JP2002129467A - パラ系芳香族ポリアミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方法 - Google Patents
パラ系芳香族ポリアミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方法Info
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Abstract
易に低減する方法を提供する。 【解決手段】 本発明方法は、p−アラミド繊維を50
℃以上の熱水、又は有機酸もしくはその塩の水溶液で洗
浄することを特徴とする。
Description
アミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方法および
該方法によって得られる繊維の用途に関する。
ドと云う)繊維は、高ヤング率で、寸法安定性が良く、
かつ耐熱性および絶縁性に優れているという特徴から、
様々な分野に用途展開が進んでいる。特に近年、電気信
号の高速化のニーズに伴い、プリント配線基板(以下P
CBと云う)の分野にも使用され始めている。
フェニレンテレフタルアミド繊維(以下PPTA繊維と
云う)は、紡糸時にポリマー溶解のために強酸に溶解さ
れる。溶媒である濃硫酸は、紡糸直後に水洗およびアル
カリによる中和処理に付されることが知られている(米
国特許第3,767,756号及び米国特許第5,29
6,185号)。このようにして得られる繊維は、中和
によって形成された塩が繊維中に取り込まれ、通常0.
5〜3重量%の塩を含んだ繊維となる。このため、この
ようなPPTA繊維をそのままでPCB用途に用いよう
とすると、絶縁抵抗の低下を起こす恐れがあり、PPT
AをPCB用途に用いるには、そのイオン性物質含有量
を十分なレベルにまで低減する必要がある。
WO99/13140には、PPTA繊維を流水中で洗
浄する方法が開示されている。この方法では、洗浄後の
ナトリウム含有量が230ppmであると記載されてい
るが、他のイオン性物質に関しては記載されていない。
また、本発明者らが、この特許に記載された方法で洗浄
を行ったところ、ナトリウム含量は4300ppmまで
しか低減できなかった。
は、高ヤング率で、寸法安定性が良く、かつ耐熱性およ
び絶縁性に優れており、特に電気・電子部品として有用
なp−アラミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方
法を提供することにある。
ミド繊維を特定の溶媒を用いて洗浄することにより、該
繊維のイオン性物質含有量を容易に低減することがで
き、こうして得られる繊維は、高ヤング率で、寸法安定
性が良く、耐熱性および絶縁性に優れており、PCB及
び低誘電材料となることを見出し、本発明を完成するに
至った。
は有機酸もしくはその塩の水溶液で洗浄することを特徴
とする、p−アラミド繊維のイオン性物質含有量を低減
させる方法である。また、本発明は、本発明方法に従っ
て得られるp−アラミド繊維を用いて得られるPCB及
び絶縁、低誘電材料も提供する。
ミド繊維は、その原料となる芳香族ポリアミドとして、
アミド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族ジアミ
ン及び芳香族ジカルボン酸成分より得られるものが使用
される。
テレフタルアミド(PPTA)、ポリパラベンズアミ
ド、ポリ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、ポリパ
ラフェニレン−2,6−ナフタリックアミド、コポリパ
ラフェニン/4,4’−(3,3’−ジメチルビフェニ
レン)−テレフタルアミド、コポリパラフェニレン/
2,5−ピリジレン−テレフタルアミド、ポリパラフェ
ニレンフタルアミド、ポリ−1,4−ナフタレンフタル
アミド等、及びこれらの芳香族ジアミンのベンゼン核の
一部をピペラジン、1,5−ジメチルピペラジン、2,
5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に代表され
る脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または芳香族
ジアミンが3,3’−オキシジフェニレンジアミン等
の、エーテル結合、−S−、−SO2−、−CO−、−
NH−等の基により結合された2個のフェニル基を含む
芳香族ポリアミドのコポリマー、例えば、ポリ−3,
3’−オキシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラ
フェニレンテレフタルアミド共重合体等を挙げることが
できる。
リアミドを液晶紡糸することにより得られる。例えば、
PPTA繊維の場合は、PPTAを濃硫酸に溶解し、紡
糸口金から吐出して水中へ紡糸する。その後、紡糸浴中
で凝固した繊維を水酸化ナトリウム水溶液で中和処理す
る。
常、紡糸直後に乾燥されるが、本発明方法をより効率的
に行うには、乾燥工程を経ていない繊維を用いることが
好ましい。もちろん、本発明方法において、乾燥工程を
経た繊維を用いても、イオン性物質含有量は目標値まで
低減され得る。
容易に電解して、Na+、Cl-などのイオンを生じるも
のであり、それらが含まれた状態でPCB用途に用いる
と、絶縁抵抗の低下などを起こす恐れのある物質であ
る。濃硫酸から紡糸されるPPTA繊維には、一般的に
Na+、Cl-、Ca2+、SO4 2-等が含まれる。
媒の1つは、50℃以上の熱水であり、特に、イオン交
換水など、前記イオン性物質を除去した水が好ましい。
また、より効果的にイオン性物質を除去するには、前記
イオン性物質を含まず、加熱により容易に除去できる物
質を含む水溶液が洗浄溶媒として使用される。例えば、
蓚酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸(好ましくは蓚酸)
またはそれらの塩(好ましくはアンモニウム塩)の水溶
液が使用可能である。
処理のように、高温高圧下にて処理ができる方法を用い
れば効率的にイオン性物質を除去できる。更に洗浄時に
系内にイオン交換樹脂、活性アルミナ、モレキュラーシ
ーブなどの吸着剤を存在させることにより、より効率的
にイオン性物質を除去することが可能である。
上、より好ましくは100℃以上であり、上限は、液体
の性状をなしていれば特に限定されないが、好ましくは
400℃、より好ましくは150℃である。有機酸又は
その塩の水溶液を用いる場合は、室温以上、好ましくは
50℃以上、より好ましくは100℃以上である。上限
は、水溶液を用いるため、熱水洗浄と同様に液体の性状
をなしていれば特に限定されないが、有機酸の添加によ
る洗浄の効果を考えると、有機酸それぞれの分解温度に
依存する。しかし、有機酸が分解して生じた物質も洗浄
効果を持つことが考えられる。例えば、蓚酸が分解して
生じる蟻酸にも洗浄効果はある。従って、上限は、有機
酸又はその塩の分解温度あるいは有機酸又はその塩の分
解生成物の分解温度であり、好ましくは150℃であ
る。洗浄時間は、p−アラミド繊維の量、有機酸の濃
度、処理温度、所望するイオン性物質含有量等に依存し
て変わり得る。
ン性物質含有量をより低減できる。
オン性物質含有量は、1.0重量%以下、好ましくは
0.5重量%以下、より好ましくは0.2%重量%以下
に低減され得る。
自由に選択ができるが、水分を除去することを目的と
し、数グラム程度の処理量であれば、100℃にて30
分程度である。
繊維は、イオン性物質含有量が低減されているため、絶
縁性に優れ、プリント配線基板及び絶縁、低誘電材料と
して有用である。
明する。なお、以下の実施例及び比較例では、イオン性
物質含有量の測定を、酸素フラスコ燃焼法により行っ
た。すなわち、500mlの三角フラスコに10mlの
吸収液(超純水または苛性ソーダ水溶液)を入れ、酸素
を充満させた。蓋には白金の籠をぶら下げておき、その
中に、ろ紙でくるんだサンプル(約0.5g)を入れ
た。ろ紙に火をつけて三角フラスコに蓋をし、完全に燃
焼させた。燃焼後、吸収液中のイオン性物質を、イオン
クロマトグラフ法およびフレーム原子吸光光度法により
定量した。
ミド繊維のイオン性物質含有量測定結果を表1に示す。
燥工程を経ていないPPTA繊維に、以下の条件で熱水
洗浄を実施した。装置は平山製作所製の高温多湿高圧試
験機を用いた。30リットルの釜に5リットルのビーカ
ーをセットし、この中に200gのPPTA繊維と5リ
ットルのイオン交換水を入れ、120℃で24時間、飽
和水蒸気下で熱水洗浄した。熱水洗浄後、イオン交換水
を流しながらさらに約5分洗浄した。次いで、100℃
にて重量が恒量になるまで乾燥を行った。
1と同様の手法にて、洗浄を実施した。
経ていないPPTA繊維に、以下の条件で洗浄を実施し
た。200mlのオートクレーブ容器に100mlテフ
ロン(登録商標)製内容器を入れ、その中に0.5%蓚
酸水溶液を70ml、PPTA繊維を2.8g(乾燥重
量)入れ、密閉した。その後、オートクレーブ容器ご
と、120℃のオーブンに投入し、120℃に到達後、
24時間保持した。蓚酸水溶液で洗浄した後、イオン交
換水を流しながらさらに約5分洗浄した。次いで、40
0℃にて重量が恒量になるまで乾燥を行った。
lを用いた以外は実施例3と同様に行なった。
の、紡糸直後の乾燥工程を経ていないPPTA繊維を1
0g、イオン交換水を1.5リットル、イオン交換樹脂
(住友化学製 デュオライト MB7113GMB)を
180g投入し、恒温恒湿槽にて55℃、85RH%で2
4時間、熱水洗浄を実施した。次いで、100℃にて重
量が恒量になるまで乾燥を行った。
(トワロン1080(商品名)、トワロンプロダクツ社
製)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。
含有量を測定した。なお、イオン性物質の定量前に10
0℃にて重量が恒量になるまで乾燥を実施した。
TA繊維に対して、流水洗浄を実施した。流水は、室温
のイオン交換水を3リットル/分の流量で1時間行っ
た。サンプルのPPTA繊維200gを処理容器にセッ
トし、流水ができる限り繊維の間を通過するように、処
理容器とサンプルとの隙間をできる限り無くした。処理
後、100℃にて重量が恒量になるまで乾燥を実施し
た。
のイオン性物質含有量を容易に低減することができ、絶
縁性に優れたp−アラミド繊維を得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】50℃以上の熱水、又は有機酸もしくはそ
の塩の水溶液で洗浄することを特徴とする、パラ系芳香
族ポリアミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方
法。 - 【請求項2】有機酸又はその塩の水溶液で洗浄すること
を特徴とする、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】蓚酸又はその塩の水溶液で洗浄することを
特徴とする、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】洗浄が、紡糸直後の未乾燥のパラ系芳香族
ポリアミド繊維に対して行われることを特徴とする、請
求項1〜3のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項5】パラ系芳香族ポリアミド繊維がポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド繊維である、請求項1〜4の
いずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載の方法に
より得られるパラ系芳香族ポリアミド繊維を用いて得ら
れるプリント配線基板。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項記載の方法に
より得られるパラ系芳香族ポリアミド繊維を用いて得ら
れる絶縁、低誘電材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000323219A JP2002129467A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | パラ系芳香族ポリアミド繊維のイオン性物質含有量を低減する方法 |
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Family
ID=18800947
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002129467A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008534802A (ja) * | 2005-03-28 | 2008-08-28 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアレーンアゾール繊維からカチオンを除去する方法 |
JP2015510046A (ja) * | 2012-01-11 | 2015-04-02 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company | 水性酸を用いて繊維から硫黄を除去する方法 |
JP2018528336A (ja) * | 2015-08-18 | 2018-09-27 | ユニバーシティ オブ マサチューセッツ アマースト | アラミド繊維の改質方法 |
-
2000
- 2000-10-23 JP JP2000323219A patent/JP2002129467A/ja active Pending
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