JP2002117519A - 磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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JP2002117519A
JP2002117519A JP2000314427A JP2000314427A JP2002117519A JP 2002117519 A JP2002117519 A JP 2002117519A JP 2000314427 A JP2000314427 A JP 2000314427A JP 2000314427 A JP2000314427 A JP 2000314427A JP 2002117519 A JP2002117519 A JP 2002117519A
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Tomoo Yamamoto
朋生 山本
Ichiro Tamai
一郎 玉井
Akira Ishikawa
石川  晃
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱揺らぎ性に優れた低ノイズの記録媒体、お
よび1平方インチあたり50ギガビット以上の超高密度
記録が可能な大容量の磁気記憶装置を提供する。 【解決手段】Nd、Eu、Gd、Tb、Dy(A群)か
ら選ばれた少なくとも1種の希土類元素と、Co、およ
びSi、窒化Si、Al、窒化Alのいずれか一種類を
含有する磁性膜を用いて記録媒体を構成する。 【効果】高保磁力、低ノイズでしかも熱揺らぎの影響が
小さな媒体を実現できる。さらに、この磁気記録媒体と
磁気抵抗効果を利用した再生専用の素子を有する磁気ヘ
ッドとを組み合わせることによって、1平方インチあた
り50ギガビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ドラム、磁気
テープ、磁気ディスク、磁気カード等の磁気記録媒体及
び磁気記憶装置に係り、特に1平方インチあたり50ギ
ガビット以上の超高密度記録に適した磁気記録媒体、及
びその磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置に関する。
尚、本発明の媒体は作製条件によって磁化容易軸方向を
面内、あるいは垂直方向に制御することが可能であるた
め、記録方式は面内、垂直のいずれでも構わない。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置の著しい大容量
・高記録密度化に伴い、磁気記録媒体上に形成される記
録ビットの大きさは次第に減少している。1平方インチ
あたり50ギガビット以上の超高密度記録を実現するた
めには、現状の媒体で対応することは難しく、媒体ノイ
ズをさらに低減する必要がある。このためには、磁性膜
の結晶粒径を小さくすることが重要である。しかし、磁
性結晶粒の微細化によって磁性粒の体積が極端に小さく
なると、常温においても熱エネルギーの影響が顕著にな
り、記録磁化が減衰することが懸念される。実際、低ノ
イズ化した媒体において、225KFCIの密度で記録
した情報が96時間後には10%以上も減衰することが
Y.Hosoe等によって報告されている(IEEE
Trans.Magn.、33、pp.3028−30
30、September 1997)。
【0003】一般に、耐熱揺らぎ性能を表す指標として
は、KuV/kTが用いられており、この値が大きいほ
ど耐熱揺らぎ性能が高い。ここで、Ku:異方性磁界、
V:磁性粒子の体積、k:ボルツマン定数、T:絶対温
度である。耐熱揺らぎ性能を向上するためには、上式か
ら異方性磁界、あるいは磁性粒子の体積のいずれかを大
きくすれば良いことが容易にわかる。しかしながら、磁
性粒子の体積の増大すると、媒体ノイズが増大するた
め、耐熱揺らぎ性能を向上する手段として磁性粒子の体
積増大をとることはできない。従って、異方性磁界Ku
を大きくすることが重要な技術課題となる。
【0004】これを解決する試みとして、光磁気ディス
クで用いられているTbFeCoからなる磁性膜を磁気
記録に適用した報告がある(第23回日本応用磁気学会
学術講演会概要集、pp.448、1999)。この報
告では、TbFeCo磁性膜は希土類元素であるTbを
含むので従来の媒体に比べて異方性エネルギーが大き
く、更に、磁性膜自体が非晶質であるため結晶粒の大き
さに起因する媒体ノイズが小さくなるとの考えに基づい
て、TbFeCo磁性膜を持った媒体を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光磁気ディスクで用い
られているTbFeCoに代表される希土類−遷移金属
合金磁性膜(以後、RE−TM磁性膜と略記)は、磁気
異方性が大きく、かつ、非晶質であるため、耐熱揺らぎ
性能の向上と媒体ノイズの低減において魅力的な材料で
ある。しかしながら、この磁性膜を用いた媒体を用いて
記録再生試験を行ったところ、高記録密度化の点で問題
があることが判明した。RE−TM磁性膜には、磁気ヘ
ッドが作る磁界によって磁壁移動型の磁化反転が発生
し、情報としての記録ビットが形成される。上述したR
E−TM磁性膜は非磁性元素を含まないため、磁壁の移
動を阻害する元素が存在しない。したがって、磁壁移動
を制限するピンニングサイトがないので、磁気ヘッドの
トラック幅以上に広がったトラック幅で情報が記録され
る。このため、トラック密度を高めるためトラック間の
距離を縮めようとすると、隣接トラックの記録情報を乱
してしまうことがわかった。さらに、線記録密度に対し
ても、同様の理由から、磁気ヘッドによって磁化反転さ
せている領域の直前に形成された記録ビットを乱してし
まい、高密度記録が困難であることがわかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的は、
前記RE−TM磁性膜が潜在的に有している高磁気異方
性という特性を十分に発揮させて、高密度記録特性と、
優れた耐熱揺らぎ特性と低ノイズ性とを兼ね備えた磁気
記録媒体を提供することにある。
【0007】本発明の第二の目的は、 この磁気記録媒
体の性能を充分に活かし、1平方インチあたり50ギガ
ビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置を提供する
ことである。
【0008】上記目的は、基板上に直接、もしくは下地
膜を介して磁性膜を形成した磁気記録媒体において、該
磁性膜に下記A群から選ばれた少なくとも1種の希土類
元素とCoを含み、かつ、SiもしくはAlのいずれか
の元素を含むことで達成される。
【0009】A群:Nd、Eu、Gd、Tb、Dy 上記磁性膜中において、A群から選ばれた希土類元素と
Coの合計を100at.%とすると、A群から選ばれた
希土類元素の合計の割合を8から30at.%とするこ
とが、異方性エネルギーを高め、かつ、最適な再生出力
を得る上で好ましい。
【0010】本願発明でCoを使用する理由はキュリー
点が高いためである。TbFeCoは、通常、光磁気デ
ィスク媒体での磁性膜材料として用いられているが、F
eはCoに比べてキュリー点が低い。また、Co、Fe
以外の代表的な強磁性元素であるNiも、やはりCoに
比べてキュリー点が低い。光磁気ディスクのような熱磁
気記録においては、半導体レーザのパワーとの兼ね合い
から、キュリー点を低くする必要があり、磁性膜中のF
e含有量は多い。しかしながら、本発明の媒体は磁気記
録への適用が目的であり、キュリー点が低くなることは
好ましくない。この理由は、キュリー点が低くなると、
室温近傍での磁化の温度依存性が急峻になり、環境温度
の変化による再生出力の変動が無視できなくなるためで
ある。そのため、本発明ではFeやNiを含まず、キュ
リー点を著しく低下させないCoを用いることにした。
記録媒体の製造技術上、FeやNiが不純物として不可
避的に含まれる可能性もありうるが、これらの不純物濃
度が1at%程度であれば、特性には影響を及ぼすこと
はない。
【0011】一般に、希土類を含む磁性材料は希土類を
含まない磁性材料に比べて耐食性が良くないが、下記B
群から選ばれた元素を少なくとも1種磁性膜に添加する
ことによって、耐食性が改善される。
【0012】 B群:Ti、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Pt この場合の、B群の元素の添加率は、A群から選ばれた
元素+Co+B群から選ばれた元素の総量を100a
t.%と定義した場合、B群から選ばれた耐食性を向上
するための元素の合計は0.5at.%≦B≦10a
t.at.%とする必要がある。耐食性向上を目的とす
る元素は非磁性であるため、これ以上の濃度の添加は、
媒体の磁気特性を劣化させてしまい好ましくない。
【0013】磁性膜中での磁壁移動を制御するピンニン
グサイトとしての機能を持たせるためには、Siもしく
はAlのいずれかの元素、ないしSiもしくはAlの窒
化物を磁性膜に添加する。Si、Alよりも、窒化物の
方が磁壁移動を制限する効果は大きい。
【0014】ここで、Si、Alの窒化物をSiNxも
しくはAlNxという一般式で表記した場合、xは約
0.7から1.5の範囲の数値となる。式中のxはSiあ
るいはAlの原子数を1としたときの、SiまたはAl
に対するNの相対的原子数を示す。SiNxとAlNx
の組成比が整数比とならないのは、元素のイオン価数の
違い、磁性膜の製造上の問題による。Si、Al、Nの
イオン価数はそれぞれ+4、+3、−3であるので、S
iNに関してはSi:N=1:1で結合することは難し
い。また、窒化膜を製造する際には、SiやAlのター
ゲットを用いてNを含むスパッタリングガス中で反応
性スパッタリングによって製造する場合が多く、N
供給量によって、膜中に含まれるNの量が変動する。こ
の結果、N量は上述した0.7から1.5の範囲となる。
【0015】なお、Si、Alに限らず、非磁性元素で
あれば磁壁移動を制限する効果を有するが、窒化物の使
用を考慮すると、添加する非磁性元素はSi、Alが好
ましい。Si、Al以外の非磁性元素はNと結合する自
由エネルギーがCoよりも低いので、窒化の際に、添加
した非磁性元素ではなくCoが窒化されてしまい、磁気
特性が劣化するためである。
【0016】SiもしくはAlの割合は、磁性膜の元素
の総量に対して8から40at%とすることが好まし
い。Si、Alを40at%以上添加するとS/Nが劣
化する。ここで、磁性膜中の元素の総量は、A群から選
ばれた希土類元素とCo元素の和と、SiもしくはAl
の合計を100at.%と定義している。Siもしくは
Alが窒化物の場合、磁性膜にはSi、Alと化合して
いるNも含まれるが、気体元素の定量測定は難しいた
め、SiNx、AlNxの添加量は、Si、Alの量で
定義する。
【0017】磁性膜は基板上に直接でも、あるいは下地
膜を介して形成しても構わない。ここで述べている下地
膜とは、主として磁性膜の耐食性、及び密着性の向上を
目的として設ける。下地膜の材料としては、SiNx、
AlNx、Al、Ni−P、Ti、V、Cr、Nb、M
o、Ta、Wなどが適当である。これらの材料を複数混
合して用いてもかまわない。
【0018】本発明の磁性膜の磁化容易軸方向は、希土
類元素の組成や媒体の作製方法により、面内、垂直のい
ずれにも制御可能である。したがって、磁化容易軸を面
内にしたときは面内記録媒体、垂直ならば垂直記録媒体
に適用できる。例えば、記録媒体製造時に基板に印可す
るバイアス電圧の大きさを変えると、バイアス電圧の大
きさによって磁気異方性が面内、あるいは垂直方向に変
化する。また、記録媒体製造時のスパッタガスの種類に
よっても磁気異方性は変化し、例えば、TbCoをスパ
ッタリングで作製する際に、スパッタガスとしてArを
用いると面内異方性であるが、Ar+H2ガスを用いる
と垂直異方性となる。さらに、磁気異方性はTb濃度に
よっても変化する。よって、以上のような制御技術を用
いることにより、本願の記録媒体は、垂直媒体、面内媒
体の両方に適用することが可能である。
【0019】また、上記本発明の磁気記録媒体と、該磁
気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再
生部からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記磁気記
録媒体に対して相対的に運動させる手段と、該磁気ヘッ
ドに対する入力信号及び出力信号を波形処理する記録再
生信号処理手段とを含む磁気記憶装置において、 前記
磁気ヘッドの再生部を磁気抵抗効果型の素子で構成する
ことによって、1平方インチあたり50ギガビット以上
の記録密度を有する磁気記憶装置を達成することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕本発明による磁気記
録媒体の一実施例の断面図を図1に示す。以下に、本実
施例の磁気記録媒体の作製方法を述べる。
【0021】外径65mmφのガラス基板10を加熱せ
ずに、Arガス圧力:0.27Pa、投入電力密度:5
00Wとする成膜条件で、RFマグネトロンスパッタリ
ング法により、SiNx下地膜11、11を20nm形
成した。SiNxスパッタリングターゲットのサイズは
127mmφである。次いで、スパッタリングガス圧
力:0.67Pa、マイクロ波パワー:700W、ター
ゲット引き込み電圧:500Vとする成膜条件で、EC
Rスパッタリング法により、(Tb23Co77)−SiN
x磁性膜12、12を20nm形成した。ここで、括弧
で括られたTbとCoの後ろに付した数字は、TbとC
oの原子比を百分率で示したものであり、これ以降、組
成に関しては同様な記述をする。ECRスパッタリング
で磁性膜を作製する際、Si円筒ターゲット上にTbと
Coのチップを貼り付けたターゲットを用いた。スパッ
タリングガスにはAr+N2の混合ガスを用い、反応性
スパッタリング現象を利用して、SiNxを形成した。
またこのとき、TbとCoの原子比は25:75に保っ
たまま、Si(SiNx)濃度を変化させた。最後にA
rガス圧力:0.67Pa、投入電力密度:500Wと
する成膜条件で、DCマグネトロンスパッタリング法に
より、C保護膜13、13を5nm形成した。Cスパッ
タリングターゲットのサイズは127mmφである。
【0022】図2には、製造した記録媒体の記録再生特
性のSiNx濃度に対する変化を示す。SiNx濃度の
同定は分析技術上困難であるため、ここではNを無視
し、Si濃度依存性のグラフとして示している。Si濃
度はICPSで分析した。記録再生特性は、記録媒体に記
録密度300KFCIの信号を書いた際のS/Nによっ
て示した。Si濃度が0である媒体はTb25Co75磁性
膜であり、SiNxを含まない媒体を意味している。グ
ラフの縦軸はSi濃度が0である媒体のS/Nを1とし
た相対変化で表してある。S/Nは、Si濃度が25a
t.%のときに最大となった。現行の信号処理方式によ
り、1平方インチあたり50ギガビット以上の記録密度
を実現するためには、1.5以上のS/Nが必要とされ
るため、磁性膜中のSi濃度は8at.%以上40a
t.%以下の範囲であることが必要である。また、磁性
膜に添加したSiNxをAlNxに変えた場合にも、同
様な結果が得られることも確認した。
【0023】本実施例では、記録媒体の製造方法として
RFスパッタリングを用いているが、磁気記録媒体の作
製方法に関してはDC/RFマグネトロンスパッタリン
グ法、N2ガスを用いた反応性スパッタリング法、EC
Rスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、
真空蒸着法、プラズマCVD法等如何なる手法を用いて
も構わない。
【0024】〔実施例2〕外径65mmφのガラス基板
を250℃に加熱した後、Arガス圧力:0.27P
a、投入電力密度:500Wとする成膜条件で、RFマ
グネトロンスパッタリング法により、(TbCo)−S
iNx磁性膜を20nm形成した。次に、Arガス圧
力:0.67Pa、投入電力密度:500Wとする成膜
条件で、DCマグネトロンスパッタリング法により、C
保護膜を5nm形成した。本実施例では、磁性膜作製用
のターゲットとしては、SiNxターゲット上にTbと
Coのチップを配置したものを用いた。TbとCo原子
の和と、Si原子の比率は80:25に保ったまま、T
bとCoの割合を変えた試料を作製した。
【0025】図3に、Tb量に対するS/Nの変化を示
す。グラフの縦軸はTbが0at.%、すなわち、Co
−SiNx磁性膜のS/Nを1とした相対変化で示して
ある。同図から、Tb濃度が18から25at.%のと
きにS/Nが最大となることがわかる。本願の目的であ
る1平方インチあたり50ギガビット以上の記録密度を
実現させるためには、少なくとも1.5程度のS/Nが
必要であるため、Tb濃度は8at.%以上30at.
%以下の範囲とすることが必要である。
【0026】Tb以外にNd、Eu、Gd、Dyを用い
た場合にも同様な結果が得られることを確認した。これ
らの希土類元素を2種類以上選択して添加しても構わな
いが、希土類元素の合計の濃度は8at.%以上30a
t.%以下の範囲とする必要がある。
【0027】〔実施例3〕外径65mmφのガラス基板
を加熱せずに、スパッタリングガス圧力:0.67P
a、投入電力密度:500Wとする成膜条件で、DCマ
グネトロンスパッタリング法により、SiNx下地膜を
30nm形成した。このとき、スパッタリングターゲッ
トとして低抵抗のSiを用い、スパッタリングガスには
Ar+N2の混合ガスを用いた反応性スパッタリングに
よりSiNxを形成した。次いで、Arガス圧力:0.
27Pa、投入電力密度:500Wとする成膜条件で、
RFマグネトロンスパッタリング法により、(TbC
o)−SiNx磁性膜を20nm形成した。磁性膜作製
用のターゲットとしては、SiNxターゲット上にTb
とCoのチップを配置したものを用いた。TbとCoの
原子比(Tb:Co)は15:85とし、また、Tbと
Co原子の和とSi原子の比率は85:15とした。最
後に、Arガス圧力:0.67Pa、投入電力密度:5
00Wとする成膜条件で、DCマグネトロンスパッタリ
ング法により、C保護膜を5nm形成した。
【0028】比較例として、上記実施例3の磁性膜組成
をTb27Fe61Co12とした媒体を作製した。磁性膜以
外の下地膜、保護膜は同様な構成とした。比較例の磁性
膜は、従来の光磁気ディスクの典型的な材料である。
【0029】本実施例と比較例の媒体に対して、耐食性
の試験を行った。試料作製後5時間以内に、残留磁化
(Br)を測定した後、温度80℃、湿度95%の環境
下に、500時間放置後のBrを測定し、その減少率を
評価した。本実施例の媒体では、Brの減少率が3%で
あったのに対し、比較例の媒体は10%であった。これ
は、比較例とした従来の光磁気ディスク媒体では、多量
のFeを含むためと考えられる。強磁性を示す3d遷移
金属はFe、Co、Niであるが、FeやNiはCoに
比べて腐食し易い。RE−TM磁性膜を磁気記録媒体に
適用するには、3d遷移金属成分としてはFeやNiを
含まず、Coを選択することが最も好ましいことがわか
った。
【0030】さらに、耐食性の向上を図るため、Ti、
V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Ptを添加したとこ
ろ、Brの減少率は2%以下に改善できることがわかっ
た。この場合の添加元素の濃度は、0.5at.%以
上、10at.%以下とする必要がある。添加元素の濃
度が0.5at.%以下では、耐食性改善の効果が無
く、10at.%以上では媒体の磁気特性を劣化させて
しまい好ましくない。これらの耐食性元素は、複数選択
しても構わないが、合計の濃度が0.5at.%以上、
10at.%以下の範囲とする必要がある。
【0031】〔実施例4〕前記実施例1から3記載の磁
気記録媒体は、図4に一例を示すような磁気抵抗効果を
利用した再生専用のセンサを備える磁気ヘッドを用いる
ことによって、その性能が充分に活かされる。
【0032】記録用磁気ヘッドは、一対の記録磁極4
0、41とそれに鎖交するコイル42からなる誘導型薄
膜磁気ヘッドであり、記録磁極間のギャップ層厚は0.
3μmとした。また、磁極41は共に厚さ1μmの磁気シ
ールド層45と対で、再生用の磁気ヘッドの磁気シール
ドも兼ねており、このシールド層間距離は0.25μmで
ある。再生専用の磁気ヘッドは、磁気抵抗効果センサ4
3と、電極となる導体層44からなる磁気抵抗効果型ヘ
ッドである。この磁気ヘッドは磁気ヘッドスライダ基体
46上に設けられている。尚、図4では記録磁極間のギ
ャップ層、及びシールド層と磁気抵抗効果センサ間のギ
ャップ層は省略してある。
【0033】磁気抵抗効果センサ43の詳細な断面構造
を図5に示す。磁気センサの信号検出領域50は、酸化
Alのギャップ層51上に横バイアス層52、分離層5
3、磁気抵抗強磁性層54が順次形成された部分からな
る。磁気抵抗強磁性層54には、20nmのNiFe合
金を用いた。横バイアス層52には25nmのNiFe
Nbを用いたが、NiFeRh等の比較的電気抵抗が高
く、軟磁気特性の良好な強磁性合金であっても構わな
い。横バイアス層52は磁気抵抗強磁性層54を流れる
センス電流が作る磁界によって、この電流と垂直な膜面
内方向(横方向)に磁化され、磁気抵抗強磁性層54に
横方向のバイアス磁界を印加する。これにより、媒体か
らの漏洩磁界に対して、線形な再生出力が得られる磁気
センサとなる。磁気抵抗強磁性層54からのセンス電流
の分流を防ぐ分離層53には、比較的電気抵抗が高いTa
を用い、膜厚は5nmとした。信号検出領域50の両端
にはテーパー形状に加工されたテーパー部55がある。
テーパー部55は、磁気抵抗強磁性層54を単磁区化す
るための永久磁石層56と、その上に形成された信号を
取り出すための一対の電極57からなる。永久磁石層5
6は保磁力が高く、磁化方向が容易に変化しないことが
重要であり、CoCr、CoCrPt合金等が用いられ
る。
【0034】また、磁気抵抗効果センサ43には、図6
に示すようなスピンバルブ型を用いると、より大きな出
力が得られるため好ましい。磁気センサの信号検出領域
60は、酸化Alのギャップ層61上に5nmのTaバ
ッファ層62、7nmの第一の磁性層63、1.5nm
のCu中間層64、3nmの第二の磁性層65、10n
mのFe−50at%Mn反強磁性合金層66が順次形成
された構造である。第一の磁性層63にはNi−20at
%Fe合金を用い、第二の磁性層65にはCoを用い
た。反強磁性合金層66からの交換磁界により、第二の
磁性層65の磁化は一方向に固定されている。これに対
し、第二の磁性層65と非磁性の中間層64を介して接
する第一の磁性層63の磁化方向は、磁気記録媒体から
の漏洩磁界により変化する。 このような二つの磁性層
の磁化の相対的な方向の変化に伴い、3つの膜全体の抵
抗に変化が生じる。この現象はスピンバルブ効果と呼ば
れ、本実施例では磁気抵抗効果センサにこの効果を利用
したスピンバルブ型磁気ヘッドを用いた。尚、永久磁石
層68と電極69からなるテーパー部67は、図5に示
した通常の磁気抵抗効果センサと同様である。
【0035】磁気記憶装置の一例の上面図を図7(a)
に、そのAA'線断面図を図7(b)に略示する。
【0036】面内磁気記録媒体70は、面内磁気記録媒
体駆動部71に連結する保持具によって保持され、面内
磁気記録媒体70のそれぞれの面に対向して、図4に略
示する磁気ヘッド72が配置される。磁気ヘッド72の
浮上高さは約0.05μmであり、磁気ヘッド駆動部7
3により所望のトラックに位置決めされる。
【0037】磁気ヘッド72によって再生した信号は、
記録再生信号処理系74によって波形処理される。記録
再生信号処理系74は増幅器、アナログ等化器、ADコ
ンバータ、ディジタル等化器、最尤復号器等で構成され
ている。磁気抵抗効果を利用したヘッドの再生波形は、
ヘッドの特性により正と負の大きさが非対称となった
り、記録再生系の周波数特性の影響を受けたりして、記
録した信号とは異なった信号に読み誤られることがあ
る。アナログ等化器は再生波形を整えて、これを修復す
る機能を有する。この修復された波形をADコンバータ
を通してディジタル変換し、ディジタル等化器によって
さらに波形を整える。最後にこの修復された信号を最尤
復号器によって、最も確からしいデータに復調する。以
上の構成の再生信号処理系によって、極めて低いエラー
レートで信号の記録再生が行われる。なお、等化器や最
尤復号器は既存のものを用いても構わない。
【0038】以上の装置構成にすることによって、1平
方インチあたりの記録密度を50ギガビット以上に対応
することができ、従来の磁気記憶装置に比べ3倍以上の
記憶容量を持った高密度磁気記憶装置を実現することが
できた。また、記録再生信号処理系から最尤復号器を取
り除き、従来の波形弁別回路に変えた場合にも従来に比
べ2倍以上の記憶容量を持った磁気記憶装置を実現する
ことができた。
【0039】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、基板上に直
接、もしくは下地膜を介して磁性膜を形成した磁気記録
媒体において、該磁性膜にA群(Nd、Eu、Gd、T
b、Dy)から選ばれた少なくとも1種の希土類元素と
Coを含み、かつ、SiもしくはAlのいずれかの元素
を含むことによって、高保磁力、低ノイズでしかも熱揺
らぎの影響が小さな媒体を実現できる。
【0040】さらに、この磁気記録媒体と磁気抵抗効果
を利用した再生専用の素子を有する磁気ヘッドとを組み
合わせることによって、1平方インチあたり50ギガビ
ット以上の記録密度を有する磁気記憶装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の一実施例の断面模
式図。
【図2】S/NとSiNx濃度の関係を示す図。
【図3】S/NとTb濃度の関係を示す図。
【図4】磁気抵抗効果を利用した素子を備える磁気ヘッ
ドの構造の一例を示す模式図。
【図5】磁気抵抗効果センサの一例を示す構造図。
【図6】スピンバルブ型磁気抵抗効果センサの一例を示
す構造図。
【図7】磁気記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【符号の説明】
10…基板、11、11…下地膜、12、12’…(R
E−TM)−SiNx磁性膜、13、13…保護膜、4
0…記録磁極、41…磁極兼磁気シールド層、42…コ
イル、 43…磁気抵抗効果素子、44…導体層、45
…磁気シールド層、46…スライダ基体、50…磁気セ
ンサの信号検出領域、51…ギャップ層、52…横バイ
アス層、53…分離層、54…磁気抵抗強磁性層、55
…テーパー部、56…永久磁石層、57…電極、60…
磁気センサの信号検出領域、61…ギャップ層、62…
バッファ層、63…第一の磁性層、64…中間層、65
…第二の磁性層、66…反強磁性合金層、67…テーパ
ー部、68…永久磁石層、69…電極、70…磁気記録
媒体、71…磁気記録媒体駆動部、72…磁気ヘッド、
73…磁気ヘッド駆動部、74…記録再生信号処理系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 晃 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に直接、もしくは下地膜を介して磁
    性膜を形成した磁気記録媒体において、該磁性膜は、C
    oと、下記A群から選ばれた少なくとも1種の元素と、
    SiもしくはAlのいずれか一方の元素を含むことを特
    徴とする磁気記録媒体。 A群:Nd、Eu、Gd、Tb、Dy
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気記録媒体において、
    前記A群から選ばれた元素の合計とCoの総量を100
    at%と表現した場合、前記A群から選ばれた元素の合
    計の割合は、8から30at%であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記A群から選ばれた元素の合計の割合
    は、18から25at%であることを特徴とする請求項
    2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記SiまたはAlは、窒化物であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載の磁
    気記録媒体において、前記磁性膜中の元素の総量を10
    0at%と表現した場合、前記SiまたはAlの割合は
    8から40at%であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】Nd、Eu、Gd、Tb、Dyからなる群
    から選ばれた少なくとも1種の元素と、SiもしくはA
    lのいずれか一方の元素と、Coとを含む磁性膜を有す
    る磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録方向に駆動す
    る駆動部と、記録部と磁気抵抗型素子を搭載した再生部
    からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記磁気記録媒
    体に対して相対的に運動させる手段と、該磁気ヘッドに
    対する入力信号及び出力信号を波形処理する記録再生信
    号処理手段とを有することを特徴とする磁気記憶装置。
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