JP2002128516A - 疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材 - Google Patents
疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材Info
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Abstract
カ湿潤ゲルを乾燥するには、シリル化剤などを用いた疎
水化処理工程が必要であり、前工程としてシリル化剤が
反応しない溶媒に置換する工程が必要であった。 【解決手段】 水を保持する湿潤ゲルに、水溶性溶媒、
非水溶性溶媒および疎水化剤を混合してなる疎水化処理
液中で疎水化処理を施し、溶媒置換を省略または簡略化
させ、さらに疎水化ゲルを臨界点未満の条件で乾燥して
低密度乾燥ゲルを効率よく得ることができる。
Description
よび触媒担体などに用いられる低密度の疎水化された乾
燥ゲルを製造するための湿潤ゲルの疎水化方法および疎
水化された乾燥ゲルの製造方法、および疎水化された乾
燥ゲルを用いた断熱材に関する。
るために用いる湿潤ゲルは、一般的に表面積が大きく、
同時に密度が低い方が好ましい。湿潤ゲルは、乾燥時
に、ゲル孔中の毛管力によって収縮を起こす。この収縮
を抑えて乾燥させる方法として、主として二つの方法が
知られている。その第一番目の方法は、超臨界乾燥法で
ある。臨界点以上の圧力、温度で乾燥することで、乾燥
時に気液界面が形成されない。このため、毛管力が生じ
ず、収縮を起こさずに乾燥できる。この方法は、キスラ
ーによりアルコールの超臨界乾燥を用いる方法として開
発され(ジャーナル オブ フィジカルケミストリー、
36巻、52〜64頁、1932年)、後にハントらに
より、二酸化炭素を用いた超臨界乾燥へと発展した(米
国特許第4610863号)。第二番目の方法として、
ゲル表面を疎水化することによって、毛管力を減少させ
て乾燥させる方法(米国特許3015645;ジャーナ
ル オブ ノン−クリスタライン ソリッド、186
巻、104〜112頁、1995年)が知られている。
力条件で行うために、設備が高価なものになるという問
題があった。また、ゲルを疎水化する方法は、上記の設
備を必要としないものの、疎水化にクロロシラン化合物
またはジシラザン化合物などの水と反応しやすい化合物
を用いるために、疎水化処理に先んじて、ゲル中の水を
前記の化合物と反応しない溶媒と置換する必要があっ
た。このために工程が長くなり生産効率が低下するとい
う問題があった。また、得られる乾燥ゲルの疎水性が保
持される耐熱温度が低いという問題があった。したがっ
て、本発明の目的は、超臨界乾燥法を用いることなく、
かつ疎水化処理時の余分な溶媒置換を簡略にする湿潤ゲ
ルの疎水化方法、および当該方法により得られ、疎水性
が高い温度まで保持される耐熱性の高い乾燥ゲルを用い
た断熱材を提供することにある。
を保持し表面に水酸基を有する湿潤ゲルを、疎水化剤を
溶解した水溶性溶媒および非水溶性溶媒を含む疎水化処
理液に浸漬することにより、前記水酸基に前記疎水化剤
を反応させて前記湿潤ゲルを疎水化することを特徴とす
る湿潤ゲルの疎水化方法に関する。
ルまたは低級カルボン酸であるのが有効である。前記疎
水化方法においては、前記疎水化処理液への浸漬時に、
前記湿潤ゲルから水を分離させて前記疎水化処理液と混
じらない水相を形成するのが有効である。前記水溶性溶
媒と前記非水溶性溶媒の体積比率が1/2以上であるの
が有効である。前記疎水化剤がシリル化剤であるのが有
効である。
料混合物をゲル化させることで、溶媒として水を含み表
面に水酸基を有する湿潤ゲルを得る工程、および(b
1)前記工程(a1)の後、前記湿潤ゲル中に保持され
た溶媒を溶媒置換を行うことによって前記湿潤ゲル中の
水を除く工程を経ることなく、上記湿潤ゲルの疎水化方
法により疎水化を行う工程を含むことを特徴とする疎水
化された湿潤ゲルの製造方法に関する。
原料混合物をゲル化させることで、溶媒として水を含み
表面に水酸基を有する湿潤ゲルを得る工程、(b2)工
程(a2)に引き続き、前記湿潤ゲル中に保持された溶
媒を非水溶媒に置換することによって、前記湿潤ゲル中
に保持された水の体積を、前記湿潤ゲルが保持する溶媒
の体積の1/5〜1/2の範囲にする工程、および(c
2)工程(b2)に引き続き、上記湿潤ゲルの疎水化方
法により疎水化を行う工程を含むことを特徴とする疎水
化された湿潤ゲルの製造方法に関する。
混合溶液を保持する疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法で
あって、前記湿潤ゲルを非水溶性溶媒中に浸漬すること
で、前記湿潤ゲル中での水の溶解度を低減させて水を前
記湿潤ゲルの外部へ排出して分離した後、前記湿潤ゲル
の内部の溶媒を蒸発させて除去することを特徴とする疎
水化された湿潤ゲルの乾燥方法に関する。
混合溶液を保持する疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法で
あって、前記水溶性溶媒の蒸気の雰囲気で前記湿潤ゲル
を乾燥させて水を優先的に蒸発させて除去した後、前記
雰囲気の水溶性溶媒の蒸気圧を低下させて前記湿潤ゲル
内部に残存した水溶性溶媒を蒸発させて除去することを
特徴とする疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法にも関す
る。
化された湿潤ゲルの製造方法により前記湿潤ゲルを得る
工程、および(b3)前記湿潤ゲルから、前記湿潤ゲル
が含む溶媒の臨界点未満の温度と圧力条件で乾燥する工
程を含むことを特徴とする疎水化された乾燥ゲルの製造
方法に関する。
た湿潤ゲルの製造方法により前記湿潤ゲルを得る工程、
および(b3)上記疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法に
より、前記湿潤ゲルを乾燥する工程を含むことを特徴と
する疎水化された乾燥ゲルの製造方法に関する。
ルの製造方法により得られ、50〜300kg/m3の
みかけ密度と、350℃までの範囲で疎水性を維持し得
る耐熱性とを有することを特徴とする疎水化された乾燥
ゲルを用いた断熱材に関する。
る。本発明の特徴は、疎水化にあたって、水を含む溶媒
を保持しつつ表面に水酸基を有するゲルを、非水溶性溶
媒と水溶性溶媒との混合溶媒に疎水化剤を溶解させた疎
水化処理液中で疎水化処理することである。図1に、湿
潤ゲルを疎水化および乾燥する工程を説明するための図
を示す。図1に示すように、水分子2を含む湿潤ゲル1
を、水溶性溶媒3および非水溶性溶媒4からなる混合溶
媒と疎水化剤5とを含む疎水化処理液中に浸す。
含んでいてもよい。この有機溶媒はゲルの製造方法の制
約からアルコールなどの水溶性溶媒であることが多い
が、これらに制限されるものではない。このとき、疎水
化処理液の溶媒が非水溶性溶媒だけであれば、疎水化剤
はほとんどゲル中の水を含む溶液に溶解しないために疎
水化が進行しない。しかし、前記疎水化処理液は水溶性
溶媒を含むために湿潤ゲル中の水を含む液体と混ざる。
同時に、疎水化剤もゲル中の液体に溶解するため疎水化
が進行する。
だけの場合、疎水化の進行が抑制される。これは、後述
するように、主要な疎水化剤が水と反応することによっ
てその疎水化能力が低下するためである。しかし、本発
明における疎水化処理液中には非水溶性溶媒が含まれる
ため、疎水化処理液のゲル中への過剰な溶解は抑制さ
れ、水との反応により失われる疎水化剤の量が低減され
る。
疎水化方法では、水溶性溶媒と非水溶性溶媒のどちらか
が極端に多いということがないのが好ましい。疎水化処
理液中に水溶性溶媒と非水溶性溶媒がある程度バランス
良く含まれると、疎水化処理液とゲル中の液体は、完全
に均一な溶液とはならず、図1に示すように、非水相8
と水相9を形成し、湿潤ゲル1は主として水相9中に存
在する状態となる。
水の表面張力は他の溶媒の表面張力に比較して格段に大
きいため、乾燥時にはなるべく水を除くことが望まし
い。一方、図1に示すように疎水化時に相分離が起きて
ゲルの外部に水相9が形成される場合は、ゲル中に残る
水の量も減少する。この場合、ゲルが保持する液体の表
面張力が低下して乾燥時の収縮が抑制され、低密度の乾
燥ゲルを得ることが容易になるという効果が得られる。
らに疎水化の効率を上げるためには、多くの場合水溶性
溶媒の量を増やして疎水化剤のゲル内溶液への溶解度を
高めるのが効果的である。なかでも、水溶性溶媒と非水
溶性溶媒の体積比が1/2以上に水溶性溶媒量を増やし
て、疎水化処理液を調製するのが好ましい。本発明に用
いられる疎水化剤としては、反応性が高い点からシリル
化剤が好ましく、例えばジシラザン化合物、クロロシラ
ン化合物およびアルコキシシラン化合物などがあげられ
る。
は、反応性が高いために好ましく、直接ゲル表面のシラ
ノール基と反応する。また、ジシラザン化合物およびア
ルコキシシラン化合物も、直接ゲル表面のシラノール基
と反応する。また、クロロシラン化合物、ジシラザン化
合物およびアルコキシシランは、水との反応により、対
応するシラノール化合物に変換され、前記シラノール化
合物も、シリル化剤として表面のシラノール基と反応す
るが、反応性は低下する。疎水化時の反応性が高く入手
も容易であるため、クロロシラン化合物が最もよく用い
られるが、上述のように加水分解によって疎水化時の反
応性が低下し、疎水化能力も低くなるため、加水分解し
ない状態で使用することが好ましい。
チルトリクロロシランおよびジメチルジクロロシランな
どのクロロシラン化合物、ヘキサメチルジシラザンなど
のシラザン化合物、メトキシトリメチルシラン、エトキ
シトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメ
トキシジエチルシランおよびジエトキシジメチルシラン
などのアルコキシシラン化合物に代表されるシリル化剤
が好適に用いることができる。これらを用いれば、シリ
カ湿潤ゲル表面にトリメチルシリル基などの有機シリル
基を導入することで疎水化が進行する。
リル化剤を用いれば、疎水性が強くなり非常に効果的で
ある。例えば、パーフルオロアルキル基を有したクロロ
シラン類を好適に用いることができる。また、疎水化剤
としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレング
リコールおよびグリセロールなどのアルコール類の他、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸およびコハク酸などのカルボ
ン酸なども用いることができる。これらは、ゲル表面の
水酸基と反応してエーテルまたはエステルを形成するこ
とで疎水化を進めるが、反応が比較的遅いため高温の条
件が必要である。
媒としては、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトンやエーテ
ルの他、メタノール、エタノール、プロパノールおよび
ターシャリ−ブタノールなどの低級アルコール、蟻酸、
酢酸およびプロピオン酸などの低級カルボン酸も用いる
ことができる。上記のアルコールおよび酸は、既に述べ
たように、疎水化剤としても作用する。ただし、低級ア
ルコールは、水溶性溶媒として働き疎水化剤のゲル内へ
の溶解を進めることで疎水化を進めるものの、疎水化剤
と反応したり、シリル化剤などの疎水化剤で達成された
疎水性能を劣化させることがある。そのため、水溶性の
ケトン、または水溶性のエーテルもしくは低級カルボン
酸を用いることがより好ましい。具体的には、上述した
アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、酢酸、プロピオン酸などを用い
ることができる。
媒は、その表面張力の小さい方が、毛管力が小さくなる
ため、収縮を起こしにくく有利である。したがって、乾
燥する際に、表面張力の低い液体を添加することも効果
がある。本発明で好適に用いられるこのような非水溶性
溶媒としては、官能基を含まない炭化水素、フッ素化さ
れた炭化水素、エーテル、アルコールの他、アルキルシ
ラン、ジメチルポリシロキサンなどのケイ素化合物が好
ましい。特に沸点での表面張力が0.016N/m以下
の液体が好ましい。これを満たす液体としては、デカ
ン、ノナン、オクタン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン
およびブタンなどの環状構造を有しない炭化水素、なら
びにその異性体がある。
物(HFC)であるHFC−134a、HFC−152
aおよびオクタフルオロシクロペンタンなど、ハイドロ
フルオロエーテル化合物(HFE)であるノナフルオロ
ブチルメチルエーテルおよびノナフルオロブチルエチル
エーテルなど、フルオロアルコールであるヘキサフルオ
ロイソプロパノールなど、アルキルシランであるテトラ
メチルシランなど、ジメチルポリシロキサンであるヘキ
サメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキ
サンおよびオクタメチルトリシロキサンなどがある。
びクロロシラン化合物などの疎水化剤は、水と反応して
その疎水化能力が低下する。そこで、従来は疎水化剤と
水との反応を回避するために、図2の溶媒置換工程に示
すように、疎水化工程の前工程として、湿潤ゲル1中の
水(水分子)2を、疎水化剤と相溶性のある溶媒10で
置換していた。これにより、溶媒置換された湿潤ゲル1
1が得られる。その後、疎水化剤5を加えて、前記疎水
化剤を湿潤ゲルの表面の水酸基と化学的に反応させて有
機シリル基を導入することにより、疎水化された湿潤ゲ
ル(シリル化剤と相溶性のある液体を含んでいる)6を
得ていた。なお、図2は、湿潤ゲルを溶媒置換、疎水化
および乾燥する工程を説明するための図である。
法を用いれば、上記の溶媒置換の工程を省略することが
できる。これが、本発明における第一の疎水化された湿
潤ゲルの製造方法であり、水を含むゲル原料混合物をゲ
ル化させることにより得られた湿潤ゲルを溶媒置換を行
わずに、本発明の湿潤ゲルの疎水化方法により疎水化す
ることが特徴である。また、溶媒置換を簡略化させるこ
とも可能であり、それが本発明の第二の疎水化された湿
潤ゲルの製造方法である。具体的には、水を含むゲル原
料混合物をゲル化させることにより得られた湿潤ゲル
を、簡略な溶媒置換の後に水が残った状態で、既に述べ
た本発明の湿潤ゲルの疎水化方法を用いて、疎水化処理
を行う。これらの方法により、効率よく疎水化された湿
潤ゲルを得ることが可能となる。
りゲル中の水が減少して、水との反応により反応性の低
下する疎水化剤量が減少するために、疎水化に必要な疎
水化剤の量も低減される。例えば、湿潤ゲルが水性ゲル
の場合、ゲルの保持する水の量を20%程度に削減する
と必要な疎水化剤を50%程度にまで低減することがで
きる。しかし、従来行われていたように溶媒置換を長時
間繰り返して水を完全に除去しても、疎水化剤量は20
〜30%程度にしか減らすことができない。したがっ
て、溶媒置換の効率を考慮すれば、水の量を20%程度
にまで削減する簡略な溶媒置換が有効となる。上記の本
発明の湿潤ゲルの製造方法で用いられるゲル原料混合物
とは、後で述べるゲル原料と必要に応じてゲル化触媒や
溶媒を含む混合物であり通常溶液あるいはエマルジョン
である。
本発明の疎水化方法によって、ゲル表面の水酸基に疎水
化剤が反応することで疎水化が進行する。しかし、乾燥
時に収縮が抑えられて低密度の乾燥ゲルを得るために
は、ゲルの収縮を引き起こす毛管力を小さくするために
ゲル内部に保持されている液体の表面張力を低くするこ
とが必要である。既に述べたように、水の表面張力は、
0.072N/m(25℃)であり他の液体、例えば汎
用的な有機溶媒であるトルエン0.027N/m(30
℃)、エタノール0.021N/m(25℃)等に比較
して格段に大きい。従って、乾燥時にゲル中の水の割合
を低減することが非常に重要である。
ず疎水化された湿潤ゲルを非水溶性溶媒中に浸漬する。
湿潤ゲル中には水が水溶性溶媒とともに含まれている
が、上記の浸漬操作で非水溶性溶媒がゲル中の液体と混
じることにより水の溶解度が減少し、ゲル外部へ水相と
して分離する。このため、ゲルが保持する液体の表面張
力が減少する。しかも、この水相の分離は、ゲル内部の
溶媒置換のような長時間を必要とせず、数分程度の非常
に短い時間で終了する。このように簡便な水相分離の工
程を入れることで、ゲルが保持する液体の表面張力を短
時間で低下させることが可能となり、引き続き加熱など
によりゲル内部の液体を蒸発除去することで収縮を抑え
た乾燥ゲルを得ることができる。このように通常の溶媒
置換を行って水を除くよりも効率よく低密度乾燥ゲルを
得ることができる。
分離の工程後も多少の水がゲル内に残存するが、そのよ
うな場合でも水溶性溶媒が、ノルマルプロパノール、イ
ソプロパノールまたはターシャリ−ブタノールのような
界面活性剤的な作用を有する化合物の場合には、少量で
水を含有する液体の表面張力を低下させる効果があり好
ましい。例えば、ノルマルプロパノールはモル比で10
mol%強混ぜるだけで、表面張力が0.072N/m
から0.025N/m程度まで低下する。
水化された湿潤ゲルを、まず前記のゲルが含む水溶性溶
媒の蒸気の雰囲気で乾燥させる。例えば、水溶性溶媒の
加熱蒸気を流通させる雰囲気でゲルを加熱する。この
際、ゲル中の水溶性溶媒は蒸発するが、流通させる蒸気
中からの凝縮があるため、差し引きすると蒸発除去され
る量は少なくなる。一方、水は加熱により効率よく蒸発
除去される。引き続き、ゲル中の水がほぼなくなった時
点以降に、雰囲気の水溶性溶媒の蒸気圧を下げて乾燥す
る。例えば、水溶性液体の加熱蒸気の導入をやめ、加熱
乾燥を行う。
めにゲルが保持する液体の表面張力が低く保たれて、収
縮を抑えた乾燥が可能になる。このように、通常の溶媒
置換を行わず、水を除く操作を省略することで、効率よ
く低密度乾燥ゲルを得ることができる。この水溶性溶媒
の蒸気雰囲気での乾燥時に、蒸気圧を飽和蒸気圧にすれ
ば完全に水溶性溶媒の蒸発が押さえれるためより好まし
い。
が水よりも低い時により効果がある。これは、従来の乾
燥法では、水溶性の有機溶媒の沸点が低く蒸発しやすい
ために、乾燥が進行するに従いゲルが保持する液体の中
の水の割合いが高くなるためである。また、乾燥工程で
表面張力を低下させて毛管力を低減するために、界面活
性剤を添加させることが効果的で好ましい。また、水溶
性溶媒の量が少ない場合は、疎水化処理液中で疎水化剤
が分離してしまうことがあるが、この場合にも少量の界
面活性剤を添加することで均一なエマルジョンになり、
疎水化が滞りなく進行する。
化水素系、ならびに前記界面活性剤をフッ素化したフッ
素系などがあり、各々アニオン型、カチオン型およびノ
ニオン型があるが、実現される表面張力の低さからフッ
素系の界面活性剤が好ましい。例えば、パーフルオロア
ルキル基を有するフッ素系では0.02N/m程度以下
まで表面張力が低下するものもある。このように界面活
性剤の添加は、水系だけでなく、ゲルに保持される液体
がアルコールの場合でも有効であり、水溶性溶媒と水と
の混合系に関しても効果がある。
表面の水酸基と反応しなかったものは、乾燥工程初期に
は、孔中に残存している。しかし、これらは乾燥が進行
するにつれ、そのほとんどが気化して孔中から除かれ
る。また、さらに極微量の疎水化剤を除くために乾燥後
さらに昇温して分解させることもできる。ただ、特別な
理由で昇温できない場合は、疎水化工程の後に疎水化剤
を溶かす液体蒸気下で乾燥し、さらに前記溶媒を乾燥さ
せる事も可能である。このときに、用いられる洗浄の溶
媒は、疎水化剤を溶解するものであれば、表面張力が低
いものの方が好ましいことは言うまでもない。
条件で乾燥を行うが、加圧下で乾燥を行えば、孔中に保
持される液体の沸点が上昇する。この場合、昇温により
表面張力が下がるために、毛管力を低減することで収縮
が効果的に抑制されるため好ましい。例えば、エタノー
ルを加圧下で乾燥させる場合、沸点を80℃程度上昇さ
せて150℃程度まで上げれば、表面張力が0.006
N/m程度下がり、0.012N/m程度まで下げるこ
とができ、加圧下での乾燥は、収縮抑制に効果的であ
る。
いて説明する。本発明の疎水化された乾燥ゲルの製造方
法は、まず本発明の第一または第二の疎水化された湿潤
ゲルの製造方法により疎水化された湿潤ゲルを製造し、
これを臨界点未満の条件で乾燥することに特徴を有す
る。この時、溶媒置換工程を省略または簡略化されるた
め、疎水化された乾燥ゲルを効率よく製造することが可
能となる。また、疎水化が行われているために、超臨界
乾燥によらなくても低密度な乾燥ゲルが得られる効果が
ある。
造方法では、乾燥工程で本発明の疎水化された湿潤ゲル
の乾燥方法を適用することが好ましい。湿潤ゲルを非水
溶性溶媒に浸漬して水相をゲル外に分離することや、水
溶性溶媒蒸気下で乾燥して優先的に水を除くことによっ
て、湿潤ゲル中に残存する水の影響を最小限に抑制して
乾燥させることが可能となり、低密度なゲルを得られる
という効果がある。
について説明する。この断熱材は、本発明の疎水化され
た乾燥ゲルの製造方法により製造され、みかけ密度が5
0〜300kg/m3で、350℃で疎水性が維持され
ることに特徴を有する。低密度であるために低い熱伝導
率が実現でき、疎水性を維持する温度が高いために高い
温度域での断熱材としての使用が可能となる。既に述べ
たように、本発明の疎水化された湿潤ゲルの製造方法に
より疎水化を行うことによって、臨界点未満の条件でも
50〜300kg/m3の低密度が実現される。
驚くべきことに、溶媒置換後、疎水化処理に用いる溶媒
にアルコールを用いなければ、水を含むゲルを疎水化す
ることにより350℃において耐熱性を維持し得る疎水
化が可能であることを見出した。例えば、従来どおりに
アルコールでの溶媒置換により水を除き、さらにヘキサ
ン置換を行った後、シリル化剤により疎水化を行った場
合には、乾燥ゲルの疎水性は350℃で失われる。これ
に対し、本発明にしたがって水を含んだゲルを疎水化す
ると、350℃でも疎水性が維持されることがわかっ
た。
ゾル−ゲル法に用いられる金属化合物などがあげられ
る。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チ
タンなどのアルコキシドおよび前記金属酸化物ゾルがあ
る。これらのなかでも、ケイ素の化合物が入手の容易性
から好ましい。ケイ素の化合物としては、テトラメトキ
シシランなどのケイ素アルコキシドやそのオリゴマー、
コロイダルシリカ、水ガラス、水ガラスから電気透析に
より得られるケイ酸水溶液が好適に用いられる。
にて製造することができる。ゲル化触媒としては、一般
的な有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を用いること
ができる。アルコキシシランを原料とする場合、アルコ
ール溶液中に水とゲル化触媒である酸またはアルカリを
加えることで、アルコキシシランを加水分解し、縮重合
時に水分子を放出してシリカ湿潤ゲルを形成することが
できる。
水が保持されている。さらに、水/エタノールなどで洗
浄した場合は、大量の水が孔中に残ることになる。ま
た、コロイダルシリカも水中に分散されている場合が多
いため、湿潤ゲル孔中には一般的に水が含まれる。一
方、水ガラスからシリカ湿潤ゲルを作製する場合は、水
溶液に酸処理を施したり、前記水溶液をイオン交換樹脂
に通したりした後、必要に応じてゲル化触媒としてアル
カリを加えてpH調整をすることでゲルが得られる。こ
の場合は孔中に大量の水が保持されることになる。
は、言うまでもなく骨格強度の強い湿潤ゲルの方が、収
縮の抑制が容易となるため好ましい。一般的に骨格の補
強は、エージング処理によりなされ、このエージング処
理は、湿潤ゲルを触媒とともにモノマーを高濃度に含ん
だ溶液の中に一定時間置くことで実現できる。例えば、
シリカ湿潤ゲルの場合、アルコキシシランやケイ酸中で
エージングがなされる。以下に、具体的な実施例に基づ
いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定さ
れるものではない。
は、水ガラスを原料とした水を保持したシリカ湿潤ゲル
に対して、トリメチルクロロシランを疎水化剤、疎水化
処理液の溶媒としてアセトンおよびヘキサンの混合溶媒
(80:20(体積比))を用いて、疎水化処理前の溶
媒置換を行わずに疎水化処理を行い、ヘキサン蒸気雰囲
気で乾燥した。Na2OおよびSiO2を1:3のモル比
で含む水ガラスを、SiO2濃度が8重量%になるよう
に水で薄め、薄めた水ガラスを強酸型の陽イオン交換樹
脂(スチレンジビニルベンゼン共重合体)に通して、そ
のpHを2.3とし、さらにアンモニア水を加えること
によってpHを7とした。この後、ゲル化が進行して孔
内に水を含んだ湿潤ゲルを得た。
0体積%になるように溶解した疎水化処理液を作製し、
ゲル体積の5倍の疎水化処理液に上記のゲルを浸漬し
た。45℃の雰囲気に24時間置いて疎水化処理を行っ
た。こうして疎水化処理を行った湿潤ゲルを、入り口と
出口を有する耐圧容器中に入れ、この容器入り口から8
0℃のヘキサンの飽和蒸気を出口へ流通させながら容器
を70℃に加熱した。出口からの水蒸気分圧が10mm
Hg以下になったのを確認して、ヘキサン蒸気の導入を
停止し、100℃の窒素を流通させて乾燥を行った。最
後に、得られた乾燥ゲルの密度を測定した。また、35
0℃の恒温槽に1時間置き、その前後に、平行平板法を
用い、中心温度25℃にて熱伝導率を測定した(実施例
1)。
された水を、24時間かけて、ゲル体積の10倍のエタ
ノールで2回置換し、引き続きゲル体積の10倍のヘキ
サンで2回置換し、その後、さらにヘキサンに対して8
体積%になるようにトリメチルクロロシランを加えた溶
液中45℃で疎水化処理を施した。その後、100℃の
窒素を流通させて乾燥して、得られた乾燥ゲルの密度を
測定した。また熱伝導率を実施例と同様にして測定した
(比較例1)。実施例と同じ湿潤ゲルに対し、実施例と
同様に疎水化処理を行った後、100℃の窒素を流通さ
せて乾燥し、得られた乾燥ゲルの密度を測定した(比較
例2)。また、実施例と同じ湿潤ゲルに対し、実施例と
同様に疎水化処理溶媒として水溶性溶媒としてエタノー
ルを用いた他は、同様にして疎水化処理および乾燥を行
い、得られた乾燥ゲルの密度を測定した(比較例3)。
m3、比較例1が230kg/m3、比較例2が410k
g/m3、比較例3が290kg/m3であった。また、
熱伝導率は、実施例が0.0184W/mK(350℃
恒温槽処理前)、0.0185W/mK(350℃恒温
槽処理後)、比較例1が0.0182W/mK(350
℃恒温槽処理前)、0.0195W/mK(350℃恒
温槽処理後)であった。
様な低密度ゲルが得られたのは、疎水化処理液に水溶性
溶媒が含まれているために、疎水化剤が湿潤ゲル表面に
到達することが可能になったこと、および乾燥前に残っ
ていた水も、水溶性溶媒の蒸気雰囲気で乾燥することで
優先的に除かれたために表面張力が低く保たれたことの
2点にあると考えられる。また、比較例で、熱伝導率が
350℃処理により悪化するのは疎水性が失われ空気中
の水分を吸着したためと考えられる。実際に、350℃
処理後、二つの乾燥ゲルが水に浮くか否かを調べたとこ
ろ、実施例のゲルは浮くことが確認されたが、比較例1
のゲルは水に沈み疎水性が失われていることが確かめら
れた。
ため、その工程にかかる時間が必要なかったのに対し、
比較例では24時間が必要であった。このように、含水
液体中で疎水化処理を行うことにより、大幅に生産効率
が向上する効果があった。また、比較例2で密度が高く
なったのは、疎水化は進行しているものの、ゲル内部に
水が残ったまま乾燥が進んだためと考えられる。また、
比較例3で密度が高くなったのは、疎水化処理液の水溶
性溶媒としてエタノールを用いたために疎水性が劣化
し、乾燥時に収縮が進行したためと考えられる。
得られる実施例1と同じ湿潤ゲルを用いた。また、疎水
化処理液の水溶性溶媒としてジオキサン、非水溶性溶媒
としてヘプタン、疎水化剤としてトリメチルメトキシシ
ランを用いた。疎水化処理液の溶媒としてジオキサンお
よびへプタンの混合溶媒(80:20(体積比))を用
い、トリメチルメトキシシランを8体積%含む疎水化処
理液を調製した。この疎水化処理液を用い、疎水化処理
時の温度を60℃に、処理時間を4日間にした他は実施
例1と同様にして、疎水化を行った。また、乾燥時に
は、実施例1に従ってジオキサンの110℃の飽和蒸気
を導入して、容器出口での水蒸気分圧が10mmHg以
下になったのを確認した後に、170℃の窒素を流通さ
せて乾燥を行った。こうして得られた、乾燥ゲルの密度
を測定したところ、260kg/m3の低密度な乾燥ゲ
ルが得られた。
施例では、水ガラスから得られる実施例1と同じ湿潤ゲ
ルを用いた。水溶性溶媒であるアセトンの他非水溶性溶
媒であるヘキサンを混合して疎水化処理剤を調整して用
いた。疎水化剤としてはトリメチルクロロシランを用い
た。また、乾燥時には加圧下で乾燥を行った。実施例1
と同様に、ゲル体積の5倍量の溶媒を用い、トリメチル
クロロシランを8.0体積%になるように溶解して疎水
化処理液を作製した。その際、溶媒としては、混合体積
比が10:90(実施例3)、30:70(実施例
4)、50:50(実施例5)、70:30(実施例
6)または90:10(実施例7)のヘキサンおよびア
セトンの混合溶媒を用いた。上記の処理液中に、湿潤ゲ
ルを浸して実施例1の条件で疎水化を行った。その際、
実施例3〜6の疎水化処理液を用いた場合は、水相が疎
水化処理液中に分離して形成された。こうして得られた
湿潤ゲルを、耐圧容器内で、120℃に5気圧に制御し
て120℃、チッ素を流通させることで乾燥を行った
(実施例3〜7)。
(比較例4)またはアセトンのみ(比較例5)を溶媒と
して用いて疎水化処理液を調製し、疎水化を行い、やは
り実施例と同様に乾燥を行い、乾燥ゲルの密度を測定し
た(比較例4〜5)。得られた乾燥ゲルの密度は、比較
例4、実施例3〜7、および比較例5の順に、550k
g/m3、290kg/m3、260kg/m3、230
kg/m3、210kg/m3、360kg/m3および
370kg/m3であった。
は、比較例4では水溶性溶媒が用いられなかったために
疎水化がほとんど進行しなかったためと考えられる。ま
た、比較例5では非水溶性溶媒が用いられていなかった
ために疎水化剤と水との反応が抑制できなかったためで
あると考えられる。また、実施例のなかでも、実施例7
の密度のみが高くなっている。これは、疎水化の進行が
不十分であったことと、液相に相分離が生じてゲルが保
持する液体の表面張力が低く保たれた他の場合に比べ
て、この場合はゲルが乾燥時に相当量の水を保持してい
たためと考えられる。
潤ゲルを非水溶性溶媒に浸すことでゲル内の水を水相と
してゲル外に分離し、引き続き溶媒を蒸発除去すること
で乾燥を行った。疎水化した湿潤ゲルは、実施例1と同
じものを用いた。実施例1と同じ疎水化された湿潤ゲル
を、ヘキサン中に浸すことで、2分後にはゲル外にヘキ
サンと混じらない水相が分離した。これを、実施例1と
同様の入り口と出口を有する耐圧容器中に入れ、この容
器入り口からに100℃のチッ素気流を導入して流通さ
せることで乾燥を行った。得られた乾燥ゲルの密度は、
260kg/m3と実施例と同程度であった。これは、
湿潤ゲル中に含まれる水が、水相として分離されること
で、湿潤ゲルが保持する液体の表面張力が低く保たれた
ためと考えられる。
に簡略な溶媒置換を行った後に疎水化処理を行い、ヘキ
サン蒸気雰囲気下で乾燥した。疎水化前の湿潤ゲルは、
実施例1と同じものを用いた。実施例1の疎水化前の湿
潤ゲルを、ゲル体積の5倍量のアセトン中に45℃で6
時間浸漬することで簡略な溶媒置換を行った。その後、
疎水化処理液の量を半分にした以外は実施例1と同様に
疎水化、乾燥を行い、得られた乾燥ゲルの密度を測定し
た。乾燥ゲルの密度は、240kg/m3であり実施例1
と同等であったが、簡単な溶媒置換で疎水化剤の量を半
減することができた。このように、疎水化剤の量が半減
されたのは、簡略な疎水化により、ゲル内の水が減少
し、疎水化剤と水との反応が抑制されたためと考えられ
る。
むゲルを、水溶性溶媒と非水溶性溶媒との混合溶媒に疎
水化剤を溶解した疎水化処理液を用いて疎水化を行うこ
とが特徴であり、これを用いることで、溶媒置換の工程
を省略あるいは簡略化できるため、生産効率が向上する
効果がある。
ルが保持する水溶性溶媒の蒸気雰囲気で行うことを特徴
としている。また、別の本発明のシリカ湿潤ゲルの乾燥
方法は、湿潤ゲルを非水溶性溶媒に浸すことで湿潤ゲル
から水相を分離した後にゲル内の液体を蒸発除去するこ
とを特徴としている。二つの乾燥方法とも、疎水化後の
溶媒置換の工程を経ずに効率よく低密度乾燥ゲルが得ら
れる効果がある。
熱材は、上記の湿潤ゲルの疎水化法を用いて疎水化を行
い、臨界点未満の条件で乾燥することで得られ、みかけ
密度が50〜300kg/m3で、300℃で疎水性が
維持されることが特徴である。低密度であるために低い
熱伝導率が実現でき、疎水性を維持する温度が高いため
に高い温度域での断熱材としての使用が可能となる効果
がある。
方法の工程図である。
工程図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 水を含む溶媒を保持し表面に水酸基を有
する湿潤ゲルを、疎水化剤を溶解した水溶性溶媒および
非水溶性溶媒を含む疎水化処理液に浸漬することによ
り、前記水酸基に前記疎水化剤を反応させて前記湿潤ゲ
ルを疎水化するることを特徴とする湿潤ゲルの疎水化方
法。 - 【請求項2】 前記水溶性溶媒が水溶性のケトン、エー
テルまたは低級カルボン酸であることを特徴とする請求
項1記載の湿潤ゲルの疎水化方法。 - 【請求項3】 前記疎水化処理液への浸漬時に、前記湿
潤ゲルから水を分離させて前記疎水化処理液と混じらな
い水相を形成することを特徴とする請求項1または2記
載の湿潤ゲルの疎水化方法。 - 【請求項4】 前記水溶性溶媒と前記非水溶性溶媒の体
積比率が1/2以上であることを特徴とする請求項1記
載の湿潤ゲルの疎水化方法。 - 【請求項5】 前記疎水化剤がシリル化剤であることを
特徴とする請求項1記載の湿潤ゲルの疎水化方法。 - 【請求項6】 (a1)水を含むゲル原料混合物をゲル
化させることで、溶媒として水を含み表面に水酸基を有
する湿潤ゲルを得る工程、および(b1)工程(a1)
の後、前記湿潤ゲル中に保持された溶媒を溶媒置換を行
うことによって前記湿潤ゲル中の水を除く工程を経るこ
となく、請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤ゲルの疎
水化方法により疎水化を行う工程を含むことを特徴とす
る疎水化された湿潤ゲルの製造方法。 - 【請求項7】 (a2)水を含むゲル原料混合物をゲル
化させることで、溶媒として水を含み表面に水酸基を有
する湿潤ゲルを得る工程、(b2)工程(a2)に引き
続き、前記湿潤ゲル中に保持された溶媒を非水溶媒に置
換することによって、前記湿潤ゲル中に保持された水の
体積を、前記湿潤ゲルが保持する溶媒の体積の1/5〜
1/2の範囲にする工程、および(c2)工程(b2)
に引き続き、請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤ゲル
の疎水化方法により疎水化を行う工程を含むことを特徴
とする疎水化された湿潤ゲルの製造方法。 - 【請求項8】 水と水溶性溶媒とを含む混合溶液を保持
する疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法であって、 前記湿潤ゲルを非水溶性溶媒中に浸漬することで、前記
湿潤ゲル中での水の溶解度を低減させて水を前記湿潤ゲ
ルの外部へ排出して分離した後、前記湿潤ゲルの内部の
溶媒を蒸発させて除去することを特徴とする疎水化され
た湿潤ゲルの乾燥方法。 - 【請求項9】 水と水溶性溶媒とを含む混合溶液を保持
する疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法であって、 前記水溶性溶媒の蒸気の雰囲気で前記湿潤ゲルを乾燥さ
せて水を優先的に蒸発させて除去した後、前記雰囲気の
水溶性溶媒の蒸気圧を低下させて前記湿潤ゲル内部に残
存した水溶性溶媒を蒸発させて除去することを特徴とす
る疎水化された湿潤ゲルの乾燥方法。 - 【請求項10】 (a3)請求項6または7記載の疎水
化された湿潤ゲルの製造方法により前記湿潤ゲルを得る
工程、および(b3)前記湿潤ゲルから、前記湿潤ゲル
が含む溶媒の臨界点未満の温度と圧力条件で乾燥する工
程を含むことを特徴とする疎水化された乾燥ゲルの製造
方法。 - 【請求項11】 (a3)請求項6または7記載の疎水
化された湿潤ゲルの製造方法により前記湿潤ゲルを得る
工程、および(b3)請求項8または9記載の疎水化さ
れた湿潤ゲルの乾燥方法により、前記湿潤ゲルを乾燥す
る工程を含むことを特徴とする疎水化された乾燥ゲルの
製造方法。 - 【請求項12】 請求項10または11記載の疎水化さ
れた乾燥ゲルの製造方法によって得られ、50〜300
kg/m3のみかけ密度と、350℃までの範囲で疎水
性を維持し得る耐熱性とを有することを特徴とする疎水
化された乾燥ゲルを用いた断熱材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001111225A JP2002128516A (ja) | 2000-08-16 | 2001-04-10 | 疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-246884 | 2000-08-16 | ||
JP2000246884 | 2000-08-16 | ||
JP2001111225A JP2002128516A (ja) | 2000-08-16 | 2001-04-10 | 疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002128516A true JP2002128516A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=26598010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001111225A Pending JP2002128516A (ja) | 2000-08-16 | 2001-04-10 | 疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002128516A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005108292A1 (en) * | 2004-05-12 | 2005-11-17 | Promeks As | Improved process for production of pure amorphous and hydrophobic silica from quartz |
JP2008105919A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Hakuto Co Ltd | ポリマー被覆シリカ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998023366A1 (de) * | 1996-11-26 | 1998-06-04 | Cabot Corporation | Organisch modifizierte aerogele, verfahren zu ihrer herstellung durch oberflächenmodifikation des wässrigen gels ohne vorherigen lösungsmitteltausch und anschliessende trocknung sowie deren verwendung |
WO1998037013A1 (en) * | 1997-02-24 | 1998-08-27 | Dow Corning Corporation | Process for making hydrophobic silica with reduced surface area under neutral conditions |
-
2001
- 2001-04-10 JP JP2001111225A patent/JP2002128516A/ja active Pending
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