JP2002129468A - 機能性活性炭繊維構造体 - Google Patents

機能性活性炭繊維構造体

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JP2002129468A
JP2002129468A JP2000323794A JP2000323794A JP2002129468A JP 2002129468 A JP2002129468 A JP 2002129468A JP 2000323794 A JP2000323794 A JP 2000323794A JP 2000323794 A JP2000323794 A JP 2000323794A JP 2002129468 A JP2002129468 A JP 2002129468A
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Yoshie Inagaki
由江 稲垣
Kazunori Orii
一憲 折居
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維構造体自体を劣化させることがなく、し
かも長期間に亘って悪臭物質を分解除去することができ
る新規な繊維構造体を提供する。 【解決手段】 活性炭繊維から構成される繊維構造体
に、有機物光分解触媒能を有する酸化チタンなどの無機
質粒子を、好ましくはシリコン系ガラス状被膜を介して
固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭繊維の有す
る多孔性と、光分解触媒能を有する無機質粒子(以下、
単に光触媒と称することがある)の有機物分解反応促進
作用を生かし、例えば、シックハウス症候群の原因とな
るホルマリン等の物質を積極的に分解して室内環境を改
善するためのカーテン、カーペット、ランプシェード等
のインテリア用途に適した機能性活性炭繊維構造体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、快適生活を目指した生活環境の多
様化に伴い、ニオイに対する関心が非常に高まってい
る。例えば、悪臭を繊維構造体で取り除くという目的
で、繊維形成能を有する熱可塑性高分子重合体に消臭剤
を添加して溶融紡糸するもの(特開平2−157040
号公報)、繊維構造体に消臭剤をポリウレタン系樹脂や
ポリエステル系樹脂を介して付与するもの(特開平2−
269875号公報、特開平7−216751号公報
等)が提案されている。
【0003】しかしながら、これらの消臭はいずれも中
和又は吸着作用によるものであるため、限られた悪臭物
質に対してしかその効力を発現できない。また、これら
の消臭剤は、その処理できる量にも限界があるため、飽
和に達するともはや消臭効果を示さなくなるという問題
もある。
【0004】このような問題を改善する方法としては、
光分解触媒能を有する酸化チタン(光触媒酸化チタン)
を消臭剤として使用する方法が提案されている。確かに
該方法によれば、悪臭物質は光触媒を介して光エネルギ
ーにより積極的に分解されるため、その消臭剤としての
効果は半永久的に衰えることはない。しかし、該光触媒
はその活性の高さゆえに、被担持物である繊維素材自体
をも光劣化させてしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、繊維構造体自
体を劣化させることがなく、しかも長期間に亘って悪臭
物質を分解除去することができる新規な繊維構造体を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、活性炭繊維から主として構成される繊
維構造体に、有機物光分解触媒能を有する無機質粒子が
固着された機能性活性炭繊維構造体により達成できるこ
とが見出された。
【0007】この際、有機物光分解触媒能を有する無機
質粒子は酸化チタンが好ましく、また、比表面積は10
〜350m2/gの範囲、粒径は0.005〜1.0μ
mの範囲が好ましいことが見出され、さらに、該光触媒
はシリコン系ガラス状被膜を介して繊維構造体に固着さ
れていることが好ましく、特に該光触媒は静電塗装によ
り固着されているのが好ましいことが見出された。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明における活性炭繊維とは、活
性炭としての吸着性能を有する炭素質の繊維のことをい
い、例えば、ポリアクリロニトリル系繊維を酸化性雰囲
気中200〜300℃の温度で酸化処理し、次いで水蒸
気処理することにより製造される。
【0009】本発明で用いられる繊維構造体は、上記活
性炭繊維から主として構成されていれば織物、編物、不
織布等任意の形態を取ることができ、用途に応じて適宜
設定することができる。なお、ここでいう「活性炭繊維
から主として構成されている」とは、繊維構造体重量を
基準として80重量%以上、好ましくは90重量%以
上、特に好ましくは100重量%が活性炭繊維で構成さ
れていることをいう。繊維構造対中の該活性炭繊維の割
合が少なくなって、例えばポリエステル繊維等の有機合
成繊維の割合が多くなりすぎると、繊維構造体の経時劣
化が問題となりやすくなる。
【0010】次に、本発明における有機物光触媒能を有
する無機質粒子(光触媒)は、光エネルギーを吸収する
ことにより活性点が形成され、該活性点で悪臭物質等の
有機物分解反応を促進させることができる無機質粒子の
ことをいい、光半導体の性質を有するものからなる粒子
は全て使用できる。例えば、酸化チタン粒子、酸化亜鉛
粒子、硫化亜鉛粒子等をあげることができ、なかでも酸
化チタン粒子は、その光触媒活性が高いので好ましい。
なお、酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ
型、アモルファス型のいずれであってもよいが、アナタ
ーゼ型が特に高い光触媒活性を示すので好ましい。
【0011】かかる光触媒には、その触媒活性を高める
目的で貴金属を担持させることができ、該貴金属として
は白金、ロジウム、ルテニウム等を例示することができ
る。
【0012】光触媒の粒径は、光触媒活性を損なわない
範囲内であれば特に限定する必要はないが、通常は0.
005〜1.0μm程度が好ましい。また、光触媒の比
表面積は、悪臭物質等の有機物を吸着させ、前記光活性
点で該有機物を分解させるためには大きい方が好ましい
ので、10〜350m2/gの範囲が適当である。
【0013】上記光触媒の繊維構造体に対する固着量
は、あまりに少ないと有機物の分解促進効果が低下し、
一方多すぎると活性炭繊維自身の有する有機物吸着能を
阻害するようになるので、0.3〜30重量%、特に
0.5〜10重量%の範囲が適当である。
【0014】光触媒を繊維構造体に固着させる方法は特
に限定されないが、例えば活性炭繊維から主として構成
される繊維構造体を、光触媒と無機質若しくは無機質に
変換可能なバインダーとを主成分とする加工液を含浸又
はスプレーする方法があげられる。この際、バインダー
としては、アルミナゾル、シリカゾル等の無機質バイン
ダー、又は、水ガラス、メチルシリケート、エチルシリ
ケート等の加水分解後に脱水縮合してガラス質を形成す
るガラス質形成性バインダーが好ましく用いられる。
【0015】光触媒と無機質バインダーの重量比は、該
バインダーが少なすぎると光触媒の繊維構造体への固着
性が低下して剥離しやすくなり、一方多すぎると光触媒
能が低下するだけでなく活性炭繊維自体が有する吸着能
をも阻害するようになるので、20:80〜95:5
(光触媒:無機質バインダー)の範囲が適当である。
【0016】光触媒と無機質バインダーとを含有する加
工液の溶剤としては、水、水混和性有機溶剤又は該水と
水混和性有機溶剤の混合溶液のいずれであってもよく、
該溶剤に溶解又は分散させた加工液として使用される。
かかる加工液には、必要に応じてシランカップリング
剤、チタンカップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
【0017】上記加工液を含浸又はスプレーした繊維構
造体の乾燥は、自然乾燥、強制乾燥のいずれでもよい。
また、乾燥後に110〜200℃の温度で熱処理を施し
てもよい。
【0018】また、光触媒を繊維構造体に固着させる別
の方法として、静電塗装方法をあげることができる。該
静電塗装方法とは、被塗装物と塗液噴霧装置との間に直
流高電圧を印加し、両者間に形成される電気力線に沿わ
せて、帯電した噴霧塗液を被塗装物に飛ばして塗装する
というものであり、該噴霧液としては、光触媒を少量の
活性剤を含む水中に分散させたものが使用できる。
【0019】この電着塗装方法は、前記の浸漬法やスプ
レー法と比較して光触媒を活性炭繊維表面により高度に
密着させることができ、また薄膜形成性にも優れるため
に無機質バインダーを併用しなくてもよいので好まし
い。しかし、必要に応じて、該噴霧塗液中に無機質バイ
ンダー(無機質に変換可能な有機バインダーを含む)や
シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の添加
剤を併用しても構わなく、かくすることにより光触媒の
密着性がより向上するので好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳細
に説明する。なお、実施例中「%」は特に断らない限り
重量基準である。
【0021】消臭性の評価 臭気成分の初期濃度をホルムアルデヒド50ppmと設
定し、評価試料1.0gと共に総容量3リットルのテド
ラーバック内に封入し、20Wの紫外線ランプを24時
間照射した後(あるいは未照射で暗室中に24時間放
置)、容器中の臭気成分残存濃度を検知管で測定し、除
去されたホルムアルデヒドの割合(消臭率)で表した。
この試験を8回まで繰返し、その消臭効果の持続性を評
価した。
【0022】[実施例1]ポリアクリロニトリル系繊維
を原料とする活性炭繊維(比表面積:約1000m2
g)100%からなる基布(目付200g/m2)に、
光触媒酸化チタンST−03(石原産業製:光触媒酸化
チタン粒径7nm、比表面積300m2/g濃度5%、
無機質バインダー濃度5%、溶剤は水・メタノール混合
溶液)10重量%を含む水分散液をピックアップ量が1
00%となるようにパッディング処理し、130℃で3
分間乾燥した後180℃で1分間熱処理した。得られた
布帛を用い、紫外線照射下でのホルムアルデヒドの消臭
性を評価した。結果を表1に示す。
【0023】[実施例2]実施例1で用いたと同じ活性
炭繊維布帛を用い、光触媒酸化チタン(昭和電工製:粒
径0.035μm、比表面積200m2/g)1%水分
散液を塗装液として静電塗装(使用電圧70kV、使用
空気圧98kPa)し、120℃にて3分間の乾燥処理
を行った。得られた布帛の光触媒酸化チタン固着量は、
活性炭繊維重量を基準として0.5%であった。実施例
1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0024】[比較例1]実施例1で用いたと同じ活性
炭繊維布帛を用い、光触媒酸化チタンを固着しなかった
以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1
に示す。
【0025】[比較例2]比較例1において、紫外線照
射をしない以外は同様にして評価を行った。結果を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の機能性活性炭繊維構造体は、活
性炭繊維自身が有機物吸着能を有しているので暗所でも
消臭効果を示し、また、太陽光線、蛍光灯、白色ランプ
等に含まれる紫外線照射により有機物分解反応を促進さ
せる光触媒能が発現されるので、消臭効果が向上するだ
けでなく活性炭繊維の消臭能力も回復する。これらの効
果があいまって、本発明の繊維構造体は特別なメンテナ
ンスを施さなくても、半永久的に消臭効果を持続させる
ことが可能となる。
【0028】したがって、本発明の繊維構造体は、シッ
クハウス症候群の原因となるホルマリン等の物質を積極
的に分解し、室内環境を改善するためのカーテン、カー
ペット、ランプシェード等のインテリア用途に、好適に
使用することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭繊維から主として構成される繊維
    構造体に、有機物光分解触媒能を有する無機質粒子が固
    着されていることを特徴とする機能性活性炭繊維構造
    体。
  2. 【請求項2】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    が酸化チタンである請求項1記載の機能性活性炭繊維構
    造体。
  3. 【請求項3】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    の粒子径が0.005〜1.0μmである請求項1記載
    の機能性活性炭繊維構造体。
  4. 【請求項4】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    の比表面積が10〜300m2/gである請求項1記載
    の機能性活性炭繊維構造体。
  5. 【請求項5】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    が、シリコン系ガラス状被膜により繊維構造体に固着さ
    れている請求項1記載の機能性活性炭繊維構造体。
  6. 【請求項6】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    の固着量が0.3〜30重量%である請求項1記載の機
    能性活性炭繊維構造体。
  7. 【請求項7】 有機物光分解触媒能を有する無機質粒子
    が、静電塗装により繊維構造体に固着されている請求項
    1記載の機能性活性炭繊維構造体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184718A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Fuji Electric Holdings Co Ltd 活性炭シート及びその製造方法
CN100460060C (zh) * 2005-01-05 2009-02-11 中国科学院过程工程研究所 一种负载型TiO2光催化剂及其制备方法和光催化水质净化器
JP2017505859A (ja) * 2014-02-05 2017-02-23 カルゴン カーボン コーポレーション ナノ粒子により増強された活性炭布
CN107623110A (zh) * 2016-07-15 2018-01-23 微宏动力系统(湖州)有限公司 硅基复合负极材料、制备方法及锂离子二次电池

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