JP2002127398A - 画像形成装置及び乾燥装置 - Google Patents

画像形成装置及び乾燥装置

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JP2002127398A
JP2002127398A JP2000330090A JP2000330090A JP2002127398A JP 2002127398 A JP2002127398 A JP 2002127398A JP 2000330090 A JP2000330090 A JP 2000330090A JP 2000330090 A JP2000330090 A JP 2000330090A JP 2002127398 A JP2002127398 A JP 2002127398A
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JP2000330090A
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Akira Yoshihara
明 葭原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、設備投資が増えることなく生産性
を向上させることができるとともに水蒸気を効率的に機
外に排出でき、効果的に乾燥することができる画像形成
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る画像形成装置の代表的な構
成は、記録シート3の乾燥を行う乾燥装置5と、記録シ
ート3に形成した画像を記録シート3に定着させる定着
器6とを有し、乾燥装置5のシート搬送方向下流側に定
着器6を備えることを特徴とする。上記課題を解決する
ために本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記
録シート3の乾燥を行う乾燥装置5と、乾燥装置5のシ
ート搬送方向下流側で記録シート3に形成した画像を記
録シート3に定着させる定着器6と、有し、乾燥装置5
は、画像を記録するインクジェット記録手段1により記
録の終了した記録シート3の進行方向を反転し、定着器
6に搬送することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装置に関し、特
に記録シートの乾燥を行う乾燥手段と記録シートに形成
した画像を記録シートに定着させる定着手段とを有する
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタは、構造
が簡単で、小型、安価なことから、多方面で広く使われ
ている。しかし、インク滴をシート表面に塗布するだけ
の構造であるため、記録後、水分により画像が流れた
り、紫外線により退色する場合があり、長期間の保存に
は適さない場合があった。
【0003】そこで、記録シート表面の樹脂フィルムを
加熱溶融後硬化させる、あるいは樹脂フィルムに塗布さ
れた粘着物を加熱溶着後硬化させる方法等によって、記
録表面にラミネート層を形成し、長期保存を可能にする
方法が実用化されている。
【0004】しかし、インクジェット方式の記録精度は
記録シートの送り精度に大きく依存しているため、記録
中の記録シートを同時にラミネート工程に通すことは、
記録シート送り精度の低下、ひいては記録精度の低下を
招く恐れがある。
【0005】また、インクジェットプリンタで記録され
た記録物には、インク中に含まれる水分が大量に含まれ
るため、この水分が乾燥する前にラミネート加工を行う
と以下のような不具合を生じる。
【0006】定着ローラの温度低下、すなわち記録媒体
を定着ローラに搬送し加熱する場合、インクに含まれる
水分が気化し、その気化熱で定着ローラの熱量が奪われ
る。このため、記録媒体の加熱に必要な熱量(温度)が
不足し、十分な定着が行えない場合がある。
【0007】また、インクに含まれる水分の比熱は、記
録媒体の比熱よりも大きいため、インクを大量に打ち込
まれた記録媒体の比熱は大きくなる。このため、記録媒
体を定着に必要な温度にするための熱量が不足し、十分
な定着が行えない場合がある。
【0008】さらに、ラミネート処理のために記録媒体
を定着部で加熱すると、インクに含まれる水分が気化す
る。この状態でラミネート材で記録媒体表面を覆うと、
行き場を失った水蒸気が記録媒体とラミネート材の境界
面に挟まれ、記録媒体とラミネート材が密着することを
妨げる。すなわち十分な定着が行えない場合がある。ま
た、記録面に、閉じ込められた水蒸気が気泡となって現
れ、記録品質を低下させる。
【0009】そこで従来、インクジェットプリンタで記
録された記録物をラミネートする場合は、記録後の記録
シートをプリンタから取り出し乾燥させた後、外部のラ
ミネート装置によってラミネートさせていた。
【0010】また、従来の乾燥装置は、水蒸気あるいは
微細な水滴は上昇気流に乗り、乾燥ニップより上方に移
動していくので、排気機構を乾燥ニップより上方に位置
し、記録シートから発生する水蒸気あるいは微細な水滴
を効率的に機外に排出するよう構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のようなインクジェットプリンタでは、記録された記
録物をプリンタから取り出しラミネートするには、記録
物に傷をつけることなく保管、乾燥する手段が必要にな
り、設備投資が増え、保管、乾燥のスペースが必要にな
る。また、記録物の受け渡しに人手を用いる場合には生
産性が劣り、受け渡し用機器を設ける場合には設備投資
が必要となる。また、インク中の水分が自然乾燥するま
で10〜60分の放置、あるいは低温で長時間かけての
ラミネートが必要になり生産性が劣るという問題点があ
った。
【0012】また、上記従来のような乾燥装置では、記
録シートが上方から下方に搬送されると、乾燥ニップ通
過後の記録シートが乾燥ニップより下方に搬送されるこ
とになる。これにより記録シートは、加熱された乾燥ニ
ップを通過後も水分を蒸発し続けるため、乾燥ニップ通
過後に記録シートから発生した水蒸気は乾燥ニップより
下方に滞留し、排気機構によって機外に排出されること
が困難であり、雰囲気から記録シートへの水分の逆吸収
が起こる。
【0013】従って、転写工程には湿った状態の記録シ
ートが進入して水蒸気が発生し、記録シートと皮膜の間
には水蒸気が溜まり、記録シートと皮膜の剥がれ、ある
いは微細な気泡による表面の白濁等が生じる。また、排
出されない水分が不用意に機内各所に結露し機器の腐食
や記録シートが濡れるという不具合が起きるほか、電気
回路の漏電による機器の誤動作等が起きるという問題点
があった。
【0014】そこで本発明は、設備投資が増えることな
く生産性を向上させることができるとともに水蒸気を効
率的に機外に排出でき、効果的に乾燥することができる
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録シ
ートの乾燥を行う乾燥手段と、前記乾燥手段のシート搬
送方向下流側で記録シートに形成した画像を該記録シー
トに定着させる定着手段と、有し、記乾燥手段は、画像
を記録する記録手段により記録の終了した記録シートの
進行方向を反転し、前記定着手段に搬送することを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】[第一実施形態]本発明に係る画
像形成装置の第一実施形態について、図を用いて説明す
る。図1は第一実施形態にかかる画像形成装置の構成
図、図2は記録シートの先端折れが起きない状態を説明
する図、図3は記録シートの先端折れが起きる状態を説
明する図、図4は定着工程の説明図、図5は定着工程を
模式的に示す立体図、図6は定着加圧部材の異物除去を
説明する図である。
【0017】図1に示すように、画像形成装置は、イン
クジェット記録手段1、走査ローラ2、記録シート3、
カッター4、乾燥装置5、紙パス切替えフラップ15から
構成構成されている。
【0018】ロール状に巻かれている記録シート3は、
走査ローラ2によって精度良く間欠送りされ、インクジ
ェット記録ヘッド1によりその表面に画像が形成され
る。記録終了後、記録シート3は後端がカッター4を通
過する位置まで早送りされ、カットされる。
【0019】このとき、搬送経路切替フラップ15が記録
されカットされた記録シートをインクジェット記録手段
1から乾燥装置5に搬送する際に、該記録シート3を乾
燥装置5に導くように回動する。同時に、ロール側の記
録シート3は記録準備位置まで走査ローラ2および記録
シート3の逆回転により引き戻される。そして記録シー
トの先端が搬送経路切替フラップ15と当接し、記録シー
ト3が乾燥装置5に搬送される。
【0020】(乾燥装置)乾燥装置5は、記録物に含まれ
る水分を加熱し乾燥行う乾燥手段である乾燥加熱ローラ
12、乾燥加圧ローラ13及び乾燥ヒータ14、保持ローラ17
から構成される。
【0021】乾燥加熱ローラ12は、表面がシリコンゴム
製の中空ローラであり、中空部に乾燥加熱ローラ12を加
熱する乾燥ヒータ14を挿入している。乾燥加圧ローラ13
は、表面がシリコンゴム製のローラであり、不図示の押
圧機構によって乾燥加熱ローラ12に押圧される。乾燥加
熱ローラ12および乾燥加圧ローラ13は加圧接触した状態
で回動しているので、共に乾燥ヒータ14により熱せら
れ、乾燥ニップ16の温度は約140℃になっている。
【0022】乾燥装置5に搬送された記録シート3は、
乾燥加圧ローラ13が乾燥加熱ローラ12を押圧することに
より形成された乾燥ニップ16を通過する際加熱され、ニ
ップ通過直後からインクに含まれる水分を急激に蒸発す
る。すなわち、両ローラによって加熱されている間は、
記録シートは加熱されるがゴムローラによるニップに挟
まれているため蒸気の逃げ場がなく蒸発できないが、ニ
ップを通過後、記録シートおよびインクに貯えられた熱
エネルギーで急激に蒸発が行われる。
【0023】乾燥ニップ16を通過した記録シート3は、
加熱加圧された記録シートを保持する保持部材である保
持ローラ17に狭持される。記録シートの後端が乾燥ニッ
プを通過すると、記録シートを保持している保持ローラ
17は一旦停止後逆転を始め、同時に乾燥加熱ローラ12お
よび乾燥加圧ローラ13も逆転する。
【0024】この時搬送経路切替フラップ15は、乾燥さ
れた記録シートを乾燥装置5から定着器6に搬送するよ
うに回動する。そして記録シート3は再ぴ乾燥ニップ16
を通過して先と同様に加熱され、打込まれたインクに含
まれる水分の残りを蒸発する。
【0025】ここで蒸発する水分量は記録シートが一回
目に乾燥ニップ16を通過した際に蒸発した水分量より少
なくなる。これは一回目のニップ通過後の状態でほとん
どの水分が蒸発するためである。そのため気化熱に熱エ
ネルギーを多く奪われていないので、記録シートの温度
は一回目のニップ通過後より高温になっている。
【0026】以上の乾燥工程は、定着時において以下の
ようなメリットをもたらす。記録シートに含まれる水分
量が少なくなり、定着で高温にしても水蒸気の発生が少
なく、気泡の発生が防げる。また、定着で高温にしても
気化熱で奪われる熱エネルギーが少なく、記録シートを
定着加熱ローラ23に近い温度まで加熱でき、粘着層20c
を変性さすに十分な熱エネルギーを供給できる。すなわ
ち、同量の熱エネルギーを与えるのであれば、定着加熱
ローラ23をより低い温度で使用できる。さらに、記録シ
ートの比熱(熱容量)が小さくなり、記録シートを定着
加熱ローラ23に近い温度まで加熱でき、粘着層20cを変
性さすに十分な温度を維持できる。
【0027】また、乾燥ニップ通過後の蒸気発生が少な
く、定着ニップ25で封止するとき水蒸気の閉じ込めが無
いので記録シート3とラミネート材20の密着性を損なわ
ない。
【0028】さらに、記録シート3が高温になってお
り、記録シート3が短時間で定着加熱ローラ23に近い温
度になるので、ニップを通過する短い時間(0.1〜
0.3秒)で粘着層20cを変性さすに十分な温度を確保
できる。すなわち、記録シート3を同じ温度まで上昇す
るのであれば、定着加熱ローラ23をより低い温度で使用
できる。
【0029】乾燥ニップ16に二回目の通過をした記録シ
ート3は、定着搬送路19を通り乾燥装置5のシート搬送
方向下流側の定着器6に搬送される。乾燥装置5と定着
器6を繋ぐ定着搬送路19の長さは、記録シート先端が乾
燥装置5のニップを通過してから、定着器6のニップに
到達するまでの所用時間が2秒以上かかるよう構成され
ている。
【0030】このため、乾燥ニップを二回目に通過した
記録シート3は高温であるため比較的活発に水蒸気を発
しやすいが、この蒸発を収まった状態で定着を行うこと
ができる。これにより、定着工程で記録シート3とラミ
ネート材20との間に水蒸気が入り込み、密着性が阻害さ
れ、記録シート3とラミネート材20の界面が半光沢状態
になり、記録物の表面光沢がない(定着が不十分な)状
態になることを防止することができる。
【0031】比較的活発に水蒸気を発する現象は、記録
シート3に含まれるインク水分がほぼ蒸発した時点ある
いは、記録シート3の温度が室温に近い状態に下がった
時点で収束する。実験によれば単位長さ(1cm)あたり0.0
4gのインクを打込まれた記録シートの場合、乾燥ニッ
プ温度140℃、乾燥ニップ幅8mm、記録シート送り
速度25mm/sの条件で、乾燥ニップと定着ニップ間の
距離が50mm、すなわち通過時間2秒以下の場合、記録
シートからの水蒸気の発生が活発な状態で定着工程が行
われることが分かった。
【0032】この結果から、定着搬送路19の長さを記録
シート先端が乾燥装置5のニップを通過してから、定着
器6のニップに到達するまでの所用時間が2秒以上かか
る長さとした。これにより、乾燥工程の乾燥効果をより
顕著にしている。
【0033】(定着器)図4及び図5に示すようした画像
を記録シート3に定着させる定着手段である定着器6に
搬送された記録シート3はその先端をラミネート材20に
当接する。ラミネート材20はベース材20a上に透明な樹
脂フィルムである表層材層20bおよび粘着層20cが形成
されている。また、ラミネート材20の幅は記録シート3
よりわずかに広くなっており、双方の幅方向位置が多少
ずれても記録シート全面を覆うことができる。
【0034】ラミネート材20は巻出しロール21からガイ
ドローラ22、定着加熱ローラ23と表面がシリコンゴム製
でフッ素系チューブで覆われている定着加圧ローラ24か
らなる定着ニップ25を介して巻取りロール26に巻き取ら
れる。
【0035】定着加熱ローラ23は、表面にシリコン系あ
るいはフッ素系の表面処置がされ、中空部に定着ヒータ
27を設け、定着加熱ローラ23を加熱している。定着加圧
ローラ24は定着加圧部材であり、不図示の押圧機構によ
って定着加熱ローラ23に押圧される。
【0036】巻取りロール26は、ラミネート材を巻上げ
る方向の回転駆動が可能であると同時に、ラミネート材
を巻戻す方向に対し所定トルクでの回転規制がかかる構
造となっている。また、巻出しロール29は、ラミネート
材を巻戻す方向の回転駆動が可能であると同時に、ラミ
ネート材を巻上げる方向に対し所定トルクでの回転規制
かかかる構造となっている。すなわちラミネート材には
巻上げ、巻戻し、いずれの方向にも張力が働き、シワの
発生を防止している。
【0037】ラミネート材20に当接した記録シート3
は、定着ニップ25にラミネート材20と共に挿入され、粘
着層20c側と接するように重ねて加熱加圧されることに
よりラミネート材20と一体化し、冷却後、ベース材20a
を剥離することによって、記録シート表面を粘着層20c
を介し、表層材層20bでコーティングする。
【0038】図2に示すように、記録シート3をまずラ
ミネート材20に当接することにより、図3に示すように
記録シート先端が定着加圧ローラ24と当接して折れ曲が
り、折り畳まった状態で加熱加圧されることを防いでい
る。記録シートはその後、冷却部7で冷却され、分離軸
8で曲率分離された後、排出ローラ9によって装置本体
外に排出される。
【0039】次に定着工程における定着加圧ローラのク
リーニングについて説明する。図6に示すように、定着
ニップ25にラミネート材20と共に記録シート3が挿入さ
れる場合は、記録シート3に対向する部分のラミネート
材上の粘着層20cは記録シート3に転写されるが、ラミ
ネート材20は記録シート3より幅が広いため、記録シー
ト範囲外の粘着層20cは定着加圧ローラ表面に接触す
る。
【0040】さらに、連続して記録シート3が挿入され
たとしても、記録シート3の重なりを防ぐことを考慮す
ると、紙間をゼロにするにとはできず、紙間に相当する
部分の粘着層20cは定着加圧ローラ表面に接触する。
【0041】定着加圧ローラ表面はフッ素系チューブで
覆われ、異物Xが付着し難く、付着しても除去しやすい
表面性を持っているが、上記構成においては異物X(粘
着層の一部が付着したものなど)の付着を完全に防ぐこ
とはできない。
【0042】定着加圧ローラ表面に異物Xが付着する
と、ローラの回転に伴い異物Xがラミネート材20の粘着
層20cに転写し、最終的には記録シート表面に転写し、
記録品位を損なう。
【0043】そこで本実施形態では異物を拭き取るため
に、定着加圧ローラ表面に不織布28を当接させ、表面に
付着した異物を除去するクリーニング機構11を設けてい
る。クリーニング機構11は、定着加圧ローラ表面に当接
し表面に付着した異物Xを除去する清掃部材である不織
布28、巻出しロール29、押し当てローラ30、巻取りロー
ル31から構成される。
【0044】ロール状に巻かれた不織布28は、巻出しロ
ール29から押し当てローラ30を介し、巻取りロール31に
巻き取られる。押し当てローラ30は発泡ゴム製で不図示
の加圧部材により定着加圧ローラ24に押圧されている。
従って、不織布28は定着加圧ローラ表面に押圧されてい
る。定着加圧ローラ24が回動すると、不織布28は付着し
た異物Xを繊維質間に取り込み定着加圧ローラ表面の異
物を拭き取る。
【0045】巻取りロール31は不図示の駆動機構により
間欠回動可能で、定着加圧ローラ表面に当接している部
分の不織布に異物が相当量付着した時点で回動し、新し
い不織布面を定着加圧ローラ表面との当接部に引き出
す。この機構により、定着加圧ローラ表面を常に異物の
付着の無い状態に保つことができる。
【0046】上述のごとく乾燥装置5は記録シート3の
乾燥を一度行った後、進行方向を反転して定着器6に搬
送することにより、機器構成要素を増やすことなく、定
着器6の送り精度に影響を与えることなくインクジェッ
ト記録手段1から定着器6へ記録物の受け渡しを自動的
に行えるので、設備投資が増えることなく、生産性が向
上する。
【0047】また、記録シート先端が乾燥ニップ16を通
過してから、定着ニップ25に到達するまでの所用時間が
2秒以上としたことにより、乾燥工程の効果をより顕著
にすることができる。
【0048】[第二実施形態]次に本発明に係る画像形
成装置の第二実施形態について図を用いて説明する。図
7は本実施形態にかかる画像形成装置の構成図である。
上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同
一の符号を付して説明を省略する。
【0049】第一実施形態においては、乾燥装置5はロ
ーラ対を用いた加熱加圧機構を用いたが、機構はこれに
限定されることはなく、本実施形態では、いわゆるサー
フ定着を用いた乾燥装置50としている。
【0050】図7に示すように、乾燥装置50は、加熱ベ
ルト51、加圧ローラ52、乾燥ヒータ53、保持ローラ17か
ら構成される。加熱ベルト51は、ポリイミド製のエンド
レスベルトであり、内側に加熱ベルト51を加熱する乾燥
ヒータ53を挿入している。加圧ローラ52は、表面がシリ
コンゴム製のローラであり、加熱ベルト51に不図示の押
圧機構によって押圧され、加熱ベルト51と加圧ローラ52
によって乾燥ニップ55が形成される。また、加圧ローラ
52は不図示の駆動機構により正逆回動し、この時、加熱
ベルト51も加圧ローラ52の回動により連れ回りする。
【0051】該乾燥装置を用いた場合、加熱ベルトの熱
容量が小さいため、乾燥ヒータに通電後短い時間で乾燥
ニップを所望の温度に制御することが可能である。
【0052】[第三実施形態]次に本発明に係る画像形
成装置の第三実施形態について説明する。上記第一実施
形態と説明の重複する部分については、説明を省略す
る。定着工程における定着加圧ローラのクリーニングに
ついて、第一実施形態では不織布28を用い付着した異物
Xを繊維質間に取り込み異物Xを拭き取るクリーニング
機構を設けている。本実施形態では、不織布28にシリコ
ンオイルを含浸させる。
【0053】そして、第一実施形態と同様の動作により
ローラ表面の異物Xを拭き取る際に、シリコンオイルが
定着加圧ローラ表面に薄く塗られる。これにより、ロー
ラ表面をさらに異物が付着し難く、付着しても除去しや
すい状態となり定着加圧ローラ表面の異物をより確実に
拭き取ることが可能になる。
【0054】[第四実施形態]次に本発明に係る画像形
成装置の第四実施形態について説明する。上記第一実施
形態と説明の重複する部分については、説明を省略す
る。
【0055】定着工程における定着加圧ローラのクリー
ニングについて、第一実施形態では不織布を用い付着し
た異物Xを繊維質間に取り込み異物Xを拭き取るクリー
ニング機構を設けている。本実施形態では、不織布28に
研磨剤を含有させる。研磨剤が定着加圧ローラ表面の異
物Xにローラ接線方向の力を加えて擦り落とし、不織布
自身が引き剥がされた異物を繊維質間に取り込み定着加
圧ローラ表面の異物を拭き取っている。
【0056】巻取りロール31は不図示の駆動機構により
間欠回動可能で、定着加圧ローラ表面に当接している部
分の不織布に異物が相当量付着した時点で回動し、新し
い不織布面を定着加圧ローラ表面との当接部に引き出
す。この機構により、定着加圧ローラ表面は常に異物の
付着の無い状態に保たれる。
【0057】[第五実施形態]次に本発明に係る画像形
成装置の第五実施形態について図を用いて説明する。図
8は本実施形態にかかる画像形成装置の構成図である。
上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同
一の符号を付して説明を省略する。本実施形態にかかる
画像形成装置は、第一実施形態にかかる画像形成装置の
乾燥装置5を乾燥装置60としたものである。
【0058】乾燥装置60は、排気機構61、乾燥加熱ロー
ラ12、乾燥加圧ローラ13から構成される。排気機構61
は、電動ファンを使用し、乾燥加熱ローラ12、乾燥加圧
ローラ13より形成され、水蒸気を発生する乾燥ニップよ
り上方に位置する。記録シート搬送経路は、シート搬送
方向下流にある定着加熱ローラ23及び定着加圧ローラ24
により形成される定着ニップを上流の乾燥ニップより高
い位置に配置する。
【0059】画像を記録された記録シート3は鉛直方向
下方から乾燥加熱ローラ12と乾燥加圧ローラ13で形成さ
れる乾燥ニップに搬送され挟持される。記録シート3に
は、インク溶媒として用いられた水分が吸収されてい
る。この状態で内部の加熱機構で加熱された乾燥加熱ロ
ーラ12により高温状態にあり、記録シート3は加熱され
て乾燥ニップから記録シート3に含まれていた水分が蒸
発する。
【0060】インクジェットプリントの場合、A4記録
シート1枚には最大約1.4gの水分が含まれ、乾燥ニッ
プを通過した記録シート3からは、およそ1mlの水分
が水蒸気として放出される。この水分を機外に排出し、
機内での結露を防止する。
【0061】このように、記録シート3を下方から上方
に搬送することにより、乾燥ニップ通過後の記録シート
3から発生する水蒸気あるいは微細な水滴は、上昇気流
に乗り、乾燥ニップより上方に移動する。このため、乾
燥ニップより上方に位置する排気機構61により効率的に
機外に排出することができる。
【0062】次に、記録シートの記録面の方向について
説明する。インクジェット記録手段1は、記録シート3
の排気機構側に設けられ、記録終了後、記録シート3は
記録面を垂直方向上方となるように搬送される。
【0063】この際、記録シート3からの蒸発は瞬時に
は終了せず、記録シート3が乾燥ニップを通過した後
も、記録シート3に蒸発しうる水分が残存し、記録シー
ト3に該水分の蒸発に必要な熱量が保たれ、記録シート
が該水分の蒸発に必要な温度に保たれる間、蒸発は継続
する。従って、記録シート3が乾燥ニップから定着ニッ
プに搬送される経路において、記録シートからは水蒸気
が発生し続ける。
【0064】また、水蒸気あるいは微細な水滴は垂直方
向上方に移動していく。従って、水蒸気の主たる発生源
である記録面が記録シート3の上面側(排気機構側)とし
たことにより、水蒸気あるいは微細な水滴は、記録シー
ト3によりその上昇を遮られて記録シートに逆吸収され
たり、記録面付近の雰囲気湿度を上昇させ、記録面から
の蒸発を阻害されることを防止する。このため、水蒸気
あるいは微細な水滴は、障害なく上方に移動し、乾燥ニ
ップより上方に位置する排気機構61により効率的に機外
に排出することができる。
【0065】なお、本実施形態は水分を大量に含むイン
クを使用するインクジェットプリンタの例において説明
をしたが、他方式のプリンタ、複写機、ファクシミリ、
印刷機等の画像形成装置によって像を形成した場合も、
像形成紙には水分が含まれているので上記の不具合が発
生する場合があり、本発明はこれら方式の画像形成装置
を使用した場合にも有効である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、インクジェットプ
リンタ記録部と定着器(ラミネート装置)との間に乾燥
装置を備え、乾燥装置は記録シートを一度乾燥を行った
後、進行方向を反転して定着手段に搬送することとし
た。これにより、機器構成要素を増やすことなく、定着
器の送り精度に影響を与えることなく記録部から定着器
へ記録物の受け渡しを自動的に行えるので、設備投資が
増えることなく、生産性が向上する。
【0067】記録シート先端が前記乾燥手段のニップを
通過してから、前記定着手段のニップに到達するまでの
所用時間が2秒以上としたことにより、乾燥工程の効果
をより顕著にすることができる。
【0068】また、定着器に清掃部材を設けたことによ
り、ラミネート材の粘着物等が定着ローラを介して記録
物に付着する現象を防止できる。
【0069】さらに、乾燥手段より上方に排気機構を配
置し、記録シートが該乾燥手段に下方から進入し上方に
排出され、記録物の記録面を上記乾燥手段に搬送される
記録シートの排気機構側であるように構成した。これに
より、乾燥装置乾燥ニップ通過後の記録シートが余熱に
より発する水蒸気を効率的に機外に排出でき、乾燥ニッ
プ付近および乾燥ニップ下流の湿度が低く保たれるた
め、乾燥が効果的に行われるとともに、雰囲気から記録
シートへの水分の逆吸収も防ぐことが出来る。
【0070】従って、転写工程には乾燥した状態の記録
シートが進入するので、水蒸気の発生を防ぐことがで
き、記録シートと皮膜の間には水蒸気が封止されず、記
録シートと皮膜の剥がれ、あるいは微細な気泡による表
面の白濁を防ぐことが出来る。さらに、排出されない水
分が不用意に機内各所に結露し機器の腐食や記録シート
が濡れるという不具合を防止できるほか、電気回路の漏
電による機器の誤動作、さらにはショートによる火災の
防止等が図られ、機器の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態にかかる画像形成装置の構成図で
ある。
【図2】記録シートの先端折れが起きない状態を説明す
る図である。
【図3】記録シートの先端折れが起きる状態を説明する
図である。
【図4】定着工程の説明図である。
【図5】定着工程を模式的に示す立体図である。
【図6】定着加圧部材の異物除去を説明する図である。
【図7】第二実施形態にかかる画像形成装置の構成図で
ある。
【図8】第五実施形態にかかる画像形成装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
X …異物 1 …インクジェット記録手段 2 …走査ローラ 3 …記録シート 4 …カッター 5、50、60 …乾燥装置 6 …定着器 7 …冷却部 8 …分離軸 9 …排出ローラ 11 …クリーニング機構 12 …乾燥加熱ローラ 13 …乾燥加圧ローラ 14、53 …乾燥ヒータ 15 …搬送経路切替フラップ 16、55 …乾燥ニップ 17 …保持ローラ 18 …クリーニングペーパ 19 …定着搬送路 20 …ラミネート材 20a …ベース材 20b …表層材層 20c …粘着層 21 …ロール 22 …ガイドローラ 23 …定着加熱ローラ 24 …定着加圧ローラ 25 …定着ニップ 26 …ロール 27 …定着ヒータ 28 …不織布 29 …巻出しロール 30 …押し当てローラ 31 …巻取りロール 51 …加熱ベルト 52 …加圧ローラ 61 …排気機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/00 335 B41J 29/00 J 3L113 Fターム(参考) 2C056 FD13 HA29 HA44 HA46 2C061 AP03 AP04 AQ05 AS06 CM07 CM11 3F053 BA03 BA14 LA02 LA05 LA06 LA07 LB03 3F101 AB01 AB05 3K058 AA14 AA41 AA87 BA18 DA03 3L113 AA02 AA08 AB05 AC08 AC25 AC32 AC54 AC63 AC64 AC69 AC76 BA28 DA01 DA04 DA05 DA10 DA21 DA24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録シートの乾燥を行う乾燥手段と、 前記乾燥手段のシート搬送方向下流側で記録シートに形
    成した画像を該記録シートに定着させる定着手段と、を
    有し、前記乾燥手段は、画像を記録する記録手段により
    記録の終了した記録シートの進行方向を反転し、前記定
    着手段に搬送することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記乾燥手段は、加熱加圧された記録シ
    ートを保持する保持部材を備え、画像を記録する記録手
    段により記録の終了した記録シートを加熱加圧し、加熱
    加圧された該記録シートを前記保持部材で保持し、進行
    方向を反転し、再び加熱加圧した後、前記定着手段に搬
    送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 記録シート先端が前記乾燥手段のニップ
    を通過してから、前記定着手段のニップに到達するまで
    の所用時間が2秒以上であることを特徴とする請求項2
    に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記定着手段は、粘着材が塗布された樹
    脂フィルムと、記録シートを重ねて加熱加圧することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 記録シートは粘着材が塗布された樹脂フ
    ィルムに当接した後、前記定着手段によって加熱加圧さ
    れることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記定着手段の定着加圧部材表面に当接
    し表面に付着した異物を除去する清掃部材、を備えるこ
    とを特徴とするおよび請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記清掃部材はシリコンオイルを含浸
    し、異物を除去する際に定着加圧部材表面にシリコンオ
    イルを塗布することを特徴とする請求項6に記載の画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 前記清掃部材は研磨剤を含有し、該研磨
    剤が定着加圧部材表面の異物を擦り落として除去するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記画像形成装置は、記録手段が信号に
    応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する
    熱エネルギーを利用してインクを吐出することを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】 記録物に含まれる水分を加熱し乾燥す
    る乾燥手段と、 前記乾燥手段から発生した気体又は霧状の液体を機外に
    排出する排気機構と、を有し、 前記排気機構は前記乾燥手段より垂直方向上方に配置さ
    れ、記録シートは前記乾燥手段に下方から進入し上方に
    排出されることを特徴とする乾燥装置。
  11. 【請求項11】 記録シートの記録面が、前記乾燥手段
    に搬送される記録シートの排気機構側であることを特徴
    とする請求項10に記載の乾燥装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に記載の乾燥装置と、 記録シートに形成した画像を該記録シートに定着させる
    定着手段と、を有し、 前記定着手段は前記乾燥手段よりシート搬送方向下流か
    つ垂直方向上方に配置されることを特徴とする画像形成
    装置。
  13. 【請求項13】 前記画像形成装置は、記録手段が信号
    に応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発す
    る熱エネルギーを利用してインクを吐出することを特徴
    とする請求項12に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023026349A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

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