JP2015038251A - 脱亜鉛プラントの操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧酸浸出法によるニッケルの湿式製錬の脱亜鉛工程にて用いられる、脱亜鉛プラントにおける処理量の低下を抑制して生産量の減少を防ぐとともに、フィルター装置に設けられた濾布に対して良好なケーク層を形成させて効率的な濾過処理を行うことを可能にする操業方法の提供。
【解決手段】脱亜鉛プラントの立ち上げ時において、生成した亜鉛硫化物を含むスラリーを濾過分離するためのフィルターに供給する際に、ポンプの最大送液能力でスラリーを送液させた場合におけるスラリー供給開始から目的とする流量に到達するまでの時間をT1としたときに、下記関係式(i)を満足する時間T2で、流量を段階的に増加させて目的流量となるように調整し、脱亜鉛プラントの通常操業時において、スラリーをフィルターに供給する際には、スラリーの温度が50〜80℃、固形分濃度が0〜1重量%、pHが2.4〜4.0である。3×T1≦T2≦5×T1・・・(i)
【選択図】図1

Description

本発明は、脱亜鉛プラントの操業方法に関する。より詳しくは、ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られた中和終液に対して、硫化処理を施して亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離することでニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る脱亜鉛処理を実行するための脱亜鉛プラントの操業方法に関する。
近年、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leach)が注目されている。この方法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱の製錬方法である乾式製錬法と異なり、還元及び乾燥プラント等の乾式工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利であるとともに、ニッケル品位が50質量%程度まで上昇したニッケルとコバルトを含む硫化物(以下、「ニッケルコバルト混合硫化物」又は「Ni・Co混合硫化物」と呼称する場合がある。)を得ることができるという利点を有している。
高圧酸浸出法によるニッケル製錬処理が行われるプラントとしては、例えば、(イ)ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施し、続いて浸出スラリーを多段洗浄しながら残渣を分離して、ニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を得る浸出及び固液分離プラント、(ロ)得られた浸出液のpHを調整して不純物元素を含む中和澱物を分離し、ニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る中和プラント、(ハ)中和終液に対し硫化剤を添加することで亜鉛硫化物を形成し、その亜鉛硫化物を分離して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液を得る脱亜鉛プラント、及び(ニ)その浸出液に対し硫化剤を添加することでニッケル及びコバルトを含む混合硫化物を形成し、その混合硫化物を分離するニッケル回収プラントが含まれている。
ここで、上述した(ハ)脱亜鉛プラントでは、中和プラントから排出された中和終液を硫化反応槽内に導入し、硫化水素ガスや水硫化ソーダ等の硫化剤を添加して、その中和終液中に含有される亜鉛や銅等を硫化する。そしてその後、フィルタープレス等を用いて固液分離し、亜鉛硫化物とニッケル及びコバルトを含む浸出液とを得る(例えば、特許文献1、2参照)。ニッケルコバルト混合硫化物は、さらに電気ニッケルや電気コバルトまで精製する原料として用いられるため、この脱亜鉛プラントにおける処理では、中和終液中の亜鉛(Zn)濃度を1mg/L以下にまで低下させることが要求される。
このため、その脱亜鉛プラントにおいてフィルタープレス等で亜鉛硫化物を固液分離して得られたニッケル及びコバルトを含む浸出液に対しては、更なる濾過処理が施され、その固液分離処理で分離し切れなかった微細な硫化亜鉛澱物を除去するようにしている。例えば、そのための濾過機として、例えばポリッシングフィルター等が使用されている。
ところで、プラントの定期点検終了後等において、濾過機を含む脱亜鉛プラントを立ち上げ運転する際には、初めは送液ポンプを低流量に設定し、徐々に連続的に流量を増加させながら長時間かけてスラリーを送液していき、濾過機に備えられた濾布の表面に、ある一定量の亜鉛澱物がコーティングされたタイミングで、通常運転の流量(目的流量)に到達させるという運転を行うのが一般的である。そして、通常運転に移行した後では、濾布表面に形成された亜鉛澱物のコーティング層(ケーク層)に基づいて、いわゆるケーク濾過を行うようにしている。
しかしながら、上述したように、濾布表面への澱物のコーティングには長時間が必要となる。具体的には、例えば、Ni・Co混合硫化物の生産量としておよそ1万トン/年(Ni量換算)規模の工場(プラント)では、その澱物のコーティングに約1日もの長時間を要する場合がある。そして、このことは、操業度を著しく低下させ、Ni・Co混合硫化物の生産量を減少させる要因となる。
すなわち、濾布表面への澱物のコーティング中においては、脱亜鉛プラントの濾過機に送液されるスラリーの流量が通常運転の流量より少なくなり、そのため、脱亜鉛プラントにおける処理量が低下する。このことから、脱亜鉛プラントの処理量の低下に対応して、前段の中和プラントを含めてプロセス全体の操業度を低下させる必要が生じ、その結果として生産量が著しく減少してしまうことになる。具体的には、例えば、上述した1万トン/年(Ni量換算)規模の工場の場合、その脱亜鉛プラントの立ち上げ時においては、プロセス全体の操業度を80%程度にまで低下させる必要が生じる。
このとき仮に、全体の操業度を低下させる措置を取らずに放置するとすれば、脱亜鉛プラントとその前段の中和プラントとの間に設けられたバッファータンクに、脱亜鉛プラントに移送させるべき(処理が間に合わなくなった)スラリーがあふれてしまう。また、脱亜鉛プラントとその後段のニッケル回収プラントとの間にあるバッファータンクでは、収容されるスラリーが不足し、プラント操業度が低下する事態が発生してしまう。
このような生産量の減少を防止するために、例えば、濾過機前後にこれまで以上に大きなバッファータンクを設置するといった措置や、多数の濾過機を設置するといった措置等を採ることが考えられる。しかしながら、これらの方法の場合、高い初期投資を要するため経済効率性が悪くなり、また設置スペースに限度があるという問題がある。
また、コーティング後に極端に供給流量を増加(「ランプアップ」という)させる方法も考えられるが、濾過フィルターに過度の負荷が掛かるという問題が生じる。また、プラント立ち上げ時から最大のポンプ能力で急速にスラリーを供給させる方法も考えられるが、形成されるケーク層はコーティングされた亜鉛硫化物によって目詰まりに近いような状態となって良好ではなく、そのため濾過精度が低下する。そして、これらのような場合には、濾布の寿命を著しく短縮させることとなり、濾布の交換回数やメンテナンス回数等が増加して、さらに処理効率が低下する。
このように、何れの方法においても、安定した生産量を確保するという観点からは実現性の乏しいものであった。
特開平06−116660号公報 特開2005−350766号公報 特開2010−037626号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケルの湿式製錬方法の脱亜鉛工程にて用いられる脱亜鉛プラントの立ち上げに際して、その脱亜鉛プラントにおける処理量の低下を抑制して生産量の減少を防ぐとともに、脱亜鉛プラント内のフィルター装置に設けられた濾布に対して良好なケーク層を形成させて、効率的な濾過処理を行うことを可能にする脱亜鉛プラントの操業方法を提供する。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、所定の時間内で段階的に目的流量となるようにフィルター装置に供給するスラリー流量を調整することで、従来よりも短時間で立ち上げ操作を行うことができ、また良好なケーク層を構成する亜鉛硫化物のコーティングが可能となることを見出した。
すなわち、本発明に係る脱亜鉛プラントの操業方法は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、該ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られたニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液に対し、硫化処理を施して亜鉛硫化物を形成させて該亜鉛硫化物を分離除去する脱亜鉛処理を実行するための脱亜鉛プラントの操業方法であって、上記脱亜鉛プラントの立ち上げ時において、上記中和終液に硫化剤を添加して生成させた亜鉛硫化物を含むスラリーを、濾過分離するためのフィルターに供給する際に、上記スラリーを送液させるポンプの最大送液能力で該スラリーを送液させた場合における、スラリー供給開始から目的とするスラリー流量に到達するまでの時間をT1としたときに、下記関係式(i)を満足する時間T2で、上記フィルターに供給するスラリー流量を段階的に増加させて目的とするスラリー流量となるように調整し、
3×T1≦T2≦5×T1 ・・・(i)
脱亜鉛プラントの通常操業時において、亜鉛硫化物を含むスラリーを、濾過分離するためのフィルターに供給する際には、亜鉛硫化物を含むスラリーの温度が50〜80℃、固液分濃度が0〜1重量%、pHが2.4〜4.0であることを特徴とする。
フィルターの濾布に目詰まりが発生した場合、フィルターに対する通常の通液方向とは逆の方向から、温水を通液させて濾布の逆洗浄を行うことが好ましい。
濾布の目詰まりの判断は、上記フィルターに供給されるスラリーの圧力と、該フィルターから排出されるスラリーの圧力との差分が100kPaGに達した時点で目詰まりが発生したと判断することが好ましい。
逆洗浄を行っても濾布の性能が回復しない場合には、濾布を交換することが好ましい。
フィルターに用いられる濾布は、ポリプロピレン製であり、濾過流量負荷が0.5〜3.0m/Hr・mであることが好ましい。
濾布は、チタン製又はステンレス製の支持枠に支持されていることが好ましい。
本発明によれば、脱亜鉛プラントの立ち上げに際して、短時間で立ち上げ操作を行うことができ、その脱亜鉛プラントにおける処理量の低下を抑制して生産量の減少を防ぐとともに、フィルター装置に設けられた濾布に対して良好なケーク層を形成させることができ、効率的な濾過処理を行うことが可能となる。
時間T2で段階的にスラリー流量を増加させていったときの所要時間とスラリー流量との関係を示すグラフである。 ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法による湿式製錬方法の工程図である。 連続的に徐々にスラリー流量を増加させていったときの所要時間とスラリー流量との関係を示すグラフである。 送液ポンプの最大送液能力で急速にスラリー流量を増加させていったときの所要時間とスラリー流量との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る脱亜鉛プラントの操業方法について、図面を参照しながら以下の順で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1.本発明の概要
2.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について
3.湿式製錬方法の各工程について
3−1.浸出工程
3−2.固液分離工程
3−3.中和工程
3−4.脱亜鉛工程
3−4−1.脱亜鉛プラント
3−4−2.脱亜鉛プラントの操業方法(プラント立ち上げ時の操業方法)
3−5.ニッケル回収工程(ニッケルコバルト混合硫化物形成工程)
4.実施例
[1.本発明の概要]
本発明に係る脱亜鉛プラントの操業方法は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける脱亜鉛工程にて用いられる脱亜鉛プラントの操業方法である。より詳しくは、ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られた中和終液に対して、硫化処理を施して亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離することでニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る脱亜鉛処理を実行するための脱亜鉛プラントの操業方法である。
この脱亜鉛プラントにおいては、亜鉛硫化物を生成させた脱亜鉛終液(脱亜鉛反応後の溶液)であるスラリーを、例えばポリッシングフィルター等の濾過フィルター(濾布)に供給することで、沈殿物である亜鉛硫化物を分離除去する濾過処理が施される。この濾過処理では、濾過機のフィルター表面に適度に亜鉛硫化物(硫化亜鉛澱物)をコーティングしてケーク層を形成させることでケーク濾過を行うようにしている。
ところが、例えば定期点検後の立ち上げ時においては、スラリー流量が少なく、フィルター表面に新たに亜鉛硫化物がコーティングされて適度なケーク層が形成されるまでには長時間を要する。そして、その濾布表面へのコーティングの間においては、上述のようにスラリー流量が少ないことから、この脱亜鉛プラントにおける処理量が低下し、その結果としてプロセス全体の操業度が低下して、生産量を減少させることになる。
この点において、本発明に係る脱亜鉛プラントの操業方法によれば、定期点検後の立ち上げ時において、短時間で濾布表面に亜鉛硫化物をコーティングさせることができるため、脱亜鉛プラントにおける処理量の低下を抑制し、プロセス全体の操業度の低下を防止することができる。
しかも、この操業方法によれば、亜鉛硫化物がコーティングされることによって形成されるケーク層が非常に良好なものとなるため、濾布に対する負荷を軽減させることができ、その寿命低下を防止して効率的な操業を可能とする。
具体的に、本発明に係る脱亜鉛プラントの操業方法は、脱亜鉛プラントの立ち上げ時において、中和終液に硫化剤を添加して生成させた亜鉛硫化物を含むスラリーを、濾過分離するためのフィルターに供給するに際して、図1のグラフに示すように、そのスラリーを送液させるポンプの最大送液能力でスラリーを送液させた場合における、スラリー供給開始から目的とするスラリー流量に到達するまでの時間をT1としたときに、下記関係式(i)を満足する時間T2で、そのフィルターに供給するスラリー流量を段階的に増加させて目的とするスラリー流量となるように調整することを特徴としている。
3×T1≦T2≦5×T1 ・・・(i)
ここで、段階的に増加させる調整に際しての「段階的」とは、詳しくは後述するが、“流量増加のステップ”と“流量維持のステップ”を1セットとして、所定の時間毎に複数セット(複数段階)実施する調整状態をいう。
このように、所定の時間内においてスラリー流量を段階的に増加させて目的流量となるように調整することによって、従来よりも短時間で、且つ、良好なケーク層が形成される亜鉛硫化物のコーティングが可能となり、プラントの処理量の低下に伴うプロセス全体の操業度の低下を防止することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、より詳細に説明する。
[2.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について]
先ず、本実施の形態に係る脱亜鉛プラントの操業方法を説明するにあたって、その脱亜鉛プラントが用いられる脱亜鉛工程を含むニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について説明する。このニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、例えば高圧酸浸出法(HPAL法)を用いて、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを浸出させて回収する湿式製錬方法である。
図2に、ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法による湿式製錬方法の工程(プロセス)図の一例を示す。図2に示すように、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す浸出工程S1と、浸出スラリーを多段洗浄しながら残渣を分離して、ニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を得る固液分離工程S2と、浸出液のpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物を分離してニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る中和工程S3と、中和終液に硫化水素ガス等の硫化剤を添加することで亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る脱亜鉛工程S4と、ニッケル回収用母液に硫化剤を添加することでニッケル及びコバルトを含む混合硫化物を形成するニッケル回収工程S5とを有する。以下、各工程について具体的に説明する。
[3.湿式製錬方法の各工程について]
<3−1.浸出工程>
浸出工程S1では、ニッケル酸化鉱石に対して、例えば高圧酸浸出法を用いた浸出処理を施す。具体的には、原料となるニッケル酸化鉱石を粉砕等して得られた鉱石スラリーに硫酸を添加し、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)を用いて、220〜280℃の高い温度条件下で加圧することによって鉱石スラリーを攪拌し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する。
浸出工程S1で用いるニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50重量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、浸出工程S1では、このようなラテライト鉱の他に、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等が用いられる。
この浸出工程S1における浸出処理では、例えば下記式(1)〜(5)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応が生じ、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。ただし、鉄イオンの固定化は完全には進行しないため、通常、得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等の他に2価と3価の鉄イオンが含まれる。
・浸出反応
MO+HSO ⇒ MSO+HO ・・・(1)
(なお、式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す。)
2Fe(OH)+3HSO ⇒ Fe(SO+6HO ・・・(2)
FeO+HSO ⇒ FeSO+HO ・・・(3)
・高温熱加水分解反応
2FeSO+HSO+1/2O ⇒ Fe(SO+H
・・・(4)
Fe(SO+3HO⇒ Fe+3HSO ・・・(5)
浸出工程S1における硫酸の添加量としては、特に限定されるものではなく、鉱石中の鉄が浸出されるような過剰量が用いられる。例えば、鉱石1トン当り300〜400kgとする。鉱石1トン当りの硫酸添加量が400kgを超えると、硫酸コストが大きくなり好ましくない。
なお、浸出工程S1では、次工程の固液分離工程S2で生成されるヘマタイトを含む浸出残渣のろ過性の観点から、得られる浸出液のpHが0.1〜1.0にとなるように調整することが好ましい。
<3−2.固液分離工程>
固液分離工程S2では、浸出工程S1にて形成された浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトのほか不純物元素として亜鉛を含む浸出液と浸出残渣とを得る。
この固液分離工程S2では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離装置を用いて固液分離処理を施す。具体的には、先ず、スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈の度合に応じて減少させることができる。実操業では、このような機能を持つシックナーを多段に連結して用いることにより、ニッケル及びコバルトの回収率の向上を図ることができる。
固液分離工程S2における多段洗浄方法としては、特に限定されるものではないが、ニッケルを含まない洗浄液で向流に接触させる連続向流洗浄法(CCD法:Counter Current Decantation)を用いることが好ましい。これにより、系内に新たに導入する洗浄液を削減できるとともに、ニッケル及びコバルトの回収率を95%以上とすることができる。
洗浄液としては、特に限定されるものではなく、ニッケルを含まず、工程に影響を及ぼさないものを用いることができる。その中でも、pHが1〜3の水溶液を用いることが好ましい。洗浄液のpHが高いと、浸出液中にアルミニウムが含まれる場合には嵩の高いアルミニウム水酸化物が生成され、シックナー内での浸出残渣の沈降不良の原因となる。このことから、洗浄液としては、好ましくは、後工程であるニッケル回収工程S5で得られる低pH(pHが1〜3程度)の貧液を繰り返して利用するとよい。
<3−3.中和工程>
中和工程S3では、固液分離工程S2にて分離された浸出液のpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物を分離して、ニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る。
具体的に、中和工程S3では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、得られる中和終液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、ニッケル回収用の母液の元となる中和終液と、不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとを形成する。中和工程S3では、このようにして浸出液に対する中和処理を施すことで、高圧酸浸出法による浸出処理で用いた過剰の酸を中和してニッケル回収用の母液の元となる中和終液と生成するとともに、溶液中に残留する3価の鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物を中和澱物として除去する。
また、中和工程S3においては、続く脱亜鉛工程S4の脱亜鉛反応槽に移送する中和終液(硫化処理始液)の濁度が100〜400NTUとなるように、その中和終液中に中和澱物及び浸出工程S1で得られた浸出残渣からなる懸濁物を残留させることが好ましい。このようにして、懸濁物を残留させて中和終液の濁度を調整することで、脱亜鉛工程S4にて形成される脱亜鉛硫化物のろ過性を向上させることができる。
ここで、この中和工程S3にて用いられる中和プラントは、図2の工程図の中和工程S3内に示すように、中和反応を行う中和反応槽と、中和澱物スラリーと中和終液とを分離する分離処理槽と、分離された中和終液を貯留する中和終液貯留槽とを備える。
中和反応槽では、上述した固液分離工程S2にて分離された浸出液が装入されるとともに、その浸出液に中和剤が添加され、浸出液に対する中和反応が生じる。
分離処理槽は、例えばシックナー等の固液分離装置である。この分離処理槽では、中和反応槽における浸出液の中和反応により形成された中和反応後のスラリーが移送装入され、そのスラリーを、ニッケル回収用の母液の元となる中和終液と不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとに分離する。この分離処理槽にて中和澱物が分離されて得られた中和終液はオーバーフローして中和終液貯留槽に移送され、一方で中和澱物スラリーは分離処理槽の底部から抜き出される。なお、分離処理槽の底部から抜き出された中和澱物スラリーは、適宜、固液分離工程S2に繰り返し戻し入れるようにすることができる。
中和終液貯留槽は、分離処理槽からオーバーフローした中和終液が装入されるように構成され、その中和終液を中和工程S3に続く脱亜鉛工程S4に送る前に一時的に貯留する。すなわち、この中和終液貯留槽は、中和プラントと脱亜鉛工程S4にて用いられる脱亜鉛プラントの間に設置されたバッファータンクとなり、脱亜鉛プラントにおける処理の進行状況に応じて中和終液の移送流量を調整可能としている。
例えば、この中和終液貯留槽としては、特に限定されないが、中和終液の流量に対して3時間以上の貯留量に相当する容積を有するものであることが好ましい。これにより、中和終液貯留槽内における中和終液の滞留時間を多くすることができる。
<3−4.脱亜鉛工程>
脱亜鉛工程S4では、中和工程S3から得られた中和終液に硫化水素ガス等の硫化剤を添加して硫化処理を施すことにより亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液(脱亜鉛終液)を得る。
具体的には、例えば、加圧された容器内にニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を導入し、気相中へ硫化水素ガスを吹き込むことによって、亜鉛をニッケル及びコバルトに対して選択的に硫化し、亜鉛硫化物とニッケル回収用母液とを生成する。なお、図2の工程図では、硫化剤として硫化水素ガスを用いた例を示す。
<3−4−1.脱亜鉛プラント>
ここで、脱亜鉛工程S4において用いられる脱亜鉛プラントについて説明する。図2の工程図の脱亜鉛工程S4内に示すように、脱亜鉛プラントは、中和終液に対し硫化水素ガス等の硫化剤を吹き込んで硫化反応を行う脱亜鉛(DZn)反応槽と、生成した亜鉛硫化物と硫化反応終液とからなるスラリーを貯留する脱亜鉛(DZn)終液貯留槽と、亜鉛硫化物(硫化亜鉛澱物)を分離除去するフィルター装置とを備える。
(脱亜鉛反応槽)
脱亜鉛反応槽では、上述した中和工程S3にて得られ移送された中和終液が装入され、その中和終液に硫化水素ガスを添加して硫化反応を行う。この脱亜鉛反応槽においては、硫化水素ガスの添加により中和終液に含まれる亜鉛に基づく亜鉛硫化物が生成される。そして、脱亜鉛反応槽における硫化処理後の終液(脱亜鉛終液)は、亜鉛が含まれない溶液となり、ニッケル回収用の母液となる。
この脱亜鉛反応槽において生成した亜鉛硫化物が含まれる脱亜鉛終液であるスラリーは、次に、脱亜鉛終液貯留槽に移送される。
(脱亜鉛終液貯留槽)
脱亜鉛終液貯留槽では、脱亜鉛反応槽において得られた亜鉛硫化物を含む脱亜鉛終液であるスラリーが装入される。この脱亜鉛終液貯留槽では、脱亜鉛反応槽から供給されたスラリーを、そのスラリーに含まれる亜鉛硫化物を分離除去するためのフィルター装置に送液する前に一時的に貯留する。
また、この脱亜鉛終液貯留槽では、フィルター装置にスラリーを送液する際のスラリー流量を調整することが可能となっている。具体的には、例えば脱亜鉛プラントの立ち上げ時においては、所定の時間内に、フィルター装置に流送するスラリーの流量を段階的に増加させながら目的流量となるように送液することができる。また、通常操業時においては、所定の目的流量を維持しながらスラリーを送液することができる。このように、脱亜鉛終液貯留槽では、フィルター装置に流送するスラリー流量が制御可能となっていることにより、フィルター装置における濾布表面に、短時間で、且つ、良好なケーク層を形成させることができ、プロセス全体の操業度の低下を抑制することができる。
ここで、脱亜鉛終液貯留槽に貯留されフィルター装置に流送されるスラリー、すなわち脱亜鉛処理後のスラリーとしては、特に限定されないが、例えばその温度が50〜80℃程度であり、固形分濃度が0〜1重量%程度であり、pHが2.4〜4.0程度である。
(フィルター装置)
フィルター装置は、例えばポリッシングフィルター等で構成され、所定の目開きのフィルター(濾布)等を備えている。フィルター装置において、脱亜鉛終液貯留槽から配管等を介して送液された亜鉛硫化物を含むスラリーから亜鉛硫化物を分離し除去する。
このフィルター装置では、濾布の表面に一定量の亜鉛硫化物の澱物をコーティングしてケーク層(以下、コーティング層ともいう。)を形成し、そのケーク層をいわゆる濾材として作用させるケーク濾過を行う。濾布表面への澱物のコーティングは、脱亜鉛プラントを立ち上げ際して、スラリー量を調整しながら行われる。この濾布への澱物のコーティングにより形成されるケーク層の性状評価については、例えば、プラントの立ち上げ作業から、後述する目詰まり発生時に行う逆洗浄処理や濾布の交換等の濾布の性能改善作用までを一区切りと考えて、この間におけるスラリーの通液量が多ければ、澱物が適切にコーティングされて良好なケーク層が形成されたと判断することができ、通液量が少なければコーティングが不適切であって不良なケーク層が形成されたと判断することができる。
フィルター装置に用いられる濾布としては、特に限定されないが、例えば材質がポリプロピレン製であり、濾過流量負荷が0.5〜3.0m/Hr・m程度のものを好適に用いることができる。
また、フィルター装置としては、上述したような濾布を、例えば籠状の支持枠によって支持した形状とすることができる。支持枠の材質としては、特に限定されないが、例えばチタン製、ステンレス製とすることができる。また、フィルター装置における濾過面積(濾過可能面積)としては、特に限定されるものではなく、目的とするスラリー流量等に応じて適宜設定することができるが、例えば10〜30m程度とすることが好ましい。
ここで、例えばポリッシングフィルター等のフィルター装置においては、その濾布に目詰まりが発生する場合がある。この濾布の目詰まりは、ポリッシングフィルターに供給されるスラリーの圧力と、ポリッシングフィルターから排出されるスラリーの圧力との差分、いわゆる差圧を監視することによって判断することができる。プラントや工場の規模によって異なるが、例えばその差圧が100kPaGに達した時点で、一般的に目詰まりが発生したと判断することができる。
このような目詰まりが発生した場合、そのポリッシングフィルターに、通常の通液方向とは逆の方向から、温水等を通液させて目詰まりの原因となっている微細な粒子を洗い流す逆洗浄を行うことが好ましい。ただし、この逆洗浄の操作は、一般的に、全プラントの操業を停止させ(プラントの立ち下げ)、液抜きを行った後に行われる。そして、その後の点検とプラントの立ち上げ操作を行うことによって通常操業に復帰させることになる。そのため、逆洗浄の操作を行うことは、操業度の大幅な低下につながることになる。
また、目詰まりの程度が酷く、上述した逆洗浄を行っても濾布の性能が回復しない(例えば、目詰まりが解消されない、運転直後に再び所定の差圧になってしまう等)場合は、その濾布を交換することが必要になる。この場合においても、通常操業に復帰するまでの時間がより長くなるだけでなく、濾布のコストもかさむことになる。
したがって、このように逆洗浄操作を要したり、濾布自体の交換を要する濾布の目詰まりの発生は、操業度の低下を防止して、また効率的な操業を可能にする観点から、極力抑制することが望まれる。
<3−4−2.脱亜鉛プラントの操業方法(プラント立ち上げ時の操業方法)>
ところで、プラントの定期点検終了後等の、フィルター装置を含む脱亜鉛プラントの立ち上げに際しては、脱亜鉛処理後のスラリーをフィルター装置に送液させ、その濾布表面に所定量の亜鉛澱物をコーティングすることでケーク層を形成させる必要がある。
従来では、例えば図3のグラフに示すように、立ち上げ運転開始直後はスラリーを送液するポンプ(送液ポンプ)の供給流量を低流量に設定し、時間の経過に伴って連続的に徐々に流量を増加させ、長時間掛けてスラリーを送液することで、濾布表面に所定量の亜鉛澱物をコーティングさせていた。そして、所定量のケーク層が形成されたタイミングで通常運転の流量(目的流量)に到達させるという運転を行っていた。
このような立ち上げ運転では、形成されたケーク層が非常に良好なものとなり、濾布の目詰まりの発生を抑制して、その濾過精度を向上させることが可能となるという利点を有する。しかしながら、図3のグラフから分かるように、スラリーの供給流量を、低流量から徐々に連続的に増加させていく操作では、その立ち上げ運転に要する時間が非常に長くなり、通常運転を開始するまでのその間においては、脱亜鉛プラントでの処理量が低下する。そして、このような脱亜鉛プラントでの処理量の低下は、中和プラントからの中和終液の供給量を減少させることが必要となり、また、脱亜鉛プラントから次工程におけるニッケル回収プラントへのニッケル回収用母液の供給量が必然的に減少してしまう。このようになると、ニッケル製錬のプロセス全体における操業度が著しく低下し、ニッケルコバルト混合硫化物の生産量が減少することになる。
一方で、濾布表面へのコーティング層の形成時間を短縮させるために、例えば図4に示すように、立ち上げ運転開始直後から送液ポンプの送液能力を最大として急速にスラリーを送液させた場合、コーティング層が形成される時間はT1(例えば30分程度)となり、脱亜鉛プラントの処理量が低下することを防止することが可能となる。しかしながら、このような運転を行った場合、その濾布表面に形成されるケーク層は目詰まりに近い状態となってしまうため、濾布の寿命の著しい低下を招き、結果として濾布交換等の作業頻度を増加させて、プロセス全体の操業度を悪化させることになる。
そこで、本実施の形態では、脱亜鉛プラントの立ち上げ時において、亜鉛硫化物を含むスラリーをフィルター装置に供給する際に、所定の時間内で、スラリー流量を段階的に増加させて目的流量となるように調整するようにする。具体的には、図1のグラフに示すように、スラリーを送液させる送液ポンプの最大送液能力でスラリーを送液させた場合における、スラリー供給開始から目的とするスラリー流量に到達するまでの時間をT1としたときに、下記の関係式(i)を満足する時間T2で、そのフィルター装置に供給するスラリー流量を段階的に増加させて目的とするスラリー流量となるように調整する。
3×T1≦T2≦5×T1 ・・・(i)
送液ポンプの最大送液能力でスラリーを送液させた場合における、スラリー供給開始から目的とするスラリー流量に到達するまでの時間をT1とは、図4のグラフに示すように、立ち上げ運転終了時(通常運転開始時)までの時間である。
また、段階的に増加させる調整に際しての「段階的」とは、図1のグラフに示すように、“流量増加のステップ”と“流量維持のステップ”を1セットとして、所定の時間毎に複数セット(複数段階)実施する調整状態をいう。
より詳しくは、先ず、第1のステップとして、立ち上げ運転開始直後は、送液ポンプの送液能力を最大として、すなわち最大供給流量に設定して、スラリー流量の増加操作を一定時間行う(図1中の丸囲み部X)。つまり、図1のグラフにおける立ち上げ開始直後の所要時間に対するスラリーの流量の傾きが、図4のグラフにおける立ち上げ開始直後からの所要時間に対するスラリーの流量増加の傾きと同じになるように流量調整する。
次に、第2のステップとして、その一定時間が経過した後に、その時点の流量を所定時間維持するように送液ポンプを運転させて流量調整する(図1中の丸囲み部Y)。
そして、この第1のステップ(X)と第2のステップ(Y)を1セット(段階)として、所定時間毎に繰り返すことによって、スラリー流量を段階的に増加させるように流量調整することができる。このようにして、スラリー流量を段階的に増加させていき、そのスラリーの流量が通常運転時のスラリー流量(目的流量)まで到達したときに、そのスラリー流量を維持するようにポンプ運転を調整する。
なお、上述した第1のステップと第2のステップの送液ポンプの制御は、例えばそのポンプに供給する電力をインバーター制御することによって容易に実行することができる。
本実施の形態においては、このように、3×T1≦T2≦5×T1の関係を満たす時間T2で、そのフィルター装置に供給するスラリー流量を段階的に増加さるように流量調整することによって、立ち上げ運転に要する時間を短縮させながら、しかも濾布表面に対して良好なケーク層を形成することができる。これにより、脱亜鉛プラントにおける処理量の低下を最小限度に抑制することができ、プロセス全体の操業度の低下を防止することができる。
ここで、このような立ち上げ時における流量制御による効果発現メカニズムとしては、以下のように考えられる。すなわち、一般的に、良好に澱物をコーティングするためには、図3に示す従来法のように、流量を小さくし長時間かけて徐々にスラリーを供給することが望ましい。このことは、そのケーク層が、濾布表面に微細な粒子(固液分離で分離しきれないほどに小さな脱亜鉛澱物)がゆっくりと付着することによって形成され、しかもそのケーク層の中に通液のための流路となる小さな隙間が作られるように形成されるためである。さらには、通常操業の流量(目的流量)になっても、壊れない厚みまで成長させることが必要となるからである。
この点において、図4に示したように、立ち上げ直後から通常の流量に到達するように急速にスラリーを供給した場合には、目的流量までは短時間で到達するものの、流量が多過ぎるために形成されたケーク層が壊れ易くなり、またそのケーク層中に適切な通液流路が形成されないため、良好なものとはならない。
これらに対して、図4に示したように、3×T1≦T2≦5×T1の関係を満たす時間T2で、そのフィルター装置に供給するスラリー流量を段階的に増加させるように流量調整することで、その各段階における流量維持のステップ(第2のステップ(Y))で、微細な粒子がしっかりと付着するとともに通液のための流路が十分に形成されるようになる。また、その次の流量増加のステップにおいて、ケーク層が壊れることなく十分な成長が生じるようになる。このように、短時間で、良好なケーク層を形成することが可能となる。
上述したように、スラリー流量を段階的に増加させて目的流量に到達させるための時間T2としては、3×T1≦T2≦5×T1の関係を満たすようにすることが重要である。時間T2が3×T1より短い場合、上述した第2のステップの流量維持操作の時間(図1における水平部分の時間(Y))が短くなり、流量を急速に増加させる時間が長くなる。その結果、良好なケーク層が形成されない。一方で、時間T2が5×T1より長い場合、立ち上げ運転に要する時間が長くなり、脱亜鉛プラントでの処理量の低下を抑制する効果が十分ではない。
また、時間T2でスラリー流量を段階的に増加させるに際して、好ましくは、3段階以上、6段階以下の段階で増加させるようにするとよい。3段階より少ないと、スラリー流量を急速に増加させる時間、つまり第1のステップ(X)の時間が長くなるため、良好なケーク層を形成させることができない可能性がある。また、スラリー流量を急速に増加させている時間が多くなるため、形成されたケーク層が壊れやすい状態となり、またそのケーク層内に適切な流路を形成させることができない可能性がある。一方で、6段階より多いと、全体的に緩やかにスラリー流量を増加させている状態に近づくことになり、脱亜鉛プラントでの処理量の低下抑制の効果が十分に現れない可能性がある。また、必然的に送液ポンプの制御(ON/OFF)の回数が多くなるため、ポンプの寿命に悪影響を与える可能性がある。
以上のように、本実施の形態においては、脱亜鉛プラントの立ち上げ時の操業方法として、亜鉛硫化物を含むスラリーをフィルター装置に供給する際に、所定の時間内で、スラリー流量を段階的に増加させて目的流量となるように調整するようにする。このことによって、従来よりも短時間で、且つ、良好なケーク層を構成する亜鉛硫化物のコーティングが可能となり、プラントの処理量の低下に伴うプロセス全体の操業度の低下を防止することができる。
<3−5.ニッケル回収工程>
ニッケル回収工程S5では、脱亜鉛工程S4にて不純物元素である亜鉛を亜鉛硫化物として分離除去して得られたニッケル回収用母液に硫化水素ガス等の硫化剤を吹き込んで硫化反応を生じさせ、ニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケルコバルト混合硫化物)と貧液とを生成する。
ニッケル回収用母液は、ニッケル酸化鉱石の浸出液から中和工程S3や脱亜鉛工程S4を経て不純物成分が低減された硫酸溶液であり、例えば、pHが3.2〜4.0で、ニッケル濃度が2〜5g/L、コバルト濃度が0.1〜1.0g/Lの溶液である。なお、このニッケル回収用母液には、不純物成分として鉄、マグネシウム、マンガン等が数g/L程度含まれている可能性があるが、これら不純物成分は、回収するニッケル及びコバルトに対して硫化物としての安定性が低く、生成する硫化物には含有されることはない。
ニッケル回収工程S5では、不純物成分の少ないニッケルコバルト混合硫化物とニッケル濃度を低い水準で安定させた貧液とを生成して回収する。具体的には、硫化反応により得られたニッケルコバルト混合硫化物のスラリーをシックナー等の沈降分離装置を用いて沈降分離処理を施すことによって、沈殿物であるニッケルコバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分はオーバーフローさせて貧液として回収する。なお、上述のように、この貧液には、硫化されずに含まれる鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物元素を含んでいる。
[4.実施例]
次に、本発明を適用した実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬に脱亜鉛プラントにおいて、定期点検を行った後、この脱亜鉛プラントの立ち上げに際して、以下の操業を行った。
すなわち、脱亜鉛プラントの立ち上げに際して、そのプラントを構成するポリッシングフィルターへ供給するスラリーの流量を、3段階に亘って段階的に増加させていくという操業をした(図1参照)。より具体的には、スラリー流量を増加させる流量増加ステップと、一定時間流量を増加させた後にその時点の流量を所定時間維持する流量維持ステップとを1セット(段階)として、これを3回繰り返す(3段階行う)ことによって、段階的にスラリー流量を増加させる調整を行った。なお、各段階における流量増加ステップでは、スラリーを送液する送液ポンプによる送液流量を最大流量(最大送液能力)に設定して増加させた。そして、供給スラリー流量が通常操業時の流量である目的流量に到達した時点で、スラリー流量を増加させる操作を停止して、その目的流量で維持した。
ここで、上述した段階的なスラリー増加操作の時間(T2)としては、送液ポンプの最大送液能力でスラリーを送液させた場合におけるスラリー供給開始から目的流量に到達するまでの時間をT1としたときに、3×T1≦T2≦5×T1の関係を満たすように設定した。具体的に、この実施例1では、時間T1は30分であり、時間T2=2時間に設定し、その2時間でスラリー流量が目的流量に到達させるようにした。
その結果、その2時間で確実に立ち上げ時の処理を完了させることができた。この立ち上げに要した時間(2時間)は、連続的に徐々にスラリー流量を増加させて目的流量に到達させる従来法(比較例1参照)に比べて極めて短時間で立ち上げることができた。
また、その立ち上げ完了後、操業を継続させていき、ポリッシングフィルターに設けた濾布の評価を行った。この濾布の評価としては、ポリッシングフィルターに供給されるスラリーの圧力と、ポリッシングフィルターから排出されるスラリーの圧力との差分である差圧を監視し、濾布の目詰まりの状態を評価することで行った。なお、差圧が100kPaGに達した時点で、逆洗浄作業を行うようにした。その結果、実施例1では、1回目の逆洗浄作業まで約6日の操業が可能となり、この間における総通液量としては25,235m3であった。また、この逆洗浄作業の終了後、濾布は再使用な状態が維持された。
また、このような立ち上げ時からの操業中に、脱亜鉛プラントの操業度を低下させることはなく、工場全体としての操業度が低下することはなかった。
(比較例1)
比較例1では、図3に示すように、連続的に徐々にスラリー流量を増加させて目的流量に到達させる方法で立ち上げ作業を行った。なお、このこと以外は、実施例1と同様の操業を行った。
その結果、立ち上げに要した時間としては、24時間となってしまった。また、操業を開始した直後は、実施例1と同様の通液量が確保できていたものの、前工程である中和工程からのプロセス液の供給液量の方が、脱亜鉛プラント内のポリッシングフィルターへの供給液量よりも多くなってしまい、ポリッシングフィルターの前段の脱亜鉛終液貯留槽の液位が急激に上昇した結果、操業負荷を設計値の80%に下げざるを得なくなり、工場全体の操業度は低下した。
(比較例2)
比較例2では、図4に示すように、スラリーを送液する送液ポンプによる送液流量を最大流量(最大送液能力)に設定して、その送液量のまま目的流量まで到達させる立ち上げ作業を行った。なお、このこと以外は、実施例1と同様の操業を行った。
その結果、立ち上げに要した時間としては、30分であり、短時間で立ち上げを行うことができた。しかしながら、濾布について、実施例1と同様にして評価を行ったところ、1回目の逆洗浄作業まで約2日間しか操業を行うことができず、その間における総通液量としては8,640m3であった。また、この逆洗浄作業の終了後、逆洗浄を行ったにもかかわらず濾布は再使用することができず、濾布の交換が必要となった。
下記表1に、実施例1、並びに比較例1、比較例2の各操業方法による結果を示す。










Figure 2015038251
以上の結果に示されるように、脱亜鉛プラントの立ち上げに際して、所定の時間内で段階的に目的流量となるようにフィルター装置に供給するスラリー流量を調整することで、従来よりも短時間で立ち上げ操作を行うことができ、操業度の低下を抑制できることが分かった。また、この方法によれば、その濾布表面に形成されるケーク層を良好なものとすることができ、濾布の寿命を向上させて効率的な濾過処理が可能となることが分かった。

Claims (6)

  1. ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、該ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られたニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液に対し、硫化処理を施して亜鉛硫化物を形成させて該亜鉛硫化物を分離除去する脱亜鉛処理を実行するための脱亜鉛プラントの操業方法であって、
    上記脱亜鉛プラントの立ち上げ時において、上記中和終液に硫化剤を添加して生成させた亜鉛硫化物を含むスラリーを、濾過分離するためのフィルターに供給する際に、
    上記スラリーを送液させるポンプの最大能力で流量を増加させて該スラリーを送液させた場合における、スラリー供給開始から目的とするスラリー流量に到達するまでの時間をT1としたときに、下記関係式(i)を満足する時間T2で、上記フィルターに供給するスラリー流量を段階的に増加させて目的とするスラリー流量となるように調整し、
    3×T1≦T2≦5×T1 ・・・(i)
    上記脱亜鉛プラントの通常操業時において、上記亜鉛硫化物を含むスラリーを、上記濾過分離するためのフィルターに供給する際には、該亜鉛硫化物を含むスラリーの温度が50〜80℃、固形分濃度が0〜1重量%、pHが2.4〜4.0であることを特徴とする脱亜鉛プラントの操業方法。
  2. 上記フィルターの濾布に目詰まりが発生した場合、該フィルターに対する通常の通液方向とは逆の方向から、温水を通液させて該濾布の逆洗浄を行うことを特徴とする請求項1に記載の脱亜鉛プラントの操業方法。
  3. 上記濾布の目詰まりの判断は、上記フィルターに供給されるスラリーの圧力と、該フィルターから排出されるスラリーの圧力との差分が100kPaGに達した時点で目詰まりが発生したと判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱亜鉛プラントの操業方法。
  4. 上記逆洗浄を行っても濾布の性能が回復しない場合には、該濾布を交換することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱亜鉛プラントの操業方法。
  5. 上記フィルターに用いられる濾布は、ポリプロピレン製であり、濾過流量負荷が0.5〜3.0m/Hr・mであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の脱亜鉛プラントの操業方法。
  6. 上記濾布は、チタン製又はステンレス製の支持枠に支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の脱亜鉛プラントの操業方法。
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