JP2002116174A - ラミネート缶内面のフィルム欠陥位置特定方法及び装置 - Google Patents

ラミネート缶内面のフィルム欠陥位置特定方法及び装置

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JP2002116174A
JP2002116174A JP2000306384A JP2000306384A JP2002116174A JP 2002116174 A JP2002116174 A JP 2002116174A JP 2000306384 A JP2000306384 A JP 2000306384A JP 2000306384 A JP2000306384 A JP 2000306384A JP 2002116174 A JP2002116174 A JP 2002116174A
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felt
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Hiroshi Kubo
啓 久保
Hiroki Iwasa
浩樹 岩佐
Yoshinori Yomura
吉則 余村
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶体を切り開くことなく、缶内面のフィルム
欠陥の位置を迅速に特定できる欠陥の検出方法および装
置を提供する。 【解決手段】 電解液を染み込ませたプローブをラミネ
ート缶内面に押し付け、缶金属部とプローブ間に電圧を
負荷し、缶金属部とプローブ間の導通をもってフィルム
欠陥位置を特定する。プローブのプローブ端子がフェル
トで構成する。フェルトは水との接触角が50°〜85°で
あることが好ましい。フエルトは適量の電解液を保持し
ているので液の補充が少なくて済み、柔らかいのでフィ
ルムを傷つける心配が無く、ある程度耐磨耗性も有る。
接触角50°未満のものは、はっ水性が低すぎるため、プ
ローブが電解液を吸水する力が強く欠陥内部に電解液が
浸透しにくくなり、接触角が85°を超えるものは、はっ
水性が高すぎて電解液がプローブに随伴せず、尾をひき
やすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶体を切り開くこ
となく、ラミネート缶内面のフィルム欠陥の位置を、迅
速に特定できるラミネート缶内面のフィルム欠陥位置特
定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、缶用材料の分野におけるラミネー
ト缶の需要が増加している。ラミネート缶の製造工程に
おいて、缶体内部のフィルム破損の有無の検査は、品質
管理上、重要である。殊に飲食缶においては、フィルム
破損があると腐食等により重大な事故を引き起こしかね
ず、品質管理はもちろんのこと、欠陥発生の防止対策も
重要となる。
【0003】特に、薄肉深絞り缶などラミネート板が過
酷な成形を受ける場合は、成缶過程でフィルムが損傷す
ることが有り、成缶後の缶内面のフィルムの品質管理及
びフィルム破損があった場合はその原因究明が不可欠と
なる。
【0004】製缶メーカーで缶体内部のフィルム欠陥
(フィルム破損)の有無が検査され、不良缶はリジェク
トされる。欠陥の原因を調査するにはリジェクト缶の欠
陥部を分析する必要がある。しかしながら、欠陥は通
常、数十μmのオーダーであり、肉眼で欠陥位置を特定
するのは不可能に近い。また、顕微鏡で缶内面を隈なく
走査するのは時間がかかりすぎ、現実的では無い。
【0005】欠陥の有無を調べる方法としては、缶体内
部にプローブを入れ、缶との間に電圧負荷をかけ、放電
の有無によって調べる方法、缶に電解液を充填し、缶内
部にプローブを入れ導通の有無を調べる方法などがあ
り、これらの方法を用いて比較的短時間で処理できる。
【0006】一方、フィルム破損の原因特定には長時間
を要する。原因を特定するには、まず、欠陥位置を特定
し、しかる後に欠陥部を観察、分析する。この内、欠陥
部の特定作業が所要時間を長くする最大の要因となって
いる。
【0007】欠陥は数十μmの大きさの為、肉眼では検
出できない。そこで、従来は以下の様な手法を用いて欠
陥部の特定を行うのが一般的であった。まず、缶体を半
切し、缶内面を露出させる。次に電解液を染み込ませた
毛筆と、缶体端面などの金属露出部とをテスターにつな
ぎ込み電圧負荷をかけ、筆先で缶体内面を隈なく触診す
る。このときフィルム破損箇所があれば、その部分では
電解液が染み込み導通があるはずである。この導通反応
の有無を見ながら同時に筆先を動かし、欠陥箇所を特定
して行く。
【0008】この方法には問題点が大きく2つある。一
つは時間がかかることであり、もう一つは不可避的に欠
陥の検出不能部分が発生することである。時間がかかる
原因としてはテスターと筆先を交互に見ながら導通部分
を探して行かなければならないこと、電解液で濡れる部
分を筆先で調整しなければならないこと、また常に筆先
までの導通状態が維持できていることの確認がいること
である。テスターと筆先を交互に見る必要があるため、
筆先の移動は、慎重でなければならず、この為、検出に
長時間を要する。また、プローブとして毛筆を用い、手
動で行う為、電解液のつけすぎや、不足によって、電解
液が拡がり過ぎたり、筆先までの導通状態が確保できな
くなったりするおそれがある。つけすぎた場合、電解液
が筆の通過位置に尾を引き、正確な位置の特定ができな
くなる。また、不足していた場合は、欠陥部に電解液が
染み込まなかったり、筆先までの導通が確保できなかっ
たりするため、欠陥を検出できなくなるおそれがある。
このため電解液をつけすぎた場合は、液をふき取る作業
を行わなければならないし、不足しているかどうかの確
認を、缶体端面部等の金属部分の露出部に電圧を負荷し
て導通の有無をこまめにチェックする必要がある。この
為に従来法では欠陥部の特定に1缶あたり30分程度要す
る。
【0009】さらに、原因調査には多くの缶体を解析す
る必要がある。これは、フィルム破損の要因が様々(異
物混入、介在物などによる金属板の清浄性不良、フィル
ムの加工限界など)で、しかも、現状では、これらの要
因が混在するケースがほとんどであるからである。すな
わち、多くの場合、個々の発生原因の特定ではなく、発
生率を考慮した発生原因の解析が要求されるのである。
従って、必然的に調査缶数も多く必要になる。
【0010】従来法では、このように1缶あたりの欠陥
部特定作業に長時間要すること、調査缶数が多いことの
2つの要因で、莫大な時間を要する作業となっていた。
【0011】また、従来法では調査前に缶体を切り開く
必要があり、このことによって、不可避的に欠陥検出不
能の部分が発生することも問題となっていた。すなわ
ち、切り開いた部分の近辺に欠陥があった場合、切断に
よって断面は金属が露出しているため、切断端面との導
通と、欠陥部との導通との識別ができず、欠陥検出が不
能となる為である。また、切断線上に欠陥があった場合
には、元より欠陥検出不能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を考慮し、缶体を切り開くことなく、缶内面のフィルム
欠陥の位置を迅速に特定できる欠陥の検出方法および装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の手段は次のとおりである。 (1)電解液を染み込ませたプローブをラミネート缶内
面に押し付け、缶金属部とプローブ間に電圧を負荷し、
缶金属部とプローブ間の導通をもってフィルム欠陥位置
を特定することを特徴とするラミネート缶内面のフィル
ム欠陥位置特定方法。 (2)プローブのプローブ端子がフェルトで構成されて
いることを特徴とする前記(1)に記載のラミネート缶
内面のフィルム欠陥位置特定方法。 (3)フェルトが、水との接触角が50°〜85°のフエル
トであることを特徴とする前記(2)に記載のラミネー
ト缶内面のフィルム欠陥位置特定方法。
【0014】(4)プローブに、欠陥の缶周方向位置を
検出する第1のプローブ端子と、欠陥の缶高さ方向位置
を検出する第2のプローブ端子を配設し、缶金属部と第
1のプローブ端子間の導通をもって欠陥の缶円周位置を
特定し、缶金属部と第2のプローブ端子間の導通をもっ
て欠陥の缶高さ方向位置を特定することを特徴とする前
記(1)〜(3)のいずれかに記載のラミネート缶内面
のフィルム欠陥位置特定方法。
【0015】(5)電解液を染み込ませたプローブをラ
ミネート缶内面に押し付け、缶金属部とプローブ間に電
圧を負荷し、缶金属部とプローブ間の導通をもってフィ
ルム欠陥位置を特定する装置であって、該プローブに、
欠陥の缶周方向位置を特定する第1のプローブ端子と欠
陥の缶高さ方向位置を特定する第2のプローブ端子を配
設し、第1のプローブ端子を缶内面に当接させながら缶
を周方向に回転する機能と、第2のプローブ端子を缶内
面に当接させながらプローブを缶高さ方向に移動する機
能と、前記第1のプローブ端子と缶金属部または前記第
2のプローブ端子と缶金属部が導通したことを信号で知
らせる機能を備えることを特徴とするラミネート缶内面
のフィルム欠陥位置特定装置。 (6)第1および第2のプローブ端子として、水との接
触角が50°〜85°のフエルトが配設されていることを特
徴とする前記(5)に記載のラミネート缶内面のフィル
ム欠陥位置特定装置。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について本発明に至
った経緯とともに説明する。前記のような状況を鑑み、
発明者らはフィルム欠陥部特定時間の短縮、簡略化、欠
陥位置の特定精度の向上に取り組んだ。その結果、フィ
ルム欠陥部特定法の簡略化とそれを達成し得るプローブ
の開発で実現可能であることを突き止めた。
【0017】まず、欠陥部特定法の簡略化のために、プ
ローブの動きを単純化し合理的に走査するようにした。
具体的には、欠陥部の周方向の位置特定と高さ方向の位
置特定を順次行う方法である。
【0018】周方向の位置特定用プローブは、歯ブラシ
のような形状のものを用い、缶体の欠陥検出部分と同じ
長さすなわち、缶体の平坦部(缶体高さ方向ストレート
部分)と同じ長さで5mm以下の幅のプローブ(円周方向
用プローブ端子)を歯ブラシのブラシに相当する部分に
設ける。この様なプローブであれば、プローブを缶内面
側に押し当て、缶体を周方向に一回転させるだけで、周
方向の欠陥位置が特定可能である。さらに、前記で特定
された周方向位置において、高さ方向の欠陥位置を検出
すれば、缶体の欠陥位置が決まる。高さ方向の欠陥の検
出は、5mm角以内のプローブ(高さ方向用プローブ端
子)を用いて、このプローブを缶内面側に押し当て缶体
の高さ方向に移動させることによって可能になる。すな
わち、缶を周方向に1回転し、高さ方向にプローブを引
っ張る動きのみで、欠陥部を検出し、その位置の特定が
可能である。
【0019】上記仕組みを実現するにはプローブが重要
となる。前記プローブに要求される性能は、電解液を
含水すること、電解液が接触時欠陥部分に素早く浸透
すること、プローブの移動に伴い電解液が残らないこ
と(尾をひかないこと)、フィルムを傷つけないこ
と、プローブが劣化しにくいこと、等を満足すること
である。殊に、、は、相反する特性であるが、この
両特性を同時に満足させる必要がある。
【0020】実験検討の結果、フェルトが好適で有るこ
とが判明し、さらにフェルトの材質は水との接触角が50
°〜85°となる素材のものが前記条件に合致することを
見出した。接触角が前記範囲にあると、フェルトがフィ
ルム面に押し付けられることによって、電解液が適度に
染み出し欠陥箇所に進入、導通し、また、プローブの移
動に伴って、電解液の尾をひかないことも確認された。
【0021】接触角が50°未満のものは、はっ水性が低
すぎるため、プローブが電解液を吸水する力が強く、欠
陥内部に電解液が浸透しにくくなり、接触角が85°を超
えるものは、はっ水性が高すぎて電解液がプローブに随
伴せず、尾を引きやすくる。そのため、欠陥位置の特定
精度を良好にするには、プローブの移動速度を低くする
必要がある。接触角が50°〜85°の範囲内にあると、前
記問題がないので、プローブの移動速度を速くしても欠
陥位置特定精度を良好にできる。
【0022】また、フエルトは適量の電解液を保持して
いるので、液の補充も少なくて済む。さらに、柔らかい
材質の為、フィルムを傷つける心配も無く、ある程度耐
磨耗性も有る為、欠陥検出作業によって劣化しにくい。
さらにプロープ端子として用いた場合、毛筆のように広
がらないので、調査点の制御が容易である。したがっ
て、欠陥位置の特定精度も向上した。
【0023】上記方法に従い本発明のプローブを用いて
欠陥箇所を検出すると飛躍的に短時間で欠陥位置が特定
可能であることが確かめられた。すなわち、数十μmオ
ーダーの微細なフィルム欠陥であっても確実に検出可能
であり、手動で欠陥検出を行っても1缶あたり8分程度で
欠陥位置が特定可能である。
【0024】さらに、缶体を周方向に回転させる機能と
プローブを缶高さ方向に移動させる機能を有する装置を
作り、本発明の手法で欠陥検出を半自動化して行うと欠
陥位置特定時間はさらに短縮化される。一例を以下に説
明する。
【0025】図1は本発明の実施の形態に係るラミネー
ト缶内面のフィルム欠陥を検出する装置の要部を示す概
要図で、缶体部分は内部を透視した状態で示されてい
る。図1の装置は、以下に説明するように、ステッピン
グモーターを用いて、缶体を周方向に回転し、またスラ
イダー機構でプローブを缶高さ方向に移動可能に配設さ
れている。さらに前記装置は、プローブと缶体金属部が
導通時に、ランプが点灯する機能および導通時に缶体の
周方向の回転またはプローブの缶高さ方向への移動を自
動停止する機能、缶体の周方向回転位置およびプローブ
の缶高さ方向の移動量を座標を表示する機能、ならびに
検出した欠陥部の缶外面側にマーキングする機能を備え
る。
【0026】図1において、1は樹脂フィルムがラミネ
ートされた缶体、3は装置の架台2に配設されているコ
ロ、4は缶体1の底部側外周面を複数箇所で挟んで把持
する把持部材である。コロ3は水平方向に離間して2本
配設されており、その上に回転する缶体1を載置して略
水平に支持可能に配設されている。把持部材4は回転軸
24bの回転により把持した缶体1を周方向に回転可能
に配設されている。
【0027】11は欠陥検出器、12は缶体内面側に配
設されるされるプローブ、13は缶底部の金属露出部
(予め当該部分のフィルムを削っておく)からの導通部
(金属導通部)である。プローブ12は略円柱形で、そ
の外周面の缶体高さ方向に、長さが缶体内面の高さ方向
平坦部(ストレート部)と略同一で幅が5mm以下の長尺
のプローブ端子12aが取り付けられている。また、プ
ローブ12の外周面の前記プローブ端子12a取り付け
部とは反対側の端部側に長さ、幅がいずれも5mm以下の
短尺のプローブ端子12bが取り付けられている。プロ
ーブ端子12a,12bは、いずれも水との接触角が50
°〜85°の範囲内にあるフェルトが使用されている。フ
ェルトの厚さは5mm以下が望ましく、測定時間、望まれ
る精度等を考慮して適宜寸法に決められる。プローブ端
子12a,12bのプローブ12への取り付けはビス等
で行う。なお、本発明が対象とするフェルトは獣毛繊維
を素材とするものだけでなく合成繊維を素材とするもの
も含む。
【0028】プローブ12はプローブ支持軸14に取り
付けられており、プローブ支持軸14はプローブ支持部
材15に取付部材14aを介して取り付けられている。
またプローブ支持軸14は取付部材14aで該軸の周り
に回転可能に配設されており、回転させることでプロー
ブ12aを下面に向けたり、プローブ12bを下面に向
けたりすることが可能である。検出器11は、プローブ
12、金属導通部13と各々リード線16a,16bで
接続され、プローブ12と金属導通部13間に電圧負荷
が可能に配設されている。
【0029】21はステッピングモータ、22は制御
盤、23はクラッチ内蔵のギヤ装置、24a〜24cは
回転軸、25はスライダー軸である。
【0030】制御盤22の操作により、ステッピングモ
ータ21を駆動しまたギヤ装置23に内蔵されているク
ラッチを操作して、回転軸24bを回転して缶体把持装
置4を回転すること、または回転軸24cを駆動しウオ
ームギア部25aを介してスライダー軸25を回転駆動
することが選択可能に配設されている。
【0031】スライダー軸25の外周には雄ネジが形成
されている。またスライダー軸25の途中に前記雄ネジ
に内接する雌ネジが形成された部材15aがスライダー
軸25が回転しても回転しないように配設されている。
部材15aにはプローブ支持部材15が取り付けられて
いる。また、部材15aは、プローブ支持部材15の高
さ方向取り付け位置(鉛直方向位置)が調整可能に配設
されている。
【0032】ステッピングモータ21を駆動してスライ
ダー軸25を回転すると、その回転方向に応じて部材1
5aが水平方向に移動し、部材15aに取り付けられた
プローブ支持部材15とプローブ支持部材15に取り付
けられたプローブ12が水平方向に移動する。
【0033】前記装置では、検出器11がプローブ12
と金属導通部13間の導通状態を検出するとランプ17
が点灯するように配設され、同時にステッピングモータ
21の駆動が停止するように配設されている。
【0034】また、前記装置では、ステッピングモータ
21で駆動する回転軸24bの回転量から求められる缶
体1の円周方向の回転量、および、ステッピングモータ
で駆動するスライダー軸25の回転量から求められる部
材15aの水平方向位置に基づいて決定される缶体1の
円周方向回転量、缶軸方向移動量を表示する座標表示盤
18が配設されている。
【0035】また、前記装置には、缶体上部外面にマー
キングするマーキング装置26a、缶体下部外面にマー
キングするマーキング装置26bが配設されている。マ
ーキング装置26aは装置の架台2に配設され、缶体高
さ方向に線状のマーキング可能に配設されている。マー
キング装置26bは支持部材27を介して取付部材27
aでプローブ支持部材15に取り付けられている。プロ
ーブ支持軸14を回転してプローブ12bを下側にして
缶体内面に当接させたときに、マーキング装置26b
は、プローブ12bのほぼ鉛直下方に位置するように配
設されている。マーキング装置26aと26bのマーキ
ング色はお互いに識別可能な色にすることが望ましい。
【0036】本装置を用いて、次のようにして欠陥部を
検出する。欠陥部を検出する缶体1は、外面側底部を予
めサンドペーパー等で研磨して金属部分が露出されてい
る。前記缶体1を把持装置4でつかみ、昇降装置28を
用いてステッピングモーター21の高さを調整し、缶体
1の外周がコロ3と当接するようにする。
【0037】プローブ端子12a,12bに所定の電解
液を保持させ、プローブ端子12aがプローブ12の下
側にくるようにプローブ12を配設する。ステッピング
モーター21でスライダー軸25を駆動して後退位置
(図1で右側)にあったプローブ支持部材15を前進
(図1で左側へ移動)させ、また必要に応じて部材15
aでプローブ支持部材15の高さ方向位置を調整してプ
ローブ支持軸14の高さ方向位置を調整し、プローブ1
2を缶体1内に装入する。プローブ端子12aが缶体1
内面側の高さ方向平坦部(ストレート部)に当接するよ
うにプローブ12の水平方向位置と高さ方向位置を調整
する。金属導通部13を缶体1外面側の金属部分の露出
部に当接させる。図2はこの状態を説明する図で、
(a)は缶体軸方向断面図、(b)は(a)のA−A矢
視図である。
【0038】座標表示盤18の表示位置をリセットす
る。この位置が基準位置(座標原点)になる。プローブ
12と金属導通部13間に0.5〜500Vの範囲内の所定の
電圧を負荷する。ステッピングモーター21で、回転軸
24bを駆動し、把持装置4を回転し、缶体1を周方向
に回転する。缶体1は外周面がコロ3で支持され、内周
面にプローブ端子12aが当接する状態で回転する。次
の手順によって、缶体1を周方向に1回転し、缶体円周
方向の欠陥部位置を特定する。
【0039】検出器11がプローブ12と金属導通部1
3間で導通状態を検出すると、ランプ17が点灯し、同
時にステッピングモーター21が停止し、缶体1の回転
が停止する。回転停止したときの缶体の回転角度(θ
1)が座標表示盤18に表示されている。操作員は、回
転角度(θ1)を記録し、同時にマーキング装置26a
で缶体1上部外面側に、缶体高さ方向に延びる線状のマ
ーキング(以下、円周方向マーキング)をする。
【0040】次に、再びステッピングモーター21を駆
動して缶体1を回転し、検出器11がプローブ12と金
属導通部13間で導通状態を検出すると、前記と同様の
操作を繰り返す。缶体1が1回転したら、前記の操作を
やめ、プローブ12と金属導通部13間の電圧負荷をや
める。前記の操作によって、缶体1の円周方向の欠陥部
位置が特定される。
【0041】次に、缶体1の高さ方向の欠陥位置を以下
のようにして特定する。プローブ支持軸14を180度
回転し、プローブ端子12bをプローブ12の下側に位
置させ、缶体1の内面側に当接する。図3は状態を説明
する図で、(a)は缶体軸方向断面図、(b)は(a)
のA−A矢視図である。
【0042】次に、ステッピングモーター21で回転軸
24bを駆動し、缶体1を回転角度がθ1になる位置ま
で回転する。この時、円周方向マーキング部は、缶体1
の下部側、即ち高さ方向用プローブ12b当接部の缶体
外側にある。したがって、円周方向マーキング位置が高
さ方向用プローブ12bが当接する位置の下側にくる位
置に缶体1を回転してもよい。
【0043】プローブ12と金属導通部13間に所定の
電圧を負荷し、ステッピングモーター21で回転軸24
cを駆動し、スライダー軸25を駆動し、プローブ支持
部材15を移動し、プローブ12を缶体高さ方向に底部
側から頂部側に移動する。プローブ端子12bは缶体1
内面側壁平坦部(ストレート部)に当接しながら、缶体
高さ方向に底部側から頂部側に移動する。マーキング装
置26bは、プローブ端子12bのほぼ鉛直下方に位置
するように配設されており、マーキング装置26bもプ
ローブ端子12bの移動に合わせて同様に缶体底部側か
ら頂部側に移動する。
【0044】検出器11がプローブ12と金属導通部1
3間の導通状態を検出すると、ランプ17が点灯し、同
時にステッピングモーター21が停止し、プローブ12
が停止する。このとき座標表示盤18には、缶体の回転
角度(θ1)、プローブ12(プローブ端子12b)の
移動距離(h1)が表示されている。角度(θ1)、高
さ(h1)が、検出した欠陥の座標位置になる。操作員
は、検出した欠陥の位置を記録し、同時にマーキング装
置26bで缶体1外側下部に、点状のマーキングをす
る。点状マーキング部の缶体内面側に欠陥部がある。
【0045】プローブ12bを缶体1内面側壁平坦部
(ストレート部)を頂部側まで移動し、検出器11がプ
ローブ12と金属導通部13間で導通状態を検出する
と、前記と同様の操作を繰り返す。プローブ12bが平
坦部(ストレート部)の頂部側端部まで移動したら、プ
ローブ12と金属導通部13間の電圧負荷をやめる。缶
体円周方向欠陥を複数箇所で検出した場合、欠陥を検出
した各々の角度において前記操作を繰り返し、缶体の全
欠陥位置(θi、hi)が特定される。
【0046】前記の装置を用いて前記の操作を行うこと
により、数十μmオーダーの微細なフィルム欠陥であっ
ても確実に検出可能であり、また1缶あたり5分程度で欠
陥位置を特定することが可能となる。
【0047】なお、本発明法では、缶底部、フランジ部
の欠陥検出ができない。しかし、対象とされる欠陥は、
缶体成形に伴い発生するフィルムの破れである為、加工
度の厳しい部分で発生するのが大部分である。その為、
缶体ストレート部で発生するのがほとんどであり、実用
上問題は無い。また、缶底部、フランジ部は欠陥の発生
率が低いので、本発明法で検査後、従来法で検出した
り、フランジ部については、周方向のプローブ端子を缶
体形状に合ったものを用い、高さ方向のプローブ端子
は、フランジ部の形状に合わせて走査できるようプロー
ブ端子に首振り機構などをつけるなど本発明を適宜応用
することによってカバーできる。
【0048】
【実施例】[実施例1]欠陥発生缶50缶について、本発
明法と従来法で、欠陥位置を特定する作業を行い、位置
特定に要する時間を調査した。従来法は毛筆法で行っ
た。
【0049】(本発明法1)羊毛プレスフェルト(水に
対する接触角81°、密度0.34g/cm3)を用いて作成し
た、長さ100mm幅5mmの周方向用プローブ端子と、長さ5m
m幅5mmの缶高さ方向用プローブ端子を対にして取りつけ
たプローブを用いた。缶底部をサンドペーパーで研磨し
金属を露出させた部分と、プローブをテスターにつなぎ
込み2.5Vの電圧を負荷した。プローブを缶上部端面に触
れさせ導通が有ることを確認した。
【0050】プローブを缶内面側に挿入し、プローブの
周方向用プローブ端子を缶平坦部に内接させ、周方向に
缶体を1回転させ導通部分を検出した。次に、導通のあ
った周方向位置でプローブを反転させ、高さ方向用プロ
ーブを内接させ、缶底部から缶頂部方向に走査して欠陥
位置を特定した。
【0051】(本発明法2)羊毛プレスフェルト(水に
対する接触角81°、密度0.34g/cm3)を用いて作成し
た、長さ100mm幅5mmの周方向測定用プローブ端子と、長
さ5mm幅5mmの缶高さ方向測定用プローブ端子を対にして
取りつけた)プローブを用いて、図1で説明した装置に
装着し、この装置を用いて、欠陥位置を特定した。
【0052】(従来法(毛筆法))缶体を半切し、缶内
面を露出させた。毛筆の芯にリード線を通し、毛部に5
%塩化カリウム水溶液を染み込ませたものと、缶表面端
部をサンドペーパーで研磨し金属を露出させた部分とを
リード線でテスターにつなぎこんだ。2.5Vの電圧を負荷
した。毛筆で缶端部を触れ、導通があることを確認し
た。次に、毛筆で缶内面側を走査しつつ、テスターの反
応を見て、欠陥位置を特定した。調査結果を表1に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示されるように、本発明法は、従来
法に比べて圧倒的に短時間で測定が終了し、かつ、検体
全てから欠陥を検出している。また、欠陥位置の特定範
囲も従来法の15mm角以内に対し、本発明法では、5mm角
以内と向上している。従来法で1缶未検出であったの
は、缶切断部近辺に欠陥が存在していたのではないかと
推定される。本発明法では、缶切断工程を含まない為従
来法のように欠陥検出が不能になることがなくなる。
【0055】[実施例2]欠陥発生缶について、各種材
質のフェルト製プローブを用いて、プローブの移動速度
を速くして、手動で欠陥検出を行い、欠陥検出性能と電
解液の随伴性能を調査した。欠陥検出性能は、欠陥検出
の可否に基づいて以下のように評価した。 ○:欠陥検出可、×:欠陥検出不可 電解液随伴性能は、電解液がプローブの移動に伴ってプ
ローブに随伴するか否か(尾を引かないか否か)で以下
のように評価した。 ○:電解液が尾を引かないもの、×:電解液が尾を引く
もの 調査結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】水との接触角が本発明範囲内の発明例1〜
4は、本発明範囲を外れる比較例1,2に比べて、欠陥
検出性能と電解液随伴性能がいずれも良好である。一
方、水との接触角が本発明範囲を外れる比較例1,2
は、欠陥検出性能、電解液随伴性能のいずれかが劣って
いる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、ラミネート缶内面の微
細なフィルム欠陥の位置を、缶体を切り開くことなく、
迅速にまた精度よく特定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るラミネート缶内面の
フィルム欠陥を検出する装置の要部を示す概要図であ
る。
【図2】図1の装置において、缶周方向用プローブ端子
が缶体内面に当接する状態を説明する図で、(a)は缶
体軸方向断面図、(b)は(a)のA−A矢視図であ
る。
【図3】図1の装置において、缶高さ方向用プローブ端
子が缶体内面に当接する状態を説明する図で、(a)は
缶体軸方向断面図、(b)は(a)のA−A矢視図であ
る。
【符号の説明】
1 缶体 2 架台 3 コロ 4 把持部材 11 欠陥検出器 12 プローブ 12a プローブ端子(円周方向用) 12b プローブ端子(高さ方向用) 13 金属導通部 14 プローブ支持軸 14a 取付部材 15 プローブ支持部材 15a 部材 16a,16b リード線 17 ランプ 18 座標表示盤 21 ステッピングモーター 22 制御盤 23 ギヤ装置(クラッチ内蔵) 24a〜24c 回転軸 25 スライダー軸 25a ウオームギア部 26a,26b マーキング装置 27 支持部材 27a 取付部材 28 昇降装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余村 吉則 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G060 AA09 AA20 AE03 AF07 AG07 EA03 HC10 HD01 KA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液を染み込ませたプローブをラミネ
    ート缶内面に押し付け、缶金属部とプローブ間に電圧を
    負荷し、缶金属部とプローブ間の導通をもってフィルム
    欠陥位置を特定することを特徴とするラミネート缶内面
    のフィルム欠陥位置特定方法。
  2. 【請求項2】 プローブのプローブ端子がフェルトで構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネ
    ート缶内面のフィルム欠陥位置特定方法。
  3. 【請求項3】 フェルトが、水との接触角が50°〜85°
    のフエルトであることを特徴とする請求項2に記載のラ
    ミネート缶内面のフィルム欠陥位置特定方法。
  4. 【請求項4】 プローブに、欠陥の缶周方向位置を検出
    する第1のプローブ端子と、欠陥の缶高さ方向位置を検
    出する第2のプローブ端子を配設し、缶金属部と第1の
    プローブ端子間の導通をもって欠陥の缶円周位置を特定
    し、缶金属部と第2のプローブ端子間の導通をもって欠
    陥の缶高さ方向位置を特定することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のラミネート缶内面のフィルム
    欠陥位置特定方法。
  5. 【請求項5】 電解液を染み込ませたプローブをラミネ
    ート缶内面に押し付け、缶金属部とプローブ間に電圧を
    負荷し、缶金属部とプローブ間の導通をもってフィルム
    欠陥位置を特定する装置であって、該プローブに、欠陥
    の缶周方向位置を特定する第1のプローブ端子と欠陥の
    缶高さ方向位置を特定する第2のプローブ端子を配設
    し、第1のプローブ端子を缶内面に当接させながら缶を
    周方向に回転する機能と、第2のプローブ端子を缶内面
    に当接させながらプローブを缶高さ方向に移動する機能
    と、前記第1のプローブ端子と缶金属部または前記第2
    のプローブ端子と缶金属部が導通したことを信号で知ら
    せる機能を備えることを特徴とするラミネート缶内面の
    フィルム欠陥位置特定装置。
  6. 【請求項6】 第1および第2のプローブ端子として、
    水との接触角が50°〜85°のフエルトが配設されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のラミネート缶内面の
    フィルム欠陥位置特定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003245A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Aoi Kiko Kk バリ検知方法および装置
JP2013036768A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Nissan Motor Co Ltd 電極シートの検査装置
CN112114008A (zh) * 2020-09-24 2020-12-22 广东嘉仪仪器集团有限公司 用于罐内涂膜检测仪的检测柱

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