JP2002124391A - Elシート - Google Patents

Elシート

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JP2002124391A
JP2002124391A JP2001093624A JP2001093624A JP2002124391A JP 2002124391 A JP2002124391 A JP 2002124391A JP 2001093624 A JP2001093624 A JP 2001093624A JP 2001093624 A JP2001093624 A JP 2001093624A JP 2002124391 A JP2002124391 A JP 2002124391A
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JP
Japan
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conductive polymer
sheet
nitride
phosphor
transparent
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JP2001093624A
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English (en)
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Atsushi Saito
淳 斎藤
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Seiko Precision Inc
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Seiko Precision Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化物を含む物質によってコーティングされ
た蛍光体を発光層に用いた発光寿命が長く、安定作動す
るELシートを低コストで提供する。 【解決手段】 透明基板1上に、導電性高分子により構
成された透明導電膜2を形成し、その上に、窒化物を含
む物質によってコーティングされた蛍光体を用いた発光
層3を形成し、その上に、絶縁層4と背面電極層5を順
次積層してELシートを構成する。導電性高分子の一例
としては、ポリチオフェン系導電性高分子の中のポリエ
チレンジオキシチオフェンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報機器やポ
スターのバックライト等に用いられるELシートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のELシートは、ポリエチレンテレ
フタレート(以下、「PET」)からなる透明基板上
に、酸化インジウム錫(以下、「ITO」)の透明電極
を形成し、その上に蛍光体を含む発光層と、絶縁層と、
背面電極層とを順次積層したものが採用されていた。蛍
光体としては、その表面を金属酸化物でコーティングし
たものが用いられ、耐湿性向上が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】蛍光体の表面を金属酸
化物でコーティングしただけでは十分な耐湿性が得られ
ず、耐湿性をより向上させるために、蛍光体の表面を窒
化物を含む物質によってコーティングした蛍光体が提案
されている。しかしながら、表面を窒化物を含む物質に
よってコーティングした蛍光体は、その製造工程におい
てアンモニアガス雰囲気で窒化反応させる関係で、この
アンモニア基またはアミン基によって透明導電膜である
ITOが破壊され、その結果、ELシートの寿命が著し
く短くなるという問題点を有していた。
【0004】このITOが破壊される理由としては、I
TOは、インジウム(以下、「In」)の酸化物である
酸化インジウム(以下、「In23」)と、錫の酸化物
(以下、「Sn」)である酸化錫(以下、「Sn
2」)とからなるものであり、上述のアンモニア基ま
たはアミン基を触媒としてIn23とSnO2との各々
の電気分解が促進され、InおよびSnが 2In2O3 + H2O → 4(In3+ + 3e-) + 3O2 + H2O SnO2 + H2O → Sn4+ + 4e- + O2 + H2O に示されるようにイオンとなり、その結果、ITOが破
壊されるものと考えられる。
【0005】また、従来から透明電極として採用されて
いるITOは、材料自体が高価なものであり、その製造
工程においても高価なスパッタリング装置やCDV装置
を必要とすることから、製造コストが高くなっていた。
さらには、ITOによって形成した導電層は脆いため、
取り扱いがたいへん難しく、伸ばしたり、折り曲げた
り、ひっかいたりすることによって導電性を失ってしま
う問題点をも有していた。
【0006】そこで本発明は、窒化物を含む物質によっ
てコーティングされた蛍光体を発光層に用いた発光寿命
が長く、安定作動するELシートを低コストで提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上
に、透明導電膜と、発光層と、絶縁層と、背面電極層を
順次積層したELシートにおいて、前記透明導電膜は、
導電性高分子により構成されており、前記発光層は、窒
化物を含む物質によってコーティングされた蛍光体を用
いていることを特徴としている。
【0008】発光層の窒化物を含む物質によってコーテ
ィングされた蛍光体は、酸化物コーティングされたもの
よりも高発光効率、長寿命かつ耐湿性に優れている。
【0009】導電性高分子の代表的なものとしては、ポ
リアセチレン系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性
高分子、ポリピロール系導電性高分子、ポリパラフェニ
レン系導電性高分子、ポリパラフェニレンビニレン系導
電性高分子、ポリチエニレンビニレン系導電性高分子、
ポリイソチアナフテン系導電性高分子等が挙げられる。
いずれも透明であって導電性を有し、ITOによる透明
導電膜では高価な真空系加工装置と高価な材料が必要で
あるのに比して製造コストが低減できる。また、ITO
による透明導電膜のようにアンモニア基またはアミン基
によって破壊されることがない。
【0010】ポリチオフェン系導電性高分子の中ではポ
リエチレンジオキシチオフェンが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の
ELシートは、透明基板1上に、透明導電膜2と、発光
層3と、絶縁層4と、背面電極層5とを順次積層して構
成されたものである。透明基板1は、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)で作られたフィルムであり、その
上に形成される透明導電膜2は、導電性高分子により構
成されている。導電性高分子としては、ポリアセチレン
系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリ
ピロール系導電性高分子、ポリパラフェニレン系導電性
高分子、ポリパラフェニレンビニレン系導電性高分子、
ポリチエニレンビニレン系導電性高分子、ポリイソチア
ナフテン系導電性高分子等が用いられる。いずれも電気
抵抗が低く、光透過率が高く、かつアンモニア基および
アミン基に対して安定である。一例として、ポリチオフ
ェン系導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフ
ェンを用い、このポリエチレンジオキシチオフェン/ポ
リスチレンサルフォネイトをPETのフィルム1上に塗
布し、乾燥させることによって形成する。このように形
成した透明導電膜2は、従来採用されていたITOから
なる透明導電膜を形成する場合のように、高価な材料で
高価なスパッタリング加工を必要とするものではない。
また、従来採用されていたITOからなる透明導電膜は
取り扱いがたいへん難しいものであり、伸ばしたり、折
り曲げたり、ひっかいたりした場合に瞬時に導電性を失
ってしまう可能性があったが、本発明のように、導電性
高分子によって形成した透明導電膜2はそのような可能
性がたいへん低いものである。また、本発明の透明導電
膜2は、導電性高分子からなるものであるため、エンボ
ス加工や成形加工を行なうことも可能である。
【0012】発光層3は、透明導電膜2の上面に発光イ
ンクを印刷することにより形成される。発光インクを構
成する蛍光体としては、Cuをドープした硫化亜鉛(Z
nS)を用い、この蛍光体に窒化物がコーティングされ
ている。具体的には窒化アルミニウムの被膜が形成され
たものが挙げられる。製造方法としては、特開平11-260
557号に開示されているように、蛍光物質粒子を装入し
た反応容器に不活性ガスを導入し、その後、反応容器を
反応温度に加熱し、窒化物被膜前駆物質を反応容器に導
入し、共反応体を反応容器に導入し、そして不活性ガス
流れ、共反応体流れおよび前駆物質供給材料を蛍光物質
粒子に窒化物を被覆するのに十分な時間維持する各工程
を含む方法がある。発光インクは、窒化物を含む物質を
コーティングした蛍光体と、バインダーとしてフッ化ビ
ニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を溶剤として
のメチルエチルケトンに溶かしたフッ素樹脂バインダー
を用い、これらを混合して攪拌して発光インクを作る。
この発光インクをスクリーン印刷法等の方法によって透
明導電膜2の上面に印刷し、その後加熱し乾燥させて発
光層3を形成する。
【0013】絶縁層4は、発光層3の上面に形成され
る。絶縁層4を形成するインクは、チタン酸バリウム
(BaTiO3 )からなる高誘電体物質と、前記のフッ
素樹脂バインダーとを混合して攪拌することによって作
る。このインクを用いて、前記の発光層の形成と同様な
方法により絶縁層4を形成する。
【0014】背面電極層5は、絶縁層4の上面にカーボ
ンインクを印刷し、加熱し乾燥することによって形成さ
れる。カーボンインクは、導電体であるカーボン粉をポ
リエステル樹脂をバインダーとして混合して形成されて
いる。なお、この背面電極層5は、カーボン粉と銀粉及
び銅粉とバインダーであるポリエステルとによって構成
したものでも良い。
【0015】このように構成した本発明のELシートで
は、透明導電膜2が導電性高分子により形成されている
ので、発光層3に含まれる窒化物コーティングされた蛍
光体の表面に残留するアンモニア基またはアミン基によ
って透明導電膜2が破壊されることがなく、長寿命化を
達成することが可能である。
【0016】上述のようにして構成した本発明のELシ
ートに対して、40℃、90%RHの環境のもとで、1
00V、400Hzのサイン波を印加した時の、黒点
(透明導電膜の抵抗値が著しく大きくなって、ELシー
トの透明導電膜としてその役割が果たせなくなり、これ
に起因して部分的に発生する非発光部分のこと。)が発
生するまでの時間及び輝度半減期を調べた。また、比較
例としては、透明導電膜は従来と同じITOを用い、発
光層は本発明と同じ窒化物コーティングされた蛍光体を
用いた構成のELシートを作製した。両者の調査結果は
表1の通りである。
【表1】
【0017】この表1から判るように、比較例では30
〜50時間で黒点発生に至ったのに対し、本発明のEL
シートでは500時間が経過しても黒点が発生しなかっ
た。また、比較例では80〜120時間で輝度が半減し
たのに対し、本発明のELシートでは輝度が半減するの
に250〜300時間を要した。
【0018】なお、金属酸化物コーティング蛍光体を発
光層に使用した場合は、ITO透明電極膜の場合も導電
性高分子透明電極膜の場合も黒点発生は無視できる程度
であったことから、窒化物コーティングの場合の黒点発
生の原因としては、前述したようにITOによって形成
される透明導電膜が本発明の透明導電膜2である導電性
高分子と比べ、発光層に含まれる窒化物コーティングさ
れた蛍光体の表面に残留しているアンモニア基またはア
ミン基によって著しく影響を受けたものと考えられる。
【0019】上記実施例では、発光層3の蛍光体として
窒化物コーティングした蛍光体を用いたが、窒化物を含
む物質によってコーティングされた蛍光体であれば、同
様の効果が得られ、発光層3の蛍光体として、例えば窒
化物と酸化物あるいは窒化物と水酸化物とによってコー
ティングされた蛍光体を用いるようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明のELシートは、窒化物を含む物
質によってコーティングされた蛍光体の含むアンモニア
基またはアミン基によって透明導電膜が破壊されること
がなく、ELシートの長寿命化を達成することができ
る。また、高発光効率、耐湿性に優れ、さらには製造コ
ストの低減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明導電膜(導電性高分子による) 3 発光層(窒化物コーティングされた蛍光体を用い
る) 4 絶縁層 5 背面電極層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、透明導電膜と、発光層
    と、絶縁層と、背面電極層を順次積層したELシートに
    おいて、 前記透明導電膜は、導電性高分子により構成されてお
    り、 前記発光層は、窒化物を含む物質によってコーティング
    された蛍光体を用いていることを特徴とするELシー
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記導電性高分子
    は、ポリチオフェン系導電性高分子であることを特徴と
    するELシート。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ポリチオフェン
    系導電性高分子は、ポリエチレンジオキシチオフェンで
    あることを特徴とするELシート。
JP2001093624A 2000-08-08 2001-03-28 Elシート Pending JP2002124391A (ja)

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