JP2002122431A - 角速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

角速度センサおよびその製造方法

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JP2002122431A
JP2002122431A JP2000314862A JP2000314862A JP2002122431A JP 2002122431 A JP2002122431 A JP 2002122431A JP 2000314862 A JP2000314862 A JP 2000314862A JP 2000314862 A JP2000314862 A JP 2000314862A JP 2002122431 A JP2002122431 A JP 2002122431A
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vibrating body
electrode
detection electrode
electrodes
vibrator
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JP2000314862A
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Yoshinori Takashima
義則 高嶋
Kohei Harazono
講平 原薗
Katsuhiko Omoto
勝彦 尾本
Toshio Yamazaki
稔夫 山崎
Motoki Ogata
基樹 緒方
Makoto Kamei
誠 亀井
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出電極および駆動電極を精度良く形成する
ことが可能な、出力精度の向上した角速度センサおよび
その製造方法を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 第1の振動体11における互いに隣り合
うように配置された駆動電極13と検出電極14間をレ
ーザー照射により分離し、互いに隣り合う駆動電極13
と検出電極14間の空隙の幅を一定とし、出力精度が安
定する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機、車両等の
移動体の姿勢制御やナビゲーションシステム等に用いら
れる角速度センサおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の角速度センサとしては特
開平9−257490号公報に開示されたものが知られ
ている。
【0003】以下に従来の角速度センサについて、図面
を参照しながら説明する。
【0004】図9は従来の角速度センサの斜視図であ
る。
【0005】図9において、1は例えば水晶からなる第
1の振動体で、この第1の振動体1における表面には、
第1の検出電極2を設けるとともに、裏面に第2の検出
電極(図示せず)を設けている。3は第2の振動体で、
この第2の振動体3の表面には第3の検出電極4を設け
るとともに、裏面に第4の検出電極(図示せず)を設け
ている。5は駆動電極で、この駆動電極5は前記第1の
振動体1および第2の振動体3の接続部分に設けられて
いる。また、前記駆動電極5の裏面側にも同様に駆動電
極(図示せず)が設けられている。6は接続部で、この
接続部6は前記第1の振動体1および第2の振動体3の
一端部を一体に接続するとともに、この接続部6に前記
第1の検出電極2、第2の検出電極(図示せず)、第3
の検出電極4、第4の検出電極(図示せず)および駆動
電極5から延出される回路パターン7を設けており、さ
らにこの回路パターン7を3つの外部電極8に電気的に
接続させている。
【0006】以上のように構成された従来の角速度セン
サについて、次に、その組立方法を説明する。
【0007】まず、フォトリソグラフィにより第1の振
動体1、第2の振動体3および接続部6を形成する。
【0008】次に、第1の振動体1、第2の振動体3お
よび接続部6に銀を印刷することにより、第1の検出電
極2、第2の検出電極(図示せず)、第3の検出電極
4、第4の検出電極(図示せず)および駆動電極5を形
成する。
【0009】次に、同様に、銀を印刷することにより、
回路パターン7および外部電極8を形成する。
【0010】以上のように構成、組立てられた従来の角
速度センサについて、次に、その動作を説明する。
【0011】外部電極8に交流電圧を印加させると駆動
電極5により、第1の振動体1および第2の振動体3が
X軸の方向に振動する。そして、この振動状態におい
て、Z軸を中心として角速度センサに角速度が付与され
ると、第1の振動体1および第2の振動体3にコリオリ
力が生じ、第1の振動体1および第2の振動体3が変形
する。そして、この変形により生じた電荷を第1の検出
電極2、第2の検出電極(図示せず)、第3の検出電極
4および第4の検出電極(図示せず)から出力し、外部
電極8を介して、相手側コンピュータ(図示せず)等に
入力し、角速度を検出するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成においては、第1の検出電極2、第2の検出電
極(図示せず)、第3の検出電極4、第4の検出電極
(図示せず)および駆動電極5を印刷により形成したた
め、印刷の精度により電極を形成する位置が移動するこ
ととなり、第1の振動体1および第2の振動体3に生じ
る電荷を検出するのが不安定となるから、角速度センサ
の出力精度が劣化してしまうという課題を有していた。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、検出電極および駆動電極を精度良く形成することが
可能な、出力精度の向上した角速度センサおよびその製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、駆動電極と検出電極のいずれか一方、もし
くは両方を設けた第1の振動体と、検出電極と駆動電極
のいずれか一方、もしくは両方を設けた第2の振動体
と、前記第1の振動体の一端部と前記第2の振動体の一
端部とを接続する接続部とを備え、前記第1の振動体お
よび第2の振動体における互いに隣り合うように配置さ
れた電極間をレーザー照射により分離し、互いに隣り合
う電極間の空隙の幅を略一定としたもので、この構成に
よれば、出力精度の安定した角速度センサおよびその製
造方法を提供することができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、駆動電極と検出電極のいずれか一方、もしくは両方
を設けた第1の振動体と、検出電極と駆動電極のいずれ
か一方、もしくは両方を設けた第2の振動体と、前記第
1の振動体の一端部と前記第2の振動体の一端部とを接
続する接続部とを備え、前記第1の振動体および第2の
振動体における互いに隣り合うように配置された電極間
をレーザー照射により分離し、互いに隣り合う電極間の
空隙の幅を略一定としたもので、第1の振動体および第
2の振動体に駆動電極および検出電極を精度良く設ける
ことができるから、第1の振動体および第2の振動体に
生じる電荷を精度良く検出電極から出力することができ
るという作用を有するものである。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、表面およ
び裏面に駆動電極を設けるとともに両側面から稜線をま
たいで表面および裏面にわたって一対の検出電極を設け
た第1の振動体と、表面および裏面に駆動電極を設ける
とともに両側面から稜線をまたいで表面および裏面にわ
たって一対の検出電極を設けた第2の振動体と、前記第
1の振動体における一端部と第2の駆動体における一端
部とを接続した接続部とを備え、前記第1の振動体およ
び第2の振動体における表面および裏面で互いに隣り合
うように配置された駆動電極と検出電極との間をレーザ
ー照射により分離し、駆動電極と検出電極との空隙の幅
を略一定としたもので、コンデンサ成分を互いに足し合
わせることによりゼロとすることができるから、容量結
合により生じた不要な信号をキャンセルすることができ
ることとなり、これにより、角速度センサの出力特性が
向上するという作用を有するものである。
【0017】請求項3に記載の発明は、フォトリソグラ
フィにより第1の振動体、第2の振動体および接続部を
形成する工程と、前記第1の振動体および第2の振動体
に電極を蒸着により形成する工程と、前記第1の振動体
および第2の振動体における電極にレーザーを照射する
ことにより、隣り合うように配置された電極間を分離
し、駆動電極および検出電極を第1の振動体および第2
の振動体に形成する工程とからなるもので、第1の振動
体および第2の振動体における電極にレーザーを照射す
ることにより、隣り合うように配置された電極間を分離
し、駆動電極および検出電極を第1の振動体および第2
の振動体に形成したため、駆動電極および検出電極を容
易にかつ精度良く形成することができるという作用を有
するものである。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の第1の振動体および第2の振動体における互いに隣り
合うように配置された表側および裏側の電極間を第1の
振動体あるいは第2の振動体を貫通するレーザー照射に
より同時に分離し、駆動電極および検出電極の空隙を表
面と裏面とで同時に形成するようにした角速度センサの
製造方法で、この方法によれば、第1の振動体あるいは
第2の振動体を貫通するレーザー照射により同時に分離
し、駆動電極および検出電極の空隙を表面と裏面とで同
時に形成するようにしたため、第1の振動体および第2
の振動体に結晶欠陥が生じ、第1の振動体および第2の
振動体の結晶の配列が不規則になった場合には、その不
規則になった部分でレーザーの進む角度が曲がることと
なり、裏面側の電極を連続的に形成することができない
ということになるから、第1の振動体および第2の振動
体における結晶欠陥の有無を検出することができるとい
う作用を有するものである。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の隣り合うように配置された電極間を1回目のレーザー
照射により分離した後、さらに、同一の箇所に2回目の
レーザー照射を行い、隣り合うように配置された電極間
の残渣異物を除去した角速度センサの製造方法で、この
方法によれば、隣り合うように配置された電極間を1回
目のレーザー照射により分離した後、さらに、同一の箇
所に2回目のレーザー照射を行い、隣り合うように配置
された電極間の残渣異物を除去したため、1回目のレー
ザー照射により発生した残渣異物を確実に電極間から除
去することができることとなり、残渣異物が特性を変動
させるということが無いから、出力特性の安定した角速
度センサを提供することができるという作用を有するも
のである。
【0020】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載
の第1の振動体および第2の振動体における互いに隣り
合うように配置された電極間を分離するレーザー照射の
開始点を、駆動電極あるいは検出電極を形成していない
箇所から開始するようにした製造方法で、この方法によ
れば、第1の振動体および第2の振動体における互いに
隣り合うように配置された電極間を分離するレーザー照
射の開始点を、駆動電極あるいは検出電極を形成してい
ない箇所から開始するようにしたため、出力の不安定な
レーザー照射の開始点で電極を形成することが無くな
り、検出電極および駆動電極を精度良く形成することが
できるという作用を有するものである。
【0021】以下、本発明の一実施の形態における角速
度センサについて、図面を参照しながら説明する。
【0022】図1は本発明の一実施の形態における角速
度センサの表側から見た斜視図、図2は同裏側から見た
斜視図である。
【0023】図1、図2において、11は互いに結晶軸
の異なる単結晶の水晶製の薄板を貼り合わせた第1の振
動体で、この第1の振動体11の表面に図1に示すよう
に、金からなる第1の駆動電極12を設けるとともに、
裏面に図2に示すように、第2の駆動電極13を設け、
かつ外側面に第1の検出電極14を稜線15をまたいで
表面および裏面にわたって設けている。さらに、第1の
振動体11の内側面に金からなる第2の検出電極16を
設けており、この第2の検出電極16を、第1の検出電
極14と同様に、稜線15をまたいで第1の振動体11
の表面および裏面にわたって設けている。そして、第1
の駆動電極12、第2の駆動電極13、第1の検出電極
14および第2の検出電極16は互いに隣り合う電極間
の空隙の幅を略一定となるように構成されている。17
は互いに結晶軸の異なる単結晶の水晶製の薄板を貼り合
わせた第2の振動体で、この第2の振動体17は表面に
金からなる第3の駆動電極18を設けるとともに、裏面
に第4の駆動電極19を設け、かつ外側面に第2の振動
体17における稜線15をまたいで表面から裏面にわた
って、第3の検出電極20を設け、さらに内側面に第2
の振動体17における稜線15をまたいで表面および裏
面にわたって、第4の検出電極23を設けている。そし
てまた、第3の駆動電極18、第4の駆動電極19、第
3の検出電極20および第4の検出電極23は互いに隣
り合う電極間の空隙の幅を略一定となるように構成され
ている。21は水晶からなる接続部で、この接続部21
は、第1の振動体11および第2の振動体17の一端を
接続するとともに、この接続部21に前記第1の駆動電
極12、第2の駆動電極13、第3の駆動電極18、第
4の駆動電極19、第1の検出電極14、第2の検出電
極16、第3の検出電極20および第4の検出電極23
から延出された回路パターン24を設け、さらに、この
回路パターン24を根元に設けた外部電極25に電気的
に接続させている。
【0024】以上のように構成された本発明の一実施の
形態における角速度センサについて、次に、その組立方
法を説明する。
【0025】まず、互いに結晶軸の異なる単結晶からな
る水晶製の薄板を貼り合わせた後、フォトリソグラフィ
により切断し、第1の振動体11、第2の振動体17お
よび接続部21からなる音叉を形成する。
【0026】次に、第1の振動体11および第2の振動
体17の全面、接続部21の回路パターン24および外
部電極25を設ける位置に、金を蒸着することにより、
分離前の電極、回路パターン24および外部電極25を
形成する。
【0027】次に、図3に示すように、第1の振動体1
1における裏側から、薄膜を設けていない箇所を開始点
26とし、この開始点26からレーザー光を第1の振動
体11を貫通するように照射し、第1の検出電極14と
第2の駆動電極13との間を分離するとともに、第1の
検出電極14と第1の駆動電極12との間を分離する。
これは、第1の振動体11に透過性のある水晶を用いて
いるので可能となるものである。
【0028】また、レーザーは平行光なので、第1の検
出電極14と第2の駆動電極13のレーザーによる分離
した電極形状と、第1の検出電極14と第1の駆動電極
12のレーザーによる分離した電極形状とが同一にな
る。
【0029】このとき、第1の振動体11における電極
にレーザーを照射することにより、隣り合うように配置
された第1の検出電極14と第2の駆動電極13との間
および第1の検出電極14と第1の駆動電極12との間
を分離し、第1の検出電極14を第1の振動体11に形
成したため、第1の検出電極14を容易にかつ精度良く
形成することができるという効果を有するものである。
【0030】また、第1の振動体11における互いに隣
り合うように配置された第1の検出電極14と第2の駆
動電極13との間および第1の検出電極14と第1の駆
動電極12との間を分離するレーザー照射の開始点26
を、第1の検出電極14、第2の駆動電極13および第
1の駆動電極12を設けていない箇所から開始するよう
にしたため、出力の不安定なレーザー照射の開始点26
で第1の検出電極14を形成することが無くなり、第1
の検出電極14を精度良く形成することができるという
効果を有するものである。
【0031】ここで、フォトリソグラフィにより、切断
する際に過大な応力が第1の振動体11に加わり、図4
に示すように、第1の振動体11の内部に結晶欠陥27
が発生し、この結晶欠陥27により、第1の振動体11
から発生する電荷の量が不安定になる場合を考えると、
本発明の一実施の形態における角速度センサの製造方法
においては、第1の振動体11を貫通するレーザー照射
により、第1の検出電極14と第2の駆動電極13との
間および第1の検出電極14と第1の駆動電極12との
間を同時に分離し、第2の駆動電極13および第1の駆
動電極12と第1の検出電極14との間の空隙を第1の
振動体11における表面と裏面とで同時に形成するよう
にしたため、第1の振動体11に結晶欠陥27が生じ、
第1の振動体11の結晶の配列が不規則になった場合に
は、その不規則になった結晶欠陥27でレーザーの進む
角度が図4に示すように、曲がることとなり、結果とし
て、第1の検出電極14における裏面側を連続的に形成
することができないこととなるから、第1の振動体11
における結晶欠陥27の有無を検出することができると
いう効果を有するものである。
【0032】次に、第1の振動体11における裏側か
ら、薄膜を設けていない箇所を開始点26とし、この開
始点26からレーザー光を第1の振動体11を貫通する
ように照射し、第2の検出電極16と第2の駆動電極1
3との間を分離するとともに、第2の検出電極16と第
1の駆動電極12との間を分離する。
【0033】このとき、第1の振動体11における互い
に隣り合うように配置された第2の駆動電極13と第1
の検出電極14との間、第1の検出電極14と第1の駆
動電極12との間、第1の駆動電極12と第2の検出電
極16との間および第2の検出電極16と第2の駆動電
極13との間をレーザー照射により分離し、互いに隣り
合う電極間の空隙の幅を略一定としたため、レーザーを
照射する位置および精度を調整することにより、電極を
設ける位置を正確に調整できることとなり、第1の振動
体11に第1の駆動電極12、第2の駆動電極13、第
1の検出電極14および第2の検出電極16を精度良く
設けることができるから、第1の振動体11に生じる電
荷を精度良く第1の検出電極14および第2の検出電極
16から出力することができるという効果を有するもの
である。
【0034】次に、第2の振動体17における裏側か
ら、レーザー光を第2の振動体17を貫通するように照
射し、第4の検出電極23と第4の駆動電極19との間
を分離するとともに、第4の検出電極23と第3の駆動
電極18との間を分離した後、同様に、第2の振動体1
7における裏側から、レーザー光を第2の振動体17を
貫通するように照射し、第3の検出電極20と第4の駆
動電極19との間を分離するとともに、第3の検出電極
20と第3の駆動電極18との間を分離する。
【0035】最後に、第1の振動体11および第2の振
動体17の1回目のレーザー照射をした箇所に2回目の
レーザー照射を行う。
【0036】ここで、図5に示すように、1回目のレー
ザー照射により、第2の駆動電極13あるいは第1の検
出電極14がレーザーの熱により溶融し、飛散した金か
らなる残渣異物28が、第1の振動体11における第2
の駆動電極13と第1の検出電極14との間の空隙に付
着し、第2の駆動電極13と第1の検出電極14とが導
通してしまい、第2の駆動電極13および第1の検出電
極14としての機能をしなくなる場合を考えると、本発
明の一実施の形態における角速度センサおよびその製造
方法においては、隣り合うように配置された第1の検出
電極14と第2の駆動電極13間を1回目のレーザー照
射により分離した後、さらに、同一の箇所に2回目のレ
ーザー照射を行い、隣り合うように配置された第1の検
出電極14と第2の駆動電極13間の残渣異物28を除
去したため、1回目のレーザー照射により発生した残渣
異物28を確実に第1の検出電極14と第2の駆動電極
13間から除去することができることとなり、結果とし
て、残渣異物28が特性を変動させるということがない
から、出力特性の安定した角速度センサを提供すること
ができるという効果を有するものである。
【0037】以上のように構成された本発明の一実施の
形態における角速度センサについて、次に、その動作を
図面を参照しながら説明する。
【0038】音叉における第1の駆動電極12、第2の
駆動電極13、第3の駆動電極18および第4の駆動電
極19に交流電圧を印加する。このとき、まず、図6に
示すように、第1の振動体11における第2の駆動電極
13に正電圧を印加するとともに、第1の駆動電極12
に負電圧を印加すると、第1の検出電極14側では、水
晶製の薄板における結晶軸の方向と電荷の方向が一致す
るため、伸びることとなるとともに、第2の検出電極1
6側では、結晶軸の方向と電荷の方向が反対になるため
縮むこととなり、第1の振動体11が第2の検出電極1
6側に傾く。同様に、第2の振動体17における第3の
駆動電極18に正電圧を印加するとともに、第4の駆動
電極19に負電圧を印加すると、第3の検出電極20側
では、水晶製の薄板における結晶軸の方向と電荷の方向
が一致するため、伸びることとなるとともに、第4の検
出電極23側では、結晶軸の方向と電荷の方向が反対に
なるため縮むこととなり、結果として、第2の振動体1
7が第4の検出電極23側に傾く。次に、図7に示すよ
うに、第1の振動体11における第2の駆動電極13に
負電圧を印加するとともに、第1の駆動電極12に正電
圧を印加すると、第1の検出電極14側では、水晶製の
薄板における結晶軸の方向と電荷の方向が反対になるた
め、縮むことになるとともに、第2の検出電極16側で
は、結晶軸の方向と電荷の方向が同じになるため伸びる
こととなり、結果として、第1の振動体が第1の検出電
極14側に傾くことになる。そして、第1の駆動電極1
2に図8(a)に示すような電圧を印加するとともに、
第2の駆動電極13に図8(b)に示すような電圧を、
互いに極性が異なるように交流電圧を印加すると、第1
の振動体11が接続部21の長手方向に屈曲振動する。
【0039】ここで、第1の駆動電極12および第2の
駆動電極13と第1の検出電極14との間の空気層から
なる空隙が容量結合によりコンデンサとなり、第1の検
出電極14には、第1の駆動電極12からは図8(a)
の電圧よりも位相が約90度遅れた不要な出力信号が生
じるとともに、第1の検出電極14には、第2の駆動電
極13からは図8(b)の電圧よりも位相が約90度遅
れた不要な出力信号が生じる場合を考えると、本発明の
一実施の形態における角速度センサおよびその製造方法
においては、表面および裏面で互いに隣り合うように配
置された第2の駆動電極13と第1の検出電極14との
間および第1の駆動電極12と第1の検出電極14との
間をレーザー照射により分離し、図6、図7に示すよう
に、第2の駆動電極13と第1の検出電極14との空隙
30の幅と第1の駆動電極12と第1の検出電極14と
の間の空隙29を略一定としたため、第1の駆動電極1
2から第1の検出電極14に図8(c)に示す不要な出
力信号を生じさせるとともに、第2の駆動電極13から
第1の検出電極14に図8(d)に示す出力信号を生じ
させ、かつ、互いに位相が180度異なるとともに、振
幅が略同一となり、結果として、第1の検出電極14に
て図8(c)と図8(d)の出力信号を足し合わせるこ
とにより、ゼロとすることができるから、容量結合によ
り生じた不要な信号をキャンセルすることができること
となり、これにより、角速度センサの出力特性が向上す
るという効果を有するものである。
【0040】同様に、第2の振動体17における第3の
駆動電極18に負電圧を印加するとともに、第4の駆動
電極19に正電圧を印加すると、第3の検出電極20側
では、水晶製の薄板における結晶軸の方向と電荷の方向
が反対になるため、縮むことになるとともに、第4の検
出電極23側では、結晶軸の方向と電荷の方向が同じに
なるため伸びることとなり、結果として、第2の振動体
が第3の検出電極20側に傾くことになる。
【0041】そして、交流電圧を印加することにより、
電極に正電圧および負電圧を交互に加えると、音叉は接
続部21の長手方向に駆動方向の固有振動数で速度Vで
屈曲振動する。そしてまた、この第1の振動体11およ
び第2の振動体17が屈曲振動している状態において、
音叉が音叉の長手方向の中心軸周りに角速度ωで回転す
ると、第1の振動体11および第2の振動体17にF=
2mvωのコリオリ力が発生する。このコリオリ力によ
り、第1の検出電極14、第2の検出電極16、第3の
検出電極20および第4の検出電極23に出力される電
荷からなる出力信号を金からなるリード線(図示せず)
を介して相手側のコンピュータ等に入力することによ
り、角速度を検出するものである。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明は第1の振動体お
よび第2の振動体における互いに隣り合うように配置さ
れた電極間をレーザー照射により分離し、互いに隣り合
う電極間の空隙の幅を略一定としたため、レーザーを照
射する位置および精度を調整することにより、電極を設
ける位置を正確に調整できることとなり、第1の振動体
および第2の振動体に駆動電極および検出電極を精度良
く設けることができるから、第1の振動体および第2の
振動体に生じる電荷を精度良く検出電極から出力するこ
とができることとなり、出力精度の安定した角速度セン
サおよびその製造方法を提供することができるという効
果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における角速度センサの
表側から見た斜視図
【図2】同裏側から見た斜視図
【図3】同要部である第1の振動体にレーザーを照射し
て電極を分離する状態を示す斜視図
【図4】同要部である第1の振動体にレーザーを照射
し、レーザーが結晶欠陥で屈曲する状態を示す上面図
【図5】同要部である第1の振動体に残渣異物が付着す
る状態を示す側面図
【図6】同動作する状態を示す上面図
【図7】同動作する状態を示す上面図
【図8】同要部である検出電極に駆動電極から不要な信
号が到達する状態を示す図
【図9】従来の角速度センサの斜視図
【符号の説明】
11 第1の振動体 12,13,18,19 駆動電極 14,16,20,23 検出電極 15 稜線 17 第2の振動体 21 接続部 26 レーザー照射の開始点 27 結晶欠陥 28 残渣異物 29,30 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾本 勝彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山崎 稔夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 緒方 基樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 亀井 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA02 AA03 BB04 BB15 CC01 CD02 CD06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電極と検出電極のいずれか一方、も
    しくは両方を設けた第1の振動体と、検出電極と駆動電
    極のいずれか一方、もしくは両方を設けた第2の振動体
    と、前記第1の振動体の一端部と前記第2の振動体の一
    端部とを接続する接続部とを備え、前記第1の振動体お
    よび第2の振動体における互いに隣り合うように配置さ
    れた電極間をレーザー照射により分離し、互いに隣り合
    う電極間の空隙の幅を略一定とした角速度センサ。
  2. 【請求項2】 表面および裏面に駆動電極を設けるとと
    もに両側面から稜線をまたいで表面および裏面にわたっ
    て一対の検出電極を設けた第1の振動体と、表面および
    裏面に駆動電極を設けるとともに両側面から稜線をまた
    いで表面および裏面にわたって一対の検出電極を設けた
    第2の振動体と、前記第1の振動体における一端部と第
    2の駆動体における一端部とを接続した接続部とを備
    え、前記第1の振動体および第2の振動体における表面
    および裏面で互いに隣り合うように配置された駆動電極
    と検出電極との間をレーザー照射により分離し、駆動電
    極と検出電極との空隙の幅を略一定とした角速度セン
    サ。
  3. 【請求項3】 フォトリソグラフィにより第1の振動
    体、第2の振動体および接続部を形成する工程と、前記
    第1の振動体および第2の振動体に電極を蒸着により形
    成する工程と、前記第1の振動体および第2の振動体に
    おける電極にレーザーを照射することにより、隣り合う
    ように配置された電極間を分離し、駆動電極および検出
    電極を第1の振動体および第2の振動体に形成する工程
    とからなる角速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の振動体および第2の振動体におけ
    る互いに隣り合うように配置された表側および裏側の電
    極間を第1の振動体あるいは第2の振動体を貫通するレ
    ーザー照射により同時に分離し、駆動電極および検出電
    極の空隙を表面と裏面とで同時に形成するようにした請
    求項3記載の角速度センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 隣り合うように配置された電極間を1回
    目のレーザー照射により分離した後、さらに、同一の箇
    所に2回目のレーザー照射を行い、隣り合うように配置
    された電極間の残渣異物を除去した請求項3記載の角速
    度センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の振動体および第2の振動体におけ
    る互いに隣り合うように配置された電極間を分離するレ
    ーザー照射の開始点を、駆動電極あるいは検出電極を形
    成していない箇所から開始するようにした請求項3記載
    の角速度センサの製造方法。
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