JP2002115407A - 多層階集合住宅の通風構造 - Google Patents

多層階集合住宅の通風構造

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JP2002115407A
JP2002115407A JP2000310972A JP2000310972A JP2002115407A JP 2002115407 A JP2002115407 A JP 2002115407A JP 2000310972 A JP2000310972 A JP 2000310972A JP 2000310972 A JP2000310972 A JP 2000310972A JP 2002115407 A JP2002115407 A JP 2002115407A
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ventilation
double walls
apartment house
story apartment
floor
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JP2000310972A
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Chihiro Kawamura
千尋 河村
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Sumitomo Construction Co Ltd
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Sumitomo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層階集合住宅において、各住戸の居住空間
の通風性を十分に高めることができる通風構造を提供す
る。 【解決手段】 各階において互いに隣接する住戸12の
戸境壁20を、所定間隔をおいて配置された2重壁20
A、20Bで構成し、その各々に複数の通気口22を形
成する。そして2重壁20A、20Bと床スラブ24と
天井スラブとにより、両住戸12間に多層階集合住宅を
前後方向に貫通する通風路28を形成する。これにより
2重壁20A、20Bの間に空気を効率よく流通させ、
各通気口22を介して各住戸12の居住空間の空気を通
風路28へ効率よく吸い出すようにする。その際、通風
路28の前面側開口端部28aを前方へ向けて左右方向
に広がるように形成し、集風効果を高める。すなわち、
多層階集合住宅の正面前方から吹いてくる風だけでな
く、斜め方向から吹いてくる風についても通風路28へ
スムーズに導き、2重壁20A、20Bの間に空気を一
層効率よく流通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、多層階集合住宅
に関するものであり、特にその通風構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、マンション等の多層階集合住宅
においては、各階毎に複数の住戸が左右方向に配列され
た構造になっている。そして、この多層階集合住宅を構
成する住戸の多くは、その左右両側面が隣りの住戸との
戸境壁で構成されており、その前面および背面にのみ窓
が設けられた構造となっている。その際、各住戸の前面
(多くは南向きの面)には広い窓が設けられるが、その
背面には外廊下等が設けられる関係上、小さい窓が設け
られるにすぎないのが一般的である。しかも、各住戸の
居住空間も部屋毎に区切られているので、外からの風が
住戸内を通り抜けるようにすることは困難なものとなっ
ている。
【0003】これに対し、特公平4−44662号公報
には、各住戸間の戸境壁を所定間隔をおいて配置された
2重壁で構成し、この2重壁の各々に複数の開口を形成
することにより、各住戸の居住空間の換気、通風および
採光を図るようにした構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公報
記載の構造では、戸境壁を構成する2重壁が単に平行な
1対の鉛直平面壁として形成されているにすぎないの
で、2重壁の間に空気を効率よく流通させることはでき
ず、このため2重壁の各々に形成された開口を介して各
住戸の居住空間の通風性を十分に高めることは困難であ
る。
【0005】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、多層階集合住宅における各住戸の居
住空間の通風性を十分に高めることができる通風構造を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、戸境壁を構
成する2重壁の間の空間形状に工夫を施すことにより、
これを空気流通効率のよい通風路として機能させるよう
にし、もって上記目的達成を図るようにしたものであ
る。
【0007】すなわち、本願発明に係る多層階集合住宅
の通風構造は、各階毎に複数の住戸が左右方向に配列さ
れてなる多層階集合住宅における通風構造であって、所
定階において互いに隣接する住戸を仕切る戸境壁の少な
くとも1つが、所定間隔をおいて配置された2重壁から
なり、上記2重壁の各々に、少なくとも1つの通気口が
形成されており、上記2重壁と上記所定階の床スラブお
よび天井スラブとにより、上記両住戸間に上記多層階集
合住宅を前後方向に貫通する通風路が形成されており、
上記通風路の前面側開口端部が、前方へ向けて左右方向
に広がるように形成されている、ことを特徴とするもの
である。
【0008】上記「左右方向」および「前後方向」は、
多層階集合住宅の構成を説明するために便宜的に用いた
方向であって、その具体的な方位は特に限定されるもの
ではなく、例えば、東西方向を「左右方向」(西が左で
東が右)、南北方向を「前後方向」(南が前で北が後)
等に設定可能である。上記「所定階」は、特定の1また
は2以上の階であってもよいし、多層階集合住宅のすべ
ての階であってもよい。
【0009】上記「前面側開口端部」は、前方へ向けて
左右方向に広がるものであれば、その具体的形状は特に
限定されるものではなく、また、左右両方向に均等に広
がるものであってもよいし、左右両方向に不均等に広が
るものであってもよいし、左右いずれか一方にのみ広が
るものであってもよい。
【0010】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係る多層階集合住宅は、その所定階において互いに隣接
する住戸を仕切る戸境壁の少なくとも1つが、所定間隔
をおいて配置された2重壁からなり、この2重壁の各々
に少なくとも1つの通気口が形成されており、この2重
壁と床スラブと天井スラブとにより両住戸間に多層階集
合住宅を前後方向に貫通する通風路が形成されており、
この通風路の前面側開口端部が前方へ向けて左右方向に
広がるように形成されているので、次のような作用効果
を得ることができる。
【0011】すなわち、上記2重壁の間には多層階集合
住宅を前後方向に貫通する通風路が形成されているの
で、多層階集合住宅の前面側空間と背面側空間との気圧
差により、2重壁の間に空気を効率よく流通させること
ができる。そしてこれにより、2重壁の各々に形成され
た通気口の部分を負圧状態にすることができるので、各
住戸の居住空間の空気を通気口を介して通風路へ効率よ
く吸い出すことができる。
【0012】しかも上記通風路は、その前面側開口端部
が前方へ向けて左右方向に広がるように形成されている
ので、多層階集合住宅の正面前方から吹いてくる風だけ
てなく、斜め方向から吹いてくる風についても通風路へ
スムーズに導くことができる。そしてこのような集風作
用により、2重壁の間に空気を一層効率よく流通させる
ことができる。
【0013】このように本願発明によれば、戸境壁を構
成する2重壁の間の空間を空気流通効率のよい通風路と
して機能させることができ、これにより多層階集合住宅
における各住戸の居住空間の通風性を十分に高めること
ができる。
【0014】ところで、多層階集合住宅の前面側空間は
多層階集合住宅の南側に位置することが多いが、上記前
面側開口端部の集風作用により、夏季に多く発生する南
寄りの風を効率よく通風路へ導くことができる。すなわ
ち上記構成によれば、夏のような蒸し暑い季節に各住戸
の居住空間の通風性をより一層高める効果を発揮するの
で、快適な住環境を創出することができる。
【0015】上記構成において、2重壁の両側に位置す
る住戸の前面にバルコニーが設けられている場合には、
通風路の前面側開口端部をバルコニーへ突出するように
して形成すれば、この前面側開口端部を左右方向に広が
るように形成したために居住空間が狭められてしまうの
を防止することが可能となる。したがって前面側開口端
部を十分大きく左右方向に広がるように形成することが
でき、これにより集風効果を一層高めることができる。
【0016】また上記構成において、通風路の前面側開
口端部における左右方向中間位置(例えば左右方向中心
位置)に、前後方向に延びる鉛直板を設けるようにすれ
ば、多層階集合住宅の正面方向に対して斜め方向から吹
いてくる風を鉛直板で受けてより多く通風路へ導くこと
ができる。そしてこのように集風効果を高めることによ
り、2重壁の間に空気をより一層効率よく流通させるこ
とができる。ここで「鉛直板」のサイズ、形状、材質等
の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0017】さらに上記構成において、2重壁の各々
に、通気口を通風路側から覆って前後方向に延びる筒状
通路を形成するカバーを設け、これら各カバーを筒状通
路の断面積が前端から後端へ向けて徐々に小さくなるよ
うにテーパ状に形成すれば、2重壁の間を流通する空気
の流速を筒状通路内において高めることができる。そし
てこれにより、通気口の部分をより大きな負圧状態にす
ることができるので、各住戸の居住空間の空気を、通気
口を介して通風路へ効率よく吸い出すことができる。し
かも、このようなカバーを設けることにより、2重壁の
両側に位置する住戸間において通気口を介して伝わる生
活音を低減することができ、また、通風路あるいは隣り
の住戸から通気口を介して住戸内が見えてしまうのを防
止することもできる。
【0018】また上記構成において、2重壁の両側に位
置する住戸の各々に、該住戸の室内空間と床下空間とを
連通させる床下通気孔と、床下空間に外気を導入する外
気導入孔とが形成された構成とすれば、例えば降雨時等
のように住戸の窓がすべて閉め切られた状態において
も、2重壁の各々に形成された通気口の部分が負圧状態
になったときに、外気導入孔および床下通気孔を介して
外気が住戸の室内空間に導入されるので、室内空間の空
気を通気口を介して通風路へ効率よく吸い出すことがで
き、これにより各住戸の居住空間の通風性を一層高める
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
一実施形態について説明する。
【0020】図1は、本実施形態に係る多層階集合住宅
の通風構造を示す平断面図であり、図2は、図1の要部
拡大図であり、図3および4は、図2のIII-III 線断面
図およびIV方向矢視図である。
【0021】これらの図に示すように、本実施形態に係
る多層階集合住宅10は、東西方向に長く延びる建物で
あって、各階毎に複数の住戸12が左右方向(東西方
向)に配列されており、その前面(南面)にはバルコニ
ー14が設けられるとともに、その背面(北面)には外
廊下16が設けられている。
【0022】各階において互いに隣接する住戸12を仕
切る戸境壁は、通常の1枚の壁からなる戸境壁18と、
2重壁からなる戸境壁20とが交互に配置されている。
また、各階において互いに隣接する住戸12同士は、そ
の間取りが左右対称になっており、2重壁からなる戸境
壁20側に、台所12a、洗面所12b、浴室12c等
の水回り設備が配置されている。
【0023】上記戸境壁20を構成する2重壁20A、
20Bは、所定間隔(例えば約90cm)をおいて配置
された1対の鉛直壁からなり、2重壁20A、20Bの
各々には、台所12a、洗面所12b、浴室12cの位
置に複数の通気口22が形成されている。
【0024】上記2重壁20A、20Bの間には、これ
ら2重壁20A、20Bと各階の床スラブ24と天井ス
ラブ(上階の床スラブ)26とにより、多層階集合住宅
10を前後方向に貫通する通風路28が形成されてい
る。この通風路28は、その前面側開口端部28aが、
バルコニー14へ突出するとともに前方へ向けて左右方
向に広がるように形成されている。
【0025】すなわち、この通風路28のバルコニー1
4への突出部分では、床スラブ24および天井スラブ2
6は、バルコニー14の前後幅の途中位置まで延長形成
されており、また2重壁20A、20Bは、上記途中位
置までは平行のまま延長形成され、さらにそれから左右
方向にラッパ状に広がるように延長形成されている。こ
れら2重壁20A、20Bのラッパ状湾曲部分20A
a、20Baは、その下半部がバルコニー14の手摺壁
14aと一体的に形成されており、その上半部がガラス
やポリカーボネート樹脂等の透光パネル20Aa1、2
0Ba1で構成されている。そしてこれにより、各住戸
12のプライバシーを確保するとともに採光性が阻害さ
れないようにしている。
【0026】上記2重壁20A、20Bの各々には、各
通気口22を通風路28側から覆って前後方向に延びる
筒状通路30を形成するカバー32が設けられている。
これら各カバー32は、筒状通路30の断面積を前端か
ら後端へ向けて徐々に小さくするようにテーパ状に形成
されている。
【0027】上記各住戸12には、該住戸12の室内空
間34と床下空間36とを連通させる2つの床下通気孔
38aと、床下空間36に外気を導入する1つの外気導
入孔42aとが形成されている。
【0028】上記各床下通気孔38aは、各住戸12の
床38における2重壁20A、20Bから離れた位置に
形成されている。これら各床下通気孔38aは、家具や
荷物等によって塞がれてしまわないようにするため、ド
ア40の開閉軌跡内の位置に形成されており、また日常
生活に支障が生じないようにするため、スリット状に形
成されている。一方、上記外気導入孔42aは、住戸1
2の前面壁42の下端部に形成されている。
【0029】上記通風路28には、2重壁20A、20
Bの外面に沿って縦配管類44が設けられており、通風
路28においてその保守点検を行い得る構成となってい
る。また、通風路28の前面側端部28aには、バルコ
ニー14の手摺壁14aと略同じ高さの金属パイプ製の
固定手摺46が設けられており、これにより通風路28
からの落下防止を図るようになっている。さらに、通風
路28の背面側端部には金属パイプ製の手摺ドア48が
設けられている。この手摺ドア48には、外廊下16か
ら通風路28への進入は開錠操作を必要とする一方、通
風路28から外廊下16への退出は開錠操作を必要とし
ないカギが取り付けられている。そしてこれにより、通
風路28への不審者の侵入を防止するとともに、通風路
28を利用した外廊下16への避難を行い得る構成とな
っている。
【0030】上記通風路28の前面側開口端部28aに
おける左右方向中心位置には、前後方向に延びる鉛直板
50が設けられている。この鉛直板50は、バルコニー
14よりも前方側へ突出する縦長矩形状に形成された透
光パネルからなり、バルコニー14に複数のステー52
を介して固定支持されている。
【0031】以上詳述したように、本実施形態に係る多
層階集合住宅10は、多層階集合住宅10の各階におい
て互いに隣接する住戸12を交互に仕切る戸境壁18、
20のうち一方の戸境壁20が、所定間隔をおいて配置
された2重壁20A、20Bからなり、この2重壁20
A、20Bの各々に複数の通気口22が形成されてお
り、この2重壁20A、20Bと床スラブ24と天井ス
ラブ26とにより両住戸12間に多層階集合住宅10を
前後方向に貫通する通風路28が形成されており、この
通風路28の前面側開口端部28aが前方へ向けて左右
方向に広がるように形成されているので、次のような作
用効果を得ることができる。
【0032】すなわち、上記2重壁20A、20Bの間
には多層階集合住宅10を前後方向に貫通する通風路2
8が形成されているので、多層階集合住宅10の前面側
空間と背面側空間との気圧差により、2重壁20A、2
0Bの間に空気を効率よく流通させることができる。そ
してこれにより、2重壁20A、20Bの各々に形成さ
れた各通気口22の部分を負圧状態にすることができる
ので、各住戸12の居住空間の空気を各通気口22を介
して通風路28へ効率よく吸い出すことができる。
【0033】しかも上記通風路28は、その前面側開口
端部28aが前方へ向けて左右方向に広がるように形成
されているので、多層階集合住宅10の正面前方から吹
いてくる風だけてなく、斜め方向から吹いてくる風につ
いても通風路28へスムーズに導くことができる。そし
てこのような集風作用により、2重壁20A、20Bの
間に空気を一層効率よく流通させることができる。
【0034】このように本実施形態によれば、戸境壁を
構成する2重壁の間の空間を空気流通効率のよい通風路
として機能させることができ、これにより多層階集合住
宅における各住戸の居住空間の通風性を十分に高めるこ
とができる。
【0035】特に本実施形態に係る多層階集合住宅10
は、その前面側空間が多層階集合住宅10の南側に位置
しているので、上記前面側開口端部28aの集風作用に
より、夏季に多く発生する南寄りの風を効率よく通風路
28へ導くことができる。すなわち本実施形態によれ
ば、夏のような蒸し暑い季節に各住戸12の居住空間の
通風性をより一層高める効果を発揮するので、快適な住
環境を創出することができる。
【0036】しかも本実施形態においては、2重壁20
A、20Bの両側に位置する住戸12の前面にバルコニ
ー14が設けられており、通風路28の前面側開口端部
28aがバルコニー14へ突出するようにして形成され
ているので、前面側開口端部28aを左右方向に広がる
ように形成したために居住空間が狭められてしまうのを
防止することが可能となる。したがって前面側開口端部
28aを十分大きく左右方向に広がるように形成するこ
とができ、これにより集風効果を一層高めることができ
る。
【0037】また本実施形態においては、通風路28の
前面側開口端部28aにおける左右方向中心位置に、前
後方向に延びる鉛直板50が設けられているので、多層
階集合住宅10の正面方向に対して斜め方向から吹いて
くる風を鉛直板50で受けてより多く通風路28へ導く
ことができる。そしてこのように集風効果を高めること
により、2重壁20A、20Bの間に空気をより一層効
率よく流通させることができる。
【0038】さらに本実施形態においては、2重壁20
A、20Bの各々に、各通気口22を通風路28側から
覆って前後方向に延びる筒状通路30を形成するカバー
32が設けられており、これら各カバー32が筒状通路
30の断面積を前端から後端へ向けて徐々に小さくする
ようにテーパ状に形成されているので、2重壁20A、
20Bの間を流通する空気の流速を筒状通路30内にお
いて高めることができる。そしてこれにより、通気口2
8の部分をより大きな負圧状態にすることができるの
で、各住戸12の居住空間の空気を、通気口22を介し
て通風路28へ効率よく吸い出すことができる。しか
も、このようなカバー32を設けることにより、2重壁
20A、20Bの両側に位置する住戸12間において各
通気口22を介して伝わる生活音を低減することがで
き、また、通風路28あるいは隣りの住戸から通気口2
2を介して住戸内が見えてしまうのを防止することもで
きる。
【0039】また本実施形態においては、2重壁20
A、20Bの両側に位置する住戸12の各々に、該住戸
12の室内空間34と床下空間36とを連通させる床下
通気孔38aと、床下空間36に外気を導入する外気導
入孔42aとが形成されているので、例えば降雨時等の
ように住戸12の窓がすべて閉め切られた状態において
も、2重壁20A、20Bの各々に形成された各通気口
22の部分が負圧状態になったときに、外気導入孔38
aおよび床下通気孔42aを介して外気が住戸12の室
内空間34に導入されるので、室内空間34の空気を各
通気口22を介して通風路28へ効率よく吸い出すこと
ができ、これにより各住戸12の居住空間の通風性を一
層高めることができる。なお本実施形態においては、床
下通気孔38aが2つ、外気導入孔42aが1つ形成さ
れた構成となっているが、これら床下通気孔38aおよ
び外気導入孔42aの形成個数を適宜変更してもよいこ
とはもちろんである。また本実施形態においては、外気
導入孔42aが前面壁42に形成された構成となってい
るが、背面壁等に形成することも可能である。
【0040】さらに本実施形態においては、通風路28
に縦配管類44が設けられているので、住戸12内から
配管スペースを排除して居住空間を広く確保することが
できる。また、これら縦配管類44は露出した状態で配
置されているので、その保守点検を容易に行うことがで
きる。
【0041】上記通風路28の前面側端部28aおよび
背面側端部に設けられた固定手摺46および手摺ドア4
8は金属パイプ製であるので、これらが設けられたため
に2重壁20A、20Bの間の空気流通効率が低下して
しまうことはほとんどない。なお、通風路28の背面側
端部に通風路28を閉止可能な扉を設けるようにすれ
ば、冬季にこれを閉じて北風が通風路28内に吹き込ん
でしまうのを未然に防止することも可能である。
【0042】本実施形態においては、2重壁20A、2
0Bの間隔として90cmを例示したが、多層階集合住
宅10の構造や立地条件等に応じて適宜広くしたり狭く
したりすることができることはもちろんである。
【0043】また本実施形態においては、2重壁20
A、20Bの各々における台所12a、洗面所12b、
浴室12cの位置に複数の通気口22が形成された構成
となっているが、これら以外の箇所に通気口22が形成
された構成とすることももちろん可能である。
【0044】さらに本実施形態において、各通気口28
を開閉可能な構造にしておけば、居住空間の通風が不要
な場合に通風が行われてしまうのを防止することができ
る。同様に、床下通気孔38aおよび外気導入孔42a
についても、開閉可能な構造にしておくことがより好ま
しい。
【0045】また本実施形態において、通風路28を構
成する天井スラブ26(あるいは床スラブ24)を2重
構造とし、これを前面側から背面側へ向けて通風路28
の断面積が徐々に小さくなるように形成することも可能
であり、このようにすることにより通風路28のベンチ
ュリ効果を高めることができる。この場合において、風
の強い高層階については2重構造とせず、風の弱い低層
階のみを2重構造とすれば、各階の住戸の居住空間の通
風性を均一に高めることができる。
【0046】本実施形態においては、通風路28の前面
側開口端部28aを前方へ向けて左右方向に広げるた
め、2重壁20A、20Bがその途中位置から左右方向
にラッパ状に広がるラッパ状湾曲部分20Aa、20B
aで構成されているが、前方へ向けて左右方向に広がる
ものであれば、ラッパ状湾曲部分20Aa、20Baの
ような凸状曲面に代えて、凹状曲面、平面、波形曲面等
で構成することも可能である。
【0047】また、本実施形態に係る多層階集合住宅1
0においては、各階において互いに隣接する住戸12を
仕切る戸境壁が、通常の1枚の壁からなる戸境壁18
と、2重壁20A、20Bからなる戸境壁20とが交互
に配置された構成となっているが、すべての戸境壁を2
重壁20A、20Bからなる戸境壁20で構成するよう
にしてもよい。このようにした場合には、各住戸12の
左右両側に通風路28が形成されることとなるので、居
住空間の通風性をより一層高めることができる。
【0048】ところで本実施形態においては、鉛直板5
0がバルコニー14に複数のステー52を介して固定支
持された構成となっているが、図5に示すように、床ス
ラブ24および天井スラブ26をバルコニー14の前端
面まで延長形成し、その延長形成部24a、26aで、
鉛直板50を上下両側から支持するように構成すること
も可能である。
【0049】なお、図6に示すように、通風路28の前
面側開口端部28aに鉛直板50が設けられていない場
合においても、通風路28の前面側開口端部28aが前
方へ向けて左右方向に広がるように形成されているの
で、従来の多層階集合住宅に比して各住戸の居住空間の
通風性を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る多層階集合住宅の
通風構造を示す平断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2のIII-III 線断面図
【図4】図2のIV方向矢視図
【図5】上記実施形態の変形例を示す、図4と同様の図
【図6】上記実施形態の他の変形例を示す、図4と同様
の図
【符号の説明】
10 多層階集合住宅 12 住戸 12a 台所 12b 洗面所 12c 浴室 14 バルコニー 14a 手摺壁 16 外廊下 18、20 戸境壁 20A、20B 2重壁 20Aa、20Ba ラッパ状湾曲部分 20Aa1、20Ba1 透光パネル 22 通気口 24 床スラブ 24a 延長形成部 26 天井スラブ(上階の床スラブ) 26a 延長形成部 28 通風路 28a 前面側開口端部 30 筒状通路 32 カバー 34 室内空間 36 床下空間 38 床 38a 床下通気孔 40 ドア 42 前面壁 42a 外気導入孔 44 縦配管類 46 固定手摺 48 手摺ドア 50 鉛直板 52 ステー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各階毎に複数の住戸が左右方向に配列さ
    れてなる多層階集合住宅における通風構造であって、 所定階において互いに隣接する住戸を仕切る戸境壁の少
    なくとも1つが、所定間隔をおいて配置された2重壁か
    らなり、 上記2重壁の各々に、少なくとも1つの通気口が形成さ
    れており、 上記2重壁と上記所定階の床スラブおよび天井スラブと
    により、上記両住戸間に上記多層階集合住宅を前後方向
    に貫通する通風路が形成されており、 上記通風路の前面側開口端部が、前方へ向けて左右方向
    に広がるように形成されている、ことを特徴とする多層
    階集合住宅の通風構造。
  2. 【請求項2】 上記両住戸の前面にバルコニーが設けら
    れており、 上記通風路の前面側開口端部が、上記バルコニーへ突出
    するようにして形成されている、ことを特徴とする請求
    項1記載の多層階集合住宅の通風構造。
  3. 【請求項3】 上記通風路の前面側開口端部における左
    右方向中間位置に、前後方向に延びる鉛直板が設けられ
    ている、ことを特徴とする請求項1または2記載の多層
    階集合住宅の通風構造。
  4. 【請求項4】 上記2重壁の各々に、上記通気口を上記
    通風路側から覆って前後方向に延びる筒状通路を形成す
    るカバーが設けられており、 上記各カバーが、上記筒状通路の断面積を前端から後端
    へ向けて徐々に小さくするようにテーパ状に形成されて
    いる、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の多
    層階集合住宅の通風構造。
  5. 【請求項5】 上記両住戸の各々に、該住戸の室内空間
    と床下空間とを連通させる床下通気孔と、上記床下空間
    に外気を導入する外気導入孔とが形成されている、こと
    を特徴とする請求項1〜4いずれか記載の多層階集合住
    宅の通風構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254999A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Mbs Inc 集合住宅

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