JP2002119305A - 履物用滑止体及び履物 - Google Patents

履物用滑止体及び履物

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JP2002119305A
JP2002119305A JP2000315791A JP2000315791A JP2002119305A JP 2002119305 A JP2002119305 A JP 2002119305A JP 2000315791 A JP2000315791 A JP 2000315791A JP 2000315791 A JP2000315791 A JP 2000315791A JP 2002119305 A JP2002119305 A JP 2002119305A
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radially
projection
projecting
footwear
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Yasuhiro Ijiri
保宏 井尻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易い対象に
対する滑り止め及び安定支持効果と、コンクリートやア
スファルトや石畳等の比較的硬い又は変形しにくい対象
に対するクッション又は緩衝効果の何れにも優れると共
に、芝生等の損傷を防ぐ効果並びに耐久性及び耐摩耗性
に優れる。 【解決手段】 基盤部14aの上面のうち径方向における
外周寄りの部分に90度中心角毎に、弾力性を有する材
料からなる径方向突部22を設ける。径方向突部22同士の
間に同一材料からなる中間高突部24を設ける。径方向突
部22の突起方向面22aの径方向外方端部を基盤部14aより
も径方向外方に張り出させる。突起方向面22aは径方向
において湾曲した凹曲面状をなしつつ径方向外方から径
方向内方に向かって傾斜し、且つ周方向において湾曲し
た凹曲面状をなす。径方向突部22の径方向中央位置にお
ける周方向両側にわたり緩衝溝22bを設ける。中間高突
部24の突起方向端部に緩衝凹部24aを有する。中間高突
部24の高さは径方向突部22の突起方向面22aの径方向外
方端部の高さと径方向内方端部の高さ中間とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ靴等の履物
用の滑止体、特に、芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易
い対象に対する滑り止め及び安定支持効果と、コンクリ
ートやアスファルトや石畳等の比較的硬い又は変形しに
くい対象に対するクッション又は緩衝効果に優れる履物
用滑止体及びその履物用滑止体を備えた履物底に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ゴルフ
靴用の滑止体としては、従来、金属製やセラミクス製の
スパイクが用いられていたが、グリーン等の損傷防止や
履き心地向上のために、滑止突起部を有する合成樹脂製
の滑止体が用いられることが多くなってきた。
【0003】このような合成樹脂製の滑止具は、金属製
の場合に比し摩耗し易いため、滑止体の裏側に金属製又
は合成樹脂製の雄ねじ部を突設し、それと螺合する金属
製の雌ねじ部をゴルフ靴の底部に設け、滑止体をなるべ
く容易に着脱交換可能なように構成されている。
【0004】しかしながら、コンクリートやアスファル
トや石畳等の比較的硬い又は変形しにくい対象物に対す
るクッション効果や緩衝効果を高めるために、このよう
な合成樹脂製の滑止体の材料として柔軟性が比較的高い
材料を用いると、滑止突起部が摩耗し易くなりすぎたり
過度の変形が生ずることにより耐摩耗性や耐久性が不十
分となるおそれや、滑止突起部の柔軟性が高くなりすぎ
て芝生や砂地等の柔軟な対象物に対する滑り止め及び安
定支持効果が損なわれるおそれがある。
【0005】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易い対象に対す
る滑り止め及び安定支持効果と、コンクリートやアスフ
ァルトや石畳等の比較的硬い又は変形しにくい対象に対
するクッション又は緩衝効果の何れにも優れると共に、
芝生等の損傷を防ぐ効果並びに耐久性及び耐摩耗性に優
れた履物用滑止体及びその履物用滑止体を備えた履物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の履物用滑止体
は、履物底部に保持された状態において使用されること
により履物底部が踏む対象に接してその対象に対する履
物の滑りを防ぐ滑止部を有し、その滑止部は、基盤部
と、使用時にその基盤部から対象に向く方向である高さ
方向に突起する複数の突起部を有してなる履物用滑止体
であって、前記突起部の一部として、前記高さ方向に直
交する面における基盤部の中央に対し周方向間隔おき
に、弾力性のある材料からなり、前記中央寄りの位置か
ら径方向外方位置にわたる径方向突部を3以上有し、そ
れらの径方向突部において使用時に対象に臨む面である
突起方向面は、径方向の長さが周方向幅よりも長く、径
方向外方から径方向内方に向かって高さが低くなるよう
傾斜しており、前記突起部の別の一部として、前記径方
向突部の突起方向面の径方向外方端部と径方向内方端部
の中間の高さである弾力性のある材料からなる中間高突
部を1又は2以上有することを特徴とする。
【0007】また本発明の履物は、本発明の履物用滑止
体を備えたものである。なお、本発明の履物用滑止体
は、履物用底又は履物用のかかとに備えたものとするこ
ともできる。
【0008】履物底部に保持された状態において使用さ
れると、一般に、先ず各径方向突部の突起方向面のうち
径方向外方の部分から対象に対する圧接を開始する。各
径方向突部は、弾力性を有するため、ほぼ高さ方向に圧
縮され又はそのように圧縮されると共に高さが低下する
たわみが生じ、それに伴い、突起方向面の対象面に対す
る圧接部位は、径方向外方から内方へと及ぶ。更に、径
方向突部における突起方向面のうち残部と中間高突部の
突起方向端部が対象に対する圧接を開始する。このよう
に各径方向突部が径方向外方から対象に圧接しつつ変形
して圧接部位が径方向内方に及ぶので、履物底部が踏む
対象が芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易いものである
場合、芝生等にあまり食い込まずにその損傷を防ぎつ
つ、径方向突部が滑り止め及び安定支持の効果を発揮
し、更に、径方向突部の突起方向面の径方向外方端部と
径方向内方端部の中間の高さである中間高突部により、
芝生等の損傷を防ぎつつ滑止及び安定支持効果をより高
める。
【0009】履物底部が踏む対象が、コンクリートやア
スファルトや石畳等の比較的硬い又は変形しにくい面で
ある場合、一般に、先ず各径方向突部の突起方向面のう
ち径方向外方の部分から対象面に対する圧接を開始す
る。各径方向突部は、弾力性を有するため、ほぼ高さ方
向に圧縮され又はそのように圧縮されると共に高さが低
下するたわみが生じ、それに伴い、突起方向面の対象面
に対する圧接部位は、径方向外方から内方へと及ぶ。こ
れにより、突起部の耐摩耗性、耐久性、及び芝生等の柔
軟な又は変形しやすい対象に対する滑り止め及び安定支
持効果が損なわれる程度にまで滑止部の柔軟性を高めな
くとも、優れたクッション性又は緩衝性が発揮される。
【0010】各径方向突部の突起方向面のうちある程度
の高さの部分、すなわち径方向外方寄りの部分が、前記
のように対象面に圧接し、その部分の径方向突部が弾性
的に変形して高さが低下すると、径方向突部における突
起方向面のうち残部と中間高突部の突起方向端部が対象
面に対する圧接を開始する。径方向突部のうち径方向内
方寄りの部分及び中間高突部は、対象面に圧接すること
により同様に変形して高さを低下させようとするが、そ
れまでに対象面に圧接している径方向突部の径方向外方
寄りの部分に加えてこれらの部分が対象面に圧接するの
で、クッション性又は緩衝性を発揮しつつ変形に対する
抵抗が増大し、各突起部の過度な変形による突起部の耐
久性低下や歩行等の不安定化等が防がれる。
【0011】本発明の履物用滑止体は、合成樹脂(66
ナイロン樹脂等のナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合樹脂等を適宜採用することができる。例え
ば、強度及び剛性をある程度必要とする部分に66ナイ
ロン樹脂等のナイロン樹脂、弾力性又は柔軟性をある程
度必要とする部分にポリウレタン樹脂等を用いることが
できる。)、金属、セラミクス、又はこれらの組み合わ
せ等により適宜形成し得、例えば滑止部の裏側に金属又
は合成樹脂等の材料からなる嵌合突部を突設してなるも
のとすることができる。このような嵌合突部の例として
は、外周部に雄ねじ部が形成され、履物底部に設けられ
た保持体における雌ねじ部を有する保持穴に螺合保持さ
れるものが挙げられる。嵌合突部と、履物底部に設けた
保持体に、螺子以外の嵌合保持機構を設けたものとする
ことも可能である。履物用滑止体は、履物底部に1又は
2以上保持させて使用することができる。
【0012】滑止部は、少なくとも突起部(径方向突
部、中間高突部等)、或は突起部及び少なくとも基盤部
の表面部が、弾力性のある合成樹脂(例えばポリウレタ
ン樹脂等の比較的軟質の合成樹脂等)又はエラストマー
等の弾力性のある材料からなるものとすることができ
る。これらの場合に、基盤部の表面部を除く部分を比較
的硬質の材料(例えば66ナイロン等のナイロン樹脂を
始めとする比較的硬質の合成樹脂等)滑止部の形態とし
ては、例えば突起部を備えた略板状体、好ましくは略円
板状体等とすることができる。
【0013】前記のような、履物底部に設けられる保持
体は、合成樹脂、金属、セラミクス、又はこれらの組み
合わせ等により形成し得る。このような保持体は、例え
ば、合成樹脂製の履物底(例えば靴底、特にゴルフ用靴
底等の運動用靴底等)に埋設固定された状態で使用する
ことができるほか、そのような履物底に一体成形により
形成したり、履物底の基盤部に一体成形により形成して
履物底の底面に露出する状態で使用することも可能であ
る。
【0014】対象物に対する支持力及びクッション若し
くは緩衝性のバランス上、径方向突部同士の位置は、実
質上回転対称状をなすように(等中心角毎に)設けるこ
とが好ましく、全ての径方向突部は実質上同一形状に形
成することが好ましい。径方向突部の数は、例えば3、
4、又は5とすることができる。
【0015】各径方向突部における突起方向面の形状
は、例えば周方向幅が径方向においてほぼ一定であるも
のとすることができる他、例えば周方向幅が径方向外方
に向かって漸次増大するものとすることもできる。突起
方向面の周方向幅(一定でない場合は例えばその平均)
は、基盤部の半径相当長(高さ方向に直交する方向にお
ける中心から外周縁までの平均距離)の例えば2乃至7
割程度とすることができ、好ましくは3乃至5割程度で
ある。
【0016】また、一部又は全部の径方向突部の突起方
向面が、径方向において湾曲した凹曲面状(例えば円弧
曲面状)をなすものとすることができる。
【0017】この場合、径方向突部の突起方向面が、径
方向において窪んだ凹曲面状をなすので、径方向突部の
突起方向面が対象に圧接した場合に生じ得る変形量が、
突起方向面が平坦面である場合に比し大きい。そのた
め、径方向突部の突起方向面が芝生や砂地等の柔軟な又
は変形し易いものに圧接することにより芝生等を捉える
効果が高まり、芝生等にあまり食い込まずにその損傷を
防ぎつつ、滑り止め及び安定支持の効果をより発揮する
ものとなる。また、径方向突部の突起方向面が比較的硬
い又は変形しにくい対象面に圧接した場合に生じ得る変
形量も、突起方向面が平坦面である場合に比し大きく、
衝撃吸収力が高まる。
【0018】また、一部又は全部の径方向突部の径方向
中間位置(例えば径方向長さのうち径方向外端から内端
に向かって3乃至7割程度の位置の1箇所。或は例えば
2又は3箇所)における周方向両側にわたり、その径方
向突部の突起方向面に開口する緩衝溝(例えば、弓形断
面、半円状断面等)が設けられたものとすることができ
る。
【0019】この場合、径方向突部の径方向中間位置に
おける周方向両側にわたり(すなわち径方向突部を周方
向に貫いて)、その径方向突部の突起方向面に開口する
緩衝溝が設けられているので、径方向突部の突起方向面
が対象に圧接した場合にほぼ高さ方向における圧縮又は
そのような圧縮及び高さが低下するたわみが生じ易くな
る。そのため、径方向突部の突起方向面が芝生や砂地等
の柔軟な又は変形し易い対象を捉える効果が高まり、芝
生等にあまり食い込まずにその損傷を防ぎつつ、滑り止
め及び安定支持の効果をより発揮するものとなる。径方
向突部の突起方向面が比較的硬い又は変形しにくい対象
面に圧接した場合にも、ほぼ高さ方向における圧縮又は
そのような圧縮及び高さが低下するたわみが生じ易くな
り、クッション性又は緩衝性がより効果的に発揮され
る。
【0020】なお、複数又は全部の径方向突部にこのよ
うな緩衝溝を設ける場合、それらは例えば各径方向突部
における径方向一定位置に設けるものとすることができ
るほか、異なる径方向位置とすることもできる。
【0021】各径方向突部の径方向内端の位置は、例え
ば、高さ方向に直交する面における基盤部の中央から一
定半径位置であるものとすることができる。
【0022】更にまた、一部又は全部の径方向突部の突
起方向面の径方向外方端部が基盤部よりも径方向外方に
張り出しているものとすることができる。
【0023】この場合、径方向突部の突起方向面の径方
向外方端部が基盤部よりも径方向外方に張り出すことに
より、芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易い対象を捉え
て滑り止め及び安定支持を実現する効果が高まると共
に、硬い対象面又は変形しにくい対象面に対する径方向
突部によるクッション効果又は緩衝効果が高まる。
【0024】中間高突部は、例えば高さ方向視において
円形又は正多角形状をなすものとすることができ、突起
方向端部付近における高さ方向に直交する方向の面積
は、例えば全径方向突部の突起方向面の面積の2乃至8
割程度とすることができる。また、中間高突部の位置
は、例えば、基盤部の高さ方向に直交する方向における
中央、および/または、周方向における各径方向突部同
士の間等とすることができる。中間高突部の径方向位置
を径方向突部における緩衝溝の径方向位置にほぼ一致さ
せることにより、径方向突部の変形が緩衝溝の部分で過
大になることを防ぐ効果を発揮させることが可能であ
る。
【0025】中間高突部の高さは、径方向突部の突起方
向面の径方向外方端部と径方向内方端部の中間の高さ、
例えば突起方向面の径方向外方端部の高さと径方向内方
端部の高さの差の1割乃至7割(好ましくは1割乃至5
割、より好ましくは1.5割乃至3割)を径方向内方端
部の高さに加えた高さとすることができる。
【0026】また、一部又は全部の径方向突部の突起方
向面が、周方向において湾曲した凹曲面状をなすものと
することができる。
【0027】この場合、径方向突部の突起方向面が、周
方向において窪んだ凹曲面状をなすので、径方向突部の
突起方向面が対象に圧接した場合に生じ得る変形量が、
突起方向面が平坦面である場合に比し大きく、径方向突
部が芝生等を捉える効果が高まる。そのため、そのた
め、径方向突部の突起方向面が芝生や砂地等の柔軟な又
は変形し易いものに圧接することにより芝生等を捉える
効果が高まり、芝生等にあまり食い込まずにその損傷を
防ぎつつ、滑り止め及び安定支持の効果をより発揮する
ものとなる。また、径方向突部の突起方向面が比較的硬
い又は変形しにくい対象面に圧接した場合に生じ得る変
形量も、突起方向面が平坦面である場合に比し大きく、
衝撃吸収力が高まる。径方向突部の突起方向面が、周方
向においても径方向においても窪んだ凹曲面状をなす場
合は更にその効果が高まる。
【0028】また、一部又は全部の中間高突部の突起方
向端部に、突起方向に開口する緩衝凹部(例えば球面
状、又はその他の湾曲面状とすることができる。)を有
するものとすることができる。
【0029】この場合、中間高突部の突起方向端部に、
突起方向に開口する緩衝凹部を有するので、対象に対す
る圧接当初において中間高突部の突起方向端部のほぼ高
さ方向における圧縮が生じ易くなると共に吸盤吸着状の
効果が生じ、芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易いもの
に圧接した場合に芝生等を捉える効果が高まり、芝生等
にあまり食い込まずにその損傷を防ぎつつ、滑り止め及
び安定支持の効果より発揮するものとなると共に、比較
的硬い又は変形しにくい対象面に圧接した場合に、クッ
ション性又は緩衝性がより効果的に発揮される。
【0030】なお、この緩衝凹部の底部の高さは、例え
ば径方向突部の突起方向面における径方向内端の高さと
等しい高さとすることができる。このような構成によ
り、径方向突部の径方向内端の高さまでは中間高突部の
突起方向端部が変形し易いのでクッション又は緩衝効果
が比較的高く、径方向突部の径方向内端の高さよりも低
くなると変形に対する抵抗が増大して過度な変形による
突起部の耐久性低下や歩行等の不安定化等が防がれる。
【0031】更に、中間高突部を基盤部の前記中央部に
のみ有し、その中間高突部よりも径方向外方に、基盤部
の中央に対し周方向間隔おきに3以上の径方向突部を有
するものとすることができる。
【0032】この場合、基盤部の中央に対し周方向間隔
おきに3以上有する径方向突部において、各突起方向面
が径方向外方から内方へと対象面に圧接しつつ変形して
芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易いものに対する滑り
止め及び安定支持の効果を発揮すると共に、比較的硬い
又は変形しにくい対象面に対するクッション性又は緩衝
性を発揮し、次いでそれらの径方向突部の中央に位置す
る中間高突部の突起方向端部が対象面に圧接して滑り止
め及び安定支持を行い或いはクッション性又は緩衝性を
発揮しつつ変形に対する抵抗を増大させて各突起部の過
度な変形を防ぐので、滑り止め及び安定支持の効果の発
揮並びにクッション性又は緩衝性の発揮と変形に対する
抵抗の増大が、位置的にバランス良く行われる。
【0033】更にまた、基盤部の中央に対し周方向間隔
おきに3以上の径方向突部を有し、周方向におけるそれ
らの径方向突部同士の間にそれぞれ中間高突部を有する
ものとすることができる。
【0034】この場合、基盤部の中央に対し周方向間隔
おきに3以上有する径方向突部において、各突起方向面
が径方向外方から内方へと対象面に圧接しつつ変形して
芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易いものに対する滑り
止め及び安定支持の効果を発揮すると共に、クッション
性又は緩衝性を発揮し、次いで周方向における径方向突
部同士の間にそれぞれ位置する中間高突部の突起方向端
部が対象面に圧接して滑り止め及び安定支持を行い或い
はクッション性又は緩衝性を発揮しつつ変形に対する抵
抗を増大させて各突起部の過度な変形を防ぐので、滑り
止め及び安定支持の効果の発揮並びに、クッション性又
は緩衝性の発揮と変形に対する抵抗の増大が位置的にバ
ランス良く行われる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。
【0036】図1乃至図6は何れも本発明の履物用滑止
体を備えた履物の実施の形態の一例としてのゴルフ靴に
関するものである。但し、他の各種運動靴及びその他の
履物にも使用可能である。
【0037】図1は、ゴルフ靴底に設けられた保持体に
滑止体を嵌合保持させる状態を示す断面図、図2は、ゴ
ルフ靴底に設けられた保持体に嵌合した滑止体の挿入部
に嵌合解除具の挿入体を挿入する状態を示す断面図、図
3は滑止体の平面図、図4は滑止体の正面図、図5は滑
止体の斜視図、図6は、滑止体の底面側とゴルフ靴底に
固定された保持体を示す斜視図である。図1及び図2
は、図3におけるA−A線断面についてのものである。
【0038】このゴルフ靴は、合成樹脂又は合成ゴム製
のゴルフ靴底Sと、ゴルフ靴底Sに固定保持された66
ナイロン樹脂製の保持体10と、66ナイロン樹脂(硬
質合成樹脂)製の嵌合体12とポリウレタン樹脂(比較
的軟質の合成樹脂)製の滑止部14からなる滑止体16
を備えてなる。
【0039】保持体10は、図1における上半部の内周
側に環状の保持体側嵌合部10a(嵌合凹部)が形成さ
れ、外周側上下中間位置に外方張出部10bを有し、略
平板状部10cにより底部が閉塞されてなる。
【0040】保持体側嵌合部10aは、上下方向の軸心
線の回りに回転対称状をなす。保持体側嵌合部10aの
図1における上部のほとんどは、下方に向かって縮径す
る円錐台形状内周面部10dにより構成され、その下端
部は経方向内方突出の環状の抜け止め突部10eに形成
されている。その抜け止め突部10eの図1における下
側、すなわち保持体側嵌合部10aの下部は、全周にわ
たりほぼ径方向外方に拡径され、環状壁部10fにより
囲繞されている。
【0041】保持体10は、図1における保持体側嵌合
部10aの上端部が露出する状態で、外方張出部10b
よりも上方まで埋設されることによりゴルフ靴底Sに固
定されて使用される。保持体10の上端外周面は、円筒
面形状をなし、ゴルフ靴底Sの内周縁部に設けられた環
状切欠部と共に、保持体10と同心状をなす上方開口の
方形断面の内周側環状溝S1を形成している。また、ゴ
ルフ靴底Sにおける内周側環状溝S1よりも径方向外方
に、その内周側環状溝S1の深さの1.5倍程度の径方
向間隔を隔てて同心状に、上方開口の略三角形断面の外
周側環状溝S2が形成されている。外周側環状溝S2
は、外周面が円筒面形状、内周面が上方に向かって内方
に傾斜する円錐台外周面形状であり、深さは内周側環状
溝S1の深さの約1.5倍である。
【0042】ゴルフ靴使用時は、図1の上下関係は逆に
なる。外方張出部10bは、保持体10が靴底に埋設固
定された場合の靴底からの離脱防止の機能を果たす。
【0043】なお、保持体10は可動部を有しないので
全体として耐久性が良好であり、保持体10を着脱不能
な状態でゴルフ靴底Sに固定したゴルフ靴を可及的に長
期にわたり使用することができる。また、保持体10に
可動部を有しないので、耐熱性、耐圧性、耐摩耗性等の
物性に優れた材料を適宜選択して保持体10として使用
することができる。そのため、ゴルフ靴底Sを構成する
合成樹脂若しくは合成ゴム等の成形材料に保持体10を
インサートしてそれを成形する上で耐熱性及び耐圧性に
優れた材料を選択することができる。
【0044】滑止体16における嵌合体12の上端部に
は円板状の側方張出部12sを有する。この側方張出部
12sを含む嵌合体12の上端部をポリウレタン樹脂
(比較的軟質の合成樹脂)で被覆するよう成形固化させ
て略円板状の滑止部14を形成することにより、嵌合体
12と滑止部14が一体化した滑止体16を構成してい
る。
【0045】嵌合体12のうち滑止部14から下方へ突
出した部分が、滑止体側嵌合部12a(嵌合突部)であ
る。滑止体側嵌合部12aは、一対の支持片12bと、
その支持片12b同士の間において水平方向間隔を隔て
て向かい合った一対の抜け止め片12cからなる。
【0046】支持片12bの上半部外周面12b1は、
下方に向かって縮径する円錐台形状外周面の約120度
中心角部分に相当し、下半部外周面は円筒形状の約12
0度中心角部分に相当する。保持体10における保持体
側嵌合部10aの円錐台形状内周面部10d及び滑止体
16の滑止体側嵌合部12aにおける支持片12bの上
半部外周面12b1が、横方向支持機構及び嵌合方向支
持機構を構成する。
【0047】抜け止め片12cの下端部には、外方に開
口した略周方向の溝状をなす抜け止め凹部12c1が形
成されている。抜け止め片12cの下端外側面12c2
は上外方に向かって傾斜している。
【0048】滑止部14は、略円板状をなす基盤部14
aと、使用時にその基盤部14aから対象に向く方向で
ある高さ方向に突起する複数の突起部を有する。基盤部
14aの上面は、中央部に向かって漸次上方に膨出す
る。
【0049】基盤部14aの上面のうち径方向における
外周寄りの部分(例えば外周寄りの4分の3乃至2分の
1程度、好ましくは3分の2程度)における90度中心
角毎に、合計4つの径方向突部22を有し、各径方向突
部22同士の間を周方向に二等分する位置に合計4つの
中間高突部24を有する。径方向突部22及び中間高突
部24はポリウレタン樹脂(弾力性を有する材料)から
なる。
【0050】各径方向突部22は互いに同一形状で、径
方向における中心より半径の3分の1程度の位置から径
方向外端位置にわたるものであり、周方向幅はほぼ一定
である。各径方向突部22において使用時に対象に臨む
面である突起方向面22aは、径方向の長さ(半径の長
さの3分の2程度)が周方向幅よりも長く、周方向幅は
ほぼ一定である。径方向突部22の径方向外方端部は基
部から図1における上方に向かって径方向外方に漸次張
り出しており、これにより突起方向面22aの径方向外
方端部が基盤部14aよりも径方向外方に張り出してい
る。一方、径方向突部22の径方向内方端部は基部から
上方に向かってやや径方向外方に傾斜している。
【0051】各突起方向面22aは、径方向において湾
曲した凹曲面状をなしつつ径方向外方から径方向内方に
向かって高さが低くなるよう傾斜しており、且つ、周方
向において湾曲した凹曲面状をなす。また、各径方向突
部22の径方向中央位置における周方向両側にわたり
(すなわち周方向に貫くように)、その径方向突部22
の突起方向面22aに開口する半円形状断面の緩衝溝2
2bが設けられている。
【0052】各中間高突部24は、各径方向突部22に
おける緩衝溝22bの径方向位置とほぼ同じ径方向位置
に設けられている。各中間高突部24は、図1における
上向きに漸次径が縮小する円錐台形状をなし、その上端
部である突起方向端部に、突起方向である上方に開口す
る180度より小さい中心角(好ましくは20乃至16
0度程度)の球面状の緩衝凹部24aを有する。各中間
高突部24の高さは、径方向突部22の突起方向面22
aの径方向外方端部の高さと径方向内方端部の高さの差
の3割をその径方向内方端部の高さに加えた程度の高さ
である。
【0053】滑止部14における両抜け止め片12cの
経方向外側位置に、それぞれ上下方向の孔状をなす挿入
部28が設けられている。各挿入部28は、下部が開口
し、上部は閉塞部30によって閉塞されている。閉塞部
30は、平面視において方形状をなす薄厚であり、中央
部に上下貫通する切込部30aが設けられている。
【0054】滑止部14における基盤部14aの下面に
おける滑止体側嵌合部12aよりも外周側の部分に、内
周側環状突条R1を有し、基盤部14aの外周縁部に外
周側環状突条R2が設けられている。内周側環状突条R
1及び外周側環状突条R2、並びに滑止部14の裏側部
における内周側環状突条R1と外周側環状突条R2の間
の環状部分14bは、滑止体16の滑止体側嵌合部12
aが保持体10に嵌合保持されて滑止体16がゴルフ靴
底Sに保持された状態において、内周側環状突条R1及
び外周側環状突条R2がそれぞれ内周側環状溝S1及び
外周側環状溝S2に嵌合すると共に、環状部分14bと
ゴルフ靴底Sにおける内周側環状溝S1と外周側環状溝
S2の間の環状部分S3が当接するよう構成されてい
る。
【0055】内周側環状突条R1は、下向きに先細状を
なす二等辺三角形状の一定断面であり、内周側環状突条
R1の基部が内周側環状溝S1の開口縁部(図1におけ
る左右上端部)に接する。外周側環状突条R2は、外周
面が円筒面形状、内周面が上方に向かって内方に傾斜す
る円錐台外周面形状の一定断面であり、外周側環状溝S
2にほとんど隙間なく嵌合する。
【0056】ゴルフ靴底S(図1において靴底面は上向
き)に埋設固定した保持体10の保持体側嵌合部10a
に、図1に示す向きに滑止体16の滑止体側嵌合部12
aを十分に嵌合させれば、抜け止め片12cの先端部
は、その下端外側面12c2が嵌合の過程において保持
体側嵌合部10aにおける円錐台形状内周面部10dに
案内されることにより一旦径方向内方へ弾性的に撓んだ
後、径方向外方へ復元し、図2に示されるように抜け止
め凹部12c1が抜け止め突部10eに嵌合する。
【0057】抜け止め凹部12c1が抜け止め突部10
eに嵌合すると、抜け止め片12cによる径方向外向き
の付勢力(抜け止め片12cが径方向内向きに撓むこと
に対し、抜け止め片12c自体の弾性により抵抗する
力)によりその嵌合が保持され、滑止体側嵌合部12a
が保持体側嵌合部10aから上方へ離脱することが防が
れて滑止体16が保持体10に固定的に保持される。
【0058】この状態において、滑止部14の裏側部
(図1における下側部)に二重に設けられた内周側環状
突条R1及び外周側環状突条R2がそれぞれゴルフ靴底
Sに二重に設けられた内周側環状溝S1及び外周側環状
溝S2に嵌合すると共に、滑止部14の裏側部における
内周側環状突条R1と外周側環状突条R2の間の環状部
分14bと、ゴルフ靴底Sにおける内周側環状溝S1と
外周側環状溝S2の間の環状部分S3が当接している。
そのため、二重に設けられた内周側環状突条R1と内周
側環状溝S1及び外周側環状突条R2と外周側環状溝S
2の嵌合構造並びにそれらの間の環状部分14bと環状
部分S3の当接構造によって砂粒等の侵入物が滑止体1
6と保持体10の間の内方に侵入することが防がれるこ
とは勿論、たとえ外周側環状突条R2と外周側環状溝S
2の間に砂粒等の侵入物が侵入したとしても、その侵入
物により滑止部14(基盤部14a)のその部分がゴル
フ靴底Sに対しめくれ上がるので、滑止部14(基盤部
14a)のうちその侵入箇所の内周側の部分は却ってゴ
ルフ靴底Sおよび/または保持体10表面部に押しつけ
られ、環状部分14bと環状部分S3の当接および/ま
たは内周側環状突条R1と内周側環状溝S1の嵌合がよ
り強固なものとなって侵入物が内周側環状突条R1と内
周側環状溝S1よりも内方へ侵入することがより効果的
に防止される。特に、滑止部14の外周縁部において外
周側環状突条R2と外周側環状溝S2がほとんど隙間な
く嵌合し、而も両者の外周面は円筒面状をなすので、滑
止部14とゴルフ靴底Sの間への侵入物の侵入自体を効
果的に防ぐことができる。
【0059】また、滑止体側嵌合部12aにおける支持
片12bの両上半部外周面12b1が保持体側嵌合部1
0aの円錐台形状内周面部10dに当接することによ
り、滑止体16が保持体10によって上向き及び径方向
に支持されるので、ゴルフ靴底Sに埋設固定された保持
体10に滑止体16が不安定に保持されて十分な滑止効
果を発揮し得ないこと、保持体側嵌合部10a又は滑止
体側嵌合部12aに破損や摩耗が生じること、使用中に
保持体10による滑止体16の保持が解除されて滑止体
16が脱落すること等が防がれる。
【0060】この滑止体16を、ゴルフ靴底S及びその
ゴルフ靴底Sに固定された保持体10と組合せて使用す
ると、滑止体16の滑止部14が比較的軟質であるた
め、グリーンや建造物の床面等の損傷防止や履き心地向
上に資するところが大きく、抜け止め凹部12c1と抜
け止め突部10eがそれぞれ硬質合成樹脂製であるた
め、使用中に予想外の力が作用して抜け止め凹部12c
1と抜け止め突部10eの嵌合が解除されたり、抜け止
め凹部12c1又は抜け止め突部10eが磨耗してそれ
らの嵌合が解除され易くなることが防がれる。
【0061】複数の滑止体16が複数の保持体10にそ
れぞれ保持された状態でゴルフ靴を履いて使用すると、
一般に、先ず各径方向突部22の突起方向面のうち径方
向外方の部分から対象面に対する圧接を開始する。各径
方向突部22は、弾力性を有する材料からなるため、ほ
ぼ高さ方向に圧縮され又はそのように圧縮されると共に
高さが低下するたわみが生じ、それに伴い、突起方向面
22aの対象面に対する圧接部位は、径方向外方から内
方へと及ぶ。更に径方向突部22における突起方向面2
2aのうち残部と中間高突部24の突起方向端部が対象
面に対する圧接を開始する。
【0062】このように各径方向突部22が径方向外方
から対象に圧接しつつ変形して圧接部位が径方向内方に
及ぶので、ゴルフ靴底Sが踏む対象が芝生や砂地等の柔
軟な又は変形し易いものである場合、芝生等にあまり食
い込まずにその損傷を防ぎつつ、径方向突部22が滑り
止め及び安定支持の効果を発揮し、更に、径方向突部2
2の突起方向面22aの径方向外方端部の高さと径方向
内方端部の高さの差の3割をその径方向内方端部の高さ
に加えた程度の高さである中間高突部24により、芝生
等の損傷を防ぎつつ滑止及び安定支持効果をより高め
る。
【0063】ゴルフ靴底Sが踏む対象が、コンクリート
やアスファルトや石畳等の比較的硬い又は変形しにくい
面である場合、一般に、先ず各径方向突部22の突起方
向面のうち径方向外方の部分から対象面に対する圧接を
開始する。各径方向突部22は、弾力性を有する材料か
らなるため、ほぼ高さ方向に圧縮され又はそのように圧
縮されると共に高さが低下するたわみが生じ、それに伴
い、突起方向面22aの対象面に対する圧接部位は、径
方向外方から内方へと及ぶ。これにより、滑止部14の
柔軟性をそれほど高めなくとも、すなわち、各径方向突
部22の耐摩耗性、耐久性、及び芝生等の柔軟な又は変
形しやすい対象に対する滑り止め及び安定支持効果が損
なわれる程度にまで滑止部14の柔軟性を高めなくと
も、優れたクッション性又は緩衝性が発揮される。
【0064】各径方向突部22の突起方向面22aのう
ちある程度の高さの部分、すなわち径方向外方寄りの部
分が、前記のように対象面に圧接し、その部分の径方向
突部22が弾性的に変形して高さが低下すると、径方向
突部22における突起方向面22aのうち残部と中間高
突部24の突起方向端部が対象面に対する圧接を開始す
る。径方向突部22のうち径方向内方寄りの部分及び中
間高突部24は、対象面に圧接することにより同様に変
形して高さを低下させようとするが、それまでに対象面
に圧接している径方向突部22の径方向外方寄りの部分
に加えてこれらの部分が対象面に圧接するので、クッシ
ョン性又は緩衝性を発揮しつつ変形に対する抵抗が増大
し、各突起部(各径方向突部22及び各中間高突部2
4)の過度な変形による突起部の耐久性低下や歩行等の
不安定化等が防がれる。
【0065】径方向突部22の突起方向面22aが、径
方向においても周方向においても窪んだ凹曲面状をなす
ので、径方向突部の突起方向面22aが対象に圧接した
場合に生じ得る変形量が、突起方向面22aが平坦面で
ある場合に比し大きい。そのため、径方向突部22の突
起方向面22aが芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易い
ものに圧接することにより芝生等を捉える効果が高ま
り、芝生等にあまり食い込まずにその損傷を防ぎつつ、
滑り止め及び安定支持の効果をより発揮するものとな
る。また、径方向突部22の突起方向面22aが比較的
硬い又は変形しにくい対象面に圧接した場合に生じ得る
変形量も、突起方向面22aが平坦面である場合に比し
大きく、衝撃吸収力が高い。
【0066】また、径方向突部22の径方向中間位置に
おける周方向両側にわたり(すなわち径方向突部22を
周方向に貫いて)、その径方向突部22の突起方向面2
2aに開口する緩衝溝22bが設けられているので、径
方向突部22の突起方向面22aが対象に圧接した場合
にほぼ高さ方向における圧縮又はそのような圧縮及び高
さが低下するたわみが生じ易くなる。そのため、径方向
突部22の突起方向面22aが芝生や砂地等の柔軟な又
は変形し易い対象を捉える効果が高まり、芝生等にあま
り食い込まずにその損傷を防ぎつつ、滑り止め及び安定
支持の効果をより発揮するものとなる。径方向突部22
の突起方向面22aが比較的硬い又は変形しにくい対象
面に圧接した場合にも、ほぼ高さ方向における圧縮又は
そのような圧縮及び高さが低下するたわみが生じ易くな
り、クッション性又は緩衝性がより効果的に発揮され
る。
【0067】更に、径方向突部22の突起方向面22a
の径方向外方端部が基盤部14aよりも径方向外方に張
り出すことにより、芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易
い対象に対する径方向突部22による滑り止め及び安定
支持の効果が高まると共に、硬い対象面又は変形しにく
い対象面に対する径方向突部22によるクッション効果
又は緩衝効果が高まる。
【0068】また、中間高突部24の突起方向端部に、
突起方向に開口する緩衝凹部24aを有するので、対象
に対する圧接当初において中間高突部24の突起方向端
部のほぼ高さ方向における圧縮が生じ易くなると共に吸
盤吸着状の効果が生じ、芝生や砂地等の柔軟な又は変形
し易いものに圧接した場合に芝生等を捉える効果が高ま
り、芝生等にあまり食い込まずにその損傷を防ぎつつ、
滑り止め及び安定支持の効果より発揮するものとなると
共に、比較的硬い又は変形しにくい対象面に圧接した場
合に、クッション性又は緩衝性がより効果的に発揮され
る。
【0069】また更に、基盤部14aの中央に対し周方
向等中心角毎に4つ有する径方向突部22において、各
突起方向面22aが径方向外方から内方へと対象面に圧
接しつつ変形して芝生や砂地等の柔軟な又は変形し易い
ものに対する滑り止め及び安定支持の効果を発揮すると
共に、クッション性又は緩衝性を発揮し、次いで周方向
における径方向突部22同士の中間にそれぞれ位置する
中間高突部24の突起方向端部が対象面に圧接して滑り
止め及び安定支持を行い或いはクッション性又は緩衝性
を発揮しつつ変形に対する抵抗を増大させて各突起部の
過度な変形を防ぐので、滑り止め及び安定支持の効果の
発揮並びに、クッション性又は緩衝性の発揮と変形に対
する抵抗の増大が、位置的にバランス良く行われる。
【0070】使用により滑止体16の径方向突部22及
び中間高突部24がある程度以上磨耗すると、滑止体1
6を新しいものに交換する必要が生じる。保持体10か
ら滑止体16を離脱させるには、一対の挿入体32を、
閉塞部30における切込部30aを通じ、一対の挿入部
28に対し図2における下向きに十分に挿入する。する
と、両挿入体32は、円錐台形状内周面部10dに案内
されて内下方に向かい、両抜け止め片12cの外側面を
内方へ押圧して径方向内方に弾性的に撓ませる。これに
より、環状の抜け止め突部10eに対する抜け止め凹部
12c1の嵌合が解除されるので、滑止体側嵌合部12
aを保持体側嵌合部10aから上方へ離脱させて滑止体
16を保持体10から取り外すことができるようにな
る。その際、円錐台形状内周面部10dが、径方向内方
に弾性的に撓ませた両挿入体32及び両抜け止め片12
cに対し上方へ押し出す力を及ぼすので、滑止体16を
嵌合解除具31の挿入体32と共に保持体10から容易
に離脱させることができる。なお、挿入部28及び抜け
止め片12cの双方を滑止体16に有するので、保持体
10に対する滑止体16の回転角度に拘らず、挿入体3
2を挿入部28に十分に挿入すれば抜け止め片12cを
径方向内方へ撓ませて抜け止め突部10eに対する抜け
止め凹部12c1の嵌合を解除することができる。
【0071】挿入部28の上部は閉塞部30によって閉
塞されており、閉塞部30には切込部30aを有するだ
けであるから、通常の使用状態において挿入部28に砂
・石・土・セラミックス・金属・合成樹脂・木等の粒子
・粒・片等が詰まって挿入部28に対する嵌合解除用の
挿入体32の挿入による保持体10からの滑止体16の
離脱が妨げられることや、地面や床面等における種々の
突起物やその他の物が意図せずに挿入部28に挿入され
て抜け止め凹部12c1と抜け止め突部10eの嵌合が
解除されることを回避することができる。
【0072】嵌合解除具31は、合成樹脂板製であり、
互いに平行状に下向きに突出する一対の挿入体32を有
する。各挿入体32は、弾性的に撓み得る棒状をなす。
【0073】なお、ゴルフ靴底に埋設固定された保持体
による滑止体の滑止体側嵌合部の嵌合保持は、保持体1
0に雌ねじ穴を設け、滑止体側嵌合部の外周部に雄ねじ
部を設けることによる螺合機構によっても実現し得るこ
とは云うまでもない。
【0074】
【発明の効果】本発明の履物用滑止体を履物底部に保持
した履物を使用すると、履物底部が踏む対象が芝生や砂
地等の柔軟な又は変形し易いものである場合、そのよう
な対象に対し、芝生等の損傷を防ぎつつ径方向突部及び
中間高突部が食い込んで滑り止め及び安定支持の効果を
発揮する。径方向突部の径方向外方が最も高く突起して
いるので、その効果が高まる。履物底部が踏む対象が、
コンクリートやアスファルトや石畳等の比較的硬い又は
変形しにくい面である場合、滑止部の柔軟性をあまり高
めなくとも、優れたクッション性又は緩衝性が発揮さ
れ、而も、突起部の過度な変形による突起部の耐久性低
下や歩行等の不安定化等が防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持体に滑止体を嵌合保持させる状態を示す断
面図である。
【図2】保持体に嵌合した滑止体の挿入部に嵌合解除具
の挿入体を挿入する状態を示す断面図である。
【図3】滑止体の平面図である。
【図4】滑止体の正面図である。
【図5】滑止体の斜視図である。
【図6】滑止体の底面側とゴルフ靴のかかと部に固定さ
れた保持体を示す斜視図である。
【符号の説明】 10 保持体 10a 保持体側嵌合部 10b 外方張出部 10c 略平板状部 10d 円錐台形状内周面部 10e 突部 10f 環状壁部 12 嵌合体 12a 滑止体側嵌合部 12b 支持片 12b1 上半部外周面 12c 抜け止め片 12c1 凹部 12c2 下端外側面 12s 側方張出部 14 滑止部 14a 基盤部 14b 環状部分 16 滑止体 22 径方向突部 22a 突起方向面 22b 緩衝溝 24 中間高突部 24a 緩衝凹部 28 挿入部 30 閉塞部 30a 切込部 31 嵌合解除具 32 挿入体 R1 内周側環状突条 R2 外周側環状突条 S ゴルフ靴底 S1 内周側環状溝 S2 外周側環状溝 S3 環状部分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】履物底部に保持された状態において使用さ
    れることにより履物底部が踏む対象に接してその対象に
    対する履物の滑りを防ぐ滑止部を有し、その滑止部は、
    基盤部と、使用時にその基盤部から対象に向く方向であ
    る高さ方向に突起する複数の突起部を有してなる履物用
    滑止体であって、前記突起部の一部として、前記高さ方
    向に直交する面における基盤部の中央に対し周方向間隔
    おきに、弾力性のある材料からなり、前記中央寄りの位
    置から径方向外方位置にわたる径方向突部を3以上有
    し、それらの径方向突部において使用時に対象に臨む面
    である突起方向面は、径方向の長さが周方向幅よりも長
    く、径方向外方から径方向内方に向かって高さが低くな
    るよう傾斜しており、前記突起部の別の一部として、前
    記径方向突部の突起方向面の径方向外方端部と径方向内
    方端部の中間の高さである弾力性のある材料からなる中
    間高突部を1又は2以上有することを特徴とする履物用
    滑止体。
  2. 【請求項2】一部又は全部の径方向突部の径方向中間位
    置における周方向両側にわたり、その径方向突部の突起
    方向面に開口する緩衝溝が設けられた請求項1記載の履
    物用滑止体。
  3. 【請求項3】一部又は全部の径方向突部の突起方向面
    が、径方向において湾曲した凹曲面状をなす請求項1又
    は2記載の履物用滑止体。
  4. 【請求項4】一部又は全部の径方向突部の突起方向面の
    径方向外方端部が基盤部よりも径方向外方に張り出して
    いる請求項1、2又は3記載の履物用滑止体。
  5. 【請求項5】一部又は全部の径方向突部の突起方向面
    が、周方向において湾曲した凹曲面状をなす 請求項1
    乃至4の何れかに記載の履物用滑止体。
  6. 【請求項6】一部又は全部の中間高突部の突起方向端部
    に、突起方向に開口する緩衝凹部を有する請求項1乃至
    5の何れかに記載の履物用滑止体。
  7. 【請求項7】基盤部の中央に対し周方向間隔おきに3以
    上の径方向突部を有し、周方向におけるそれらの径方向
    突部同士の間にそれぞれ中間高突部を有する請求項1乃
    至6の何れかに記載の履物用滑止体。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7の何れかに記載の履物用滑
    止体を備えた履物。
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