JP2002118304A - 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータ製造方法並びに圧電アクチュエータ付き電子機器 - Google Patents
圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータ製造方法並びに圧電アクチュエータ付き電子機器Info
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Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐久性に優れた圧電アクチュエータ振動体の
製造方法と、その振動体を用いた圧電アクチュエータお
よび圧電アクチュエータ付き電子機器を提供すること。 【解決手段】 圧電アクチュエータ1は、圧電素子3
と、圧電素子3に接合された振動体2と、加圧機構4で
振動体2に圧接される移動体5とを備える。圧電素子3
は、電極3aを設ける。振動体2は、移動体5と接触す
る接触面2aを設ける。振動体2および接触面2aの表
面には、硬質アルマイトで被覆した硬質アルマイト層6
を設ける。硬質アルマイト層6の表面には、導電性を有
する導電性皮膜7で被覆する。
製造方法と、その振動体を用いた圧電アクチュエータお
よび圧電アクチュエータ付き電子機器を提供すること。 【解決手段】 圧電アクチュエータ1は、圧電素子3
と、圧電素子3に接合された振動体2と、加圧機構4で
振動体2に圧接される移動体5とを備える。圧電素子3
は、電極3aを設ける。振動体2は、移動体5と接触す
る接触面2aを設ける。振動体2および接触面2aの表
面には、硬質アルマイトで被覆した硬質アルマイト層6
を設ける。硬質アルマイト層6の表面には、導電性を有
する導電性皮膜7で被覆する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子を用いた
圧電アクチュエータとその圧電アクチュエータに使用す
る圧電アクチュエータ振動体の製造方法に関するもので
ある。さらに、時計、カメラ、プリンタ、記憶装置、医
療機器、光通信機器などに圧電アクチュエータを用いた
電子機器に関するものである。
圧電アクチュエータとその圧電アクチュエータに使用す
る圧電アクチュエータ振動体の製造方法に関するもので
ある。さらに、時計、カメラ、プリンタ、記憶装置、医
療機器、光通信機器などに圧電アクチュエータを用いた
電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電アクチュエータの振動体の材
料としては、アルミ合金、鉄合金、ステンレス、黄銅な
どの金属材料が使用されているが、その中でも振動減衰
能が極めて近く振動振幅が大きく取れ、熱伝導性に優れ
るため、移動体との間で発生する摩擦熱を逃がし摩耗を
抑え、振動体を軽量化すると共に、加工性、耐食性を満
足することのできるアルミ合金が使用されてきた。例え
ば特開平7−123747号の公報に従来のアルミ合金
製の振動体についての開示がある。
料としては、アルミ合金、鉄合金、ステンレス、黄銅な
どの金属材料が使用されているが、その中でも振動減衰
能が極めて近く振動振幅が大きく取れ、熱伝導性に優れ
るため、移動体との間で発生する摩擦熱を逃がし摩耗を
抑え、振動体を軽量化すると共に、加工性、耐食性を満
足することのできるアルミ合金が使用されてきた。例え
ば特開平7−123747号の公報に従来のアルミ合金
製の振動体についての開示がある。
【0003】また、移動体と接触する振動体の接触部分
の耐久性、耐摩耗性を向上させるために、移動体と接触
する振動体の接触部分にアルマイト処理を施していた。
例えば特開平11−332261号の公報に、アルマイ
ト処理をした超音波モータについての開示がある。
の耐久性、耐摩耗性を向上させるために、移動体と接触
する振動体の接触部分にアルマイト処理を施していた。
例えば特開平11−332261号の公報に、アルマイ
ト処理をした超音波モータについての開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、腐食に
強いアルミ合金といえども、高温高湿(例えば85℃、
85%RH)の環境下に長時間さらされた場合は、アル
ミ合金製の振動体表面や移動体との接触面が腐食してし
まい、圧電アクチュエータの性能劣化を引き起こしてし
まう問題点があった。また、移動体も長期間の駆動中
に、振動体の接触面の先端によって擦傷が付き、次第に
摩耗され、性能劣化を引き起こしてしまう問題もあっ
た。さらに、アルミ合金表面は濡れ性が悪いため、アル
ミ合金製振動体と圧電素子とを接着する場合、接着性が
良好でないため、高出力での駆動時に接着剥がれが生じ
たり、高温高湿での接着力の低下が生じ、性能劣化を引
き起こしてしまう問題もあった。
強いアルミ合金といえども、高温高湿(例えば85℃、
85%RH)の環境下に長時間さらされた場合は、アル
ミ合金製の振動体表面や移動体との接触面が腐食してし
まい、圧電アクチュエータの性能劣化を引き起こしてし
まう問題点があった。また、移動体も長期間の駆動中
に、振動体の接触面の先端によって擦傷が付き、次第に
摩耗され、性能劣化を引き起こしてしまう問題もあっ
た。さらに、アルミ合金表面は濡れ性が悪いため、アル
ミ合金製振動体と圧電素子とを接着する場合、接着性が
良好でないため、高出力での駆動時に接着剥がれが生じ
たり、高温高湿での接着力の低下が生じ、性能劣化を引
き起こしてしまう問題もあった。
【0005】ここで、アルミ合金製の振動体の腐食およ
び摩耗を防止するための手段として、アルミ合金製振動
体を硬質アルマイト層で被覆する方法が考えられる。し
かし、硬質アルマイト層は不導体であるために、圧電素
子の電極は振動体と導通が取れなくなってしまい、振動
体を介して外部との導通が取れなくなってしまうという
問題点があった。 また、硬質アルマイト層は、外側に
向かってアルミ合金面と平行に成長しようとするため、
0.2mmR以下の稜線部分が存在する場所には硬質ア
ルマイト層が成長しにくく、そこから腐食してしまった
り、また、大きな摩擦力が生じた場合に、0.2mmR
以下の稜線部分剥から剥がれてしまうという問題点があ
った。
び摩耗を防止するための手段として、アルミ合金製振動
体を硬質アルマイト層で被覆する方法が考えられる。し
かし、硬質アルマイト層は不導体であるために、圧電素
子の電極は振動体と導通が取れなくなってしまい、振動
体を介して外部との導通が取れなくなってしまうという
問題点があった。 また、硬質アルマイト層は、外側に
向かってアルミ合金面と平行に成長しようとするため、
0.2mmR以下の稜線部分が存在する場所には硬質ア
ルマイト層が成長しにくく、そこから腐食してしまった
り、また、大きな摩擦力が生じた場合に、0.2mmR
以下の稜線部分剥から剥がれてしまうという問題点があ
った。
【0006】本発明の目的は、アルミ合金製の圧電アク
チュエータ振動体に高耐食性と耐摩耗性を有し、圧電素
子の電極と振動体との導通を可能にしたうえで、耐久性
に優れた圧電アクチュエータと、その圧電アクチュエー
タの製造方法と、圧電アクチュエータ付き電子機器を提
供することにある。
チュエータ振動体に高耐食性と耐摩耗性を有し、圧電素
子の電極と振動体との導通を可能にしたうえで、耐久性
に優れた圧電アクチュエータと、その圧電アクチュエー
タの製造方法と、圧電アクチュエータ付き電子機器を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面を硬質ア
ルマイトで被覆した硬質アルマイト層と前記硬質アルマ
イト層の表面の少なくとも一部に導電性を有する皮膜で
被覆した導電性皮膜を有する振動体と、前記振動体の一
部と接触し前記振動体の振動により駆動される移動体
と、を有する圧電アクチュエータである。
ルマイトで被覆した硬質アルマイト層と前記硬質アルマ
イト層の表面の少なくとも一部に導電性を有する皮膜で
被覆した導電性皮膜を有する振動体と、前記振動体の一
部と接触し前記振動体の振動により駆動される移動体
と、を有する圧電アクチュエータである。
【0008】これによれば、アルミ合金製振動体の全表
面は硬質アルマイト層で被覆されるので、高温高湿の環
境下に長時間さらされても腐食することがないため、性
能劣化を引き起こすことはなくなる。また、被覆された
硬質アルマイト層の硬度はHv400以上となり、アル
ミ合金やアルマイトよりも硬度が高くなる。当然、移動
体と接触する振動体の接触面の先端にも被覆されるの
で、移動体を駆動することによる振動体接触面先端の摩
耗は防止され、耐久性の優れた圧電アクチュエータの実
現が可能となる。
面は硬質アルマイト層で被覆されるので、高温高湿の環
境下に長時間さらされても腐食することがないため、性
能劣化を引き起こすことはなくなる。また、被覆された
硬質アルマイト層の硬度はHv400以上となり、アル
ミ合金やアルマイトよりも硬度が高くなる。当然、移動
体と接触する振動体の接触面の先端にも被覆されるの
で、移動体を駆動することによる振動体接触面先端の摩
耗は防止され、耐久性の優れた圧電アクチュエータの実
現が可能となる。
【0009】さらに、硬質アルマイト層の表層に導電性
を有する導電性皮膜を被覆するので、圧電素子の電極は
振動体に被覆された導電性被膜を介して外部との導通が
可能となり、硬質アルマイト層の被覆時にマスキング等
の手段を講じたり、圧電アクチュエータの構造を変更す
ることなく、耐久性に優れた圧電アクチュエータが実現
可能になる。この圧電素子の電極と導電性皮膜との導通
の実現は、接着剤や金属間化合物等の介在による接合、
拡散等を利用した直接接合、ネジや圧接等の機械的締結
による接合などで実現できる。
を有する導電性皮膜を被覆するので、圧電素子の電極は
振動体に被覆された導電性被膜を介して外部との導通が
可能となり、硬質アルマイト層の被覆時にマスキング等
の手段を講じたり、圧電アクチュエータの構造を変更す
ることなく、耐久性に優れた圧電アクチュエータが実現
可能になる。この圧電素子の電極と導電性皮膜との導通
の実現は、接着剤や金属間化合物等の介在による接合、
拡散等を利用した直接接合、ネジや圧接等の機械的締結
による接合などで実現できる。
【0010】本発明は、前記導電性皮膜は、前記振動体
が前記移動体と接触する接触面を除いた前記振動体の前
記硬質アルマイト層の表面の少なくとも一部に被覆して
ある圧電アクチュエータである。
が前記移動体と接触する接触面を除いた前記振動体の前
記硬質アルマイト層の表面の少なくとも一部に被覆して
ある圧電アクチュエータである。
【0011】これによれば、アルミ合金製振動体の全表
面は硬質アルマイト層で被覆されるので、高温高湿の環
境下に長時間さらされても腐食することがないため、性
能劣化を引き起こすことはなくなり、移動体を駆動する
ことによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐久性
の優れた圧電アクチュエータの実現が可能となる。
面は硬質アルマイト層で被覆されるので、高温高湿の環
境下に長時間さらされても腐食することがないため、性
能劣化を引き起こすことはなくなり、移動体を駆動する
ことによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐久性
の優れた圧電アクチュエータの実現が可能となる。
【0012】本発明は、前記振動体は、前記振動体が前
記移動体と接触する前記接触面に0.3mmR以上かつ
前記接触面の幅の2分の1よりも小さいRで面取りされ
た角部を有する圧電アクチュエータである。
記移動体と接触する前記接触面に0.3mmR以上かつ
前記接触面の幅の2分の1よりも小さいRで面取りされ
た角部を有する圧電アクチュエータである。
【0013】これによれば、角部を面取りすることによ
り、0.3mmRより小さい稜線を解消し、角部にも硬
質アルマイト層を確実に成長させることができるので、
アルミ合金素地が表面に現れている部分がなくなり、耐
食性の向上が可能となる。また、大きな摩擦力が生じて
も硬質アルマイト層が剥がれることはなくなる。
り、0.3mmRより小さい稜線を解消し、角部にも硬
質アルマイト層を確実に成長させることができるので、
アルミ合金素地が表面に現れている部分がなくなり、耐
食性の向上が可能となる。また、大きな摩擦力が生じて
も硬質アルマイト層が剥がれることはなくなる。
【0014】本発明は、前記硬質アルマイト層は、少な
くとも表面に固体潤滑剤を含浸させた圧電アクチュエー
タである。これによれば、移動体と接する振動体の接触
面には、常に固体潤滑剤が存在するので、移動体およ
び、振動体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を
起こすことなく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエ
ータの実現が可能となる。
くとも表面に固体潤滑剤を含浸させた圧電アクチュエー
タである。これによれば、移動体と接する振動体の接触
面には、常に固体潤滑剤が存在するので、移動体およ
び、振動体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を
起こすことなく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエ
ータの実現が可能となる。
【0015】本発明は、前記導電性皮膜が、導電性を有
するクロメート化成処理皮膜である圧電アクチュエータ
である。
するクロメート化成処理皮膜である圧電アクチュエータ
である。
【0016】これによれば、導電性を有する導電性皮膜
にクロメート化成処理皮膜を用いることにより、導電性
と防錆効果を有し、更に振動体の耐食性の向上が可能と
なる。また、クロメート化成処理皮膜は、接着剤との濡
れ性がアルミ合金表面よりも良好なため、圧電素子と振
動体とを接着する場合、接着性は向上し、高出力での駆
動時に接着剥がれや高温高湿での接着力の低下が生じに
くくなり、更に信頼性を向上させることができる。
にクロメート化成処理皮膜を用いることにより、導電性
と防錆効果を有し、更に振動体の耐食性の向上が可能と
なる。また、クロメート化成処理皮膜は、接着剤との濡
れ性がアルミ合金表面よりも良好なため、圧電素子と振
動体とを接着する場合、接着性は向上し、高出力での駆
動時に接着剥がれや高温高湿での接着力の低下が生じに
くくなり、更に信頼性を向上させることができる。
【0017】本発明は、振動体が移動体と接する前記振
動体の接触面に0.3mmR以上かつ前記接触面の幅の
2分の1よりも小さいRで面取りする工程と、前記振動
体の表面を硬質アルマイト層で被覆する工程と、前記硬
質アルマイト層の表面少なくとも一部に導電性を有する
導電性皮膜で被覆する工程と、を有する圧電アクチュエ
ータの製造方法である。
動体の接触面に0.3mmR以上かつ前記接触面の幅の
2分の1よりも小さいRで面取りする工程と、前記振動
体の表面を硬質アルマイト層で被覆する工程と、前記硬
質アルマイト層の表面少なくとも一部に導電性を有する
導電性皮膜で被覆する工程と、を有する圧電アクチュエ
ータの製造方法である。
【0018】これによれば、角部を面取りすることによ
り、0.3mmRより小さい稜線を解消し、角部にも硬
質アルマイト層を確実に成長させることができるので、
アルミ合金素地が表面に現れている部分がなくなり、耐
食性の向上が可能となる。また、大きな摩擦力が生じて
も硬質アルマイト層が剥がれることはなくなる。
り、0.3mmRより小さい稜線を解消し、角部にも硬
質アルマイト層を確実に成長させることができるので、
アルミ合金素地が表面に現れている部分がなくなり、耐
食性の向上が可能となる。また、大きな摩擦力が生じて
も硬質アルマイト層が剥がれることはなくなる。
【0019】本発明は、前記振動体の前記接触面から前
記導電性皮膜を除去する工程と、前記振動体の前記接触
面の前記硬質アルマイト層を平滑にする工程と、を有す
る請求項6記載の圧電アクチュエータの製造方法であ
る。
記導電性皮膜を除去する工程と、前記振動体の前記接触
面の前記硬質アルマイト層を平滑にする工程と、を有す
る請求項6記載の圧電アクチュエータの製造方法であ
る。
【0020】これによれば、移動体と接する振動体の接
触面には導電性皮膜が存在しない状態となるので、移動
体に導電性皮膜の皮膜物質は付着することがなく、圧電
アクチュエータ製造時の初期特性を維持することができ
る。また、振動体の接触面の硬質アルマイト層も平滑に
されるので、移動体に擦傷をつけることがなく、長期間
の駆動に対しても摩耗しないため、耐久性の高い圧電ア
クチュエータが実現される。
触面には導電性皮膜が存在しない状態となるので、移動
体に導電性皮膜の皮膜物質は付着することがなく、圧電
アクチュエータ製造時の初期特性を維持することができ
る。また、振動体の接触面の硬質アルマイト層も平滑に
されるので、移動体に擦傷をつけることがなく、長期間
の駆動に対しても摩耗しないため、耐久性の高い圧電ア
クチュエータが実現される。
【0021】本発明は、前記硬質アルマイト層の少なく
とも表面に固体潤滑剤を含浸させる工程と、を有する圧
電アクチュエータの製造方法である。
とも表面に固体潤滑剤を含浸させる工程と、を有する圧
電アクチュエータの製造方法である。
【0022】これによれば、移動体と接する振動体の接
触面には、常に固体潤滑剤が存在するので、移動体およ
び、振動体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を
起こすことなく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエ
ータの実現が可能となる。
触面には、常に固体潤滑剤が存在するので、移動体およ
び、振動体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を
起こすことなく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエ
ータの実現が可能となる。
【0023】本発明は、前記導電性皮膜は、導電性を有
するクロメート化成処理皮膜である圧電アクチュエータ
の製造方法である。
するクロメート化成処理皮膜である圧電アクチュエータ
の製造方法である。
【0024】これによれば、導電性を有する導電性皮膜
にクロメート化成処理皮膜を用いることにより、導電性
と防錆効果を有し、更に振動体の耐食性の向上が可能と
なる。また、クロメート化成処理皮膜は、接着剤との濡
れ性がアルミ合金表面よりも良好なため、圧電素子と振
動体とを接着する場合、接着性は向上し、高出力での駆
動時に接着剥がれや高温高湿での接着力の低下が生じに
くくなり、更に信頼性を向上させることができる。
にクロメート化成処理皮膜を用いることにより、導電性
と防錆効果を有し、更に振動体の耐食性の向上が可能と
なる。また、クロメート化成処理皮膜は、接着剤との濡
れ性がアルミ合金表面よりも良好なため、圧電素子と振
動体とを接着する場合、接着性は向上し、高出力での駆
動時に接着剥がれや高温高湿での接着力の低下が生じに
くくなり、更に信頼性を向上させることができる。
【0025】本発明は、上記の圧電アクチュエータを備
えた圧電アクチュエータ付き電子機器である。
えた圧電アクチュエータ付き電子機器である。
【0026】これによれば、耐久性等の優れた圧電アク
チュエータを用いることができ、これを使用した各種の
圧電アクチュエータ付き電子機器の耐久性をを向上する
ことができる。が実現される。ここで、電子機器には、
時計、計測器、カメラ、プリンタ、医療機器、光通信機
器等の圧電アクチュエータの適用可能な機器をすべて含
む。
チュエータを用いることができ、これを使用した各種の
圧電アクチュエータ付き電子機器の耐久性をを向上する
ことができる。が実現される。ここで、電子機器には、
時計、計測器、カメラ、プリンタ、医療機器、光通信機
器等の圧電アクチュエータの適用可能な機器をすべて含
む。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図1から図10を参照して
本発明に係わる実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係わる実施の形態を詳細に説明する。
【0028】[実施の形態1]図1は、本発明を適用し
た実施の形態1に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図1(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ1の断面図を示し、図1(B)は振動体2と移動体5
が接触する接触面2aを中心に拡大した模式図を示す。
圧電アクチュエータ1は、圧電素子3と、圧電素子3に
接合された振動体2と、加圧機構4で振動体2に圧接さ
れる移動体5とを備えており、圧電素子3には、電極3
aが設けられており、振動体2には、移動体5と接触す
る接触面2aが設けられている。振動体2および接触面
2aの角部は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動
体2および接触面2aの全表面には、硬質アルマイト層
6が被覆され、さらに硬質アルマイト層6の全表層には
導電性を有する導電性皮膜7が被覆されている。このと
き、各部の面取りは、接触面2aに面取りされない部分
が残るように、接触面2aの幅に対して2分の1よりも
小さい寸法であることが望ましい。これにより、耐食性
が向上し、接触面2aの先端の摩耗を防止した耐久性な
らびに信頼性に優れた圧電アクチュエータ1を実現する
ことができる。
た実施の形態1に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図1(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ1の断面図を示し、図1(B)は振動体2と移動体5
が接触する接触面2aを中心に拡大した模式図を示す。
圧電アクチュエータ1は、圧電素子3と、圧電素子3に
接合された振動体2と、加圧機構4で振動体2に圧接さ
れる移動体5とを備えており、圧電素子3には、電極3
aが設けられており、振動体2には、移動体5と接触す
る接触面2aが設けられている。振動体2および接触面
2aの角部は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動
体2および接触面2aの全表面には、硬質アルマイト層
6が被覆され、さらに硬質アルマイト層6の全表層には
導電性を有する導電性皮膜7が被覆されている。このと
き、各部の面取りは、接触面2aに面取りされない部分
が残るように、接触面2aの幅に対して2分の1よりも
小さい寸法であることが望ましい。これにより、耐食性
が向上し、接触面2aの先端の摩耗を防止した耐久性な
らびに信頼性に優れた圧電アクチュエータ1を実現する
ことができる。
【0029】図2は、実施の形態1の圧電アクチュエー
タ1の振動体2の製造方法について説明する図であり、
図2(A)〜(D)は、振動体2の製造工程を示し、特
に接触面2aを中心に拡大した模式図を示す。まず、図
2(A)において、アルミ合金部材より切削や鍛造、エ
ッチング等を利用して圧電アクチュエータ1で使用され
る振動体2を所望の形状に加工した。
タ1の振動体2の製造方法について説明する図であり、
図2(A)〜(D)は、振動体2の製造工程を示し、特
に接触面2aを中心に拡大した模式図を示す。まず、図
2(A)において、アルミ合金部材より切削や鍛造、エ
ッチング等を利用して圧電アクチュエータ1で使用され
る振動体2を所望の形状に加工した。
【0030】次に図2(B)において、所望の形状に加
工された振動体2および接触面2aの角部を0.3mm
R以上の面取り加工を行った。この面取り加工によっ
て、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、振
動体2および接触面2aの角部にも硬質アルマイト層6
を確実に成長させることができるようになる。
工された振動体2および接触面2aの角部を0.3mm
R以上の面取り加工を行った。この面取り加工によっ
て、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、振
動体2および接触面2aの角部にも硬質アルマイト層6
を確実に成長させることができるようになる。
【0031】次に図2(C)において、面取り加工され
た振動体2の全表面に硬質アルマイト層6を被覆する処
理を行った。振動体2および接触面2aの角部は0.3
mmR以上に面取り加工されているので、角部にも硬質
アルマイト層6が確実に成長し、アルミ合金素地が表面
に現れている部分がなくなり、耐食性の向上が可能とな
る。なお、硬質アルマイト層6は、振動体22の各々の
面に対して垂直方向に層が形成される性質を有している
ため、隣り合う2つの面の位置関係により、面取りされ
た角部を設けなくても層が形成される個所がある。その
ような個所は特に面取り部を設けなくても良い。また、
被覆された硬質アルマイト層6は、硬さがHv400以
上にもなるため、移動体を駆動することによる振動体接
触面先端の摩耗は防止され、耐久性の優れた圧電アクチ
ュエータ1の実現が可能となる。
た振動体2の全表面に硬質アルマイト層6を被覆する処
理を行った。振動体2および接触面2aの角部は0.3
mmR以上に面取り加工されているので、角部にも硬質
アルマイト層6が確実に成長し、アルミ合金素地が表面
に現れている部分がなくなり、耐食性の向上が可能とな
る。なお、硬質アルマイト層6は、振動体22の各々の
面に対して垂直方向に層が形成される性質を有している
ため、隣り合う2つの面の位置関係により、面取りされ
た角部を設けなくても層が形成される個所がある。その
ような個所は特に面取り部を設けなくても良い。また、
被覆された硬質アルマイト層6は、硬さがHv400以
上にもなるため、移動体を駆動することによる振動体接
触面先端の摩耗は防止され、耐久性の優れた圧電アクチ
ュエータ1の実現が可能となる。
【0032】次に図2(D)において、振動体2の全表
面に硬質アルマイト層6が被覆された全表層に、導電性
を有する導電性皮膜7を被覆する処理を行った。導電性
皮膜7を被覆することにより、圧電素子3の電極3aと
振動体2に被覆された導電性被膜7を介して外部との導
通が可能となるため、硬質アルマイト層6の被覆時にマ
スキング等の手段を講じたり、圧電アクチュエータ1の
構造を変更することなく、従来の構造で耐久性に優れた
圧電アクチュエータ1が実現可能になる。
面に硬質アルマイト層6が被覆された全表層に、導電性
を有する導電性皮膜7を被覆する処理を行った。導電性
皮膜7を被覆することにより、圧電素子3の電極3aと
振動体2に被覆された導電性被膜7を介して外部との導
通が可能となるため、硬質アルマイト層6の被覆時にマ
スキング等の手段を講じたり、圧電アクチュエータ1の
構造を変更することなく、従来の構造で耐久性に優れた
圧電アクチュエータ1が実現可能になる。
【0033】ここで導電性被膜7には、例えば、Au、
CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方法も
湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいかなる
方法を用いてもよい。
CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方法も
湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいかなる
方法を用いてもよい。
【0034】本発明の実施の形態1においては、導電性
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜7にはクロメート化成処理被膜を適用した。クロ
メート化成処理の防錆効果により、更に振動体2の耐食
性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理皮膜
は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子3と振
動体2との接着性を向上させ、高出力駆動による接着剥
がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更に信頼性
に優れた圧電アクチュエータ1が得られる。
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜7にはクロメート化成処理被膜を適用した。クロ
メート化成処理の防錆効果により、更に振動体2の耐食
性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理皮膜
は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子3と振
動体2との接着性を向上させ、高出力駆動による接着剥
がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更に信頼性
に優れた圧電アクチュエータ1が得られる。
【0035】[実施の形態2]図3は、本発明を適用し
た実施の形態2に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図3(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ11の断面図を示し、図3(B)は振動体12と移動
体15が接触する接触面12aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは11は、圧電素子13
と、圧電素子13に接合された振動体12と、加圧機構
14で振動体12に圧接される移動体15とを備えてお
り、圧電素子13には、電極13aが設けられており、
振動体12には、移動体15と接触する接触面12aが
設けられている。振動体12および接触面12aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体12およ
び接触面12aの全表面には、硬質アルマイト層16が
被覆され、さらに移動体15と接する接触面12a部分
を除いた硬質アルマイト層16の全表層には導電性を有
する導電性皮膜17が被覆されている。これにより、従
来の構造で耐食性が向上し、接触面12aの先端の摩耗
を防止し、移動体15に擦傷をつけることなく、製造時
の初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧
電アクチュエータ11が実現できた。
た実施の形態2に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図3(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ11の断面図を示し、図3(B)は振動体12と移動
体15が接触する接触面12aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは11は、圧電素子13
と、圧電素子13に接合された振動体12と、加圧機構
14で振動体12に圧接される移動体15とを備えてお
り、圧電素子13には、電極13aが設けられており、
振動体12には、移動体15と接触する接触面12aが
設けられている。振動体12および接触面12aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体12およ
び接触面12aの全表面には、硬質アルマイト層16が
被覆され、さらに移動体15と接する接触面12a部分
を除いた硬質アルマイト層16の全表層には導電性を有
する導電性皮膜17が被覆されている。これにより、従
来の構造で耐食性が向上し、接触面12aの先端の摩耗
を防止し、移動体15に擦傷をつけることなく、製造時
の初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧
電アクチュエータ11が実現できた。
【0036】図4は、実施の形態2の圧電アクチュエー
タ11の振動体12の製造方法について説明する図であ
り、図4(A)〜(E)は、振動体12の製造工程を示
し、特に接触面12aを中心に拡大した模式図を示す。
まず、図4(A)において、アルミ合金部材より切削や
鍛造、エッチング等を利用して圧電アクチュエータ11
で使用される振動体12を所望の形状に加工する。
タ11の振動体12の製造方法について説明する図であ
り、図4(A)〜(E)は、振動体12の製造工程を示
し、特に接触面12aを中心に拡大した模式図を示す。
まず、図4(A)において、アルミ合金部材より切削や
鍛造、エッチング等を利用して圧電アクチュエータ11
で使用される振動体12を所望の形状に加工する。
【0037】次に図4(B)において、所望の形状に加
工された振動体12および接触面12aの角部を0.3
mmR以上の面取り加工を行う。この面取り加工によっ
て、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、振
動体12および接触面12aの角部にも硬質アルマイト
層16を確実に成長させることができるようになる。
工された振動体12および接触面12aの角部を0.3
mmR以上の面取り加工を行う。この面取り加工によっ
て、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、振
動体12および接触面12aの角部にも硬質アルマイト
層16を確実に成長させることができるようになる。
【0038】次に図4(C)において、面取り加工され
た振動体12の全表面に硬質アルマイト層16を被覆す
る処理を行う。振動体12および接触面12aの角部は
0.3mmR以上に面取り加工されているので、角部に
も硬質アルマイト層16が確実に成長し、アルミ合金素
地が表面に現れている部分がなくなり、耐食性の向上が
可能となる。また、被覆された硬質アルマイト層16
は、硬さがHv400以上にもなるため、移動体を駆動
することによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐
久性の優れた圧電アクチュエータ11の実現が可能とな
る。
た振動体12の全表面に硬質アルマイト層16を被覆す
る処理を行う。振動体12および接触面12aの角部は
0.3mmR以上に面取り加工されているので、角部に
も硬質アルマイト層16が確実に成長し、アルミ合金素
地が表面に現れている部分がなくなり、耐食性の向上が
可能となる。また、被覆された硬質アルマイト層16
は、硬さがHv400以上にもなるため、移動体を駆動
することによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐
久性の優れた圧電アクチュエータ11の実現が可能とな
る。
【0039】次に図4(D)において、振動体12の全
表面に硬質アルマイト層16が被覆された全表層に、導
電性を有する導電性皮膜17を被覆する処理を行う。導
電性皮膜17を被覆することにより、圧電素子13の電
極13aと振動体12に被覆された導電性被膜17を介
して外部との導通が可能となるため、硬質アルマイト層
16の被覆時にマスキング等の手段を講じたり、圧電ア
クチュエータ11の構造を変更することなく、従来の構
造で耐久性に優れた圧電アクチュエータ11が実現可能
になる。
表面に硬質アルマイト層16が被覆された全表層に、導
電性を有する導電性皮膜17を被覆する処理を行う。導
電性皮膜17を被覆することにより、圧電素子13の電
極13aと振動体12に被覆された導電性被膜17を介
して外部との導通が可能となるため、硬質アルマイト層
16の被覆時にマスキング等の手段を講じたり、圧電ア
クチュエータ11の構造を変更することなく、従来の構
造で耐久性に優れた圧電アクチュエータ11が実現可能
になる。
【0040】ここで導電性被膜17には、例えば、A
u、CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方
法も湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいか
なる方法を用いてもよい。
u、CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方
法も湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいか
なる方法を用いてもよい。
【0041】本発明の実施の形態2においては、導電性
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜17にはクロメート化成処理被膜を使用する。ク
ロメート化成処理の防錆効果により、更に振動体12の
耐食性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理
皮膜は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子1
3と振動体12との接着性を向上させ、高出力駆動によ
る接着剥がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更
に信頼性に優れた圧電アクチュエータ11が得られる。
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜17にはクロメート化成処理被膜を使用する。ク
ロメート化成処理の防錆効果により、更に振動体12の
耐食性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理
皮膜は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子1
3と振動体12との接着性を向上させ、高出力駆動によ
る接着剥がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更
に信頼性に優れた圧電アクチュエータ11が得られる。
【0042】次に図4(E)において、移動体15と接
触する振動体12の接触面12aに被覆された導電性皮
膜17を除去すると共に、接触面12aの硬質アルマイ
ト層16を平滑にする。導電性皮膜17の除去と硬質ア
ルマイト層16の平滑化は、ペーパーや砥石や砥粒によ
る研磨や研削、バイトによる切削加工等のいかなる方法
を用いてもよい。本発明の実施の形態2においては、加
工性および加工制御並びに加工スピード考慮し、ダイヤ
バイトを使った切削を適用し、接触面12aの導電性皮
膜17の除去と硬質アルマイト層16の平滑化を同時に
行う。導電性皮膜17を除去することで、摩耗した導電
性皮膜物質が移動体15へ付着することが無くなり、製
造時の初期特性を維持することができる。また、硬質ア
ルマイト層16を平滑化することにより、移動体15に
擦傷をつけることなく、耐久性の高い圧電アクチュエー
タ11が実現される。
触する振動体12の接触面12aに被覆された導電性皮
膜17を除去すると共に、接触面12aの硬質アルマイ
ト層16を平滑にする。導電性皮膜17の除去と硬質ア
ルマイト層16の平滑化は、ペーパーや砥石や砥粒によ
る研磨や研削、バイトによる切削加工等のいかなる方法
を用いてもよい。本発明の実施の形態2においては、加
工性および加工制御並びに加工スピード考慮し、ダイヤ
バイトを使った切削を適用し、接触面12aの導電性皮
膜17の除去と硬質アルマイト層16の平滑化を同時に
行う。導電性皮膜17を除去することで、摩耗した導電
性皮膜物質が移動体15へ付着することが無くなり、製
造時の初期特性を維持することができる。また、硬質ア
ルマイト層16を平滑化することにより、移動体15に
擦傷をつけることなく、耐久性の高い圧電アクチュエー
タ11が実現される。
【0043】[実施の形態3]図5は、本発明を適用し
た実施の形態3に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図5(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ21の断面図を示し、図5(B)は振動体22と移動
体25が接触する接触面22aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは21は、圧電素子23
と、圧電素子23に接合された振動体22と、加圧機構
24で振動体22に圧接される移動体25とを備えてお
り、圧電素子23には、電極23aが設けられており、
振動体22には、移動体25と接触する接触面22aが
設けられている。振動体22および接触面22aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体22およ
び接触面22aの全表面には、硬質アルマイト層26が
被覆され、移動体25と接する接触面22a部分を除い
た硬質アルマイト層26の全表層には導電性を有する導
電性皮膜27が被覆されている。さらに接触面22aに
被覆された硬質アルマイト層26には、固体潤滑剤28
が含浸させてある。これにより、従来の構造で耐食性が
向上し、移動体25および接触面22aの先端の摩耗を
防止し、移動体25に擦傷をつけることなく、製造時の
初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ21が実現できる。
た実施の形態3に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図5(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ21の断面図を示し、図5(B)は振動体22と移動
体25が接触する接触面22aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは21は、圧電素子23
と、圧電素子23に接合された振動体22と、加圧機構
24で振動体22に圧接される移動体25とを備えてお
り、圧電素子23には、電極23aが設けられており、
振動体22には、移動体25と接触する接触面22aが
設けられている。振動体22および接触面22aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体22およ
び接触面22aの全表面には、硬質アルマイト層26が
被覆され、移動体25と接する接触面22a部分を除い
た硬質アルマイト層26の全表層には導電性を有する導
電性皮膜27が被覆されている。さらに接触面22aに
被覆された硬質アルマイト層26には、固体潤滑剤28
が含浸させてある。これにより、従来の構造で耐食性が
向上し、移動体25および接触面22aの先端の摩耗を
防止し、移動体25に擦傷をつけることなく、製造時の
初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ21が実現できる。
【0044】図6は、実施の形態3の圧電アクチュエー
タ21の振動体22の製造方法について説明する図であ
り、図6(A)〜(F)は、振動体22の製造工程を示
し、特に接触面22aを中心に拡大した模式図を示す。
まず、図6(A)において、アルミ合金部材より切削や
鍛造、エッチング等を利用して圧電アクチュエータ21
で使用される振動体22を所望の形状に加工した。
タ21の振動体22の製造方法について説明する図であ
り、図6(A)〜(F)は、振動体22の製造工程を示
し、特に接触面22aを中心に拡大した模式図を示す。
まず、図6(A)において、アルミ合金部材より切削や
鍛造、エッチング等を利用して圧電アクチュエータ21
で使用される振動体22を所望の形状に加工した。
【0045】次に図6(B)において、所望の形状に加
工された振動体22および接触面22aの角部を0.3
mmR以上の面取り加工を行った。この面取り加工によ
って、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、
振動体22および接触面22aの角部にも硬質アルマイ
ト層26を確実に成長させることができるようになる。
工された振動体22および接触面22aの角部を0.3
mmR以上の面取り加工を行った。この面取り加工によ
って、0.2mmR以下の稜線をもつ角部が解消され、
振動体22および接触面22aの角部にも硬質アルマイ
ト層26を確実に成長させることができるようになる。
【0046】次に図6(C)において、面取り加工され
た振動体22の全表面に硬質アルマイト層26を被覆す
る処理を行った。振動体22および接触面22aの角部
は0.3mmR以上に面取り加工されているので、角部
にも硬質アルマイト層26が確実に成長し、アルミ合金
素地が表面に現れている部分がなくなり、耐食性の向上
が可能となる。また、被覆された硬質アルマイト層26
は、硬さがHv400以上にもなるため、移動体を駆動
することによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐
久性の優れた圧電アクチュエータ21の実現が可能とな
る。
た振動体22の全表面に硬質アルマイト層26を被覆す
る処理を行った。振動体22および接触面22aの角部
は0.3mmR以上に面取り加工されているので、角部
にも硬質アルマイト層26が確実に成長し、アルミ合金
素地が表面に現れている部分がなくなり、耐食性の向上
が可能となる。また、被覆された硬質アルマイト層26
は、硬さがHv400以上にもなるため、移動体を駆動
することによる振動体接触面先端の摩耗は防止され、耐
久性の優れた圧電アクチュエータ21の実現が可能とな
る。
【0047】次に図6(D)において、振動体22の全
表面に硬質アルマイト層26が被覆された全表層に、導
電性を有する導電性皮膜27を被覆する処理を行った。
導電性皮膜27を被覆することにより、圧電素子23の
電極23aと振動体22に被覆された導電性被膜27を
介して外部との導通が可能となるため、硬質アルマイト
層26の被覆時にマスキング等の手段を講じたり、圧電
アクチュエータ21の構造を変更することなく、従来の
構造で耐久性に優れた圧電アクチュエータ21が実現可
能になる。
表面に硬質アルマイト層26が被覆された全表層に、導
電性を有する導電性皮膜27を被覆する処理を行った。
導電性皮膜27を被覆することにより、圧電素子23の
電極23aと振動体22に被覆された導電性被膜27を
介して外部との導通が可能となるため、硬質アルマイト
層26の被覆時にマスキング等の手段を講じたり、圧電
アクチュエータ21の構造を変更することなく、従来の
構造で耐久性に優れた圧電アクチュエータ21が実現可
能になる。
【0048】ここで導電性被膜27には、例えば、A
u、CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方
法も湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいか
なる方法を用いてもよい。
u、CR、Ni等の導電性を示す部材からなり、被覆方
法も湿式メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法等のいか
なる方法を用いてもよい。
【0049】本発明の実施の形態3においては、導電性
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜27にはクロメート化成処理被膜を適用した。ク
ロメート化成処理の防錆効果により、更に振動体22の
耐食性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理
皮膜は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子2
3と振動体22との接着性を向上させ、高出力駆動によ
る接着剥がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更
に信頼性に優れた圧電アクチュエータ21が得られる。
および防錆効果並びに接着剤との濡れ性を考慮し、導電
性皮膜27にはクロメート化成処理被膜を適用した。ク
ロメート化成処理の防錆効果により、更に振動体22の
耐食性の向上が可能となる。また、クロメート化成処理
皮膜は、接着剤との濡れ性を良好にするため圧電素子2
3と振動体22との接着性を向上させ、高出力駆動によ
る接着剥がれや高温高湿での接着力の低下を防止し、更
に信頼性に優れた圧電アクチュエータ21が得られる。
【0050】次に図6(E)において、移動体25と接
触する振動体22の接触面22aに被覆された導電性皮
膜27を除去すると共に、接触面22aの硬質アルマイ
ト層26を平滑にすることを行う。導電性皮膜27の除
去と硬質アルマイト層26の平滑化は、ペーパーや砥石
や砥粒による研磨や研削、バイトによる切削加工等のい
かなる方法を用いてもよい。
触する振動体22の接触面22aに被覆された導電性皮
膜27を除去すると共に、接触面22aの硬質アルマイ
ト層26を平滑にすることを行う。導電性皮膜27の除
去と硬質アルマイト層26の平滑化は、ペーパーや砥石
や砥粒による研磨や研削、バイトによる切削加工等のい
かなる方法を用いてもよい。
【0051】本発明の実施の形態3においては、加工性
および加工制御並びに加工スピード考慮し、ダイヤバイ
トを使った切削を適用し、接触面22aの導電性皮膜2
7の除去と硬質アルマイト層26の平滑化を同時に行
う。導電性皮膜27を除去することで、摩耗した導電性
皮膜物質が移動体25へ付着することが無くなり、製造
時の初期特性を維持することができる。また、硬質アル
マイト層26を平滑化することにより、移動体25に擦
傷をつけることなく、耐久性の高い圧電アクチュエータ
21が実現される。
および加工制御並びに加工スピード考慮し、ダイヤバイ
トを使った切削を適用し、接触面22aの導電性皮膜2
7の除去と硬質アルマイト層26の平滑化を同時に行
う。導電性皮膜27を除去することで、摩耗した導電性
皮膜物質が移動体25へ付着することが無くなり、製造
時の初期特性を維持することができる。また、硬質アル
マイト層26を平滑化することにより、移動体25に擦
傷をつけることなく、耐久性の高い圧電アクチュエータ
21が実現される。
【0052】次に図6(F)において、接触面22aを
被覆している平滑にした硬質アルマイト層26に、固体
潤滑剤28を含浸させることを行う。移動体と25と接
触面22aとの間隙には、常に硬質アルマイト層26と
固体潤滑剤28とが存在するので、移動体および、振動
体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を起こすこ
となく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエータの実
現が可能となる。固体潤滑剤28にはグラファイト、二
硫化モリブデン、フッ素樹脂等いずれでもよい。また、
含浸方法は、固体潤滑剤の粉末を結合材と共に塗料状に
して塗布する方法や、固体潤滑剤の粉末を布や皮にまぶ
して擦り込む等のいかなる方法を用いてもよい。
被覆している平滑にした硬質アルマイト層26に、固体
潤滑剤28を含浸させることを行う。移動体と25と接
触面22aとの間隙には、常に硬質アルマイト層26と
固体潤滑剤28とが存在するので、移動体および、振動
体の接触面は、長期間の駆動に対しても摩耗を起こすこ
となく、耐久性が非常に優れた圧電アクチュエータの実
現が可能となる。固体潤滑剤28にはグラファイト、二
硫化モリブデン、フッ素樹脂等いずれでもよい。また、
含浸方法は、固体潤滑剤の粉末を結合材と共に塗料状に
して塗布する方法や、固体潤滑剤の粉末を布や皮にまぶ
して擦り込む等のいかなる方法を用いてもよい。
【0053】本発明の実施の形態3においては、固体潤
滑剤28にグラファイトを適用し、含浸方法として擦り
込みを適用する。平らで平滑な板にグラファイト粉末ま
ぶし、その上から接触面22aを下に向けた振動体22
をこすりつけて、平滑に加工された硬質アルマイト層2
6の表面に固体潤滑剤28を擦り込み含浸させる。
滑剤28にグラファイトを適用し、含浸方法として擦り
込みを適用する。平らで平滑な板にグラファイト粉末ま
ぶし、その上から接触面22aを下に向けた振動体22
をこすりつけて、平滑に加工された硬質アルマイト層2
6の表面に固体潤滑剤28を擦り込み含浸させる。
【0054】[実施の形態4]図7は、本発明を適用し
た実施の形態4に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図7(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ31の断面図を示し、図7(B)は振動体32と移動
体35が接触する接触面32aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは31は、圧電素子33
と、圧電素子33に接合された振動体32と、振動体3
2を移動体35へ圧接する加圧機構34とを備えてお
り、圧電素子33には、電極33aが設けられており、
振動体32には、移動体35と接触する接触面32aが
設けられている。振動体32および接触面32aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体32およ
び接触面32aの全表面には、硬質アルマイト層36が
被覆され、さらに硬質アルマイト層36の全表層には導
電性を有する導電性皮膜37が被覆されている。これに
より、従来の構造で耐食性が向上し、接触面32aの先
端の摩耗を防止した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ31が実現できた。
た実施の形態4に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図7(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ31の断面図を示し、図7(B)は振動体32と移動
体35が接触する接触面32aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは31は、圧電素子33
と、圧電素子33に接合された振動体32と、振動体3
2を移動体35へ圧接する加圧機構34とを備えてお
り、圧電素子33には、電極33aが設けられており、
振動体32には、移動体35と接触する接触面32aが
設けられている。振動体32および接触面32aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体32およ
び接触面32aの全表面には、硬質アルマイト層36が
被覆され、さらに硬質アルマイト層36の全表層には導
電性を有する導電性皮膜37が被覆されている。これに
より、従来の構造で耐食性が向上し、接触面32aの先
端の摩耗を防止した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ31が実現できた。
【0055】実施の形態4の圧電アクチュエータ31の
振動体32の製造方法は、実施の形態1と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
振動体32の製造方法は、実施の形態1と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
【0056】[実施の形態5]図8は、本発明を適用し
た実施の形態5に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図8(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ41の断面図を示し、図8(B)は振動体42と移動
体45が接触する接触面42aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは41は、圧電素子43
と、圧電素子43に接合された振動体42と、振動体4
2を移動体45へ圧接する加圧機構44とを備えてお
り、圧電素子43には、電極43aが設けられており、
振動体42には、移動体45と接触する接触面42aが
設けられている。振動体42および接触面42aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体42およ
び接触面42aの全表面には、硬質アルマイト層46が
被覆され、さらに移動体45と接する接触面42a部分
を除いた硬質アルマイト層46の全表層には導電性を有
する導電性皮膜47が被覆されている。これにより、従
来の構造で耐食性が向上し、接触面42aの先端の摩耗
を防止し、移動体45に擦傷をつけることなく、製造時
の初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧
電アクチュエータ41が実現することができる。
た実施の形態5に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図8(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ41の断面図を示し、図8(B)は振動体42と移動
体45が接触する接触面42aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは41は、圧電素子43
と、圧電素子43に接合された振動体42と、振動体4
2を移動体45へ圧接する加圧機構44とを備えてお
り、圧電素子43には、電極43aが設けられており、
振動体42には、移動体45と接触する接触面42aが
設けられている。振動体42および接触面42aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体42およ
び接触面42aの全表面には、硬質アルマイト層46が
被覆され、さらに移動体45と接する接触面42a部分
を除いた硬質アルマイト層46の全表層には導電性を有
する導電性皮膜47が被覆されている。これにより、従
来の構造で耐食性が向上し、接触面42aの先端の摩耗
を防止し、移動体45に擦傷をつけることなく、製造時
の初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧
電アクチュエータ41が実現することができる。
【0057】実施の形態5の圧電アクチュエータ41の
振動体42の製造方法は、実施の形態2と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
振動体42の製造方法は、実施の形態2と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
【0058】[実施の形態6]図9は、本発明を適用し
た実施の形態6に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図9(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ51の断面図を示し、図9(B)は振動体52と移動
体55が接触する接触面52aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは51は、圧電素子53
と、圧電素子53に接合された振動体52と、振動体5
2を移動体55へ圧接する加圧機構54とを備えてお
り、圧電素子53には、電極53aが設けられており、
振動体52には、移動体55と接触する接触面52aが
設けられている。振動体52および接触面52aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体52およ
び接触面52aの全表面には、硬質アルマイト層56が
被覆され、移動体55と接する接触面52a部分を除い
た硬質アルマイト層56の全表層には導電性を有する導
電性皮膜57が被覆されている。さらに接触面52aに
被覆された硬質アルマイト層56には、固体潤滑剤58
が含浸させてある。これにより、従来の構造で耐食性が
向上し、移動体55および接触面52aの先端の摩耗を
防止し、移動体55に擦傷をつけることなく、製造時の
初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ51を実現することができる。
た実施の形態6に係わる圧電アクチュエータを示す図で
あり、図9(A)は本発明を適用した圧電アクチュエー
タ51の断面図を示し、図9(B)は振動体52と移動
体55が接触する接触面52aを中心に拡大した模式図
を示す。圧電アクチュエータは51は、圧電素子53
と、圧電素子53に接合された振動体52と、振動体5
2を移動体55へ圧接する加圧機構54とを備えてお
り、圧電素子53には、電極53aが設けられており、
振動体52には、移動体55と接触する接触面52aが
設けられている。振動体52および接触面52aの角部
は0.3mmR以上の面取りがなされ、振動体52およ
び接触面52aの全表面には、硬質アルマイト層56が
被覆され、移動体55と接する接触面52a部分を除い
た硬質アルマイト層56の全表層には導電性を有する導
電性皮膜57が被覆されている。さらに接触面52aに
被覆された硬質アルマイト層56には、固体潤滑剤58
が含浸させてある。これにより、従来の構造で耐食性が
向上し、移動体55および接触面52aの先端の摩耗を
防止し、移動体55に擦傷をつけることなく、製造時の
初期特性を維持した耐久性ならびに信頼性に優れた圧電
アクチュエータ51を実現することができる。
【0059】実施の形態6の圧電アクチュエータ51の
振動体52の製造方法は、実施の形態3と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
振動体52の製造方法は、実施の形態3と同様に行った
ため、ここでの説明は省略する。
【0060】[実施の形態7]図10は、本発明に係わ
る圧電アクチュエータを電子機器に適用した実施の形態
7のブロック図を示す。本発明の圧電アクチュエータ付
き電子機器は、振動体62と振動体62により駆動され
る移動体65と、移動体65と振動体62に接触圧を与
える加圧機構64と、移動体65連動して可動する伝達
機構70と、伝達機構70の動作に基づいて運動する出
力機構71から構成されている。ここで、伝達機構70
には、例えば、歯車、摩擦車等の伝達車を用いる。伝達
機構70を省略し、直接出力機構71を設けても構わな
い。出力機構72には、例えば、指示装置や、電子時計
においては指針あるいは指針駆動機構やカレンダ等の表
示板、あるいは表示板駆動機構を、コピー機やプリンタ
においてはレーザの方向を変えるミラーを、カメラやビ
デオカメラにおいてはシャッタ駆動機構、絞り駆動機
構、レンズ駆動機構、フィルム巻き上げ機構等を、レー
ザや光を利用した計測器や製造装置、センサーにおいて
は光の遮断・透過や特定波長の光のみを透過するスリッ
ト板やフィルターを、音響機器のボリュウム等には抵抗
値や容量値を可変する接点機構やギャップ板を、ハード
ディスクや光ディスクにおいてはピックアップ駆動機構
を、ロボットにおいてはアーム等を、工作機械等におい
ては、刃具送り機構や、加工部材送り機構等を用いる。
る圧電アクチュエータを電子機器に適用した実施の形態
7のブロック図を示す。本発明の圧電アクチュエータ付
き電子機器は、振動体62と振動体62により駆動され
る移動体65と、移動体65と振動体62に接触圧を与
える加圧機構64と、移動体65連動して可動する伝達
機構70と、伝達機構70の動作に基づいて運動する出
力機構71から構成されている。ここで、伝達機構70
には、例えば、歯車、摩擦車等の伝達車を用いる。伝達
機構70を省略し、直接出力機構71を設けても構わな
い。出力機構72には、例えば、指示装置や、電子時計
においては指針あるいは指針駆動機構やカレンダ等の表
示板、あるいは表示板駆動機構を、コピー機やプリンタ
においてはレーザの方向を変えるミラーを、カメラやビ
デオカメラにおいてはシャッタ駆動機構、絞り駆動機
構、レンズ駆動機構、フィルム巻き上げ機構等を、レー
ザや光を利用した計測器や製造装置、センサーにおいて
は光の遮断・透過や特定波長の光のみを透過するスリッ
ト板やフィルターを、音響機器のボリュウム等には抵抗
値や容量値を可変する接点機構やギャップ板を、ハード
ディスクや光ディスクにおいてはピックアップ駆動機構
を、ロボットにおいてはアーム等を、工作機械等におい
ては、刃具送り機構や、加工部材送り機構等を用いる。
【0061】圧電アクチュエータ付き電子機器として
は、例えば、電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印
刷機、工作機械、ロボット、移動装置、医療機器、光学
機器、光通信機器、記憶装置、情報機器などに適用でき
る。さらに、移動体65に出力軸を取り付け出力軸から
のトルクを伝達するための、動力伝達機構を有する構成
とすれば、圧電アクチュエータ駆動機構が実現できる。
は、例えば、電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印
刷機、工作機械、ロボット、移動装置、医療機器、光学
機器、光通信機器、記憶装置、情報機器などに適用でき
る。さらに、移動体65に出力軸を取り付け出力軸から
のトルクを伝達するための、動力伝達機構を有する構成
とすれば、圧電アクチュエータ駆動機構が実現できる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかのように、振動体
の全表面を硬質アルマイト層で被覆し、さらに硬質アル
マイト層の全表層に導電性を有する導電性皮膜を被覆す
ることにより、高温高湿の環境下で長時間さらされたと
しても、振動体表面や移動体との接触面が腐食されるこ
とをなくすことができる。、また、長時間の駆動に対し
ても振動体の接触面は摩耗することがないので、圧電ア
クチュエータの性能劣化を防止することができる。
の全表面を硬質アルマイト層で被覆し、さらに硬質アル
マイト層の全表層に導電性を有する導電性皮膜を被覆す
ることにより、高温高湿の環境下で長時間さらされたと
しても、振動体表面や移動体との接触面が腐食されるこ
とをなくすことができる。、また、長時間の駆動に対し
ても振動体の接触面は摩耗することがないので、圧電ア
クチュエータの性能劣化を防止することができる。
【0063】導電性皮膜を硬質アルマイト層の表層に被
覆することにしたので、圧電素子の電極と振動体とを導
通させることもできる。また、硬質アルマイト層を被覆
するときのマスキング等の手段を講じることも不要とな
る。 移動体と接触する振動体の接触面の導電性皮膜を
除去し、硬質アルマイト層を平滑にすることにしたの
で、導電性皮膜に耐摩耗性の乏しいクロメート化成処理
を適用しても、初期性能を維持することができ、かつ、
高出力駆動時の接着剥がれや高温高湿での接着力低下が
防止でき、また、移動体に擦傷をつけることがないの
で、長時間の駆動に対しても摩耗することがなく、耐久
性の優れた圧電アクチュエータが実現できる。
覆することにしたので、圧電素子の電極と振動体とを導
通させることもできる。また、硬質アルマイト層を被覆
するときのマスキング等の手段を講じることも不要とな
る。 移動体と接触する振動体の接触面の導電性皮膜を
除去し、硬質アルマイト層を平滑にすることにしたの
で、導電性皮膜に耐摩耗性の乏しいクロメート化成処理
を適用しても、初期性能を維持することができ、かつ、
高出力駆動時の接着剥がれや高温高湿での接着力低下が
防止でき、また、移動体に擦傷をつけることがないの
で、長時間の駆動に対しても摩耗することがなく、耐久
性の優れた圧電アクチュエータが実現できる。
【0064】振動体や接触面の角部を0.3mmR以上
とすることにより、角部にも硬質アルマイト層が確実に
成長でき、アルミ合金素地が表面に現れている部分がな
くなり、耐食性を向上させることができる。
とすることにより、角部にも硬質アルマイト層が確実に
成長でき、アルミ合金素地が表面に現れている部分がな
くなり、耐食性を向上させることができる。
【0065】硬質アルマイト層に固体潤滑剤を含有させ
たので、移動体および、振動体の接触面は、長期間の駆
動に対しても摩耗を起こすことなく、耐久性が非常に優
れた圧電アクチュエータを実現することができる。
たので、移動体および、振動体の接触面は、長期間の駆
動に対しても摩耗を起こすことなく、耐久性が非常に優
れた圧電アクチュエータを実現することができる。
【0066】本発明の圧電アクチュエータを電子機器に
備えることにより、電子機器の小型化、薄型化の実現の
みならず、耐久性に非常に優れた電子機器を実現するこ
とができる。
備えることにより、電子機器の小型化、薄型化の実現の
みならず、耐久性に非常に優れた電子機器を実現するこ
とができる。
【図1】本発明を適用した実施の形態1に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図1(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図1(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図1(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図1(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図2】実施の形態1の圧電アクチュエータの振動体の
製造方法について説明する図であり、図2(A)〜
(D)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
製造方法について説明する図であり、図2(A)〜
(D)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
【図3】本発明を適用した実施の形態2に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図3(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図3(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図3(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図3(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図4】実施の形態2の圧電アクチュエータの振動体の
製造方法について説明する図であり、図4(A)〜
(E)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
製造方法について説明する図であり、図4(A)〜
(E)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
【図5】本発明を適用した実施の形態3に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図5(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図5(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図5(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図5(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図6】実施の形態3の圧電アクチュエータの振動体の
製造方法について説明する図であり、図6(A)〜
(F)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
製造方法について説明する図であり、図6(A)〜
(F)は、振動体の製造工程を説明する図であり、特に
接触面を中心に拡大した模式図を示す。
【図7】本発明を適用した実施の形態4に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図7(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図7(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図7(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図7(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図8】本発明を適用した実施の形態5に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図8(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図8(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図8(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図8(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図9】本発明を適用した実施の形態6に係わる圧電ア
クチュエータを示す図であり、図9(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図9(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
クチュエータを示す図であり、図9(A)は本発明を適
用した圧電アクチュエータの断面図を示し、図9(B)
は振動体と移動体が接触する接触面を中心に拡大した模
式図である。
【図10】本発明に係わる圧電アクチュエータを電子機
器に適用した実施の形態7のブロック図を示す。
器に適用した実施の形態7のブロック図を示す。
1、11、21、31、41、51 圧
電アクチュエータ 2、12、22、32、42、52、62 振
動体 2a、12a、22a、32a、42a、52a 接
触面 3、13、23、33、43、53、63 圧
電素子 3a、13a、23a、33a、43a、53a 電
極 4、14、24、34、44、54、64 加
圧機構 5、15、25、35、45、55、65 移
動体 6、16、26、36、46、56 硬
質アルマイト層 7、17、27、37、47、57 導
電性皮膜 28、58 固
体潤滑剤 70 伝
達機構 71 出
力機構
電アクチュエータ 2、12、22、32、42、52、62 振
動体 2a、12a、22a、32a、42a、52a 接
触面 3、13、23、33、43、53、63 圧
電素子 3a、13a、23a、33a、43a、53a 電
極 4、14、24、34、44、54、64 加
圧機構 5、15、25、35、45、55、65 移
動体 6、16、26、36、46、56 硬
質アルマイト層 7、17、27、37、47、57 導
電性皮膜 28、58 固
体潤滑剤 70 伝
達機構 71 出
力機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA12 BB16 BC01 BC02 BC04 BC05 BC08 BC09 DD23 DD35 DD43 DD66 DD74 DD99 FF17
Claims (10)
- 【請求項1】 表面を硬質アルマイトで被覆した硬質ア
ルマイト層と前記硬質アルマイト層の表面の少なくとも
一部に導電性を有する皮膜で被覆した導電性皮膜を有す
る振動体と、 前記振動体の一部と接触し前記振動体の振動により駆動
される移動体と、 を有する圧電アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記導電性皮膜は、前記振動体が前記移
動体と接触する接触面を除いた前記振動体の前記硬質ア
ルマイト層の表面の少なくとも一部に被覆してある請求
項1記載の圧電アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記振動体は、前記振動体が前記移動体
と接触する前記接触面に0.3mmR以上かつ前記接触
面の幅の2分の1よりも小さいRで面取りされた角部を
有する請求項1または2の圧電アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記硬質アルマイト層は、少なくとも表
面に固体潤滑剤を含浸させた請求項1乃至3のいずれか
に記載の圧電アクチュエータ。 - 【請求項5】 前記導電性皮膜は、導電性を有するクロ
メート化成処理皮膜である請求項1乃至4のいずれかに
記載の圧電アクチュエータ。 - 【請求項6】 振動体が移動体と接する前記振動体の接
触面に0.3mmR以上かつ前記接触面の幅の2分の1
よりも小さいRで面取りする工程と、 前記振動体の表面を硬質アルマイト層で被覆する工程
と、 前記硬質アルマイト層の表面少なくとも一部に導電性を
有する導電性皮膜で被覆する工程と、を有する圧電アク
チュエータの製造方法。 - 【請求項7】 前記振動体の前記接触面から前記導電性
皮膜を除去する工程と、 前記振動体の前記接触面の前記硬質アルマイト層を平滑
にする工程と、 を有する請求項6記載の圧電アクチュエータの製造方
法。 - 【請求項8】 前記硬質アルマイト層の少なくとも表面
に固体潤滑剤を含浸させる工程と、を有する請求項6ま
たは7に記載の圧電アクチュエータの製造方法。 - 【請求項9】 前記導電性皮膜は、導電性を有するクロ
メート化成処理皮膜である請求項6乃至8のいずれかに
記載の圧電アクチュエータの製造方法。 - 【請求項10】 請求項1から5記載のいずれかに記載
の圧電アクチュエータを備えた圧電アクチュエータ付き
電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000309535A JP2002118304A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータ製造方法並びに圧電アクチュエータ付き電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000309535A JP2002118304A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータ製造方法並びに圧電アクチュエータ付き電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002118304A true JP2002118304A (ja) | 2002-04-19 |
Family
ID=18789685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000309535A Pending JP2002118304A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータ製造方法並びに圧電アクチュエータ付き電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002118304A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187114A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Olympus Corp | 超音波モータ |
JP2008172870A (ja) * | 2007-01-09 | 2008-07-24 | Canon Inc | 振動子及び振動波駆動装置 |
-
2000
- 2000-10-10 JP JP2000309535A patent/JP2002118304A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187114A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Olympus Corp | 超音波モータ |
JP4659450B2 (ja) * | 2004-12-27 | 2011-03-30 | オリンパス株式会社 | 超音波モータ |
JP2008172870A (ja) * | 2007-01-09 | 2008-07-24 | Canon Inc | 振動子及び振動波駆動装置 |
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