JP2002130357A - ショックアブソーバの弁構造 - Google Patents

ショックアブソーバの弁構造

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JP2002130357A
JP2002130357A JP2000321169A JP2000321169A JP2002130357A JP 2002130357 A JP2002130357 A JP 2002130357A JP 2000321169 A JP2000321169 A JP 2000321169A JP 2000321169 A JP2000321169 A JP 2000321169A JP 2002130357 A JP2002130357 A JP 2002130357A
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axis
valve element
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JP2000321169A
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Hirobumi Inoue
博文 井上
Hideo Tanaka
秀雄 田中
Toshio Onuma
敏男 大沼
Minoru Yamada
稔 山田
Mikihiko Honma
幹彦 本間
Mariko Hattori
万里子 服部
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁要素の組付け工程の時間や加工コストの増
大を招来することなく作動液体の流通に起因する異音の
発生を防止する。 【解決手段】 上室16より下室18へ向かうオイルの
流れのみを許す伸び側減衰力発生弁60は下室の側に於
いて中央部にてピストン本体24に取り付けられた伸び
側弁要素38と、ピストン本体24の上面に設けられた
環状溝44と下室18とを連通接続する複数個の伸び側
連通孔50A〜50Dとを有する。伸び側連通孔は軸線
14に対し周方向に傾斜して延在し、それらの環状溝4
4に於ける開口は軸線の周りに均等に隔置され、ピスト
ン下面側の開口は軸線に垂直な仮想の直線58に対し対
称に配置されている。下室より上室へ向かうオイルの流
れのみを許す縮み側減衰発生弁62の弁要素32は上室
16と環状溝44とを連通接続する複数個の連通孔54
A〜54Eを有し、これらの連通孔は軸線14周りに均
等に隔置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バに係り、更に詳細にはショックアブソーバの弁構造に
係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌に使用されるショックア
ブソーバは、一般に、シリンダと共働して第一及び第二
の室としての上室及び下室を郭定する隔壁部材としての
ピストンと、ピストンと共働して上室より下室へ向かう
作動液体の流れのみを許す第一の減衰力発生弁としての
伸び側減衰力発生弁と、ピストンと共働して下室より上
室へ向かう作動液体の流れのみを許す第二の減衰力発生
弁としての縮み側減衰発生弁とを有している。
【0003】伸び側減衰力発生弁は下室の側に於いて中
央部にてピストンに取り付けられた第一の弁要素として
の円板状の伸び側弁要素と、ピストンに設けられ上室と
下室とを連通接続する第一の連通孔としての複数個の伸
び側連通孔とを有し、縮み側減衰力発生弁は上室の側に
於いて中央部にてピストンに取り付けられた第二の弁要
素としての円板状の縮み側弁要素と、ピストンに設けら
れ上室と下室とを連通接続する第二の連通孔としての複
数個の縮み側連通孔とを有し、ピストンは複数個の伸び
側連通孔と連通する周方向の溝を有し、縮み側弁要素は
上室と溝とを連通接続する複数個の第三の連通孔を有し
ている。
【0004】ショックアブソーバの伸び行程に於いて
は、作動液体が上室より第三の連通孔を経て周方向の溝
へ流入し、溝より複数個の伸び側連通孔を経て下室へ流
れ、その際に伸び側弁要素が開弁され、作動液体がピス
トンと伸び側弁要素との間の狭い空間を流れることによ
り伸び側の減衰力が発生される。またショックアブソー
バの縮み行程に於いては、作動液体が下室より複数個の
縮み側連通孔を経て上室へ流れ、その際に縮み側弁要素
が開弁され、作動液体がピストンと縮み側弁要素との間
の狭い空間を流れることにより縮み側の減衰力が発生さ
れる。
【0005】かかるショックアブソーバの一つとして、
例えば本願出願人の出願にかかる特開平1−80844
号公報に記載されている如く、複数個の伸び側連通孔が
ピストンの軸線の周りに均等に隔置して配設されるので
はなく、ピストンの軸線を含む仮想の平面に対し対称に
該仮想の平面より隔置して配設されたショックアブソー
バが従来より知られている。
【0006】かかるショックアブソーバによれば、ショ
ックアブソーバの伸び行程に於いて複数個の伸び側連通
孔を経て下室へ向かう作動液体により伸び側弁要素が開
弁位置へ弾性変形される際に、伸び側弁要素は仮想の平
面に対応する領域を支点領域としてその両側の領域が片
持梁式に弾性変形し、従って複数個の伸び側連通孔がピ
ストンの軸線の周りに均等に隔置され、伸び側弁要素が
全周に亘り弾性変形する場合に比して減衰力特性のヒス
テリシスが小さく、これにより減衰力を安定的に発生さ
せることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のショックアブソーバに於いては、複数個の伸び側連通
孔はピストンの軸線を含む仮想の平面に対し対称に該仮
想の平面より隔置して配設されているのに対し、縮み側
弁要素に設けられ上室と溝とを連通接続する複数個の第
三の連通孔はピストンの軸線の周りに均等に隔置されて
いるので、第三の連通孔と伸び側連通孔の溝側開口との
間の距離の最大値が大きく、そのためショックアブソー
バの伸び行程に於いて上室より第三の連通孔を経て周方
向の溝内へ流入した作動液体が伸び側連通孔の溝側開口
まで溝内を周方向に比較的長い距離に亘り高速度にて流
れることに起因する異音(スウィッシュ音)が発生し易
いという問題がある。
【0008】またかかる問題を解消すべく、複数個の第
三の連通孔がピストンの軸線に沿って見てピストンに設
けられた複数個の伸び側連通孔に整合するよう、伸び側
連通孔と同数の第三の連通孔を縮み側弁要素に配設する
ことが考えられるが、その場合には縮み側弁要素をピス
トンに組付ける際に複数個の第三の連通孔が対応する複
数個の伸び側連通孔に整合するようピストンに対し縮み
側弁要素が軸線の周りに位置決めされなければならず、
従って縮み側弁要素の組付け工程に時間を要し、ショッ
クアブソーバの生産性が悪化する。
【0009】また複数個の第三の連通孔が対応する複数
個の伸び側連通孔に容易に且つ確実に整合させることが
できるよう、ピストン及び縮み側弁要素に例えば突起及
び溝の組合せの如き位置決め手段を設けることが考えら
れるが、その場合にはピストン及び縮み側弁要素に位置
決め手段を設けるための加工工程が必要であるため、ピ
ストン及び縮み側弁要素の加工コストが増大し、そのた
めショックアブソーバが高価になるという問題がある。
【0010】本発明は、複数個の伸び側連通孔はピスト
ンの軸線を含む仮想の平面に対し対称に該仮想の平面よ
り隔置して配設されているのに対し、縮み側弁要素に設
けられ上室と周方向の溝とを連通接続する複数個の第三
の連通孔はピストンの軸線の周りに均等に隔置された従
来のショックアブソーバに於ける上述の如き問題に鑑み
てなされたものであり、本発明の主要な課題は、複数個
の伸び側連通孔を適宜に設けることにより、弁要素の組
付け工程の時間や加工コストの増大を招来することなく
作動液体の流通に起因する異音の発生を防止することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ちシリンダと共働し
て第一及び第二の室を郭定する隔壁部材と、前記隔壁部
材と共働して前記第一の室より前記第二の室へ向かう作
動液体の流れのみを許す第一の減衰力発生弁と、前記隔
壁部材と共働して前記第二の室より前記第一の室へ向か
う作動液体の流れのみを許す第二の減衰力発生弁とを有
し、前記第一の減衰力発生弁は前記第二の室の側に於い
て中央部にて前記隔壁部材に取り付けられた実質的に円
板状の第一の弁要素と、前記隔壁部材に設けられ前記第
一の室と前記第二の室とを連通接続する複数個の第一の
連通孔とを有し、前記第二の減衰力発生弁は前記第一の
室の側に於いて中央部にて前記隔壁部材に取り付けられ
た実質的に円板状の第二の弁要素と、前記隔壁部材に設
けられ前記第一の室と前記第二の室とを連通接続する複
数個の第二の連通孔とを有し、前記隔壁部材は前記複数
個の第一の連通孔と連通する周方向の溝を有し、前記第
二の弁要素は前記第一の室と前記溝とを連通接続する複
数個の第三の連通孔を有するショックアブソーバの弁構
造にして、前記複数個の第一の連通孔は前記第二の室の
側に於いては前記隔壁部材の軸線と垂直に交差する仮想
の直線に対し実質的に線対称に配設された開口を有し且
つ前記溝の側に於いては前記軸線の周りに実質的に均等
に隔置された開口を有し、前記第二の弁要素の複数個の
第三の連通孔は前記軸線の周りに実質的に均等に隔置さ
れていることを特徴とするショックアブソーバの弁構造
によって達成される。
【0012】上記請求項1の構成によれば、複数個の第
一の連通孔は第二の室の側に於いては隔壁部材の軸線と
垂直に交差する仮想の直線に対し実質的に線対称に配設
された開口を有するが、溝の側に於いては軸線の周りに
実質的に均等に隔置された開口を有し、第二の弁要素の
複数個の第三の連通孔も軸線の周りに実質的に均等に隔
置されているので、第三の連通孔と伸び側連通孔の溝側
開口との間の距離の最大値が従来の構造の場合に比して
小さく、従ってショックアブソーバの伸び行程に於いて
上室より第三の連通孔を経て周方向の溝内へ流入した作
動液体が伸び側連通孔の溝側開口まで溝内を周方向に流
れる際の流速が従来に比して低くなり、これにより作動
液体が溝内を比較的長い距離に亘り高速度にて流れるこ
とに起因する異音の発生が回避される。
【0013】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、隔壁部
材はピストンであり、第一及び第二の室はそれぞれ上室
及び下室であり、第一の減衰力発生弁は伸び側減衰力発
生弁であり、第二の減衰力発生弁は縮み側減衰力発生弁
であるよう構成される(好ましい態様1)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、隔壁部材はベースバ
ルブの本体であり、第一及び第二の室はそれぞれ下室及
びベースバルブ室であり、第一の減衰力発生弁は縮み側
減衰力発生弁であり、第二の減衰力発生弁は伸び側減衰
力発生弁であるよう構成される(好ましい態様2)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、第一の減衰力発生弁
は複数対の第一の連通孔を有し、各対の第一の連通孔は
隔壁部材の軸線に対し周方向に互いに逆方向に傾斜して
延在するよう構成される(好ましい態様3)。
【0016】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様3の構成に於いて、各対の第一の
連通孔は隔壁部材の軸線に対し同一の角度にて傾斜する
よう構成される(好ましい態様4)。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0018】図1は本発明によるショックアブソーバの
弁構造の一つの実施形態を示す縦断面図である。
【0019】図1に於いて、10及び12はそれぞれシ
リンダ及びピストンを示しており、ピストン12は軸線
14に沿って往復動可能にシリンダ10に嵌合し、互い
に共働して第一及び第二の室としての上室16及び下室
18を郭定している。図1には示されていないが、上室
16及び下室18は作動液体としてのオイルにて充填さ
れている。
【0020】ピストン12は軸線14に沿って延在する
ピストンロッド20と、該ピストンロッド20の下端の
小径部20Aにロックナット22により固定された円環
状の隔壁部材としてのピストン本体24とを含み、ピス
トン本体24の外周面にはシリンダ10の内周面との間
の間隙をシールする樹脂の如き弾性材よりなるシールバ
ンド26が取り付けられている。
【0021】ピストンロッド20の肩部20Bとピスト
ン本体24との間には小径部20Aに嵌合する円環状の
リテーナ28及びスペーサ30が配置されている。スペ
ーサ30とピストン本体24との間には小径部20Aに
嵌合し円環板状の弾性変形可能な材料よりなる縮み側弁
要素32が配置され、リテーナ28とスペーサ30との
間には小径部20Aに嵌合し弁要素32をピストン本体
24の上面に対し付勢する星型のリーフスプリング34
が配置されている。
【0022】ピストン本体24とロックナット22との
間には小径部20Aに嵌合する円環状のスペーサ36が
配置されており、ピストン本体24とスペーサ36との
間には小径部20Aに嵌合し円環板状の弾性変形可能な
材料よりなる伸び側弁要素38が配置されている。ロッ
クナット22の上端の小径部にはばね座部材40が軸線
14に沿って往復動可能に嵌合しており、ばね座部材4
0とロックナット22のばね座部との間には圧縮コイル
ばね42が弾装され、圧縮コイルばね42はばね座部材
40を介して伸び側弁要素38をピストン本体24の下
面に対し付勢している。
【0023】ピストン本体24の上面には軸線14に対
し同心の内側環状溝44及び外側環状溝46が設けられ
ており、ピストン本体24の下面には軸線14に対し同
心の環状溝48が設けられている。またピストン本体2
4には内側環状溝44と環状溝48とを連通接続する第
一の連通孔としての四つの連通孔50(50A〜50
D)が設けられており、外側環状溝46と下室18とを
連通接続する第二の連通孔としての八つの連通孔52が
設けられている。縮み側弁要素32には上室16と内側
環状溝44とを連通接続する第三の連通孔としての五つ
の連通孔54(54A〜54E)が設けられ、リテーナ
28にはその上下を連通接続する複数個の連通孔56が
設けられている。
【0024】図示の実施形態に於いては、八つの連通孔
52及び五つの連通孔54は軸線14の周りに均等に隔
置され且つ軸線14に平行に延在している。また四つの
連通孔50A〜50Dの内側環状溝44に於ける開口は
軸線14の周りに均等に隔置されているが、これらの連
通孔の環状溝48に於ける開口は軸線14と垂直に交差
する仮想の直線58に対し対称に該仮想の直線より等距
離隔置されている。特に一対の連通孔50A及び50B
は軸線14に対し同一の角度にて周方向に互いに向かい
合う方向に傾斜して直線的に延在し、一対の連通孔50
B及び50Dも軸線14に対し同一の角度にて周方向に
互いに向かい合う方向に傾斜して直線的に延在してい
る。
【0025】以上の説明より解る如く、伸び側弁要素3
8、四つの連通孔50A〜50D、圧縮コイルばね42
等は互いに共働して上室16より連通孔50A〜50D
を経て下室18へ向かうオイルの流れのみを許す第一の
減衰力発生弁としての伸び側減衰力発生弁60を郭定し
ている。また縮み側弁要素32、連通孔52、リーフス
プリング34等は互いに共働して下室18より連通孔5
2を経て上室16へ向かうオイルの流れのみを許す第二
の減衰力発生弁としての縮み側減衰力発生弁62を郭定
している。
【0026】この実施形態に於いて、ショックアブソー
バの伸び行程に於いては、上室16内の圧力が下室18
内の圧力よりも高くなることにより、圧縮コイルばね4
2のばね力に抗して伸び側減衰力発生弁60が開弁さ
れ、上室16内のオイルの一部が連通孔54A〜54
E、内側環状溝44、連通孔50A〜50D、環状溝4
8を経て下室18へ流れ、オイルが伸び側弁要素38と
ピストン本体24との間の狭小な通路を通過する際の流
通抵抗により伸び側減衰力が発生される。
【0027】またショックアブソーバの縮み行程に於い
ては、下室18内の圧力が上室16内の圧力よりも高く
なることにより、リーフスプリング34のばね力に抗し
て縮み側減衰力発生弁62が開弁され、下室18内のオ
イルの一部が連通孔52及び外側環状溝46を経て上室
16へ流れ、オイルが縮み側弁要素32とピストン本体
24との間の狭小な通路を通過する際の流通抵抗により
縮み側減衰力が発生される。
【0028】尚、周知の如く、シリンダ10の下方部に
所謂ベースバルブが設けられている場合には、伸び側の
減衰力は主として伸び側減衰力発生弁60により発生さ
れるが、縮み側の減衰力は主としてベースバルブの縮み
側減衰力発生弁により発生される。
【0029】かくして図示の実施形態によれば、四つの
連通孔50A〜50Dの環状溝48に於ける開口は軸線
14と垂直に交差する仮想の直線58に対し対称に該仮
想の直線より隔置されているが、これらの連通孔の内側
環状溝44に於ける開口は軸線14の周りに均等に隔置
されているので、図3に示されている如く四つの連通孔
50A〜50Dの全てが軸線14に沿って延在し内側環
状溝44に於ける開口も軸線14と垂直に交差する仮想
の直線58に対し対称に該仮想の直線より隔置された従
来の構造の場合に比して、縮み側弁要素32に設けられ
た連通孔54と連通孔50A〜50Dとの間の距離の最
大値を小さくすることができる。
【0030】特に図4と図5との比較より解る如く、縮
み側弁要素32がピストン本体24に対し図示の位置関
係にある場合には、従来の構造に於いては距離が最大で
ある連通孔54Cと連通孔50Cとの間の間隔が大きい
のに対し、図示の実施形態に於いては距離が最大である
連通孔54C及び54Dと連通孔50Cとの間の間隔は
比較的小さく、これと同様の関係はピストン本体24に
対する縮み側弁要素32の軸線14の周りの位置関係に
関係なく成立する。
【0031】従ってショックアブソーバの伸び行程に於
いて、上室16より連通孔54A〜54Eを経て内側環
状溝44へ流入したオイルが連通孔50A〜50Dへ至
る際に内側環状溝44内を流れるときの流速が従来の構
造の場合に比して小さくなり、これによりオイルが内側
環状溝44内を高速度にて流れることに起因するスウィ
ッシュ音の発生を確実に防止することができる。
【0032】また図示の実施形態によれば、四つの連通
孔50A〜50Dの環状溝48に於ける開口は軸線14
と垂直に交差する仮想の直線58に対し対称に該仮想の
直線より隔置されているので、図3に示された従来の構
造の場合と同様、伸び側弁要素38はショックアブソー
バの伸び行程に於いて仮想の直線58に対応する領域近
傍を支点としてその両側の領域が片持梁式に弾性変形
し、従って連通孔50A〜50Dの環状溝48に於ける
開口が軸線14の周りに均等に隔置され、伸び側弁要素
が全周に亘り弾性変形する場合に比して、ショックアブ
ソーバの伸び行程に於ける減衰力特性のヒステリシスを
低減し、伸び行程に於ける減衰力を安定的に発生させる
ことができる。
【0033】また図示の実施形態によれば、四つの連通
孔50A〜50Dがその環状溝48に於ける開口が軸線
14と垂直に交差する仮想の直線58に対し対称に該仮
想の直線より隔置されるよう設けられ、これに対応して
縮み側弁要素32の連通孔54が軸線14に沿って見て
連通孔50A〜50Dに整合する位置に同数設けられる
訳ではないので、ピストン12の組立てに際し連通孔5
0A〜50Dと連通孔54とが整合するよう縮み側弁要
素32をピストン本体24に対し位置決めする必要はな
く、従ってかかる位置決めが必要な構造の場合に比して
ピストン12を能率よく組み立てることができる。
【0034】また縮み側弁要素32をピストン本体24
に対し位置決めするための突起や溝の如き位置決め手段
は不要であるので、ピストン本体24及び縮み側弁要素
32に位置決め手段が設けられる場合に比して、ピスト
ン本体24及び縮み側弁要素32の構造を簡略化し、そ
れらの製造コストを低減してショックアブソーバのコス
トを低減することができる。
【0035】特に図示の実施形態によれば、一対の連通
孔50A、50B及び一対の連通孔50B、50Dは軸
線14に対し同一の角度にて周方向に互いに向かい合う
方向に傾斜して直線的に延在しているので、ショックア
ブソーバの伸び行程に於いて連通孔50A〜50Dより
溝48へ流入するオイルが慣性により溝48内にて渦流
を生じる虞れを低減することができる。
【0036】尚図示の実施形態に於いては、連通孔50
A〜50Dは軸線14に対し周方向に傾斜して延在する
よう形成されなければならないが、従来のショックアブ
ソーバと同様、ピストン本体24が例えば焼結法等にて
形成される場合には、軸線14に対し周方向に傾斜して
延在するよう連通孔50A〜50Dを形成することによ
るピストン本体24の製造コストの上昇は極僅かであ
る。
【0037】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0038】例えば上述の実施形態に於いては、隔壁部
材はピストン12(ピストン本体24)であり、第一及
び第二の室はそれぞれ上室16及び下室18であり、第
一の減衰力発生弁は伸び側減衰力発生弁60であり、第
二の減衰力発生弁は縮み側減衰力発生弁62であるが、
本発明の弁構造はシリンダの下方部にベースバルブが設
けられたショックアブソーバの場合にはそのベースバル
ブに適用されてよく、その場合には隔壁部材はシリンダ
に固定されるベースバルブの本体であり、第一及び第二
の室はそれぞれ下室及びベースバルブ室であり、第一の
減衰力発生弁は縮み側減衰力発生弁であり、第二の減衰
力発生弁は伸び側減衰力発生弁であるよう構成される。
【0039】また上述の実施形態に於いては、第一の連
通孔としての四つの連通孔50A〜50Dの全てが軸線
14に対し周方向に同一の角度にて傾斜して延在してい
るが、各対の第一の連通孔は互いに異なる角度にて傾斜
して延在していてもよく、各対の第一の連通孔の一方が
軸線14に平行に延在していてもよい。
【0040】また上述の実施形態に於いては、四つの連
通孔50A〜50Dは軸線14に対し周方向に傾斜して
直線的に延在しているが、環状溝48側の開口近傍の部
分が軸線14に平行に延在するよう少なくとも一部の連
通孔は湾曲又は屈曲して延在していてもよい。
【0041】更に上述の実施形態に於いては、四つの第
一の連通孔(連通孔50A〜50D)が設けられ、五つ
の第三の連通孔(連通孔54A〜54E)が設けられて
いるが、第一及び第三の連通孔の数はこれらに限定され
るものではなく、任意の数であってよく、その場合第一
の連通孔の数は偶数であることが好ましい。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、第三の連通孔と伸び側連通孔の溝側開口と
の間の距離の最大値を従来の構造の場合に比して小さく
することができ、従ってショックアブソーバの伸び行程
に於いて上室より第三の連通孔を経て周方向の溝内へ流
入した作動液体が伸び側連通孔の溝側開口まで溝内を周
方向に流れる際の流速を従来に比して低くすることがで
き、これにより作動液体が溝内を比較的長い距離に亘り
高速度にて流れることに起因する異音の発生を防止する
ことができる。
【0043】また本発明によれば、縮み側弁要素をピス
トンに組付ける際に複数個の第三の連通孔が対応する複
数個の伸び側連通孔に整合するようピストンに対し縮み
側弁要素が軸線の周りに位置決めする必要はないので、
縮み側弁要素の組付けを効率よく行うことができ、また
複数個の第三の連通孔が対応する複数個の伸び側連通孔
に容易に且つ確実に整合させることができるよう、ピス
トン及び縮み側弁要素に例えば突起及び溝の組合せの如
き位置決め手段を設ける必要もないので、ピストン及び
縮み側弁要素の加工コストの増大を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるショックアブソーバの弁構造の一
つの実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図示の実施形態に於ける縮み側弁要素(A)、
ピストン本体(B)、伸び側弁要素(C)を示す平面図
である。
【図3】従来のショックアブソーバに於ける縮み側弁要
素(A)、ピストン本体(B)、伸び側弁要素(C)を
示す平面図である。
【図4】図示の実施形態に於ける縮み側弁要素(A)及
びピストン本体(B)を示す平面図である。
【図5】従来のショックアブソーバに於ける縮み側弁要
素(A)及びピストン本体(B)を示す平面図である。
【符号の説明】
10…シリンダ 12…ピストン 16…上室 18…下室 24…ピストン本体 32…縮み側弁要 34…リーフスプリング 38…伸び側弁要素 42…圧縮コイルばね 44、46、48…環状溝 50A〜50D、52、54、56…連通孔 60…伸び側減衰力発生弁 62…縮み側減衰力発生弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沼 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山田 稔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 本間 幹彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 服部 万里子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J069 AA50 CC13 DD26 DD47 EE05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと共働して第一及び第二の室を郭
    定する隔壁部材と、前記隔壁部材と共働して前記第一の
    室より前記第二の室へ向かう作動液体の流れのみを許す
    第一の減衰力発生弁と、前記隔壁部材と共働して前記第
    二の室より前記第一の室へ向かう作動液体の流れのみを
    許す第二の減衰力発生弁とを有し、前記第一の減衰力発
    生弁は前記第二の室の側に於いて中央部にて前記隔壁部
    材に取り付けられた実質的に円板状の第一の弁要素と、
    前記隔壁部材に設けられ前記第一の室と前記第二の室と
    を連通接続する複数個の第一の連通孔とを有し、前記第
    二の減衰力発生弁は前記第一の室の側に於いて中央部に
    て前記隔壁部材に取り付けられた実質的に円板状の第二
    の弁要素と、前記隔壁部材に設けられ前記第一の室と前
    記第二の室とを連通接続する複数個の第二の連通孔とを
    有し、前記隔壁部材は前記複数個の第一の連通孔と連通
    する周方向の溝を有し、前記第二の弁要素は前記第一の
    室と前記溝とを連通接続する複数個の第三の連通孔を有
    するショックアブソーバの弁構造にして、前記複数個の
    第一の連通孔は前記第二の室の側に於いては前記隔壁部
    材の軸線と垂直に交差する仮想の直線に対し実質的に線
    対称に配設された開口を有し且つ前記溝の側に於いては
    前記軸線の周りに実質的に均等に隔置された開口を有
    し、前記第二の弁要素の複数個の第三の連通孔は前記軸
    線の周りに実質的に均等に隔置されていることを特徴と
    するショックアブソーバの弁構造。
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CN102200080A (zh) * 2011-04-26 2011-09-28 联合汽车电子有限公司 油泵降噪的导流结构

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