JP2002127005A - 金属加工機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミクロ仕上げ機械を含む金属加工機械のオシ
レーション装置を簡単な構造にし、駆動装置を減らし、
オシレーション量の変更を容易にし、さらには加工中で
も連続的に変更できるようにする。 【手段】 本体１０に軸支されワーク１を挟持しながら
軸方向移動可能に回転する主軸４と、主軸の一端に設け
られたフェイスカム５と、主軸を一端側へ付勢する付勢
手段と、フェイスカムのカム面５ａと摺接回転するロー
ラ６と、ローラを本体に固定する支持部１２とを設け
る。さらに、フェイスカムのリフト量が中心４ａから半
径方向５ｂに向かって連続的に大きくされ、かつ支持部
はローラを主軸の中心側４ａと半径方向５ｂとの間で軸
直角方向に移動可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鋼管、自動車部品等
筒状体の外面または内面を高精度に仕上げるための、ツ
ールであるマイクロフイニッシングフイルムを用いたミ
クロ仕上げ機械を含む金属加工機械のオシレーション機
構に関する。

【０００２】

【従来の技術】かかるミクロ仕上げ機械を含む金属加工
機械としては、例えば特公平5-9225号公報に示すよう
に、ポリッシュツールであるマイクロフイニッシングフ
イルムをワークの外面または内面に押し当てて通過させ
るものが開示されている。かかるフィルムラップ加工に
おいては、フィルムとワークとを軸方向に相対的に振動
させるいわゆるオシレーション運動を与えてワーク加工
表面の面粗さ等の精密加工を行っている。このオシレー
ション運動を得るためには、例えば、フィルムを押しつ
ける加工ツール又はワークを挟持する主軸のいずれかの
一端に円盤を取付ける。さらに、この円盤の円盤面上を
摺接回転する偏心カムを設け、スプリング等を用いて円
盤を偏心カムに付勢するようにしている。これにより、
偏心カムを回転させることにより、円盤を軸方向に振動
させ、オシレーション運動を加工ツール又は主軸に与え
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
偏心カムを回転させてオシレーションさせるためには、
偏心カムを回転させる駆動装置が別に必要であり、スペ
ース、構造が複雑になるという問題があった。また、偏
心カムを使用する場合は、カムの偏芯量がオシレーショ
ン量となるため、オシレーション量を変えるには段替え
作業により偏芯カムを都度交換する必要があり、交換に
時間を要した。また、種々の偏心カムを用意保管する必
要がある等の問題があった。また、加工中での偏心量の
変更ができないという問題があった。本発明の課題はか
かる問題点に鑑みて、簡単な構造で、駆動装置を減ら
し、また、オシレーション量の変更が容易で、さらには
加工中においてもオシレーション量を変更さらには連続
的に変更できるミクロ仕上げ機械を含む金属加工機械を
提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明においては、鋼
管、自動車部品等筒状体の外面または内面を高精度に仕
上げるための、ツールであるマイクロフイニッシングフ
イルムを用いたミクロ仕上げ機械を含む金属加工機械に
おいて、本体に軸支されワークを挟持しながら軸方向移
動可能に回転する主軸と、前記主軸の一端に設けられた
フェイスカムと、前記主軸を一端側へ付勢する付勢手段
と、前記フェイスカムのカム面と摺接回転するローラ
と、ローラを前記本体に固定する支持部と、を有するミ
クロ仕上げ機械を含む金属加工機械を提供することによ
り上記課題を解決した。

【０００５】即ち、円盤状の円盤面にカム面を有するフ
ェイスカムを主軸に設け、スプリング等の付勢手段によ
り主軸をフェイスカムを介してローラに付勢させ、本体
に支持されたローラをこのフェイスカム面上で摺接させ
るようにしたので、主軸が回転するだけでフェイスカム
とローラ間の距離が変化し、主軸が軸方向の力を受けオ
シレーション運動する。従って、ローラ側に駆動装置を
要しない。

【０００６】また、前記フェイスカムのリフト量が中心
から半径方向に向かって連続的に大きくされ、かつ支持
部は前記ローラを前記主軸の中心側と半径方向との間で
軸直角方向に移動可能にするのがよい。フェイスカムの
カム面が半径方向で一定である場合は、フェイスカム上
のローラの位置によってリフト量は変わらないが、半径
方向に向かってフェイスカムのリフト量を変化させるこ
とにより、フェイスカムとローラとの摺接位置によって
リフト量を変更できる。フェイスカムのリフト量を中心
から半径方向に向かって連続的に大きくし、ローラの位
置を移動できるようにしたので、任意のリフト量を得る
ことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。図１は本発明の一実施形態のマイクロフイニッシ
ングフイルムを用いたミクロ仕上げ機械のオシレーショ
ン機構部の要部正面図、図２は図１の側面図で、それぞ
れ一部を切り欠いて示す。ワーク1 は、ミクロ仕上げ機
械本体１０に取付けられたヘッドストック１１に回転及
び軸方向移動可能に図示しない軸受等に軸支された主軸
４に取り付けられたヘッドセンター２と図示しないテー
ルストックに回転可能に支持されたテールセンター３と
によりセンターリングされる。主軸４の一端（図で見て
左側）には円盤状の円盤面に凹凸のカム面５ａが形成さ
れたフェイスカム５が取付けられている。一方、フェイ
スカム５のカム面５ａに摺接回転するローラ６が支持部
１２を介して本体１０に固定されている。

【０００８】テールセンター３は図示しないスプリング
にて、ワーク１を左方に押し付けているので、ワーク及
び主軸４はテールセンターとローラ６との間に挟まれた
状態にある。従って、フェイスカム５のカム面５ａはロ
ーラ６に常に接する状態にある。フェイスカム５のカム
面５ａは図２に示すようにリフト量が半径（放射線）方
向に、連続的に大きくなる形状とされている。また、ロ
ーラ６は支持部１２により図２でみて主軸中心４ａから
少なくともフェイスカムのカム面の外側面５ｂまで移動
可能にされている。主軸４のフェイスカム面５ａの反対
側にプーリ７が設けられ、プーリ７はベルト９を介し
て、モータ１３の軸に取り付けられてプーリ８に連結さ
れ、主軸４がモータ１３により回転可能にされている。

【０００９】かかる構成によれば、モータ１３の回転に
より、プーリ８、ベルト９、プーリ７を介して主軸４が
回転し、ワーク１が加工される。同時にフェイスカム５
も回転し、カム面５ａによりローラ６から反力を受けカ
ム面のリフト量に応じて軸方向に主軸が移動し、ワーク
にオシレーション運動をさせることができ、主軸用のモ
ータのみで主軸の回転運動とオシレーション運動を同時
に行うことができる。

【００１０】また、支持部１２によりローラ６の半径方
向の取付け位置を変えると、フェイスカム面５ａとロー
ラとの摺接位置がかわるので、リフト量を変化させるこ
とができうるのでワーク１のオシーレション量を変える
ことができる。さらに、支持部１２に半径方向にローラ
６の移動を自動的に行える駆動装置を設け左右にローラ
を移動させることにより、ワーク加工中にオシレーショ
ン量を連続的に変化させることができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明においては、フェイスカムを主軸
に設け、フェイスカムをローラに付勢させ、ローラをこ
のフェイスカム面上で摺接させ、主軸を回転するだけで
主軸の回転とオシレーション運動を行うようにしたの
で、オシレーション用の駆動装置が不要となり、構造も
簡単で装置の大幅なコスト縮減が実現できるものとなっ
た。

【００１２】また、 フェイスカムのフェイスカム面を
半径（放射線）方向にリフト量を連続的に変化させる形
状とし、また、フェイスカム面に接するローラを容易に
移動できるようにしたので、一つのカムで数種のリフト
量を選択できるので、オシレーション量（リフト量）の
変更が容易で、カムの種類も減じることができる。さら
に、ワーク加工中に連続的にローラを移動させること
で、オシレーション量を変更さらには連続的に変更でき
るものとなった。よって、加工されるワーク表面には様
々な大きさをもったクロスハッチ面が創成することも可
能となった。さらに、ワーク表面を更に高精度に、且
つ、高能率で仕上げることが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態のマイクロフイニッシング
フイルムを用いたミクロ仕上げ機械のオシレーション機
構部の要部正面図で、一部を切り欠いて示す。

【図２】図１の側面図で、一部を切り欠いて示す。

【符号の説明】

１ ワーク ２ ヘッドセンター ３ テールセンター ４ 主軸 ４ａ 主軸中心 ５ フェイスカム ５ａ カム面 ５ｂ カム面の外側面 ６ ローラ ７、８ プーリ ９ ベルト １０ 本体 １１ テールストック １２ 支持部 １３ モータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼管、自動車部品等筒状体の外面または
   内面を高精度に仕上げるための、ツールであるマイクロ
   フイニッシングフイルムを用いたミクロ仕上げ機械を含
   む金属加工機械において、本体に軸支されワークを挟持
   しながら軸方向移動可能に回転する主軸と、前記主軸の
   一端に設けられたフェイスカムと、前記主軸を一端側へ
   付勢する付勢手段と、前記フェイスカムのカム面と摺接
   回転するローラと、前記ローラを前記本体に固定する支
   持部と、を有することを特徴とするミクロ仕上げ機械を
   含む金属加工機械。
2. 【請求項２】 前記フェイスカムのリフト量が中心から
   半径方向に向かって連続的に大きくされ、かつ前記支持
   部は前記ローラを前記主軸の中心側と半径方向との間で
   軸直角方向に移動可能にされていることを特徴とする請
   求項１記載のミクロ仕上げ機械を含む金属加工機械。