JP2002122083A - スクロール式圧縮機 - Google Patents

スクロール式圧縮機

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JP2002122083A
JP2002122083A JP2001125182A JP2001125182A JP2002122083A JP 2002122083 A JP2002122083 A JP 2002122083A JP 2001125182 A JP2001125182 A JP 2001125182A JP 2001125182 A JP2001125182 A JP 2001125182A JP 2002122083 A JP2002122083 A JP 2002122083A
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scroll
valve
scroll compressor
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Michael Mikhaylovich Perevozchikov
ミクハイロビッチ ペレボチコフ ミッチェル
Roy Doepker
ドェプカー ロイ
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Copeland Corp LLC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両スクロール部材間の可動の流体ポケットに
対する流体注入通路を、最適の態様で設ける。 【解決手段】 旋回スクロール部材５６と非旋回スクロ
ール部材７４間の可動流体ポケットに対する流体注入通
路を外殻１２の外部から、外殻に取付けた流体管接手１
２２、外殻に形成した流体注入口１２０、外殻内に設け
た主軸受けハウジング２４内の流体通路１１８，１１
６，１１４、及び旋回スクロール部材の端板５８に設け
た流体注入通路１１２でもって形成した。この流体注入
通路は上記流体ポケットに対し、気体又は液体の冷媒と
か潤滑油を注入するため、或いは圧縮機の容量を調整す
るために流体ポケットから圧縮機の吸入領域に流体を排
出するために、用いられる。外殻の外部からの加圧流体
により制御されて流体通路を流れる流体流れを制御する
バルブを、設けることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明はスクロール式圧縮
機、特に旋回スクロール部材ないしその端板を貫通させ
てある流体通路を利用した流体注入機構を組込んである
密閉型のスクロール式圧縮機に、関するものである。
【０００２】
【発明の背景】冷凍系及び空調系は一般に圧縮機、凝縮
器、膨張弁ないしその均等物、及び蒸発器を含む。これ
らの要素は、連続した流動径路中で直列に接続されてい
る。作業流体が該系を通して流れ、液相と蒸気ないし気
相間で相転換する。
【０００３】冷凍系及び空調系には種々の型式の圧縮機
が用いられて来ており、それには往復圧縮機、スクリュ
ー圧縮機及び回転圧縮機が含まれる。回転圧縮機にはス
クロール式圧縮機が含まれる。スクロール式圧縮機は、
それぞれが端板と該端板から突出する螺旋翼とを有する
２つのスクロール部材を用いて構成される。これらのス
クロール部材は、互いに相対旋回運動可能に係合するよ
うに支持されている。旋回運動中に両螺旋翼は閉鎖され
た一連の流体ポケットを形成し、該流体ポケットのそれ
ぞれは吸入圧力にある放射方向外側の位置から吐出圧力
にある中心の位置へと放射方向内向きに移動する。圧縮
されたガスは中心位置の流体ポケットから、スクロール
部材の１つの端板を貫通させて形成された吐出口を通し
て吐出される。
【０００４】スクロール式圧縮機の設計者は種々の理由
からして、上記流体ポケットが吸入領域から吐出領域へ
と移動する間に該ポケットに対し連通する通路を設ける
必要がある。この可動の流体ポケットに対する通路を設
ける理由の１つは、スクロール部材が流体を圧縮するに
つれて該スクロール部材を潤滑及び冷却するためであ
る。冷媒圧縮機で可動の流体ポケットに対する通路を設
ける他の理由は、スクロール部材を冷却するための液状
冷媒を注入するためである。可動の流体ポケットに対す
る通路を設ける別の理由は、容量調整系において圧縮機
の容量を減少するため中間の流体ポケットを圧縮機の吸
入領域に対し接続するためである。可動の流体ポケット
に対する通路を設ける、さらに他の理由はスクロール式
圧縮機の圧縮比ないし容量を増加するため、圧縮された
追加の量の流体を蒸気の形で流体ポケットに注入するた
めである。
【０００５】可動の流体ポケットに対する通路を設ける
ため、種々の方法が利用されて来ている。流体ポケット
に対する通路が油注入及び／又は容量調整のように圧縮
機の密閉された外殻の外部からの通路を必要としない場
合には通路が、注入系の設計意図に従って旋回スクロー
ル部材又は非旋回スクロール部材を通して設けられる。
可動の流体ポケットに対する通路が液体注入又は蒸気注
入系のように密閉された外殻の外部から必要とされる場
合には通路が、可動のスクロール部材よりも静止したス
クロール部材と連通させることが容易であることから静
止ないし非旋回スクロール部材を通して設けられる。
【０００６】この発明は、可動の流体ポケットに対する
通路を最も適した形で設けてある注入機構を備えたスク
ロール式圧縮機を提供しようとするものである。
【０００７】
【発明の要約】この発明は可動の流体ポケットに対する
通路を、圧縮機の外殻の外部から旋回スクロール部材な
いしその端板を貫通させた流体通路を通して得るように
構成される。密閉された外殻の外部から旋回スクロール
部材を通して可動流体ポケットに対する通路を得ること
によって、スクロール式圧縮機のより安価でより単純な
組立てを達成でき、またスクロール部材に対する機械加
工がより安価で済むこととなる。上記のような流体通路
は、圧縮機の外殻内の吸入領域に対しても連通させるこ
とができる。外殻内にバルブを設けて、流体通路を吸入
領域に対し連通させる状態と外殻の外部に対し連通させ
る状態とに切替え得るようにするのが好ましい。バルブ
は、外殻の外部からの加圧流体によって制御できる。
【０００８】この発明の他の特徴と長所とするところ
は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解
できる。
【０００９】
【実施例】図１にはこの発明に従った独特の流体注入機
構を組込んである密閉型のスクロール式圧縮機を、符号
１０で全体を指して示してある。スクロール式圧縮機１
０はほぼ円筒型の密閉された外殻１２を備え、この外殻
１２の上端にはキャップ１４を、また下端には一体形成
された複数の据付け脚（図示せず）を有する基台部１６
を、それぞれ溶着してある。キャップ１４には、内部に
通常の吐出弁を有していてもよい冷媒吐出管接手１８を
設けてある。外殻１２に取付けられた他の主な構成要素
には、キャップ１４が溶着されているのと同一の点で周
縁を外殻１２に対し溶着してある横向きの仕切り板２
０、入口管接手２２、複数個の脚部を有し該脚部端で外
殻１２に対し適宜の方法で取付けてある主軸受けハウジ
ング２４、及び放射方向外向きに延びる複数の脚部でも
って適宜の方法により外殻１２に取付けてある下部軸受
けハウジング２６が、含まれる。横断面形状が概して四
角形であるが角部を丸められているモータ固定子２８
を、外殻１２に対しプレス嵌めして設けてある。このモ
ータ固定子２８の丸められた角部間の平坦部は該固定子
２８と外殻１２間に、外殻１２の頂部から底部にかけて
の潤滑油の戻り流れを促進する通路を付与する。
【００１０】上端に偏心したクランクピン３２を有する
駆動軸ないしクランク軸３０を、主軸受けハウジング３
４内のベアリング３４と下部軸受けハウジング２６内の
ベアリング３６とに回転自在に支承させてある。クラン
ク軸３０はその下端部に比較的大径の同心的な穴３８を
有し、この穴３８は、クランク軸３０の上端にまで延び
ているところの比較的小径で放射方向外向きに傾斜して
いる穴４０へと連通させてある。穴３８内には撹拌器４
２を配置してある。外殻１２内の底部は潤滑油で満たさ
れており、穴３８，４０は、潤滑油をクランク軸３０の
上方向きに汲み上げ最終的には潤滑を必要とする圧縮機
１０の全ての部分に対し供給するポンプとして働く。
【００１１】クランク軸３０は固定子２８、該固定子２
８を貫通している巻線４４、及びクランク軸３０上にプ
レス嵌めされている回転子４６を含む電動モータによっ
て回転駆動される。クランク軸３０には上部釣り合い重
り４８を取付けてあり、また回転子４６には下部釣り合
い重り５０を取付けてある。モータ巻線４４に密接させ
て通常の型式のモータ保護器５２を設けてあり、モータ
が通常の温度範囲を越えると該モータ保護器５２によっ
てモータが停止される。
【００１２】主軸受けハウジング２４の上面には環状で
平坦なスラスト受け面５４を設けてあり、このスラスト
受け面５４上に旋回スクロール部材５６を配置してあ
る。旋回スクロール部材５６はその上面に通常の螺旋翼
６０を有する端板５８を備え、また端板５８の下面に環
状で平坦なスラスト面６２を有する。端板５８の下面か
ら内部にジャーナル軸受６６を有する円筒形のハブ６４
を下方向きに突出させてあり、このハブ６４内に穴を有
する駆動ブッシュ６８を回転可能に配置して、駆動ブッ
シュ６８の穴内にクランクピン３２を配置してある。ク
ランクピン３２はその一面に、駆動ブッシュ６８の穴の
一部に形成してある平坦面に対し駆動的に係合する平坦
面（図示せず）を有し、これによって本願出願人の所有
に係る米国特許Ｎｏ．４，８７７，３８２に記載されて
いるような放射方向で融通性を有する駆動機構が提供さ
れており、ここに同米国特許を引用してその記載を加入
する。
【００１３】螺旋翼６０は、非旋回スクロール部材７４
の一部を構成している非旋回螺旋翼７２と噛合わせてあ
る。非旋回スクロール部材７４に対する旋回スクロール
部材５６の相対的な旋回により、スクロール部材５６，
７４の放射方向外周位置から中心位置に移動するにつれ
て流体を圧縮する可動の流体ポケットが形成される。非
旋回スクロール部材７４は主軸受けハウジング２４によ
り、該非旋回スクロール部材７４の制限された軸線方向
移動を許容する任意の方法で支架されている。この支架
方式は本発明にとって重要ではない。しかし図示の好ま
しい実施例では非旋回スクロール部材７４が周方向で間
欠的に配置された複数の支持ボス７６を有し（図２，３
を参照）、これらの支持ボス７６はそれぞれ平坦な上面
７８と軸線方向の穴８０とを有する。穴８０内にはスリ
ーブ８２を摺動可能に配置してあり、該スリーブ８２は
ボルト８４によって主軸受けハウジング２４に対しボル
ト止めされている。ボルト８４は、非旋回スクロール部
材７４の上向き移動ないし分離移動を制限するように上
面７８に対し係合可能な拡大ヘッドを有する。逆方向へ
の非旋回スクロール部材７４の移動は、螺旋翼７２と旋
回スクロール部材５６の端板５８の平坦な上面との係合
によって制限される。
【００１４】非旋回スクロール部材７４は中心に配置さ
れた吐出口８８を有し、この吐出口８８は仕切り板２０
中の開口９０を介し、キャップ１４と仕切り板２０とに
よって形成されている吐出消音室９２に対し連通してい
る。螺旋翼６０，７２間の可動の流体ポケットによって
圧縮された流体は、吐出口８８及び開口９０を介して吐
出消音室９２内に吐出される。非旋回スクロール部材７
４はその上面に、互いに同心的な２つの側壁面を有する
環状の凹溝９４を有し、この凹溝９４内には環状のシー
ル組立体９６を軸線方向で移動可能に、かつ密封的に配
置してある。シール組立体９６は凹溝９４内の底部を隔
離して、螺旋翼６０，７２間の流体ポケットから中間圧
力の流体を通路９８を介して該凹溝９４内の底部に導き
得ることとする。したがって非旋回スクロール部材７４
は旋回スクロール部材５６向きに、非旋回スクロール部
材７４の中心部に作用する吐出圧力による力と凹溝９４
の底面に作用する中間圧力による力とによって軸線方向
で移動付勢される。この軸線方向での圧力付勢、及び非
旋回スクロール部材７４を軸線方向で制限された距離だ
け移動可能に支持する種々の技術は、前述した米国特許
Ｎｏ．４，８７７，３８２に詳細に記載されている。
【００１５】スクロール部材５６，７４の相対回転は通
常のオルダム継手１００、すなわち直径方向で対向位置
するところの非旋回スクロール部材７４の溝穴に摺動可
能に挿入された１対のキーと直径方向で対向位置すると
ころの旋回スクロール部材５６の溝穴に摺動可能に挿入
された他の１対のキーとを有するオルダム継手１００に
よって、阻止される。
【００１６】圧縮機１０は、外殻１２内に入る吸入ガス
の一部がモータを冷却するのに利用される「側部低圧」
型のものであるのが好ましい。吸入ガスの適切な流れが
ある限り、モータは所望の温度範囲内に留められる。し
かし同流れが停止すると冷却の停止によりモータ保護器
５２が作動し、圧縮機１０が停止せしめられる。
【００１７】これまでに説明して来たスクロール式圧縮
機１０の構成は既に公知であるか、又は出願人の出願中
に係る特許出願の主題とされているものである。こ発明
の原理とするところを組込んである構成は、符号１１０
で全体を指してある独特の流体注入機構に係る。この流
体注入機構１１０は冷却のための液状冷媒の注入、容量
増大のための蒸気ないし気体状冷媒の注入、潤滑及び冷
却のための油の注入に用いることができ、また同流体注
入機構１１０を容量調整のために用いることもできる。
この発明を例示的な目的からして、流体注入機構１１０
を蒸気注入機構として利用する例について述べるが、他
の流体を注入するように用いるか流体注入機構１１０を
用いて流体の排出を行うことも可能であることが、理解
されるべきである。
【００１８】図１−３について述べて行くと流体注入機
構１１０は、旋回スクロール部材５６の端板５８を貫通
している１対の流体注入通路１１２、主軸受けハウジン
グ２４内に設けられた１対のほぼ鉛直な流体通路１１
４、主軸受けハウジング２４内に設けられたほぼ円形で
水平な流体通路１１６、主軸受けハウジング２４の一脚
部を貫通させてあるほぼ水平な流体通路１１８、外殻１
２を貫通させてある流体注入口１２０、及び外殻１２の
外周面に取付けてある流体注入管接手１２２を、備えて
いる。
【００１９】流体注入通路１１２は、旋回スクロール部
材５６の端板５８を貫通させてある。同通路１１２にお
ける端板５８の螺旋翼６０側での開口位置は、螺旋翼６
０，７２間の１対の可動流体ポケットに対し流体が注入
されるか同ポケットから流体が排出されるかといった圧
縮サイクル中の位置付けによって決定される。流体注入
通路１１２における旋回スクロール部材５６のスラスト
面６２での開口位置は、旋回スクロール部材５６の旋回
運動中に同通路１１２の開口端が主軸受けハウジング２
４のスラスト受け面５４に対し常に隣接するように決定
される。この点は流体通路１１４に関係するので、以下
に述べる。
【００２０】各流体通路１１４は、スラスト受け面５４
から流体通路１１６へと垂直に延びている。各流体通路
１１４は、スラスト受け面５４に開口する座ぐり穴部１
２４を有する。座ぐり穴部１２４は、旋回スクロール部
材５６の旋回運動中に流体注入通路１１２と常に連通関
係が維持されるように寸法を設定してある。
【００２１】ほぼ円形で水平な流体通路１１６は、１対
の流体通路１１４と水平な流体通路１１８間にまたがら
せてある。流体通路１１８は、主軸受けハウジング２４
の一脚部を通してほぼ水平に延びている。流体通路１１
８は、外殻１２を貫通させてある流体注入口１２０に開
口させてある。流体注入管接手１２２は溶接によって外
殻１２に取付けられており、流体注入口１２０と連通す
る中心穴１２６を有する。
【００２２】したがって注入管接手１２２から螺旋翼６
０，７２間の可動の流体ポケットに至る通路が中心穴１
２６、流体注入口１２０、流体通路１１８、流体通路１
１６、流体通路１１４及び座ぐり穴部１２４、及び流体
注入通路１１２によって得られている。螺旋翼６０，７
２間の可動の流体ポケットに接手１２２を通して流体を
注入することもできるし、同流体ポケットから接手１２
２を通して流体を排出することもできる。
【００２３】図４，５にはこの発明の第２の実施例に係
る流体注入機構２１０を、示してある。流体注入機構２
１０は第１の実施例に係る流体注入機構１１０と流体注
入機構２１０が、流体注入機構１１０に組合わせてある
何らかの型式の外部のバルブ装置に置換できる内部のバ
ルブ装置２３０を有する点を除いて、類似している。内
部のバルブ装置２３０は、外部のものと異なって外殻１
２内に配置されている。内部のバルブ装置２３０はスラ
イド弁２３２、バルブ案内サポート２３４、バルブ戻し
スプリング２３６、及び作動管接手２３８を備えてい
る。
【００２４】スライド弁２３２は、ほぼ水平な流体通路
１１８と交差する穴２４０内に摺動可能に配置されてい
る。１対のシール２４２によって流体通路１１８内の流
体が、穴２４０からシールされている。スライド弁２３
２は、穴２４４と調整スロット２４６によって蒸気注入
を制御する。穴２４４を介しての蒸気注入は、圧縮機の
容量を増大させるため螺旋翼６０，７２間の流体ポケッ
トに対し蒸気を注入するのに利用される。調整スロット
２４６は圧縮機の容量を調整ないし減少させるため、螺
旋翼６０，７２間の流体ポケット内の圧縮流体を排出す
ることによって圧縮を遅延させるように利用される。蒸
気注入と遅延された圧縮との組合わせによって、圧縮機
の全容量を蒸気注入で得る場合に圧縮機の調整度を増大
させることが可能となる。蒸気注入なしの圧縮機が１０
０％の容量で稼働し遅延された圧縮によって容量調整が
行われたとすると容量は約６０％に減少され、蒸気注入
の採用によってその容量は約１２０％に増大する。バル
ブ装置２３０を蒸気注入から調整へと切り替えると、容
量は元の６０％にまで減少する。したがって６０％の容
量調整（１００％から６０％）は、５０％の容量調整
（１２０％から６０％）となる。
【００２５】バルブ案内サポート２３４は主軸受けハウ
ジング２４の隣接する脚部に取付けられ、スライド弁２
３２を摺動可能に支承しその動きをガイドする穴２４８
を有する。バルブ戻しスプリング２３６はバルブ案内サ
ポート２３４とスライド弁２３２間に配置されていて、
スライド弁２３２を図４に図示の蒸気注入位置へと付勢
している。作動管接手２３８は穴２４０の一端と同接手
２３８中の穴２５０、外殻１２中のポート２５２、及び
主軸受けハウジング２４の脚部中の通路２５４を介して
連通している。穴２５０は圧縮機の吐出圧力のような加
圧流体源に対し、ソレノイド弁のような弁を介して接続
されている。穴２４０端に同加圧流体が供給されるとス
ライド弁２３２は図４に示す位置から、調整スロット２
４６が流体通路１１８と整列位置して圧縮機の容量を、
主軸受けハウジング２４を貫通しているポート２６０を
介し調整可能とする位置へと移動する。すなわちポート
２６０は外殻１２内の吸入領域に開口させて主軸受けハ
ウジング２４に形成されており、調整スロット２４６は
流体通路１１８側を封止した溝穴状のものとしてスライ
ド弁２３２に形成されていて、調整スロット２４６が流
体通路１１８と整列する位置へとスライド弁２３２が移
動すると、該スライド弁２３２によって流体通路１１８
がブロックされると共に流体通路１１６が調整スロット
２４６を介してポート２６０へと連通せしめられ、両螺
旋翼６０，７２間の流体ポケットと吸入領域とが連通さ
れることとされている。シール２５６によって、作動管
接手２３８を介し供給される加圧流体が隔離される。蒸
気注入が再び所望される場合には作動管接手２３８から
加圧流体を排出し、図４に示すようにバルブ戻しスプリ
ング２３６によって穴２４４を再び流体通路１１８と整
列させる。
【００２６】図６，７にはこの発明の第３の実施例に係
る流体注入機構３１０を、示してある。流体注入機構３
１０は、螺旋翼６０，７２によって形成された可動の流
体ポケットに対する通路を提供する別の方法を付与す
る。流体注入機構３１０は１対の流体注入通路１１２、
１対のほぼ鉛直な流体通路３１４、１対の管アセンブリ
３１６、管接続器アセンブリ３１８、流体注入口３２
０、及び流体注入管接手３２２を備えている。
【００２７】各流体通路３１４は、スラスト受け面５４
から外殻１２内の吸入領域へとほぼ垂直に延びている。
この各流体通路３１４は、スラスト受け面５４へと開口
している座ぐり穴部１２４を有する。座ぐり穴部１２４
は旋回スクロール部材５６の旋回運動中、各流体注入通
路１１２と連通を維持する。各流体通路３１４の下端は
大径の穴３２４を有し、この穴３２４は各管アセンブリ
３１６と接続されている。
【００２８】各管アセンブリ３１６は、管接続器アセン
ブリ３１８と上記した大径の穴３２４間にまたがらせて
ある。この各管アセンブリ３１６は管接手３２６を含
み、該管接手３２６は各穴３２４、及び管接手３２６と
管接続器アセンブリ３１８間にまたがらせてある管３２
８に対し係合させてある。シール３３０によって穴３２
４と管接手３２６間の境界面がシールされており、また
リテーナ３３２によって穴３２４内で管接手３２６が保
持されている。
【００２９】管接続器アセンブリ３１８は、主軸受けハ
ウジング管接手３４０と接続管３４２とを備える。主軸
受けハウジング管接手３４０は、主軸受けハウジング２
４に対し複数本のボルトによって取付けられている。こ
の管接手３４０は、１対の管３２８と連通する内部の穴
３４４を有する。接続管３４２は管接手３４０の穴３４
４内に配置され、流体吸入管接手３２２へと延びてい
る。シール３４６によって接続管３４２と穴３４４間の
境界面がシールされている。
【００３０】流体吸入管接手３２２は流体注入口３２０
を貫通させてあり、外殻１２に対し取付けられていて、
接続管３４２の反対側の端を支承する内部の穴３５０を
有する。シール３５２によって接続管３４２と穴３５０
間の境界面がシールされている。したがって流体吸入管
接手３２２は螺旋翼６０，７２によって形成された可動
の流体ポケットと穴３５０、接続管３４２、穴３４４、
管３２８、管接手３２６、流体通路３１４及び流体注入
通路１１２を介して連通している。
【００３１】流体注入機構３１０は逆止弁３６０も含
み、この逆止弁３６０は、流体吸入管接手３２２から流
体注入通路１１２への流体流れは許容するが流体注入通
路１１２から流体吸入管接手３２２への流体流れは阻止
するものとされている。
【００３２】この発明の好ましい実施例について説明し
て来たが、この発明は特許請求の範囲の記載を適正に解
釈した範囲を外れることなしに、実施例の構成に数多く
の修正及び変形を加えて実施可能であることが理解され
るべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に従った独特の流体注入機構を組込ん
であるスクロール式圧縮機の一部欠截縦断正面図であ
る。
【図２】図１に示した圧縮機を、上部の機構を取除いて
示した一部横断平面図である。
【図３】図２の３−３線にほぼ沿った横断平面図で、流
体注入機構を示している。
【図４】この発明の第２の実施例に係る独特の流体注入
機構を組込んであるスクロール式圧縮機を、上部の機構
を取除いて示した一部横断平面図である。
【図５】図４の５−５線にほぼ沿った横断平面図で、流
体注入機構を示している。
【図６】この発明の第３の実施例に係る独特の流体注入
機構を組込んであるスクロール式圧縮機を、上部の機構
を取除いて示した一部横断平面図である。
【図７】図６に示した圧縮機の一部を示す縦断正面図
で、流体注入機構を示している。
【符号の説明】
１２ 外殻 ２４ 主軸受けハウジング ３０ クランク軸 ５６ 旋回スクロール部材 ５８ 端板 ６０ 螺旋翼 ７２ 螺旋翼 ７４ 非旋回スクロール部材 １１０ 流体注入機構 １１２ 流体注入通路 １１４ 流体通路 １１６ 流体通路 １１８ 流体通路 １２０ 流体注入口 １２２ 流体注入管接手 １２４ 座ぐり穴部 １２６ 中心穴 ２１０ 流体注入機構 ２３０ バルブ装置 ２３２ スライド弁 ２３６ バルブ戻しスプリング ２３８ 作動管接手 ２４０ 穴 ２４６ 調整スロット ３１０ 流体注入機構 ３１４ 流体通路 ３１６ 管アセンブリ ３１８ 管接続器アセンブリ ３２０ 流体注入口 ３２２ 流体注入管接手 ３２６ 管接手 ３２８ 管 ３４２ 接続管 ３４４ 穴
フロントページの続き (72)発明者 ロイ ドェプカー アメリカ合衆国、45806 オハイオ州、リ ーマ、サンディ レーン 2042 Ｆターム(参考） 3H039 AA03 AA04 AA12 BB08 BB22 CC02 CC03 CC28 CC30 CC33

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 作業流体を圧縮処理するためのスクロー
    ル式圧縮機であって、 吸入領域と吐出領域とを有する外殻、 この外殻内に配置されていて第１の端板から突出する第
    １の螺旋翼を有する第１のスクロール部材、 上記外殻内に配置されていて第２の端板から突出する第
    ２の螺旋翼を有し、該第２の螺旋翼を上記第１の螺旋翼
    に対し、該両螺旋翼間に閉鎖された複数の流体ポケット
    が形成されるように噛合わせてある第２のスクロール部
    材、 上記第２のスクロール部材を上記第１のスクロール部材
    に対し相対的に旋回させて上記した複数の流体ポケット
    を、上記吸入領域内に位置する放射方向外方の位置から
    上記吐出領域内に位置する中心の位置へと移動させる駆
    動機構、及び上記した複数の流体ポケットのうちの少な
    くとも１つの流体ポケットに対し連通させてある流体回
    路であって、上記した少なくとも１つの流体ポケットか
    ら上記外殻の外部にまで延びる流体通路を含み、該流体
    通路が上記第２のスクロール部材を貫通するものである
    流体回路、を備えたスクロール式圧縮機。
  2. 【請求項２】 前記外殻内に配置され前記第２のスクロ
    ール部材を支持するハウジングを備えており、前記流体
    通路が該ハウジング内を通して延びるものである請求項
    １のスクロール式圧縮機。
  3. 【請求項３】 前記流体通路を通して流れる流体流れを
    制御するバルブを、備えている請求項１のスクロール式
    圧縮機。
  4. 【請求項４】 前記バルブを、前記外殻内に配置してあ
    る請求項３のスクロール式圧縮機。
  5. 【請求項５】 前記外殻内に配置され複数個の脚部を有
    するハウジングを備えており、該ハウジングに前記第２
    のスクロール部材を支持させてあると共に、前記流体通
    路を、該ハウジングの一脚部を通して設けてある請求項
    １のスクロール式圧縮機。
  6. 【請求項６】 前記ハウジング内に配置され前記流体通
    路を通して流れる流体流れを制御するバルブを、備えて
    いる請求項２又は５のスクロール式圧縮機。
  7. 【請求項７】 前記バルブが、前記外殻の外部からの加
    圧流体によって制御されるものである請求項３又は６の
    スクロール式圧縮機。
  8. 【請求項８】 作業流体を圧縮処理するためのスクロー
    ル式圧縮機であって、 外殻、 この外殻内に配置されていて端板から突出する非旋回螺
    旋翼を有する非旋回スクロール部材、 上記外殻内に配置されていて端板から突出する旋回螺旋
    翼を有し、該旋回螺旋翼を上記非旋回螺旋翼に対し、該
    両螺旋翼間に閉鎖された複数の流体ポケットが形成され
    るように噛合わせてある旋回スクロール部材、 上記旋回スクロール部材を上記非旋回スクロール部材に
    対し相対的に旋回させてその旋回動中に上記した複数の
    流体ポケットを、作業流体が吸入圧力にある放射方向外
    方の位置から作業流体がより高い吐出圧力にある中心の
    位置へと移動させる駆動機構、及び上記した複数の流体
    ポケットのうちの少なくとも１つの流体ポケットに対し
    連通させてある流体回路であって、上記した少なくとも
    １つの流体ポケットから上記外殻の外部にまで延びる流
    体通路を含み、該流体通路が上記旋回スクロール部材を
    貫通するものである流体回路、を備えたスクロール式圧
    縮機。
  9. 【請求項９】 前記外殻内に配置され前記旋回スクロー
    ル部材を支持するハウジングを備えており、前記流体通
    路が該ハウジング内を通して延びるものである請求項８
    のスクロール式圧縮機。
  10. 【請求項１０】 前記ハウジング内に配置され前記流体
    通路を通して流れる流体流れを制御するバルブを、備え
    ている請求項９のスクロール式圧縮機。
  11. 【請求項１１】 前記流体通路を通して流れる流体流れ
    を制御するバルブを、備えている請求項８のスクロール
    式圧縮機。
  12. 【請求項１２】 前記バルブを、前記外殻内に配置して
    ある請求項１１のスクロール式圧縮機。
  13. 【請求項１３】 前記外殻内に配置され複数個の脚部を
    有するハウジングを備えており、該ハウジングに前記旋
    回スクロール部材を支持させてあると共に、前記流体通
    路を、該ハウジングの一脚部を通して設けてある請求項
    ８のスクロール式圧縮機。
  14. 【請求項１４】 前記ハウジングの一脚部内に配置され
    前記流体通路を通して流れる流体流れを制御するバルブ
    を、備えている請求項１３のスクロール式圧縮機。
  15. 【請求項１５】 前記バルブが、前記外殻の外部からの
    加圧流体によって制御されるものである請求項１０，１
    １又は１４のスクロール式圧縮機。
  16. 【請求項１６】 作業流体を圧縮処理するためのスクロ
    ール式圧縮機であって、 吸入領域と吐出領域とを有する外殻、 この外殻内に配置されていて第１の端板から突出する第
    １の螺旋翼を有する第１のスクロール部材、 上記外殻内に配置されていて第２の端板から突出する第
    ２の螺旋翼を有し、該第２の螺旋翼を上記第１の螺旋翼
    に対し、該両螺旋翼間に閉鎖された複数の流体ポケット
    が形成されるように噛合わせてある第２のスクロール部
    材、 上記第２のスクロール部材を上記第１のスクロール部材
    に対し相対的に旋回させて上記した複数の流体ポケット
    を、上記吸入領域内に位置する放射方向外方の位置から
    上記吐出領域内に位置する中心の位置へと移動させる駆
    動機構、及び上記した複数の流体ポケットのうちの少な
    くとも１つの流体ポケットに対し連通させてある流体回
    路であって、上記した少なくとも１つの流体ポケットか
    ら上記吸入領域にまで延びる流体通路を含み、該流体通
    路が上記第２のスクロール部材を貫通するものである流
    体回路、を備えたスクロール式圧縮機。
  17. 【請求項１７】 前記第１のスクロール部材が非旋回ス
    クロール部材であり、前記第２のスクロール部材が旋回
    スクロール部材である請求項１６のスクロール式圧縮
    機。
  18. 【請求項１８】 前記外殻内に配置され前記第２のスク
    ロール部材を支持するハウジングを備えており、前記流
    体通路が該ハウジング内を通して延びるものである請求
    項１６のスクロール式圧縮機。
  19. 【請求項１９】 前記流体通路を通して流れる流体流れ
    を制御するバルブを、備えている請求項１６のスクロー
    ル式圧縮機。
  20. 【請求項２０】 前記バルブを、前記外殻内に配置して
    ある請求項１９のスクロール式圧縮機。
  21. 【請求項２１】 前記外殻内に配置され複数個の脚部を
    有するハウジングを備えており、該ハウジングに前記第
    ２のスクロール部材を支持させてあると共に、前記流体
    通路を、該ハウジングの一脚部を通して設けてある請求
    項１６のスクロール式圧縮機。
  22. 【請求項２２】 前記ハウジング内に配置され前記流体
    通路を通して流れる流体流れを制御するバルブを、備え
    ている請求項１８又は２１のスクロール式圧縮機。
  23. 【請求項２３】 前記バルブが、前記流体通路を前記吸
    入領域に連通させる第１の位置と前記外殻の外部に連通
    させる第２の位置との間で変位可能である請求項１９又
    は２２のスクロール式圧縮機。
  24. 【請求項２４】 前記バルブが、前記外殻の外部からの
    加圧流体によって制御されるものである請求項１９，２
    ２又は２３のスクロール式圧縮機。
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