JP3120259B2 - 円筒缶胴塗膜欠陥検出装置 - Google Patents

円筒缶胴塗膜欠陥検出装置

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JP3120259B2
JP3120259B2 JP04194609A JP19460992A JP3120259B2 JP 3120259 B2 JP3120259 B2 JP 3120259B2 JP 04194609 A JP04194609 A JP 04194609A JP 19460992 A JP19460992 A JP 19460992A JP 3120259 B2 JP3120259 B2 JP 3120259B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目部を有し且つ内,
外両面に塗膜を有するストレート円筒缶胴(メガネ缶と
かシリンダー缶と呼ばれている缶胴)について、継目部
と継目部以外の缶胴全周面(円周部)とを区別して、少
なくとも一方の塗膜面の塗膜欠陥の有無を検出する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、錫めっき鋼板やティンフリースチ
ール板等の素材で造られる継目部を有する3ピース溶接
缶は、缶胴内面には、内容物の攻撃による腐食を防止す
るための保護塗膜が施され、また外面には装飾のための
印刷層とこの印刷層を保護するための透明な保護塗膜が
施されている。また、溶接等により形成された継目部の
切断端面は金属が露出しており、そのままでは錆の発生
源となるため、円筒缶胴成形後、継目部内外面にストラ
イプ状の保護塗膜が施されている。
【0003】ところが、既に両面に塗膜が施されている
金属板から円筒形の缶胴を成形する際に、曲げロール等
の成形部品との接触に伴い保護塗膜内外表面にすり傷
(スクラッチ)が入ったり、継目部を溶接する際に、継
目部を含めたその周辺部に溶融金属が飛散(スプラッシ
ュ)し易く、その溶融金属の付着により、継目部に充分
な保護塗膜を施すことが出来ず、金属露出した塗膜欠陥
品が発生することがある。
【0004】この保護塗膜の欠陥を検出する装置とし
て、缶内面塗膜の欠陥を1回で検出するエナメルレータ
ー(例えば、実公昭61−23795号公報に開示のも
の)が一般的に使用されている。このほか、塗膜欠陥を
微小区分毎に検出するようにした、例えば特開昭63−
44158号公報に開示の金属露出測定装置も提案され
ている。
【0005】前者のエナメルレーターは、缶胴に底蓋を
巻締成形した後の缶体を用いるもので、コップ状の缶内
に食塩水又は硫酸ナトリウム水溶液のような電解液を入
れ、一方の電極を缶の底部又は開口端の金属露出部分に
接触させ、他方の電極を電解液中に浸し、両電極間に電
圧をかけて電解液中に流れる電流を測定し、保護塗膜の
良否を評価する装置である。
【0006】また、後者の測定装置は、缶胴に底蓋を巻
締成形する前の円筒缶胴を用いて測定できるようにした
ものである。使用にあたっては、缶胴の開口端に一方の
電極を接触させる。他方、先端に電解液保持部材をもつ
測定用電極の、該保持部材を塗膜面に圧接触させる。こ
の状態で缶胴と測定用電極とを相対的に移動させ、一定
ピッチ毎に電極間に電圧を印加して、電解液を介して両
者間に流れる電流を微小区分毎に区別して検出できるよ
うにした装置である。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】近年、缶胴内面ほど
には高い防蝕性が要求されていない缶胴外面の塗膜状態
についても、商品価値の観点から塗膜欠陥のない品質の
高いものが要求されてきている。ところが、前述の先行
技術は両者とも、缶胴外面の塗膜状態を検出対象として
いないため、缶胴外面については、従来通り、オペレー
ター或は検査員による目視検査にたよらざるを得ず、人
手による検査には限界があり、なかなか外面の品質を向
上させられないという問題がある。しかも、前記従来技
術には次のような問題がある。
【0008】即ち、前記エナメルレーターでは、電解液
を介して缶胴と電極との間に流れる電流値が合計値とし
て測定されてしまう(欠陥箇所が複数あれば、測定値は
それぞれの欠陥箇所の電流値が加算されたものとな
る)。また底蓋の塗膜欠陥も合わせて測定されてしまう
ため、電流値が検出され塗膜欠陥品として評価された場
合、欠陥があるのは缶胴部分なのか缶蓋部分なのか、さ
らに缶胴であればどこにその欠陥箇所があるのか、また
欠陥がどの程度の欠陥なのかがすぐに判別できず、傷発
生源への対処が遅れてしまう。また、底蓋が巻き締めら
れた最終工程でしか不良缶を発見することができないた
め、大量生産ラインでは、発見された時には、既に大量
の不良缶が発生しているという問題もある。
【0009】一方、微小区分ごとに区別して検出する上
記検査装置は、缶胴に底蓋を巻き締める前の製造ライン
に流れている円筒缶胴を用いて、その内面塗膜欠陥を、
微小区分毎に検出できるので、欠陥箇所の存在場所や欠
陥箇所の金属露出程度を早期に求めることができる点
で、上述の問題は一応解消されるものと考えられる。し
かしながら、継目部以外の円周部の欠陥を検出可能にす
るためには未だ解決しなければならない問題がある。す
なわち、缶胴を電極に対して一定方向に移動させるだけ
のものであるから、継目部以外の円周部の欠陥を検出す
るためには何回も缶胴を位置決めし直されなければなら
ず、継目部を含めた缶胴内外全円周部の塗膜欠陥を測定
するのに多くの手間と時間がかかることである。
【0010】本発明は、これらの問題に鑑み、底蓋巻締
成形前の円筒缶胴を用いて、内外面の少なくとも一方の
塗膜面の塗膜欠陥を設定ピッチ毎に継目部と円周部とに
分けて迅速に検出可能とし、塗膜欠陥の発生源への対処
を容易ならしめ、不良缶の発生を未然に防止する円筒缶
胴塗膜欠陥検出装置の提供を目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】継目部を有し且つ内,
外両面に塗膜を有する円筒缶胴の、少なくとも一方の塗
膜面の塗膜欠陥を継目部と円周部とを区別して検出する
検出装置であって、横置された缶胴を缶軸中心に回転さ
せ、該缶胴の継目部を後記電極ノズルと対応する位置に
位置決めする缶回転駆動機構と缶胴の開口端に接触した
状態で回転可能な接触電極とを搭載した缶回転アース部
と、位置決めされた缶胴を載置した缶回転アース部を該
電極ノズルに向け水平移動させる直線駆動機構と、該缶
胴の進行方向に配設され、電解液吐出孔と電解液吸引孔
とを先端面に有し、少なくとも一方の塗膜面と電解液を
介して接触するように該塗膜面に対して近接、離間可能
に設けられた少なくとも1ケの電極ノズルと、該接触電
極と電極ノズルとの間に電圧を印加し、塗膜欠陥箇所に
基づいて流れる電流を継目部と円周部とを区別して検出
する測定機構とを備えることを特徴とする円筒缶胴塗膜
欠陥検出装置。
【0012】
【作用】継目部を含み、内,外面に塗膜が施された缶胴
を缶回転アース部に横置し、缶胴開口部(金属露出部
分)に回転可能な接触電極を夫々接触させる。缶胴を回
転させて、継目部が電極ノズルに対応する位置に来たな
ら回転を止め、接触電極を接触させたまま、缶回転アー
ス部ごと缶胴を、電極ノズルを含む測定部まで水平移動
させる。測定位置で缶胴継目部塗膜面に電極ノズルを接
近させ、電極ノズルの吐出孔から電解液を強制的に塗膜
面に吐出、付着させ、塗膜面に付着した電解液を溢れさ
せることなく該電極ノズルの吸引孔から吸引し、この吐
出、吸引を連続させながら、電極ノズルに対して缶胴を
水平移動させて、設定ピッチ毎に接触電極と電極ノズル
間に電圧を印加し、継目部の塗膜欠陥を検出する。同様
に、電極ノズルに対して缶胴を回転させながら水平移動
させて、円周部の塗膜欠陥を検出する。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例として内,外面塗膜面の欠陥同時検出装置について説
明する。
【0014】図1は本実施例装置を示す正面図であり、
図2はその概略平面図、図3は図1の III−III 線に沿
う断面図である。
【0015】まず、図1〜3によって本実施例装置全体
について説明する。基台2上に直線駆動機構3が配置さ
れ、その上に、直線駆動機構3の駆動に伴い水平移動可
能な缶回転アース部4が載置され、缶回転アース部4の
移動する前方位置(図1の右側)に、缶回転アース部4
で位置決めされた円筒缶胴1の塗膜欠陥を内外面同時に
検査する測定機構5が配置されている。
【0016】缶回転アース部4は、図1、3に示すよう
に、横置された缶胴1(2点鎖線で示す)を缶軸中心に
回転させて位置決めする缶回転駆動機構6を備えてい
る。図中11は、缶胴1を回転させるゴムロールであ
り、正面から見てコの字形の鞍状部材12の側壁に二本
平行に間隔をあけ、回転可能に取り付けられている。こ
のゴムロール11は、鞍状部材12の左側面に取り付け
られているステッピングモータ13の回転によりベルト
14、プーリー15を介して同一方向に回転する。ま
た、ゴムロール11、11間に長細い磁石16が設けら
れ、シリンダ16aの駆動により上下可能に支持されて
いる。この磁石16は、缶胴1が回転する場合に胴部外
面に近接し、缶胴1をゴムロール11に引き付け、缶胴
1がスリップすることなく回転できるようにする。
【0017】図1で、17,19は、夫々、缶胴1の両
端側に設けられた接触電極で、缶胴1の開口端に接触し
て缶胴1に電圧を印加する。このうち右側の接触電極1
7は、缶胴の長手方向での位置決め用の固定ゲージとも
なるもので、絶縁材製の固定ブラケット18に回転可能
に軸支されている。一方、左側の接触電極19は、水平
移動可能な絶縁材製のブラケット20に回転可能に軸支
されている。これら電極17,19は図2に示すよう
に、缶胴1の両側に各一対設けているが、缶胴に電圧を
印加するための接触電極はこの中いずれか1箇所で良
く、本例では、19の正面側を印加電極とする。この接
触電極19には摺接する端子19aが設けられ、後述す
る測定用の電源に接続されている。
【0018】21は、接触電極19を軸支しているブラ
ケット20を水平移動させるためのシリンダであり、鞍
状部材12の両側に設けられているL字形部材12bに
固定され、ロッド先端がブラケット20の下部に連結さ
れている(図1参照)。22は、ブラケット20の案内
棒であり、L字形部材12bの上面に固定されているブ
ロック23を貫通し固定ブラケット18側に向かって水
平に延び、シリンダ21のロッドの伸縮動作に伴いブラ
ケット20を左右方向に移動させる。
【0019】一方、24は、ゴムロール11上に横置さ
れている缶胴1の頂面に向かって超音波を発射し、継目
部1aでの反射波を検出する超音波反射式の継目検出セ
ンサーであり、L字形部材12bから上方に延びるブラ
ケット24aに取り付けられている。また、25は、継
目検出センサー24に隣接して設けられ、缶胴の有無を
検出する缶検出センサーである。
【0020】次に、直線駆動機構3を説明する。31
は、基台2上に設けられた横長の枠体であり、その両端
から側板31a、31bが上方に延び、側板31a、3
1bに回転可能に軸支されたネジ軸34が、鞍状部材1
2の下方に延びる延出部分12aと螺合している。ま
た、側板には支持バー33が架け渡され、その上にスラ
イドレール32aが固定され、鞍状部材12の下面に取
り付けたリニヤスライダー32を案内している。
【0021】ネジ軸34は、枠体31の左側板31bを
貫通して延び、プーリー37が取り付けられ、先端はロ
ータリーエンコーダ35の駆動軸とカップリング36で
連結されている。プーリー37は、枠体31内にモータ
38が設けられ、その軸端に固着されているプーリー3
9とベルト40を介して連結されている。これによりモ
ータ38の回転に伴いネジ軸34が回転し、缶回転アー
ス部4がスライドレール32aに沿って水平移動する。
同時に、ロータリーエンコーダ35が回転させられてパ
ルス信号を発生する。これは、後述するコンピューター
処理装置より図示しない制御機構を介して缶回転アース
部4上の缶胴1の移動を制御したり、また、缶胴1の移
動をコンピューター処理装置に読み込んで、缶胴1の測
定位置を判別することができるようにするためである。
【0022】次に、測定機構5について説明する。測定
機構5は、図1に示すように、枠体31の右側板31a
に固定されている張出台41上に取り付けた正面から見
ると略T字形の支持板44に支持されている。
【0023】51は、支持板44から缶回転アース部4
側に略水平方向に延びるアクリル製の上アームであり、
53は、上アーム51と略平行に延び、缶胴1内に挿入
可能な、上アーム51と同一材料で作られている下アー
ムである。上下アーム51、53は支持板44に軸5
5、56で、回転可能に取り付けられている。
【0024】上アーム51の先端部分には、缶胴外面塗
膜面に対面するステンレス製の第1電極ノズル52が電
極面を下向きにして取り付けられ、一方の下アーム53
の先端部分には、内面塗膜面に対面するステンレス製の
第2電極ノズル54が電極面を上向きに対向して取り付
けられている。これらの電極ノズル52、54から通電
線57、58が支持板44側に延び、さらに電源(後
述)端子へと配線される。電極ノズル52、54は、缶
回転アース部と共に進行する缶胴の進行方向前方に配設
されている。
【0025】一方、アームの支点となる軸55、56
は、支持部材44を貫通し先端に一対のギヤ59、60
が固着し噛み合っている。このうち上ギヤー59には上
方へ延びるレバー61が設けられ、このレバー61を挟
んで対向するシリンダ62、63が支持板44に取り付
けられている。これらのシリンダ62、63は上下アー
ム51、53を開閉させるためのもので、シリンダ6
2、63の動きに伴い、レバー61が揺動して、ギヤー
59、60がこれに伴い回転し上下アーム51、53を
軸55、56を中心に開閉させる。
【0026】図4、5、6を参照して、電極ノズルの構
造について更に説明する。第1電極ノズル52の先端電
極面52aは、図4(図1のIV−IV線に沿う拡大断面
図)に示すように、缶胴外面の輪郭形状に沿わせた断面
形状をし、電極面52aの平面図である図5に示すよう
に角形となっている。電極面52aの中央には凹部66
が設けられ、凹部66の底に電解液吐出孔67が設けら
れている。また、電解液吸引孔68が凹部66の周りに
近付けて設けられている(本例では、電極面の大きさは
17mm角、凹部66は5mm径、電解液吐出孔67は
2.2mm径、吸引孔68は1.5mm径、8個としてあ
る)。そして、吐出孔67は、上アーム51の電解液供
給孔69に連通され、また吸引孔68は上アーム51の
電解液排出孔70にそれぞれ連通されている。
【0027】電解液は、図6に示すように、上アーム5
1に取り付けた継手71から供給され、供給孔69を介
して第1電極ノズル52の吐出孔67から缶胴外面に吐
出され、また吐出された電解液は吸引孔68に吸引さ
れ、排出孔70を介して継手72から排出される。排出
された電解液は次に述べる電解液循環手段8を経て循環
再利用される。
【0028】電解液循環手段8は、電解液タンク81か
ら、順に、吐出ポンプ82、分岐部83、流量調整弁8
4、継手71、上アーム51の電解液供給孔69、第1
電極ノズル52の吐出孔67に接続される電解液供給経
路と、逆に、第1電極ノズル52の吸引孔68から、順
に、上アームの電解液排出孔70、継手72、フィルタ
85、吸引ポンプ86を経て電解液タンク81に接続さ
れる電解液排出経路とから構成されている。
【0029】したがって、吐出ポンプ82が作動すると
電解液はタンク81から供給経路を流れて第1電極ノズ
ル52の吐出孔67から缶胴外面に吐出され、電解液を
塗膜面に付着させる。同時に、第1電極ノズル52と缶
胴外面との間に形成される微小間隙に吐出した電解液は
吸引孔68で吸引、タンク81に回収され、経路内を循
環する。
【0030】電極ノズル52は、缶胴外面塗膜面に対
し、電解液を介して接触するように該塗膜面に接近し、
又、離れる如く動く。
【0031】一方、第2電極ノズル54の電極面54a
は、缶胴内面の輪郭形状に沿わせた断面形状としてあ
り、しかも、第1電極ノズル52の電極面52aと同様
な構造、機能を有しており、また、第1電極ノズル52
の電解液循環手段8とは独立した電解液循環手段(図示
せず)を備えている。
【0032】なお、本実施例装置では、缶胴1の塗膜表
面に電解液を適度に付着させ、電解液が第1電極ノズル
52の周りから溢れ出ることなく連続して電解液の吐
出、吸引が行えるようにするために、流量調整弁84で
吐出量を100〜500cc/分(好ましくは150〜
200cc/分)に調整して、電極面の大きさは10〜
20mmの範囲で、電極面と塗膜面との間隙を0.1〜5
mmの範囲とし、電極面52aに対する缶胴塗膜面の移
動速度は5〜200mm/sec、測定ピッチは0.1〜
17mmの範囲で選択した。この構造は第2電極ノズル
54の場合も同様である。
【0033】電解液は比較的低い真空圧(10〜20m
mHg)で吸引できることから、分岐部83から電解液
の一部を引き込む水流式の吸引ポンプ86にすれば、設
備的にコンパクトとなる。
【0034】次に、図7を参照して電極ノズルを使用し
た測定機構5の電気回路について説明する。接触電極1
9を負極、第1、2電極ノズル52、54を正極とし、
電源V1、V2に接続され缶胴内外面別々に導通回路を
構成する。一方、ロータリーエンコーダー35からのパ
ルス信号に基づき制御機構(図示せず)が缶回転駆動機
構6と直線駆動機構3を駆動し、缶胴1を電極ノズルに
対して移動又は回転移動させながら、設定ピッチ毎に接
触電極19と電極ノズル52、54間に電圧を印加し、
各回路に流れる電流値を電流/電圧変換器91、92、
アナログデジタル(A/D)変換ユニット93を介して
コンピュータ処理装置94側に読み込む。そして缶胴径
とゴムロール径とから予め算出されている継目部1aの
位置から、コンピュータ処理装置94で統計、判別処理
して内面、外面別々に平均値と最大値を、継目部と円周
部に区別してモニター画面にデータ表示すると共に、最
大値が規格値を越えた塗膜欠陥品については継目部と、
円周部に区別し、かつ内外面に区別して塗膜欠陥箇所を
画面内に表示するようにしてある。
【0035】なお、本実施例では、第1電極ノズルと第
2電極ノズルとで内外塗膜面を挟むようにして電解液の
吐出方向を対向させているが、これに限定することな
く、両電極ノズルの電解液吐出方向を両方とも下向きに
なるように配置しても良いし、また、缶胴内外面の塗膜
欠陥を同時に検出するようにしているが、必要に応じて
電極ノズル52、54の一方だけを配設し、内面、外面
のいずれか一方の面だけを検出するようにしても良い。
【0036】上下アームの材質は、上記実施例に限ら
ず、電気絶縁性を有すれば良く、例えば、ポリイミド、
ポリアミド、フッ素樹脂(テフロン等)、ポリカーボネ
ート等のプラスチック材や、雲母、ガラス繊維等の無機
質材料、ナイロン系、四ふっ化エチレン繊維等の有機質
材料の充填材を含有したプラスチックも用いることがで
きる。また、電極ノズルの材質は、導電性を有すれば良
く、例えば、アルミ、銅、またはそれらの合金材や、そ
れらの表面にメッキ(硬質クロムメッキ、金メッキ等)
処理したものも用いることができる。
【0037】電極面に設けた凹部と、吸引孔の配置、大
きさも本例に限定されず、電極面の大きさに合わせて、
小さく又は大きくしても良い。吸引孔の配置にしても、
凹部の周囲に近付け、電解液が微小隙間から溢れなけれ
ば良く、両側に1列数箇所、又は四角囲みで数箇所、あ
るいは環状溝として配置しても良いし、また、電極ノズ
ルの電極面を極薄(0.5mm以下)の柔らかいゴム、ナ
イロン、テフロン等のシート材料で取り囲み、缶胴に僅
かに接触するように取り付けて、電極面と塗膜表面との
微小間隙をシート材料で密閉空間を形成するようにして
も良い。
【0038】更にまた、測定機構5を支持している張出
台41を昇降させるようにして、缶径の異なる缶胴に対
応できるようにさせても良く、また、電極ノズルを洗浄
する時に、作業性を良くするため、張出台41上に固定
されている支持板44を旋回させるようにしても良い。
【0039】使用する電解液としては、1%食塩水とラ
ピゾール水溶液を混合した電解液の他、従来使用してい
た、例えば、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナト
リウム、硫酸銅水溶液などでも良い。
【0040】次に、本実施例の装置の作動を説明する。
【0041】まず、缶回転アース部4のゴムロール11
上に缶胴1を載置する。その缶胴を缶検出センサー25
が感知すると、接触電極19が他の接触電極17側へ移
動し、缶胴1をその接触電極17とで挟み、その後原位
置に戻る。続いて、ゴムロール11間の磁石16が缶胴
1の表面近くまで上昇し、磁石16の吸着力で、缶胴1
をゴムロール11の表面に引き付ける。この状態でステ
ッピングモータ13が駆動してゴムロール11が同一方
向に回転し缶胴1を回転させる。継目センサ24が継目
部1aを検出すると、その継目部が最上面にきたところ
でステッピングモータ13が停止し、磁石16が下降す
る。
【0042】次に、再び接触電極19が移動し缶胴1を
接触電極17に押し付け固定すると共に、磁石16が上
昇する。するとモータ38が回転し缶回転アース部4
が、接触電極17、19で両開口部を挟まれ且つ継目部
1aが最上位にきた形に位置決めされた缶胴1を、載せ
たまま、上下開いている電極ノズル52、54に向い、
前進し、測定開始位置につく。
【0043】続いて、両電極ノズル52と54が近づ
き、缶胴1の継目部1aを上下から挟む。すると、電解
液の吐出ポンプ82が作動し、吸引ポンプ86を作動さ
せながら両電極ノズル52、54から電解液を吐出し
(150〜200cc/分の吐出量)、また吐出した電
解液を吸引し、缶胴1の継目部1aの内外面へ電解液を
連続付着させる。缶回転アース部4が更に所定距離前進
し、電解液を媒体として電圧(6v)を設定ピッチ(0.
5mm)毎に印加して、缶胴1の継目部1aの全長に亙
り各測定ピッチ毎に電極間に流れる電流値を測定し、継
目部1aの塗膜欠陥を検出する。
【0044】継目部1aの検出終了後、缶回転アース部
4のステッピングモータ13、モータ38を駆動させ、
缶胴1を電極ノズルに対して回転させつつ移動させなが
ら電圧を設定ピッチ(直進方向0.5mm、円周方向14
mmピッチ)毎に印加し、今度は、円周部内外面の塗膜
欠陥を検出する。
【0045】なお、円周部を検出する際、継目部1aが
電極ノズルを横切る時、コンピュータ処理装置94に読
み込んだパルス信号に依り、重複する継目部の電流値は
検出しないようになっている。こうして測定開始位置ま
で後退して測定が終了する。終了後、電解液吐出ポンプ
82が停止し、第1、2電極ノズル52、54が開き、
最初の場所まで缶回転アース部4が後退し待機状態とな
る。
【0046】検査結果は、コンピュータ処理により良否
判別され、モニター画面に測定値が表示され、否と判断
されたものは欠陥箇所が缶胴内,外面の何れか又は両方
であるかを区別し、しかも継目部と円周部とに分けてポ
イント表示される。その後、缶胴1はロボット等によ
り、良缶と不良缶を分けて排出シュートに自動排出され
る。
【0047】なお本例では、予め、両電極ノズル52、
54を、缶胴の最上面に位置する継目部1aを挟持する
如き場所に設置したので(図4,6)、継目部1aが缶
胴最上面にきたとき、缶胴の位置決めが行われたが、缶
胴の位置決めはこれに限らず、缶胴1が缶回転アース部
4と共に進行し、その継目部が電極ノズル52、54で
挟持され得る位置なら、両電極ノズルはどのような位置
にあってもよく、それに対応して缶胴の位置も決定され
る。又、外面または内面の何れか一方の塗膜面を検査対
象とするときは、第1電極ノズル52又は第2電極ノズ
ル54を、継目部外面又は内面に電解液を媒体として接
触できる場所に設置すればよく、その電極ノズルの位置
に対応する位置に継目部が来るように、缶胴周面の位置
決めが行われる。
【0048】本実施例においては、次のような効果があ
る。 従来目視にたよらざるを得なかった缶胴外面の塗膜
欠陥検出も缶胴内面の塗膜欠陥検出と同時に行うことが
でき、缶胴外面の塗膜状態を的確に把握することができ
る。 円筒缶胴成形直後の円筒缶胴を用いて、継目部と円
周部とに区分して塗膜欠陥の有無を設定ピッチ毎に検出
できる。 電解液の塗膜面への付着手段として、電解液を噴水
の様に塗膜面に吐出し、吐出した電解液を常に吸引する
構成としたので、缶胴を回転させて継目部を横切るよう
に移動させても電解液は塗膜面に容易に付着させられ、
塗膜欠陥検出を確実、かつ迅速に行うことができる。 更に、電解液循環手段を設けたので、電解液を再利
用でき、経済的であると共に、また、1〜2週間もの長
い間電解液を補給もすることなしに連続使用が可能とな
り、検査作業の合理化が可能となる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、円筒缶胴成形後の、底
蓋巻締め前の円筒缶胴を用いて、缶胴内,外面の少なく
とも一面の保護塗膜の塗膜欠陥の有無を、継目部と円周
部とに区分して検査でき、しかも設定ピッチ毎に塗膜欠
陥の程度がすぐに判別できるので、早期に傷発生源の原
因究明ができ、その対処が容易となる。
【0050】また、電極ノズルに電解液吐出孔と吸引孔
とがあって、電解液を塗膜面に吐出して付着させ、且
つ、吐出した電解液を常に吸引する構成としたので、電
解液を塗膜面に安定、かつ容易に付着させられ塗膜欠陥
検出を確実にすることができる。
【0051】更に、従来、検査員の目視にたよらざるを
得なかった缶胴外面の塗膜欠陥検出も機械的に行えるの
で、外面の塗膜品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例検出装置の正面図
【図2】 図1の概略平面図
【図3】 図1の III−III 線に沿う断面図
【図4】 図1のIV−IV線に沿う拡大断面図
【図5】 図4のV−V線に沿う部分平面図
【図6】 電解液循環経路を示す説明図
【図7】 測定機構の電気回路を示す模式図
【符号の説明】
1 缶胴 1a 継目部 3 直線駆動機構 4 缶回転アース部 5 測定機構 6 缶回転駆動機構 8 電解液循環手段 11 ゴムロール 13 ステッピングモータ 17、19 接触電極 24 継目検出センサー 51 上アーム 52 第1電極ノズル 53 下アーム 54 第2電極ノズル 67 吐出孔 68 吸引孔 69 電解液供給孔 70 電解液排出孔 94 コンピュータ処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−44158(JP,A) 特開 昭49−52685(JP,A) 実開 昭63−8653(JP,U) 実開 平1−180758(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 継目部を有し且つ内,外両面に塗膜を有
    する円筒缶胴の、少なくとも一方の塗膜面の塗膜欠陥を
    継目部と円周部とを区別して検出する検出装置であっ
    て、 横置された缶胴を缶軸中心に回転させ、該缶胴の継目部
    を後記電極ノズルと対応する位置に位置決めする缶回転
    駆動機構と缶胴の開口端に接触した状態で回転可能な接
    触電極とを搭載した缶回転アース部と、 位置決めされた缶胴を載置した缶回転アース部を該電極
    ノズルに向け水平移動させる直線駆動機構と、 該缶胴の進行方向に配設され、電解液吐出孔と電解液吸
    引孔とを先端面に有し、少なくとも一方の塗膜面と電解
    液を介して接触するように該塗膜面に対して近接、離間
    可能に設けられた少なくとも1ケの電極ノズルと、 該接触電極と電極ノズルとの間に電圧を印加し、塗膜欠
    陥箇所に基づいて流れる電流を継目部と円周部とを区別
    して検出する測定機構とを備えることを特徴とする円筒
    缶胴塗膜欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 缶胴内面塗膜面に対面する第1電極ノズ
    ルと、缶胴外面塗膜面に対面する第2電極ノズルとを設
    け、塗膜欠陥を内外面同時に検出する請求項1記載の円
    筒缶胴塗膜欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 前記電極ノズルの電極面が、缶胴断面の
    輪郭形状に沿った断面形状をもつ請求項1又は2記載の
    円筒缶胴塗膜欠陥検出装置。
  4. 【請求項4】 電極ノズルの吐出孔に電解液を供給する
    と共に、吸引孔から電解液を吸引する電解液循環手段を
    備えた請求項1又は2記載の円筒缶胴塗膜欠陥検出装
    置。
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