JP2002126931A - 孔・溝加工フライス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い切削性で正確に工作物を加工することが
でき、保守が簡単で、多面的に使用できる孔・溝加工フ
ライスを提供すること。 【解決手段】 改善された孔・溝加工フライス１は、正
面側に互いに対称に配設されたチッププレート座５，６
を備えた工具本体２を有する。ここに切削チッププレー
ト３，４が配設され、これらに、互いに整合する切れ刃
７，８；９，１１；１２（１２’），１４（１４’）及
び場合によっては４１，４２が設けられ、孔明け作業で
もフライス削り作業でもそれぞれ２つの切れ刃が働くよ
うになっていて、切削能力を高めると共に孔明けとフラ
イス削りそれぞれについて等しい送りを可能にしてい
る。本発明の孔・溝加工フライスは軸対称構造になって
いるためより穴あけ作業時に横力が作用せず、このため
大きな送りにかかわらず高い加工精度が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はチップを装備した高
い切削能力の孔加工及び溝加工用のフライスに関する。

【０００２】

【従来の技術】加工を行なう切削工具は、回転する工具
を軸方向に送りながら工作物を旋削するのに使用され
る。その場合、切削工具の切刃は工作物の材料と継続的
に接触して、おおむね間断のない切削を行う。このため
に、切削工具の端面側に配設された切刃の切削荷重は均
等になり、振動又は脈動がない。ところが、フライス加
工のために切削工具にさらに横送りをすることがしばし
ば要求される。そのために外周刃が必要である。しか
し、外周刃は工作物と持続的でなく間欠的に接触するた
めに切削が断続的に行われ、従って、外周刃に振動が生
じたり脈動力が発生する。このような加工に適する工具
はこうした力に耐えなければならない。

【０００３】全体が超硬合金から成り、押出法で成形さ
れた切削工具が欧州特許第０２５７３７２号により知ら
れている。この切削工具は回転軸に関して回転対称に形
成されており、２個の正面刃と２個の外周刃を有する。

【０００４】切刃が摩耗すると、切削工具全体を交換又
は再調整しなければならない。

【０００５】工具本体が工具本体の端面にも外周にも切
削チップを設けた孔・溝加工フライスがドイツ国特許公
報第３４１７１６８号で知られている。工具本体の端面
に、ここで操作する２個の切刃の一方が横切削チッププ
レートとして配設されている。この切削チッププレート
の切刃は回転中心部から半径方向外側へ延びているが、
全半径にわたっていない。工具端面に配設された別の相
補的切削チッププレートの正面切刃は外側コーナー区域
から半径方向内側へ延びているが、その延びの範囲は横
切削チッププレートのそれよりも小さい。従って、１個
の切刃しか働かない半径区域がある。このことは特に孔
・溝加工フライスの外側区域に認められる。このため、
孔・溝加工フライスの軸方向送りは、この一方の切刃の
切削能力によって制限される。

【０００６】この公知の孔加工フライスの工具本体は、
さらに外周切削チッププレート用チッププレート座を有
する。このチッププレート座は２つの互い違いの列に配
列され、交互に並んでいる。その場合、２列の外周切削
チッププレートの切刃は整合して、２つの切刃が働く区
域が生じることになるが、一方の列の２個の外周切削チ
ッププレートの間のすき間では他方の列の切削チッププ
レートのただ１つの切刃部分しか働かない。このため横
送り運動の送り速度はこの切刃区域の切削能力によって
制限される。

【０００７】別の孔加工フライスがドイツ国特許公報第
１９６０９８２０号により知られている。その工具本体
はチッププレート座を備えた複数個のグルーブを有す
る。これらのグルーブは、個々の列の切削チッププレー
トとは異なる軸方向位置をとり、外周刃が整合するよう
に配列されている。コーナー即ち外周刃と正面刃の接合
部に２個の円形切削チッププレートが挿入されている。
この円形切削チッププレートは異なる軸方向及び半径方
向位置に配設されており、その内の一方は外周刃と共に
作用し、他方は正面刃と共に作用する。こうして、円形
切削チッププレートは孔明け運動（軸方向送り）とフラ
イス削り運動（半径方向送り）のいずれに対しても切削
性を制限する。

【０００８】上記の先行技術による孔明け工具又は孔明
け−フライス削り両用工具では切削能力が制限され、場
合によっては孔明け運動とフライス削り運動で許容送り
可動性が異なったり、孔明け操作時に半径方向力が生じ
たりする。これに対して、工具が切削チッププレートを
設けないで全体が超硬合金性である場合には、切刃が摩
耗した刃物の保守が不可能であり又はその保守には少な
くとも費用がかかる。

【０００９】また、孔明けもするように構成されたフラ
イスヘッドが欧州第０５３７４７６Ｂ１号公報で知られ
ている。フライスヘッドは細長いすらりとした工具本体
を有し、その端面に切削チッププレートとして２個の円
形切削チッププレートが配設されている。その場合、切
削チッププレートは、切刃が中心軸で相互に接触し、又
は切削チッププレートが整合し、即ちすくい面が部分的
に相接するようにして、適当なチッププレート座に保持
される。そこで、切削チップのすくい面（前面）は共通
の平面にある。十分な逃げ角を得るために、特に孔明け
・フライス削り両用工具では小さな直径で大きなテーパ
をつけて切削チッププレートを形成しなければならな
い。これは切刃を弱める。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】以上に基づき本発明の
課題は、高い切削能力で正確な工作物加工ができ、保守
が簡単な、多面的に使用できる孔・溝加工フライスを提
供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この課題は、孔・溝加工
フライスを、互いに相等しく形成され、工具本体の回転
軸に対して対称に配設されたそれぞれ少なくとも１個ず
つの第１のチッププレート座及び第２のチッププレート
座と、それぞれ底面、側面及び上面を有し、これらの面
で形成された実質的に直線状の正面刃、隅刃及び実質的
に直線状の外周刃とを有する実質的に相等しい形状の第
１の切削チッププレート及び第２の切削チッププレート
とで構成し、該正面刃、隅刃及び外周刃それぞれを軸方
向及び半径方向の同一方向へ指向し、該切削チッププレ
ートの該上面を実質的に平行にかつ食い違わせて構成す
ることによって解決される。本発明に係る孔・溝加工フ
ライスは、工具本体に取外し可能に保持された切削チッ
ププレートを設けている。固定具として、適当な締付け
手段例えばストラップ、締付けねじ、止めねじ等が考え
られる。切削チッププレートが中心固定穴を有し、これ
を止めねじが貫通するならば好都合であると思われる。
止めねじは切削チッププレートをチッププレート座及び
場合によっては適当な横取付面に押し付ける。

【００１２】本発明に係る孔・溝加工フライスの特徴
は、工具本体は、実質的に同様に形成された切削チップ
プレート用に回転軸に対して対称に端面に配設された切
削チッププレート用の２個のチッププレート座を有する
ことである。切削チッププレートはそれぞれ回転軸に対
して実質的に半径方向に指向された少なくとも１個の正
面刃と、実質的に工具縦軸方向に指向された１個の外周
刃と、正面刃と外周刃の間の中間部を成す１個の隅刃と
を有する。２つの切削チッププレートの正面刃は軸方向
に互い違いにではなくて同じ軸方向位置に配設されてい
る。また正面刃の傾きは一致する。それによって一方の
正面刃の所定の点が、他方の正面刃の、等しい半径で対
応する所定の点と同じ円軌道を確定する。換言すれば２
つの正面刃は共通の面にある。正面刃は実質的に直線状
に形成されている。正面刃は、曲率半径が切削チッププ
レート直径の２分の１を超える限り、やや湾曲させるこ
とができる。また、正面刃を複数個の部分に区分するこ
とができ、これらの部分は互いに鈍角を成す。さらに、
正面刃に単数個又は複数個の段部を設けてもよい。

【００１３】切刃はその前面（上面）即ち法線が外周方
向に向いた面が互い違いになるように配設されている。
それによって切削チッププレートの前面は互いに平行で
あり回転軸をよぎらないそれぞれ異なる平面にある。切
削工具の回転運動に関して、当該の切削チッププレート
の前面があるそれぞれの平面は、これと平行で回転軸を
よぎる半径方向平面より先にある。こうして得られる外
周刃の進みによって、当該の切削チッププレートに特別
のテーパ乃至は円錐性がなくても、外周刃に逃げ角が生
じる。こうして切削チッププレートの外周刃はくさび角
として直角又は僅かにやや鋭角をなすことができる。こ
のことは切刃の安定性を保証し、特に高い切削能力を可
能にする。

【００１４】さらにこの配列は切削チッププレートの内
側を狭い強固なウェブに支持し、又は切削チッププレー
トの側面を互いに直接当接することを可能にする。この
ような支持により、フライス削りで現われる半径方向力
を伝達することができる。切削チッププレートの上面の
上記の互い違い配列は，切削チッププレートの改善され
た横支持の基礎をなす。切削チッププレートの改善され
た支持はやはり高い切削能力を得るために利用すること
ができる。

【００１５】また、隅刃と外周刃にも同じことが当ては
まる。こうして孔明け作業（軸方向送り）でもフライス
削り作業（半径方向送り）でもそれぞれ２つの切刃が作
用する。従って、ただ１つの切刃しかない工具に比して
切削能力が倍加し、孔明けとフライス削りで同じ送り速
度を使用することができる。このことは機械のプログラ
ミングを大幅に簡素化する。送り速度を誤ってあまりに
高く選定したことにより工具に超過荷重を掛ける恐れが
生じるのを避け、又は安全を確保するために、送り速度
をあまりに低く設定したことにより加工時間を不当に長
くすることを回避することができるからである。

【００１６】切削チッププレートは回転軸に関して１８
０°ずらせて，即ち、回転軸に対して対称に工具本体に
配設することが望ましい。それによって孔明け操作で２
つの切削チッププレートによって生じる力が実質的に相
殺されるから，目立った半径方向力が発生しない。この
ことは特に孔明けの加工過程で高い精度を可能にする。

【００１７】原則として、２つの切削チッププレートの
正面刃、隅刃及び外周刃は相異なる長さを有するように
することができる。特に、２つの切削チッププレートの
完全な整合が保証されていない切刃部分が切削仕事を行
わないか別の切削チッププレートの助力を受けるように
配慮する場合がそうである。しかし、正面刃、隅刃及び
外周刃をそれぞれ同じ長さで同形に形成することが望ま
しい。それによって工具本体の端面に配設される２個の
切削チッププレートを相等しく形成することができるか
ら、保守費と製造費が低減されることになる。

【００１８】正面刃と外周刃は実質的に直線状に形成さ
れている。これに対して隅刃を必要に応じて多かれ少な
かれアーチ状に湾曲して形成することが望ましい。２つ
の正面刃は隅刃から内側へ等しい距離だけ延びて、回転
軸を取り囲む回転中心部に達する。切刃がカバーしない
回転中心部は孔明けの際に切削加工しない区域を成し、
ここに工具に沿って差当り小さなピン状残片が残る。こ
れは孔明け工具の次の横向き運動（フライス削り）で切
削により除去され，又は全体が折り取られる。

【００１９】正面刃は内側へ傾斜すること、即ち回転軸
に近い端部が隅刃に対して工具本体のシャンクの方向へ
ずれていることが望ましい。換言すれば、隅刃に隣接す
る正面刃部分が軸方向に最も大きく張り出している。そ
れによって横送り（フライス削り）で平坦面の加工が可
能になり、孔明け工具を同時に溝切りフライスとして使
用することができる。こうして２つの正面刃は望ましく
は１７０°以上１８０°未満の円錐角の円錐台を確定す
る。これに対して外周刃は１個の円筒面上に配設するこ
とが望ましい。外周刃が回転軸と平行に整列されている
場合は、外周刃を完全に直線状に形成することができ
る。ところが切削チッププレートが或る軸角で工具本体
に取り付けられ、又は切削チッププレートに軸方向すく
い角が設けられている場合は（例えば切削チッププレー
トがくさび形に形成されているため）、外周刃が湾曲し
て仮想の円筒の外周面上にある。切刃は必要に応じてら
せん形、楕円アーチ形であり、又は仮想の円筒外周面上
にある別の曲線になり得る。

【００２０】正面刃の回転軸に面した側は、残余の正面
刃に対して傾斜してこの場合内刃と呼ばれる部分へ移行
するようにすることが望ましい。正面刃はそれぞれこれ
に平行な半径の前に配設されている。このことは外周刃
区域で切削チッププレートの安定性を高めることができ
る。その場合、内刃は回転軸の周囲（回転中心区域）で
この半径の背後に通っているから、ここでもさらに切削
作業が可能である。従って、ピン状残片が残存すること
があっても、それは細身であり、孔明け送りを妨げな
い。

【００２１】切削工具の２つの切削チッププレートは、
半径方向取付け及びフライス削りで生じる力を受けるた
めに、回転軸を取り囲んで配設された工具本体のウェブ
区域に接するようにすることができる。ウェブ区域は、
例えば、工具本体の端面側の端部寄りに細くなっている
くさびとして形成される。これによって正面刃を回転軸
に直接近づけることによって切削操作が及ばない回転中
心部をごく小さい区域にすることが可能になる。必要な
らば、チッププレート座を内側へ開放した構造にするこ
ともできる。即ち、チッププレート座には切削チッププ
レートの半径方向横支持面がない。その場合、切削チッ
ププレートが回転軸において向かい合わせ、互いに小さ
なギャップを定めるか互いに押圧させることが可能であ
る。なお、内刃即ち回転中心部へ延びる正面刃部分は、
この切刃部分が回転中心部の前方でなく後方で運動する
ようにチッププレート座側へ傾斜していることが望まし
い。それによって切刃部分がその配置方向と逆に移動す
ることが防止される。

【００２２】工具本体の端面に３個以上の切削チッププ
レートを設けることも可能である。この場合も、すき間
のない切刃を形成するために、切削チッププレートを互
いに直接当接させることが可能である。これは切削能力
を高め、簡単なチッププレート座を形成することを可能
にする。

【００２３】切削チッププレートを支持するために、横
方向（半径方向）に縦段を、軸方向に横段を設けること
ができる。さらに一方の方向の支持を受け持つ取付けね
じをそれぞれ設けることができる。

【００２４】切削工具は孔明けにもフライス削りにも使
用できる溝加工フライスでもあることが望ましい。孔明
け工具の端面に切削チッププレートを設けることによっ
て、工具に軸方向の溝を形成することが可能である。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施の形態に基
づいて図面を参照して説明する。

【００２６】図１に、工具本体２と、この工具本体２
の、対応の第１及び第２のチッププレート座（Ｐｌａｔ
ｔｅｎｓｉｔｚｅ）５，6に配設され、隅部のある２個
の切削チッププレート（Ｓｃｈｎｅｉｔｐｌａｔｔｅ
ｎ）３，４とを有する孔・溝加工フライス（Ｂｏｈｒｎ
ｕｔｆｒａｅｓｅｒ）１が示されている。切削チッププ
レート３，４はスロアウェイチップとして形成され、そ
れぞれ、正面刃（Ｓｔｉｒｎｓｃｈｎｅｉｄｋａｎｔ
ｅ）７，８、隅刃（Ｅｃｋｓｃｈｎｅｉｄｋａｎｔｅ）
９，１１及び外周刃（Ｕｍｆａｎｇｓｓｃｈｎｅｉｄｋ
ａｎｔｅ）１２，１４を有する。切削チッププレート
３，４は中心固定穴１５，１６を有する長方形の切削チ
ッププレートである。固定穴１５，１６は図３に＋でそ
れぞれの中心だけを示してあり、切削チッププレート
３，４の上面３ａ，４ａで開いている。固定穴１５，１
６に止めねじ１７が挿入され、切削チッププレート３，
４をチッププレート座５，６の（この場合平坦に形成さ
れた）支持面に押圧する。

【００２７】切削チッププレート３，４は互いに同じに
形成されている。必要ならば交換することができる。し
かし、チッププレート座５，６は互いにやや異なる構造
になっている。図1及び2が示すように、切削チッププレ
ート３のチッププレート座５は、法線が外周方向に指向
し止めねじ１７のねじ穴が貫通する平坦な支持面２１と
軸方向向きの取付面２２で規定される。切削チッププレ
ート３の半径方向内側は別の切削チッププレート２３に
支えられ、切削チッププレート２３自体は横取付面２４
で半径方向に支持される。横取付面２４は工具本体２の
回転軸２５上に又はその近くに配置される（図３）。工
具本体２は使用時にこの回転軸２５の周りに回転する。

【００２８】切削チッププレート２３は中心固定穴２６
を有する長方形の切削チッププレートである。固定穴２
６に止めねじ２７が挿入される。切削チッププレート２
３はスロアウェイチップとして形成され、図３が示すよ
うに、その正面刃２８は回転軸２５から切削チッププレ
ート３の内側の側面（逃げ面）まで延びている。正面刃
２８が外側の切削チッププレート３の正面刃７の背後に
張り出す。こうして回転軸２５から隅刃９まで延びる第
１の切刃の組が形成される。ここで、正面刃７の区域で
は刃数ｚ＝２である。正面刃７は正面刃８と共通の頂角
の大きな円錐面Ｋ上にあり、この円錐面Ｋの頂点は回転
軸２５上にある。この円錐面Ｋの頂角は１８０°近くに
（例えば、１７０°以上１８０°未満に）設定されてい
る。図３で円錐面Ｋの頂点は上向きである。即ち、隅刃
９，１１は、半径方向と軸方向のいずれでも同じ位置に
ある正面刃７，８の回転軸側の部分よりも工具本体２か
ら離れている。

【００２９】このことは、同じ回転形状を規定し、同じ
高さＨにある隅刃９，１１にも当てはまり、隅部の領域
では、刃数は２になる。高さＨは軸方向位置を定める。

【００３０】外周刃１２，１４も互いに同様の位置にあ
り、即ち、仮想の円筒の外周面（円筒面Ｚ）上にあり、
回転軸２５に対してそれぞれ等しい半径Ｒの位置にあ
る。孔・溝加工フライス１は外周面の外周刃１２，１４
の２つの切刃の組み合わせ、隅角部の隅刃９，１１の２
つの切刃の組み合わせ、また正面の正面刃７，８の２組
の切刃の組み合わせから成る。従って、切削チッププレ
ート３，４の、正面刃、隅刃及び外周刃の領域では、そ
れぞれ、刃数ｚはｚ＝２である。

【００３１】以上述べた孔・溝加工フライス１は次のよ
うに動作する。

【００３２】工作物を切削加工するために、孔・溝加工
フライス１は工作機械の工作主軸に遊転不能に緊締固定
される。孔・溝加工フライス１は工作主軸により回転軸
の周りに適当な回転数で回転される。さらに、孔・溝加
工フライス１及び工作物の双方又は片方に送り運動が与
えられる。送り運動は回転軸２５に平行又は直角に行う
ことができる。また、これらを重畳した運動を行なうこ
ともできる。その場合、工作物と孔・溝加工フライス１
との合成相対運動は、回転軸２５の軸方向の成分も、こ
れを横切る成分も有する。

【００３３】送り運動が回転軸２５の方向の成分しか持
たない場合は、孔・溝加工フライス１は孔明け操作を行
う。その場合、正面刃７，８と隅刃９，１１が工作物に
接触し、両者の刃は等しい厚さの切粉を工作物から取り
除く。その結果生じて切削チッププレート３，４に作用
する反作用は逆向きであり、トルクに加算される。この
ため工具本体２を横に偏らせる横向きの力は生じない。
回転軸２５の近傍に配設された比較的小さな切削チップ
プレート２３は、回転軸２５に面したその隅角部が切削
工具の回転中心部をマーキングして横向きの力を発生す
る。この切削チッププレート２３は回転軸２５に対して
非対称に配設されているために、この横向きの力は保証
されない。しかし、正面刃２８は正面刃７又は８より小
さいから、この力は比較的小さい。回転中心部では切削
量が少ないので、この区域での切削は単一の切削チップ
プレートに所定の送りを掛けるのに十分に行われる。

【００３４】工作物に孔明け操作時に明けられた穴の横
に別の切削操作を行なう場合は、回転軸に対して横向き
の送り成分を加えるか完全な横運動を行う。そこで、外
周刃１２，１４がそれぞれ交互に働く（孔明けの場合は
正面刃７，８が同時に働いた）。それによって駆動トル
クがそのつど２つの切削チッププレート３，４の一方に
集中する。ところが、この送りは外周刃１２，１４で行
われるから、孔明けの場合と同様にこれらの送り速度を
同速度に設定することができる。外周刃１２，１４に交
互に作用することによって生じる脈動力は工具本体２に
吸収される。その際、工具本体２の弾性が当該のチップ
プレート座５，６の若干の弾性変形又は変位をもたら
す。こうして、２つの切削チッププレート３，４は、工
具本体２の弾性の範囲内で互いに運動することができ
る。従って、貫通する、即ち、回転軸２５を横断するド
リルの超硬合金インサートの場合と異なり、超硬チップ
材料に生じ得る大きなもろさに関わりなく、困難な条件
下でも、この弾性変化によって確実な作業を実現するこ
とができる。工具本体２は、その端面の２つの区域、即
ちチッププレート座５，６（それらは少なくとも２個あ
るが）だけを有するので強度が著しく弱められている上
に、狭いウェブ２９（即ち、それぞれチッププレート座
５，６の背後に形成された、工具本体２の支持部）だけ
で互いに連結されているが、それにもかかわらず、この
構造によって、確実な作業を実現することができる。こ
れらのスロアウェイチップは超硬合金（若干のコバルト
と、必要に応じて、適当なコーティング、例えばＡｌ２
Ｏ３のコーティングを有する炭化タングステン）から成
ることが望ましい。

【００３５】図４、５及び６に本発明の変更実施形態を
示す。これらの図に示した切削工具１は幾つかの重要な
特徴が図１乃至３の切削工具と一致するから、その限り
で同じ参照符号に基づき図１乃至３に基づく説明が当て
はまる。

【００３６】しかし、前述の切削工具である孔・溝加工
フライス１と異なり、２個の切削チッププレート３，４
は回転軸２５で相接する。さらに工具本体２に、尖塔又
は指のような、回転軸２５と平行に互いに間隔をおいて
延びる２個の支持部３１，３２が形成されている。支持
部３１，３２は円周方向に約９０°拡がっている。各支
持部３１，３２はチッププレート座を形成し、その平坦
な取付面３３，３４はこれらから突出する突縁状の中央
突起３５，３６を有する。中央突起３５，３６それぞれ
は、回転軸２５に実質的に平行な２つの側面（Ｆｌａｎ
ｋｅｎ）３７，３８；３９，４０を有し、これらの側面
３７−４０が切削チッププレート３，４の半径方向を定
め、位置決めを行う。

【００３７】中央突起３５，３６をねじ穴が貫通し、そ
の中に適当な止めねじ１７が装着される。切削チッププ
レート３，４は前述の実施形態のように同じ位置に配置
される。即ち、外周刃１２，１４、丸みのある又は直線
状の隅刃９，１１及び正面刃７，８は同形だが、回転軸
２５に関して外周方向に相互に望ましくは１８０°ずれ
ており、従って、刃数ｚ＝２である。

【００３８】正面刃７，８は隅刃９，１１から、回転軸
２５の周りの回転中心部の方向へ延びている。回転軸２
５の区域で正面刃７，８は特に図５で明らかなように、
内刃４１，４２へ移行する。内刃４１，４２は内側へ正
面刃７，８より大きく傾斜しており、孔・溝加工フライ
ス１の所定の回転方向（図４の回転方向矢印４３を参
照）に関して回転軸２５の背後で作用するように配設さ
れている。従って、回転中心区域でも刃数はｚ＝２であ
る。工作物の孔明け切削で差当り切削されないで内刃４
１，４２の間に残る小さなピン状残片は、孔明け運動の
際に軸方向送りにより切削チッププレート３，４によっ
て脇へ押しのけられ、軸方向送りを妨げない。従って、
回転中心部の最大直径はピン状残片の最大許容直径によ
り限定される。

【００３９】切削チッププレート３，４を工具本体２へ
軸方向に固定することを受け持つのは、対応のチッププ
レート座に形成された軸方向受面４４，４５である。特
に図６が示すように、切削チッププレート３，４は中心
区域、即ち回転軸２５上で互いに接触する。切削チップ
プレート３，４をスロアウェイチップとして形成した場
合は、外周刃１２，１４に対応する、図６に１２’，１
４’で示した内側の切刃は、それぞれ隣接の切削チップ
プレート３，４の自由面に接する。図５でも明らかな切
削チッププレート３，４のこの線状又はすじ状の部分の
接触によって、フライス削り操作の時に一方の切削チッ
ププレート３，４からそれぞれ他方の切削チッププレー
ト３，４への横向きの圧力の伝達が行なわれるから、横
安定性を支持部３１，３２だけに頼らないでよい。とこ
ろで、切削チッププレート３，４の相互の線状又はすじ
状接触は切削チッププレート３，４の相互の微小運動、
特に微小旋回運動を可能にし、それが特にフライス削り
の際に孔・溝加工フライス１の高い荷重担持性を保証す
る。

【００４０】これとは別に、切削チッププレート３，４
が互いに接触しないように、切削チッププレート３，４
の間に狭いギャップを設けることもできる。その場合
は、切削チッププレート３，４の支持は支持部３１，３
２だけで行なわれる。このことは、特に比較的軽切削加
工で好都合である。

【００４１】本発明の別の実施形態を図７に示す。これ
は工具本体２のチッププレート座５，６の構造が前述の
実施形態と相違する。チッププレート座５，６は、それ
ぞれ、法線が外周方向へ指向され支持面として使用され
る平坦面４４，４５を有する。半径方向内側、即ち回転
軸２５で、内側取付面４６，４７が平坦面４４，４５に
当接する。内側取付面４６，４７は鋭角をなし、回転軸
２５に対して対称に工具本体２に配設され工具端面側へ
細まっていくさび状体を形成する。くさび状体は２つの
支持部３１，３２を接続する。くさび状体はこうして図
１のウェブ２９に相当するウェブを形成するが、回転軸
２５上にある工具端面側の端部が尖っている。切削チッ
ププレート３，４は同形であり、内側取付面４６，４７
に半径方向に接するように形成されている。止めねじ１
７は切削チッププレート３，４を支持面（平坦面）４
４，４５及び内側取付面４６，４７に押し付けるために
使用される。切削チッププレート３，４を軸方向に支持
するために、同じく適当な取付面を設けることができ、
この場合はチッププレート座が合計３個の取付面を有す
る。工具本体２もチッププレート座５，６も回転軸２５
に対して対称に形成されている。切削チッププレート
３，４は図７で明らかなように大きな半径で丸みを帯び
た隅刃９，１１、又は図１の基礎をなす小さな半径で丸
みを帯びた隅刃９，１１を有することができる。正面刃
７，８は内刃部分４１，４２でマークされた回転中心部
の近くまで延びている。これらの内刃部分４１，４２は
回転軸２５まで延び又は回転軸２５の背後を横断する。

【００４２】この孔・溝加工フライス１は切刃の全長が
二枚刃又は二枚歯であり、それによって軸送り方向ａで
も半径送り方向ｒでも高い切削能力を得ることができ
る。２つの方向ａ，ｒでそれぞれに同じ送り速度を使用
することができる。工具本体２は対称構造であり、切削
チッププレート３，４が対称に配列されていると共に同
じ構造を有するから、孔明け作業では工具に半径方向力
が作用しない。フライス削り作業では切削チッププレー
ト３又は４がこれに作用する力を各自のチッププレート
座５，６を介して工具本体２に伝達するが、その際他方
の切削チッププレート４又は３には力が伝達されない。

【００４３】図８に本発明に係る孔・溝加工フライス１
の別の実施形態を示す。工具本体２は端面に切削チップ
プレート３，４用の２個のチッププレート座５，６（図
１０）を有する。チッププレート座５，６の間に狭いウ
ェブ４８が形成され、図７に示す横内側取付面４６，４
７と同様の横内側取付面が形成されている。切刃７（正
面刃），９（隅刃），１２（外周刃），４１（内刃）と
切削チッププレート４の切刃については、図７に関して
行なった説明が当てはまる。

【００４４】図７の孔・溝加工フライス１は２個の切削
チッププレート３，４しかないが、図８の切削工具は深
みぞ用のフライスとして構成されている。切粉室５１に
設けられた支持座５に別の支持座（チッププレート座）
５２，５３が接続され、これらに別の切削チッププレー
ト５４，５５が設置されている。切削チッププレート５
４，５５は望ましくは基本形状が長方形、菱形又は平行
四辺形のスロアウェイチップである。尤も、正方形の切
削チッププレートも使用することができる。

【００４５】切削チッププレート５４，５５は回転方向
から見て一平面上にある外周刃５６，５７を有する。ま
た、外周刃１２は外周刃５６と同一面上にある。このこ
とを図９に概略図で示す。切削チッププレート３にも切
削チッププレート４にも適当な別の切削チッププレート
が接続する。これを図９に５４’及び５５’で示す。こ
れから明らかなように、図８乃至１０の孔・溝加工フラ
イス１はまさしく二枚刃の構成になっている。第１の切
刃のセット（切刃７，９，１２，５６及び５７から成
る）は回転軸２５からまず半径方向に、次いで軸方向に
延びている。反対方向で切刃８，１１，１４，５６’及
び５７’から成る別の切刃のセットがまず半径方向に、
次いで軸方向に延びている。そのために、特に図８で明
らかなように、チッププレート座５，５２及び５３が順
次に背後から張り出している。切削チッププレート３
は、それが軸方向に固定されるために、適当な位置、例
えば、工具本体２の回転軸２５側の端部に、軸方向の工
具本体の端の方へ指向した面６２を有するくぼんだ横段
部（凹部）６１が形成されており、この横段部６１がチ
ッププレート座５の工具本体２の回転軸２５側の端部に
形成された段部６３に係合している。

【００４６】チッププレート座５２に続く凹陥部６４が
横段部６１の背後に切り下げられて形成されている。こ
の凹陥部６４内に切削チッププレート５４を、従って、
横段部６１の下方に、かつ切削チッププレート３の下方
に工具本体２の回転軸２５方向に張り出すように配置す
ることができる。切削チッププレート５４は固定穴を貫
く取付ねじ６５によって軸方向に固定される。切削チッ
ププレート５４は、軸方向に対してその他の取付面はな
い。

【００４７】半径方向では切削チッププレート５４はチ
ッププレート座５２に隣接する横取付面６６に接する。
この横取付面６６はフライス削り作業に当たって切削チ
ッププレート５４を半径方向に支持する。この作業のと
きだけ切削チッププレート５４が使用される。

【００４８】チッププレート座５２の背後に張り出すチ
ッププレート座も同様に形成されている。図９の概略図
で明らかなように、切削チッププレート３，５４，５５
が配置される。

【００４９】図１０は特に孔・溝加工フライス１の端面
の構造を示す。特に端面側の内刃４１，４２が回転軸２
５の背後に張り出し、回転軸２５に至るまで完全な切刃
が形成されるようになっていることが明らかである。孔
明け作業時に回転軸の周囲に形成された小さなピン状残
片は、内刃４１，４２に続く切削チッププレート３，４
の斜面によって脇へ押しのけられるから、孔明け作業を
妨げない。また、切削工具の端面は半径方向力が発生し
ないように対称に形成されている。前述の実施形態では
それぞれ２組の切刃のセットがあり（ｚ＝２）、当該の
切削チッププレート同士はそれぞれ約１８０°だけ円周
方向に離間して配設されることが望ましい。図１０で
は、切削チッププレート３は切削チッププレート４から
約１８０°離間している。同じことが切削チッププレー
ト５４，５４’間及び５５，５５’間にも当てはまる。
より大きな刃数（ｚ＝３以上）が必要な場合は、適当に
大きな数の切削チッププレートを設けなければならな
い。即ち、３列以上の切削チッププレートを工具本体２
に配設する。工具端面に３個の切削チッププレートを配
設する場合は、これらの切削チッププレートを互いに１
２０°の間隔で配設することが望ましい。

【００５０】上述のすべての実施形態に共通するのは、
切削チッププレート３，４の上面３ａ，４ａが食い違っ
ていることである。説明のために図１１を参照する。回
転軸２５を含む中心平面又は半径方向平面Ｒについてみ
ると、切削チッププレート３，４の上面（前面）３ａ，
４ａはこの平面Ｒ上でなく、特別の平面Ｅ１，Ｅ２内に
ある。特に、切削チッププレート３，４を軸角（Ａｘｉ
ａｌｗｉｎｋｅｌ）無しで取付けた場合は、これら平面
Ｅ１，Ｅ２を互いに平行にすることができる。しかし、
これらを、共通の交線で半径方向平面Ｒと交わるよう
に、回転軸２５に対して傾けて配設することもできる。
図１１の基準をなす図平面と平行に交わるならば、図平
面と平面Ｅ１及びＥ２との交線は、この場合も、互いに
平行であり、かつ、半径方向平面Ｒに平行である。この
配列の結果、上面３ａ，４ａは半径方向平面Ｒ及び図１
１に矢印Ｄで示した回転方向に関して進み側に配設され
ている。この進みによって外周刃１２，１４に正の半径
方向逃げ角が生じ、切削チッププレート３，４に大きな
逃げ角を形成しないでよい。また、切削チッププレート
３，４の側面が互いに相接し、又は、切削チッププレー
ト３，４の間に形成された工具本体２のウェブ２９に接
することが可能になる（図１、４、５及び７も参照）。
このことは切削チッププレート３，４を横支持すること
を大幅に改善するものである。このことは、特に、フラ
イス削りで重要である。切削チッププレートのこのよう
な進み配列で中心区域即ち回転軸２５の周辺で良好な切
粉形成と切削作用を行えるようにするために、正面刃
７，８は隅刃９，１１から回転軸２５の背後に通ってい
る。最も簡単な場合、このことは、図１１に示すよう
に、まず半径方向平面Ｒに平行な正面刃７，８が回転軸
２５の背後を通る斜めの内刃４１，４２に移行すること
によって達成される。これとは別に、全正面刃７，８
を、隅刃９，１１から出て回転軸２５の背後に案内する
ために、半径方向平面Ｒに対して傾けて配設することが
できる。切削チッププレートの幾何学的形状が簡単で、
構造が堅固なため、前者の場合が好適である。切削チッ
ププレート３，４の軸方向取付け角はゼロであることが
望ましい。

【００５１】改善された孔・溝加工フライスは、チップ
プレート座５，６が正面側に互いに対称に配設された工
具本体２を有する。チッププレート座５，６に切削チッ
ププレート３，４が配設され、その切刃７，９，１２及
び８，１１，１４（及び場合によっては４１，４２）は
全く同様にセットされ、即ち外周方向に完全に一つの平
面にあるように配設する。それによって孔明け作業にも
フライス削り作業にもそれぞれ２つの切刃が働く。この
ことは切削能力を高め、孔明けとフライス削りでそれぞ
れ等しい送りを可能にする。対称構造により孔・溝加工
フライスに孔明け作業で横力が掛からない。このため大
きな送りにかかわらず高い加工精度が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る孔・溝加工フライスの斜視図であ
る。

【図２】図１の孔・溝加工フライスの別の斜視図であ
る。

【図３】図１及び２の孔・溝加工フライスの側面概略図
である。

【図４】本発明に係る孔・溝加工フライスの別の実施形
態の斜視図である。

【図５】図４の孔・溝加工フライスの正面図である。

【図６】図４及び５の孔・溝加工フライスの別の斜視図
である。

【図７】本発明に係る孔・溝加工フライスの別の変更実
施形態の、ドリル端面から見た斜視図である。

【図８】本発明に係る孔・溝加工フライスの別の実施形
態の、チップルームが見える側からの斜視図である。

【図９】図８の孔・溝加工フライスの側面概略図であ
る。

【図１０】図９の孔・溝加工フライスの正面概略図であ
る。

【図１１】図１０の孔・溝加工フライスの正面拡大図を
示す。

【符号の説明】

１ 孔・溝加工フライス ２ 工具本体 ３，４ 切削チッププレート ３ａ，４ａ 上面 ５，６ チッププレート座（支持
座） ７，８ 正面刃 ９，１１ 隅刃 １２，１２’，１４，１４’ 外周刃 １５，１６ 中心固定穴 １７ 止めねじ ２１ 支持面 ２２ 取付面 ２３ （他の）切削チッププレ
ート ２４ 横取付面 ２５ 回転軸 ２６ 中心固定穴 ２７ 止めねじ ２８ 正面刃 ２９ ウエブ ３１，３２ 支持部 ３３，３４ 取付面 ３５，３６ 中央突起 ３７，３８，３９，４０ 側面 ４１，４２ 内刃（内刃部分） ４３ 回転方向矢印 ４４，４５ 軸方向受け面、支持面
（平坦面） ４６，４７ 内側取付面 ４８ ウエブ ５１ 切粉室 ５２，５３ 支持座（チッププレート
座） ５４，５４’， ５５，５５’ 切削チッププレート ５６，５７ 外周刃 ６１ 横段部 ６２ 面 ６３ 段部 ６４ 凹陥部 ６５ 取り付ねじ ６６ 横取付面 ａ 軸送り方向 ｂ 半径送り方向 Ｄ 矢印 Ｅ１，Ｅ２ 平面 Ｈ 高さ Ｒ 半径方向平面 Ｚ 仮想の円筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ズィークフリート・ホーネット ドイツ連邦共和国、デー−72116 メッシ ンゲン、グスタフ−ベルナー シュトラー セ 48 (72)発明者 クラウス・エンデルレ ドイツ連邦共和国、デー−71691 フライ ブルク、シュトットガルター シュトラー セ 12 Ｆターム(参考） 3C022 EE00 EE17 KK03 KK06 KK12 KK14 KK23 KK25 LL01 LL02 LL03 MM06 MM15

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに相等しく形成され、工具本体
   （２）の回転軸（２５）に対して対称に配設されたそれ
   ぞれ少なくとも１個ずつの第１のチッププレート座
   （５）及び第２のチッププレート座（６）と、 それぞれ底面、側面及び上面（３ａ，４ａ）を有し、こ
   れらの面で形成された実質的に直線状の正面刃（７，
   ８）、隅刃（９，１１）及び実質的に直線状の外周刃
   （１２，１４）とを有する実質的に相等しい形状の第１
   の切削チッププレート（３）及び第２の切削チッププレ
   ート（４）とを有し、 該正面刃（７，８）、隅刃（９，１１）及び外周刃（１
   ２，１４）それぞれが軸方向（ａ）及び半径方向（ｒ）
   の同じ位置にあり、 該切削チッププレート（３，４）の該上面（３ａ，４
   ａ）が実質的に平行にかつ食い違って配設されて成るこ
   とを特徴とする孔・溝加工フライス。
2. 【請求項２】 前記２つの切削チッププレート（３，
   ４）の前記正面刃（７，８）、前記隅刃（９，１１）及
   び前記外周刃（１２，１４）のそれぞれが互いに等しい
   長さを有することを特徴とする請求項１に記載の孔・溝
   加工フライス。
3. 【請求項３】 前記正面刃（７，８）、前記隅刃（９，
   １１）及び前記外周刃（１２，１４）がそれぞれ同じ形
   状を有することを特徴とする請求項１に記載の孔・溝加
   工フライス。
4. 【請求項４】 前記２つの切削チッププレート（３，
   ４）の前記正面刃（７，８）が、該切削チッププレート
   の内側切刃（４１，４２）によって又は該切削チッププ
   レート（３，４）の少なくとも一方にすき間なく接続す
   る内側チップ（２３）によって定められ、かつ、前記回
   転軸(２５)を取り囲む回転中心部まで少なくとも延びて
   いることを特徴とする請求項１に記載の孔・溝加工フラ
   イス。
5. 【請求項５】 前記切削チッププレート（３，４）の前
   記外周刃（１２，１４）が前記回転軸（２５）と同心の
   円筒面（Ｚ）上に配設されていることを特徴とする請求
   項１に記載の孔・溝加工フライス。
6. 【請求項６】 前記正面刃（７，８）が、円錐角が１７
   ０°以上１８０°未満の円錐面（Ｋ）上に配設されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の孔・溝加工フライ
   ス。
7. 【請求項７】 前記チッププレート座（３，４）は、前
   記切削チッププレート（３，４）を半径方向に取付ける
   ために、前記回転軸（２５）に沿ってこれと僅かな間隔
   で延びている内側取付け面（４６，４７）を有すること
   を特徴とする請求項１に記載の孔・溝加工フライス。
8. 【請求項８】 前記内側取付け面（４６，４７）は、前
   記回転軸（２５）に対して鋭角を成して配設され、前記
   工具本体（２）は、該回転軸（２５）の区域に該回転軸
   （２５）に対して対称に配設されたウェブを有するよう
   になっていることを特徴とする請求項７に記載の孔・溝
   加工フライス。
9. 【請求項９】 正面側に配設された前記切削チッププレ
   ート（３，４）のチッププレート座（５，６）は、該切
   削チッププレート（３，４）が直接に相接するように半
   径方向取付面なしに形成されることを特徴とする請求項
   １に記載の孔・溝加工フライス。
10. 【請求項１０】 前記切削チッププレート（３，４）の
    前記チッププレート座（５，６）は該切削チッププレー
    ト（３，４）を半径方向に支持するための少なくとも１
    個の中央突起（３５，３６）を有することを特徴とする
    請求項１に記載の孔・溝加工フライス。
11. 【請求項１１】 前記切削チッププレート（３，４）
    は、それぞれ、取付けねじ（１７）により、前記チップ
    プレート座（５，６）に形成され該切削チッププレート
    （３，４）を一方の方向へ移動させるのを防止するため
    の取付面（４６，４７；２２）に保持されることを特徴
    とする請求項１に記載の孔・溝加工フライス。
12. 【請求項１２】 正面側の前記切削チッププレート
    （３，４）の前記チッププレート座（５，６）は、ねじ
    付き固定穴が貫通し該回転軸（２５）と平行に配設され
    た支持面（２１）を有することを特徴とする請求項１に
    記載の孔・溝加工フライス。
13. 【請求項１３】 前記工具本体（２）は、正面側の前記
    切削チッププレート（３，４）用に設けられた前記チッ
    ププレート座（５，６）に続いて、該切削チッププレー
    ト（３，４）の前記外周刃（１２，１４）に整合し又該
    外周刃（１２，１４）に隙間無く接続する外周刃（５
    ６，５７；５６’，５７’）を有する外周切削チップ
    （５４，５５；５４’，５５’）用の別のチッププレー
    ト座（５２，５３）を有することを特徴とする請求項１
    に記載の孔・溝加工フライス。
14. 【請求項１４】 正面側の前記切削チッププレート
    （３，４）の前記チッププレート座（５，６）は、該切
    削チッププレート（３，４）を軸方向に支持するための
    横段部（６１）を有することを特徴とする請求項１３に
    記載の孔・溝加工フライス。
15. 【請求項１５】 前記切削チッププレート（３，４）は
    スロアウェイチップとして形成されていることを特徴と
    する請求項１に記載の孔・溝加工フライス。
16. 【請求項１６】 溝加工用のフライス（１）でもあるこ
    とを特徴とする請求項１乃至１５のいずれかの１に記載
    の孔・溝加工フライス。
17. 【請求項１７】 前記回転軸（２５）の方向である軸送
    り方向（ａ）及びこれを横切る方向である半径軸送り方
    向（ｒ）の送り運動によって切削加工を行うための請求
    項１乃至１６のいずれかの１に記載の孔・溝加工フライ
    スの使用。
18. 【請求項１８】 前記軸送り方向（ａ）の送り速度と前
    記半径送り方向（ｒ）の送り速度を、それぞれ、一致さ
    せることを特徴とする請求項１７に記載の使用。