JP2002129063A5 - - Google Patents

Description

本発明において用いることができる酸化チタンとしては比表面積が２０m²／g以上のものが好ましく、特に含水の酸化チタンは比表面積が２００m²／gと高く、反応性に富むという点から特に好ましい。なお、硫酸法により得られる含水・酸化チタンを原料に用いる場合には、含水・酸化チタンに含有する硫酸分が影響し、焼成時ヘマタイトが生成するので、予め、洗浄により硫酸分を除去することが必要である。

Ｆｅ₂ＴｉＯ₅を被覆させるために使用する水溶性鉄塩としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄等を使用することができ、又、加水分解の方法としては中和して析出する方法と酸化して析出する方法が有り、いずれでも構わないが、中和して析出させる方法の方が均一な皮膜が得られ、反応性も良好であるので好ましい。水酸化鉄あるいは酸化鉄の被覆量は酸化チタンに対し３０〜１２０重量部が好ましい。３０重量部以下の場合は目的とする黒色酸化物が得られず、又、１２０重量部以上の場合は還元が進みにくくなり、黒色度の高いものを得るためには、時間がかかるので好ましくない。

上記ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム及び錫等の含水又は無水の無機酸化物を被覆処理する場合は、公知の方法で行えば良い。即ち、得られた黒色複合酸化物を水でスラリー化し、水スラリーをペブルミル、サンドグラインダー、アトライター等を使用して湿式粉砕を行った後、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の水溶性塩を一種以上添加し、アルカリ又は酸を用いて中和して、含水又は無水の酸化物を析出して処理を行えばよい。又、疎水化剤を用いて疎水化処理する場合も公知の湿式法あるいは乾式法で処理すればよい。疎水化剤としては、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、Ｈ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコンオイルやシランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を用いることができ、これらを併用しても構わない。

なお、以下の実施例及び比較例における粒径は電子顕微鏡写真から求めた平均径であり、磁化値は粉末を東英工業製ＶＳＭにより５ｋＯｅの磁場において測定した。また、黒色度（Ｌ値）は粉末をプレスして、スガ試験機株式会社製カラーテスターＳＣ−２−ＣＨにより測定した。光沢度については、得られた粉末を粉砕して、フーバーマーラーによりスチレン化アルキッド樹脂３ｍＬと粉砕品０．５ｇを混練して塗料化し、アート紙に６ミルのドクターブレードにより塗布し、１１０℃で１０分焼き付けを行った後、村上色彩研究所製グロスメーターにより２０°−２０°の光沢度を測定した。

【００３８】
【実施例６】
実施例１で得られた黒色粉末を純水にリパルプしサンドグラインダーにて湿式粉砕を行った後、７０℃に加熱し、良く撹拌しながら、黒色酸化物に対しＡｌ₂Ｏ₃として２．５重量％の硫酸アルミニウム溶液を添加した。続いて、水酸化ナトリウム溶液を添加して、ｐＨを７．５に調整し水酸化アルミニウムの被覆を行った。１時間熟成後、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕を行って、Ａｌ₂Ｏ₃被覆黒色酸化物を得た。

【００４０】
【実施例７】
実施例６において、水酸化アルミニウムを被覆後、ヘキシルトリメトキシシランを黒色酸化物に対して５重量％添加して、水中で加水分解を行ってシランカップリング剤の処理を行い、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕を行ってシランカップリング剤被覆黒色酸化物を得た。