JP2002121686A - 鉛含有銅合金製水栓金具からの鉛溶出防止方法 - Google Patents
鉛含有銅合金製水栓金具からの鉛溶出防止方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被削性の良好な鉛含有銅合金製水栓金具から
水道水中へ鉛が溶出するのを防止するために行う鉛溶出
防止方法を提供する。 【解決手段】 鉛含有銅合金製水栓金具を、鉛と錯イオ
ン形成能力の大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若しく
は弱酸性のエッチング液に浸漬し、表面の鉛粒子を選択
除去する。浸漬中、鉛含有銅合金材とエッチング液との
反応界面での成分の拡散速度を大きくすることと、処理
面への鉛化合物の再付着を防止することを目的に、エッ
チング液に空気等の酸素を含む気体又は酸素を吹込み、
撹拌する。また、鉛を酸化溶解させることを目的に、鉛
含有銅合金材を陽極にし、外部より−0.3〜+0.2
VvsNHE程度の微弱電圧を印加しても良い。
水道水中へ鉛が溶出するのを防止するために行う鉛溶出
防止方法を提供する。 【解決手段】 鉛含有銅合金製水栓金具を、鉛と錯イオ
ン形成能力の大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若しく
は弱酸性のエッチング液に浸漬し、表面の鉛粒子を選択
除去する。浸漬中、鉛含有銅合金材とエッチング液との
反応界面での成分の拡散速度を大きくすることと、処理
面への鉛化合物の再付着を防止することを目的に、エッ
チング液に空気等の酸素を含む気体又は酸素を吹込み、
撹拌する。また、鉛を酸化溶解させることを目的に、鉛
含有銅合金材を陽極にし、外部より−0.3〜+0.2
VvsNHE程度の微弱電圧を印加しても良い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛を含む銅合金製水栓
金具からの鉛の溶出を防止する方法に関する。
金具からの鉛の溶出を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在は、水栓金具材には青銅材を中心と
して銅合金が用いられているが、これらの材料には被削
性、鋳造性、耐圧性を向上させる目的で鉛が添加されて
いる。従って、材料中には鉛が粒子として分布してい
る。
して銅合金が用いられているが、これらの材料には被削
性、鋳造性、耐圧性を向上させる目的で鉛が添加されて
いる。従って、材料中には鉛が粒子として分布してい
る。
【0003】材料中の鉛粒子は水栓金具の接水面から水
道水中へと溶出する。この水道水中へ溶出した鉛は、人
体へ悪影響を及ぼすので、水栓金具用の無鉛銅合金材料
の開発が行われている。
道水中へと溶出する。この水道水中へ溶出した鉛は、人
体へ悪影響を及ぼすので、水栓金具用の無鉛銅合金材料
の開発が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鉛をビスマス
等の低融点元素に置換した無鉛銅合金材では材料費が高
くなり、また、低融点元素を含まない無鉛銅合金材では
被削性が不足するなど、従来の水栓金具用鉛含有銅合金
材ほどにコストと性能の両方を具備する材料は開発され
ていない。
等の低融点元素に置換した無鉛銅合金材では材料費が高
くなり、また、低融点元素を含まない無鉛銅合金材では
被削性が不足するなど、従来の水栓金具用鉛含有銅合金
材ほどにコストと性能の両方を具備する材料は開発され
ていない。
【0005】一方、このようなコストと性能の両方を具
備する水栓金具用鉛含有銅合金材からの鉛の溶出を防止
する処理方法として、現在、特開平10−072683
号に記載のようなアルカリエッチング法が開発されてい
る。
備する水栓金具用鉛含有銅合金材からの鉛の溶出を防止
する処理方法として、現在、特開平10−072683
号に記載のようなアルカリエッチング法が開発されてい
る。
【0006】しかし、この方法では、表面の鉛粒子を溶
出させるために、水酸化ナトリウムやりん酸三ナトリウ
ム等の強塩基性ナトリウム塩を使用するので、取扱いが
非常に危険であり、また、処理後には中和工程を取り入
れる必要があり、さらに処理槽及び使用治具についても
強塩基性にて難溶性の材質を選択しなければならない。
出させるために、水酸化ナトリウムやりん酸三ナトリウ
ム等の強塩基性ナトリウム塩を使用するので、取扱いが
非常に危険であり、また、処理後には中和工程を取り入
れる必要があり、さらに処理槽及び使用治具についても
強塩基性にて難溶性の材質を選択しなければならない。
【0007】加えて、この処理方法は、溶液温度が60
〜95℃と高温に設定されているため、強塩基性の蒸気
が人体及び工程が収まる建物に有害であることが予測で
き、必然的にこの工程を閉鎖型システムにせざるを得な
くなる。
〜95℃と高温に設定されているため、強塩基性の蒸気
が人体及び工程が収まる建物に有害であることが予測で
き、必然的にこの工程を閉鎖型システムにせざるを得な
くなる。
【0008】さらに、この処理方法は、浸出処理後の鉛
を含有したエッチング液の廃棄及びリサイクルの際、エ
ッチング液が強塩基性であるため、環境に与える悪影響
は必至と考えられる。
を含有したエッチング液の廃棄及びリサイクルの際、エ
ッチング液が強塩基性であるため、環境に与える悪影響
は必至と考えられる。
【0009】そこで本発明は、鉛と錯イオン形成能力の
大きい錯化剤を含み中性、弱塩基性若しくは弱酸性の人
体や環境にやさしいエッチング液を使用した鉛含有銅合
金製水栓金具からの鉛溶出防止方法を提供することを目
的している。
大きい錯化剤を含み中性、弱塩基性若しくは弱酸性の人
体や環境にやさしいエッチング液を使用した鉛含有銅合
金製水栓金具からの鉛溶出防止方法を提供することを目
的している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、鉛含有銅合金製水栓金具を、鉛と錯イ
オン形成能力の大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若し
くは弱酸性のエッチング液に浸漬し、銅合金表面の鉛粒
子を選択除去することを特徴としている。
めに、本発明は、鉛含有銅合金製水栓金具を、鉛と錯イ
オン形成能力の大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若し
くは弱酸性のエッチング液に浸漬し、銅合金表面の鉛粒
子を選択除去することを特徴としている。
【0011】上記した鉛と錯イオン形成能力の大きい錯
化剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミンのうちの1種又は2種以上を使用するこ
とができる(請求項2)。また、エッチング液の温度を
10〜50℃に設定することが好ましく(請求項3)、
さらに、エッチング液中の錯化剤の濃度を0.05〜1
mol/Lに設定することが望ましい(請求項4)。
化剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミンのうちの1種又は2種以上を使用するこ
とができる(請求項2)。また、エッチング液の温度を
10〜50℃に設定することが好ましく(請求項3)、
さらに、エッチング液中の錯化剤の濃度を0.05〜1
mol/Lに設定することが望ましい(請求項4)。
【0012】本発明において、処理温度を50℃以下に
しているのは、それ以上の温度にしても、錯化剤の鉛を
取り込む性能が頭打ちになるためである。また、処理温
度域が10℃より下では、錯化剤の鉛を取り込む性能が
低下して、浸出時間が必要以上に長くなってしまう。ま
た、エッチング液中の錯化剤の設定濃度範囲0.05〜
1mol/Lは、錯化剤の鉛を取り込む性能が発揮でき
る限界濃度と、頭打ちになる濃度を示したものである。
しているのは、それ以上の温度にしても、錯化剤の鉛を
取り込む性能が頭打ちになるためである。また、処理温
度域が10℃より下では、錯化剤の鉛を取り込む性能が
低下して、浸出時間が必要以上に長くなってしまう。ま
た、エッチング液中の錯化剤の設定濃度範囲0.05〜
1mol/Lは、錯化剤の鉛を取り込む性能が発揮でき
る限界濃度と、頭打ちになる濃度を示したものである。
【0013】また、浸漬中、鉛含有銅合金材とエッチン
グ液との反応界面での成分の拡散速度を大きくすること
と、処理面への鉛の再付着を防止することを目的に、エ
ッチング液に、空気等の酸素を含む気体や酸素を吹込み
撹拌する(請求項5)。また、鉛を酸化溶解させること
を目的に、鉛含有銅合金材を陽極にし、外部より−0.
3〜+0.2VvsNHE程度の微弱電圧を印加しても
良い(請求項6)。
グ液との反応界面での成分の拡散速度を大きくすること
と、処理面への鉛の再付着を防止することを目的に、エ
ッチング液に、空気等の酸素を含む気体や酸素を吹込み
撹拌する(請求項5)。また、鉛を酸化溶解させること
を目的に、鉛含有銅合金材を陽極にし、外部より−0.
3〜+0.2VvsNHE程度の微弱電圧を印加しても
良い(請求項6)。
【0014】さらに、鉛溶出処理後のエッチング液をリ
サイクルするために、処理後のエッチング液中に、二酸
化炭素を含む気体又は炭酸ガスを吹き込むか、若しくは
上記エッチング液中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩
を投入することにより、鉛を難溶性の炭酸塩として沈澱
させ、鉛化合物とエッチング液とを分離し、エッチング
液の再利用を可能にすることを特徴としている。
サイクルするために、処理後のエッチング液中に、二酸
化炭素を含む気体又は炭酸ガスを吹き込むか、若しくは
上記エッチング液中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩
を投入することにより、鉛を難溶性の炭酸塩として沈澱
させ、鉛化合物とエッチング液とを分離し、エッチング
液の再利用を可能にすることを特徴としている。
【0015】炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩として
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸
カリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げ
ることができる。
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸
カリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げ
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、鉛と錯イオン形成能力の
大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若しくは弱酸性のエ
ッチング液により鉛粒子2を溶出した状態の模式図で、
鉛含有銅合金材表面部3の鉛粒子2が選択除去され、水
溶液に接する表面が無鉛化された銅合金の素地となるの
で、鉛粒子2の溶出を防止することができる。
大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若しくは弱酸性のエ
ッチング液により鉛粒子2を溶出した状態の模式図で、
鉛含有銅合金材表面部3の鉛粒子2が選択除去され、水
溶液に接する表面が無鉛化された銅合金の素地となるの
で、鉛粒子2の溶出を防止することができる。
【0017】本発明において使用する中性、弱塩基性若
しくは弱酸性のエッチング液に含まれる、鉛と錯イオン
形成能力の大きい錯化剤の代表例を表1に示す。表1中
の錯化剤の使用濃度は全て0.05〜1mol/Lで、
使用温度は10〜50℃が好ましい。
しくは弱酸性のエッチング液に含まれる、鉛と錯イオン
形成能力の大きい錯化剤の代表例を表1に示す。表1中
の錯化剤の使用濃度は全て0.05〜1mol/Lで、
使用温度は10〜50℃が好ましい。
【表1】
【0018】浸漬中、鉛含有銅合金とエッチング液との
反応界面への酸素の供給と、反応界面での成分の拡散速
度を大きくするために、エッチング液に、空気等の酸素
を含む気体又は酸素を吹込み、撹拌する。これにより、
溶出した鉛が溶解度の小さい水酸化物又は塩基性炭酸塩
となり、処理面へ再付着するのを防止することできる。
反応界面への酸素の供給と、反応界面での成分の拡散速
度を大きくするために、エッチング液に、空気等の酸素
を含む気体又は酸素を吹込み、撹拌する。これにより、
溶出した鉛が溶解度の小さい水酸化物又は塩基性炭酸塩
となり、処理面へ再付着するのを防止することできる。
【0019】表1の錯化剤を含むエッチング液に鉛含有
銅合金材を浸漬した際、母材1と鉛粒子2との間には平
衡電位(エッチング液中にて金属が溶出開始する電位)
に差があり、鉛粒子2(−0.35VvsNHE)の方
が母相1(+0.25VvsNHE)よりも卑な電位に
ある。鉛含有銅合金材表面部3からの鉛粒子2の選択溶
出及びその溶出速度を大きくするためにこれを利用し
て、浸漬中、鉛含有銅合金材を陽極にし、鉛粒子2の平
衡電位よりも高く、母材1の平衡電位よりも低い範囲の
電圧(−0.3〜+0.2VvsNHE程度)を外部よ
り印加する。
銅合金材を浸漬した際、母材1と鉛粒子2との間には平
衡電位(エッチング液中にて金属が溶出開始する電位)
に差があり、鉛粒子2(−0.35VvsNHE)の方
が母相1(+0.25VvsNHE)よりも卑な電位に
ある。鉛含有銅合金材表面部3からの鉛粒子2の選択溶
出及びその溶出速度を大きくするためにこれを利用し
て、浸漬中、鉛含有銅合金材を陽極にし、鉛粒子2の平
衡電位よりも高く、母材1の平衡電位よりも低い範囲の
電圧(−0.3〜+0.2VvsNHE程度)を外部よ
り印加する。
【0020】これにより、母材1への影響を最小限に、
鉛粒子2の溶出は選択的に進行する。また、鉛含有銅合
金材の浸漬時間は、電圧を印加しない場合(約30分)
と比較して約1/6に短縮できる。さらに、鉛含有銅合
金材の処理面は、通電することにより、多少の電解研磨
効果があり、平滑さが向上する。
鉛粒子2の溶出は選択的に進行する。また、鉛含有銅合
金材の浸漬時間は、電圧を印加しない場合(約30分)
と比較して約1/6に短縮できる。さらに、鉛含有銅合
金材の処理面は、通電することにより、多少の電解研磨
効果があり、平滑さが向上する。
【0021】鉛溶出処理後のエッチング液をリサイクル
するために、処理後のエッチング液に、二酸化炭素を含
む混合ガス又は二酸化炭素を吹き込むか、若しくは溶液
中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩を投入する。これ
により、処理後のエッチング液に溶け込んだ鉛は、二酸
化炭素(炭酸イオン)と結合し、難溶性の炭酸塩となり
沈澱するため、鉛化合物を分離回収することが可能とな
り、エッチング液は再利用できる。
するために、処理後のエッチング液に、二酸化炭素を含
む混合ガス又は二酸化炭素を吹き込むか、若しくは溶液
中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩を投入する。これ
により、処理後のエッチング液に溶け込んだ鉛は、二酸
化炭素(炭酸イオン)と結合し、難溶性の炭酸塩となり
沈澱するため、鉛化合物を分離回収することが可能とな
り、エッチング液は再利用できる。
【0022】
【実施例】1.エッチングの実施例 水栓金具に使用されている青銅系のJIS H 512
1 CAC406C(BC6C)の角板テストピース
(35×25)を用いて、鉛の溶出防止処理試験を行な
った。表2に試験に用いたテストピースの化学成分を示
す。単位wt%
1 CAC406C(BC6C)の角板テストピース
(35×25)を用いて、鉛の溶出防止処理試験を行な
った。表2に試験に用いたテストピースの化学成分を示
す。単位wt%
【表2】
【0023】実施例に使用したエッチング液は、比抵抗
が5×104Ωの脱イオン水に所定の錯化剤を入れて調
製した。エッチング液の濃度及びエッチング条件を表3
に示す。
が5×104Ωの脱イオン水に所定の錯化剤を入れて調
製した。エッチング液の濃度及びエッチング条件を表3
に示す。
【表3】
【0024】試験後、テストピースの処理面をX線マイ
クロアナライザー(XMA)にて観察し、処理面の鉛の
残留と鉛化合物の再付着の有無を確認した。その結果を
表4に示す。
クロアナライザー(XMA)にて観察し、処理面の鉛の
残留と鉛化合物の再付着の有無を確認した。その結果を
表4に示す。
【表4】
【0025】表4に示すように、鉛溶出防止処理を行っ
た実施例2,3,4,5では、鉛の残留及び鉛化合物の
再付着は認められなかった。実施例1において鉛化合物
の再付着が認められたが、極微量であった。
た実施例2,3,4,5では、鉛の残留及び鉛化合物の
再付着は認められなかった。実施例1において鉛化合物
の再付着が認められたが、極微量であった。
【0026】2.溶液のリサイクルに関する実施例 鉛の溶出防止処理試験(表4)の実施例5の処理後溶液
を用いて、処理後溶液のリサイクル試験を行った。即
ち、処理後溶液に二酸化炭素を吹込み、生成した白色の
沈澱をろ過分離し、ろ過後の溶液を用いて実施例5の条
件で、再度、鉛の溶出防止処理試験を行った。
を用いて、処理後溶液のリサイクル試験を行った。即
ち、処理後溶液に二酸化炭素を吹込み、生成した白色の
沈澱をろ過分離し、ろ過後の溶液を用いて実施例5の条
件で、再度、鉛の溶出防止処理試験を行った。
【0027】上記と同様に、処理後のテストピース表面
をX線マイクロアナライザー(XMA)で観察した結
果、鉛粒子はすべて除去され、また鉛化合物の再付着も
認められなかった。即ち、処理後溶液の再利用は可能で
あった。
をX線マイクロアナライザー(XMA)で観察した結
果、鉛粒子はすべて除去され、また鉛化合物の再付着も
認められなかった。即ち、処理後溶液の再利用は可能で
あった。
【0028】
【発明の効果】(1)水栓金具用材料として、コストと
性能を具備する鉛含有銅合金材の表面の鉛粒子を選択除
去できるので、水道水中への鉛の溶出を防止できる。 (2)従来通りの鉛含有銅合金材をそのまま使用するの
で、従来の製造工程をそのまま使用でき、且つ従来の性
能を維持できる。 (3)処理温度域が50℃以下なので、強塩基性蒸気に
よる公害の恐れもなく、安全なる工程を得ることができ
る。 (4)通電することにより、多少の電解研磨効果があ
り、表面の平滑さが向上する。
性能を具備する鉛含有銅合金材の表面の鉛粒子を選択除
去できるので、水道水中への鉛の溶出を防止できる。 (2)従来通りの鉛含有銅合金材をそのまま使用するの
で、従来の製造工程をそのまま使用でき、且つ従来の性
能を維持できる。 (3)処理温度域が50℃以下なので、強塩基性蒸気に
よる公害の恐れもなく、安全なる工程を得ることができ
る。 (4)通電することにより、多少の電解研磨効果があ
り、表面の平滑さが向上する。
【0029】さらに、処理後のエッチング液に、二酸化
炭素を含む混合ガス又は二酸化炭素を吹き込むか、若し
くは溶液中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩を投入す
ることで、鉛は難溶性の炭酸塩として沈澱するので、鉛
化合物の分離回収が可能となり、鉛化合物の廃棄とエッ
チング液の再利用が容易となる。
炭素を含む混合ガス又は二酸化炭素を吹き込むか、若し
くは溶液中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩を投入す
ることで、鉛は難溶性の炭酸塩として沈澱するので、鉛
化合物の分離回収が可能となり、鉛化合物の廃棄とエッ
チング液の再利用が容易となる。
【図1】鉛と錯イオン形成能力の大きい錯化剤を含む中
性、弱塩基性若しくは弱酸性のエッチング液により、鉛
粒子を溶出した状態の鉛含有銅合金の組織模式図であ
る。
性、弱塩基性若しくは弱酸性のエッチング液により、鉛
粒子を溶出した状態の鉛含有銅合金の組織模式図であ
る。
1 鉛含有銅合金の母材 2 鉛粒子 3 鉛含有銅合金の表面部
フロントページの続き (72)発明者 石金 良一 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 (72)発明者 矢後 亘 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 (72)発明者 市田 賢一 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 (72)発明者 安川 淳 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 (72)発明者 竹内 和夫 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 Fターム(参考) 4K057 WA13 WA18 WB04 WB11 WE11 WE12 WE13 WG02 WG03 WG10 WH01 WH08 WM14 WN05 WN10
Claims (7)
- 【請求項1】 鉛含有銅合金製水栓金具を、鉛と錯イオ
ン形成能力の大きい錯化剤を含む中性、弱塩基性若しく
は弱酸性のエッチング液に浸漬し、銅合金表面の鉛粒子
を選択除去することを特徴とする鉛含有銅合金製水栓金
具からの鉛溶出防止方法。 - 【請求項2】 鉛と錯イオン形成能力の大きい錯化剤
が、例えば、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミンのうちの1種又は2種以上であることを特徴とする
請求項1記載の鉛溶出防止方法。 - 【請求項3】 エッチング液の温度を10〜50℃に設
定したことを特徴とする請求項1又は2記載の鉛溶出防
止方法。 - 【請求項4】 エッチング液中の錯化剤の濃度を0.0
5〜1mol/Lに設定したことを特徴とする請求項
1,2又は3記載の鉛溶出防止方法。 - 【請求項5】 浸漬中のエッチング液に、空気等の酸素
を含む気体又は酸素を吹込み撹拌したことを特徴とする
請求項1,2,3又は4記載の鉛溶出防止方法。 - 【請求項6】 鉛含有銅合金材を陽極にし、外部より−
0.3〜+0.2VvsNHE程度の微弱電圧を印加し
たことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の
鉛溶出防止方法。 - 【請求項7】 鉛溶出処理後のエッチング液をリサイク
ルするために、処理後のエッチング液中に、二酸化炭素
を含む気体又は炭酸ガスを吹き込むか、若しくは上記エ
ッチング液中に炭酸鉛よりも溶解度の高い炭酸塩を投入
することにより、鉛を難溶性の炭酸塩として沈澱させ、
鉛化合物とエッチング液とを分離し、エッチング液の再
利用を可能にすることを特徴とする請求項1,2,3,
4,5又は6記載の鉛溶出防止方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000311604A JP2002121686A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 鉛含有銅合金製水栓金具からの鉛溶出防止方法 |
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---|---|---|---|
JP2000311604A JP2002121686A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 鉛含有銅合金製水栓金具からの鉛溶出防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002121686A true JP2002121686A (ja) | 2002-04-26 |
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JP2000311604A Pending JP2002121686A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 鉛含有銅合金製水栓金具からの鉛溶出防止方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2002121686A (ja) |
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN106086894A (zh) * | 2016-06-23 | 2016-11-09 | 台州德尊洁具厂(普通合伙) | 一种水龙头主体除铅工艺、水龙头主体除铅设备及水龙头主体的加工工艺 |
CN110670116A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-01-10 | 中国航发贵州黎阳航空动力有限公司 | 一种用于航空发动机金属零组件的弱酸性电解标印液 |
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JPH0711481A (ja) * | 1993-06-29 | 1995-01-13 | Fuji Electric Co Ltd | 鉛入り銅合金用のめっき前処理液 |
JP2000096269A (ja) * | 1999-08-06 | 2000-04-04 | Toto Ltd | 鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法及び鉛含有銅合金製水道用器具 |
JP2001152369A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-06-05 | Koei Kogyo Kk | 鉛含有給排水用銅合金金具に含まれる鉛溶出防止処理法 |
-
2000
- 2000-10-12 JP JP2000311604A patent/JP2002121686A/ja active Pending
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