JP2002121624A - 硫酸ニッケル溶液からの亜鉛の分離除去方法 - Google Patents
硫酸ニッケル溶液からの亜鉛の分離除去方法Info
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Abstract
水溶液に硫化水素を吹込み、硫化亜鉛を選択的に沈殿さ
せて、該水溶液から亜鉛を分離除去する従来方法を改良
し、沈殿生成反応を制御するためにpH調整剤を用いな
いで、ニッケルおよびコバルトをほとんどロスすること
なく、ほぼ完全に亜鉛を分離除去することができる該水
溶液からの亜鉛の分離除去方法を提供する。 【解決手段】 上記従来方法において、(1)上記水溶
液の亜鉛濃度が0.5g/リットル以下であること、
(2)該水溶液のpHを2.5〜3.8の範囲以内に予
め調整すること、および(3)吹込む硫化水素の量によ
り該水溶液のORP(酸化還元電位)を−260〜−1
20mVvs.Ag/AgClの範囲以内に調整するこ
とを特徴とする。
Description
鉛を含有する硫酸ニッケル水溶液(以下、硫酸ニッケル
溶液という)から硫化亜鉛を沈殿させて、亜鉛を分離除
去する方法に関する。
るために、酸性抽出剤を用いる溶媒抽出法や、イオン交
換樹脂法が一般的に用いられている。
樹脂との化学的親和力の差を利用する抽出・逆抽出また
は吸着・溶離を行って、亜鉛を分離除去するものである
が、次の(1)〜(5)の問題点がある。
などの薬品を必要とする。
場合、硫酸ニッケル溶液をはじめとする使用液への溶媒
のロスや、カラム内での樹脂粒子同士の摩擦による樹脂
の機械的なロスが無視できない。
からみれば、硫酸ニッケル溶液へ混入した溶媒や微細化
した樹脂が反応系内へ導入されることになり、操業上、
その防止措置を講じなければならない。
場合や、高い亜鉛分離度が要求される場合には、抽出や
吸着の段数を増やさなければならず、操業上、受け入れ
る硫酸ニッケル溶液の濃度変化に簡単に対応し難い。
去するために、中和を行って水酸化物を沈殿させる方法
(水酸化物沈殿法)を用いることも考えられる。しかし
ながら、この方法ではニッケルおよびコバルトの共沈が
避けられず(中和による沈殿生成反応の高い選択性が得
られず)、従って完全に亜鉛を除去する(亜鉛沈殿率を
向上させる)ためには多量のニッケルおよびコバルトを
水酸化物として沈殿させなければならない。
分離除去には、設備が複雑、操作が繁雑で、操業コスト
も高いという問題点があった。
込み、硫化亜鉛を選択的に沈殿させて、該溶液から亜鉛
を分離除去する方法(硫化物沈殿法)も知られている。
この方法では、硫化水素を吹込んでいる間、pHを調整
するために、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カルシウムなどを添加する(例えば、特開
昭63−45130号公報)。この方法は、前記溶媒抽
出法、イオン交換樹脂法および水酸化物沈殿法と比べ
て、次の利点を有する。
過工程、沈殿洗浄工程の各工程間で生じるニッケルおよ
びコバルトの付随ロスを低く抑えることができる。
応という)に使用されなかった硫化水素を回収し沈殿生
成工程に再度繰り返すことにより、硫化水素のロスを極
めて少なくすることができる。
り、操業コストが低い。
のようなpH調整剤の添加は、局所的な水酸化物の発生
を起こし、ニッケルおよびコバルトのロスを助長すると
いう問題点がある。
硫化物沈殿法を改良し、反応を制御するためにpH調整
剤を用いないで、ニッケルおよびコバルトをほとんどロ
スすることなく、ほぼ完全に亜鉛を分離除去することが
できる硫酸ニッケル溶液からの亜鉛の分離除去方法を提
供することにある。
の本発明の硫酸ニッケル溶液からの亜鉛の分離除去方法
は、上記硫化物沈殿法において、(1)硫酸ニッケル溶
液の亜鉛濃度が0.5g/リットル以下であること、
(2)該溶液のpHを2.5〜3.8の範囲以内に予め
調整すること、および(3)吹込む硫化水素の量により
該溶液のORP(酸化還元電位)を−260〜−120
mVvs.Ag/AgCl(以下、mVという)の範囲
以内に調整することを特徴とする。
度 反応の対象となる硫酸ニッケル溶液の亜鉛濃度は0.5
g/リットル以下である。重量ppmオーダーでも本発
明の前記目的を達成することができる。上記亜鉛濃度が
0.5g/リットルを超えると、反応によりpHが下が
り続けるために、pH調整剤を用いないでpHを2.5
〜3.8の範囲以内に調整することができず、ひいては
反応が進み難く(亜鉛沈殿率を低下させ)、またニッケ
ルおよびコバルトの沈殿反応が進む(反応の高い選択性
が得られない)。
8である。pHが2.5未満では、反応が進み難く、ま
たニッケルおよびコバルトの沈殿反応が進む。一方、p
Hが3.8を超えると、ニッケルおよびコバルトの共沈
が進む。
−120mVである。ORPが−260mV未満では、
ニッケルおよびコバルトの沈殿反応が進む。一方、OR
Pが−120mVを超えると、反応が進み難い。
中の亜鉛量で決まり、亜鉛濃度の高い場合にはそれに応
じて硫化水素の吹込み量を増加させる必要がある。実際
には、加圧下で反応させたり、反応段数を増やすことに
より、亜鉛沈殿率を上げ、吹込み量を反応当量付近まで
低減することができる。
ほど硫化水素の反応性が向上するとともに、生成した硫
化亜鉛沈殿の濾過性も改善されるので、80℃前後の高
温が好ましい。なお、上記濾過性の不良は、濾過機の調
整・殿物の処理などの作業の間に硫化亜鉛が簡単に酸化
・再溶解するので、脱亜鉛率の悪化に繋がる。
化水素を分散した方が好ましいが、生成した硫化亜鉛の
再酸化を防ぐため、空気の巻込みが起こらない撹拌条件
で実施する必要がある。
せることにより、ニッケルおよびコバルトをほとんどロ
スすることなく(例えばニッケル沈殿率およびコバルト
沈殿率がいずれも1重量%以下という反応の高い選択性
をもって)、ほぼ完全に(亜鉛沈殿率を例えば99重量
%以上に向上させて)亜鉛を分離除去することができ
る。
いないので、従来の硫化物沈殿法で必要であったpH調
整装置およびpH調整操作は特に必要でない。また、硫
化水素を吹込むことによりORP調整剤を用いないの
で、従来の硫化物沈殿法と比べて反応設備が複雑になら
ず、操作も繁雑にならない。従って、設備がより簡単、
操作がより簡便になるため、操業コストがより低くな
る。
(実効容量1.8リットル)の邪魔板付きセパラブルフ
ラスコにて、表1の組成の硫酸ニッケル溶液を用い、バ
ッチで脱亜鉛試験を実施した。反応前の硫酸ニッケル溶
液のpHを硫酸にて所定値(反応前pH)に調整した。
なお、pH調整後の硫酸ニッケル溶液のORPは+20
0〜+300mVであった。その後、所定のORP(目
標ORP)になるように、硫化水素ガスを1〜5リット
ル/時間の割合で該硫酸ニッケル溶液中へ吹込んだ。吹
込み中、硫酸ニッケル溶液を600rpmで撹拌した。
硫化水素ガスの吹込み量が亜鉛量に対して5〜10当量
になった時点で吹込みを止めた。試験条件および結果を
表2に示す。
かる。
における範囲以内に制御されている場合(実施例1〜
4)、亜鉛は99重量%以上沈殿し、ニッケルおよびコ
バルトの沈殿率も1重量%以下に抑えられている。
および反応のpHが低すぎ、ORPが高すぎた場合(比
較例1、3)は、ニッケルおよびコバルトの沈殿が多
く、また亜鉛が沈殿し難い。
は、亜鉛が99重量%以上沈殿しても、ニッケルおよび
コバルトの沈殿が多くなる。
いたこと以外は、実施例1と同様にして脱亜鉛試験を実
施した。この際、硫化水素は硫酸ニッケル溶液中の亜鉛
量に対して約10倍当量吹込んだ。脱亜鉛反応終了後、
得られた溶液50mlの濾過速度を測定した。この際、
濾過方法は5C濾紙を用いた自然濾過とした。結果を表
3に示す。
方が低温(25℃)におけるより良好な濾過性を示すこ
とが分かる。
度が高すぎる(0.509g/リツトル )硫酸ニッケ
ル溶液を用いたこと、および表5に示す試験条件を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして脱亜鉛試験を実施
した。結果を表5に示す。
も、pHが低下して、亜鉛の沈殿が低下し、またニッケ
ルおよびコバルトの沈殿も多くなることが分かる。
法と比べて、より簡単な設備、より簡便な操作で、従っ
てより低い操業コストで、(2)反応を制御するため
に、pH調整剤およびORP調整剤を用いないで、
(3)ニッケルおよびコバルトをほとんどロスすること
なく(反応の高い選択性をもって)、(4)ほぼ完全に
(亜鉛沈殿率を向上させて)亜鉛を分離除去することが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 コバルトおよび亜鉛を含有する硫酸ニッ
ケル水溶液に硫化水素を吹込み、硫化亜鉛を選択的に沈
殿させて、該水溶液から亜鉛を分離除去する方法におい
て、(1)該水溶液の亜鉛濃度が0.5g/リットル以
下であること、(2)該水溶液のpHを2.5〜3.8
の範囲以内に予め調整すること、および(3)吹込む硫
化水素の量により該水溶液のORPを−260〜−12
0mVvs.Ag/AgClの範囲以内に調整すること
を特徴とする該水溶液からの亜鉛の分離除去方法。
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