JP2002129637A - 小便器のトラップ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 煙草の火で焼跡が付くことがなく、意匠性を
維持できる小便器のトラップ構造の提供を目的とする。 【構成】 小便器１のトラップ部２を構成する着脱可能
なトラップ部材７の上面に、耐熱性の大なる素材で形成
した耐火カバー８を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、小便器のトラップ構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、公共施設等のトイレ
内に設置された小便器の底側に形成されているトラップ
部には、着脱可能にトラップ部材が設けられているが、
このトラップ部材が樹脂で形成されている場合に、小便
器内に火のついた煙草が投げ捨てられたような場合に、
この煙草がトラップ部材の上面を溶かして、トラップ部
材の上面に焼跡を付けてしまい、露出するトラップ部材
が焼跡だらけとなって見栄え性が悪化してしまうという
問題点があった。また、従来、トラップ部材の上面に凹
部を形成させて、その凹部内に固形薬剤を収納できるよ
うに構成したものが存在するが、トラップの一部部分に
しか薬剤を供給できないものであり、また、上方側から
固形薬剤が見えて品位が悪くなり、また、トラップ部材
に凹凸が多くなり、掃除し辛いという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、煙草の火で焼跡が生ず
ることがなく、また、スッキリとした意匠性を呈して薬
剤を収納できる小便器のトラップ構造を提供せんことを
目的とし、その第１の要旨は、小便器のトラップ部を構
成する着脱可能なトラップ部材の上面に、耐熱性の大な
る素材で形成した耐火カバーを設けたことである。ま
た、第２の要旨は、小便器のトラップ部を構成する着脱
可能なトラップ部材の上面に、ドーナツ状の固形薬剤を
収納可能で底外周側に排出孔を有する収納凹部を形成
し、該収納凹部の上面に、残量確認孔を有し、中央から
外周側へ上面が傾斜した蓋部材を着脱可能に覆設したこ
とである。また、第３の要旨は、前記残量確認孔が、前
記蓋部材の径方向に複数形成されていることである。ま
た、第４の要旨は、前記蓋部材は、前記トラップ部材よ
り耐火性が大であることである。

【０００４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、第１実施例の小便器の底側の一部破断側
面図であり、小便器１の下部には、前側へ突出して垂れ
受部１ａが形成され、この垂れ受部１ａ内の底側にトラ
ップ部２が形成されている。なお、床下に埋設された埋
設管３に対し、小便器の底片部４に立設された立上排水
管部５を接続できるように構成されており、立上排水管
部５に一体状に、水封水を収容できる上面が解放された
水封水収容部６が形成され、この水封水収容部６内に、
着脱式のトラップ部材７が取り付けられてトラップ部２
が構成されている。

【０００５】着脱式のトラップ部材７は、ＰＰ，ＰＢＴ
等の樹脂で形成されたものとなっており、前記水封水収
容部６内に、前記立上排水管部５の外周を囲むようにし
て配置される垂下筒部７ａと、その上面に一体化された
上面部７ｂと、上面部７ｂの外周のフランジ部７ｃと、
上面部７ｂから上方へ突出して形成された引っ掛け孔７
ｄで構成されており、引っ掛け孔７ｄにＳ字フックを引
っ掛けて、この着脱式のトラップ部材７を上方へ引き上
げ、メンテナンス等を行なうことができるように構成さ
れている。この着脱式のトラップ部材７の、前記上面部
７ｂからフランジ部７ｃに亘り、その上面には耐火カバ
ー８が固設されており、この耐火カバー８は、メラミン
樹脂とか金属，陶器等の耐熱性の大なる素材で別体で形
成して、トラップ部材７の上面部７ｂ，フランジ部７ｃ
上に貼着または嵌合で一体化されたものとなっている。

【０００６】このような小便器１が、公共施設である、
例えばサービスエリアのトイレ内に設置されているよう
な場合に、垂れ受部１ａ内に火のついた煙草が投げ込ま
れて、煙草がトラップ部材７の上面に転がり落ちた場合
にも、耐火カバー８が存在し、耐火カバー８は煙草の火
で焼跡が付かない耐熱性の大なる素材で形成されている
ために、煙草の火で樹脂製のトラップ部材７に焼跡が付
くことがなく、煙草の火が投げ込まれても、焦げ跡が付
いて意匠性が損なわれることがないものとなる。なお、
従来からあるトラップ部材７の上面に後発的に耐火カバ
ー８を設けることもでき、コストを低減させてトラップ
部材の耐熱性、耐久性を高めることができるものとな
る。

【０００７】次に、図２は、第２実施例の小便器のトラ
ップ部の拡大断面構成図である。本例では、樹脂で形成
された着脱式のトラップ部材７の上面部７ｂには、フラ
ンジ部７ｃの内側にドーナツ状に凹んだ収納凹部Ｓが一
体形成されており、この収納凹部Ｓの中央部から上方へ
立ち上がって中央突部７ｅが一体形成され、この中央突
部７ｅには、Ｓ字フックを引っ掛けてトラップ部材７を
上方へ引き上げることのできる引っ掛け孔７ｄが横方向
に貫通形成されたものとなっている。

【０００８】このトラップ部材７に形成された収納凹部
Ｓ内には、上方よりドーナツ状の固形尿石防止剤９を収
納できるものであり、収納凹部Ｓの底側の外周には横方
向に貫通して複数の外周排出孔７ｆが形成されて、収納
凹部Ｓ内の水とか尿が、この外周排出孔７ｆから下方の
トラップ部２内に落下するように構成されている。ま
た、収納凹部Ｓの上面には、着脱可能に蓋部材１０が覆
設されるものであり、この蓋部材１０は、耐火性の大な
る例えばメラミン樹脂で形成されており、種々の色違い
のものが用意されて、好みに応じて色の違う蓋部材１０
を収納凹部Ｓの上面に覆設させることができるように構
成されている。

【０００９】蓋部材１０には、図３の平面図で示すよう
に、中央部に、前記トラップ部材７の中央突部７ｅの外
周に嵌まり込む装着孔１０ａが形成され、その外周側
に、直径方向に４個の残量確認孔１０ｂ，１０ｂ，１０
ｂ，１０ｂが上下に貫通形成され、さらに複数の水抜孔
１０ｃ，１０ｃ，１０ｃが上下に貫通形成されたものと
なっている。また、蓋部材１０の上面は、前記中央側の
装着孔１０ａ側から外周に向かって下傾した傾斜状に形
成されており、蓋部材１０上の洗浄水とか尿は、中心部
から良好に外周側へ流下されるように構成されている。

【００１０】このような構成では、尿とか洗浄水は蓋部
材１０の上面の傾斜に沿って外周側に流されて、外周側
の孔１０ｂ，１０ｂから収納凹部Ｓ内に流入し、固形尿
石防止剤９を外周から良好に溶かしてゆき、外周側に形
成された外周排出孔７ｆから良好にトラップ部２内に流
下されるものであり、固形尿石防止剤９はドーナツ状で
あり外周側から減ってゆくため、薬液がトラップ部２全
域に行き渡り、良好に尿石の付着を防止できるものとな
る。

【００１１】また、外周側から固形尿石防止剤９が内周
側へ向かって減ってゆくために、この減り加減を、上面
より残量確認孔１０ｂ，１０ｂ，１０ｂを通し確認する
ことができ、固形尿石防止剤９の補充時期を良好に把握
することができるものとなり、常に固形尿石防止剤９を
収納凹部Ｓ内に残存させて、良好にトラップ部での尿石
の付着を防止できるものとなる。なお、残量確認孔１０
ｂは、蓋部材１０を取り外す際の引っかけ用の孔として
も利用することができ、良好に蓋部材１０の着脱が可能
となる。なお、メンテナンス時には、トラップ部材７全
体を引き上げて、良好に掃除などができるものである。

【００１２】本例では、固形尿石防止剤９は蓋部材１０
に隠蔽されて上方側から見えないために、スッキリとし
た意匠性を呈し、小便器の品位を高めることができるも
のとなり、さらに蓋部材１０の色を選択して、より意匠
性を高めることができるものとなる。さらに、小便器の
垂れ受部１ａ内に火の付いた煙草が投げ込まれた時など
において、火の付いた煙草は蓋部材１０の上面に落下す
るが、この蓋部材１０は耐熱性の大なる素材で形成され
ているため、焼跡が付くことがなく、耐久性が高められ
て、トラップ部材７全体の見栄え性を良好に維持できる
ものとなる。

【００１３】

【発明の効果】本発明の小便器のトラップ構造は、小便
器のトラップ部を構成する着脱可能なトラップ部材の上
面に、耐熱性の大なる素材で形成した耐火カバーを設け
たことにより、耐火カバーで煙草の火を防ぎ、煙草の火
による焼跡が付くことなく、良好な見栄え性を維持する
ことができるものとなり、トラップ部材の耐久性が向上
されるものとなる。

【００１４】また、小便器のトラップ部を構成する着脱
可能なトラップ部材の上面に、ドーナツ状の固形薬剤を
収納可能で底外周側に排出孔を有する収納凹部を形成
し、収納凹部の上面に、残量確認孔を有し、中央から外
周側へ上面が傾斜した蓋部材を着脱可能に覆設したこと
により、固形薬剤は蓋部材で隠蔽されるため、上方側か
らは極めてスッキリとした意匠性を呈した小便器とな
り、また、蓋部材の上面を流れる水等は、外周側から収
納凹部内に流入して、ドーナツ状の固形薬剤を外周側か
ら減らしてゆくため、トラップ部全体に薬剤が行き渡
り、トラップ部及びトラップ部材への尿石の付着を確実
に防止することができるものとなる。

【００１５】また、残量確認孔が、蓋部材の径方向に複
数形成されていることにより、上方側から残量確認孔を
通して収納凹部内の固形薬剤の残量を良好に確認でき
て、固形薬剤の補充時期を良好に把握できるものとな
る。

【００１６】また、蓋部材は、トラップ部材より耐火性
が大であることにより、煙草の火が投げ込まれた時に
も、蓋部材上に落下した煙草の火で蓋部材に焼跡が付く
ことがなく、良好な意匠性を維持することができるもの
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の小便器のトラップ部の一部破断構
成図である。

【図２】第２実施例のトラップ部の縦断面構成図であ
る。

【図３】図２のトラップ部材及び蓋部材の平面構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 小便器 １ａ 垂れ受部 ２ トラップ部 ３ 埋設管 ６ 水封水収容部 ７ 着脱式トラップ部材 ７ａ 垂下筒部 ７ｂ 上面部 ７ｃ フランジ部 ７ｄ 引っ掛け孔 ７ｅ 中央突部 ７ｆ 外周排出孔 ８ 耐火カバー ９ 固形尿石防止剤（固形薬剤） １０ 蓋部材 １０ａ 装着孔 １０ｂ 残量確認孔 １０ｃ 水抜孔 Ｓ 収納凹部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小便器のトラップ部を構成する着脱可能
   なトラップ部材の上面に、耐熱性の大なる素材で形成し
   た耐火カバーを設けたことを特徴とする小便器のトラッ
   プ構造。
2. 【請求項２】 小便器のトラップ部を構成する着脱可能
   なトラップ部材の上面に、ドーナツ状の固形薬剤を収納
   可能で底外周側に排出孔を有する収納凹部を形成し、該
   収納凹部の上面に、残量確認孔を有し、中央から外周側
   へ上面が傾斜した蓋部材を着脱可能に覆設したことを特
   徴とする小便器のトラップ構造。
3. 【請求項３】 前記残量確認孔が、前記蓋部材の径方向
   に複数形成されていることを特徴とする請求項２に記載
   の小便器のトラップ構造。
4. 【請求項４】 前記蓋部材は、前記トラップ部材より耐
   火性が大であることを特徴とする請求項２または請求項
   ３に記載の小便器のトラップ構造。