JPH11262280A - 振動波駆動装置及び機器 - Google Patents

振動波駆動装置及び機器

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JPH11262280A
JPH11262280A JP10080527A JP8052798A JPH11262280A JP H11262280 A JPH11262280 A JP H11262280A JP 10080527 A JP10080527 A JP 10080527A JP 8052798 A JP8052798 A JP 8052798A JP H11262280 A JPH11262280 A JP H11262280A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦接触面の摩耗を抑制した耐久性が高い振
動波駆動装置を提供する。 【解決手段】 振動を発生させる振動体と、該振動体に
摩擦接触し、振動によって前記振動体と相対運動する移
動体を備えた振動波駆動装置において、前記振動体及び
移動体のうち一方の摩擦接触部が樹脂により形成され、
他方の摩擦接触部が中心線平均粗さ(Ra)で0.02
〜0.30μmRaに仕上げられたタングステンカーバ
イドを含む材料により形成されている振動波駆動装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気−機械エネル
ギー変換素子に電圧を印加する事により、振動体に振動
波を生じさせ、この振動体に接触する移動体との間で、
摩擦駆動により相対移動を起こさせる振動波駆動装置及
びそれを用いた機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に振動波駆動装置は、振動体の表面
粒子に円又は楕円運動を励起せしめ、これに押圧された
移動体を摩擦駆動するものである。振動波発生装置の振
動体及び移動体には摩擦材が取り付けられ、振動体に発
生した振動が効率良く移動体に伝わるようになってい
る。従って、振動体及び移動体の摩擦接触部に摩擦係数
の大きなものを摩擦材として設ける方が効率良く、振動
波駆動装置の出力を取り出す為に望ましい。
【0003】又、摩擦材の摩耗がそのまま振動波駆動装
置の耐久寿命につながるため、各種の摩擦材が用いられ
ているが、摩擦材としては、例えば、一方の摩擦接触部
には樹脂材を使用し、それに対し、他方の摩擦接触部に
は金属、窒化物、炭化物、酸化物等の硬度の高いものを
使用するのが一般的である。
【0004】又、振動体及び移動体のそれぞれの摩擦接
触部には、平面を出す為に、ラップ等の加工を行う事が
一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦接
触部の一方の硬度の高いもの使用した摩擦接触面側を鏡
面にすると、その面への移着膜(削れた樹脂材が表面に
付着するもの)の付着が悪くなり、他方の樹脂材を使用
した摩擦接触面側の面の摩耗が反対に増大してしまう。
これは、鏡面に仕上げられた接触面では、摺動する事で
付着するはずの移着膜が、接触面が滑らかすぎるが故、
接触面に付着せずかき落とされてしまい、樹脂材を使用
した摩擦接触面側が急速に摩耗してしまうからである。
【0006】しかもその摩擦接触面を鏡面にする事によ
り、摩擦係数が低下し、十分な出力が得られなくなって
しまう。又、硬度の高いものを使用した摩擦接触面側の
中心線平均粗さ(Ra)を大きくしすぎると、その面は
高度が高いにもかかわらず摩耗してしまう事がある。
又、一方の樹脂材も上記原因により摩耗が多くなり、そ
れが相手材表面に過剰に付着して振動体発生装置のスム
ーズな動作を妨げて性能を低下させてしまったりする。
【0007】そこで本発明の目的は、摩擦接触面の摩耗
を抑制した耐久性が高い振動波駆動装置及びそれを用い
た機器を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、振動を
発生させる振動体と、該振動体に摩擦接触し振動によっ
て前記振動体と相対運動する移動体を備えた振動波駆動
装置において、前記振動体及び移動体のうち一方の摩擦
接触部が樹脂により形成され、他方の摩擦接触部が中心
線平均粗さ(Ra)で0.02〜0.30μmRaに仕
上げられたタングステンカーバイド(以下WCと略記す
る)を含む材料により形成されている事を特徴とする振
動波駆動装置である。
【0009】前記WCを含む材料が、コバルト(以下C
oと略記する)を9〜25wt%含有するWC−Co材
料からなるのが好ましい。前記一方の摩擦接触部がWC
を含む材料を溶射して形成された溶射膜からなるのが好
ましい。前記WCを含む材料からなる溶射膜が、溶射に
より層状に溶け込み、W,C,Coの三元系金属間化合
物(η相)が生成されていることが好ましい。前記樹脂
が、炭素又はチタン酸カリウムの繊維を含む繊維含有樹
脂であるのが好ましい。
【0010】また、本発明は、上記の振動波駆動装置か
らなることを特徴とする振動波モータである。さらに、
本発明は、上記の振動波駆動装置を駆動源として設けた
ことを特徴とする機器である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の振動波駆動装置は、振動を発生させる振動体
と、該振動体に摩擦接触し、振動によって前記振動体と
相対運動する移動体を備えた振動波駆動装置において、
前記振動体及び前記移動体のうち一方の摩擦接触部が樹
脂により形成され、他方の摩擦接触部が中心線平均粗さ
(Ra)で0.02〜0.30μmRaに仕上げられた
WCを含む材料により形成されている事を特徴とする。
【0012】特に、本発明では、振動を発生する振動体
と、この振動体に接触する移動体で構成される振動波駆
動装置において、振動体及び移動体の一方の摩擦接触部
を繊維含有樹脂により形成し、他方の摩擦接触部がWC
−Co(Co:9〜25%含有)を含む溶射材により形
成されており、その溶射膜が層状に溶け込み、溶射によ
りW,C,Coの三元系金属間化合物(η相)が生成さ
れており、その溶射膜の表面が、中心線平均粗さ(R
a)で0.02〜0.30μmRaに仕上げられている
のが好ましい。
【0013】本発明の振動波駆動装置は、例えば振動波
モータ、紙送り装置、リニアモータ等に用いることがで
きる。また、本発明の振動波駆動装置は、駆動源として
各種の機器に用いることができる。機器の具体例として
は、カメラなどの光学機器、プリンター,複写機等の事
務機器、パワーウインドー,アクティブサスペンション
等の自動車関連機器が挙げられる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。図1は、本発明の振動波駆動装置の一実施形態で
あるリング状振動波モーターの摩擦接触部を示す概略図
である。図2は図1の振動波駆動装置の振動体を示す説
明図、図3は図1の振動波駆動装置の駆動状態を示す説
明図である。この図1〜3に示す振動波モーターの駆動
原理は、例えば特開昭59−201685号公報等によ
り既に公知である。
【0015】同図において、1は振動体である。この振
動体lは、例えば直径30mmのリング状に形成されて
おり上面周方向には多数の突起1bが形成されており、
その各突起1bには、摩擦材laが貼付けられている。
この摩擦材laは、フッ素樹脂を基材として作られてお
り、直径10μm、長さ0.1mmの炭素繊維が20重
量%含有されている。
【0016】2は移動体であり、この移動体2の接触面
2a側には、WC−Coが溶射されている。この溶射さ
れた面は、レジン#2000番の研削盤に、1Mpaの
加圧で研削加工され、中心線平均粗さ(Ra)が0.0
2μmRaになるように形成されている。中心線平均粗
さ(Ra)は、JIS B0601−1982に準拠し
て測定した値を示す。
【0017】3は振動体1に接合された電気−機械エネ
ルギー変換素子であり、この変換素子3は交流電圧を受
けて振動体1に進行性振動波を発生させ、突起部lbを
楕円運動させる。その結果、前記移動体2が回転するわ
けであるが、この動きは摩擦力を介して生じる相対的な
もので、移動体2を固定すれば振動体1が回転する。そ
こで、摩擦接触面にWC−Coを溶射した移動体2を、
いくつかの種類の中心線平均粗さ(Ra)に仕上げて実
験を行った。
【0018】先ず、移動体2の溶射膜の表面仕上げを研
削盤のレジン#400番で行い、中心線平均粗さ0.4
0μmRaに仕上げたものと、レジン#2000番で行
い、中心線平均粗さ0.02μmRaに仕上げたものを
用いて、それぞれ振動体1と摩擦接触させ、100時間
駆動後、移動体の溶射膜表面を観察した。ここに述べて
いる研削盤のレジンとは、例えば#400番ではポリイ
ミド等の樹脂に粒径が40〜60μmのダイヤを混ぜ、
成型したものをいい、#2000番では粒径が5〜10
μmのダイヤを混合したものをいう。これにWC−Co
が溶射された面をあて、1MPaの面圧がかるように加
圧し、溶射膜の表面を研削した。
【0019】その結果、0.40μmRaと0.02μ
mRaでは0.40μmRaの方が、相手の振動体の摩
擦接触部の複合樹脂の摩耗が多く、移動体の接触面であ
るWC−Co溶射面も摺動傷が多かった。
【0020】これは、0.40μmRaに仕上げた移動
体の摩擦接触面は、中心線平均粗さ(Ra)が大きく、
言わばやすりの面の様になっている為、繊維含有とはい
えWC−Co溶射面と比べると非常に柔らかい樹脂が摩
耗するためである。そしてWC−Co溶射面に傷がはい
っているのは、この面がやすりのように荒れている為、
凸部の根元に応力がかかり、それが脱粒し砥粒となって
傷をつけていると思われる。又、この脱粒した砥粒が樹
脂の摩耗を更に促進させている。
【0021】それに対し、0.02μmRaに仕上げら
れた移動体の摩擦接触面は、適度な中心線平均粗さ(R
a)であり、局所的な応力がかかりにくく、凸部が脱粒
する事が無い為、WC−Co溶射面に傷もはいらず、樹
脂材もさほど摩耗しなかった。
【0022】又、ラップ等の遊離砥粒を使用し研磨を行
い移動体の摩擦接触面が鏡面(0.01μmRa以下)
に仕上げられた面では、摺動する事で付着するはずの主
に炭素と樹脂からなる移着膜が接触面が滑らか過ぎるが
ゆえ、接触面にかき落とされてしまい、振動体の接触部
の樹脂材がどんどん摩耗してしまう。0.02μmRa
程に仕上げた移動体の摩擦接触面では、適度な粗さがあ
る為、適度な移着膜が接触面に付着し、これが潤滑剤と
なり、振動体の接触部の樹脂の摩耗を抑制する事とな
る。
【0023】図4に上記と同様の方法で、移動体の摩擦
接触面を中心線平均粗さ0.01〜0.40μmRaで
表面仕上げしたもので実験した結果を示す。図4に示す
様に、本発明においては、移動体の摩擦接触面は、中心
線平均粗さ0.02〜0.30μmRa、好ましくは
0.04〜0.08μmRaで表面仕上げされたものが
最適である。
【0024】本発明においては、振動体または移動体の
一方の摩擦接触部が中心線平均粗さ(Ra)で0.02
〜0.30μmRaに仕上げられたWCを含む材料、特
にCoを9〜25wt%含有するWC−Co材料からな
るのが望ましい。
【0025】また、WCを含む材料が、摩擦接触部に溶
射により形成された溶射膜からなるのが好ましい。溶射
方法及び溶射状態(組織)は、通常WC−Coの溶射膜
はWC粒が溶けていない状態のものが好ましく、WC粒
が残ったものを使用するのが好ましい。
【0026】例えば、溶射燃料に灯油を使用し、溶射ガ
ンにJP5000(登録商標)を使用するHVOF(H
igh Velocity Oxygen−Fuel
Flame Spraying)溶射を行う方法が挙げ
られる。この場合、低い温度で溶射を行う事ができる
為、WC粒を溶かさずにすみ、高い硬度を維持できる。
【0027】しかし、振動を発生する振動体と、該振動
体と摩擦接触し、該振動によって前記振動体と相対移動
する移動体を備えた振動波駆動装置においては、摺動中
に振動が伴う為、振動により、Coマトリックス中のW
C粒が脱粒して、双方の摩擦接触面を傷つけてしまい、
性能を低下させてしまう事がある。
【0028】そこでWC粒を溶かすものとして、プラズ
マ溶射があるが、これは非常に溶射温度が高く、十分に
粒が溶け込むが、温度が高すぎる為、母材に影響を与え
てしまい、それが変形する事がある。
【0029】次に、溶射燃料にエチレン、溶射にジェッ
トコートガン(登録商標)を使用したHVOF溶射を行
った。このガンでは、JP5000ガンよりも溶射温度
が高く、プラズマガンよりも低い温度で溶射でき、これ
はWC粒が層状に溶け込み、W,Co,Cの三元系金属
間化合物(η相)が生成されている溶射面になる。
【0030】そこで、上記の溶射燃料に灯油、溶射方法
にJP5000を使用したHVOF溶射を行った、WC
粒が溶けてないもので、振動体と加圧接触させ、100
時間駆動の実験を行った。
【0031】その結果、WC粒が溶け込んでいるものと
溶け込んでいないものでは、溶け込んでいるものは移動
体の摩擦摺動面に発生する傷が少なく、溶け込んでいな
い方はかなり傷が多かった。WC粒が残っているもの
は、摺動時にWC粒が脱粒し、それが砥粒となり双方の
摩擦摺動面を痛めているが、もう一方は、WC粒が溶け
込んでいる為、脱粒せず摩擦摺動面に傷がつかないもの
と思われる。
【0032】又、溶射は高速ジェット流に溶射粉末を供
給し加工材表面に皮膜を形成させる為、表面に適度なポ
ーラスが得られ、これにより摺動中溶射面が滑らかに削
られたとしても、このポーラスにより平均表面粗さがあ
る程度維持される。
【0033】次に、WC−Co溶射膜のCo含有率に関
する試験を行った。通常各溶射メーカーから市販されて
いるCo含有率が9〜25wt%と、30wt%、50
wt%のWC−Co材料、焼結材料であるCo含有率が
6.5wt%のWC−Co材料で実験を行った。その結
果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(注1)WC−Co摺動面の評価 ◎:傷なし ○:0.5μm未満の深さの傷あり ×:0.5μm以上の深さの傷あり (注2)樹脂材摩耗の評価(100時間当りの摩耗量) 大:50μm以上 中:10〜49μm 小:10μm未満
【0036】WC−Coにおいて、CoはWC同士を接
着させるバインダーの役割をしているが、これが多すぎ
ても少なすぎても相手側に影響を与えてしまう。表1に
示す実験において、12wt%のCoを含有させたもの
が最も良い結果が得られたが、9〜25wt%の範囲で
は相手側への顕著な摩耗増大等の影響も与えず、実用上
問題の無いレベルであり、それぞれ良好な結果が得られ
た。
【0037】したがって、本発明においては、特にCo
を9〜25wt%、好ましくは12〜25wt%含有す
るWC−Co材料を用いるのが望ましい。
【0038】次に、本発明におけるもう一方の摩擦接触
部である樹脂は、炭素又はチタン酸カリウムの繊維を含
有させたものを用いるのが好ましく、樹脂のみのものと
比較して耐摩耗性を向上させることができる。また、こ
れにより摩擦係数を増大させ、駆動力も上げることがで
きる。炭素又はチタン酸カリウムの繊維の含有量は、4
〜20重量%の範囲が好ましい。
【0039】樹脂としては、耐熱性樹脂が好ましく、例
えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、アルキド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテ
ルイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルケトン、
芳香族ポリエステル、芳香族ポリアミドから選ばれた一
種または二種以上の樹脂が挙げられる。これらの樹脂の
中でフッ素樹脂、ポリイミド樹脂が好ましく、特に好ま
しくはフッ素樹脂である。
【0040】図5は本発明の振動波駆動装置の実施形態
として振動波モータの一例を示す断面図である。図中、
1は振動体でステンレス鋼からなるリング状の金属弾性
体9の一端面に、前述の様にリング状で複数個に分極さ
れた2群の圧電素子4を耐熱性のエボキシ樹脂系接着剤
で接着し、金属弾性体9のもう一方の端面には摩擦材5
が同様に接着して形成されている。
【0041】一方、移動体2側のアルミニウム合金から
なるリング状の接触体6の摩擦摺動面には摩擦材6aを
設けてある。接触体6はゴムリング7を介して支持体8
に取付けてあり、支持体8はネジ11により出力軸12
に固定されている。そして、振動体1の摩擦材5と接触
体6の摩擦材6aは接触して摩擦摺動面を形成し、加圧
用の板バネ16により、軸方向に例えば総圧で5kgf
の荷重で加圧されている。19はベアリング、13はカ
バー、14、15は与圧カラー、17はカラーでネジ1
1aにより出力軸12に固定されている。
【0042】そして、交互に厚み方向に分極処理された
2群の圧電素子4に振動体1に固有の周波数の交流電圧
を印加すると、振動体1は共振を起こし、その周方向に
進行性振動波を生じ、摩擦材5を介して摩擦材6aに摩
擦力が作用し、移動体2は回転駆動する。
【0043】本発明においては、上記の振動体及び移動
体のうち一方の摩擦接触部が樹脂により形成され、他方
の摩擦接触部が中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜
0.30μmRaに仕上げられたWCを含む材料により
形成されているので、振動モータの摩擦接触面の摩耗を
抑制する事ができる。
【0044】上記実施例では、摩擦材を図5に示した円
盤状の振動波モータに適用した例を示したが、その他に
棒状の振動波モータに同様の方法で、上記の摩擦材を設
けた摩擦接触面を形成してもよい。
【0045】また、図6は、図5に示した振動波モータ
を駆動源とする機器の概略図である。23は大歯車23
aと小歯車23bを有するギアで、大歯車23aが振動
波モータ側のギア20と噛合している。24は被駆動部
材、例えばレンズ鏡筒で、外周部に設けられたギア24
aにギア23の小歯車23bが噛合し、モータの駆動力
により回転する。一方、ギア23にはエンコーダスリッ
ト板25が取り付けられ、ギア23の回転をフォトカッ
プラー26により検出し、例えばオートフォーカスのた
めにモータの回転、停止を制御する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
WCを含む材料により形成されている摩擦接触面の表面
組さを0.02〜0.30μmRaに仕上げることによ
り、摩擦駆動を効率的に行い、適度な移着膜を付着さ
せ、相手側の摩擦接触面の繊維含有複合樹脂の摩耗を抑
制する事が実現できた。
【0047】又、振動体及び移動体のうち一方の摩擦接
触部が熔射WC−コバルト(WC−Co)により形成さ
れている為、摺動中溶射面が滑らかに削られたとして
も、このポーラスにより中心線平均組さがある程度維持
され、相手側の摩擦接触面の繊維含有複合樹脂の摩耗を
抑制する事ができる。
【0048】また、本発明は上記の摩擦特性に優れた振
動波駆動装置からなる振動波モータおよびそれを用いた
機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動波駆動装置の一実施形態であるリ
ング状振動波モーターの摩擦接触部を示す概略図であ
る。
【図2】図1の振動波駆動装置の振動体を示す説明図で
ある。
【図3】図1の振動波駆動装置の駆動状態を示す説明図
である。
【図4】振動波モーターに適用される溶射WC−コバル
ト(WC−Co)面の中心線平均粗さ(Ra)による樹
脂摩耗量を表わしたグラフである。
【図5】本発明の振動波モータの一例を示す断面図であ
る。
【図6】図5に示した振動波モータを駆動源とする機器
の概略図である。
【符号の説明】
1 振動体 la 摩擦材 lb 突起 2 移動体 2a 移動体側の接触面 3 機械−電気エネルギー変換素子 4 圧電素子4 5 摩擦材 6 接触体 6a 摩擦材 8 支持体 9 金属弾性体 11,11a ネジ 12 出力軸 13 カバー 14、15 与圧カラー 16 板バネ 17 カラー 19 ベアリング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を発生させる振動体と、該振動体に
    摩擦接触し振動によって前記振動体と相対運動する移動
    体を備えた振動波駆動装置において、前記振動体及び移
    動体のうち一方の摩擦接触部が樹脂により形成され、他
    方の摩擦接触部が中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜
    0.30μmRaに仕上げられたタングステンカーバイ
    ドを含む材料により形成されている事を特徴とする振動
    波駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記タングステンカーバイドを含む材料
    が、コバルトを9〜25wt%含有するWC−Co材料
    からなることを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記一方の摩擦接触部がタングステンカ
    ーバイドを含む材料を溶射して形成された溶射膜からな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の振動波駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記タングステンカーバイドを含む材料
    からなる溶射膜が、溶射により層状に溶け込み、W,
    C,Coの三元系金属間化合物(η相)が生成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の振動波駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記樹脂が、炭素又はチタン酸カリウム
    の繊維を含む繊維含有樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の振動波駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の
    振動波駆動装置からなることを特徴とする振動波モー
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかの項に記載の
    振動波駆動装置を駆動源として設けたことを特徴とする
    機器。
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