JP3679709B2 - レンズ加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、やけの進行が非常に早いガラスレンズ等を加工するためのレンズ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のガラスレンズ等の加工方法を説明するもので、ガラス材料を所定のレンズ形状にプレス成形されてなるワークは、主に、次のような順序の加工工程に従って加工され、レンズ製品となる。
【0003】
1.カーブジェネレータ工程
図3の(a)に示すように、ワークW0 の側周面T0 をチャック101によって把持し、ワークW0 の表面に、カップ型ダイヤモンド砥石102を用いて、所定形状の球面S0 を創成する。
【0004】
2.精研削工程
図3の(b)に示すように、レンズホルダ111に保持されたワークW0 の球面S0 を、研磨球面112aにダイヤモンドペレット112bを貼り付けた球面研磨工具112で精密研削する。この工程は、2段階に分けて行なうこともある。
【0005】
3.研磨工程
図3の(c)に示すように、レンズホルダ111に保持されたワークW0 の球面S0 を、研磨球面122aにポリウレタンシート等のポリッシング用シート122bを貼り付けした球面研磨工具122で、酸化セリウム等を含む研磨液123の供給を受けながら研磨する。
【0006】
4.センタリング工程
図3の(d)に示すように、1対のカップ型ホルダ131a、131bでワークW0 を挟着して芯出しを行ない、その中心線回りにワークW0 を回転させながら、ワークW0 の側周面T0 をダイヤモンド砥石132で真円に研削する。
【0007】
5.コーティング工程
図3の(e)に示すように、薄膜材料を真空中で加熱、溶解し蒸発させる真空蒸着法により、薄膜C0 をワークW0 の球面S0 上に凝結させる。
【0008】
6.塗り工程
図3の(f)に示すように、アクリル樹脂を溶剤で薄めた液体を、ワークW0 の側周面T0 に塗布して、塗装膜D0 を形成する。
【0009】
上記の工程は、図2の(b)にブロック図で示されている。なお、第3工程と第4工程の間には洗浄、検査工程が存在し、第4工程と第5工程の間には洗浄工程が存在し、第6工程の後工程として、接合、検査の各工程が存在するのが一般的である。
【0010】
また、図2の(c)に示すように、カーブジェネレータ工程と精研削工程の間にセンタリング工程を設ける方法も提案されている(特開平1−274960号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術によれば、以下のような未解決の課題があった。
【0012】
特に光学レンズに使用されるガラスレンズは、所定の光学特性を得るために屈折率、分散、着色度、内部透過率を考慮して設計・選定される。このようなガラスレンズは、100種を超す硝種があり、目的に合った使い方がされている。
【0013】
また、一方の特性であるガラスレンズの化学的性質、熱的性質、機械的性質は、実際の加工工程での加工の難易度および加工後の処理の難易度を表わすパラメータとなっている。なかでも、化学的性質は、レンズの加工工程中や保存中に生じる白やけ、青やけ等の表面劣化(以下、「やけ」という)を、耐水性、耐酸性、耐候性で表示するもので、これらの数値が高いものほどやけが発生しやすい。
【0014】
例えば、OHARA(メーカー名)の硝種BPH等のやけの進行が非常に早いレンズ材料においては、図2の(b)に示す工程順序では、第3工程の研磨工程後のセンタリング工程で、レンズ球面にやけが発生する。従って、センタリングを第2工程とする図2の(c)に示す工程順序を採用しなければならない。
【0015】
しかしこの場合も、第4工程の研磨時に、レンズの側周面に研磨液の酸化セリウム等が付着してやけが発生するという問題がある。
【0016】
また、第2工程のセンタリング工程後の精研削工程および研磨工程において、加工後にレンズホルダからレンズを着脱する際、手でレンズの側周面を挟着して作業を行なうために、第6工程の塗り工程後に、レンズの側周部に白く指紋のやけが発生するという未解決の課題があった。
【0017】
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、やけの進行が非常に早いガラスレンズを加工する場合に、精研削工程や研磨工程でレンズホルダに対するワークの着脱作業における手扱いや、研磨工程に用いる研磨剤との接触によるやけを回避して、極めて高品質なガラスレンズを安価に製造できるレンズ加工方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のレンズ加工方法は、ワークを所定のレンズ形状に加工するカーブジェネレータ工程と、加工されたワークの球面を精研削および研磨によって精密研削する球面加工工程と、精密研削されたワークの球面に薄膜をコーティングする工程を有し、前記球面加工工程の前に、ワークの側周面を研削するセンタリング工程と、研削後のワークの側周面に塗装膜を形成する塗り工程を行なうことを特徴とする。
【0019】
【作用】
精研削および研磨による球面加工工程の前に、ワークの側周面を研削するセンタリング工程と、研削後の側周面の塗り工程を行なうものであるため、精研削工程や研磨工程で作業者の手や研磨剤がワークの側周面に接触しても、ワークの側周面には塗装膜が形成されており、従ってワークの球面や側周部に一切やけを生じることがない。
【0020】
また、精研削工程や研磨工程において、レンズホルダの当接部であるワークの側周面が塗装膜によって保護されているため、ワークの着脱作業効率が向上するという利点もある。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は一実施の形態によるレンズ加工方法の各工程を示し、図2の(a)はその工程順序を示すブロック図である。
【0023】
1.カーブジェネレータ工程
図1の(a)に示すように、やけの進行が非常に早いガラスレンズ材料(BPH系)を用いて所定形状にプレス成形されてなるワークW1 の側周面T1 がチャック1によってチャッキングされ、その光軸を中心として低速回転せしめられた状態で、高速回転するカップ型ダイヤモンド砥石2により、ワークW1 の表面に所定のレンズ形状の球面S1 を創成する。
【0024】
2.センタリング工程
図1の(b)に示すように、1対のカップ型ホルダ11a、11bでワークW1 を挟着して芯出しを行ない、その中心線回りにワークW1 を回転させながら、ワークW1 の側周面T1 をダイヤモンド砥石12で真円に研削する。
【0025】
3.塗り工程
図1の(c)に示すように、研削されたワークW1 の側周面T1 にアクリル樹脂を溶剤(トルエン等)で薄めた液体を筆等により塗布して、塗装膜D1 を形成する。
【0026】
4.精研削工程(球面加工工程)
図1の(d)に示すように、レンズホルダ21に保持されたワークW1 の球面S1 を、研磨球面22aにダイヤモンドペレット22bを貼り付けた球面研磨工具22で精密研削する。
【0027】
5.研磨工程(球面加工工程)
図1の(e)に示すように、レンズホルダ21に保持されたワークW1 の球面S1 を、研磨球面32aにポリウレタンシート等のポリッシング用シート32bを貼り付けした球面研磨工具32で、酸化セリウムなどを含む研磨液33の供給を受けながら精密研削する。
【0028】
6.コーティング工程
図1の(f)に示すように、精密研削されたワークW1 の球面S1 に、薄膜材料を真空中で加熱、溶解し蒸発させる真空蒸着法により薄膜C1 を凝結させる。
【0029】
本実施の形態によれば、特にやけの進行の早いレンズ材料を用いてガラスレンズを製作する場合に、第1工程のカーブジェネレータ工程に続く第2工程をセンタリング工程とし、これに続く第3工程でレンズ側周面に塗装膜を形成したのち、第4、第5工程でレンズ球面の精研削および研磨を行ない、さらに、レンズ球面のコーティングを行なうことで、レンズ球面のやけとレンズ側周面のやけの発生を防止し、高品質なレンズを製造できる。加えて、レンズ製造工程の作業効率を大幅に改善し、レンズの製造コストを下げることができるという利点もある。
【0030】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0031】
やけの進行が早いガラス材料を用いたレンズ加工において、従来の加工工程の順序を変更するだけで、作業者の手扱いや研磨剤の接触によるやけを回避して、極めて高品質なレンズを安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態によるレンズ加工方法の各工程を説明する図である。
【図2】図1のレンズ加工方法と2つの従来例によるレンズ加工方法をブロック図で説明するものである。
【図3】一従来例によるレンズ加工方法の各工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 チャック
2 カップ型ダイヤモンド砥石
11a、11b カップ型ホルダ
12 ダイヤモンド砥石
21 レンズホルダ
22、32 球面研磨工具
33 研磨液
W1 ワーク
S1 球面
T1 側周面
C1 薄膜
D1 塗装膜
Claims (1)
- ワークを所定のレンズ形状に加工するカーブジェネレータ工程と、加工されたワークの球面を精研削および研磨によって精密研削する球面加工工程と、精密研削されたワークの球面に薄膜をコーティングする工程を有し、前記球面加工工程の前に、ワークの側周面を研削するセンタリング工程と、研削後のワークの側周面に塗装膜を形成する塗り工程を行なうことを特徴とするレンズ加工方法。
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