JP2002131535A - 光学用偏光フィルター - Google Patents

光学用偏光フィルター

Info

Publication number
JP2002131535A
JP2002131535A JP2000320116A JP2000320116A JP2002131535A JP 2002131535 A JP2002131535 A JP 2002131535A JP 2000320116 A JP2000320116 A JP 2000320116A JP 2000320116 A JP2000320116 A JP 2000320116A JP 2002131535 A JP2002131535 A JP 2002131535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polarizing filter
thickness
optical
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000320116A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Okamoto
茂男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokina Co Ltd
Original Assignee
Tokina Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokina Co Ltd filed Critical Tokina Co Ltd
Priority to JP2000320116A priority Critical patent/JP2002131535A/ja
Publication of JP2002131535A publication Critical patent/JP2002131535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラ、双眼鏡等の対物レンズ側に装着され
る光学用偏光フィルターに関し、特にそれに好適な偏光
フィルターを装着させた超薄厚の光学用偏光フィルター
とするための製造方法を特徴とした光学用偏光フィルタ
ーに関する。 【解決手段】 本発明は、偏光フィルターが合成樹脂を
延伸させた偏光膜を板ガラスで挟み膜の両側に紫外線硬
化型接着剤を塗布し紫外線を照射し板ガラスの一方面か
ら硬化させた光学用フィルターにおいて、前記偏光膜を
厚さ0.7ないし1.3mmの2枚の板ガラスで挟み、
かつ、膜の両側に紫外線硬化型接着剤を塗布し、前記板
ガラスの一方面から紫外線を照射して硬化させた後、前
記板ガラスの両外表面から厚さ0.8ないし1.4mm
の範囲内に研磨した光学用偏光フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、カメラ、双眼鏡等
の対物レンズ側に装着される光学用偏光フィルターに関
し、特にそれに好適な偏光フィルターを装着させた超薄
厚の光学用偏光フィルターとするための製造方法を特徴
とした光学用偏光フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】光学用偏光フィルター、光学用UVカッ
トフィルター等は一眼レフレックスカメラ、デジタルカ
メラ、双眼鏡等(以下、カメラ等という)の対物側レン
ズの前面に装着され使用されている。これらは鏡筒の直
径にあわせてフィルター外径サイズで選択され、例え
ば、フィルターサイズで49、55、62、72、77
mm(呼び径、口径)等と呼称されている。
【0003】このなかで、光学用偏光フィルターは一般
に偏光フィルターを挟んだガラス板からなり、さらにこ
のガラスの周縁部を金枠で締め付け形成されている。こ
の金枠をカメラ鏡筒の対物レンズ側に回転自在に取り付
ける。これを回転させ入射光に対し偏光された光を利用
している。具体的には、偏光フィルター部分は偏光素材
を2枚のソーダライムガラス間に挟んで接着し、厚さ3
mm程度に仕上げられている。
【0004】また、この金枠は取付金具と回転金枠の組
合せからなり偏光フィルターを取り付け、スプリングワ
ッシャ等によりこれらを結合して組み立てられている。
取付金具に対し回転金枠は鏡筒の軸方向に対し自在に回
転できる構造となっている。組み立て後の光学用偏光フ
ィルターは軸方向で厚さが10mm程度となる。
【0005】この結果、使用時、偏光フィルター装着
時、とりわけ、ワイドもしくは広角撮影で品質低下を来
していた。すなわち、写真撮影時の周辺部のぼやけ、双
眼鏡による視野が狭まるといった、いわゆる「けられ」
という現象が発生していた。これは、光学用偏光フィル
ターの金枠の軸方向の厚さが起因している。すなわち、
カメラ等から金枠までの距離が長いほど顕著である。対
物レンズから見た見掛け上の視野角度は金枠の口径が同
じでも金枠の厚さが厚いほど狭まってしまう。
【0006】したがって、この解決には光学用偏光フィ
ルター全体の厚さを極力薄くする必要がある。特に、回
転金枠のなかでは、偏光フィルターの厚さを極力薄くす
る必要がある。すなわち、カメラ等の対物レンズから偏
光フィルターまでの光軸上の距離は偏光フィルター厚さ
に影響されず、この厚さを薄くしても距離の変化はな
い。
【0007】しかしながら、回転枠の厚さは偏光フィル
ターの厚さに依存してしまう。対物レンズから回転枠の
厚さが厚いほど光軸上の距離が長くなり、結果として視
野角が狭まってしまう。前記した「けられ」が大きくな
る。このため、偏光フィルター厚さを薄くし、かつ、回
転枠も薄くすることで解決するしかない。
【0008】さらに、回転金枠のなかでは、カメラ鏡筒
及び他のフィルターの追加装着のため装着用ネジ部分の
寸法を減らすことはできないといった制約からも同様な
結論となる。偏光フィルター以外の取付金具についても
同様にカメラ鏡筒への装着のため装着用ネジ部分の寸法
を減らすことはできないといった制約もある。このた
め、自ずと偏光フィルター自体の厚さをより限界ぎりぎ
りまで薄くした超薄厚偏光フィルターが望まれていた。
【0009】これに対し、偏光フィルターは2枚のガラ
スと偏光フィルター素材との接構造をとるため、仕上が
り厚さをより薄くするためには技術的困難さがあった。
このため、例えば、(1)現在使用しているガラス厚さ
を薄くしたものを貼り合わせる方法、(2)ガラス両面
からの研磨量を大きく取り結果として薄く仕上げる方法
等が検討された。
【0010】しかしながら、(1)では、接着面の厚さ
にバラツキがあり、研磨による厚さの平行度、仕上がり
面の平滑度といった点で十分な品質が確保できないとい
った欠点があった。(2)では、研磨量を大きく取るた
め、研磨時の発熱による偏光膜の性能が劣化すること、
作業時間の増大、これに伴う工程での接着面への浸水時
間が長くなり、2枚のガラス間のずれが生じたり、接着
面の剥離等生じてしまう等の欠点があった。これらか
ら、研磨による厚さの平行度、仕上がり面の平滑度、接
着面の剥離等の不良、良品歩留まり率の低下、作業時間
がかかりすぎ、コストアップといった課題があり、いず
れも十分な解決が図られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決し、カメラ、双眼鏡等に簡単に装着、取り外しが容
易な対物レンズ側に装着される超薄厚の光学用偏光フィ
ルターに関する。特にそれに好適な製造手段を適用する
ことにより、歩留まりのアップによる品質向上、効率的
な作業条件によるコストパーフォーマンスの高い偏光フ
ィルターを装着させ、いわゆるけられの少ない、ワイ
ド、広角使用に好適な光学用偏光フィルターを提供しよ
うとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、偏光フィルタ
ーが合成樹脂を延伸させた偏光膜を板ガラスで挟み膜の
両側に紫外線硬化型接着剤を塗布し紫外線を照射し板ガ
ラスの一方面から硬化させた光学用フィルターにおい
て、前記偏光膜を厚さ0.7ないし1.3mmの2枚の
板ガラスで挟み、かつ、膜の両側に紫外線硬化型接着剤
を塗布し、前記板ガラスの一方面から紫外線を照射して
硬化させた後、前記板ガラスの両外表面から厚さ0.8
ないし1.4mmの範囲内に研磨した光学用偏光フィル
ターにより提供される。また、厚さ1.0ないし1.3
mmの2枚の板ガラスで挟むことにより効果的に提供さ
れる。
【0013】また、前記研磨を複数の研磨剤で行う複数
の研磨工程とさらにポリシング工程で研磨した前記の光
学用偏光フィルターにより提供される。さらに、前記研
磨工程で被加工物の温度を10ないし40℃の範囲内で
研磨する前記の場合、より効果的には、前記研磨工程で
被加工物の温度を15ないし30℃の範囲内で研磨する
前記の光学用偏光フィルターにより提供される。
【0014】またさらに、前記偏光膜がポリビニルアル
コールを延伸させた後、沃素により染色し乾燥させた偏
光膜からなる偏光フィルターを装着させた前記のいずれ
か記載の光学用偏光フィルターにより効果的に提供され
る。
【0015】より具体的には、前記複数の研磨工程が2
0ないし50μm/分及び5ないし10μm/分の研削
速度でかつ被加工面に対する加工圧を44ないし66g
/平方cmとして研磨し、ポリシング工程が0.1ない
し0.3μm/分の研削速度とした前記のいずれか記載
の光学用偏光フィルターにより効果的に提供される。
【0016】また、被加工面に対する加工圧を44ない
し66g/平方cmに維持し、前記複数の研磨工程が3
0μm/分及び10μm/分の2段階で回転式による平
面研磨し、ポリシング工程が0.2ないし0.3μm/
分の研削速度とし、かつ、前記研磨工程を被加工物の温
度を15ないし30℃の範囲内で研磨した前記の光学用
偏光フィルターにより効果的に提供される。さらに、前
記複数の研磨工程が30μm/分及び10μm/分の2
段階で研磨し、ポリシング工程が0.2ないし0.3μ
m/分の研削速度とし、かつ、前記研磨工程を被加工物
の温度を15ないし30℃の範囲内で研磨した前記の光
学用偏光フィルターにより効果的に提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】実施例について図面を参照して説
明すると、図1は本発明の光学用偏光フィルターの一実
施例を示す一部切欠断面図、図2ないし図5は光学用偏
光フィルターの部品図で、図2は回転枠の一部切欠断面
図、図3は取付枠の一部切欠断面図、図4は押さえ環の
一部切欠断面図、図5は偏光フィルターの一部切欠断面
図である。
【0018】まず、図2ないし図5の光学用偏光フィル
ターの各部を個々に説明する。いずれも図の中心線を中
心に円盤または円筒に形成されている。図2は回転枠2
の一部切欠断面図で、全周ローレット部分17及び次段
フィルター装着用雌ねじ3からなり、材質はアルマイ
ト、アルミナ処理されたアルミ素材等を表面は黒色、梨
地艶消しに仕上げる。カシメ4は固定枠6との結合用で
ある。
【0019】図3は取付枠6で外周250度にローレッ
トを刻設してある。材質は回転枠2と同様でアルマイ
ト、アルミナ処理されたアルミ素材を表面は黒色、梨地
艶消しに仕上げ、また、カメラ等に装着可能な雄ねじ8
が形成されている。
【0020】図4は偏光フィルター11を固定するため
の押さえ環9で、材質はアルマイトを表面は黒色に仕上
げられる。押さえ環9の内周面には凹部10があり、こ
の凹部10に偏光フィルター11を厚さ方向にはめ込ま
れせる構造となっている。押さえ環9はスリワリ20を
回転させることにより回転枠2の雌ねじ部3で偏光フィ
ルター11を厚さ方向に締め付ける。図5は偏光フィル
ター11で、ガラス12、13の間に偏光膜14が挟み
込まれ、接着層15、16によりガラス12、13の内
面に貼着されている。
【0021】図1は光学用偏光フィルターの組み立てた
状態で、全体としては円筒型のフィルター本体の説明図
で、図面中央部分は省略した状態が示されている。光学
用偏光フィルター1は円盤型偏光フィルター本体11、
回転枠2、取付枠6及び押さえ環9から基本的に構成さ
れている。また、光学用偏光フィルターの仕上がり外径
は約79mm、厚さは7.4mmに形成されている。従
来は厚さで10ないし11mm程度でありこれに比べて
極めて薄くすることができた。光学用偏光フィルターの
口径はカメラ、双眼鏡用自体の鏡筒サイズにより選定さ
れ、例えば、光学用偏光フィルター口径で53ないし7
8mm、厚みは約7ないし7.5mmのものが適当であ
る。
【0022】組立順序は回転枠2に取付枠6を端部5の
付近回転枠2に重ね合わせ、カシメ4により一体化さ
せ、回転枠2と取付枠6は互いに回転自在とした。な
お、回転枠2と取付枠6は図示しないグリース入りリア
スプリングワッシャにより結合され、それぞれが回転自
在とする方法も可能である。次に、偏光フィルター11
を回転枠2のフィルター受け端部21に載置する。押さ
え環9はスリワリ20により回転させ、回転枠2に締め
付けるとともに、偏光フィルター11も回転枠内に固定
させる。
【0023】
【実施例】実施例1 偏光フィルターの製造方法について述べる。偏光フィル
ターはソーダライムガラス(ソーダガラス)の間にポリ
ビニルアルコール(PVA)膜からなる偏光膜を挟み膜
の両側に紫外線硬化型接着剤を塗布しソーダガラス側か
ら紫外線を照射し硬化させた。試料1として、ソーダガ
ラス厚さ1.0mm、外径75mmの2枚の貼り合わ
せ、以下の条件で厚さ1.0mmに研磨し偏光フィルタ
ーを作成した。
【0024】PVAは初めの状態では勝手な方向を向い
ているが、一方向に延伸させるとその方向に異方性を示
すようになる。X線での確認では複屈折を呈することが
確認された。これに、染料を作用させると偏光フィルタ
ーとなる。染料としては、メチレンブルー、クリスタル
バイオレット、ロゾール酸、ピクリン酸などそれ自体二
色性をもつ染料が適当である。実施例としては延伸した
後、沃素により染色し乾燥させ偏光膜とした。偏光膜の
厚みは10ないし30μmが適当であり、10μmのも
のを使用した。
【0025】研磨方法 前記板ガラスの両外表面から厚さ1.0mmに研磨し偏
光フィルターを作成した。研磨条件は以下によった。第
1研磨工程ウレタンマット(MHC、14B)を使用し
第1研磨を行った。発泡ポリウレタンに酸化セリウム研
磨剤微粉を含浸させたパッドで高速研磨に適している。
スピードファムアイペック株式会社、MHC、14B、
2〜3t仕様のものを使用した。
【0026】粒度34μm(#400)、不二越機械株
式会社製丸テーブル型平面研削盤、研削レート30μm
/分で試料1では24分の荒砥研削、試料に加える研磨
圧ないし加工圧力(加工圧)は66g/平方cmでガラ
ス両面から研磨した。この段階でのガラス厚さは1.3
mmとなった。研削レートは第2研磨の研磨量を考慮し
20ないし50μm/分の範囲が望ましい。また、研削
レート80μm/分程度まで上げると精度面で、研削レ
ート10μm/分程度まで遅くすると作業性で望ましい
結果が得られなかった。
【0027】研磨圧はおもり、空気圧等により調整可能
で、44ないし66g/平方cmの範囲内が望ましい。
また、100g/平方cm程度まで上げると面精度不良
が発生し、一方、30g/平方cm程度まで下げると作
業性、精度面で望ましい結果が得られなかった。また、
粒度の揃った研磨剤の使用が重要で、特に、微細砥粒で
は顕著である。研削用砥粒としては、加工物より硬いこ
とが必要である。
【0028】さらに、研削作業時の温度上昇が重要で、
冷却剤、例えば水温等によるが被加工物の温度上昇が3
0℃以下が望ましい。実用上10℃ないし40℃程度の
範囲内であれば差し支えない。より望ましくは15℃な
いし30℃程度の範囲内で行うためには冷却剤を循環ポ
ンプで供給して製造可能である。温度を45℃程度より
高いと偏光膜の性能劣化といった点で望ましくない。
【0029】第2研磨工程 第2研磨工程は不二越機械株式会社製研削機で粒度13
μm(#1000)、研削レートは10μm/分で実施
した。試料1では30分の中砥、試料に加える加工圧力
は前記と同様66g/平方cmで行い、他の条件は第1
研磨工程と同様とした。また、研削レートは第1研磨の
研磨量を考慮して決定されるが、5ないし10μm/分
の範囲が望ましい。
【0030】ポリシング工程 不二越機械株式会社製研削機で、研削レート0.2〜
0.3μm/分で実施した。試料1では160分の仕上
げを行い、試料に加える加工圧力は44g/平方cmで
実施した。また、ポリシング工程の研削レートは第2研
磨の研磨量を考慮し0.05ないし1.0μm/分が可
能で、より好ましくは0.1ないし0.3μm/分の範
囲が望ましい。
【0031】実験の結果、得られた偏光フィルターは十
分な性能が得られた。研磨面の面精度検査には簡便で精
度も高く広く利用されている干渉縞といわれるニュート
ン・リングにより判定した。また、良品歩留まり、作業
性から十分コスト面でも満足した結果が得られたと推測
された。
【0032】実施例2 実施例1と同様に偏光フィルターはソーダライムガラス
(ソーダガラス)の間にポリビニルアルコール(PV
A)膜からなる偏光膜を挟み膜の両側に紫外線硬化型接
着剤を塗布しソーダガラス側から紫外線を照射し硬化さ
せた。ソーダガラス厚さは各試料により選択し2枚重ね
て研磨し最終厚さを下記4種類の試料について実施し
た。いずれも最終仕上げ厚さ1.0mm、外径75mm
の2枚の貼り合わせとした。 試料A.ソーダガラス厚さ各0.6mmを2枚重ね 試料B.ソーダガラス厚さ各0.7mmを2枚重ね 試料C.ソーダガラス厚さ各1.3mmを2枚重ね 試料D.ソーダガラス厚さ各1.5mmを2枚重ね について、研磨し偏光フィルターを作成した実施例1と
同様の偏光膜の厚みは10μのものを使用した。
【0033】研磨 前記板ガラスの両外表面から最終厚さ1.0mmに研磨
し、その研磨条件は実施例1によった。 第1研磨工程 粒度34μm(#400)不二越機械株式会社製丸テー
ブル型平面研削盤、研削レート30μm/分で各試料に
より第2研磨を考慮した残量まで荒砥研削、試料に加え
る加工圧力は66g/平方cmでガラス両面から砥石側
面で研磨した。また、他の条件は実施例1の第1研磨工
程と同じとし、研削作業時の被加工物の温度は実施例1
の範囲内と同様冷却剤を循環ポンプで供給して実施し
た。
【0034】第2研磨工程 粒度13μm(#1000)、不二越機械株式製研削
機、研削レート10μm/分で各試料によりポリシング
工程の研削量を考慮した最終の厚さの20%程度の中
砥、試料に加える加工圧力は66g/平方cmで実施し
た。他の条件は第1研磨工程と同様とした。 ポリシング工程 不二越機械株式会社製研削機、研削レート0.2〜0.
3μm/分で、第2研磨工程によるが160分の仕上げ
を行った。試料に加える加工圧力は44g/平方cmで
実施した。また、ポリシング工程の研削時間は140な
いし160分程度が良好で、より好ましくは150ない
し160分の範囲内が望ましい。
【0035】実験の結果、得られた偏光フィルターは十
分な性能が得られたもの、不満足なものが認められた。
偏光フィルターの仕上がり厚さは1.0mmで評価し結
果は以下のとおりとなった。 試料A.ソーダガラス厚さ0.6mmでは、研磨不足が
あり、仕上がりの厚さの平行度でやや不良が生じてい
る。
【0036】試料B.ソーダガラス厚さ0.7mm及び
試料C.ソーダガラス厚さ1.3mmでは、得られた偏
光フィルターは十分な性能が得られた。また、良品歩留
まりを、作業性双方から見ると実施例1に比較して同様
の結果が得られた。十分コスト面でも満足した結果が得
られたと推測された。また、作業性等から見た場合はソ
ーダガラスの厚さが1.0mmないし1.3mm程度が
より望ましい範囲内であった。 試料D.ソーダガラス厚さ1.5mmでは、特に、作業
性からやや難があり、このため、研磨工程で接着面への
浸水時間が長いため接着強度にやや難が認められる結果
となった。
【0037】実施例3 実施例1と同様に偏光フィルターはソーダライムガラス
(ソーダガラス)の間にポリビニルアルコール(PV
A)膜からなる偏光膜を挟み膜の両側に紫外線硬化型接
着剤を塗布しソーダガラス側から紫外線を照射し硬化さ
せた。ソーダガラスは下記2種類の試料について研削条
件を変化させ実施した。実施例1と同様の偏光膜の厚み
は10μmのものを使用した。ソーダガラス厚さは各試
料とも1.0mmを2枚重ねて研磨し最終厚さを1.1
5mmの下記の試料E、Fについて実施した。いずれも
外径75mmの2枚の貼り合わせとした。
【0038】研磨 粒度、研削レート、研削時間及び加工圧力は試料E、F
につき研磨条件は以下によった。他の条件は実施例1と
同様とした。 第1研磨工程 試料E.粒度#400、研削レート100μm/分、研
削時間13分、試料に加える加工圧力は198g/平方
cmとした。 試料F.粒度#400、研削レート80μm/分、研削
時間16分、試料に加える加工圧力は158g/平方c
mとした。
【0039】第2研磨工程 試料E.粒度#1000、研削レート30μm/分、研
削時間10分、試料に加える加工圧力は132g/平方
cmとした。 試料F.粒度#1000、研削レート20μm/分、研
削時間15分、試料に加える加工圧力は132g/平方
cmとした。
【0040】ポリシング工程 各試料とも実施例1により仕上げを行った。実験の結
果、得られた偏光フィルターは十分な性能が得られたも
の、不満足なものが認められた。偏光フィルターの仕上
がり厚さは1.0mmで評価した結果は以下のとおりと
なった。試料Eは面精度不良で不可となった。試料Fは
良品歩留率が50%程度であった。実施例1ないし実施
例3について比較した結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1は本発明の光学用偏光フィルターの比
較実験例を示したものである。なお、比較例は現在市販
されている、株式会社ケンコー製偏光フィルターを使用
した。偏光フィルターのガラス厚さは11mmである。
表1中、各項目は次によった。生産性の歩留まり、作業
性の項は、実施例間の研磨時の比較例に対するもので相
対比で行った。けられの項は比較例に対するものである
が、試料E、Fについては良品となった試料との関係で
記載した。
【0043】この表1から読みとれるように、偏光フィ
ルターとして同一厚さに仕上げても最終的には不良製品
製造となってしまうことが理解されよう。原因は製造条
件に大きく左右されるということである。試料E及び試
料Fでは、研磨時の試料に加える加工圧力が132g/
平方cmと高過ぎたため不良製品の発生となっている。
同様な理由から研磨時間の短縮につながる手段の選択も
不良製品発生原因となっている。この点は試料Dに見ら
れる研磨時間の長過ぎは偏光膜の接着面への浸水原因と
なる場合と対比され、これらから研磨時間と試料への加
工圧力等への配慮が重要となっている。
【0044】また、使用ガラスの厚さの選定もその後の
研磨時間その他のファクター決定の要素となる。したが
って、厚さの選定も重要な要素となる。さらに、複数研
磨の選択も研磨時間その他のファクターとともに重要な
要素となる。結果は、本発明の光学用偏光フィルター
は、比較例及び本発明の範囲外の試料に比べて、けら
れ、平行度面での機能面で優れ、良品率、作業性に優れ
た良好な結果となった。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、けら
れが極めて低減でき、しかも軽量等の機能面で優れ、平
行度面が従来品に劣らない、生産上の歩留まり、作業性
の低下を解決した光学用偏光フィルターを提供できる。
また、これに伴う工程における改良で接着面への浸水時
間が短くでき、2枚のガラス間のずれ、接着面の剥離等
生じてしまう等の欠点が解消できた。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学用偏光フィルターの一実施例を示
す一部切欠断面図。
【図2】回転枠の一部切欠断面図。
【図3】取付枠の一部切欠断面図。
【図4】押さえ環の一部切欠断面図。
【図5】偏光フィルターの一部切欠断面図。
【符号の説明】
1 光学用偏光フィルター 2 回転枠 3 雌ねじ 4 カシメ 6 取付枠 7 外周ローレット 8 雄ねじ環 9 押さえ環 10 押さえ部 11 偏光フィルター部品 12 ガラス 13 ガラス 14 偏光膜 15 紫外線硬化型接着層 16 紫外線硬化型接着層 17 全周ローレット

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光フィルターが合成樹脂を延伸させた偏
    光膜を板ガラスで挟み膜の両側に紫外線硬化型接着剤を
    塗布し紫外線を照射し板ガラスの一方面から硬化させた
    光学用フィルターにおいて、前記偏光膜を厚さ0.7な
    いし1.3mmの2枚の板ガラスで挟み、かつ、膜の両
    側に紫外線硬化型接着剤を塗布し、前記板ガラスの一方
    面から紫外線を照射して硬化させた後、前記板ガラスの
    両外表面から厚さ0.8ないし1.4mmの範囲内に研
    磨した光学用偏光フィルター。
  2. 【請求項2】偏光フィルターが合成樹脂を延伸させた偏
    光膜を板ガラスで挟み膜の両側に紫外線硬化型接着剤を
    塗布し紫外線を照射し板ガラスの一方面から硬化させた
    光学用フィルターにおいて、前記偏光膜を厚さ1.0な
    いし1.3mmの2枚の板ガラスで挟み、かつ、膜の両
    側に紫外線硬化型接着剤を塗布し、前記板ガラスの一方
    面から紫外線を照射して硬化させた後、前記板ガラスの
    両外表面から厚さ0.8ないし1.4mmの範囲内に研
    磨した光学用偏光フィルター。
  3. 【請求項3】前記研磨を複数の研磨剤で行う複数の研磨
    工程とさらにポリシング工程で研磨した請求項1又は2
    記載の光学用偏光フィルター。
  4. 【請求項4】前記研磨工程で被加工物の温度を10ない
    し40℃の範囲内で研磨する請求項1又は2記載の光学
    用偏光フィルター。
  5. 【請求項5】前記研磨工程で被加工物の温度を15ない
    し30℃の範囲内で研磨する請求項1又は2記載の光学
    用偏光フィルター。
  6. 【請求項6】前記偏光膜がポリビニルアルコールを延伸
    させた後、沃素により染色し乾燥させた偏光膜からなる
    偏光フィルターを装着させた請求項1ないし5のいずれ
    か記載の光学用偏光フィルター。
  7. 【請求項7】前記複数の研磨工程が20ないし50μm
    /分及び5ないし10μm/分の研削速度でかつ被加工
    面に対する加工圧を44ないし66g/平方cmとして
    研磨し、ポリシング工程が0.1ないし0.3μm/分
    の研削速度とした請求項1ないし6のいずれか記載の光
    学用偏光フィルター。
  8. 【請求項8】被加工面に対する加工圧を44ないし66
    g/平方cmに維持し、前記複数の研磨工程が30μm
    /分及び10μm/分の2段階で回転式による平面研磨
    し、ポリシング工程が0.2ないし0.3μm/分の研
    削速度とし、かつ、前記研磨工程を被加工物の温度を1
    5ないし30℃の範囲内で研磨した請求項1ないし6の
    いずれか記載の光学用偏光フィルター。
  9. 【請求項9】前記複数の研磨工程が30μm/分及び1
    0μm/分の2段階で研磨し、ポリシング工程が0.2
    ないし0.3μm/分の研削速度とし、かつ、前記研磨
    工程を被加工物の温度を15ないし30℃の範囲内で研
    磨した請求項1ないし6のいずれか記載の光学用偏光フ
    ィルター。
JP2000320116A 2000-10-20 2000-10-20 光学用偏光フィルター Pending JP2002131535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320116A JP2002131535A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 光学用偏光フィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320116A JP2002131535A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 光学用偏光フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002131535A true JP2002131535A (ja) 2002-05-09

Family

ID=18798454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000320116A Pending JP2002131535A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 光学用偏光フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002131535A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012014133A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Marumi Koki Kk 多機能付偏光フィルター及び多機能付偏光フィルターの製造方法
JP2013117646A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Marumi Koki Kk デジタルカメラ用の特殊機能付き円偏光フィルター
US20200057189A1 (en) * 2016-12-07 2020-02-20 Central Glass Company, Limited Light Guide Plate, Surface Light Emitting Apparatus, and Method for Manufacturing Light Guide Plate

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792485A (ja) * 1993-09-22 1995-04-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空間光変調器
JPH1039138A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Pora Techno:Kk 液晶プロジェクタ用ガラス偏光板または位相差板および液晶プロジェクタ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792485A (ja) * 1993-09-22 1995-04-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空間光変調器
JPH1039138A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Pora Techno:Kk 液晶プロジェクタ用ガラス偏光板または位相差板および液晶プロジェクタ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012014133A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Marumi Koki Kk 多機能付偏光フィルター及び多機能付偏光フィルターの製造方法
US8670177B2 (en) 2010-06-30 2014-03-11 Marumi Optical Co., Ltd. Multifunctional polarizing filter and method for manufacturing the same
JP2013117646A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Marumi Koki Kk デジタルカメラ用の特殊機能付き円偏光フィルター
US20200057189A1 (en) * 2016-12-07 2020-02-20 Central Glass Company, Limited Light Guide Plate, Surface Light Emitting Apparatus, and Method for Manufacturing Light Guide Plate
US10775548B2 (en) * 2016-12-07 2020-09-15 Central Glass Company, Limited Light guide plate, surface light emitting apparatus, and method for manufacturing light guide plate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5070209B2 (ja) ポリカーボネート偏光レンズを製造する高歩留まり結合処理
KR101918624B1 (ko) 단부면 가공 편광판의 제조 방법
US6030280A (en) Apparatus for holding workpieces during lapping, honing, and polishing
KR20100075648A (ko) 편광 렌즈 및 편광 렌즈를 제조하는 방법
US11839950B2 (en) Spacer and laminate
KR20150028200A (ko) 단부면 가공 편광판의 제조 방법
JPH11349354A (ja) 情報記録媒体用基板及びその製造方法
JP2002131535A (ja) 光学用偏光フィルター
JPH0519140A (ja) 多心光コネクタの研磨方法
JPH035702A (ja) 貼り合わせレンズ等及びその製造方法
JP3782346B2 (ja) 端面研磨方法
JP3924252B2 (ja) 研磨フィルム及びその製造方法
JP2008009237A (ja) 複合偏光板、液晶表示装置、及び複合偏光板の製造方法
JPS62173159A (ja) ロツドの端面の加工方法およびその装置
JP2001305341A (ja) 偏光板及び偏光レンズ
JP2005205552A (ja) 研磨方法および該研磨方法に用いる研磨フィルム
KR20070122381A (ko) 복합 편광판, 그것을 이용한 액정 표시 장치, 복합편광판의 제조 방법 및 그것에 이용하는 광학 보상 필름의제조 방법
JP2007025297A (ja) 複合レンズの製造方法
JP2003520989A (ja) 眼鏡レンズの製造方法及びキット
JP2004122302A (ja) レンズの加工方法
JP2003043262A (ja) 積層光学フィルムの製造方法
JP3679709B2 (ja) レンズ加工方法
JPH0229602A (ja) 結像素子
JP3847825B2 (ja) 光伝送体アレイの製法
JP2003004946A (ja) 積層光学フィルムとその製造方法及びこれを用いた液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005