JP3616712B2 - 超音波モータ及び超音波モータ付電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ式時計等の駆動源として用いる超音波モータに係わり、特に、振動体の固定端から離反する方向の節部を弾性支持部材により支持するタイプの超音波モータおよび超音波モータ付電子機器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、マイクロモータの分野では、圧電素子を駆動源として利用する超音波モータが注目されている。超音波モータには、平板矩形状の振動体を用いて、異なる共振モードを組み合わせる方式、円板状の振動体を用いて、90゜位相の異なる2つの励振を組み合わせて進行波を生じさせる方式、振動体に定在波を生じさせる方式等が知られている。
【0003】
図14は、従来技術に係わる超音波モータの断面構造を示す。
この超音波モータは、所定の分極処理された圧電素子11と、圧電素子11に接合された振動体12と、振動体12に当接される移動体15と、移動体15を押圧するバネ部材211と、バネ部材211に当接する座金212と、座金212を介してバネ部材211を留めるストッパー213と、ストッパー213、移動体12等を支持する中心軸16と、中心軸16を固定する固定台17とからなる(特開昭63−305770号公報参照)。
【0004】
そして、圧電素子11の圧電効果により振動体12を振動させ、振動体12に当接する移動体15に摩擦力を加えて回転させる。ここで、移動体15は、十分な摩擦力を加えるため、バネ部材211により十分に押圧する必要がある。
図15は、他の従来技術に係わる超音波モータの斜視方向の構造を示す。
この超音波モータは、前記超音波モータと略同様の構成であるが、振動体12の振動節を結んだ節円を3分割する3点を固定台17上に設けた固定用の突起17aにより支持固定する点に特徴を有する(特開平2−142368号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のように中心軸16のみで振動体12を支持すると、バネ部材211による押圧力を大きくしたとき、振動体12は曲げモーメントにより撓んで反力を生じてしまい、不安定な振動を伴い、移動体15との接触が不安定となる。
【0006】
一方、後者の場合、振動体12の撓みは防止されるものの、振動節は点であるため、突起17aは振動節の周辺まで及んで振動を抑制する。この傾向は、超音波モータを小型化すると、さらに助長される。
そこで、本発明は、以上の技術的課題を解決するためなされたものであって、その目的は、振動体を安定に振動させると共に、振動の抑制を防止する超音波モータおよび超音波モータ付電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記課題を解決する手段は、請求項1に記載するように、固定端から離反する方向へ前記固定端を含めて複数の節が現れる振動状態を生じると共に、前記振動状態の振幅方向へ押圧される振動体を備え、前記振動体の押圧に基づいて生じた摩擦力により駆動する超音波モータにおいて、
前記振動体の振動状態の節および節の近傍を含めた節部に、前記振動状態に合わせて弾性変形するとともに、前記振動体を押圧力に抗して支持する弾性支持部材を備えたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、振動体に押圧力が加えられて曲げモーメントが生じたとき、弾性支持部材は押圧力に抗する力を加えてこの曲げモーメントを緩和し、振動体の原形状を維持する。また、節部の節以外の部位では、振動体の振動状態の振幅方向の変位に合わせて弾性変形する。
したがって、振動体は撓んで反力を生じることもないので安定な振動を行い、振動体の振動は抑制されない。
【0009】
以上の手段にあって、節近傍とは、振動体の振動状態の振幅方向の変位に対して、弾性支持部材が追従して弾性変形可能な範囲をいう。
弾性支持部材は、単数もしくは複数箇所に設ける場合、連続する節に沿って帯状に設ける場合のいずれも含まれる。また、振動体を安定に支持する観点から、3箇所以上に設ける方が好ましい。
【0010】
また、弾性支持部材は、振動体の節部のうち、節および節近傍を支持する場合、節の近傍のみを支持する場合、若しくは節の周囲を環状に支持する場合の何れも含まれる。弾性支持部材の形状は、振動体を弾性変形して支持する形状であれば、円柱状、角柱状、円筒状、コイル状、板ばね状のその他何れの形状も含まれ、その材質は、材質的に弾性変形するゴム、ウレタン、また、構造的に弾性を有するコイルばね、板ばねも含まれる。
【0011】
また、振動状態には、固定端に対して平行な方向に定在波方式、若しくは進行波方式の何れも含まれる。
また、上記手段にあって、請求項2に記載するように、前記振動体の振動状態の節部のうち、前記振動体が押圧された部位に対して最も近接する節部に前記弾性支持部材を備えた方が好ましい。
【0012】
これによれば、振動体に対して弾性支持部材の支持する節部と押圧される部位の距離は最小となり、振動体に生じる曲げモーメントも最小になる。
ここで、弾性支持部材の支持する節部は、振動体に曲げモーメントを生じさせない観点から、前記振動体を押圧する部位と一致する方が望ましい。また、固定端と弾性支持部材間の振動体の曲げモーメントを緩和する観点から、固定端との間に振動体が押圧された部位を配置する方が望ましい。
【0013】
また、上記手段にあって、請求項3に記載するように、前記振動体の振動状態の節部のうち、前記振動体の固定端の節部に前記弾性支持部材を備えた方が好ましい。
これによれば、弾性支持部材は、振動体の固定端を補強し、振動体はさらに撓みにくくなり、原形状を保つ。
【0014】
また、上記手段にあって、請求項4に記載するように、前記摩擦力に基づいて前記振動体の可動が防止される可動止部材を備えた方が好ましい。
これによれば、振動体が摩擦力の反作用として可動力を得ても、可動止部材は振動体に可動力と等しい抗力を加える。したがって、振動体は可動することなく、安定した振動を行う。
【0015】
ここで、可動止部材は、振動体と別個に設ける場合、若しくは、振動体と一体に設ける場合の何れも含まれる。
また、請求項5に記載するように、超音波モータ付電子機器は請求項1〜請求項4のいずれかに記載の超音波モータを備える。
これによれば、該超音波モータを駆動源とした超音波モータ付電子機器が実現される。ここで、電子機器には電子時計、計測器、カメラ、プリンタ等の超音波モータの適用可能な機器を全て含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図13を参照して本発明を適用した実施の形態を詳細に説明する。
{実施の形態1}
図1は、本発明を超音波モータに適用した実施の形態1の断面構造を示す。
【0017】
本超音波モータは、図1(a)に示すように、圧電素子11と、圧電素子11の表面に接合された振動体12と、振動体12の上面に設けられた振動拡大用の突起13と、突起13の上面に設けられた摺動板14と、摺動板14に当接するロータ体15と、ロータ体15および振動体12の中心を貫く中心軸16と、中心軸16を固定する支持板17と、支持板17と振動体12の間に設けられた弾性支持部材18a、18bとを備える。
【0018】
また、中心軸16の上部には加圧機構21を設け、中心軸16の上端には加圧機構21を圧接する止具22を設け、中心軸16とロータ体15の間にはベアリング23を設けている。
図2は、本超音波モータの圧電素子11の平面構造を示し、(a)は進行波方式を、(b)は定在波方式を示す。
【0019】
ここで、圧電素子11は、同図(a)に示すように、略円板状であり、周方向に12等分に分割され、各々の分割部a1…a6、b1…b6は略扇形状である。
圧電素子11の表面と裏面には、分割部a1…a6、b1…b6に対応した略扇形状の電極パターンを形成し、一方の分割部a1…a6に対応した電極パターンは第1リード線(図示省略)に結線し、他方の分割部b1…b6に対応した電極パターンは、第2リード線(図示省略)に結線している。
【0020】
また、隣接する分割部(a1とb1、a2とb2、…a6とb6)は、一組として同方向に分極処理され、かつ、隣接する一組の分割部同士は相互に分極方向が逆転するように処理されている。
図中(+)もしくは(−)とあるのは、分極の方向を示したものである。(+)は、圧電素子11の下面から圧電素子11と振動体12の接合面に向かって電極パターンに正の電界を印加して分局処理を施し、(−)は負の電界を印加して分極所理を施したことを示す。
【0021】
そして、一方の分割部a1…a6と他方の分割部b1…b6の位相を90゜ずらして励振させ、振動体の周方向に進行波を発生させる。
一方、定在波方式を用いる場合、同図(b)に示すように、突起13を一組の分割部(a1とb1、a2とb2、…a6とb6)の境界に配置する。そして、正方向の駆動力を得たいときは、一方の分割部a1…a6を励振させて振動体12に定在波を発生させ、また、逆方向の駆動力を得たいときは、他方の分割部b1…b6を励振させ、振動体12に前記定在波と90゜位相の異なる定在波を発生させる。
【0022】
図3は、振動体12および突起13の斜視方向の構造を示し、図4は、振動体13下部の平面構造および弾性支持部材18a、18bの構造を示す。
振動体12は、圧電素子11に対応した円板状の円板部と、中心部から下方へ突出する可動止部材としての突出部12aからなり、その材質は、例えばアルミ合金、ステンレス、黄銅等の弾性材料からなる。
【0023】
突出部12aは、図4に示すように、中心軸16を貫通させる略円筒状であり、その先端の一部は円弧の2点を直線に結んで切削し、切欠としている。一方、支持板17には、突出部12aの先端の断面形状に対応した溝を成形し、突出部12aの先端が中心軸16の基端部16aに当接するまで押し込み、これにより振動体12の回転を防止する。そして、振動体12は以下の様な振動状態を生じる。
【0024】
図5は、本超音波モータの振動体12の振動状態を示し、同図(a)は断面方向の振動状態、同図(b)は平面方向の振動状態を示す。
本実施の形態において、振動体12は、同図(a)に示すように、本発明の固定端としての中心軸16に対して軸方向に移動可能となるとともに軸と垂直方向には移動不可とする固定部12b(以下、固定端という。)、および固定端12bから径方向へ離反する部位12cに節を有する2次の振動状態Aを生じる。ここで、径方向へ離反する部位12cの節を周方向へつなげると、同図(b)に示すように、振動体12の中心を環状に取り囲む節円Bを形成している。
【0025】
一方、図6は、振動体の比較の振動状態を示し、同図(a)は断面方向の振動状態を、同図(b)は平面方向の振動状態を示す。
この振動体12に1次の振動状態Cを生じた場合、同図(a)に示すように、径方向へ固定端12bのみに節を生じ、同図(b)に示すように、径方向に節円は生じない。
【0026】
突起13は、図3、4に示すように、振動体12の周方向へ環状に配置され、各々は同一の高さの角柱状である。そして、振動体12の振動変位を拡大してロータ体15に伝達する一方、振動体12へ押圧力を伝達する。
弾性支持部材18a、18bのうち、一方の弾性支持部材18aは、図4に示すように、振動体12の節円Bに沿って周方向へ環状に設けられる一方、径方向へは、固定端12bとの間に突起13を配置させている。これは、固定端12bと弾性支持部材18a間の振動体12の曲げモーメントを緩和するためである。
【0027】
他方の弾性支持部材18bは、振動体12の固定端12bの周りを環状に設けられている。これは、振動体12の固定端12bを補強し、振動体12bをさらに撓みにくくするためである。
弾性支持部材18a、18bは、帯状であり、その材質は例えばゴム、ウレタン等の振動体12より柔らかいものからなり、振動体12の振動変位に合わせて弾性変形する。一方、振動体12より硬い材質は、振動変位に合わせて変形しないので、振動を抑制してしまう。
【0028】
なお、本実施の形態の弾性支持部材18a、18bは振動状態の節およびその近傍を支持するが、節の近傍のみを支持してもよい。
摺動板14は、図1に示すように、板状のエンジニアリングプラスチック製であり、ロータ体15に当接して、適度な摩擦力を発生させる他、突起13の摩耗を防止する。
【0029】
加圧機構21は、例えばコイルばねからなり、ロータ体15を摺動板14、突起13を介して振動体12の振幅方向に押圧する。そして、摺動板14とロータ体15との間に摩擦力を生じさせる。
次に、図1〜図5に基づいて、本実施の形態に係わる超音波モータの動作について説明する。
【0030】
先ず、図2(a)に示すように、圧電素子11の分割部a1、…a6と分割部b1、…b6を位相90゜異ならせて同時に励振させる。振動体12上には、周方向に進行波が発生し、径方向に、図5(a)に示すように、節が2箇所12b、12cに生じる。
このとき、弾性支持部材18a、18bは、支持する節部の節以外の部位で、振動体12の振動変位に合わせて弾性変形するので、振動体12の振動は抑制されない。
【0031】
突起13は、図1に示すように、振動体12の振動を拡大して伝達し、摺動板14はロータ体15の下面を摺動する。加圧機構21は、ロータ体15を押圧し、ロータ体15と摺動板14間に適度な摩擦力を発生させる。ここで、この押圧力は、突起13を介して振動体12に加えられ、振動体12に下方向への曲げモーメントを発生する。
【0032】
このとき、弾性支持部材18a、18bは押圧力に抗する力を加えて曲げモーメントを緩和する。特に、一方の弾性支持部材18aは、他方の弾性支持部材18bに比べて突起13から近いので、曲げモーメントを大きく減少させる。また、他方の弾性支持部材18bは、固定端12bを補強する。
また、突出部12aは、振動体12が摩擦力の反作用として回転力を得ても、振動体12に回転力と等しい抗力を加えるので、振動体12は回転することもない。
【0033】
そして、ロータ体15は中心軸16の回りを、安定に回転運動する。
以上より、本実施の形態によれば、振動体12に加えられた曲げモーメントを緩和し、振動体12の原形状を維持するようにしたので、振動体12は撓んで反力を生じることもなく、安定な振動を行う。また、振動体12の振動状態の振幅に合わせて弾性変形するようにしたので、振動体12の振動は抑制されない。
【0034】
弾性支持部材18aによれば、特に曲げモーメントを緩和するようにしたので、振動体12の原形状は保たれる。
弾性支持部材18bによれば、振動体12の固定端を補強するようにしたので、振動体はさらに撓みにくくなり、原形状は保たれる。
突出部12aによれば、振動体12に摩擦力の反作用に等しい抗力を加えるようにしたので、振動体12は回転することなく、安定した振動を行う。
{実施の形態2}
図7は、本発明を超音波モータに適用した実施の形態2の断面構造を示し、図8は、振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す。
【0035】
本実施の形態は、実施の形態1と略同様の構成であり、以下共通の構成については、説明を省略する。
本実施形態の特徴は、振動体12の節円Bを3等分に分割する点に円柱状の弾性支持部材18cを配置した点、および振動体12の突出部12a先端と中心軸16の基端部16aの間に間隙19を設けた点である。
【0036】
ここで、弾性支持部材18cを3箇所に配置したのは、振動体12を面として支持する最小数だからである。この態様においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。なお、弾性支持部材18cは、2箇所以上であれば特に限定されない。
また、上記間隙19を設けることにより、弾性支持部材18cは常に振動体12に当接される。したがって、弾性支持部材18cは、振動体12との間に隙間をが生じて機能を失うこともない。
{実施の形態3}
図9は、本発明を超音波モータに適用した実施の形態3の断面構造を示し、図10は、振動体下部の平面構造および弾性支持部材18aの構造を示す。
【0037】
本実施の形態は、実施の形態1と略同様の構成であり、図10に示すように、振動体12の突出部12先端の内周面の一部に断面矩形状の凹部12dを形成し、一方、中心軸16の一部に断面矩形状の凸部16bを形成し、両者12d、16bを嵌合して振動体12の回転止とした点に特徴を有する。
また、図10に示すように、弾性支持部材18aは振動体12の節円Bの位置にのみに設けているが、この配置でも曲げモーメントに対して実施の形態1と同程度の効果が得られる。
{実施の形態4}
図11は、本発明を超音波モータに適用した実施の形態4の断面構造を示し、図12は、振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す。
【0038】
本実施の形態は、実施の形態1と略同様の構成であり、振動体12中心部に振動体12と別個に本発明の可動止部材としての回転止部材24を設けた点に特徴を有する。
ここで、回転止部材24は、実施の形態1の振動体12の突出部12aと同形状であり、その材質は、例えば、金属、プラスチックからなるが、振動体12と異なる材質が望ましい。
{実施の形態5}
図13は、本発明を超音波モータ付電子機器に適用した実施の形態5のブロック図を示す。
【0039】
本電子機器は、前述の振動体12と、振動体12により移動される移動体15と、移動体15と振動体12に押圧力を加える加圧機構21と、移動体11と連動して可動する伝達機構31と、伝達機構31の動作に基づいて運動する出力機構32を備えることにより実現する。
ここで、伝達機構31には、例えば、歯車、摩擦車等の伝達車を用いる。出力機構32には、例えば、カメラにおいてはシャッタ駆動機構、レンズ駆動機構を、電子時計においては指針駆動機構、カレンダ駆動機構を、工作機械においては刃具送り機構、加工部材送り機構等を用いる。
【0040】
本実施の形態に係わる超音波モータ付電子機器としては、例えば、電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印刷機、工作機械、ロボット、移動装置などにおいて実現される。
また、移動体15に出力軸を取り付け、出力軸からトルクを伝達するための動力伝達機構を有する構成にすれば、超音波モータ自体で駆動機構が実現される。
【0041】
【発明の効果】
以上より、請求項1記載の発明によれば、振動体に加えられた曲げモーメントを緩和し、振動体の原形状を維持するようにしたので、振動体は撓んで反力を生じることもなく、安定な振動を行う。また、振動体の振動状態の振幅に合わせて弾性変形するようにしたので、振動体の振動は抑制されない。
【0042】
請求項2記載の発明によれば、振動体に生じる曲げモーメントを最小にして、振動体の原形状を維持する。
請求項3記載の発明によれば、振動体の固定端を補強するようにしたので、振動体はさらに撓みにくくなり、原形状を保つ。
請求項4記載の発明によれば、振動体に可動力と等しい抗力を加えるようにしたので、振動体は可動することなく、安定した振動を行う。
【0043】
請求項5記載の発明によれば、本発明の超音波モータを備えた超音波モータ付電子機器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を超音波モータに適用した実施の形態1の断面構造を示す説明図である。
【図2】図1に係わる圧電素子の平面構造を示し、(a)は進行波方式の圧電素子電極パターンを、(b)は定在波方式の圧電素子電極パターンと振動体突起との位置関係を示す説明図である。
【図3】図1に係わる振動体および突起の斜視方向の構造を構造を示す説明図である。
【図4】図1に係わる振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す説明図である。
【図5】図1に係わる本超音波モータの振動体の振動状態を示し、同図(a)は断面方向の振動状態、同図(b)は平面方向の振動状態を示す説明図である。
【図6】振動体の比較の振動状態を示し、同図(a)は断面方向の振動状態を、同図(b)は平面方向の振動状態を示す説明図である。
【図7】本発明を超音波モータに適用した実施の形態2の断面構造を示す説明図である。
【図8】図7に係わる振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す説明図である。
【図9】本発明を超音波モータに適用した実施の形態3の断面構造を示す説明図である。
【図10】図9に係わる振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す説明図である。
【図11】本発明を超音波モータに適用した実施の形態4の断面構造を示す説明図である。
【図12】図11に係わる振動体下部の平面構造および弾性支持部材の構造を示す説明図である。
【図13】本発明を適用した超音波モータを電子機器に適用した実施の形態5のブロック図を示す。
【図14】従来技術に係わる超音波モータの断面構造を示す説明図である。
【図15】従来技術に係わる超音波モータの斜視方向の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
11 圧電素子
12 振動体
13 突起
14 摺動板
15 ロータ体
16 中心軸
17 支持板
18 弾性支持部材
21 加圧機構
22 止ねじ
23 ベアリング
24 回転止部材
31 伝達機構
32 出力機構
Claims (9)
- 振動体の厚み方向にのみ移動可能とし、厚み方向と垂直となる径方向には振動体を移動不可とする固定端から離反する方向へ前記固定端を含めて複数の節が現れる振動状態を生じる振動体と、
前記振動体の振動により駆動される移動体と、
前記移動体に押圧力を与え、前記振動体と前記移動体の間に摩擦力を生じさせる加圧機構と、を備えた超音波モータにおいて、
前記振動体の振動状態の節および節の近傍を含めた部分に、前記振動状態に合わせて弾性変形するとともに、前記振動体を前記押圧力に抗して支持する弾性支持部材と、
前記摩擦力に基づいて前記振動体が可動されることを防止する可動止部材と、を備え、
前記可動止部材は、
前記振動体の前記円筒部に設けられた切り欠きと、
前記切り欠きに対応するように前記支持板に設けられた溝と、
前記円筒部と前記溝の間に設けられた間隙と、から構成されることを特徴とする超音波モータ。 - 前記振動体の振動状態の節部のうち、前記振動体が押圧された部位に対して最も近接する節部に前記弾性支持部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波モータ。
- 前記振動体の振動状態の節部のうち、前記振動体の固定端の節部に前記弾性支持部材を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。
- 支持板と、
前記支持板に固定された中心軸と、
前記中心軸が貫通する円筒部を有する円板状の振動体と、
前記振動体の振動により駆動される移動体と、
前記中心軸の上部に設けられ、前記移動体に押圧力を与えることで、前記振動体と移動体の間に摩擦力を生じさせる加圧機構と、
前記支持板と前記振動体間の前記振動体の振動の節および節の近傍を含めた部分に設けられ、前記振動状態に合わせて弾性変形するとともに、前記振動体を前記押圧力に抗して支持する弾性支持部材と、
前記振動体の回転を防止し、中心軸の軸方向にのみ移動可能とする回転止め部材と、を備えた超音波モータにおいて、
前記回転止め部材は、
前記振動体の前記円筒部に設けられた切り欠きと、
前記切り欠きに対応するように前記支持板に設けられた溝と、
前記円筒部と前記溝の間に設けられた間隙と、から構成されることを特徴とする超音波モータ。 - 前記支持板と前記振動体間の前記振動体の円筒部の周りに設けられた環状の第二弾性支持部材を有することを特徴とする請求項4記載の超音波モータ。
- 前記弾性支持部材又は第二弾性支持部材は、環状であることを特徴とする請求項5記載の超音波モータ。
- 前記第一弾性支持部材は円柱状であり、前記節円を複数等分に分割する点に設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の超音波モータ。
- 前記振動体の円筒部と前記中心軸のいずれかに凹部が、他方に凸部が形成されており、前記凹部と凸部とを嵌合することで、前記振動体の回転を防止することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の超音波モータ。
- 請求項1から8のいずれかに記載の超音波モータを備えたことを特徴とする超音波モータ付き電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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