JP2002128530A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JP2002128530A
JP2002128530A JP2000319629A JP2000319629A JP2002128530A JP 2002128530 A JP2002128530 A JP 2002128530A JP 2000319629 A JP2000319629 A JP 2000319629A JP 2000319629 A JP2000319629 A JP 2000319629A JP 2002128530 A JP2002128530 A JP 2002128530A
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Takeshi Nomura
剛 野村
Masashi Mashige
雅志 真重
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    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/125Cooling
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
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    • C03B2215/46Lenses, e.g. bi-convex
    • C03B2215/48Convex-concave
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2215/62Vibration-assisted pressing

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 凸メニスカス形状や大口径レンズなど、硝種
や形状、口径によらず、かつ、成形タクトを延ばすこと
なく、成形の冷却工程におけるワレや面精度不良の発生
しない、光学素子の成形方法を提供する。 【解決手段】 ガラス成形品に所要の光学機能面を形成
するための転写面を有する成形型1,2により、加熱軟
化したガラス素材6を押圧変形して、前記転写面から光
学機能面を転写した後、冷却過程において、下型部材2
により成形品6に2000N(ニュートン)の力を加え
ると同時に、加振機10を動作させ、上型部材1にかか
る圧力とともに超音波振動を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱されたガラス
素材を、成形型を用いて、押圧成形して得られる光学素
子の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、研磨工程を必要としないガラ
スレンズの製造方法として、ガラス素材を加熱し、上下
一対の型部材から成る成形型で、押圧(プレス)成形す
る方法が行われており、この方法が非球面レンズなどの
製品を効率良く生産できるため、様々な形状のガラス成
形品への展開が行われている。具体的には、成形が比較
的容易な、小径の凸レンズにとどまらず、メニスカスレ
ンズや大口径レンズなどが成形の対象となっている。ま
た、その成形方法としては、上下一対の型部材の間にガ
ラス素材を供給して、成形型とともにガラス素材を加熱
して、ガラス素材を前記成形型によりプレス変形させ、
各型部材の成形面(転写面)から、ガラス素材に光学機
能面を転写させた後、冷却して、成形型からガラス成形
品を取出しており、冷却の際には、ガラスのヒケ防止の
ために、ガラス成形品に圧力をかけた状態を保持してい
る。なお、あらかじめ加熱されたガラス素材を、成形型
内に供給して、プレス変形と平行して、冷却を行う方法
もある。
【0003】さらに、特開平6−80429号公報で
は、プレス成形中に超音波振動を加えることにより、レ
ンズの硝種、形状、口径によらず、レンズの中心やコバ
部まで、ガラスの充填を促進して、未転写部分の発生を
防ぎ、精度を向上させる方法が提示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、凸メニ
スカス形状のレンズを成形する場合、その硝種や口径、
コバの厚みによっては、成形時にワレ不良が多発し、成
形が困難となる。また、比較的口径の大きなレンズの場
合には、両凸レンズにおいても、アス、クセなどの面精
度の不良が発生し易くなる。
【0005】本発明者は、これらの不良発生について検
討した結果、冷却時の成形型とガラス成形品との収縮量
には差があるため、ガラスの収縮時、成形型による拘束
で、ガラスに過度な応力が発生し、これらの不良が発生
することが解った。つまり、凸メニスカス形状の場合
は、レンズ周辺の肉厚が薄くなるとともに、凸形状の型
に対してガラスの収縮が阻害されるために、ワレが発生
しやすい。また、口径の大きなレンズは、成形型とガラ
ス成形品との収縮差の絶対値が大きくなるため、不均一
な応力が発生しやすくなるのである。
【0006】ところで、冷却時にヒケ防止のために、ガ
ラス成形品に圧力を掛けているが、このことが、成形型
による、ガラスの収縮への拘束を発生させる要因の1つ
となっている。しかし、ヒケ防止のためには、ガラス成
形品に圧力をかけるか、極端に冷却速度を遅くするなど
しなければならない。
【0007】また、特開平6−80429号公報につい
ても、ガラス充填の促進を目的としていて、本発明の課
題について、上記不良に対する有効な技術を開示しては
いない。
【0008】そこで、以下に述べる本発明では、凸メニ
スカス形状や大口径レンズなど、硝種や形状、口径によ
らず、かつ、成形タクトを延ばすことなく、成形の冷却
工程におけるワレや面精度不良の発生しない、光学素子
の成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ガラス成形品に所要の光学機能面を形
成するための転写面を有する成形型により、加熱軟化し
たガラス素材を押圧変形して、前記転写面から光学機能
面を転写し、冷却した後に、成形後のガラス成形品を前
記成形型から取出す光学素子の成形方法において、その
ガラス成形品の冷却過程に、前記ガラス成形品に対して
超音波振動を加えることを特徴とする。
【0010】従って、成形型とガラスの密着力が大きい
ために、冷却時の成形型による、ガラスの収縮への拘束
が大きくなる場合でも、これを緩和し、面精度を保持し
つつも、冷却時の成形型の成形面とガラスとの滑り性を
確保して、ガラスへの過度な応力の発生を防ぐことがで
きる。
【0011】この場合、本発明の実施の形態として、ガ
ラス素材の押圧変形が終了した後に、前記ガラス成形品
に対して超音波振動を加える際にも、前記成形型による
前記ガラス成形品への加圧保持をすること、更には、前
記加圧保持および超音波振動は、ガラスの粘度が109
〜1014ポアズの範囲内で継続されることが有効であ
る。
【0012】これにより、成形型とガラスとの密着力が
比較的小さく、冷却時に成形型からガラスへの圧力を掛
けて置かないと、ヒケを生ずるような場合でも、ガラス
への圧力を掛けつつ、成形型による、ガラスの収縮への
拘束を緩和できるため、前述と同様に、面精度を保持し
つつ、ガラスへの過度な応力の発生を防ぐことができ
る。
【0013】また、本発明では、前記成形型は、上下一
対の型部材から構成され、加熱軟化したガラス素材を押
圧変形して、ガラス素材に対して光学機能面を転写し、
その後に冷却し、前記成形型を開放してガラス成形品を
取出す光学素子の成形方法において、前記超音波振動
は、上下両方の型部材に対して加えることを特徴とす
る。
【0014】従って、成形型とガラスとの滑り性を、レ
ンズの両面において確保することができ、ガラスへの過
度な応力の発生についても、両面から防ぐことができ
る。
【0015】この場合、本発明の実施の形態として、上
下両方の型部材に加える超音波が、同じ周波数でかつ互
いに逆方向に作用する位相の超音波であり、これらを、
上下同時に加えるのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1〜図3を参照して、具体的に説明する。なお、図1は
第1の実施例における、光学素子の成形方法を実施する
装置の縦断面図であり、図2はそのプロセスを示すグラ
フである。また、図3は本発明の第3の実施例におけ
る、上下軸での超音波振動の位相を表すグラフである。
【0017】図1において、胴型4の中心軸上には、こ
の胴型4を上下に貫通した状態で、貫通穴が形成されて
いる。これらの貫通穴の内、上側の貫通穴には、上型部
材1が、上下方向に沿って摺動可能に挿入されている。
上型部材1の上端部には、フランジ部1bが形成されて
おり、このフランジ部1bの下面が胴型4の上面に当接
することにより、上型部材1の下方へのプレスストロー
クが規定されている。
【0018】また、上型部材1の下面には、ガラス素材
を押圧して、その表面に所望の光学機能面を転写するた
めの成形面1aが形成されている。なお、上型部材1の
上方には、ガラス素材に印加するプレス圧を発生させる
ための駆動源(図示せず)およびプレス圧を伝える上軸
11が配置されており、上軸11の途中には、加振機1
0が取り付けられている。
【0019】また、胴型4の上部には、上型部材1を加
熱するためのヒータ7が内設されている。一方、胴型4
の下側の貫通穴には、下型部材2が上下方向に沿って摺
動可能に挿入されている。下型部材2の下面は、通常、
胴型4が載置されている支持基板5の上面に当接してい
て、この支持基板5により、上型部材1から成形品6を
介して、下型部材2に加えられる下方へのプレス圧を受
けられるように構成してある。また、成形品6の厚み
は、前述のように、上型部材1のフランジ部1bの下面
が胴型4の上面に当接することにより規定され、成形す
る毎に、成形品6の厚みが変化しないようになされてい
る。
【0020】また、下型部材2の上面には、ガラス素材
の下面に所望の光学機能面を転写するための成形面2a
が形成されており、下型部材2の下部には、駆動源(図
示せず)とこれに接続した下軸12とが設置されてい
る。なお、下型部材2の下部の駆動源は、押圧変形動作
が終了した後の冷却過程において、プレス圧を下型部材
2に印加して、成形品6の面や形状が崩れるのを防止す
るためのものである。また、胴型4の下部には、下型部
材2を加熱するためのヒータ8が内設されている。
【0021】次に、上記のように構成された装置によ
り、レンズを成形する手順について説明する。まず、上
型部材1側の駆動源を引き込み動作させて、上型部材1
を胴型4に対して上方にスライドさせ、下型部材2から
逃がしておく。この状態において、胴型4の開口部4a
より、搬送部材(図示せず)を介して、ガラス素材を下
型部材2の成形面2a上に供給する。このとき、上型部
材1および下型部材2は、ヒータ7、8により、所定の
成形条件に対応した温度に調整されている。
【0022】ガラス素材が、下型部材2の成形面2a上
に供給されると、胴型4の開口部4aより加熱部材(図
示せず)が挿入され、ガラス素材の加熱を行う。なお、
このガラス素材は、型外であらかじめ加熱されたものを
型内に供給するようにしてもよい。
【0023】上型部材1、下型部材2およびガラス素材
が所定の温度に到達すると、加熱部材(図示せず)が胴
型4の外側に退避し、直ちに、上型部材1側の駆動源を
押し出し動作させて、ガラス素材の押圧成形を行う。そ
して、上型部材1のフランジ部1bの下面が胴型4の上
面に当接することにより、上型部材1でのガラス素材の
変形動作が終了し、所望の成形品形状が得られるととも
に、成形品の肉厚が決定される。
【0024】その後、冷却工程へ移り、成形型へのN2
ガスの吹き付けなどによって、冷却が促進されるが、成
形型が所望の温度まで冷却されたとき、成形品6の面形
状が崩れないように、下型部材2側の駆動源を押し出し
動作させ、下型部材2により成形品6の下方から圧力を
印加する。その際に、同時に上軸11に取り付けてある
加振機10を動作させて、超音波振動を上型に加えるよ
うにする(図2を参照)。その時の超音波振動は、レン
ズの形状や口径によっても異なるが、例えば、以下に示
す実施例のように、振動数10KHz、振幅0.1μm
程度で行う。
【0025】この状態で冷却を続け、更に所定の温度ま
で到達したときに、下型部材2側の駆動源を引き込み動
作させて、下型部材2による圧力を解除するが、加振機
10は動作したままとする。更に、冷却を行い、所定の
温度まで到達したときに、加振機10の動作を止め、上
型部材1側の駆動源を引き込み動作させて、上型部材1
を上方に移動させ、成形品6を搬送部材(図示せず)を
介して、胴型4の開口部4aより外部に取り出す。この
ようにして、レンズを成形するのである。
【0026】
【実施例】(実施例1)ここで、カメラに使用されるレ
ンズを例に、詳細な成形条件の説明を行うことにする。
なお、ガラス素材には、ランタン系ガラス(屈折率1.
73、アッベ数40.6、転移点497℃)で、溶融ガ
ラスを滴下固化したファインゴブを使用し、下面側:凸
非球面(近似R15mm)、上面側:凹R40で、外径
=φ16mm、中心肉厚=2.5mmの凸メニスカスレ
ンズを成形する。
【0027】まず、下型部材2の成形面2a上にガラス
素材を投入し、上型部材1および下型部材2の温度が5
60℃(109.0 ポアズ相当)になり、かつ、ガラス素
材の温度も560℃(109.0 ポアズ相当)になった時
点で、上型部材1側の駆動源を、2900N(ニュート
ン)の力で、60sec間、動作させ、上型部材1の押
し込み動作を終了する。なお、その後も、胴型4に突き
当てた状態の、上型部材1の圧力は、そのまま保持して
おく。
【0028】その後、冷却を開始し、まず、530℃
(1010.4ポアズ相当)になった時点で、下型部材2に
より成形品6に2000N(ニュートン)の力を加える
と同時に、加振機10を動作させ、上型部材1にかかる
圧力とともに超音波振動を与える。次に、この状態のま
ま冷却を続け、475℃(1013.5ポアズ相当)になっ
た時点で、下型部材2の圧力を解除した。そして、さら
に450℃(1015.1ポアズ相当)まで冷却し、加振機
10による超音波振動を解除した後、上型部材1を上昇
させて型を開き、成形品6の取出しを行った。
【0029】上記のような一連の動作により、レンズの
成形を200ショット行ったところ、冷却中のワレ不良
の発生はなく、また、ヒケも発生せずに、良好な面精度
の成形品を得ることができた。因みに、冷却中に、加振
機10による超音波振動を与えないで成形した場合は、
7割以上の確立でワレが発生した。
【0030】(実施例2)次に、実施例2について説明
する。ここでは、前述の実施の形態における成形装置を
使用し、ガラス素材には、重クラウンガラス(屈折率:
1.58、アッベ数:59.4、転移点:506℃)を
使用して、下面側:凸R=62mm、上面側:凸非球面
(近似R=96mm)で、外径=φ34mm、中心肉厚
=5.4mmの両凸レンズを成形する。
【0031】まず、下型部材2の成形面2a上にガラス
素材を投入し、上型部材1および下型部材2の温度が5
80℃(109.0 ポアズ相当)になり、かつ、ガラス素
材の温度も580℃(109.0 ポアズ相当)になった時
点で、上型部材1側の駆動源を5900N(ニュート
ン)の力で、60sec間、動作させ、上型部材1の押
し込み動作を終了する。なお、その後も胴型4に突き当
てた状態での、上型部材1への圧力は、そのまま保持し
ておく。
【0032】その後、冷却を開始し、まず、560℃
(109.8 ポアズ相当)になった時点で、下型部材2に
より、成形品6に4900N(ニュートン)の力を加え
ると同時に、加振機10を動作させ、上型部材1にかか
る圧力とともに超音波振動を与える。次に、この状態の
まま冷却を続け、490℃(1013.5ポアズ相当)にな
った時点で、下型部材2の圧力を解除すると同時に、加
振機10による超音波振動も解除した。そして、さらに
470℃(1015.2ポアズ相当)まで冷却した後、上型
部材1を上昇させて型を開き、成形品6の取出しを行っ
た。
【0033】上記のような一連の動作により、レンズの
成形を200ショット行い、成形品の面精度を干渉計で
測定したところ、アス・クセはすべてニュートン縞で
0.5本以内に収まっており、良好な面精度の成形品を
得ることができた。因みに、冷却中に、加振機10によ
る超音波振動を与えないで成形した場合は、9割以上の
確率で、ニュートン縞:1.5本以上のアスや部分的な
クセが発生した。
【0034】(実施例3)次に、実施例3について説明
する。実施例1で使用したのと、ほぼ同様の成形装置を
使用するが、ここでは、加振機10が上軸11と同様、
下軸12にも設けてあり、上下両方の型部材から成形品
6への超音波振動が加えられる。また、最適な超音波振
動の加え方は、レンズの形状や口径によっても異なる
が、ここでは上下の超音波振動の周波数は同じとし、図
3に示すように、上型部材の振幅が最下端の時に、下型
部材の振幅が最上端となり、上型部材の振幅が最上端の
時に下型部材の振幅が最下端となるように、同期できる
ようにしてある。
【0035】なお、上下両方の型部材から成形品6への
超音波振動を加えるようにした理由は、上型部材1だけ
から超音波振動を加えた場合、成形品6が上型部材1か
ら剥れると、成形品6の下面側への振動が伝わらなくな
るため、下型部材2による成形品収縮に対する拘束を防
ぐことができなくなるからである。また、両凹レンズを
成形する場合などは、形状的に両面からガラスの収縮を
型が拘束する形となるため、両方からの超音波振動が有
効となる。また、上述のように上下の振動を同期させた
理由は、それぞれの振動が相殺されることなく、成形品
に十分に振動が伝わるようにするためである。
【0036】次に、上記のように構成された装置によ
り、レンズを成形する手順について説明するが、冷却時
に成形品6へ超音波振動を与える際、上下両方の軸の加
振機を動作させて超音波振動を発生させることと、実施
例2と同じく、超音波振動を解除するタイミングを下型
部材2の圧力を解除するのと同時に行うこと以外は、実
施例1と全く同じであるため、その説明を省略する。
【0037】ここで、実施例1と同様に、カメラに使用
されるレンズを例に、詳細な成形条件の説明を行うこと
にする。なお、ガラス素材には、ランタン系ガラス(屈
折率1.68、アッベ数54.9、転移点562℃)を
使用し、下面側で凹非球面(近似R=74mm)、上面
側で凹R=54mmで、外径=φ22mm、中心肉厚=
2.6mmの両凹レンズを成形する。
【0038】まず、下型部材2の成形面2a上にガラス
素材を投入し、上型部材1および下型部材2の温度が6
25℃(109.0 ポアズ相当)になり、かつ、ガラス素
材の温度も625℃(109.0 ポアズ相当)になった時
点で、上型部材1側の駆動源を3900N(ニュート
ン)の力で、60sec間、動作させ、上型部材1の押
し込み動作を終了する。なお、その後も、胴型4に突き
当てた状態の、上型部材1の圧力は、そのまま保持して
おく。
【0039】その後、冷却を開始し、まず610℃(1
9.6 ポアズ相当)になった時点で下型部材2により、
成形品6に2900N(ニュートン)の力を加えると同
時に、上軸11と下軸12に取り付けてある2つの加振
機10を動作させ、上型部材1および下型部材2より印
加される圧力とともに、それぞれ、超音波振動を与え
る。次に、この状態のまま冷却を続け、540℃(10
14.0ポアズ相当)になった時点で、下型部材2の圧力を
解除すると同時に、上下両方の加振機10による超音波
振動も解除した。そして、さらに530℃(1014.9
アズ相当)まで冷却した後、上型部材1を上昇させて型
を開き、成形品6の取出しを行った。
【0040】上記のような一連の動作により、レンズの
成形を200ショット行い、成形品の面精度を干渉計で
測定したところ、アスは発生せず、クセは両面とも、す
べてニュートン縞で0.5本以内に収まっており、良好
な面精度の成形品を得ることができた。因みに、冷却中
に、加振機10による超音波振動を与えないで成形した
場合は、ほぼ、すべての成形品の両面に、ニュートン縞
1本以上の周辺ダレのクセが発生した。
【0041】(他の実施例)上述の実施例においては、
いずれも一対の成形型を用いたレンズの成形方法を例に
説明しているが、これに限らず、複数の型を用いて、プ
リズムなどの多面光学素子を成形する場合にも、本発明
は適用できるものである。
【0042】また、成形品に加える振動の方向は、縦方
向だけでなく、横方向に加えてもよく、実施例3で、上
下両方の型部材から振動を加える場合でも、上型部材が
右方向に移動するときに、下型部材は左方向へ移動する
ように、振動のタイミングの同期をとることもできる。
【0043】さらに、実施例3のように、上下両方の型
部材から振動を加える方法では、冷却時のみならず、ガ
ラスのプレス変形時に超音波振動を与えてもよい。この
場合、上下の型部材の超音波振動を調整することによ
り、プレス変形時のガラス上下面の滑り性を変化させる
ことができるため、例えば、ガラスの上面側に対する下
面側の展延状態を制御することなどが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
冷却時のガラスに超音波振動を加えるようにしたため、
冷却時の成形型とガラスとの摩擦力や密着力を低減する
ことができ、これにより、ガラスの収縮を阻害する力を
低減できるため、ガラスに過度な応力を発生させること
がない。よって、冷却時に発生するワレ不良や、アス、
クセなどの面精度不良を防ぐことができる。
【0045】また、押圧変形が終了した後の、冷却時の
加圧保持したガラスに、超音波振動を加えることで、冷
却時の圧力をガラスに加えつつ、成形型とガラスとの摩
擦力や密着力を低減することができるから、上記と同様
な効果が得られるとともに、ヒケの発生を防止する。
【0046】更には、上下両方の型からガラスへ超音波
振動を与えるようにし、また、上下同じ周波数で、か
つ、互いに逆方向に作用する位相とすることで、ガラス
の上下両面に確実に振動が伝わり、成形型とガラスとの
滑り性を、レンズの両面において確保することができ
る。よって、ガラスの過度な応力の発生も両面から防ぐ
ことができ、特に、凹レンズなど両面にクセの発生し易
い形状のレンズにおいても、両面ともに良好な面精度の
レンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施の形態における、光学素子
の成形方法を実施する装置の縦断面図である。
【図2】本発明の実施例1における、光学素子の成形方
法を示すプロセス線図である。
【図3】本発明の実施例3における、上下軸での超音波
振動の位相を表すグラフである。
【符号の説明】 1 上型部材 2 下型部材 1a,2a 成形面 1b フランジ部 4 胴型 4a 開口部 5 支持基板 5a 貫通穴 6 成形品 7,8 ヒータ 10 加振機 11 上軸 12 下軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス成形品に所要の光学機能面を形成
    するための転写面を有する成形型により、加熱軟化した
    ガラス素材を押圧変形して、前記転写面から光学機能面
    を転写し、冷却した後に、成形後のガラス成形品を前記
    成形型から取出す光学素子の成形方法において、そのガ
    ラス成形品の冷却過程に、前記ガラス成形品に対して超
    音波振動を加えることを特徴とする光学素子の成形方
    法。
  2. 【請求項2】 ガラス素材の押圧変形が終了した後に、
    前記ガラス成形品に対して超音波振動を加える際にも、
    前記成形型による前記ガラス成形品への加圧保持をする
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記加圧保持および超音波振動は、ガラ
    スの粘度が109 〜1014ポアズの範囲内で継続される
    ことを特徴とする、請求項2に記載の光学素子の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 前記成形型は、上下一対の型部材から構
    成され、加熱軟化したガラス素材を押圧変形して、ガラ
    ス素材に対して光学機能面を転写し、その後に冷却し、
    前記成形型を開放してガラス成形品を取出す光学素子の
    成形方法において、前記超音波振動は、上下両方の型部
    材に対して加えることを特徴とする、請求項1ないし3
    の何れか1項に記載の光学素子の成形方法。
  5. 【請求項5】 上下両方の型部材に加える超音波が、同
    じ周波数でかつ互いに逆方向に作用する位相の超音波で
    あり、これらを、上下同時に加えることを特徴とする、
    請求項4に記載の光学素子の成形方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011256087A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Toshiba Mach Co Ltd ガラス成形装置及びガラス成形方法
JP2012201518A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Olympus Corp ガラス光学素子の製造方法
JP2013249242A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Canon Inc 光学素子の製造方法

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