JP2002119871A - 新規な固定化触媒及びその製造方法 - Google Patents

新規な固定化触媒及びその製造方法

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JP2002119871A
JP2002119871A JP2000316422A JP2000316422A JP2002119871A JP 2002119871 A JP2002119871 A JP 2002119871A JP 2000316422 A JP2000316422 A JP 2000316422A JP 2000316422 A JP2000316422 A JP 2000316422A JP 2002119871 A JP2002119871 A JP 2002119871A
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viii metal
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JP2000316422A
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English (en)
Inventor
Kenji Uejima
健二 上島
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性が高く、安定性に優れた第8族金属の固
定化触媒を提供すること。 【解決手段】 第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩
に特定の水素化珪素化合物を混合して得た非水溶媒系の
コロイド溶液と担持体の混合物を乾燥させることを特徴
とする第8族金属の固定化触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第8族金属の固定
化触媒に関するものであり、更に詳しくは、触媒活性を
低下させることなく、第8族金属、特に白金を担持体に
微分散させた固定化触媒の調製方法および固定化触媒に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】白金に代表される第8族金属は、様々な
気相反応、液相反応において有用な触媒として工業的に
利用されている。これらの触媒は高価であり、少ない量
で最大の効果を得る為に、使用する際には微細な粒子と
し、表面積を増大させることが必要である。
【0003】気相反応においては、第8族金属をアルミ
ナやカーボン等の担持体に固定化する方法が一般的であ
る。代表的な例としては、この様な第8族金属の担持体
は、自動車や工業機械の排気ガスの処理に利用されてい
る。
【0004】液相反応においては、第8族金属の錯体を
反応液に溶解させて均一反応触媒として用いる方法も工
業的に利用されている。代表的な例としては、SiH基
を有する水素化珪素化合物が、アルケニル基(炭素−炭
素不飽和結合)に付加する反応であるヒドロシリル化反
応がある。しかし、均一反応触媒として用いる場合に
は、触媒が使い捨てになる為、液相反応においても、高
価な第8族金属を担持体に固定化し、再利用することが
望まれている。例えば、前記のヒドロシリル化反応に使
用する固定化触媒が提案されている(特開平6−262
076)。
【0005】従来の第8族金属の固定化触媒の作製方法
は、水相内や水とアルコール等の有機物の混合液中で触
媒微粒子を担持体に付着させ、乾燥、焼成するものであ
る。例えば、白金の固定化触媒の一般的な作製方法とし
ては、塩化白金酸水溶液に蟻酸、蟻酸Na、ヒドラジ
ン、アルコール等の還元剤を添加して白金を還元し析出
させ、アルミナやカーボン等の担持体に担持させ、更に
熱処理により白金を還元・焼成して固定化する方法が挙
げられる。しかし、白金微粒子は水相内では不安定であ
るので、大きな凝集体となり、活性が低下してしまう欠
点があり、また熱処理は300℃程度で行われる為に白
金微粒子が凝集してしまい活性が低下する。白金微粒子
の凝集を防ぐ手段として、反応系内に界面活性剤を添加
する技術やジニトロジアミン白金やジニトロジアミンパ
ラジウム等の硝酸酸性水溶液に還元剤としてアルコール
を添加して凝集を防ぎながらコロイド粒子を固定化する
技術が提案されている(特開平5−123574、特開
平6−31166)。しかし、これらの方法では、何れ
も白金微粒子の凝集防止効果が十分ではない。
【0006】一方、白金錯体や白金塩化物にエトキシシ
ランの様なSiH基を含有する水素化珪素化合物を添加
することにより、白金のコロイド溶液を作製し触媒とし
て使用する方法が提案されている(特公平5−334
3、L.N.Lewis:Organometalli
cs,1990,9,621、およびL.N.Lewi
s: J. American Chemical S
oc.,1986,108,7228)。この様な非水
溶媒系の白金などの第8族金属のコロイド溶液中は、水
系のコロイド溶液と比較し、コロイド微粒子の安定性が
高く、凝集しにくい特徴を有している。また、白金の錯
体や塩化物にエトキシシランの様なSiH基を含有する
水素化珪素化合物を添加して第8族金属のコロイド溶液
を作製した後に、更にエトキシシランの様なSiH基を
含有する水素化珪素化合物を追加添加することにより、
より安定に優れる第8族金属のコロイド微粒子を得るこ
とができる(特願2000−056177)。しかし、
これらのコロイド溶液触媒は、ヒドロシリル化反応の様
な液相反応において、反応液にコロイド溶液を直接添加
する方法で使用されており、固定化触媒には応用されて
いなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で得られる
第8族金属の固定化触媒は、水相系内で合成されたコロ
イド粒子を担持体に固定化する為、微粒子の凝集防止が
不十分であった。また、水相内で合成された微粒子を担
持体に固定化するためには、水の沸点以上に加熱して水
分を除去した後に、更に第8族金属の固定を確実にする
ために、300℃程度の高温で還元および焼成する必要
があった。この様な焼成処理には大きなエネルギーと煩
雑な操作が必要であり、更には焼成処理の段階において
第8族金属の微粒子が凝集してしまい、活性が低下する
欠点があった。
【0008】一方、白金錯体や白金塩化物に水素化珪素
化合物を添加して第8族金属のコロイド微粒子の触媒を
非水溶媒系で合成する方法では、水相系内よりも安定な
第8族金属のコロイド微粒子を得ることができるが、触
媒として使用する場合にはコロイド溶液の状態で反応溶
液に添加され、均一系触媒と同様の方法で使用されてい
た。
【0009】即ち、本発明の目的は、従来の第8族金属
の固定化触媒の欠点である第8族金属の微粒子の凝集に
よる活性低下を低減し、さらに焼成などを必要とせず、
簡単な操作により第8族金属の固定化触媒を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討を
おこなった結果、第8族金属の錯体や金属塩などの物質
に特定の構造を有する水素化珪素化合物を添加して第8
族金属の非水溶媒系のコロイド溶液を得、このコロイド
溶液と担持体との混合液を乾燥させることにより、触媒
活性が高い固定化触媒が得られることを見いだし、本発
明を完成した。
【0011】即ち、本発明の第1は、(A)第8族金属
を含む錯体及び/又は金属塩と、 (B)一般式(1):RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
を満たす。)で表される水素化珪素化合物とを混合して
得られる第8族金属を含む非水溶媒系のコロイド溶液
と、(C)担持体との混合物を作製し、更に該混合物を
乾燥して得ることを特徴とする第8族金属の固定化触媒
の製造方法に関する。
【0012】好ましい実施態様としては、(C)担持体
が、無機酸化物若しくは炭素から選ばれる1種類もしく
は2種類以上の物質の混合物である前記に記載の固定化
触媒の製造方法に関する。
【0013】更に好ましい実施態様としては、(C)担
持体が、比表面積が1m2/g以上のシリカ、シリカア
ルミナ、アルミナ、ゼオライト、パーライト、ムライ
ト、珪藻土、タルク、活性白土、酸性白土、マグネシ
ア、カルシア、炭素、活性炭から選ばれる1種類もしく
は2種類以上の混合物である前記いずれかに記載の触媒
の製造方法に関する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩が、0価若しくは
2価の白金を含む錯体である前記いずれかに記載の触媒
の製造方法に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩が、塩化白金酸、
塩化白金酸と、アルコール、アルデヒド、あるいはケト
ンからなる群から選択されるいずれか1以上との錯体化
合物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯
体、およびこれらの物質を(A)第8族金属を含む錯体
と反応しない溶媒に希釈したものより選ばれる1種類又
は2種類以上の混合物である前記いずれかに記載の触媒
の製造方法に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、(B)一
般式(1)で表される水素化珪素化合物が、メチルジク
ロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチ
ルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランよ
り選ばれる化合物の1種類又は2種類以上の混合物であ
る前記いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0017】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と(B)一般式
(1)で表される水素化珪素化合物とを混合して第8族
金属を含むコロイド粒子を得る際の(B)中のSiH基
のモル数が(A)中の第8族金属のモル数の5〜50倍
である前記いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0018】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と(B)一般式
(1)で表される水素化珪素化合物とを混合して第8族
金属を含むコロイド溶液を得た後に、 (D)一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
化珪素化合物を添加した後に(C)担持体に固定化する
前記いずれかに記載の固定化触媒の製造方法に関する。
【0019】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と(B)一般式
(1)で表される水素化珪素化合物とを混合して第8族
金属を含むコロイド溶液を得た後に、(D)一般式
(2)で表される水素化珪素化合物を、(B)と(D)
に含まれるSiH基のモル数の合計が(A)に含まれる
第8族金属のモル数の60〜500倍を越える値に成る
割合に添加した後に(C)担持体に固定化する前記いず
れかに記載の固定化触媒の製造方法に関する。
【0020】本発明の第2は、前記いずれか記載の触媒
の製造方法により得られる固定化触媒に関する。
【0021】好ましい実施態様しては、前記いずれか記
載の触媒の製造方法により得られるヒドロシリル化反応
用の固定化触媒に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明を実施する具体的な態様に
ついて詳しく説明する。
【0023】本発明で使用される第8族金属を含む錯体
及び/又は金属塩は、通常、コバルト、ニッケル、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、プラチナ
(白金)を有するものであり、これらの第8族金属の金
属塩または有機化合物との錯体として用いられる。具体
的には、CoH2[Si(OC253](PPh33
Ni(PPh34、Ni(CO)2(PPh32、 R
hCl(PPh33、Rh2Cl2(C242、RhC
l(CO)(PPh32、RhH(CO)(PP
32、RhCl3・xH2O、Pd(PPh34、 P
d(PPh32、PdCl2(PPh32、(PPh3
2PdO2、 RuH2(PCH34、RuCl2(PC
34、RuH2(PPh34、RuCl2(PPh34
、Ir(CO)Cl(PPh32、IrCO(H)
(PPh33、IrHCl(SiR3)(PPh32
[IrCl(COE)22、[IrCl(CO
D)22、(但し、xは0以上の任意の数であり、CO
Eはcis−cycloocten、CODは1,5−
cyclooctadieneである。)、0価若しく
は2価の白金を含む錯体等が挙げられるが、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等と
の錯体などの錯体化合物、白金−オレフィン錯体[例え
ばPt(CH2=CH22(PPh3)、Pt(CH2
CH22Cl2]、白金−アセチルアセトナート錯体、
白金−ビニルシロキサン錯体[Pt{(vinyl)M
2SiOSiMe2(vinyl)}、Pt{Me(v
inyl)SiO}4]、白金−ホスフィン錯体[Ph
(PPh34、Pt(PBu34]、白金−ホスファイ
ト錯体[Pt{P(OPh)34]、Pt(CO
D)2,(COD)PtCl2等の0価若しくは2価の白
金を含む錯体が好ましい。また米国特許第322097
2号に記載された白金−アルコラート触媒も好ましい。
さらに米国特許第3516946号に記載された塩化白
金−オレフィン複合体も有効である。特に、塩化白金
酸、白金−オレフィン錯体、白金−アセチルアセトナー
ト錯体、白金−ビニルシロキサン錯体は、比較的反応活
性が高いコロイド溶液の触媒が得られる為、より好まし
い。
【0024】これらの第8族金属の錯体または金属塩は
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また本発明においては、第8族金属の錯体または金属塩
を第8族金属を含む錯体と反応しない1種又は2種以上
の溶媒に溶解し希釈した混合物を使用することにより、
取扱を容易にすることが好ましい。好ましい溶媒とし
て、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、
ヘプタン等の炭化水素系溶媒、あるいはハロゲン化炭化
水素、エーテル類、エステル類等を挙げることができ
る。
【0025】本発明における一般式(1)、(2)で表
される水素化珪素化合物としては、従来公知の化合物を
特に制限無く用いることが出来るが、具体的には例え
ば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチ
ルクロロシラン、トリメチルシロキシジクロロシランな
どのハロゲン化シラン類、トリメトキシシラン、トリエ
トキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメ
チルシラン、メトキシジメチルシラン、ジメトキシフェ
ニルシラン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチ
ル−1,1−ジメトキシテトラシロキサンなどのアルコ
キシシラン類、メチルジアセトキシシラン、トリメチル
シロキシメチルアセトキシシランなどのアシロキシシラ
ン類、ジメチルシラン、トリメチルシロキシメチルシラ
ン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,
3,5−トリメチルシクロトリシロキサンなどの分子中
にSi−H結合を2個以上有するハイドロシラン類、メ
チルジ(イソプロペニルオキシ)シランなどのアルケニ
ルオキシシラン類などが挙げられ、これらの中では、メ
チルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエト
キシメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン等が好ましい。これらの水素化珪素化合物は単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】 本発明において一般式(1): RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
を満たす。)で表される水素化珪素化合物、 および一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
化珪素化合物は、それぞれ異なるものを用いても良い
し、同一の物質を使用しても良い。異なる水素化珪素化
合物を使用することにより、触媒活性の改善等の特別な
効果が得られる場合には、その目的に会わせた水素化珪
素化合物を使用すれば良い。特にそのような効果が期待
されない場合には、一般式(1)、(2)で表される水
素化珪素化合物には、工業的な生産性や不純物の問題を
考えると同一のものを用いた方が好ましい。
【0027】本発明における水素化珪素化合物の役割を
説明する。水素化珪素化合物が一般式(1)で表される
場合の水素化珪素化合物の役割は、第8族金属の錯体の
配位子を除去したり、酸化状態にある第8族金属を還元
したりして、第8族金属そのもの若しくは第8族金属を
含む化合物を触媒活性の高いコロイド粒子として析出さ
せることにある。一方、水素化珪素化合物が一般式
(2)で表される場合の水素化珪素化合物の役割は、析
出した第8族金属のコロイド粒子の粒子成長や凝集を防
止し、安定化することにある。この安定化のメカニズム
については明らかではない。
【0028】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物の混合比は、
第8族金属のモル数と一般式(1)で表される水素化珪
素に含まれるSiH基のモル数の比で決定するとよい。
なぜならば、SiH基が第8族金属の錯体に配位してい
る配位子と反応したり、第8族金属塩中の第8族金属を
還元したりすることにより、第8族金属がコロイド粒子
として析出するからである。即ち、混合比は第8族金属
のモル数に対して、一般式(1)で表される水素化珪素
化合物が5〜50倍であることが好ましい。水素化珪素
化合物の混合比が5倍未満の場合には、全ての第8族金
属が析出するのに量的に不足しがちである。また水素化
珪素化合物の混合比が50倍を越える場合には、水素化
珪素化合物が第8族金属のコロイド粒子を安定化させる
役割(一般式(2)で表される水素化珪素化合物の役
割)も果たしてしまう場合があり、コロイド粒子が十分
な大きさに成長する前に安定化してしまう場合がある
為、望みの活性が得られにくい。
【0029】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物を混合してコ
ロイド溶液を得る工程に対する酸素原子の影響は必ずし
も明らかではない。しかし、第8族金属の中間生成物が
生成する過程において、酸素原子が第8族金属に対する
配位子として働き、コロイド粒子安定化すると共に触媒
活性を向上させると考えられる(Lewis,J.A
m.Chem.Soc.1990,112,p500
8)。特に酸素原子を供給できる物質を共存させる操作
を行わなくても、系内に溶存している酸素分子等の働き
により中間生成物を得ることはできるが、より確実に活
性の高い触媒を得るためには、第8族金属を含む錯体及
び/又は金属塩と一般式(1)で表される水素化珪素化
合物の混合は、反応系内に酸素原子を供給することがで
きる物質を共存させて行うことが好ましい。例えば、混
合装置の気相部に酸素や空気を導入して攪拌したり、混
合溶液内に酸素や空気をバブリングするような操作をす
ることが好ましく、ナフトキノンやベンゾキノン等の物
質を反応系内に添加することも好ましい。
【0030】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物との上記混合
により第8族金属のコロイド溶液が得られる。このコロ
イド溶液とは、黒色から濃茶色の液体であり、第8族金
属そのもの若しくは第8族金属を含む錯体及び/又は金
属塩が微粒子状態で分散したコロイド溶液である。この
コロイド溶液を長時間保持すると、分散している微粒子
が巨大化したり、凝集する為、触媒活性を失う傾向にあ
る。
【0031】次に、得られたコロイド溶液に、一般式
(2)で表される水素化珪素化合物を更に添加するとコ
ロイド粒子の安定性を更に高めることができる。安定性
を高めたコロイド粒子を使用すると、担持体に固定化す
る際に、第8族金属のコロイド微粒子の凝集が防がれ、
第8族金属がより微分散した固定化触媒を得ることがで
きる。一般式(2)で表される水素化珪素化合物の添加
量は、一般式(1)で表される水素化珪素化合物と一般
式(2)で表される水素化珪素化合物に含まれるSiH
基のモル数の合計が第8族金属を含む錯体及び/又は金
属塩に含まれる第8族金属のモル数の60倍以上にする
ことが必要である。
【0032】即ち、一般式(1)で表される水素化珪素
化合物は、一般式(2)で表される水素化珪素化合物と
同様にコロイド粒子を安定化させる物質としても働くか
ら、一般式(2)で表される水素化珪素化合物の添加量
は、第8族金属のモル数と一般式(1)で表される水素
化珪素化合物と一般式(2)で表される水素化珪素化合
物の両方に含まれるSiH基のモル数の比で決定すると
良い。最適な混合比は、第8族金属のモル数対して、一
般式(1)で表される水素化珪素化合物と一般式(2)
で表される水素化珪素化合物の両方に含まれるSiH基
のモル数が60倍以上である。更に言えば、コロイド溶
液の安定化を確実にするには、SiH基のモル数が10
0倍以上であることが好ましい。但し、あまり水素化珪
素化合物を添加しすぎると経済的に無駄になるので、5
00倍以下であることがより好ましい。
【0033】一般式(2)で表される水素化珪素を添加
して、コロイド粒子を安定化させる場合には、第8族金
属を含む錯体及び/又は金属塩と一般式(1)で表され
る水素化珪素を混合してから、一般式(2)で表される
水素化珪素を添加するまでの時間も重要である。この時
間が短すぎると、コロイド粒子が十分に粒子成長せず、
望む触媒活性を得ることができない。逆に、時間が長す
ぎるとコロイド粒子が凝集したり、巨大化し、沈殿する
為、触媒活性が無くなってしまう。最適な時間は、第8
族金属と一般式(1)で表される水素化珪素のモル比に
左右される。モル比が小さい場合には、コロイドの粒子
成長が早い為、早く一般式(2)で表される水素化珪素
を添加しなければならず、モル比が大きい場合には、コ
ロイドの粒子成長が遅い為、長時間放置した後に一般式
(2)で表される水素化珪素を添加しなければならな
い。最適な時間の決定方法は、コロイド溶液の中間生成
物の色彩により大まかに知ることができる。即ち、コロ
イド溶液の中間生成物が黒色から濃焦げ茶色になった時
点で一般式(2)で示される水素化珪素化合物を添加す
ると最も活性が高い触媒を得ることができる。一方、コ
ロイド溶液の中間生成物の色が黄色、燈色、薄茶色の段
階で一般式(2)で示される水素化珪素化合物を添加す
ると触媒の活性が低くなり、逆にコロイド粒子の凝集体
や浮遊物が発生してから一般式(2)で示される水素化
珪素化合物を添加すると触媒の活性が消滅してしまう。
本発明で用いる担持体について説明する。本発明で用い
る担持体は、従来公知の物質を特に制限無く用いること
が出来るが、例えば無機酸化物若しくは炭素があげら
れ、更に具体的にはシリカ、シリカアルミナ、アルミ
ナ、ジルコニア、ゼオライト、パーライト、ムライト、
珪藻土、タルク、活性白土、酸性白土、マグネシア、カ
ルシア、炭素、活性炭等の物質を使用できる。これらの
担持体は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用し
ても良い。
【0034】本発明で用いる担持体の比表面積について
説明する。本発明で言う比表面積とは、窒素ガスを用い
たBET吸着法で測定する比表面積のことである。担持
体の比表面積は、目的に合わせて自由に選択することが
できる。但し、第8族金属の触媒微粒子を多量に且つ強
固に固定化するためには、担持体は十分な比表面積を有
する必要がある。したがって、本発明で用いる担持体の
比表面積は1m2/g以上であることが好ましい。更
に、本発明の固定化触媒を排気ガス処理の様な気相反応
に用いる場合には、担持体の細孔内部に存在する第8族
金属の触媒微粒子も反応に利用できるため、担持体の比
表面積が大きい方が、第8族金属の触媒微粒子と反応ガ
スとの接触効率が向上する。したがって、本発明の固定
化触媒を気相反応に利用する場合には、担持体の比表面
積は10m2/g以上であることが好ましい。一方、ヒ
ドロシリル化反応のような液相反応において本発明の固
定化触媒を用いる場合には、反応液が担持体の細孔内部
を自由に通過し難く、主に担持体の外表面に固定化され
た第8族金属の触媒微粒子が反応に利用される。したが
って、本発明の固定化触媒を液相反応に利用する場合に
は、担持体の比表面積は20m2/g以下であることが
好ましい。比表面積がこれ以上大きいと、第8族金属の
触媒微粒子の多くが担持体内部に固定化されてしまう
為、高価な第8族金属が無駄になる。
【0035】本発明で用いる担持体の形状について説明
する。担持体の形状は従来公知のものを制限無く使用す
ることができる。使用する目的、反応方法、反応装置形
状に合わせて、紛状、粒状、ペレット状、ハニカム状、
板状、棒状等の様々な形状の担持体を選定すればよい。
【0036】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で示される水素化珪素化合物の混合方法
は、任意の方法で良い。一般式(1)で示される水素化
珪素化合物は通常は室温で液体であるので、粉体状もし
くは固体状の第8族金属を含む触媒を一般式(1)で示
される水素化珪素化合物に直接添加して攪拌しても良
い。また、第8族金属を含む錯体若しくは金属塩を、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の
炭化水素系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素、エーテ
ル類、エステル類等の第8族金属を含む錯体と反応しな
い1種又は2種以上の溶媒に溶解しておき、第8族金属
を含む錯体又は金属塩の溶液を一般式(1)で示される
水素化珪素化合物の液体に混合することも出来る。この
方法は取り扱いが容易で好ましい。
【0037】本発明において、(A)第8族金属を含む
錯体及び/又は金属塩と、(B)一般式(1)で表され
る水素化珪素化合物と、(C)担持体とを混合する順序
および方法については、任意でよい。例えば、第8族金
属を含む錯体及び/又は金属塩と一般式(1)で示され
る水素化珪素を混合して第8族金属のコロイド溶液を作
製した後に、担持体を混合してもよい。また、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩を溶媒に溶解した
溶液を(C)担持体に含浸させた後に、(B)一般式
(1)で示される水素化珪素を混合してもよい。この方
法によると担持体の細孔内部において第8族金属のコロ
イド粒子が生成するので、担持体の内部にまで第8族金
属の微粒子が固定化された触媒を得ることが出来る。こ
のような触媒は、主に気相反応用の触媒に向いている。
逆に、(B)一般式(1)で示される水素化珪素を
(C)担持体に含浸させた後に、(A)第8族金属を含
む錯体及び/又は金属塩を溶媒に溶解した溶液と混合し
てもよい。この方法によると担持体の表面部分において
第8族金属のコロイド粒子が生成するので、主に担持体
の表面に第8族金属の微粒子が固定化された触媒を得る
ことが出来る。このような触媒は、液相反応用の触媒に
向いている。
【0038】(D)一般式(2)で示される水素化珪素
化合物の添加方法について説明する。(D)一般式
(2)で示される水素化珪素化合物は、生成した第8族
金属のコロイド溶液を安定化させる為に添加する。した
がって、(A)第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩
と(B)一般式(1)で表される水素化珪素化合物とを
混合して第8族金属のコロイド粒子が生成した後であ
り、且つ第8族金属のコロイド溶液中のコロイド粒子が
凝集するよりも前に、(D)一般式(2)で示される水
素化珪素化合物を添加する必要がある。本発明におけ
る、担持体の乾燥方法は、第8族金属のコロイド溶液と
担持体の混合物が得られた後に、水素化珪素化合物や溶
媒を乾燥するのであれば任意の方法でよい。具体的な乾
燥方法としては、自然乾燥、真空乾燥、加熱あるいは加
温乾燥、凍結乾燥等の従来の方法を制限無く用いること
が出来る。本発明の特徴は、第8族金属のコロイド溶液
と担持体の混合物あるいは含浸物を乾燥するだけで、第
8族金属の触媒粒子が担持体に固定化されることであ
る。即ち、一般式(1)で示される水素化珪素化合物が
第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩を還元してコロ
イド化させる際に、水素化珪素化合物は高分子量化す
る。高分子量化した水素化珪素化合物は、乾燥後に第8
族金属の触媒粒子と担持体の接着材として働く。したが
って、従来の固定化触媒の作製方法の様に、金属微粒子
を固定化する為に焼成等の処理操作を行う必要は無い。
但し、第8族金属の触媒粒子の担持体への固定化強度を
更に向上させたい場合には、焼成などの操作を加えても
良い。
【0039】本発明の固定化触媒における第8族金属の
担持量は任意で良い。当然のごとく、担持量が少なすぎ
ると反応の効率が悪くなる。また、担持量が多すぎる
と、第8族金属の触媒粒子同士が接触してしまい、触媒
粒子と反応ガス若しくは反応液との接触効率が悪くなる
ので好ましくない。更に、反応熱の制御などの理由によ
り、反応速度を低下させる必要が有る場合には、意図的
に担持量を低くすることもできる。これらの事を勘案す
ると、本発明の固定化触媒におけるる第8族金属の担持
量は、0.01重量%〜5重量%の範囲であることが好
ましいと考えられるが、これに限定されることはない。
【0040】本発明の固定化触媒の用途について説明す
る。本発明の固定化触媒は、第8族金属の固定化触媒を
使用する気相反応および液相反応の従来の用途全般に使
用することができる。特に有効な用途としては、ヒドロ
シリル化反応用の触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反
応とはSi−H基を有する水素化珪素化合物がアルケニ
ル基(炭素−炭素不飽和結合)に付加する反応であり、
一般には第8族金属を含む錯体若しくは金属塩を反応溶
液内に溶解し、均一系触媒として使用する。従来の第8
族金属の固定化触媒はヒドロシリル化反応に対して極め
て活性が低いことに対して、本発明の固定化触媒はヒド
ロシリル化反応に対して高い活性を有している。本触媒
がヒドロシリル化反応に有効な理由の詳細は不明であ
る。おそらく、本発明の固定化触媒では高分子量化した
水素化珪素化合物が第8族金属の微粒子を固定化してい
る為、ヒドロシリル化反応の原料である水素化珪素化合
物と第8族金属の微粒子の親和性が良いためであると推
定される。
【0041】
【実施例】次に本発明の方法の実施例をあげて具体的に
説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)10mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
845gとジメトキシメチルシラン0.0263g(白
金に対してSiH基が9.5倍に相当)を添加した後に
軽く振とうして密閉し、5分間放置した。この場合の白
金1モルに対するジメトキシメチルシランのSiH基の
モル数は9.5モルであり、反応系内には空気中の酸素
が共存している。5分経過した段階では、色は黒色に近
い焦げ茶色の白金のコロイド溶液が得られた。更に、本
コロイド溶液に比表面積が10m2/gの粉末状のアル
ミナ担持体を0.4952g入れて混合し、室温にて2
時間の真空乾燥し、溶媒を完全に除去して得た粉体を固
定化触媒1とした。原料の白金量とアルミナ担持体量か
ら換算すると、反応触媒の白金担持量は0.853重量
%である。
【0042】次に主鎖が直鎖状のポリプロピレンオキサ
イドであり、主鎖の両末端にアルケニル基(CH2=C
H−CH(CH3)−)を有する数平均分子量が25,
000の高分子化合物70gを500mlの硝子製反応
容器に入れ、90℃に加熱した後、25rpmで攪拌し
ながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高分子化合物
中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分子化合物が
発泡した。脱揮を30分間継続し、発泡が完全に収まっ
た後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。次に、上記
の固定化触媒1を白金量換算で0.21mg(ポリプロ
ピレンオキサイドに対して白金量が3ppm)になる量
を添加した後、密閉して300rpmで10分間攪拌し
た。密閉状態を保ったまま、ジメトキシメチルシランを
1.38g添加した。攪拌を継続しながら、0.5、
1、2、4、6時間経過後に反応物をサンプリングし
た。
【0043】各サンプルの反応率を評価するために、1
H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の残
存率から反応率を計算した。結果を表1に示す。 (実施例2)触媒には、実施例1で作製した固定化触媒
1を使用した。
【0044】実施例1で使用した主鎖が直鎖状のポリプ
ロピレンオキサイドであり、主鎖の両末端にアルケニル
基(CH2=CH−CH(CH3)−)を有する数平均分
子量が25000の高分子化合物70gを500mlの
硝子製反応容器に入れ、90℃に加熱した後、25rp
mで攪拌しながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高
分子化合物中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分
子化合物が発泡した。脱揮を30分間継続し、発泡が完
全に収まった後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。
次に、実施例1で使用した固定化触媒1を白金量換算で
2.1mg(ポリプロピレンオキサイドに対して白金量
が30ppm)になる量を添加した後、密閉して300
rpmで10分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジ
メトキシメチルシランを1.38g添加した。攪拌を継
続しながら、0.5、1、2、4、6時間経過後に反応
物をサンプリングした。
【0045】各サンプルの反応率を評価するために、1
H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の残
存率から反応率を計算した。結果を表1に示す。 (比較例1)アルミナをエタノールに懸濁させた後に、
ジニトロジアミン白金(II)の硝酸溶液を添加し、ロ
ータリーエバポレーターでエタノールを蒸発させ、更に
空気中で加熱処理し、水素中で還元処理を行う従来の方
法で合成した市販の白金のアルミナ担持触媒を比較触媒
1とした。比較触媒1の白金担持量は1重量%である。
【0046】実施例1で使用した主鎖が直鎖状のポリプ
ロピレンオキサイドであり、主鎖の両末端にアルケニル
基(CH2=CH−CH(CH3)−)を有する数平均分
子量が25000の高分子化合物70gを500mlの
硝子製反応容器に入れ、90℃に加熱した後、25rp
mで攪拌しながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高
分子化合物中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分
子化合物が発泡した。脱揮を30分間継続して発泡が完
全に収まった後、反応容器内に乾燥空気を導入した。比
較触媒1を白金量換算で21mg(ポリプロピレンオキ
サイドに対して白金量が300ppm)になる量を添加
した後、密閉して300rpmで10分間攪拌した。密
閉状態を保ったまま、ジメトキシメチルシランを1.3
8g添加した。攪拌を継続しながら、6時間経過後に反
応物をサンプリングした。
【0047】サンプルの反応率を評価するために、1
−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の残存
率から反応率を計算した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1の結果より、本発明の固定化触媒1はポリプロピレ
ンオキサイドに対して白金換算で3ppm、30ppm
に相当する分量を添加するだけでヒドロシリル化反応が
進行した。これに対して、従来法で合成した比較触媒1
は、白金換算で300ppmに相当する分量を添加した
にもかかわらず、6時間経過した後も全く反応が進行し
なかった。したがって、本発明の触媒が従来の固定化触
媒と比較して高活性であることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明の固定化触媒は、水相において触
媒微粒子を合成する従来の固定化触媒の合成方法と異な
り、非水溶媒のみで触媒微粒子を合成する為、触媒微粒
子が凝集せず高活性である。また、従来法の様に加熱に
よる焼成、還元操作が不要であり、触媒微粒子の固定化
が乾燥操作のみで行われる為、操作が容易である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と、 (B)一般式(1):RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
    またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
    合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
    ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
    し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
    てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
    表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
    を満たす。)で表される水素化珪素化合物とを混合して
    得られる第8族金属を含む非水溶媒系のコロイド溶液
    と、(C)担持体との混合物を作製し、更に該混合物を
    乾燥して得ることを特徴とする第8族金属の固定化触媒
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 (C)担持体が、無機酸化物若しくは炭
    素から選ばれる1種類もしくは2種類以上の物質の混合
    物である請求項1に記載の固定化触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 (C)担持体が、比表面積が1m2/g
    以上のシリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ジルコニ
    ア、ゼオライト、パーライト、ムライト、珪藻土、タル
    ク、活性白土、酸性白土、マグネシア、カルシア、炭
    素、活性炭から選ばれる1種類もしくは2種類以上の混
    合物である請求項1に記載の固定化触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩が、0価若しくは2価の白金を含む錯体である請
    求項1〜3に記載の固定化触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩が、塩化白金酸、塩化白金酸と、アルコール、ア
    ルデヒド、あるいはケトンからなる群から選択されるい
    ずれか1以上との錯体化合物、白金−オレフィン錯体、
    白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、
    白金−ホスファイト錯体、およびこれらの物質を(A)
    第8族金属を含む錯体と反応しない溶媒に希釈したもの
    より選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である請求
    項1〜4に記載の固定化触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 (B)一般式(1)で表される水素化珪
    素化合物が、メチルジクロロシラン、ジメトキシメチル
    シラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシラ
    ン、トリエトキシシランより選ばれる化合物の1種類又
    は2種類以上の混合物である請求項1〜5に記載の固定
    化触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と(B)一般式(1)で表される水素化珪素化合
    物とを混合して第8族金属を含むコロイド溶液を得る際
    の(B)中のSiH基のモル数が(A)中の第8族金属
    のモル数の5〜50倍である請求項1〜6に記載の固定
    化触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と(B)一般式(1)で表される水素化珪素化合
    物とを混合して第8族金属を含むコロイド溶液を得た後
    に、 (D)一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
    基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
    の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
    酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
    も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
    て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
    だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
    化珪素化合物を添加した後に(C)担持体に固定化する
    請求項1〜7に記載の固定化触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と(B)一般式(1)で表される水素化珪素化合
    物とを混合して第8族金属を含むコロイド溶液を得た後
    に、(D)一般式(2)で表される水素化珪素化合物
    を、(B)と(D)に含まれるSiH基のモル数の合計
    が(A)に含まれる第8族金属のモル数の60〜500
    倍を越える値に成る割合に添加した後に(C)担持体に
    固定化する請求項1〜8に記載の固定化触媒の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載の製造方法により
    得られる固定化触媒。
  11. 【請求項11】 触媒がヒドロシリル化反応用の触媒で
    ある請求項10に記載の固定化触媒。
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