JP2002128873A - 架橋重合体成形物 - Google Patents

架橋重合体成形物

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JP2002128873A JP2000324968A JP2000324968A JP2002128873A JP 2002128873 A JP2002128873 A JP 2002128873A JP 2000324968 A JP2000324968 A JP 2000324968A JP 2000324968 A JP2000324968 A JP 2000324968A JP 2002128873 A JP2002128873 A JP 2002128873A
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Masanori Abe
正典 阿部
Kenko Yamada
建孔 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタセシス重合体性モノマーを使用したメタ
セシス架橋重合体成形物であって、耐衝撃性を損なうこ
となく、成形品の表面のつやの保持性に優れた成形品を
提供する。 【解決手段】 メタセシス重合性モノマーをメタセシ
ス重合触媒系の共存下に重合と成型を同時に行って得ら
れるメタセシス架橋重合体成形物において、該重合体成
形物は、(1)ポリ−1,4−ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合ゴムおよびスチレン−ブ
タジエンブロック共重合ゴムからなる群から選ばれる少
なくとも一種の成分(成分X)を0.5〜8重量%含有
し、かつ(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合ゴム(成分Y)を0.5〜12重量%含有する
重合体成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタセシス架橋重
合体成形物中にある特定の2種類以上のゴム成分を含有
する成形物に関するものである。さらに詳しくは、耐衝
撃性に優れしかも表面のつやの保持性に優れた重合体成
形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有歪環状オレフィンが、メタセシス重合
触媒系によって開環重合し、架橋重合体が得られること
は公知である。ジシクロペンタジエンのように安価に得
られるメタセシス重合性モノマーを用い、メタセシス重
合触媒系を含有するモノマーの反応性溶液を成形用鋳型
に流し込み、その中でバルク重合を行い、重合と成形を
一段でおこなう方法が提案されている(例えば特開昭5
8−129013号公報)。この方法により、安価な成
形用鋳型を用いて架橋重合体成形物が得られる。また、
この方法によれば、大型の成形物が得られるが、大型の
成形品には耐衝撃性が良好であることが求められること
が多い。しかしながら、一般にジシクロペンタジエンの
ようなメタセシス重合性モノマーからなる架橋重合体成
形物は耐衝撃性が不足することが多い。その改善方法と
して耐衝撃性を改良させるために架橋重合体成形物にゴ
ム成分を添加することが、すでに提案され(たとえば特
開平1−204924号公報および特開平3−2233
10号公報参照)、実用化されている。ゴム成分の添加
により耐衝撃性の優れた成形物が得られ、広範な用途に
使用されている。
【0003】このような架橋重合体成形物は、自動車や
トラックのバンパーや、建築部材、各種構造部材など広
範な用途に利用されている。しかし、このような重合体
はその繰返し単位中に少なくとも1個の炭素−炭素2重
結合を有することになるが、このような2重結合は空気
中で光や熱の影響により酸化等の劣化を受けやすい。屋
外に放置するなどして酸化劣化を受けると、表面に酸化
層を生じ、これが製品の表面のつやを低下せしめ、外観
を低下させる。そこで、製品表面を塗装して用いられる
ことが多いが、塗装にはそれ自体多くの費用や時間を要
するため、用途によっては塗装を行わない場合も多い。
そのため、近年では、表面に塗装膜のような保護層を形
成させずに屋外で使用する場合などでは、製品表面のつ
やの保持性の良い製品の開発が望まれている。
【0004】一方、後述する実施例において示すよう
に、ゴム成分を含まずにジシクロペンタジエンを重合成
形せしめた場合には、屋外暴露による製品表面のつやの
保持性は良好である。しかし、すでに述べたように耐衝
撃性がきわめて低いという課題を有している。また、成
形品中に残留するモノマー量が多い場合には、それが可
塑剤として作用し、耐衝撃性が向上することが知られて
いる。しかし、これは、成形品の耐熱性を落とし、成形
品の酸化劣化を受けやすくするなど、好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況を鑑み、耐衝撃性を損なうことなく、屋外暴露など
による製品表面のつやの保持性に優れたメタセシス架橋
重合体成形物を得るために鋭意検討を行った。その結
果、メタセシス架橋重合体成形物中にある特定の2種類
以上のゴム成分を含有せしめることにより、耐衝撃性を
損なうことなく、製品表面のつやの保持性に優れる成形
物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はメタ
セシス重合性モノマーをメタセシス重合触媒系の共存下
に重合と成型を同時に行って得られるメタセシス架橋重
合体成形物において、該重合体成形物は、(1)ポリ−
1,4−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンランダ
ム共重合ゴムおよびスチレン−ブタジエンブロック共重
合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分
(成分X)を0.5〜8重量%含有し、かつ(2)スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム(成分
Y)を0.5〜12重量%含有する重合体成形物であ
る。
【0007】本発明の重合体成形物は、メタセシス重合
触媒系の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレ
フィンからなるモノマー液(溶液A)とメタセシス重合
触媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状
オレフィンからなるモノマー液(溶液B)とを混合し、
金型内において架橋重合せしめることによって得られた
重合体成形物であることが好ましい。
【0008】本発明における架橋重合体成形物は、メタ
セシス重合触媒系を含有するメタセシス重合性環状オレ
フィンからなるモノマー液を金型内に注入し、その金型
内において重合及び架橋反応せしめることによって得ら
れる。このようなモノマー液は1液であっても、もしく
は2液以上を混合し,金型内に注入しても良い。好まし
くは、メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有するメタ
セシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液A(溶
液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分を含有す
るメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液
B(溶液B)の2液を混合し、その混合液を金型内に注
入する方法が好ましい。さらに上記にメタセシス重合性
環状オレフィンからなるモノマー液を第二成分または第
三成分として混合して注入しても良い。かかるメタセシ
ス重合性環状オレフィンとしては、メタセシス重合性シ
クロアルケン基を分子中に1〜2個含有するものが使用
される。好ましくはノルボルネン骨格を分子中に少なく
とも1つ有する化合物である。
【0009】これらの具体例としては、ジシクロペンタ
ジエン(DCPD)、トリシクロペンタジエン、シクロ
ペンタジエン−メチルシクロペンタジエン共二量体、エ
チリデンノルボルネン(ENB)、ノルボルネン、ノル
ボルナジエン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、
1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a
−オクタヒドロナフタレン、1,4−メタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリ
デン−1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン、エチレ
ンビス(5−ノルボルネン)などを挙げることができこ
れらの混合物も使用することができる。特にジシクロペ
ンタジエンまたはそれを50モル%以上、好ましくは7
0モル%以上含む混合物が好適に用いられる。また、必
要に応じて、酸素、窒素などの異種元素を含有する極性
基を有するメタセシス重合性環状オレフィンを共重合モ
ノマーとして用いることができる。
【0010】本発明におけるゴム成分は前述したように
成分Xおよび成分Yが組合せて使用される。成分Xは、
ポリ−1,4−ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブ
タジエンランダム共重合ゴム(ランダムSBR)および
スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム(ブロックS
BR)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
成分Yはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合ゴム(SIS)である。
【0011】成分Xとしてのポリ−1,4−ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエンランダム共重合ゴム、また
はスチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、成分Yと
してのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
ゴムは、いずれもジシクロペンタジエン97重量%と5
−エチリデンノルボルネン3重量%からなるモノマー溶
液95重量部に対し、5重量部溶解した溶液として30
℃における溶液粘度がいずれも5cps以上3000c
ps以下であることが望ましい。より好ましくは20c
ps以上1500cps以下であることが好ましい。そ
れ以上であるとモノマー溶液への溶解性が低下し、溶解
しにくくなる。それ以下であると耐衝撃性の改善効果が
小さくなり、そのためにゴム成分をより多く加えた場合
には、モノマー溶液への溶解が困難になる、あるいはメ
タセシス架橋重合体本来の性質を損なう恐れがある。
【0012】ゴム成分の添加量としては上記の溶液粘度
となる重合度のゴム成分を用い、使用する溶液の粘度が
所望の粘度となるように添加量を定めればよい。使用す
る溶液の粘度としてはたとえば100cpsから100
0cps、より好ましくは200cps〜700cps
の範囲であることが好ましい。重合体成形品の望まれる
物性や性質を得るための成形品中のゴム成分の好適な添
加量としては、成分Xが0.5〜8重量%、好ましくは
1〜6重量%含有することが望ましい。また成分Yは
0.5〜12重量%、好ましくは1〜8重量%含有する
のが望ましい。添加方法としてはモノマー液にあらかじ
め溶解して用いる。
【0013】モノマー液2液を混合して用いる場合は、
モノマー液A,B液の両方、もしくは片方にゴム成分を
溶解して用いればよい。いずれか一方のモノマー液に片
方のゴム成分を溶解せしめ、もう一方のモノマー液にも
う片方のゴム成分を溶解させて用いても良いが、A,B
液を混合後、注入させることから、A,B液の溶液粘度
を平均化する方が混合しやすく好ましいことから、モノ
マー液の両方に、両方のゴム成分を溶解して用いること
が好ましい。
【0014】メタセシス触媒系としては、触媒成分とし
てタングステン、レニウム、タンタル、モリブデンなど
の金属のハライドやアンモニウムなどの塩類と活性化剤
成分として周期律表第I〜第III族の金属のアルキル
化物を中心とする有機金属化合物とからなる複合触媒、
あるいはルテニウムカルベンからなる触媒が挙げられ
る。前者は触媒成分を含むモノマー液Aと活性化剤成分
を含むモノマー液Bの2液からなり、反応が早く、重合
成形性に優れることから、好ましく用いられる。
【0015】モノマー液A(溶液A)中に含有する触媒
成分としては、タングステン、レニウム、タンタル、モ
リブデンなどの金属のハライドやアンモニウムなどの塩
類が用いられるが、特にタングステン化合物が好まし
い。かかるタングステン化合物としては、タングステン
ヘキサハライド、タングステンオキシハライドなどが好
ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロライ
ド、タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いるこ
とができる。
【0016】かかるタングステン化合物は、直接モノマ
ーに添加すると、直ちにカチオン重合を開始することが
分かっており好ましくない。従って、かかるタングステ
ン化合物は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコール系化
合物および/またはフェノール系化合物を添加すること
によって可溶化させて使用するのが好ましい。さらに上
述した如き好ましくない重合を予防するために、タング
ステン化合物1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基
またはキレート化剤を添加することが好ましい。かかる
添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸アルキル
エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリルなど
を挙げることができる。
【0017】極性基を有するモノマーを用いる場合に
は、前述の如く、そのものがルイス塩基である場合があ
り、上記の如き化合物を特に加えなくてもその作用を有
している場合もある。前述の如くして、触媒成分を含む
モノマー液A(溶液A)は、実質上充分な安定性を有す
ることになる。
【0018】一方、モノマー液B(溶液B)中に含有す
る活性化剤成分としては、周期律表第I〜第III族の
金属のアルキル化物を中心とする有機金属化合物、特に
テトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化合物、アル
キルアルミニウムハライド化合物が好ましく、具体的に
は塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、ジオクチルアルミニウムアイオダイド、テトラブチ
ル錫などを挙げることができる。これら活性化剤成分と
しての有機金属化合物をモノマーに溶解することによ
り、モノマー液B(溶液B)が形成される。これらは前
記溶液Aおよび溶液Bを混合し、金型内に注入すること
によって、架橋重合体成形物を得ることができるが、上
記組成のままでは、重合反応が非常に速く開始されるの
で、成形金型に十分流れ込まない間に硬化が起こること
もあり、問題となる場合が多い。従って、活性調節剤を
用いることが好ましい。
【0019】かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一
般に用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、
ニトリル類などが用いられる。具体例としては安息香酸
エチル、ブチルエーテル、ジグライムなどを挙げること
ができる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の
活性化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いら
れる。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用
する場合には、それに調節剤の役目を兼ねさせることが
できる。
【0020】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜15,000対1、好まし
くは1,500対1〜2,500対1であり、また、活性
化剤成分はアルキルアルミニウム類を用いる場合には、
上記原料モノマーに対するアルミニウム化合物の比率
は、モル基準で約100対1〜10,000対1、好ま
しくは200対1〜1,000対1が用いられる。さら
に上述した如き、マスク剤や調節剤については、簡単な
実験によって上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節
して用いることができる。
【0021】さらに、成形品中に残留モノマーが多い
と、その可塑化作用により、熱変形温度などの耐熱性が
損なわれるために、残留モノマーを低減するためにハロ
ゲン化炭化水素化合物が好適に用いられる。ハロゲン化
炭化水素化合物として好適な例としては、トリクロロメ
チルベンゼン、ω,ω'−ジクロロジフェニルメタン、m
−又はp−ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、ω,ω,
ω’,ω’−テトラクロロ−1,4−ジベンジルベンゼ
ン、ω−クロロジフェニルメタン、ω−クロロトリフェ
ニルメタン、ベンジルクロライド、m−又はp−キシリ
レンジクロライド、トリクロロ酢酸エチル、テレフタル
酸クロライド、イソフタル酸クロライド、o−フタル酸
クロライドなどを挙げることができる。
【0022】この架橋重合体の成形物には、実用に当っ
てその特性を改良または維持するために更にその目的に
応じた各種添加剤を配合することができる。かかる添加
剤としては、充填剤、強化剤、酸化防止剤、熱安定剤、
顔料、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難
燃化剤、発泡剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型
剤、防臭剤、香料または増量剤が挙げられ、これらは単
独のみならず2種以上を組み合せて使用することもでき
る。
【0023】添加の方法としては、予め原料液に混ぜる
ことも、また第3液として重合直前に混合することも、
またあるいは予め成形金型内に充填して置くこともで
き、添加剤の種類により適した方法が選択される。特に
ガラス繊維などの補強剤は、金型内に予めセットしそこ
に混合した液を注入するのが一般的である。本発明の成
形物を成形するための金型の材質としては、スチール、
鋳造あるいは鍛造のアルミニウム、亜鉛合金などの鋳造
や溶射、ニッケルや銅などの電鋳および樹脂などが挙げ
られる。また、型の構造は成形時に型内に発生する圧力
が数kg/cm2と他の成形方法に比べて極めて低いの
で簡単なもので十分であり、従って他の成形方法に比べ
て安価に作ることができる。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例は説明のためのものであって、本発明はこれ
らに限定されない。
【0025】屋外暴露によるつやの保持率は、以下に示
す方法で測定した。JISK−5400記載の方法に準
じて屋外暴露を行った。屋外暴露は山口県岩国市におい
て4月より開始し、60日間暴露した。暴露角度は30
°とした。サンプルの表面のつやについては、財団法人
日本色彩研究所製携帯用鮮明度光沢度計「PGD−I
V」を用い、測定した表面のつやを示す指標としてGd
値により求めた。成形品を成形後遮光した状態として保
存し、1週間以内に屋外暴露を開始した。屋外暴露開始
前と屋外暴露終了後のGd値を測定し、下記式にてつや
の保持率(%)を算出した。 [(屋外暴露開始後Gd値)/(屋外暴露開始前Gd
値)]×100=つやの保持率(%) 使用したゴム成分の性状データは表1に示した。表1中
の溶液粘度は、ジシクロペンタジエン97重量%/エチ
リデンノルボルネン3重量%からならモノマー溶液95
重量部に対し、ゴム成分5重量部を溶解した溶液として
30℃における溶液粘度を測定した結果のことをいう。
【0026】
【表1】
【0027】[実施例1] (モノマー液) (溶液Aの調製)六塩化タングステン28重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン80重量部に添加し、次いでt
−ブタノール1.3重量部をトルエン1重量部に溶解し
た溶液を加え1時間撹拌し、次いでノニルフェノール1
8重量部およびトルエン14重量部よりなる溶液を添加
して5時間窒素パージ下撹拌した。さらにアセチルアセ
トン14重量部を加えた。副生する塩化水素ガスを追い
出しながら窒素パージ下に一晩撹拌を継続し、重合用触
媒溶液を調製した。
【0028】次いで、精製ジシクロペンタジエン(純度
99.7重量%、以下同様)95重量部、精製5−エチ
リデンノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)
5重量部よりなるモノマー混合物に対し、SBR−1
(成分X)を4.5重量部、SIS−1(成分Y)を3.
5重量部、酸化安定剤としてエチル社製エタノックス7
02を1重量部、ω,ω−ジクロロジフェニルメタンを
0.2重量部加えた溶液に上記重合用触媒溶液をタング
ステン含量が0.01M/リットルになるように加えて
触媒成分を含有するモノマー液(溶液A)を調製した。
【0029】(溶液Bの調製)精製ジシクロペンタジエ
ン95重量部、精製5−エチリデンノルボルネン5重量
部よりなるモノマー混合物に対し、溶液Aと同様にSB
R−1(成分X)を4.5重量部、SIS−1(成分
Y)を3.5重量部を溶解した溶液に、トリオクチルア
ルミニウム85、ジオクチルアルミニウムアイオダイド
15およびジグライム100のモル割合で混合調製した
重合用活性化剤混合液をアルミニウム含有が0.03M
/リットルになる割合で添加し、活性化剤成分を含有す
るモノマー液B(溶液B)を調製した。
【0030】(成形)成形用アルミニウム金型により厚
さ×高さ×幅が3mm×500mm×500mmの成形
板を作成した。この金型を使用し、キャビティー型を9
0℃、コア型を60℃に加熱し型を閉じた後、この中へ
RIM(反応射出成形)成形機を利用してミキシングヘ
ッド中で溶液Aと溶液Bを50:50の重量比で衝突混
合し注入した。液注入充填後5分で型を開き架橋重合品
を取り出した。 (耐衝撃性試験)上記成形品を成形後1週間後に23
℃、−30℃におけるノッチ付アイゾットを測定した。
その結果、それぞれの温度で、450J/mおよび24
0J/mであった。 (残留モノマーの測定)上記成形品をカットして約1g
の成形品とし、これを約50mlのトルエン中に3日間
漬けて、成形品中に残留するモノマーを抽出し、ガスク
ロマトグラフィーにより分析することにより、成形品中
に残留するモノマー量を測定した。残留モノマー量は
1.3重量%であった。 (屋外暴露試験)先に述べた方法により、上記の成形品
の屋外暴露を行った結果、屋外暴露によるつやの保持率
は70%であった。
【0031】[実施例2〜8、比較例1〜14]表2に
示すように各種のゴム成分を用いた他は、実施例1と同
様に行った。その結果を表2に示す。表2に示すように
ゴムを含まない場合は、屋外暴露後のつやの保持率は良
好であったが、衝撃強度が低かった。実施例に示すごと
く、ゴム非使用の場合、EPDM、SIS、SBR、B
Rを単独で用いた場合などに比べ、耐衝撃性を損なうこ
となく、つやの保持性に優れている。また、EPDMの
ように耐衝撃性に優れるものとSBRやBRのようにつ
やの保持性に優れるものを単に組合せても、これらを改
善することはできず、本発明の如く特定の組み合わせで
併用することにより耐衝撃性を損なうことなく、つやの
保持性に優れるメタセシス重合成形体が得られることが
理解できる。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、メタセシス架橋重合体
成形物中にある特定の2種類以上のゴム成分を組合せて
含有せしめることで耐衝撃性を損なうことなく、成形品
表面のつやの保持性に優れた成形品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA69 AE22 AF23 AF32 BA02 BB01 BC01 BC03 4J002 AC052 AC082 BP012 BP013 CE001 4J032 CA34 CA35 CA38 CA43 CA46 CB03 CC03 CD03 CD04 CE03 CE06 CE18 CE21 CF03 CG07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合性モノマーをメタセシス
    重合触媒系の共存下に重合と成型を同時に行って得られ
    るメタセシス架橋重合体成形物において、該重合体成形
    物は、(1)ポリ−1,4−ブタジエンゴム、スチレン
    −ブタジエンランダム共重合ゴムおよびスチレン−ブタ
    ジエンブロック共重合ゴムからなる群から選ばれる少な
    くとも一種の成分(成分X)を0.5〜8重量%含有
    し、かつ(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
    ク共重合ゴム(成分Y)を0.5〜12重量%含有する
    重合体成形物。
  2. 【請求項2】 該重合体成形物は、メタセシス重合触媒
    系の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィ
    ンからなるモノマー液(溶液A)とメタセシス重合触媒
    系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オレ
    フィンからなるモノマー液(溶液B)とを混合し、金型
    内において架橋重合せしめることによって得られた請求
    項1記載の重合体成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007272080A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Fujifilm Corp 分解性樹脂組成物及び該組成物を用いたフレキソ印刷用原版

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