JP2002122354A - 熱風発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円盤型ケーシング内に多翼送風機及び発熱体
を一体化して配設した熱風発生装置において、ケーシン
グ内部の流路に抵抗となるもののない送風状態や温度分
布が良好で、かつ製造容易で量産に向いた熱風発生装置
を提供することを目的とした。 【構成】 多翼送風機を包含する円盤型ケーシングの外
縁円周部に発熱体を鋳込んで構成するもので、ケーシン
グを製造するさい金型内に発熱体を設置して鋳造し、該
ケーシング内に多翼送風機を取り付け、送風装置と発熱
体を一体として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は、電気加熱による工業
用熱風発生装置に関し、詳しくは乾燥炉内の昇温・乾燥
・焼き付け、ワーク洗浄後の水滴除去・乾燥、電子部品
の接着後の乾燥・硬化、塗装部品の予熱及び乾燥、食品
機材の加熱・殺菌・解凍などワークに熱風を吹き付け加
熱する用途に用いる熱風発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】 従来の典型的な熱風発生装置を図１及
び図２の構成模式図を参考に説明すると、エアー通路の
中途に設け発熱体９３を内蔵する熱交換装置９０と、円
盤状のケーシング９１に包含されモーター９６により回
転する多翼送風機９２を設ける送風装置１００とが直列
的に配置して構成され、吸気口９５から供給された空気
が熱交換装置９０で加熱され、送風装置１００により送
風口９４より放出されるようになっている。尚、図示し
ないが電気加熱装置として当然備える温度制御装置等の
コントロール部や熱交換装置９０を覆う断熱材あるいは
外装等は適宜設けられており、また装置により熱交換装
置９０と送風装置１００の位置関係は送風口９４側が熱
交換装置となるもの、送風装置となるもの両者がある。

【０００３】しかし、前記装置では装置が大きくなると
いう欠点があるため、これをコンパクトにすることを主
目的として、ケーシング内腔部に送風装置と発熱部を一
体化して配設するタイプのものが提案されている。例え
ば実開昭５６−１２８４２８や特許３０５１５９４公報
がこれにあたり、これらの熱風発生装置は送風機ケーシ
ング内部の回転羽根先端とケーシング内壁との隙間にパ
イプ状の発熱体をケーシング内壁円周上沿って配設する
ことを基本とし構成されおり、これらによれば前段の熱
風発生装置に比較してコンパクトな構成の熱風発生装置
とすることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】 しかし、前記構成の
熱風発生装置は、多翼送風機の先端とケーシング内壁の
隙間に発熱体が配設される構造となるため、該発熱体が
流路抵抗となり送風機により該隙間に発生する空気の流
れに乱れが生じ、送風状態や温度分布を悪くすることが
懸念され、また、ケーシング内腔部の狭い隙間に送風機
の先端との間隔を一定に保持させながら発熱体を取り付
ける作業は面倒で量産向きとはいえないといった問題が
ある。

【０００５】そこで本発明は、発熱体と多翼送風機を一
つのケーシングに一体に配設してコンパクトとする利点
を活かしつつ、ケーシング内部の流路に抵抗となるもの
を配置することのない送風状態や温度分布が良好で、か
つ製造容易で量産に向いた熱風発生装置を提供すること
を課題とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本発明の熱風発生装置
は、多翼送風機を包含する円盤型ケーシングの外縁円周
部に発熱体を鋳込んで構成するもので、ケーシングを製
造するさい金型内に発熱体を設置して鋳造し、該ケーシ
ング内に多翼送風機を取り付け、送風装置と発熱体を一
体として構成する。

【０００７】前記発熱体として、金属パイプ（シース）
内に発熱素子を配設してシース内層と発熱素子の隙間を
電気絶縁材で充填した構造のシーズヒータを用いるのが
好ましい。

【０００８】

【作用】 本手段によれば、ケーシング内で多翼送風機
により発生する空気の流路に抵抗となるものがないた
め、空気の流れをスムーズにすることができる。また、
発熱体をケーシングの鋳造と同時に鋳込み一体化するこ
とにより発熱体とケーシングの組み付けの工程をなくす
ことができる。

【０００９】更に、予めケーシングに適合する形状のシ
ーズヒーターを用いると一層容易にケーシングと発熱体
を一体化することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】 本発明の熱風発生装置の一例を
図面を参考に説明する。

【００１１】図３、図４は本発明の一例を示す熱風発生
装置の構成を模式的に示した図で、図３が側面図、図４
が背面図として示される。空気の吸気口５及び送風口４
を設け円盤状に形成したケーシング１の内部外縁円周部
ほぼ全周囲に亘りシーズヒーター３を鋳込み、該ケーシ
ング１内腔部に多翼送風機２を包含させ、発熱部と送風
装置を一体として構成している。本例においては、ケー
シング１は、鋳造に適当な金属としてアルミニウムを用
い、多翼送風機２を取り付けるためケーシング本体１１
及びケーシング蓋体１２に分割できるよう各々を別々に
鋳造し、両部材を組み付けて形成する。また、形状は、
ケーシング１外縁円周部の一部より突出して形成する送
風口４、及びケーシング蓋体１２中央部より突出して形
成する吸気口５を設けたほぼ円盤形状としたが、吸気
口、送風口は熱風発生装置を取り付ける装置に適合させ
適当な位置に設ければ良い。

【００１２】ケーシング本体１１はこれを鋳造する金型
内部の予め設定された位置（ケーシング本体１１の内部
外縁円周部で多翼送風機２を取り囲む位置）にシーズヒ
ーター３を配置し、そこに溶融アルミニウムを注入して
鋳造して、一方、ケーシング蓋体１２は前記の通り吸気
口５を設け別に鋳造され、ケーシング本体１１内腔部に
多翼送風機２を取り付けた後該ケーシング本体１１に組
み付けられる。

【００１３】多翼送風機２は、ターボファン、ターボブ
ロアファン、シロッコファン等公知のファンをケーシン
グ１のほぼ中心で、ケーシング１内壁と多翼送風機２外
周囲とが全周囲に亘りほぼ等距離となる位置にモーター
６に接続させて取り付けられる。

【００１４】発熱体は、ステンレスパイプ（シース）内
部に発熱素子としてニクロム線を配設して、シースとニ
クロム線の隙間を絶縁材としてマグネシア（酸化マグネ
シウム）で充填した構造のシーズヒーター３を、ケーシ
ング本体１１の外縁円周部内部にほぼ全周囲に亘り鋳込
み配設した。尚、本例においては、Ｕ字型のシーズヒー
ター３をケーシング１の形状に適合させ円形状に形成し
たものを用い、端部をケーシング１内部より外部に突出
させリード線（図示ぜず）へと接続させた。

【００１５】尚、図示しないが電気装置として当然設け
られる温度調節器や各種スイッチ類は公知のものを必要
に応じて適当な位置に取り付け、また、ケーシング１周
囲は断熱材で覆うことが好ましい。

【００１６】

【発明の効果】 本発明の熱風発生装置によれば、発熱
体を送風機ケーシング内に鋳込んだことにより、ケーシ
ング内に発生する送風の流路全周囲に亘り流路抵抗が生
じず空気の流れがスムーズになる作用により、送風状態
や温度分布の良好な熱風発生装置とすることができる。
また、金型によるケーシングの鋳造と同時に発熱体が鋳
込まれる製造手段となることにより、製造工程が簡略
化、容易化することができ大量生産に適した熱風発生装
置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来の熱風発生装置の構成を示す側面から見
た構成模式図

【図２】 従来の熱風発生装置の構成を示す背面から見
た構成模式図

【図３】 本発明の熱風発生装置の構成を示す側面から
見た構成模式図

【図４】 本発明の熱風発生装置の構成を示す背面から
見た構成模式図

【符号の説明】

１． ケーシング １１． ケーシング本体 １２． ケーシング蓋 ２． 多翼送風機 ３． シーズヒーター（発熱体） ４． 送風口 ５． 吸気口 ６． モーター ９０． 熱交換装置 １００．送風装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円盤型ケーシング内に多翼送風機及び発
   熱体を一体化して配設した熱風発生装置において、ケー
   シング内部の外縁円周方向に沿って発熱体を鋳込んだこ
   とを特徴とする熱風発生装置。
2. 【請求項２】 前記発熱体は、シーズヒーターよりなる
   請求項１の熱風発生装置。