制御し、その結果それは所定の体積を超える
ことはない。減少したシリコン系炭化水素化合物18は上
記した直接気化方式によって気化されるよう気化装置17
へ向かう。アルゴン及びヘリウムは入口ポート15及び16
を通じてそれぞれ供給され、バルブ8はこれらのガスの
流量を制御する。その後、材料ガス及び添加ガスの混合
物である反応ガスは、プラズマCVD装置1の入口ポート5
へ供給される。すでに真空排気された反応チャンバ6の
内部に配置されたガス拡散板10と半導体基板4との間の
空間は、好適には13.4MHz及び430kHzの高周波RF電圧で
付勢され、該空間はプラズマ領域として働く。連続的
に、サセプタ3は半導体基板4をヒータ2で加熱し、基板4
を所望な350〜450℃の所定の温度に維持する。ガス拡散
板10の細孔を通じて供給される反応ガスは所定の時間半
導体基板4の表面付近のプラズマ領域内に留まる。
に成長せず、その結果基板上に蒸着された膜は連続多孔
質構造を形成しない。滞留時間は反応ガスの流量に反比
例するので、反応ガスの流量の減少はその滞留時間を延
長させる。
は、添加ガスの流量を減少させることによって実行され
る。結果として、反応ガスの滞留時間は延長され、その
結果線状重合体が十分に成長し、つづいて連続多孔質構
造を有する絶縁膜が形成される。
不活性ガス、酸化剤若しくは還元剤を反応チャンバに添
加することが有効である。ヘリウム(He)及びアルゴン(A
r)は不活性ガスであり、24.56eV及び15.76eVの異なるイ
オン化エネルギーをそれぞれ有する。したがって、He若
しくはArのいずれか若しくは両方を組み合わせて所定の
量で添加することによって、気相中の材料ガスの反応が
制御される。反応ガスの分子は気相中で重合され、それ
によってオリゴマーが形成される。オリゴマーはO:Si比
率が1:1を有するように期待される。しかし、オリゴマ
ーが基板上に膜を形成する際、オリゴマーはさらに重合
されより高い酸素比率を生じさせる。比率は基板上に形
成される膜の比誘電率若しくは他の性質によって変化す
る(例えば、以下に説明される例5の比率は3:2であ
る)。
まれない残留酸素は材料化合物から脱離しプラズマ中を
浮遊する。材料ガス内のSi:Oの比率は化合物によって変
化する。例えば、上記化学式2から6において、O:Siの
比率はそれぞれ2:1,1:1,3:2,1:2,0:1である。酸素の量
が増加すると、Siに直接結合され膜形成に必要な有機基
が酸化され、その結果膜の劣化を引き起こしやすくな
る。上記において、反応チャンバへH2及びCH4のような
還元剤を添加することによって、プラズマ中の酸素の分
圧が下がり、有機基の上記酸化を防止することができ
る。対照的に、O:Si比率が低い(例えば3/2若しくはそ
れ以下)場合には、N2O及びO2のような酸化剤を添加す
ることによって膜を形成するために酸素を供給する必要
がある。形成された膜の組成がFT-IR若しくはXRSによっ
て分析され、及びその比誘電率も分析されるところの予
備実験に基づいて還元剤若しくは酸化剤の適当な量が予
め評価される。したがって、He、Arのような添加ガス、
還元剤、及び酸化剤の適当なタイプを選択しかつ添加さ
れる各ガスの量を制御することによって、所望の品質を
有する膜が製造される。
ためのシリコン系炭化水素化合物は好適には2つの若し
くはそれ以下のアルコキシ基を有するかまたはアルコキ
シ基を有しない。3つ若しくはそれ以上のアルコキシ基
を有する材料ガスの使用は線状シリコン重合体の形成を
妨げ、膜の比較的高い誘電率を生じさせる。上記におい
て、Si原子の数は限定されないが、化合物のひとつの分
子は好適には1つ、2つ若しくは3つのSi原子を含む
(Si原子が多いほど、気化がより困難となり、及び化合
物の合成のコストもより高くなる)。アルコキシ基は通
常1〜3個の炭素原子を含み、好適には1つ若しくは2
つの炭素原子を含む。Siに結合された炭化水素は通常1
〜12個の炭素原子を有し、好適には1〜6個の炭素原
子を有する。好適なシリコン系炭化水素化合物は以下の
化学式を有する。
〜3の整数、及びRはSiに結合されたC1-6炭化水素であ
る。酸化剤若しくは還元剤の使用は、シリコン重合膜の
目標比誘電率(3.30若しくはそれ以下、好適には3.10若
しくはそれ以下、より好適には2.80若しくはそれ以下)
並びに誘電率の安定性及び耐熱性のような他の性質に依
存して決定される。上記したように、材料ガス内のO:Si
比率もまた酸化剤若しくは還元剤を選択するのに考慮さ
れる。好適には、もし比率が3:2より低ければ、酸化剤
が使用され、もし比率が3:2より高ければ還元剤が使用
される。また、Ar及びHeのような不活性ガスはプラズマ
反応を制御するためのものであるが、シリコン重合膜を
形成するのに不可欠ではない。材料ガスの流量及び添加
ガスの流量はプラズマCVD装置に依存して変化する。適
切な流量はシリコン重合膜の比誘電率を反応ガス(材料
ガス及び添加ガスから成る)の滞留時間と相関させるこ
とによって決定される。滞留時間が長いほど、誘電率は
より低くなる。延長された滞留時間あたりの誘電率の減
少率は変化可能であり、ある滞留時間の後に誘電率の減
少率は大きく増加し、すなわち反応ガスのある滞留時間
の後に誘電率は鋭く下降する。この誘電率の下降範囲の
後、誘電率の減少はスローダウンする。これは非常に興
味深い。本発明において、膜の誘電率と反応ガスの滞留
時間との間の所定の相関関係に基づいて誘電率下降範囲
に達するまで滞留時間を延長することによって、シリコ
ン重合膜の比誘電率を大きく減少させることが可能であ
る。
る。これらの実験において、PM-DMOS(フェニルメチル
・ジメトキシシラン、化学式1)、DM-DMOS(ジメチル
・ジメトキシシラン、化学式8)及びP-TMOSが材料ガス
として使用された。通常のプラズマCVD装置(EAGLE-10
TM、日本エー・エス・エム株式会社)が実験装置として
使用された。成膜条件は以下のとおりである。 添加ガス:Ar及びHe RF電力:250W(13.4MHz及び430kHzの周波数を合成して
使用) 基板温度:400℃ 反応圧力:7Torr 気化方法:直接気化方式 滞留時間(Rt)は以下のように定義される。
率との間の関係を見出すために流量のみが変化された。 Pr=9.33×102(Pa) Ps=1.01×105(Pa) Tr=272+400=673(K) Ts=273(K) rw=0.1(m) d=0.014(m) 表1は比較例及び本発明の実施例の実験結果を示す。
通り。滞留時間Rtの計算値は24 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.38に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は412 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.42に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は30 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.41に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は41 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.41に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は51 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.40に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は68 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.35に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は103 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを3.10に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は165 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを2.76に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は206 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを2.64に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は412 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを2.45に減少させた。
を参照しながら考察する。図2は材料ガスとしてPM-DMO
Sを使用した実験における、比誘電率εと反応ガスの総
流量との間の関係及び滞留時間Rtと反応ガスの総流量と
の間の関係を示すグラフである。図3は材料ガスとして
PM-DMOSを使用した実験における、滞留時間Rtと比誘電
率εとの間の関係を示すグラフである。
電率εとの間の関係を検討する。図2は流量が約700scc
mまでは比誘電率εがほぼ一定の3.4であることを示して
いる。しかし、流量がほぼ700sccm若しくはそれ以下に
減少するとともに比誘電率εは下がり始める。また、流
量が500sccm以下に下がるに従い、滞留時間Rtは急激に
上昇し及び比誘電率εは急激に下降する。一方、図3は
滞留時間Rtがほぼ70msecから増加すると比誘電率εが減
少し始めることを示している。滞留時間Rtが400msecよ
り長いと、比誘電率εは2.45まで低下する。
100sec以上となるようにPM-DMOSガス及び添加ガスの反
応ガスの総流量が制御されれば、比誘電率εは3.1以下
に制御され得ることを明白に示している。
通り。滞留時間Rtの計算値は412 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを2.58に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は1764 msecであった。以上
の条件は絶縁膜の比誘電率εを2.51に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は1647 msecであった。以上
の条件は絶縁膜の比誘電率εを2.50に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は412 msecであった。以上の
条件は絶縁膜の比誘電率εを2.52に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は1647 msecであった。以上
の条件は絶縁膜の比誘電率εを2.49に減少させた。
通り。滞留時間Rtの計算値は1647 msecであった。以上
の条件は絶縁膜の比誘電率εを2.67に減少させた。
スにおいて両化合物(R1がC6H5でR2がCH3であるPM-DMOS
及びR1がCH3でR2がCH3であるDM-DMOS)は非常に低い比
誘電率(ε<3.1)を有する絶縁膜を製造することができ
ることがわかる。
スが同じ結果をもたらすかどうかを検討する。比較例1
及び2の両方は材料ガスとしてP-TMOSを使用した実験で
得られた結果である。これらの実施例は、反応ガスの総
流量が5.7%まで減少しても比誘電率が減少しないこと
を示している。したがって、PM-DMOSで成立した流量と
比誘電率との関係はP-TMOSでは成立しない。
際の比誘電率の相違を検討する。比較例2と本発明の実
施例4を比較すると、流量及び他の条件は同一であるの
に、P-TMOSの比誘電率εは3.42であり一方PM-DMOSの比
誘電率εは2.45である。比誘電率の値のこのような大き
な違いは材料ガスの分子構造の違いによるものである。
すなわち、PM-DMOSは分離しやすい比較的不安定な一対
のO-CH3結合を有し、その結果重合反応が生じ及び線状
重合体(化学式7)が気相中で形成される。この重合体
は半導体基板上に堆積され連続多孔構造を形成し、及び
絶縁膜の比誘電率が低下する。一方、P-TMOSは3つのO-
CH3結合を有するため、たとえ滞留時間が延長されても
その重合体は線状に成長しない。したがって、成長する
膜は連続多孔構造を有せず、比誘電率も低下しない。
されるシリコン系炭化水素化合物はSi-O結合だけでなく
2つ以下のO-CnH2n+1結合を有し、かつシリコン(Si)に
結合した少なくとも2つの炭化水素基を有することが好
適であることがわかった。
率の膜安定性は、PM-DMOSが使用されたところの実施例
4及びDM-DMOSが使用されたところの実施例5に従う低
い比誘電率膜を準備することによって評価され、それに
よって比誘電率の安定性及び耐熱性が評価された。
膜を加熱しかつ加湿することにより測定された。すなわ
ち、各膜は1μmの膜厚でSiウエハ上に形成され、その比
誘電率は膜形成の直後及び120℃及び湿度100%で1時間
放置された後に測定された。結果を以下に示す。各膜の
比誘電率に変化は見られず、極めて安定であることがわ
かる。
すなわち、Siウエハ上に形成されたPM-DMOS及びSiウエ
ハ上に形成されたDM-DMOSのサンプルは真空中に配置さ
れ、毎分10℃の速度で上昇する温度に晒され、それによ
って、膜から脱離した分子の量が測定された。図4は昇
温中にCH4の脱離に起因する分量16を有する成分の熱脱
離スペクトルを示す。図5は膜から脱離する総分子数に
対応する真空度の変化を示す。両方の実験において、温
度400℃若しくはそれ以下ではいずれの膜も脱離は生じ
なかった。脱離はPM-DMOSでほぼ450℃及びDM-DMOSでほ
ぼ500℃で始まった。低比誘電率膜に必要な耐熱温度は
概して400℃から450℃である。したがって、PM-DMOS膜
及びDM-DMOS膜の両方は高い耐熱性を有することが証明
された。
係るシリコン系炭化水素化合物を使用する本発明の方法
によって、高い耐熱性、高い耐吸湿性及び低い比誘電率
を有する絶縁膜が製造される。また、反応ガスの滞留時
間を制御することによって有効かつ単純に膜の比誘電率
を制御できることがわかった。さらに、本発明に係る方
法により、高価な装置を使用することなく絶縁膜を製造
することが実現された。
たが、当業者にとって明白な他の実施例は本発明の態様
内にある。したがって、本発明の態様は請求の範囲によ
ってのみ定義されるものである。
物は上記化合物と置き換えが可能であり優れた効果を示
す。
素である。
さまざまな修正が可能であることは当業者の知るところ
である。したがって、本発明の形式は単に例証であって
本発明の態様を限定するものではないことは理解される
べきである。
されるプラズマCVD装置を図示した略示図である。
験における、比誘電率と反応ガスの総流量との間の関係
及び滞留時間と反応ガスの総流量との間の関係を示すグ
ラフである。
験における滞留時間と比誘電率との間の関係を示すグラ
フである。
M-DMOS,DM-DMOS)からのCH4の脱離に起因する分子量16を
有する成分の熱脱離スペクトルを示すグラフである。
分子数に対応する真空度の変化、すなわち、熱脱離試験
における膜から脱離するガスに起因する圧力上昇を示す
グラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】プラズマ処理によって半導体基板上にシリ
コン重合体絶縁膜を形成するための方法であって、 半導体基板が配置されるところのプラズマCVD処理用反
応チャンバ内へ以下の化学式を有するシリコン系炭化水
素から成る材料ガスを導入する工程であって、 【化1】 ここでn及びmはあらゆる整数であり、R1からR7は炭化水
素であるところの工程と、 シリコン重合体膜の比誘電率が予め選択された値より低
くなるまで、反応チャンバ内の反応ガスの滞留時間を延
長するべく反応ガスの流量を制御することによって、半
導体基板上に低比誘電率を有するシリコン重合体膜を形
成するよう反応チャンバ内のプラズマ重合反応を活性化
する工程と、から成る方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、化学式内
のn及びmは独立に1から3の整数である、ところの方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の方法であって、化学式内
の各炭化水素は1から6個の炭素原子を有する、ところ
の方法。 - 【請求項4】請求項1に記載の方法であって、反応ガス
は少なくともアルゴン(Ar)若しくはヘリウム(He)のいず
れかから成るキャリアガスを含む、ところの方法。 - 【請求項5】請求項1に記載の方法であって、反応ガス
の流量はシリコン重合体膜の比誘電率を3.30以下にする
よう制御される、ところの方法。 - 【請求項6】請求項1に記載の方法であって、滞留時間
は(i)反応ガスの流量を減少させ、(ii)反応空間を拡大
し、または(iii)反応圧力を増加させることによって延
長される、ところの方法。 - 【請求項7】請求項1に記載の方法であって、以下の方
程式で定義される反応ガスの滞留時間Rtが100msecに劣
らないところの方法であり、 Rt[s]=9.42×107(Pr・Ts/Ps・Tr)rw 2d/F ここで、Pr:反応チャンバ圧力(Pa) Ps:標準気圧(Pa) Tr:反応ガスの平均温度(K) Ts:標準温度(K) rw:シリコン基板の半径(m) d:シリコン基板と上部電極との間隔(m) F:反応ガスの総流量(sccm) である方法。
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US09/691376 | 2000-10-18 |
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-
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- 2001-10-18 JP JP2001320069A patent/JP3814797B2/ja not_active Expired - Lifetime
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