JP2002131958A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2002131958A
JP2002131958A JP2000325339A JP2000325339A JP2002131958A JP 2002131958 A JP2002131958 A JP 2002131958A JP 2000325339 A JP2000325339 A JP 2000325339A JP 2000325339 A JP2000325339 A JP 2000325339A JP 2002131958 A JP2002131958 A JP 2002131958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
photoreceptor
forming apparatus
image
charging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000325339A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichiro Hashizume
淳一郎 橋爪
Shigenori Ueda
重教 植田
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000325339A priority Critical patent/JP2002131958A/ja
Publication of JP2002131958A publication Critical patent/JP2002131958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温、高湿の環境においても画像流れが発生
せず、帯電ムラが少なく、感光体削れの発生しない、き
わめて良好な画像が安定して得られる画像形成装置を提
供する。 【解決手段】 導電性基体101と、導電性基体上に少
なくとも光導電層102を有する感光体と、感光体を帯
電させる帯電手段と、像露光を行うことにより感光体上
に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、感光体上に形
成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成
させる現像手段と、トナー像を転写材に転写させる転写
手段とを有する画像形成装置において、感光体の光導電
層は少なくとも水素を含有した非単結晶シリコンを主体
とし、ESRによって測定される感光体の最表面近傍に
おけるスピン濃度が1×1018cm-3以上、1×1022
cm -3以下であり、帯電手段は、感光体面に電圧を印加
した導電性部材を当接させて感光体面を帯電する接触帯
電装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、アモルファスシリ
コン電子写真感光体を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置、例えば普通紙複写
機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶プリ
ンター等に用いられる感光体への帯電装置はコロナ帯電
器を使うのが一般的であり、広く使われている。コロナ
帯電器はφ50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜
10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離すること
で対向物を帯電するものである。
【0003】コロナ帯電器は、その構造上、コロナ放電
にともない、オゾンが大量に発生する場合がある。この
ため、繰り返し使用によりオゾンやコロナ生成物が感光
体表面に付着し、この影響で感光体の表面が湿度に敏感
となり水分を吸着し易くなる場合がある。これが感光体
表面の電荷の横流れの原因となる場合があり、画像流れ
と言われる画像品質の低下を引き起こす場合がある。特
にアモルファスシリコンを用いた電子写真感光体は表面
硬度が高く、耐刷枚数が多い反面、表面が削れ難いた
め、一度付着したコロナ生成物は取り除き難い場合があ
る。
【0004】このような画像流れを防止する為に、実公
平1−34205号公報に記載されているようなヒータ
ーによる加熱や、特公平2−38956号公報に記載さ
れているようなマグネットローラーと磁性トナーから形
成されたブラシにより感光体表面を摺擦しコロナ生成物
を取り除く方法などが用いられてきた。しかしながら、
感光体表面を摺擦する方法はクリーニング装置が大きく
なる等、装置の小型化が困難となる場合がある。また、
ヒーターによる常時加熱は、消費電力量の増大を招く場
合がある。こうしたヒーターの容量は通常15Wから8
0W程度と必ずしも大電力量といった印象を得ないが、
夜間も含め常時通電されているケースがほとんどであ
り、一日あたりの消費電力量としては、画像形成装置全
体の消費電力量の5〜15%にも達する場合もある。
【0005】さらに、こうした画像流れの元凶であるオ
ゾンは、画像形成装置の周囲の人や生物への健康障害の
恐れもあり、従来からオゾン除去フィルターで分解無害
化して排出していた。特にパーソナルユースの場合、排
出オゾン量は極力低減しなければならない。このように
安全面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方
式が求められている。
【0006】このような問題点を解決すべく、各種帯電
装置が提案されている。
【0007】特開昭63−208878号公報等に記載
されているような接触帯電は、電圧を印加した帯電部材
を被帯電体に当接させて感光体表面を所用の電位に帯電
するものである。これらは、コロナ帯電装置に比べ、被
帯電体面に所望の電位を得るのに必要とされる印加電圧
の低電圧化が図れること、帯電過程で発生するオゾン量
がゼロ乃至極微量であること、オゾン生成物による画像
流れの発生がなく、加熱ヒーターの夜間通電等の電力消
費を大幅に低減できる、などの長所を有している。
【0008】一連の接触帯電部材のさまざまな改善の中
で、特開昭59−133569号公報等のように、磁性
体と磁性粒子(或いは粉体)からなる磁気ブラシ状粒子
の接触帯電部材が像担持体に接触、帯電を付与する機構
が、また、特開昭57−046265号公報等のよう
に、導電性の繊維からなるファーを用いたファーブラシ
状の接触帯電部材が像担持体に接触、帯電を付与する機
構の新方式として提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な電圧印加式の接触帯電装置を電子写真感光体の帯電手
段として利用した場合、次のような不具合が発生する恐
れがある。
【0010】接触帯電装置では、帯電装置と電子写真感
光体の接触性を向上させるために、摺擦量を多くする必
要がある。この摺擦によって、微少ではあるものの感光
体の表面を削る作用がある。この研磨量は微々たるもの
ではあるが、アモルファスシリコン感光体は元々長寿命
であるため、この微少な削れ量も長期にわたると多大な
影響を与える場合があった。従って、表面へのダメージ
を減らしながら、いかに接触性を向上させるかという課
題があった。
【0011】さらに、上記のように接触帯電装置と電子
写真感光体の接触性を向上させるために摺擦を行った場
合でも、両者の接触状態が僅かに変化しただけで帯電効
率が大きく変動し、その結果、均一な帯電がなされない
場合があった。この場合、画像上に磁気ブラシや導電性
ブラシなどが接触した跡(掃きムラ)が現れる場合があ
り、磁気ブラシの磁性粒子の粒度を変えたり、導電性ブ
ラシの植毛密度を変えたり、或いは帯電部材と感光体の
相対速度を変化させても、プロセススピードや電子写真
装置の構成によっては完全にはムラを取り除くことが出
来ない場合があった。
【0012】また、掃きムラとは別に、アモルファスシ
リコン感光体に接触帯電装置を適用した場合、装置構成
によっては、画像上のガサツキがコロナ帯電器を使用し
た場合よりも悪化する傾向が見られる場合があった。
【0013】また、帯電ムラ以外の課題としては、接触
帯電装置の劣化の問題がある。例えば磁気ブラシ式接触
帯電器の場合、磁性粒子が電子写真感光体側に移動して
しまう、いわゆる磁性粒子漏れという問題が発生する場
合がある。導電性ブラシ式接触帯電器の場合は、植毛さ
れているブラシが抜けたり、変形してしまう恐れもあ
る。さらに、弾性ローラー式接触帯電器の場合にはロー
ラーが摩耗したり、変形したりする恐れがある。このよ
うな劣化が発生すると、帯電不良が発生したり、画像劣
化が発生する恐れがある。
【0014】本発明は、上記のごとき問題点を克服した
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】すなわち、本発明はコロナ放電によるオゾ
ン生成物の発生がなく、さまざまな環境下において電子
写真感光体の加温ヒーターを設けなくても画像ボケや画
像流れのない高品質の画像が得られ、夜間の通電を必要
としない、省電力の電子写真装置に好適に適用できる画
像形成装置を提供する。
【0016】また、オゾンの発生がなく、人体や環境に
優しい画像形成装置を提供する。
【0017】また、アモルファスシリコン感光体の摩耗
がなく、長期にわたって安定して稼働する画像形成装置
を提供する。
【0018】また、ハーフトーン画像において掃きムラ
やガサツキがなく、鮮明な画像が安価に得られる画像形
成装置を提供することを目的とする。
【0019】さらに、接触帯電装置の寿命が長く、最小
のメンテナンスコストで長期間、安定して画像が得られ
る画像形成装置を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によれば、導電性基体と、該導電性基体上に少
なくとも光導電層を有する感光体と、該感光体を帯電さ
せる帯電手段と、像露光を行うことにより該感光体上に
静電潜像を形成させる潜像形成手段と、該感光体上に形
成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成
させる現像手段と、該トナー像を転写材に転写させる転
写手段とを有する画像形成装置において、該感光体の該
光導電層は少なくとも水素を含有した非単結晶シリコン
を主体とし、ESRによって測定される該感光体の最表
面近傍におけるスピン濃度が1×1018cm-3以上、1
×1022cm-3以下であり、該帯電手段は、該感光体面
に電圧を印加した導電性部材を当接させて該感光体面を
帯電する接触帯電装置であることを特徴とする画像形成
装置が提供される。
【0021】本発明者らは、アモルファスシリコン感光
体を用いた画像形成装置において、コロナ帯電器から発
生するオゾン生成物による画像流れの問題を解決する一
つの方法として接触帯電方式の帯電器を用いる方法を検
討してきた。接触帯電方式とは、電圧を印加した導電性
接触帯電器を感光体表面に直接接触させ、電荷を注入す
るものであり、この場合、印加電圧を帯電電位程度まで
低下させることができるために、コロナ放電が発生しな
い。
【0022】しかし、本発明者らがアモルファスシリコ
ン感光体に対して接触帯電方式を適用する実験を行った
ところ、長期にわたる使用において感光体の表面が削れ
てしまう場合があった。また、接触帯電装置では掃きム
ラと呼ばれる、磁気ブラシや導電性ブラシなどが接触し
た跡が画像上に現れることが問題とされるが、上記のア
モルファスシリコンドラムの場合、この掃きムラやガサ
ツキが出やすい場合があった。
【0023】これらの問題に対して、接触帯電器とアモ
ルファスシリコン感光体の相性を鋭意検討した結果、接
触帯電器による摩耗を防ぐ材料としては、少なくとも水
素を含有し、炭素を主体とする非単結晶材料、いわゆる
水素化アモルファスカーボン(以下、a−C:Hと記
す)が好適であることを見いだした。a−C:H膜は硬
度が従来の材料よりも高いため、接触帯電器によって摺
擦されても充分長寿命を達成できることが判明した。さ
らに、a−C:H膜を表面層として用いる場合、表面の
潤滑性が向上するという別の利点も見られた。すなわ
ち、接触帯電器として磁気ブラシ帯電器を用いた場合に
は、磁性粒子漏れが減少し、導電性ブラシや弾性ローラ
ーを用いた場合には、これらの接触子のヘタリが減少す
るため、接触帯電器の劣化の低減という副次的効果があ
ることが判明した。
【0024】しかし、a−C:H表面層を設けた感光体
においても、環境条件や、プロセス条件によっては、掃
きムラやガサツキなどの問題が発生する場合が見られ
た。そこで、さらに検討を続けた結果、感光体の最表面
近傍におけるスピン濃度と接触帯電器による電荷注入性
に相関があることが見いだされた。ここで言うスピン濃
度とはESRによって測定される物性値であり、膜中の
ダングリングボンドの濃度と対応している。すなわち、
スピン濃度が少ないアモルファスシリコン感光体では、
上記のような帯電ムラが発生しやすい傾向が見られた。
そこで、感光体の表面層の製造条件をさまざまに変化さ
せてスピン濃度を変化させたところ、ある程度以上のス
ピン濃度にすることによって均一な帯電が行われ、ハー
フトーンの濃度ムラやガサツキが抑えられ、さらに、掃
きムラについても目立たなくなることが判明した。一
方、ある程度以上にスピン濃度を増やすと感光体の膜質
が悪化し、逆に帯電特性が悪化したり、光メモリーが発
生したりするといった別の弊害が発生し、最適な範囲が
あることが判明した。本発明者らの検討では、その範囲
は1×1018cm-3以上、1×1022cm-3以下であっ
た。
【0025】本来、微細な構造であるスピン濃度と帯電
ムラに相関があることについての詳細は現時点では明ら
かではないが、おおよそ次のように想像している。
【0026】すなわち、最表面近傍のスピン濃度は原子
と原子の結合が切れたダングリングボンドによって形成
されている。このダングリングボンドは接触帯電器から
の電荷の注入サイトとなっていると考えられる。しか
し、接触帯電器が接触した際の電荷の注入の確率は必ず
しも100%ではなく、あるサイトに関しては、接触帯
電器と接触しても電荷が注入されない場合がある可能性
が考えられる。従って、元々構造的に全面に接触するこ
とが難しい接触帯電器を用い、かつ、注入サイトが少な
い感光体の場合、場所場所によって充分に帯電キャリア
が注入されない部分が出てくるものと考えられる。この
問題は確率的な問題であるので、注入サイトを充分に多
く用意しておけば、結果的に限りなく注入効率を100
%に近づけることができるものと想像される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に図面を用いて本発明を具体
的に説明する。
【0028】図1は本発明による電子写真感光体の模式
的な断面図であり、103は電子写真感光体の表面層で
あり、102はシリコン原子を主体とする光導電層、1
01は導電性基体である。
【0029】本発明においては、電子写真感光体の最表
面近傍におけるESRによって測定されるスピン濃度、
この場合、表面層103におけるスピン濃度が1×10
18cm-3以上、1×1022cm-3以下、さらに好ましく
は1×1019cm-3以上、1×1021cm-3以下である
ように調整される。この範囲に調整することによって帯
電ムラが効果的に抑制され、均一な帯電が可能となり、
ハーフトーンの掃きムラや濃度ムラが出にくくなり、更
にはガサツキについても目立たなくなる。かつ、帯電能
の悪化や、光メモリーの悪化などの弊害も見られない。
なお、最表面近傍におけるスピン濃度は電子写真感光体
の自由表面側より少なくとも5nmの層厚における領域
をESRによって測定することで得ることができる。
【0030】また、本発明においては、感光体に、さら
に非単結晶材料から成る表面層を設けることができる。
【0031】そして、この様な表面層は、少なくとも水
素および/またはハロゲンを含み、シリコンを主体と
し、炭素、酸素および窒素から選ばれる少なくとも1つ
以上の原子を含有する非単結晶材料から作製することが
できる。
【0032】また、表面層は、少なくとも水素および/
またはハロゲンを含有し、炭素を主体とする非単結晶材
料から作製することもできる。
【0033】例えば、表面層103にはa−C:Hが好
適に用いられる。a−C:Hからなる表面層の原料ガス
としては炭化水素を用い、代表的には後述するプラズマ
CVD法により作製される。a−C:Hからなる表面層
103のスピン濃度を制御する方法は、各種装置毎に最
適条件は異なるため、一概に限定することは出来ない
が、一般に原料ガスとして使われる炭化水素の種類の変
更、プラズマを励起する高周波電力の変化、基板温度の
制御や基板へのバイアス電圧の印加の度合い、堆積速
度、基板温度等を適宜調整することで行うことができ
る。
【0034】本発明は、感光体の最表面近傍におけるE
SRによって測定されるスピン濃度を1×1018cm-3
以上、1×1022cm-3以下にすることで帯電ムラを防
止し、表面層103の材料をa−C:Hとすることで耐
摩耗性、滑り性を向上させたことで完成されたものであ
るが、a−C:Hからなる表面層103に多少の不純物
が含有されても、スピン濃度を1×1018cm-3以上、
1×1022cm-3以下にする限りにおいては、同様の効
果を得ることができる。例えば表面層103にSi、
N、O、P、B等の不純物が含有されたとしても、含有
量が全元素に対して10%以下程度であれば本発明の効
果は充分に得られる。
【0035】a−C:Hからなる表面層の膜中に含まれ
る水素原子の含有量はH/(C+H)で10原子%以上
60原子%以下、更に好適には30原子%以上50原子
%以下が適している。水素量が10原子%を切ると光学
的バンドギャップが狭くなり、感度の面で適さなくなる
場合がある。また、60原子%を越えると硬度が低下
し、削れが発生し易くなる傾向がある。光学的バンドギ
ャップは一般には1.2eV〜2.2eV程度の値であ
れば好適に用いることができ、感度の点からは1.6e
V以上とすることが更に望ましい。屈折率は1.6〜
2.8程度であれば好適に用いられる。
【0036】膜厚は5nmから1000nm、好ましく
は10nmから200nmである。5nmより薄くなる
と機械的強度に問題が出る傾向がある。1000nm以
上になると光感度の点で問題が発生する傾向がある。
【0037】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410等のガス状態の、また
はガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして
挙げられ、更に層作製時の取り扱い易さ、炭素供給効率
の良さ等の点でCH4、C2 6が好ましいものとして挙
げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要
に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈し
て使用してもよい。
【0038】また、本発明の表面層103には、必要に
応じてハロゲン原子が含まれていても良い。ハロゲン原
子供給用ガスとなり得る物質としては、たとえばF2
BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3
IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。更
にCF4、CHF3、C26、ClF3、CHClF2、C
38、C410等のフッ素含有ガスが好適に用いられ
る。
【0039】また、基板温度は50℃から400℃まで
の範囲で通常調整されるが、あまり基板温度が高過ぎる
とバンドギャップが低下して透明度が低下するため低め
の温度設定が好ましい。
【0040】高周波電力については、出来るだけ高い方
が原料ガスの分解が充分に進むため好ましく、具体的に
は原料ガス1mL(標準状態)に対して5W以上が好ま
しいが、あまり高くなると異常放電が発生し、電子写真
感光体の特性を劣化させるので、異常放電が発生しない
程度の電力に抑える必要がある。
【0041】放電空間の圧力については通常のRF(代
表的には13.56MHz)電力を用いる場合には、一
般に13.3Pa〜1333Pa、VHF帯(代表的に
は50〜450MHz)を用いる場合には、一般に1
3.3mPa〜13.3Pa程度に保たれる。しかし、
中でも特に133Pa以下の範囲で作製した場合に良好
な膜が得られる。
【0042】本発明による光導電層102の作製方法は
シリコン原子を主体とした非単結晶質の膜、いわゆるア
モルファスシリコンであれば好適に用いることができ
る。アモルファスシリコンの光導電層の作製条件として
はいかなる周波数の高周波電力、VHF電力、或いはマ
イクロ波によるグロー放電プラズマでも好適に使用出
来、このグロー放電プラズマによりシリコン原子を含ん
だ原料ガスを分解して作製することが出来る。
【0043】光導電層102の膜厚に関しては1μm〜
50μmまで、複写機本体が要求する帯電能、感度に応
じて適宜設定されるが、通常は帯電能、感度の点から1
0μm以上、工業的生産性の観点からは50μm以下が
望ましい。
【0044】この模式図においては光導電層は機能分離
されていない単一の層によりできている。
【0045】また、図2に示したように、表面層203
と光導電層202の間に必要に応じてアモルファス炭化
珪素、アモルファス窒化珪素、アモルファス酸化珪素な
どのバッファ層204を設けてもよい。
【0046】また、図3に示したように光導電層302
と導電性基体301の間に導電性基体301からのキャ
リアの注入を阻止する下部阻止層305を設けてもよ
い。
【0047】更に、図4のように光導電層を電荷発生層
402として用い、さらに少なくともシリコン原子と炭
素原子を含む非晶質材料で構成された電荷輸送層406
を電荷発生層402と導電性基体401の間に設けた構
成の機能分離型としたものであってもよい。この電子写
真感光体では、光を照射すると主として電荷発生層40
2で光キャリアーが生成され、電荷輸送層406を通っ
て導電性基体401に至る。
【0048】図5では、導電性基体501の上に下部阻
止層505、光導電層502、バッファ層504、表面
層503を順に積層した模式図を示している。
【0049】本発明で使用される接触帯電装置の導電性
部材としては、磁性芯金とその表面に吸着した導電性磁
性粒子とから成るローラー体を挙げることができる。
【0050】また、接触帯電装置の導電性部材として、
帯電電圧が印加される金属芯金と、この金属芯金によっ
て基端部が保持されるとともに、先端部を感光体表面に
接触させた多数の導電性ブラシ繊維から成るローラー体
を使用することができる。
【0051】更に、接触帯電装置の導電性部材として、
帯電電圧が印加される金属芯金と電気抵抗値104Ω・
cm以上107Ω・cm以下の導電性弾性ローラー層と
から成るローラー体を使用することができる。
【0052】加えて、接触帯電装置の導電性部材とし
て、帯電電圧が印加される金属芯金と感光体とニップ部
を形成する可撓性の帯電部材からなり、少なくとも帯電
部材と感光体とのニップ部に、導電性を有する導電性微
粉体が介在するものを使用することができる。
【0053】図6は、接触帯電器として磁気ブラシを用
いた場合の画像形成装置の模式図である。
【0054】磁気ブラシ帯電器では、磁性体からなる芯
金601とその周りに磁性粒子で構成された磁気ブラシ
層602からなる。芯金601は、通常フェライト磁石
等の金属や、プラスティックマグネット等の多極構成が
可能な磁性体を用いている。
【0055】磁気ブラシ層602を形成する磁性粒子
は、一般にフェライト、マグネタイト等の磁性粒子、ト
ナーのキャリア、あるいは磁性体と樹脂からなるトナー
を使用する。磁性粒子602の粒径は一般に1乃至10
0μm以下、好ましくは10乃至50μmの物が用いら
れるが、画質に支障がなければ更に大粒径の粒子を使用
しても良い。又、粒径は均一な物を用いても良いし、流
動性向上のため、上記の範囲内で異なる粒径の磁性粒子
を混合して使用しても良い。
【0056】磁気ブラシ層602の抵抗は、帯電効率を
良好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面の微小
欠陥から、帯電部材長軸方向で電位が低下してしまうこ
との防止等のために1×103〜1×1012Ωcmなる
抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×10
4〜1×109Ωcmである。
【0057】芯金601には電圧印加手段604が接続
され、直流電圧Vdc、或いは交流を重乗した電圧Vd
c+Vacが芯金601を経由し、磁性粒子602に印
加されて、感光体603の表面との接触部位から電荷を
直接注入し、均一に帯電させる。
【0058】磁気ブラシ帯電器は感光体603の回転方
向Xに対して適宜な相対速度で回転、移動する。或いは
振動していてもよい。
【0059】図7は、接触帯電器としてブラシ帯電器を
用いた場合の画像形成装置の模式図である。
【0060】ブラシ帯電器は金属等の導電部材からなる
芯金701と導電性の繊維を使用したブラシ702から
なる。ブラシ702の導電性繊維にはビニルやPET、
ポリスチレンなどの繊維にカーボンを分散させたものな
どが一般的に使用される。図7ではブラシ帯電器が回転
する回転ブラシタイプであるが、ブラシが固定された固
定ブラシタイプであっても作用は同様である。
【0061】図8は、接触帯電器として弾性体を用いた
場合の画像形成装置の模式図である。
【0062】弾性ローラー帯電器は、導電部材からなる
芯金801、弾性体層802とからなる。弾性体層80
2としてはゴム系の材料や、多孔質のゴム材、いわゆる
スポンジ系材料などが用いられる。弾性体層802を用
いることで、感光体803表面への接触性は、ブラシと
比較して比較的密であり、帯電において掃きムラが抑制
され易い。
【0063】該弾性体層802の抵抗は、帯電効率を良
好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面の微小欠
陥から、帯電部材長軸方向で電位が低下してしまう事の
防止等のために1×103〜1×1012Ωcmなる抵抗
を有することが好ましい。より好ましくは1×104
1×107Ωcmである。
【0064】図9は、導電部材からなる芯金901の上
にスポンジローラーなどの可撓性の帯電部材902を設
け、さらにその表面に導電性を有する導電性微粉体90
5を付着させた帯電装置である。可撓性の帯電部材90
2と感光体903の間に導電性微粉体905が介在する
ことにより、さらに接触状態を向上させ、帯電電荷の注
入性を改善した帯電方式である。
【0065】導電性微粉体905は導電性が制御された
物質が好ましく、具体的にはZnO、TiOなどが挙げ
られる。また、周知の1成分トナーや、2成分トナーの
キャリアなどでもよく、その他にクリーニング工程で捕
獲された残トナーを使用しても良い。
【0066】図10は本発明の画像形成装置に用いられ
るアモルファスシリコンからなる電子写真感光体を製造
するために供される、高周波電源(以下「RF」と略記
する)を用いたプラズマCVD法による堆積装置の一例
を模式的に示した図である。
【0067】図中の1071〜1076のガスボンベに
は、本発明の光受容部材を形成するための原料ガス、例
えば各々SiH4、H2、CH4、B26、NO、Arな
どが密封されており、あらかじめ、ガスボンベ1071
〜1076を取りつける際に、各々のガスを、バルブ1
051〜1056から流入バルブ1031〜1036の
ガス配管内に導入してある。
【0068】例えば表面に旋盤を用いて鏡面加工を施し
たアルミニウムシリンダー(円筒状の導電性支持体)1
005を支持体ホルダー1006に挿入し、反応炉10
01の上蓋1007を開けて、成膜炉1001内の加熱
ヒーター1014に支持体ホルダー1006を挿入す
る。
【0069】次に、ガスボンベ1071〜1076のバ
ルブ1051〜1056、流入バルブ1031〜103
6、成膜炉1001のリークバルブ1015が閉じられ
ていることを確認し、又、流入バルブ1041〜104
6、補助バルブ1018が開かれていることを確認して
まずメインバルブ1016を開いて真空ポンプ1019
により成膜炉1001及びガス配管内を排気する。
【0070】その後、ガスボンベ1071〜1076よ
り各々のガスを、バルブ1051〜1056を開けて導
入し、圧力調整器1061〜1066により各ガス圧力
を所望の圧力に調整する。
【0071】次に、流入バルブ1031〜1036を徐
々に開けて、以上の各ガスをマスフローコントローラー
1021〜1026に導入する。
【0072】次に、流出バルブ1046及び補助バルブ
1018を徐々に開いてArガスをガス導入管1008
を通じて成膜炉1001内に流入させる。このとき、A
rガス流量が所望の圧力となるように真空計1017を
見ながら真空ポンプ1019の排気速度を調整する。そ
の後、不図示の温度コントローラーを作動させて、支持
体1005を加熱ヒーター1014により加熱し、支持
体1005が所望の温度に加熱されたところで、流出バ
ルブ1046及び補助バルブ1018を閉じて、成膜炉
1001内へのガス流入を止める。
【0073】次に、各々の層を形成するのに必要な原料
ガスの流出バルブ1041〜1046と補助バルブ10
18を徐々に開いて、原料ガスを導入管1008を通じ
て成膜炉1001内に流入させる。このとき、各原料ガ
スの流量が所望の流量となるように各々のマスフローコ
ントローラー1021〜1026で調整する。成膜炉1
001内の圧力は、所望の圧力となるように真空計10
17を見ながら真空排気装置1019の排気速度を調整
する。その後、不図示のRF電源の電力を所望の電力に
設定し高周波マッチングボックス1012を通じて成膜
炉1001内にRF電力を導入し、RFグロー放電を生
起させ、支持体1005上又はすでに成膜した層上に所
望の層の形成を開始し、所望の膜厚を形成したところで
RFグロー放電を止め、又、流出バルブ1041〜10
47及び補助バルブ1018を閉じて、成膜炉1001
内へのガス流入を止め、層の形成を終える。
【0074】それぞれの層を形成する際に必要なガス以
外の流出バルブは完全に閉じられていることは言うまで
もなく、又、それぞれのガスが成膜炉1001内、流出
バルブ1041〜1046から成膜炉1001に至る配
管内に残留することを避けるために、流出バルブ104
1〜1046を閉じ、補助バルブ1018を開き、更に
メインバルブ1016を全開にして系内を一旦高真空に
排気する操作を必要に応じて行う。
【0075】又、必要に応じて、層形成を行っている間
に層形成の均一化を図るため、支持体1005及び支持
体ホルダー1006を、不図示の駆動装置によって所望
される速度で回転させる。
【0076】a−C:Hから成る表面層を形成するに
は、一旦、反応容器1001内を高真空に引き上げた
後、導入管1008から所定の原料ガス、例えばC
4、C26、C38、C410などの炭化水素ガス、必
要に応じて水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど
の材料ガスをミキシングパネルにより混合した後に成膜
炉1001内に導入する。次に、マスフローコントロー
ラー1021〜1026によって、各原料ガスが所定の
流量になるように調整する。その際、反応容器1001
内が133.3Pa以下の所定の圧力になるように、真
空計1017を見ながら排気速度を調整する。圧力が安
定したのを確認後、不図示の高周波電源を所望の電力に
設定し、電力を成膜炉1001内に供給し、高周波グロ
ー放電を生起させる。このとき高周波マッチングボック
ス1012を調整し、反射波が最小となるように調整
し、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた値を所
望の値に調整する。高周波電力の放電エネルギーによっ
て反応容器1001内に導入させた炭化水素などの原料
ガスが分解され、光導電層上に所定のa−C:H堆積膜
が形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波
電力の供給を止め、反応容器1001への各原料ガスの
流入を止めて堆積室内を一旦高真空に引き上げた後に表
面層の形成を終える。
【0077】表面層を形成する際に、スピン濃度を制御
するためには、原料ガスの単位流量当たりの高周波電力
を変えたり、堆積速度を表面近傍で変化させたり、基板
温度を変化させることにより制御可能であるが、最適な
設定範囲は、成膜炉の形式や原料ガスの種類、高周波電
力の周波数などによって変化するので適宜最適な条件に
設定する必要がある。
【0078】以上は高周波電源として13.56MHz
のRF電源を用いた場合の形成方法であるが、50MH
z〜450MHzのVHF帯の高周波電源を用いる場合
には、不図示の高周波電源及びマッチングボックス10
12を交換することによって同様の手順で形成すること
が出来る。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0080】(実施例1)図10に示すRF−PCVD
法によるアモルファスシリコン感光体の製造装置を用
い、直径108mmのサンプルホルダーに取り付けたS
iウェハー上に、表1に示す条件でa−C:H膜からな
る表面層を作製した。この際、高周波電力を変化させる
ことにより、スピン濃度を変化させた。このようにして
作製されたサンプルをESRにより測定し、スピン密度
が1×1018〜1×1022(cm-3)である条件を選択
した。次に、図10の製造装置に鏡面加工を施したアル
ミニウムシリンダーを設置し、表2に示す条件で電荷注
入阻止層、光導電層、バッファ層を積層した。さらにそ
の上に上記の手順で決定した作製条件で表面層を積層
し、感光体を5種類作製した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】作製した感光体は以下の手順によって、掃
きムラ、ガサツキ、削れ量について評価を行った。
【0084】<掃きムラ>帯電装置を図6に示した磁気
ブラシ帯電器に改造した電子写真装置に電子写真感光体
を設置し、ハーフトーンチャートをコピーした。この
際、磁性粒子の粒径は100μmのものを使用し、感光
体と磁気ブラシの相対速度は逆方向20%とした。得ら
れたコピー画像を目視、10倍ルーペで詳細に観察し、
磁性粒子によるところの掃きムラ(筋状のムラ)が見ら
れるかどうかの基準から4段階に評価した; ◎… 10倍のルーペで観察しても掃きムラはなく、
非常に良好、 ○… 10倍のルーペで僅かに掃きムラが観察される
が、目視では見えず、良好、 △… 目視でかすかに掃きムラが見られる部分もある
が、実用上、何ら問題ないレベル、 ×… 掃きムラが目視で見られ、実用上、問題となる
場合がある。
【0085】<画像のガサツキ>帯電装置を図6に示し
た磁気ブラシ帯電器に改造した電子写真装置に電子写真
感光体を設置し、人物画像のサンプルチャートをコピー
した。この際、磁性粒子の粒径は100μmのものを使
用し、感光体と磁気ブラシの相対速度は逆方向20%と
した。得られた複写画像を目視、10倍ルーペで点検し
た。そして、次の基準を設けて4段階に評価した; ◎… 10倍のルーペで観察してもガサツキはなく、
非常に良好、 ○… 10倍のルーペで僅かにガサツキが観察される
が、目視では見えず、良好、 △… 目視でかすかにガサツキが見られる部分もある
が、実用上、何ら問題ないレベル、 ×… 目視でガサツキが見られ、実用上、問題となる
場合がある。
【0086】<削れ量>帯電装置を図7に示した導電性
ブラシ帯電器に改造した電子写真装置に電子写真感光体
を設置し、A4紙を用いて10万枚通紙耐久を行った。
この際、感光体と磁気ブラシの相対速度は逆方向100
%とした。耐久前後の表面層の膜厚を干渉式膜厚計で測
定し、その削れ量を測定した。そして、次の基準を設け
て4段階に評価した; ◎… 測定誤差内で削れ量は検出されず、非常に良
好、 ○… 削れ量は1%以下であり、良好、 △… 削れ量は1%を越えたが、実用上、何ら問題の
ないレベル、 ×… 実用上、問題となる程度の削れが発生した。
【0087】(比較例1)実施例1と同様の手順で、図
10に示すRF−PCVD法によるアモルファスシリコ
ン感光体の製造装置を用い、直径108mmの鏡面加工
を施したアルミニウムシリンダー上に、表2に示す条件
で電荷注入阻止層、光導電層を積層した。さらにその上
に表1の条件で表面層を積層し、感光体を作製した。
尚、本比較例においては、表面層を作製する際の高周波
電力を調節することによりスピン濃度が5×1017(c
-3)の感光体を作製した。
【0088】作製した感光体は実施例1と同様の手順に
よって、掃きムラ、ガサツキ、削れ量について評価を行
った。
【0089】(比較例2)実施例1と同様の手順で、図
10に示すRF−PCVD法によるアモルファスシリコ
ン感光体の製造装置を用い、直径108mmの鏡面加工
を施したアルミニウムシリンダー上に、表2に示す条件
で電荷注入阻止層、光導電層を積層した。さらにその上
に表1の条件で表面層を積層し、感光体を作製した。
尚、本比較例においては、表面層を作製する際の高周波
電力を調節することによりスピン濃度が5×1022(c
-3)の感光体を作製した。
【0090】作製した感光体は実施例1と同様の手順に
よって、掃きムラ、ガサツキ、削れ量について評価を行
った。
【0091】実施例1、比較例1、比較例2の結果をま
とめて表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】表3の結果から明らかなように、a−C:
H表面層のスピン濃度を1×1018〜1×1022(cm
-3)の範囲内に制御することにより、注入帯電に適した
帯電特性が得られ、特に1×1019〜1×1021(cm
-3)の範囲内でその効果が著しいことが判明した。
【0094】(実施例2)図10に示すRF−PCVD
法によるアモルファスシリコン感光体の製造装置を用
い、直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシ
リンダーを設置し、表4に示す条件で電荷注入阻止層、
光導電層を積層した。さらにその上に表5に示した、a
−C:H、a−SiC、a−SiN、a−SiOからな
る表面層を積層した感光体4種類を作製した。同時に、
Siウェハー上にも同様の条件で4種類の表面層を積層
し、ESRによりスピン濃度を測定した。
【0095】作製した感光体は実施例1と同様の手順に
よって、掃きムラ、ガサツキ、削れ量について評価を行
った。結果を表6に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】表6の結果から明らかなように、最表面近
傍のスピン濃度が1×1018〜1×1022(cm-3)の
範囲内であれば、非単結晶材料の組成を変更しても良好
な画像特性が得られることが分かる。その中でも特にa
−C:H表面層に関してはその効果が著しいことが判明
した。
【0100】(実施例3)図10に示すRF−PCVD
法によるアモルファスシリコン感光体の製造装置を用
い、直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシ
リンダーを設置し、表2に示す条件で電荷注入阻止層、
光導電層、バッファ層を積層した。さらにその上に表7
に示した、a−C:Hからなる表面層を積層した感光体
を3本作製した。同時に、Siウェハー上にも同様の条
件で表面層を積層し、ESRによりスピン濃度を測定し
たところ、スピン密度は8×1020cm-3であり、本発
明の範囲内であることが確認された。
【0101】作製した感光体は、それぞれ、帯電器を図
6、図7、図8、図9の接触帯電方式に改造した実験機
に設置し、実施例1と同様の手順によって、掃きムラ、
ガサツキ、削れ量について評価を行った。結果を表8に
示す。
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】表8の結果から明らかなように、図6〜図
9のように異なる方式であっても接触帯電方式であれ
ば、最表面近傍のスピン濃度が1×1018〜1×1022
(cm -3)の範囲内で本発明の効果が充分に得られるこ
とが判明した。
【0105】(実施例4)図10に示すRF−PCVD
法によるアモルファスシリコン感光体の製造装置を用
い、直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシ
リンダーを設置し、表4に示す条件で電荷注入阻止層、
光導電層を積層した。さらにその上に表9に示した、a
−C:H、a−SiCからなる表面層を積層した感光体
2種類を作製した。同時に、Siウェハー上にも同様の
条件でそれぞれの表面層を積層し、ESRによりスピン
濃度を測定したところ、スピン密度はそれぞれ5×10
21cm -3、2×1021cm-3であり、本発明の範囲内で
あることが確認された。
【0106】作製した2種類の感光体は、帯電装置を図
6に示した磁気ブラシ帯電器に改造した電子写真装置に
それぞれ設置し、A4用紙1万枚の耐久実験を行った。
この際、耐久実験前に磁性粒子の重量を測定しておい
た。そして1万枚の耐久実験が終了した後、同様に磁性
粒子の重量を測定し、減少した重量を初期の重量で割る
ことで減少率を調べた。
【0107】結果を表10に示す。表10ではa−Si
C表面層での減少率を100としたときのa−C:H表
面層での減少率を示しているが、表から明らかなよう
に、a−C:H表面層では減少率が小さい。このことか
ら、a−C:H表面層は潤滑性が高いため、磁気ブラシ
帯電器の磁性粒子漏れを低減することが分かる。
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】(実施例5)実施例3で使用した感光体、
実験機を用いて、それぞれの帯電方式での耐久性のチェ
ックを行った。方法はA4用紙で2万枚の耐久実験を行
った。この際、1000枚コピー毎に画像を抜き取り、
画像レベルのチェックを行った。その結果、2万枚耐久
実験終了時点でいずれの帯電方式においても初期の画像
レベルを維持しており、帯電ムラやガサツキの悪化は特
に見られなかった。
【0111】以上の結果から、a−C:Hからなる表面
層は接触帯電器と相性が良いことが確認できた。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、導電性円筒状基体の上
に少なくとも水素を含有した非単結晶シリコンを主体と
する光導電層を設けた感光体と、感光体を帯電するため
の手段として、感光体面に電圧を印加した導電性部材を
当接させて感光体面を帯電する接触帯電装置により帯電
する画像形成装置において、感光体の最表面近傍におけ
るESRによって測定されるスピン濃度が1×1018
-3以上、1×1022cm-3以下とすることにより、高
温、高湿の環境においても画像流れが発生せず、帯電ム
ラが少なく、感光体削れの発生しない、きわめて良好な
画像が安定して得られる画像形成装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感
光体の一例の模式的断面図。
【図2】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感
光体の他の一例の模式的断面図。
【図3】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感
光体の他の一例の模式的断面図。
【図4】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感
光体の他の一例の模式的断面図。
【図5】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感
光体の他の一例の模式的断面図。
【図6】本発明の画像形成装置に用いられる接触帯電装
置の一例の模式的図。
【図7】本発明の画像形成装置に用いられる接触帯電装
置の他の一例の模式的図。
【図8】本発明の画像形成装置に用いられる接触帯電装
置の他の一例の模式的図。
【図9】本発明の画像形成装置に用いられる接触帯電装
置の他の一例の模式的図。
【図10】本発明の電子写真感光体を形成するための堆
積装置の一例の模式図。
【符号の説明】
101、201、301、401、501 導電性基
体 102、202、302、502 シリコン原子を主
体とする光導電層 103、203、303、403、503 表面層 204、504 バッファ層 305、505 下部阻止層 402 電荷発生層 406 電荷輸送層 601、701、801、901 芯金 602 磁気ブラシ層 603、703、803、903 感光体 604、704、804、904 電圧印加手段 702 ブラシ 802 弾性体層 902 帯電部材 905 導電性微粉体 1001 成膜炉 1005 支持体 1006 支持体ホルダー 1007 上蓋 1008 ガス導入管 1012 高周波マッチングボックス 1014 加熱ヒーター 1015 リークバルブ 1016 メインバルブ 1017 真空計 1018 補助バルブ 1019 真空ポンプ 1021〜1026 マスフローコントローラー 1031〜1036 ガス流入バルブ 1041〜1046 ガス流出バルブ 1051〜1056 原料ガスボンベのバルブ 1061〜1066 圧力調整器 1071〜1076 原料ガスボンベ
フロントページの続き (72)発明者 岡村 竜次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA11 BB11 CC05 2H068 DA05 DA06 DA07 DA14 DA36 FC01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体と、該導電性基体上に少なく
    とも光導電層を有する感光体と、該感光体を帯電させる
    帯電手段と、像露光を行うことにより該感光体上に静電
    潜像を形成させる潜像形成手段と、該感光体上に形成さ
    れた静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させ
    る現像手段と、該トナー像を転写材に転写させる転写手
    段とを有する画像形成装置において、該感光体の該光導
    電層は少なくとも水素を含有した非単結晶シリコンを主
    体とし、ESRによって測定される該感光体の最表面近
    傍におけるスピン濃度が1×1018cm-3以上、1×1
    22cm-3以下であり、該帯電手段は、該感光体面に電
    圧を印加した導電性部材を当接させて該感光体面を帯電
    する接触帯電装置であることを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記最表面近傍におけるスピン濃度が1
    ×1019cm-3以上、1×1021cm-3以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記スピン濃度が、前記光導電層の自由
    表面側より少なくとも5nmの層厚における領域におい
    てESRにより測定されることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記感光体に、さらに非単結晶材料から
    成る表面層が設けられたことを特徴とする請求項1乃至
    3何れかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記表面層が、少なくとも水素および/
    またはハロゲンを含み、シリコンを主体とし、炭素、酸
    素および窒素から選ばれる少なくとも1つ以上の原子を
    含有する非単結晶材料から成ることを特徴とする請求項
    4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記表面層が、少なくとも水素および/
    またはハロゲンを含有し、炭素を主体とする非単結晶材
    料から成ることを特徴とする請求項4に記載の画像形成
    装置。
  7. 【請求項7】 前記炭素を主体とする非単結晶材料の水
    素量は、10原子%以上60原子%以下であることを特
    徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記接触帯電装置の前記導電性部材が、
    磁性芯金とその表面に吸着した導電性磁性粒子とから成
    るローラー体であることを特徴とする請求項1乃至7何
    れかに記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記接触帯電装置の前記導電性部材が、
    帯電電圧が印加される金属芯金と、該金属芯金によって
    基端部が保持されるとともに、先端部を前記感光体表面
    に接触させた多数の導電性ブラシ繊維から成るローラー
    体であることを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載
    の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記接触帯電装置の前記導電性部材
    が、帯電電圧が印加される金属芯金と電気抵抗値104
    Ω・cm以上107Ω・cm以下の導電性弾性ローラー
    層とから成るローラー体であることを特徴とする請求項
    1乃至7何れかに記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記接触帯電装置の前記導電性部材
    が、帯電電圧が印加される金属芯金と前記感光体とニッ
    プ部を形成する可撓性の帯電部材からなり、少なくとも
    該帯電部材と該感光体とのニップ部に、導電性を有する
    導電性微粉体が介在することを特徴とする請求項1乃至
    7何れかに記載の画像形成装置。
JP2000325339A 2000-10-25 2000-10-25 画像形成装置 Pending JP2002131958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000325339A JP2002131958A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000325339A JP2002131958A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002131958A true JP2002131958A (ja) 2002-05-09

Family

ID=18802721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000325339A Pending JP2002131958A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002131958A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013011916A (ja) * 2008-07-25 2013-01-17 Canon Inc 電子写真感光体および電子写真装置
JP2020140127A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 キヤノン株式会社 電子写真装置の制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013011916A (ja) * 2008-07-25 2013-01-17 Canon Inc 電子写真感光体および電子写真装置
JP2020140127A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 キヤノン株式会社 電子写真装置の制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3530667B2 (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP4726209B2 (ja) 負帯電用電子写真感光体の製造方法、及び負帯電用電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置
EP0762229B1 (en) Image-forming apparatus and image-forming method
JP2002229303A (ja) 電子写真装置
JP2004133397A (ja) 電子写真感光体
JP3618919B2 (ja) 電子写真用光受容部材とその形成方法
JP2002131958A (ja) 画像形成装置
JPH06317920A (ja) 電子写真用光受容部材の形成方法
JP2002311613A (ja) 電子写真用感光体、電子写真装置、電子写真用感光体の表面評価方法
JP3710304B2 (ja) 電子写真装置
JP3782680B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP3437299B2 (ja) 画像形成方法
JP3571917B2 (ja) 電子写真装置
JP3154259B2 (ja) 光受容部材
JP4448043B2 (ja) 電子写真感光体
JP2006058532A (ja) 電子写真感光体製造方法、および電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置
JP4143491B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH06186763A (ja) 光受容部材、感光体の再生利用方法および表面処理方法
JPH09311494A (ja) 画像形成装置および画像形成装置用感光体
JP2006163219A (ja) 電子写真感光体
JPH11143176A (ja) 帯電部材および画像形成装置
JP2002287391A (ja) 電子写真装置
JP2004133396A (ja) 電子写真感光体製造方法、及び電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置
JP2005309211A (ja) 電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置
JP2001330981A (ja) 電子写真感光体